JP5863974B2 - マイクロリソグラフィ投影露光装置の投影対物レンズ - Google Patents

マイクロリソグラフィ投影露光装置の投影対物レンズ Download PDF

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Description

本発明は、包括的には、マイクロリソグラフィ投影露光装置の投影対物レンズに関し、特に、投影光とは異なる加熱光を屈折光学素子のリム面へ指向させる波面補正デバイスを含む上記対物レンズに関する。
マイクロリソグラフィ(フォトリソグラフィ又は単にリソグラフィとも称する)は、集積回路、液晶ディスプレイ、及び他の微細構造デバイスの製造技術である。マイクロリソグラフィプロセスをエッチングプロセスと共に用いて、基板、例えばシリコンウェーハ上に形成した薄膜積層体に特徴をパターン形成する。製造の各層において、最初に、深紫外(DUV)光、真空紫外(VUV)光、又は極紫外(EUV)光等の放射線に対して高感度の材料であるフォトレジストでウェーハをコーティングする。次に、投影露光装置においてフォトレジストを載せたウェーハにマスクを通して投影光を当てる。マスクは、フォトレジスト上に投影される回路パターンを含む。露光後、フォトレジストを現像して、マスクに含まれた回路パターンに対応する像を生成する。続いて、エッチングプロセスにより回路パターンをウェーハ上の薄膜積層体に転写する。最後に、フォトレジストを除去する。このプロセスを異なるマスクで繰り返すことで、多層微細構造コンポーネントが得られる。
投影露光装置は、通常、照明系と、マスクを位置合わせするマスクアライメントステージと、投影対物レンズと、フォトレジストでコーティングしたウェーハを位置合わせするウェーハアライメントステージとを含む。照明系は、例えば矩形スリット又は細いリングセグメントの形状を有し得るマスク上の視野を照明する。
現在の投影露光装置では、2つの異なるタイプの装置の間で区別を付けることができる。一方のタイプでは、ウェーハ上の各ターゲット部分が、マスクパターン全体をそのターゲット部分の上に1回で露光することにより照射される。そのような装置を一般的にウェーハステッパと称する。一般的にステップアンドスキャン装置又は単にスキャナと称する他方のタイプの装置では、投影光ビーム下で所与の基準方向にマスクパターンを漸次走査し、それと同期してこの方向と平行又は反平行に基板を移動させることにより、各ターゲット部分が照射される。ウェーハの速度とマスクの速度との比は、投影レンズの倍率βに等しい。倍率の通常の値はβ=±1/4である。
「マスク」(又はレチクル)という用語は、パターン形成手段として広義に解釈すべきであることを理解されたい。一般的に使用されるマスクは、透過パターン又は反射パターンを含み、例えば、バイナリ型、交替位相シフト型、減衰位相シフト型、又は様々な混成マスク型のものとすることができる。
投影露光装置の開発における主な目的の1つは、ウェーハ上にリソグラフィで作製可能な構造の寸法を小型化することである。構造が小さければ集積密度が高くなり、これは概して、当該装置を用いて作製される微細構造コンポーネントの性能に好ましい影響を及ぼす。さらに、単一のウェーハ上に作製できるデバイスが多いほど、装置のスループットが高くなる。
生成できる構造のサイズは、主に使用する投影対物レンズの分解能に応じて変わる。投影対物レンズの分解能は、投影光の波長に反比例するので、分解能を高める1つの方法は、使用する投影光を短波長化することである。現在使用されている最短波長は、248nm、193nm、又は157nmなので、深紫外又は真空紫外スペクトル域にある。約13nmの波長を有するEUV光を使用する装置も、一方では市販されている。将来の装置は、おそらく6.9nmもの小ささの波長を有するEUV光を使用するものとなろう。
分解能を高める別の方法は、高屈折率を有する浸液を投影対物レンズの像側の最終レンズと露光対象のフォトレジスト又は別の感光面との間に残っている液浸空間に導入するという概念に基づく。液浸動作用に設計され、したがって液浸対物レンズとも称する投影対物レンズは、1よりも大きな、例えば1.3又はさらに大きな開口数を達成することができる。
像誤差(すなわち収差)の補正は、非常に高い分解能を有する投影対物レンズにとって重要性を増しつつある。異なるタイプの像誤差には、普通は異なる補正措置が必要である。
回転対称像誤差の補正は比較的容易である。投影対物レンズの出射瞳における波面誤差が回転対称である場合、像誤差を回転対称であると言う。波面誤差という用語は、理想の無収差波からの波のずれを指す。回転対称像誤差は、例えば、個々の光学素子を光軸に沿って移動させることにより少なくとも部分的に補正することができる。
回転対称でない像誤差の補正はより困難である。かかる像誤差が生じるのは、例えば、レンズ及び他の光学素子が回転非対称に加熱するからである。このタイプの1つの像誤差は非点収差である。
回転非対称像誤差の主な原因は、スキャナタイプの投影露光装置で通常見られるようなマスクの回転非対称の、特にスリット形の照明である。スリット形の照明視野は、視野平面付近に配置した光学素子の不均一な加熱を引き起こす。この加熱が光学素子の変形をもたらし、屈折型のレンズ及び他の素子の場合はそれらの屈折率の変化をもたらす。屈折光学素子の材料が高エネルギーの投影光に繰り返し曝された場合、永久的な材料変化も観察される。例えば、投影光に曝された材料の圧密が生じることがあり、この圧密が屈折率の局所的且つ永久的な変化をもたらす。ミラーの場合、反射多層コーティングが高い局所的光強度により損傷を受け得ることにより、反射度が局所的に変わる。
熱誘導による変形、屈折率変化、及びコーティング損傷は、光学素子の光学特性を変え、ひいては像誤差を引き起こす。熱誘導による像誤差は、2回対称性を有することがある。しかしながら、他の対称性、例えば3回又は5回対称性を有する像誤差も、投影対物レンズで頻繁に観察される。
回転対称像誤差の別の主な原因は、照明系の瞳平面が回転非対称に照明される特定の非対称照明設定である。かかる設定について重要な例は、2極のみが瞳平面内で照明される2重極設定である。こうした2重極設定では、投影対物レンズの瞳平面も2つの強力に照明された領域を含む。結果として、かかる対物レンズ瞳平面に又はその付近に配置したレンズ又はミラーは、回転非対称像誤差を引き起こす回転非対称強度分布を受ける。4重極設定も、2重極設定よりも少ないが回転非対称像誤差を発生させることが多い。
回転非対称像誤差を補正するために、特許文献1は、レンズの周囲に沿って分配した複数のアクチュエータを用いて選択的に変形させることができるレンズを提案している。レンズの変形は、熱誘導による像誤差が少なくとも部分的に補正されるよう決定される。より複雑なタイプのこのような補正デバイスは、特許文献2に開示されている。
特許文献3は、同様の補正デバイスを開示している。このデバイスでは、変形プレートの一方の面が屈折率整合液に接触する。プレートが変形した場合、液体に隣接する面の変形には光学的効果が事実上なくなる。したがって、このデバイスは、2つの光学面ではなく1つの光学面のみの変形から補正寄与を得ることを可能にする。したがって、2つの面が同時に変形する場合に観察されるような補正効果の部分的補償が防止される。
しかしながら、アクチュエータを用いた光学素子の変形にはいくつかの欠点もある。アクチュエータがプレート又はレンズの周囲に配置される場合、アクチュエータを用いて限られた種類の変形のみを発生させることが可能である。これは、アクチュエータの数及び配置の両方が固定されていることに起因する。特に、Z10、Z36、Z40、又はZ64等のより高次のツェルニケ多項式により表すことができる変形を発生させることが、普通は困難であるか又は不可能でさえある。上記特許文献3は、透明アクチュエータを光学素子の光学面に直接施すことも提案している。しかしながら、透明アクチュエータが発生させる散乱損失を低く保つことは困難である。
特許文献4及び特許文献5は、液体層により相互に分離された2つの透明光学素子も備えた補正デバイスを開示している。しかしながら、上記特許文献3に記載のデバイスとは対照的に、光学素子を伝播する光の波面補正は、光学素子の変形によってではなく光学素子の屈折率を局所的に変えることにより行われる。この目的で、1つの光学素子に、表面全体にわたって延びる加熱ストライプを設けることができる。液体は、光学素子の平均温度が一定に保たれることを確実にする。さらに高次の波面誤差を非常に良好に補正できるが、このデバイスは複雑な構造を有し、したがって高価である。
未公開国際特許出願である特許文献6は、出口開口から出る複数の流体流が投影露光装置の動作中に投影光が伝播する空間に入る補正デバイスを開示している。温度コントローラが、各流体流について個別に流体流の温度を設定する。温度分布は、温度分布が引き起こす光路長差が波面誤差を補正するよう決定される。
熱誘導による像誤差に対処するための別の、場合によってはより単純な手法は、複数の光学素子で発生した誤差を補正することではなく、そのような誤差の発生を完全に回避することである。これは、光学素子の温度分布が少なくとも実質的に対称になるよう光学素子を局所的且つ選択的に加熱又は冷却することを普通は伴う。回転対称タイプの残りの熱誘導による像誤差を、より容易な措置により、例えば光軸に沿って光学素子を変位させることにより、続いて補正することができる。
光学素子の付加的な加熱又は冷却は、例えば特許文献7から既知のように、高温又は低温のガスを素子へ指向させることにより行うことができる。しかしながら、光学素子の温度分布をガス流で正確に制御することは困難である。
したがって、光学素子において少なくとも実質的に回転対称の温度分布を達成するために光学素子の選択部分へ光ビームを指向させることが提案されている。通常、光ビームは、投影光の波長とは異なる波長を有する放射線を放出する別個の光源により生成される。この付加的な光源の波長は、補正光がフォトレジストの露光に寄与しないが、依然として光学素子又はその上に施した層により少なくとも部分的に吸収されるよう決定される。
特許文献8は、投影光により照明される(普通はスリット形態の)視野を囲むマスクの部分を照明する2つの付加的な光源が設けられる、このタイプの補正システムを記載している。したがって、視野平面付近の全光学素子が、ほぼ回転対称に光学素子を加熱する3つの異なる光ビームを受ける。他の実施形態では、付加的な補正光が、視野平面内で又は視野平面のごく近くで投影露光装置の照明系に結合される。照明設定に応じて、瞳平面の中心が投影動作中に照明されない場合が多いので、この中心に結合した光は、投影対物レンズの瞳平面内に又は瞳平面に近接して配置した光学素子のより均一な照明に寄与する。
特許文献9は、2つの反対レンズ面の選択部分へ同時に加熱光を指向させるデバイスを開示している。一実施形態では、加熱光源が生成した加熱光は、空間光変調器により8つの光ファイバ間に分配される。各光ファイバに関連する集光光学系が、光ファイバが放出した加熱光をレンズ面の選択部分へ指向させる。
特許文献10は、加熱すべき部分にわたって走査する光線を使用して選択光学素子の特定部分を加熱することを可能にする、同様の補正デバイスを記載している。このデバイスも、投影対物レンズ内に配置することができ、ほぼ完ぺきに回転対称の温度分布を達成できるよう非常に選択的に温度を上昇させることを可能にする。
補正デバイスが投影対物レンズ内に配置される場合、その光学素子へのアクセスが制限される場合が多く、光学素子上の全ての点に加熱光を指向させることが可能であっても、加熱光は非常に大きな入射角で光学面に入射する場合が多い。結果として、光エネルギーのかなりの部分がこの面で反射され、素子の加熱に寄与できない。
上記特許文献10に記載の一実施形態では、この課題は、加熱される光学素子に補正光が入射する前に補正光が実質的に吸収されることなく複数の光学素子を通過することで解決される。これは、一方では補正光、他方では投影光に対して異なる吸収係数を有する光学素子の材料を選択することにより達成することができる。しかしながら、光学面に入射する前に複数の他のレンズを通過する走査光を光学面上の全ての対象点に到達させることは依然として困難である。
特許文献11は、基準面で補正光の強度分布を発生させる二次照明系を含む補正デバイスを設けることにより、この課題を克服している。この基準面は、投影対物レンズの少なくとも一部を使用して、屈折光学素子が配置される平面に結像される。補正光及び投影光の両方が通過する全てのレンズは、補正光に対する吸収係数が屈折光学素子の材料よりも低いレンズ材料でできている。
特許文献12は、加熱光が選択光学素子の周縁リム面を介して、すなわち周方向に選択光学素子に結合される補正デバイスを提案している。光ファイバを使用して、単一の光源が発生させた加熱光を光学素子の周縁に沿って分布した種々の場所へ指向させることができる。このデバイスを使用して、光学素子の温度分布を均一化できるだけでなく、他の光学素子で生じた波面誤差を補正することもできることも言及しておく。このデバイスは、非常に緻密に積層した光学素子も加熱することを可能にするが、比較的粗い温度分布をもたらすことしかできない。ごく少数の大きく発散した加熱光ビームしか光学素子に結合できないので、より複雑な温度分布を得ることができない。
米国特許第6,338,823号明細書 米国出願公開第2010/0128367号明細書 米国特許第7,830,611号明細書 米国出願公開第2010/0201958号明細書 米国出願公開第2009/0257032号明細書 PCT/EP2010/001900号明細書 米国特許第6,781,668号明細書 欧州特許第823 662号明細書 米国特許第7,817,249号明細書 米国出願公開第2005/0018269号明細書 米国出願公開第2010/0231883号明細書 米国特許第6,504,597号明細書
したがって、より高次の波面誤差も補正可能だが単純な構成を有する補正デバイスが必要である。さらに、投影光が通過する領域(例えば、液体、電線、又はアクチュエータ用のチャネル)に配置した素子に関連する散乱及び他の課題を回避するべきである。
本発明によれば、この課題は、マイクロリソグラフィ投影露光装置の投影対物レンズであって、投影光を使用してマスクを感光面に結像するよう構成した投影対物レンズにより対処される。投影対物レンズは、マスクが観光面に結像される際に投影光が通過する2つの反対光学面を有する屈折光学素子を含む波面補正デバイスを備える。屈折光学素子は、2つの光学面間に延びる周囲リム面も有する。補正デバイスは、第1加熱光をその少なくとも一部が屈折光学素子に入るようにリム面の第1部分へ指向させるよう構成した第1光学系と、第2加熱光をその少なくとも一部が屈折光学素子に入るように第1部分とは異なるリム面の第2部分へ指向させるよう構成した第2光学系とをさらに備える。第1加熱光及び第2加熱光の部分的吸収が引き起こす温度分布が、波面誤差を変化させる、特に補正する屈折光学素子内の屈折率分布をもたらす。少なくとも第1光学系は、焦点領域から出る第1加熱光がリム面の第1部分に入射するように焦点領域に第1加熱光を集束させるよう構成した集束光学素子を備える。
本発明は、電線又は液体ではなく加熱光を使用して屈折光学素子内の温度分布を発生させるので、屈折光学素子は、屈折光学素子を通る投影光の伝播を妨害し得る素子を伴わない。加熱光が屈折光学素子にその周囲リム面を介して結合するので、小さな入射角を達成すること、及び加熱光の大部分が屈折光学素子に入ることができるよう特別な反射防止コーティングを施すことが可能である。
複雑な屈折率分布も発生させることを可能にするために、(少なくとも時間平均での)強度を個別に調整できる多数の加熱光ビームを提供する必要がある。個別加熱光ビームの数が多いほど、屈折光学素子において内部反射又は散乱した加熱光線が光源に戻ることができる可能性が高くなる。しかしながら、多くの適切なタイプの光源、例えばレーザ、レーザダイオード、又はLEDの動作及び安定性は、放出された光が反射し光源に戻る場合に著しく低下する。これは、損傷又はその完全な故障にさえつながり得る。
放出された加熱光の大部分が光源へ反射されるのを防止するために、本発明による補正デバイスは、屈折光学素子に入る加熱光が焦点領域から出るよう集束光学素子を提供する。これにより、焦点領域を通過する光のみが光源へ確実に戻ることができる。散乱又は内部反射した加熱光は、普通は屈折光学素子を離れることができず焦点領域を通過するようになるので、光源は、反射した加熱光から非常に効果的に保護される。
焦点領域を設けることで、明確に定められた光学特性を有する点光源又は線光源が効果的に得られる。これらの効果的な光源は、補正デバイス及び投影対物レンズに必要な体積を小さく保つことができるよう屈折光学素子の非常に近くに配置することができる。さらに、かかる点光源又は線光源から出る加熱光は、扇形の加熱光ビームを発生させる。2つ、3つ、又はさらに数個のこのような扇形が屈折光学素子で重なる場合、加熱光ビームでの屈折光学素子の中心部の非常に良好な照射範囲を達成することができる。
良好な照射範囲は、最初は発散している扇形が円筒形リム面によりコリメートされる場合、又はより一般的にはリム面の少なくとも第1部分が、屈折光学素子が配置される位置における投影対物レンズの光軸に対して垂直な平面で凸状である場合にも達成される。第1加熱光が、屈折光学素子に入った後にコリメート光として屈折光学素子を伝播することさえ達成され得る。これは、屈折光学素子の中心部における加熱光ビームの均一な照射範囲を確保するので、多くの場合に有利である。
反射又は散乱した加熱光に対する光源の保護をさらに改善できるのは、少なくとも第1光学系が、焦点領域が位置決めされる開口を有するブラインドを備える場合である。その場合、反射又は散乱した加熱光を遮るのは、集束素子(又は厳密に言えばそのリム又はマウント)ではなくブラインドである。
リム面のうち第1加熱光が入る少なくとも第1部分は、この部分と交わり且つ屈折光学素子が配置される位置における投影対物レンズの光軸を含む平面で湾曲し得る。その場合、リム面は、例えば当該平面で加熱光をコリメートするのに用いることができる光学的パワーを当該平面に有する。リム面は、屈折光学素子の矩形又は多角形断面をもたらす複数の平面から構成することもできる。
屈折光学素子の光学面は、平面であり且つ相互に平行であり得る。その場合、屈折光学素子はプレートである。屈折光学素子が1つ又は2つの湾曲光学面を有する場合、これは投影光についても光学的パワーを有する。
補正デバイスは、加熱光を放出するよう構成した光源と、光源が放出した加熱光を第1加熱光及び第2加熱光に分割するビームスプリッタとを備え得る。換言すれば、単一の光源を使用して、屈折光学素子のリム面へ加熱光を指向させるのに使用する2つ以上の光学系に加熱光を供給する。このような実施形態ではレーザを光源として使用することができる。
第1光学系、第2光学系、及び任意のさらに他の光学系に対して個別の光源を設けることも想定される。その場合、第1光学系は、第1加熱光を発生させるよう構成した単一の第1光源を備え、第2光学系は、第2加熱光を発生させるよう構成した単一の第2光源を備える。
光学系が各自の光源を有するか共通の光源を共有するかに関係なく、少なくとも第1光学系が、複数の第1加熱光ビームを発生させてその強度を個別に変えることができるように空間分解的に第1加熱光の強度を(好ましくは連続的に)変えるよう構成した空間光変調器を備えれば有利である。第1加熱光を複数の第1加熱光ビームに分割することにより、光学系の数に等しい光ビーム数を発生させるだけでなくこの数を大幅に増やすことが可能である。例えば、空間光変調器が10個又は100個、又はさらに1000個の個別加熱光ビームを発生させる場合、3つの光学系を備えた補正デバイスは、さまざまな方向に沿って屈折光学素子を通過する個別加熱光ビームをそれぞれ30個、300個、又は3000個発生させることができる。その場合、非常に複雑な屈折率分布も発生させることができる。
一実施形態では、空間光変調器は、ビーム偏向素子のアレイを備え、各ビーム偏向素子は、入射する第1加熱光を制御信号に応じて可変である偏向角で偏向させるよう構成される。かかるビーム偏向素子は、傾斜可能なマイクロミラーにより、又は光音響効果を利用した透過素子により形成することができる。
別の実施形態では、空間光変調器は、制御信号に応じてサイズ及び/又は透過率を個別に変えることができる複数の開口を有する可変ブラインドを含む。
さらにまた別の実施形態では、空間光変調器は、反射面と、反射面の空間的向きを変えるよう構成したドライバとを備える。その場合、複数の第1加熱光ビームを同時に発生させるのではなく一種の走査構成で逐次発生させる。
単一光源及び空間光変調器を設ける代わりに、それぞれが第1加熱光ビームを発生させるよう構成した複数の第1光源を備えた第1光学系を有することも可能である。
少なくとも1つの第1光源は、個別に変えることができる強度を有するLEDであり得る。
少なくとも1つの第1光源は、レーザダイオードであり得る。その場合、第1光学系は、第1光源が個別に放出した第1加熱光ビームの強度を変えるよう構成した光変調器を備え得る。
少なくとも第1光学系は、第1加熱光が反射光学素子を横断した後にこれを反射する反射面を備え得る。反射面は、リム面に施した多層コーティング、屈折光学素子から離れて配置した基板に施した多層コーティング、又はプリズムの表面により形成され得る。加熱光を屈折光学素子へ指向させ戻すことにより、光損失を減らすこと、ひいてはデバイスの効率を高めることが可能である。
反射面で反射した加熱光が光源に戻るのを回避するために、反射面は、反射光の方向が入射光の方向とは異なるよう配置され得る。これは、例えば、湾曲反射面又は加熱光が平面状の反射面に垂直に入射しないようわずかに傾斜させた平面を使用することにより達成することができる。
反射光の方向は、入射光の方向とは非常に小さな角度だけ、例えば0.05°〜5°の角度だけ異なり得る。
第1光学系は、集束光学素子が屈折光学素子のリム面の完全に上又は完全に下に配置されるように第1加熱光を偏向させるよう構成したビーム偏向素子を備え得る。これは、加熱光が光偏向素子に入る際に伝播する平面が屈折光学素子を伝播する平面と平行であることを意味し得る。例えば、ビーム偏向素子は、光軸に対して45°の角度を形成する傾斜面を有するプリズムにより形成され得る。屈折光学素子のリム面が45°の円錐角を有する円錐状である場合、加熱光の伝播経路は、伝播経路の軸方向変位が達成されるよう全反射を用いて90°で2回折り返され得る。
集束素子及び屈折光学素子はいずれも、屈折光学素子が配置される位置における投影対物レンズの光軸に対して垂直な平面で正レンズの、特にシリンドリカルレンズの光学的効果を有し得る。したがって、屈折光学素子は、2つの光学系の、すなわち投影光が通過する投影対物レンズ及び加熱光が通過する補正デバイスの一部である。
その場合、集束素子の体積は、屈折光学素子の体積よりもはるかに小さく、例えば少なくとも1/100、好ましくは少なくとも1/300であり得る。
第1加熱光は第1平面で伝播することができ、第2加熱光は第2平面で伝播することができ、第1平面及び第2平面は、相互に同一又は平行であり得る。これらの平面の他の構成、例えば平面が交わり得るか又は交わり得ない傾斜配置も可能である。
集束光学素子が集束力を有するのが1方向のみか2つの直交方向かに応じて、焦点領域はそれぞれ焦点又は焦線となる。集束素子が1方向のみに沿って集束力を有する場合、集束素子はシリンドリカルレンズ又はシリンドリカルミラーにより形成され得る。
概して、第1加熱光及び第2加熱光は、屈折光学素子において投影光よりも強く吸収されるべきである。そうして初めて、所望の温度分布を達成するために相当な量のエネルギーが屈折光学素子内で吸収される。
例えば、第1加熱光及び第2加熱光は、0.7μm〜3μmの中心波長を有することができ、投影光は、150nm〜500nmの中心波長を有することができる。相当な量のOH分子を含有する光学ガラスが屈折光学素子に使用される場合、かかる第1加熱光及び第2加熱光は、投影光よりもはるかに強く吸収される。これが特に当てはまるのは、第1加熱光及び第2加熱光が1.3μm〜1.5μm又は2.0μm〜2.3μm又は2.6μm〜2.8μmの中心波長を有する場合である。その場合、屈折光学素子は、50ppm〜500ppm、好ましくは90ppm〜150ppmの濃度でOH分子を含有する光学ガラスを備え得る。
OH分子の局所密度は、投影光に対する、特に193nm又は248nmの波長を有する光に対する光学ガラスの屈折率と直接相関する。OH分子の密度が十分に均一でない場合、第1加熱光及び第2加熱光の強度を求める際にその変動を考慮に入れることができる。
概して、第1加熱光及び第2加熱光は異なる中心波長を有し得るが、多くの場合、同じ中心周波数を有する第1加熱光及び第2加熱光を使用することが好ましい。
第1加熱光及び第2加熱光の部分的吸収により屈折光学素子内で発生する屈折率分布は、波面誤差が少なくとも部分的に補正されるよう概して決定される。波面誤差の補正は、波面誤差を表すのに用いられるツェルニケ係数の二乗平均平方根(round square means)(RSM)を減少させることを通常は意味する。しかしながら、場合によっては、RSMを減少させるのではなく、波面誤差を変化させて、投影対物レンズに設けた他のマニピュレータ又は補正手段がより容易に補正できるようにすることが、より賢明であり得る。かかる波面誤差の変化は、場合によってはさらに大きなRSMをもたらし得るが、他の手段によりさらに大きく減らすことができるという効果がある。例えば、小さなRMSをもたらす非対称性の高い波面誤差を、より大きなRMSをもたらすが他のマニピュレータが容易に補正できる回転対称波面誤差に変換することができる。
一実施形態では、第1光学系は、第1加熱光ビームが屈折光学素子を離れた後にそれらの放射照度変化を測定するよう構成した第1光検出器を備える。同様に、第2光学系は、第2加熱光ビームが屈折光学素子を離れた後にそれらの放射照度変化を測定するよう構成した第2光検出器を備える。これにより、第1加熱光ビーム及び第2加熱光ビームを発生させる光源の適切な機能を監視することが可能となる。
その場合、投影対物レンズは、第1検出器及び第2検出器が測定した放射照度変化に応じて第1光学系及び第2光学系を制御するよう構成した制御ユニットも備え得る。これにより、屈折光学素子内の所望の温度分布をより正確に発生させることが可能となる。
別の実施形態では、少なくとも第1光学系は、投影対物レンズの外部に配置した第1光源からの第1加熱光を集束光学素子へ導くよう構成した光ファイバを備える。投影対物レンズの外部の第1光源のこのような配置は、投影対物レンズを取り外す必要なく欠陥光源を交換することが可能となるので有利である。
さらに別の実施形態では、投影対物レンズの補正デバイスは、屈折光学素子を能動的に冷却するよう構成した冷却システムを備える。これにより、自然な熱収支を維持すること及び屈折光学素子内の温度分布を素早く変えることが可能となる。
本発明の主題は、マイクロリソグラフィ投影露光装置の投影対物レンズであって、投影光を使用してマスクを感光面に結像するよう構成した投影対物レンズでもある。投影対物レンズは、マスクが感光面に結像される際に投影光が通過する2つの反対光学面を有する屈折光学素子を備えた波面補正デバイスを備える。周囲リム面が2つの光学面間に延びる。波面補正デバイスは、加熱光がリム面に入射するように加熱光を放出するよう構成した光源をさらに備える。屈折光学素子及び光源により囲まれた体積には、液体、固体、又はゲル若しくはペースト等の液体及び固体の混合物である光学媒質が充填される。好ましくは、光学媒質は、屈折光学素子と同様の屈折率を有する。特に、光学媒質及び屈折光学素子の屈折率比は、22℃で0.80〜1.1であり得る。
例えば光学接着剤により形成され得るこのような光学媒質を使用することにより、リム面における屈折が抑制又は少なくとも大幅に低減される。これにより、特にリム面が円筒形である場合に屈折光学素子への加熱光の結合が単純化される。例えば、複数のLED又はレーザダイオードを含む直棒が、平行な加熱光ビームをこのとき放出することができ、これらの加熱光ビームのコリメート性は、加熱光が屈折光学素子に入った後に維持される。
本発明の主題は、マイクロリソグラフィ投影露光装置の投影対物レンズであって、投影光を使用してマスクを感光面に結像するよう構成した投影対物レンズでもある。投影対物レンズは、マスクが感光面に結像される際に投影光が通過する2つの反対光学面を有する屈折光学素子を備えた波面補正デバイスを備える。周囲リム面が2つの光学面間に延びる。波面補正デバイスは、加熱光がリム面に入射するように加熱光を放出するよう構成した光源をさらに備える。リム面のうち加熱光が入射する部分は、少なくとも1方向に沿って屈折力を有するフレネルレンズとして形成される。
この措置も、屈折光学素子への加熱光の結合を単純化する。リム面に直接形成した従来のレンズとは対照的に、フレネルレンズは、著しく強力な光学的パワーを達成することを可能にする。
本発明の主題は、マイクロリソグラフィ投影露光装置の投影対物レンズであって、投影光を使用してマスクを感光面に結像するよう構成した投影対物レンズでもある。投影対物レンズは、マスクが感光面に結像される際に投影光が通過する2つの反対光学面を有する屈折光学素子を備えた波面補正デバイスを備える。周囲リム面が2つの光学面間に延びる。波面補正デバイスは、加熱光がリム面に入射するように加熱光を放出するよう構成した光源をさらに備える。屈折光学素子は、加熱光が屈折光学素子に垂直に入るように光源が配置されるボア、孔、又は凹部を有する。
この手法は、リム面で生じる光損失が最小限であり、反射防止コーティングの塗布さえも省くことができることを確実にする。これは、加熱光ビームを少なくとも40°の角度範囲にわたって放出するよう構成した光源を使用することも可能にする。
本発明の主題は、マイクロリソグラフィ投影露光装置の投影対物レンズであって、投影光を使用してマスクを感光面に結像するよう構成した投影対物レンズでもある。投影対物レンズは、マスクが感光面に結像される際に投影光が通過する2つの反対光学面を有する屈折光学素子を備えた波面補正デバイスを備える。周囲リム面が2つの光学面間に延びる。波面補正デバイスは、加熱光がリム面に入射するように加熱光を放出するよう構成した光源をさらに備える。補正デバイスは、光源が発生させた加熱光をリム面の種々の部分へ指向させるよう構成した空間光変調器をさらに備える。
空間光変調器を設けることで、LED又はレーザダイオード等の非常に多数の個別光源を設けることを省くことが可能となる。その代わりに、より強力な光源が1つだけ又はごく少数使用され、加熱光は、このとき空間光変調器を用いて個別加熱光ビームに分割される。これは、さまざまな加熱光ビームを空間光変調器により同時に発生させるのではなく、例えば走査機構を使用して逐次発生させる場合を包含する。その場合、空間光変調器は、反射面と、反射面の空間的向きを変えるよう構成したドライバとを備え得る。
本発明の主題は、マイクロリソグラフィ投影露光装置の投影対物レンズであって、投影光を使用してマスクを感光面に結像するよう構成した投影対物レンズでもある。投影対物レンズは、マスクが感光面に結像される際に投影光が通過する2つの反対光学面を有する屈折光学素子を備えた波面補正デバイスを備える。周囲リム面が2つの光学面間に延びる。波面補正デバイスは、加熱光がリム面に入射するように加熱光を放出するよう構成した光源をさらに備える。反射面が、屈折光学素子を横断した加熱光の少なくとも70%を反射することにより、加熱光が屈折光学素子を再度横断するようになる。
このように、より多くの加熱光が屈折光学素子により吸収されることとなり、したがって波面補正デバイスの効率が高まる。
反射面は、リム面上の反射コーティングとして形成されてもよく、又は屈折光学素子の外部に配置されてもよい。
定義
用語「光」は、任意の電磁放射線、特に可視光、UV光、DUV光、及びVUV光を示す。
用語「光線」は、伝播経路を線で表すことができる光を示すために本明細書では使用される。
用語「光ビーム」は、複数の実質的に平行な光線を示すために本明細書では使用される。光ビームは、通常はその直径にわたって実質的に連続した強度プロファイルを有する。
用語「表面」は、3次元空間内の任意の平面又は曲面を示すために本明細書では使用される。表面は、本体の一部であってもよく、又は本体とは完全に別個であってもよい。
用語「光学的に共役」は、2点間又は2面間の結像関係を示すために本明細書では使用される。結像関係は、ある点から出た光束が光学的に共役な点で収束することを意味する。
用語「視野平面」は、マスク平面と光学的に共役である平面を示すために本明細書では使用される。
用語「瞳平面」は、マスク平面又は別の視野平面における種々の点を通過する周縁光線が交わる平面を示すために本明細書では使用される。当該技術分野では普通であるように、用語「瞳平面」は、実際には数学的意味で平面でなくわずかに湾曲していることにより厳密な意味では瞳面と称するべきである場合にも使用される。
用語「光学的パワー」は、光に対して発散又は収束効果を有する光学素子の能力を示すために使用される。したがって、正の光学的パワーを有する光学素子は収束効果を有し、負の光学的パワーを有する光学素子は発散光学効果を有する。光学的パワーを有する光学素子は、屈折型、反射型、又は回折型であり得る。
本発明のさまざまな特徴御及び利点は、添付図面と共に以下の詳細な説明を参照すればより容易に理解することができる。
本発明の一実施形態による投影露光装置の概略斜視図である。 図1に示す装置の概略子午断面である。 図1及び図2に示す装置の一部である投影対物レンズに含まれる第1実施形態による補正デバイスのXY平面の概略断面である。 線IV−IVに沿った図3に示す補正デバイスの概略断面である。 加熱光を屈折光学素子へ反射し戻す第2実施形態による補正デバイスのXY平面の概略断面である。 線VI−VIに沿った図5に示す補正デバイスの概略断面である。 屈折光学素子のリム部のXZ平面の部分拡大断面である。 空間光変調器としてのミラーアレイを備えた第3実施形態による補正デバイスのXY平面の概略断面である。 空間光変調器としての可変ブラインドを備えた第4実施形態による補正デバイスのXY平面の概略断面である。 図9に示す補正デバイスに含まれる可変ブラインドの正面図である。 空間光変調器としての走査機構を使用した補正デバイスの上面図である。 屈折光学素子及びLEDバーを光学接着剤に浸漬した補正デバイスの概略断面である。 線XIII−XIIIに沿った図12に示す補正デバイスの概略断面である。 2つの湾曲LEDバーを光源として使用する補正デバイスの上面図である。 図14に示すデバイスと同様だが15個のLEDバーを備えた補正デバイスの上面図である。 線XVI−XVIに沿った図15に示す補正デバイスの概略断面である。 2つの強く湾曲したLEDバーを屈折光学素子のリム面における凹部に配置した補正デバイスの上面図である。 2つの強く湾曲したLEDバーを屈折光学素子に設けたボアに配置した補正デバイスの上面図である。 フレネルレンズを含む屈折光学素子のリム部の一部の細部を示す。 複数のレーザダイオードを含むバーの概略正面図である。 光ファイバを使用して遠隔の加熱光源から屈折光学素子へ加熱光を伝える別の実施形態による補正デバイスのXY平面の概略断面である。 2つの屈折光学素子を冷却ガスチャネルにより分離したさらに別の実施形態による補正デバイスのYZ平面の概略断面である。
I.投影露光装置の全体構成
図1は、本発明による投影露光装置10の高度に単純化した斜視図である。装置10は、投影光を発生させる照明系12を備える。投影光は、微細構造19のパターン18を含むマスク16上の視野14を照明する。この実施形態では、照明視野14は矩形の形状を有する。しかしながら、照明視野14の他の形状、例えばリングセグメントも考えられる。
光軸OAを有し複数のレンズL1〜L4を含む投影対物レンズ20が、照明視野14内のパターン18を基板24により支持された感光層22、例えばフォトレジストに結像する。シリコンウェーハにより形成され得る基板24は、感光層22の上面が投影対物レンズ20の像平面に正確に位置決めされるようウェーハステージ(図示せず)に配置される。マスク16は、マスクステージ(図示せず)により投影対物レンズ20の物体平面に位置決めされる。投影対物レンズ20は|β|<1の倍率βを有するので、照明視野14内のパターン18の縮小像18’が感光層22に投影される。
投影中、マスク16及び基板24は、図1に示すY方向に対応する走査方向に沿って移動する。したがって、照明視野14は、照明視野14よりも大きなパターン領域を連続的に投影できるようマスク16を走査する。基板24及びマスク16の速度の比は、投影対物レンズ20の倍率βに等しい。投影対物レンズ20が像を反転させない場合(β>0)、マスク16及び基板24は、図1に矢印A1及びA2で示すように同じ方向に沿って移動する。しかしながら、本発明は、軸外の物体視野及び像視野を有する反射屈折投影対物レンズ20と共に、またマスク16及び基板24がマスクの投影中に移動しないステッパタイプの装置でも使用することができる。
図2は、図1に示す装置10の概略子午線断面である。この断面では、マスク16を投影対物レンズ20の物体平面28で支持するマスクステージ26、及び基板24を投影対物レンズ20の像平面30で支持するウェーハステージ32も図示される。
この実施形態では、投影対物レンズ20は、中間像平面34及び第1瞳平面36を有し、第1瞳平面36は、物体平面28と中間像平面34との間に配置される。第2瞳平面38が、投影対物レンズ20の中間像平面34と像平面30との間に配置される。図2に示すように、瞳平面36、38において、視野平面のいずれか、すなわち物体平面28、中間像平面34、及び像平面30から同じ角度で収束又は発散する全光線が、同じ点を通過する。さらに、破線として示す光線40等の光軸OAと平行な視野平面と交わる全光線が、瞳平面36、38内の光軸OAと交わる。
II.補正デバイス
投影対物レンズ20は、波面誤差を補正する補正デバイス42を含む。補正デバイス42は、第1瞳平面36に配置され、片側に第1光学面46及び反対側に第2光学面を有する屈折光学素子44を含み、マスク16が感光面22に結像される際に投影光がこれを通過する。屈折光学素子44は、2つの光学面46、48間に延びる周囲リム面50を有する。この実施形態では、屈折光学素子44の光学面46、48は平面状で相互に平行であり、リム面50は円筒形である。したがって、屈折光学素子44は、平面ディスクの形状を有する。
補正デバイス42は、第1加熱光HL1の少なくとも一部が屈折光学素子44に入るように第1加熱光HL1をリム面50の第1部分へ指向させるよう構成した第1光学系OS1をさらに備える。第2光学系OS2も、第2加熱光HL2の少なくとも一部が屈折光学素子44に入るように第2加熱光HL2をリム面50の異なる部分へ指向させるよう構成される。補正デバイス42は、図3に示す第1瞳平面36における補正デバイス42の断面にのみ示す第3光学系OS3も備える。
光学系OS1、OS2、OS3は、光学系OS1、OS2、OS3それぞれによる加熱光HL1、HL2、LH3の放出を制御する制御ユニット52と信号通信する。
次に、図3及び図4に示す補正デバイス42の断面を参照すると、第1光学系OS1は、制御ユニット52から第1光学系OS1へ適当な制御コマンドを供給することにより強度を個別に変えることができる複数の第1加熱光ビームHLB1を発生させるよう構成した、第1光源54を備えることが分かる。この目的で、第1光源は、それぞれが1つの加熱光ビームHLB1を発生させる複数の個別光源を備えることができる。代替的に、第1光源54は、発光体が放出した光を個別加熱光ビームに分割する単一の発光体兼光分割手段を含むことができる。個別加熱光ビームHLB1は、例えば一種の走査機構を使用した単一の発光体により逐次発生させることもできる。
第1光学系OS1は、光源54と屈折光学素子44との間の光路に配置したシリンドリカルレンズ55をさらに備える。シリンドリカルレンズ55は、XY平面内、すなわち投影対物レンズ20の光軸OAに対して垂直な方向でのみ正の光学的パワーを有する。第1加熱光ビームHLB1は、平行な光ビームとして光源54から放出されるので、シリンドリカルレンズ55の後焦点面に配置した焦線56で収束する。
焦線56から出た第1加熱光ビームHLB1は、屈折光学素子44のリム面50の一部に入射する。図4において分かるように、リム面50は、屈折光学素子44の対称軸と一致する光軸OAを含む全平面で正の屈折力を有するよう湾曲している。反射防止コーティングをリム面50に施して、第1加熱光ビームHLB1がリム面50に入射する際のそれらの反射を低減してもよい。
リム面50において、第1加熱光ビームHLB1は、XY平面及び光軸OAを含む平面の両方で屈折する。したがって、XY平面内の屈折に関する限り、屈折光学素子44のリム面50は、シリンドリカルレンズ55の円筒面と同様の収束効果を有する。しかしながら、XY平面内のリム面50の曲率はシリンドリカルレンズ44の曲率よりも小さいので、屈折光学素子44の正の屈折力もシリンドリカルレンズ55の正の屈折力よりも小さい。シリンドリカルレンズ55の屈折力及び位置を慎重に選択することにより、第1加熱光ビームHLB1が屈折光学素子44を貫通する角度を正確に定めることが可能である。
図4に示すように、光軸OAを含む平面内のリム面50の屈折力を使用して、これらの平面内でわずかに発散した個別加熱光ビームHLB1をコリメートする。図3に点線で示す単一の発散光線Rで示すように、XY平面でのコリメーションは、シリンドリカルレンズ55と、XY平面内のリム面50の曲率とにより達成される。
第1加熱光HL1の波長を屈折光学素子44の光学材料に適合させることで、図4にPLで示す投影光とは対照的に、第1加熱光HL1の大部分が材料により吸収されるようにする。吸収された加熱光HL1は局所的な温度上昇を招き、これがさらに、屈折光学素子44の屈折率の局所的な変化を伴う。したがって、屈折光学素子44の加熱部分を通過する投影光PLは、加熱されていない領域を通過する投影光PLと比べて位相変化を受ける。この位相変化を使用して波面誤差を補正することができる。
第1加熱光ビームHLB1、又は厳密に言えばこれらの光ビームのうち屈折光学素子44に吸収されなかった部分は、反対側のリム面50に入射して再度屈折する。第1加熱光ビームHL1のこの部分は、外部冷却アブソーバプレート57により吸収され得る。代替的に、第1加熱光HL1のこの部分は、投影対物レンズ20の熱収支に寄与しないよう透明窓を通して投影対物レンズ20を離れ得る(図示せず)。
反射防止コーティングをリム面50に施した場合でも、第1加熱光HL1のうち後方のリム面50で内部反射する部分が常にあることに留意されたい。入射角に応じて、この部分は大きい場合がある。この内部反射した第1加熱光HL1は、屈折光学素子44を再度通過する際に徐々に吸収されもする。第1加熱光HL1の内部反射部分は、リム面44の別の部分に再度入射し、そこで第1加熱光HL1の一部が再度内部反射し、同様のことが続く。リム面50での材料不純物又は欠陥における散乱も、第1加熱光のわずかな部分をさまざまな未知の方向に沿って屈折光学素子44内で伝播させ得る。
しかしながら、レーザ、レーザダイオード、又はLED等の通常の光源54は、このコンポーネントにその放出窓を通して入る光に関して極めて感度が高い。このような光の光強度が小さくても、コンポーネントの機能を損なわせるのに十分であるか、又は短期的若しくは長期的にコンポーネントを損傷させることさえあり得る。
シリンドリカルレンズ55及び焦線56を設けることで、内部反射又は散乱した第1加熱光HL1が光源54に戻り得ることが効果的に防止される。これは、小さな焦線56を通過する光線のみが光源54に入射可能だからである。
原理上、シリンドリカルレンズ55の寸法をできる限り小さく選択すれば十分である。しかしながら、シリンドリカルレンズ55の後焦点面に、焦線56に対応する形状の開口を有する付加的なブラインド58を配置することが普通はより効果的である。その場合、ブラインド58は、焦線56を通過しない全光線を遮る。このように、リム面50で散乱又は内部反射した加熱光に対する光源54の非常に効果的な保護が提供される。
他の2つの光学系OS2、OS3は、同様に構成され、すなわち、これら両方が光源54、シリンドリカルレンズ55、及びブラインド58を備える。3つの光学系OS1、OS2、OS3は、相互から120°の角度で離間するよう第1瞳平面36内で3回対称に配置される。この配置の結果として、光学系OS1、OS2、OS3により屈折光学素子44に結合された加熱光HL1、HL2、HL3の扇形が完全に重なる中心部60が、屈折光学素子44内にできる。したがって、この中心部60では、中心部60を通過する各加熱光ビームHLB1、HLB2、HLB3の強度を個別に制御することにより、広範囲の異なる温度分布を発生させることが可能である。
屈折光学素子44は、複数の取り付け点でマウント構造(図示せず)により支持され得る。好ましくは、取り付け点は、光学系OS1、OS2、OS3と同じ又は同様の対称性で配置される。特に、図3に取り付け点を表す小円59で示すように、取り付け点は、光学系OS1、OS2、OS3の光軸上に又は光軸にごく近接して位置付けることができる。さらに、屈折光学素子44のうち加熱光HL1、HL2、LH3が屈折光学素子44を離れる側に、取り付け点59を配置することが好ましい。
概して、屈折光学素子44は、例えば接着又は締結により取り付け点59のマウント構造に固定され得る。締結を使用する場合、屈折光学素子から出る加熱光が反射し戻って非制御下で屈折光学素子に再度入らないよう注意すべきである。
補正デバイス42の組み立て時の上記光学コンポーネントの調整を容易にするために、光学コンポーネントを可視スペクトルの調整波長に対してアクロマチックであるよう設計することが得策であり得る。その場合、例えば加熱光ビームHLB1、HLB2、HLB3が屈折光学素子44を離れる位置に配置した光源により発生させた可視光を用いて、加熱光ビームHLB1、HLB2、HLB3の経路を調整中に試験することができる。
さらに単純だが利便性の低い手法は、加熱光ビームHLB1、LHB2、LHB3の影響下で色を変える特殊な膜を調整プロセス中に使用することである。
III.補正デバイスの制御
第1ステップにおいて、補正デバイス42を用いて補正すべき波面誤差をシミュレーション及び/又は測定により求めなければならない。測定は、干渉波面測定デバイスを用いた、投影対物レンズ30の像平面30に形成された空中像の検出を伴い得る。理想波面からの測定波面のずれは、補正対象の波面誤差と考えられる。
補正デバイス42は第1瞳平面36に配置されるので、異なる視野点に関連する波面に同様に影響する。視野依存波面誤差の補正を行うことが望ましい場合、補正デバイス42を瞳平面36、38外に配置するか、又は第2補正デバイスを視野平面内に又は視野平面にごく近接して、例えば中間像平面34に設ける必要がある。
波面誤差及び必要な補正を求めたら、確立されている最適化手法を使用して個別加熱光ビームHLB1、HLB2、HLB3の強度を計算することができる。これに関連して、以下のステップを実行することができる。
第1ステップにおいて、加熱光ビームHLB1、HLB2、HLB3が屈折光学素子44の中心部60を通過する場所を求めなければならない。
第2ステップにおいて、第1加熱光ビームHLB1、第2加熱光ビームHLB2、及び第3加熱光ビームHLB3の吸収を求めなければならない。通常、3つの光学系OS、1OS2、及びOS3それぞれが発生させた加熱光ビームHLB1、HLB2、HLB3は、同じ中心波長を有する。その場合、屈折光学素子44の材料の吸収係数は、加熱光ビームHLB1、HLB2、HLB3の全てで等しくなる。同じガラスタイプのガラスブランクでさえ、わずかに異なる組成、したがって加熱光ビームHLB1、HLB2、HLB3に対してわずかに異なる吸収係数を有し得るので、好ましくは、吸収係数を特定の屈折光学素子44について測定する。屈折素子44がガラス製である場合、吸収係数は、OH分子の濃度に強く依存する場合が多い。OH分子の濃度はブランク内で完璧に均一であり得ないので、異なる光線経路について吸収係数を測定し且つそれらの測定値をその後の計算ステップ中に使用できるよう記憶する必要さえあり得る。
次のステップにおいて、画素、例えば65×65、201×201、又は1001×1001(正方形)画素の配列により形成した計算フィールドを求める。1つの画素を屈折光学素子44の中心を通る光軸OA上に計算的に位置決めできるので、X方向及びY方向に沿って奇数個の画素が有利である。画素数が多いほど、光学波面に対する屈折光学素子44の効果の計算が正確になる。しかしながら、画素数が多いほど計算時間が増え、ノイズに対する感度の上昇等の安定性問題が生じることさえあり得る。したがって、画素フィールドにおける画素数に関して合理的な妥協案を見付けなければならない。
この画素フィールドに、屈折光学素子44の円周を計算的に配置する。この計算リム面において、個別加熱光ビームHLB1、HLB2、HLB3が屈折光学素子44に入る場所と、屈折光学素子44内の伝播方向とを求める。
各加熱光ビームHLB1、HLB2、HLB3は、このとき、屈折光学素子44の中心部60を通過する波面に影響を及ぼすマニピュレータと考えられる。続いて、光学波面に対する所望の効果を得るために、十分に確立されている最適化アプローチを使用して個別加熱光ビームの強度を求めることができる。この目的で、以下の手順を加熱光ビーム毎に実行することができる。
最初に、基本強度及びこの強度を維持する基本時間を出発点として求める。続いて、画素フィールドのどの画素が特定の加熱光ビームHLB1、HLB2、HLB3により完全に又は部分的に影響を受けるかを求める。加熱光ビームHLB1、HLB2、HLB3による影響を受けた画素毎に、光ビームHLB1、HLB2、HLB3の残留強度を計算する。この残留強度は、初期強度、屈折光学素子44の吸収係数、及び屈折光学素子44内の幾何学的経路長に応じて変わる。上述のように、吸収係数は、加熱光ビームHLB1、HLB2、HLB3に関連する特定の光線経路に応じて変わり得る。この残留強度及び吸収係数に基づき、特定の画素において熱として放散するするエネルギー量を計算する。
次に、特定の加熱光ビームHLB1、HLB2、HLB3が発生させた温度プロファイルを特定の画素で吸収された熱の量に基づき計算する。一定の平均温度を得るために屈折光学素子44が冷却され続ける場合、この冷却効果も考慮に入れる。時間依存効果(特に、屈折光学素子44内の熱伝導)も考慮する。
屈折率は温度の既知の関数なので、この温度プロファイルから、屈折率プロファイルを計算して特定の加熱光ビームHLB1、HLB2、LHB3に割り当てることができる。この屈折率プロファイルに基づき、光学設計プログラムを使用して光学波面に対する加熱光ビームHLB1、HLB2、HLB3の効果を計算することができる。これに関連して、画素フィールドの分解能を補間により計算的に増加させることが有利であり得る。
基本マニピュレータとみなされ得る個別加熱光ビームHLB1、HLB2、HLB3の効果を求めた後、全加熱光ビームHLB1、HLB2、HLB3(及び場合によっては投影対物レンズ20に含まれる付加的なマニピュレータ)の相互作用が波面誤差の所望の補正を達成するように、最適化問題を解決しなければならない。こうした最適化プロセスは当該技術分野で既知である。例えば、特異値分解(SVD)又はチホノフ正則化をこれに関して使用することができる。凸計画法に基づく別の手法が、国際公開第2010/034674号明細書に記載されている。
加熱光ビームの強度を制御する変更型手法は、特定の屈折率分布を発生させるのに必要な加熱光ビームHLB1、HLB2、HLB3の必要強度をオフラインで求めるステップを含み得る。これらの特定の分布は、例えば、波面誤差を表すのに使用される場合が多い特定のツェルニケ多項式により表すことができる。こうした屈折率分布毎に、必要な強度を上述のように、例えば特異値分解又はチホノフ正則化を使用して求める。
投影露光装置10の動作中、所望の屈折率分布を、加熱光ビームHLB1、HLB2、HLB3の必要強度をオフラインで求めた特定の(ツェルニケ)分布の線形重畳に分解する。個別加熱光ビームHLB1、HLB2、HLB3について得られた強度は、この場合は単に、特定の分布に関連するが重畳係数で重み付けした強度の和である。これにより、通常は個別加熱光ビームHLB1、HLB2、HLB3の必要強度がはるかに迅速に求められる。
IV.代替的な実施形態
以下において、さまざまな代替的な実施形態を図5〜図10を参照して説明する。
図5及び図6は、それぞれ第2実施形態による補正デバイス42のXZ平面及びYZ平面の断面である。同一又は対応のコンポーネントを示すために同じ参照符号を使用する。
再度、補正デバイス42の特定の特徴を第1光学系OS1のみを参照して説明する。他の2つの光学系OS2、OS3は同じ構成を有するが、XY平面に異なる角度の向きで配置される。
この第2実施形態では、光源54は、それぞれ第1加熱光ビームHLB1の1つを発生させるよう構成した複数の第1光源を備える。各第1光源は、LEDが放出した光をコリメートする微小マイクロレンズ(図示せず)を取り付けたLED62により形成される。個々の第1加熱光ビームHLB1の強度は、制御ユニット52により電子的に制御される。
図3及び図4に示す第1実施形態とは対照的に、第1光学系OS1は、屈折光学素子44に入った後に平行又はほぼ平行に進む第1加熱光ビームHLB1を発生させる。これにより、屈折光学素子44の中心部60における加熱光ビームHLB1のより規則的な配置が得られ、これがさらに、この部分における所望の温度分布の正確な発生を容易にすると共に屈折光学素子44を離れた後の加熱光ビームHLB1を集めやすくする。加熱光ビームHLB1の規則的配置は、シリンドリカルレンズ55の屈折力及び屈折光学素子44からのその距離をXY平面内のリム面50の曲率に適切に適合させることにより主に達成される。
最後だが重要なこととして、第1光学系OS1は、第1加熱光HL1が屈折光学素子44を横断した後にこれを反射する反射面66を有するミラー64を備える。換言すれば、第1加熱光ビームHLB1のうちリム面50で内部反射しない部分は、このリム面50で屈折してシリンドリカルレンズ55’の前焦点面に配置した焦線56’に収束する。したがって、第1加熱光ビームHLB1は、再度相互に平行に反射面66に入射する。結果として、第1加熱光ビームHLB1は、反射面66から光源54へ戻る際に同じように進む。これには、加熱光の損失が少ないことで補正デバイス42の効率に好影響を及ぼすという利点がある。
ミラー64から反射した第1加熱光ビームHLB1がLED62に入るのを防止するために、図5に矢印68で示すように、反射面66を備えたミラー64をわずかに傾斜させる。この傾斜配置の結果として、第1加熱光ビームHLB1は、光源54へ戻る途中でわずかに異なる進路を取る。第1加熱光ビームの1つについて、光源54へ戻る進路を破線70で示す。反射加熱光ビーム70は、焦線56を正確には通過せず、したがってブラインド58により吸収されることで、光源54のLED62の1つに入ることができないことが分かる。
場合によっては、屈折光学素子40のリム面50は、投影光PLの伝播経路内で屈折光学素子を正確に調整するために必要なマウントにより妨げられるので、容易にアクセス可能ではあり得ない。これは、屈折光学素子44の光学面46、48が湾曲しているために屈折力を有する場合に特に当てはまる。
図7は、屈折光学素子44のリム面50の部分拡大断面を示す。ここでは、リム面50のうち少なくとも加熱光ビームHLB1が入射する部分が、屈折光学素子44が配置される位置における光軸OAに対して45°の角度を形成する(光軸OAが投影対物レンズ20の他の部分では異なる向きを有し得ることに留意されたい)。
マウント構造94は、屈折光学素子44の第2光学面48を支持するウェブ96を片側に有する。マウント構造94の反対側には、シリンドリカルレンズ55、ブラインド58、及びプリズムにより形成される光偏向素子98が配置される。ビーム偏向素子98は、光軸OAに対して傾斜した面100を有する。光軸OAに対する傾斜角も45°に等しい場合、ビーム偏向素子98に入る第1加熱光ビームHLB1は、ビーム偏向素子98の傾斜面100で全反射を受けることによりビーム方向が90°偏向する。第1加熱光ビームHLB1は、続いて屈折光学素子44に入り、その傾斜したリム面50で再度全反射を受ける。これが90°の第2偏向をもたらすことにより、第1加熱光ビームHLB1が最終的に屈折光学素子44を通る光軸OAに対して垂直な方向に再度伝播する。
したがって、加熱光ビームHLB1が光偏向素子98に入る際に伝播する平面は、屈折光学素子44を伝播する平面と平行である。これにより、シリンドリカルレンズ55及びブラインド58を屈折光学素子44のリム面50の完全に上又は完全に下に配置することが可能となる。このように、光学系OS1、OS2、OS3のさまざまなコンポーネントを光軸OAに沿って異なるZ位置を有する層に分配することにより、利用可能な体積に関する制約を緩和することができる。
図8は、第1瞳平面36における第3実施形態による補正デバイス42の断面である。同一又は対応のコンポーネントを示すために同じ参照符号を用いる。
第3実施形態の補正デバイス42は、加熱光を放出するよう構成した単一の光源LSと、加熱光を第1加熱光HL1及び第2加熱光HL2に分割するビームスプリッタ72とを備える。光源LSは、この実施形態では単一の加熱光ビームを発生させるレーザとして実現される。
強度を個別に変えることができる複数の第1加熱光ビーム及び第2加熱光ビームHLB1、HLB2、HLB3を発生させることができるように、各光学系OS1、OS2は、図示の実施形態では傾斜可能ミラー76のアレイとして実現した空間光変調器74を備える。ここでは、各傾斜可能ミラー76は、個別加熱光ビームHLB1、LHB2、又はHLB3としての入射加熱光を屈折光学素子44へ指向させる「オン」状態を有する。第1光学系OS1の1つのミラー76’について示すように、ミラー76が「オフ」状態にある場合、入射加熱光は、反射して屈折光学素子44に入射しない。
屈折光学素子44を離れる加熱光ビームHLB1、HLB2は、アブソーバ78に入射する。例えば通常の光学ガラスで約1450nmの波長を有する加熱光の場合のように、屈折光学素子44が加熱光ビームHLB1、HLB2のごく一部しか吸収しない場合、アブソーバの能動又は受動冷却が特に重要であり得る。
加熱光ビームHLB1、HLB2の強度は、最大値〜ゼロでしか変わることができないので、加熱光ビームの伝播経路に沿って屈折光学素子44により吸収されるエネルギー量は、ミラー76が「オン」状態である時間とこのミラー76が「オフ」状態である時間との比により調整しなければならない。
図9は、第4実施形態による補正デバイス42の図8と同様の断面を示す。この実施形態では、空間変調器がミラーアレイによってではなく可変ブラインド80により形成される。ブラインド80の1つに関する図10の正面図においても分かるように、各ブラインド80は、制御ユニット52が供給する制御信号に応じて個別にサイズを変えることができる複数の開口82を有する。各開口82は、加熱光ビームHLB1、HLB2の一方に関連する。
この目的で、可変ブラインド80は、開口82に部分的に又は完全に重なるようアクチュエータ(図示せず)を用いて変位させることができるシャッタ素子84を備える。
当然ながら、他のタイプの可変ブラインドも考えられる。例えば、加熱光に対して透明な「オン」状態と加熱光に対して不透明な「オフ」状態との間で切り替えることができるLCD素子を含むブラインドを使用することができる。その場合、関連の加熱光ビームの強度は、LCD素子が「オン」状態である時間とLCD素子が「オフ」状態である時間との比を適切に設定することにより時間平均で調整することができる。
当然ながら、図8及び図9に示す光学系OS1、OS2に加えて第3光学系又はさらに多くの光学系を設けることができる。
V.他の補正デバイス
図11は、空間光変調器がポリゴンミラー88の一部である反射面86を備えている補正デバイス42の実施形態を示す。ポリゴンミラー88は、反射面86の空間的向きを連続的に変えることができるようドライバ92を用いて回転軸90を中心に回転させることができる。例えばレーザダイオードにより形成された光源LSが放出し得る第1加熱光ビームHLB1を反射面86へ指向させる場合、第1加熱光ビームHLB1を屈折光学素子44のリム面50の種々の部分に種々の角度で指向させることが可能である。したがって、この実施形態では、複数の加熱光ビームを同時にではなく一種のスキャナ機構を使用して順次発生させる。
先の実施形態のように、他の2つの光学系OS2、OS3は、光学系OS1と同じ構成を有する。
図12及び図13は、さらに別の実施形態による補正デバイス42をそれぞれ瞳平面36における上面図及び線XIII−XIIIに沿った断面で概略的に示す。この実施形態では、第1光学系OS1は、本質的に、複数のLEDを備えたバー101と、LEDが平行ビームとして放出した第1加熱光ビームHLB1をコリメートする関連のマイクロレンズ(図示せず)とからなる。第2光学系OS2を形成する第2バー102は、同じ構成を有するが、図13に示す断面から明らかとなるように異なる平面に配置される。第3バーも設ける場合、これは、Z方向に沿って他の2つの平面から離れて配置される。
屈折光学素子44のリム面50での屈折を抑制するために、屈折光学素子44及びバー101、102は、屈折光学素子44とほぼ同じ屈折率を有する光学接着剤104に浸漬される。かかる光学接着剤104は、それ自体が当該技術分野で既知であり、例えばUV光の影響下で硬化し得る。リム面50に屈折率段差がない場合、バー101、102が放出した加熱光ビームHLB1、HLB2は、図5及び図6に示す実施形態と同様に屈折光学素子44も平行に横断する。他の実施形態では、光学接着剤104は、水等の液体に置き換えられる。
図14は、屈折光学素子44を光学接着剤に浸漬させない実施形態による補正デバイスの上面図である。LEDを含むバー101、102は、バー101及び102それぞれのLEDが放出した加熱光ビームHLB1、HLB2が屈折光学素子44の中心部60で重なるよう配置される。バー101、102は、加熱光ビームHLB1、HLB2が平行ではなく扇状に放出されるよう湾曲している。扇形の発散は非常に大きいので、屈折光学素子44のリム面50がもたらす収束効果にもかかわらず、加熱光ビームHLB1又はHLB2の各扇形は中心部60を完全に覆う。とはいえ、バー101、102は非常に短いので、第1瞳平面36と平行な又は第1瞳平面36と同一の単一の平面に配置され得る。
図15及び図16は、さらにまた別の実施形態による補正デバイス42をそれぞれ瞳平面36における上面図及び線XVI−XVIに沿った断面で概略的に示す。この補正デバイス42では、2つだけでなく15個のバー101〜115が同じ平面内で屈折光学素子44の周りに配置される。加熱光ビームの非常に緻密な重畳が、このようにして屈折光学素子44の中心部60で達成される。
Z方向に沿って収束効果も達成するために、この実施形態の屈折光学素子44のリム面50は、光軸OAを含む平面で曲率を有する。図16の断面で最もよく分かるように、バー101〜115のLEDが放出した発散光がこのときコリメートされる。
図17は、それぞれ複数のLEDを含む微小なバー101、102が非常に強く湾曲しているので加熱光ビームの扇形が屈折光学素子44の非常に大きな面積を覆う実施形態による、補正デバイス42の上面図である。バー101、102は、屈折光学素子44のリム面50に設けた円筒形の凹部119、121に収容される。凹部119、121の直径は、屈折及び最小反射が生じないようにLEDが放出した個別加熱光ビームHLB1、HLB2が屈折光学素子44に垂直に入るよう構成される。
図18の上面図に示すように、リム面50に設けた凹部191、121は、LEDの円形配置に対応するボア又は別のタイプの孔に置き換えることができる。ボア120、122内に配置したバー101、102は、より小さな加熱光ビームの扇形を発生させるが、これらの扇形は、投影露光装置10の動作中に投影光も通過させる屈折光学素子44の中心部60を完全に覆うのに依然として十分である。
図19は、さらにまた別の実施形態による屈折光学素子44の細部を示す。図17に示す実施形態と同様に、個別加熱光ビームHLB1の扇形を発生させる光源101は、屈折光学素子44のリム面50の非常に近くに配置される。ここでは、リム面50に形成した凹部は、円筒形を有するのではなく、YZ平面において発散フレネルレンズを形成する。したがって、光源101が放出した加熱光ビームHLB1の本来の扇形は、フレネルレンズ124により、はるかに広い角度幅を有する扇形に拡張される。
図20は、レーザダイオードを含むバー101の概略正面図である。レーザダイオードの出射窓126(又は出射窓の前に配置したブラインド)は、平行四辺形の形状を有する。隣接する出射窓126間の隙間128は、レーザダイオードが放出する加熱光が屈折光学素子44に入射しない座標が周方向(図20ではX方向と一致する)に沿ってないような寸法である。これにより、矩形の出射窓を同じく矩形の隙間により分離して並べて配置した場合と比べて、屈折光学素子44のより均一な加熱が得られる。
図21は、別の実施形態による補正デバイス42のXY平面の概略断面である。この実施形態が図5及び図6に示す実施形態と異なるのは、個別加熱光ビームHLB1、HLB2、LHB3を発生させるLED62が投影対物レンズ20内に配置されるのではなく、投影対物レンズ20外の何処かに配置したLEDパッケージ130に組み込まれる点である。LEDパッケージは、光出力ファイバ131と、LED62が放出した加熱光ビームHLB1、HLB2、HLB3を光出力ファイバ131に結合する結合光学系(図示せず)とを備える。各LEDパッケージは、光出力ファイバ131の束を光入力ファイバ134の束に接続する解除可能なマルチファイバコネクタ132をさらに備える。光入力ファイバ134において、加熱光ビームHLB1、HLB2、HLB3は、加熱光ビームHLB1、HLB2、HLB3を各光学系OS1、OS2、OS3の集束レンズ55へ指向させる出力光学系136へ導かれる。
投影対物レンズ20外のLEDパッケージ130の配置には、LED62の交換が非常に容易であるという利点がある。1つ又は複数のLED62が誤作動するか又はその寿命の最後に完全に光を放出しなくなった場合、LEDパッケージ130一式を単に光入力ファイバ131の束から切断してマルチファイバコネクタ132を使用して新たなパッケージに置き換えることができる。LEDパッケージ130は投影対物レンズ20外に配置されるので、投影対物レンズ20のいかなる部品も取り外すことなくこれを達成することができる。
別の利点は、加熱光ビームの発生に関与する電力消費が投影対物レンズ20外で生じることである。これは、投影対物レンズを一定の温度に保つのに役立つ。
図21に示す実施形態では、屈折光学素子44を離れた後の加熱光ビームHLB1、HLB2、HLB3の放射照度又は少なくとも放射照度変化が、投影対物レンズ20に同じく配置した検出器140により測定される。この目的で、加熱光ビームHLB1、HLB2、HLB3は、屈折光学素子44を離れてレンズ55’を横断した後に、結合光学系144により光ファイバ142に結合される。光ファイバ142は、加熱光ビームHLB1、HLB2、HLB3を検出器140内に配置したフォトダイオード146又は他の受光素子へ個別に導く。検出器140も、投影対物レンズ外に配置されるので、フォトダイオード146で放散した熱も投影対物レンズ20の熱収支に影響を及ぼすことができない。
加熱光ビームHLB1、HLB2、HLB3の放射照度の測定は、LED62の適切な機能を監視することを可能にする。さらに、LEDパッケージ130内のLED62を検出器140が測定した放射照度に応じて制御する閉ループ制御を確立することが可能である。この目的で、LEDパッケージ130及び検出器140は、電気信号線により制御ユニット148に接続され、制御ユニット148は、投影露光装置10の機能全般を制御する全体システム制御部150に接続される。第III節で上述したように、検出器140が検出した放射照度の変化は、各加熱光ビームに関連するマニピュレータに影響を及ぼす。これはさらに、その計算モデルに従った各加熱光ビームの放射照度の調整を通常は必要とする。
加熱光の(未知の)一部のみが光ファイバ142に結合され、最終的にフォトダイオード146に入射する場合、フォトダイオード146が生成した電気信号は、厳密に言えば、屈折光学素子44を離れる際の加熱光ビームの放射照度でなはなくこの放射照度の変化のみを示す。しかしながら、これは、LED62の適切な機能を監視し且つ/又はそれらの閉ループ制御を行うのに十分である。
図22は、さらに別の実施形態による補正デバイス42のXY平面内の概略断面を示す。この実施形態が図3及び図4に示す実施形態と異なるのは、主に、補正デバイス42が自然な熱収支を確立するのに役立つ冷却システム160を備える点である。この目的で、冷却システム160は、平行に配置されて間に幅広チャネル164を画定する2つの平面ガラスプレート162a、162bを備える。チャネル164の両側には、ガス入口166及びガス出口168が配置される。
各プレート162a、162bが、チャネル164に対向する面170で別個に制御される補正デバイス42a及び42bをそれぞれ支持することにより、補正デバイス42は、実際には2つの個別補正デバイス42a、42bの組み合わせである。ここで、各補正デバイス42a、42bは、図3に示すデバイスとして基本的に設計されると考えられるが、補正デバイスの他の設計、特に本節で明確に説明した設計も使用できることを理解されたい。補正デバイス42a、42bの屈折光学素子44a、44bは、この実施形態では、プレート162a、162bの面170と直接接触する平面をそれぞれが有する平凸レンズにより形成される。これにより、屈折光学素子44a、44bからプレート162a、162bへの良好な熱伝達が確保される。
冷却デバイス(図示せず)内で冷却されたガスが一定のガス流としてガス入口166を介してチャネル164に入った場合、これがプレート162a、162bを冷却する。ガスの温度は、投影対物レンズ20の全体的な温度(通常は22℃)よりも1K、5K、又は10K低くてもよい。プレート162a、162bはさらに、屈折光学素子44a、44bを冷却する。これは、補正デバイス42a、42bの自然な熱収支を維持することを可能にする。そうでなければ、例えばアクチュエータ応答の遅延をもたらし得る望ましくない熱誘起変形及び接着接続部又はレンズコーティングの損傷が起こり得るので、これは重要である。さらに、加熱光の吸収により発生した熱が熱伝導、熱放射、又は熱対流により放散するまで待つ必要がないので、能動冷却のみが、屈折光学素子44a、44b内の温度分布を迅速且つ/又はより頻繁に変えることを可能にする。
屈折光学素子44a、44bと接触する部分外のプレート162a、162bの温度が低下しすぎないことを確実にすべきである。この目的で、付加的な電熱線メッシュ172がこれらの部分で面170に被着される。光源54、レンズ55、及びアブソーバ57等の補正デバイス42a、42bの残りのコンポーネントは、電熱線メッシュ172の上に配置される。電熱線メッシュ172で放散する熱を適当に制御することにより、冷却ガスの温度に関係なくプレート168、168bのこれらの部分も所望の一定温度に維持することが可能である。
冷却システム160の適切な設計に関するさらなる詳細は、国際公開第2009/026970号明細書から得ることができる。
VI.発明の重要な態様の概要
以下の文は、本発明のいくつかの他の重要な態様を要約したものである。
1.マイクロリソグラフィ投影露光装置の投影対物レンズ(20)であって、投影光を使用してマスク(16)を感光面(22)に結像するよう構成され、且つ波面補正デバイス(42)を備え、当該波面補正デバイス(42)は、
a)マスク(16)が感光面(22)に結像される際に投影光が通過する2つの反対光学面(46、48)と2つの光学面(46、48)間に延びる円周リム面(50)とを有する屈折光学素子(44)と、
b)リム面に入射するように加熱光を放出するよう構成した光源(101、102)と
を備え、
屈折光学素子(44)及び光源(101、102)により囲まれた体積に、液体、固体、又は液体及び固体の混合物である光学媒質(104)が充填される投影対物レンズ。
2.文1の投影対物レンズにおいて、光学媒質(104)と屈折光学素子(44)との屈折率比は、22℃で0.80〜1.1である投影対物レンズ。
マイクロリソグラフィ投影露光装置の投影対物レンズ(20)であって、投影光を使用してマスク(16)を感光面(22)に結像するよう構成され、且つ波面補正デバイス(42)を備え、当該波面補正デバイス(42)は、
a)マスク(16)が感光面(22)に結像される際に投影光が通過する2つの反対光学面(46、48)と2つの光学面(46、48)間に延びる円周リム面(50)とを有する屈折光学素子(44)と、
b)リム面に入射するように加熱光を放出するよう構成した光源と
を備え、リム面(50)のうち加熱光が入射する部分が、少なくとも1方向に沿って屈折力を有するフレネルレンズ(124)として形成される投影対物レンズ。
4.マイクロリソグラフィ投影露光装置の投影対物レンズ(20)であって、投影光を使用してマスク(16)を感光面(22)に結像するよう構成され、且つ波面補正デバイス(42)を備え、当該波面補正デバイス(42)は、
a)マスク(16)が感光面(22)に結像される際に投影光が通過する2つの反対光学面(46、48)と2つの光学面(46、48)間に延びる円周リム面(50)とを有する屈折光学素子(44)と、
b)加熱光を放出するよう構成した光源と
を備え、屈折光学素子は、加熱光が屈折光学素子に垂直に入るように光源が配置されるボア(120、122)、孔、又は凹部を有する投影対物レンズ。
5.文4の投影対物レンズにおいて、光源(101、102)は、少なくとも40°の角度範囲にわたって加熱光ビームを放出するよう構成される投影対物レンズ。
6.マイクロリソグラフィ投影露光装置の投影対物レンズ(20)であって、投影光を使用してマスク(16)を感光面(22)に結像するよう構成され、且つ波面補正デバイス(42)を備え、当該波面補正デバイス(42)は、
a)マスク(16)が感光面(22)に結像される際に投影光が通過する2つの反対光学面(46、48)と2つの光学面(46、48)間に延びる円周リム面(50)とを有する屈折光学素子(44)と、
b)加熱光を放出するよう構成した光源と、
c)光源が発生させた加熱光をリム面の種々の部分へ指向させるよう構成した空間光変調器(74;80;88)と
を備える投影対物レンズ。
文6の投影対物レンズにおいて、空間光変調器は、反射面(86)と、反射面の空間的向きを変えるよう構成したドライバ(92)とを備える投影対物レンズ。
8.マイクロリソグラフィ投影露光装置の投影対物レンズ(20)であって、投影光を使用してマスク(16)を感光面(22)に結像するよう構成され、且つ波面補正デバイス(42)を備え、当該波面補正デバイス(42)は、
a)マスク(16)が感光面(22)に結像される際に投影光が通過する2つの反対光学面(46、48)と2つの光学面(46、48)間に延びる円周リム面(50)とを有する屈折光学素子(44)と、
b)加熱光(HLB1、HBL2、HLB3)を放出するよう構成した光源(54)と、
c)加熱光をリム面(50)の一部へ指向させる光学系(OS1、OS2)と、
d)屈折光学素子(44)を横断した加熱光の少なくとも70%を、屈折光学素子を再度横断するよう反射する反射面(66)と
を備える投影対物レンズ。
9.文8の投影対物レンズにおいて、反射面(66)は屈折光学素子の外部に配置される投影対物レンズ。

Claims (32)

  1. マイクロリソグラフィ投影露光装置の投影対物レンズ(20)であって、投影光を使用してマスク(16)を感光面(22)に結像するよう構成され、且つ波面補正デバイス(42)を備え、該波面補正デバイス(42)は、
    a)前記マスク(16)が前記感光面(22)に結像される際に投影光が通過する2つの反対光学面(46、48)と該2つの光学面(46、48)間に延びる円周リム面(50)とを有する屈折光学素子(44;44a、44b)と、
    b)第1加熱光(HL1)の少なくとも一部が前記屈折光学素子(44;44a、44b)に入るように前記第1加熱光(HL1)を前記リム面(50)の第1部分へ指向させるよう構成した第1光学系(OS1)と、
    c)第2加熱光(HL2)の少なくとも一部が前記屈折光学素子(44;44a、44b)に入るように前記第2加熱光(HL2)を前記リム面(50)の前記第1部分とは異なる第2部分へ指向させるよう構成した第2光学系(OS2)と
    を備え、前記第1加熱光(HL1)及び前記第2加熱光(HL2)の部分的吸収が引き起こす温度分布が、波面誤差を変化させる、特に少なくとも部分的に補正する前記屈折光学素子(44;44a、44b)内の屈折率分布をもたらし、
    少なくとも前記第1光学系(OS1)は、焦点領域(56)から出る前記第1加熱光が前記リム面(50)の前記第1部分に入射するように前記焦点領域(56)に前記第1加熱光を集束させるよう構成した集束光学素子(55)を備え、
    前記第1加熱光(HL1)及び前記第2加熱光(HL2)は、前記屈折光学素子において前記投影光よりも強く吸収され、
    前記第1加熱光(HL1)及び前記第2加熱光(HL2)は、2.0μm〜2.3μm又は2.6μm〜2.8μmの中心波長を有し、前記投影光は、150nm〜500nmの中心波長を有する、投影対物レンズ。
  2. 請求項1に記載の投影対物レンズにおいて、少なくとも前記第1光学系は、前記焦点領域が位置決めされる開口を有するブラインド(58)を備える投影対物レンズ。
  3. 請求項1又は2に記載の投影対物レンズにおいて、少なくとも前記第1加熱光(HL1)は、前記屈折光学素子(44;44a、44b)に入った後にコリメート光として前記屈折光学素子(44)を伝播する投影対物レンズ。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の投影対物レンズにおいて、前記リム面(50)は円筒形又は円錐形である投影対物レンズ。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の投影対物レンズにおいて、前記リム面(50)の少なくとも前記第1部分は、前記第1部分と交わり且つ前記屈折光学素子(44)が配置される位置における前記投影対物レンズ(20)の光軸(OA)を含む平面で湾曲している投影対物レンズ。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の投影対物レンズにおいて、前記波面補正デバイス(42)は、加熱光を放出するよう構成した光源(LS)と、該光源が放出した前記加熱光を前記第1加熱光(HL1)及び前記第2加熱光(HL2)に分割するビームスプリッタ(72)とを備える投影対物レンズ。
  7. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の投影対物レンズにおいて、前記第1光学系は、前記第1加熱光を発生させるよう構成した単一の第1光源を備え、前記第2光学系は、前記第2加熱光を発生させるよう構成した単一の第2光源を備える投影対物レンズ。
  8. 請求項6又は7に記載の投影対物レンズにおいて、少なくとも前記第1光学系(OS1)は、複数の第1加熱光ビーム(HLB1)を発生させてその強度を個別に変えることができるように空間分解的に前記第1加熱光(HL1)の強度を変えるよう構成した空間光変調器(74;80)を備える投影対物レンズ。
  9. 請求項8に記載の投影対物レンズにおいて、前記空間光変調器は、ビーム偏向素子(76)のアレイ(74)を備え、各ビーム偏向素子は、入射する第1加熱光(HL1)を制御信号に応じて可変である偏向角で偏向させるよう構成される投影対物レンズ。
  10. 請求項8又は9に記載の投影対物レンズにおいて、前記空間光変調器は、制御信号に応じてサイズ及び/又は透過率を個別に変えることができる複数の開口(82)を有する可変ブラインド(80)を含む投影対物レンズ。
  11. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の投影対物レンズにおいて、前記第1光学系は、それぞれが第1加熱光ビーム(HLB1)を発生させるよう構成した複数の第1光源(62)を備える投影対物レンズ。
  12. 請求項11に記載の投影対物レンズにおいて、少なくとも1つの第1光源(62)は、個別に変えることができる強度を有するLEDである投影対物レンズ。
  13. 請求項11又は12に記載の投影対物レンズにおいて、少なくとも1つの第1光源はレーザダイオードであり、前記第1光学系は、前記第1加熱光ビームの強度を個別に変えるよう構成した光変調器を備える投影対物レンズ。
  14. 請求項1〜13のいずれか1項に記載の投影対物レンズにおいて、少なくとも前記第1光学系は、前記屈折光学素子を横断した加熱光の少なくとも70%を、前記屈折光学素子を再度横断するよう反射する反射面(66)を備える投影対物レンズ。
  15. 請求項14に記載の投影対物レンズにおいて、前記反射面(66)は、反射光の方向が入射光の方向とは異なるよう配置される投影対物レンズ。
  16. 請求項15に記載の投影対物レンズにおいて、反射光の方向は、入射光の方向とは0.05°〜5°の角度だけ異なる投影対物レンズ。
  17. 請求項14〜16のいずれか1項に記載の投影対物レンズにおいて、前記反射面は、前記リム面に施した多層コーティングにより形成される投影対物レンズ。
  18. 請求項14〜17のいずれか1項に記載の投影対物レンズにおいて、前記反射面(66)は、前記屈折光学素子(44)から離れて配置した基板に施した多層コーティングにより形成される投影対物レンズ。
  19. 請求項1〜18のいずれか1項に記載の投影対物レンズにおいて、前記第1光学系は、前記集束光学素子(55)が前記屈折光学素子(44)の前記リム面(50)の完全に上又は完全に下に配置されるように前記第1加熱光を偏向させるよう構成したビーム偏向素子(98)を備える投影対物レンズ。
  20. 請求項1〜19のいずれか1項に記載の投影対物レンズにおいて、前記屈折光学素子(44)が配置される位置における前記投影対物レンズ(20)の光軸(OA)に対して垂直な平面で、前記集束素子(55)及び前記屈折光学素子(44)は正レンズの光学的効果を有する投影対物レンズ。
  21. 請求項20に記載の投影対物レンズにおいて、前記集束素子(55)の体積は、前記屈折光学素子(44)の体積の多くとも1/100、好ましくは多くとも1/300である投影対物レンズ。
  22. 請求項1〜21のいずれか1項に記載の投影対物レンズにおいて、前記第1加熱光(HL1)は第1平面を伝播し、前記第2加熱光(HL2)は第2平面を伝播し、前記第1平面及び前記第2平面は相互に同一又は平行である投影対物レンズ。
  23. 請求項1〜22のいずれか1項に記載の投影対物レンズにおいて、前記焦点領域は焦点又は焦線(56)である投影対物レンズ。
  24. 請求項1〜23のいずれか1項に記載の投影対物レンズにおいて、前記集束素子(55)は、1方向のみに沿って集束力を有する投影対物レンズ。
  25. 請求項24に記載の投影対物レンズにおいて、前記集束素子(55)はシリンドリカルレンズである投影対物レンズ。
  26. 請求項1〜25のいずれか1項に記載の投影対物レンズにおいて、前記屈折光学素子(44;44a、44b)は、50ppm〜500ppmの濃度を有するOH分子を含有する光学ガラスを含む投影対物レンズ。
  27. 請求項26に記載の投影対物レンズにおいて、前記光学ガラスは、90ppm〜150ppmの濃度を有するOH分子を含有する投影対物レンズ。
  28. 請求項26又は27に記載の投影対物レンズにおいて、前記第1加熱光及び前記第2加熱光は同じ中心波長を有する投影対物レンズ。
  29. 請求項8〜10又は11〜13のいずれか1項に記載の投影対物レンズにおいて、前記第1光学系(OS1)は、前記第1加熱光ビーム(HLB1)が前記屈折光学素子(44)を離れた後にそれらの放射照度変化を測定するよう構成した第1光検出器(140)を備え、前記第2光学系(OS2)は、前記第2加熱光ビーム(HLB2)が前記屈折光学素子(44)を離れた後にそれらの放射照度変化を測定するよう構成した第2光検出器(140)を備える投影対物レンズ。
  30. 請求項29に記載の投影対物レンズにおいて、前記第1検出器及び前記第2検出器(140)が測定した放射照度変化に応じて前記第1光学系(OS1)及び前記第2光学系(OS2)を制御するよう構成した制御ユニット(148)をさらに備えた投影対物レンズ。
  31. 請求項1〜30のいずれか1項に記載の投影対物レンズにおいて、少なくとも前記第1光学系(OS1)は、前記投影対物レンズ(20)の外部に配置した第1光源(130)からの前記第1加熱光(HL1)を前記集束光学素子(55)へ導くよう構成した光ファイバ(131、134)を備える投影対物レンズ。
  32. 請求項1〜31のいずれか1項に記載の投影対物レンズにおいて、前記波面補正デバイス(42)は、前記屈折光学素子(44a、44b)を能動的に冷却するよう構成した冷却システム(160)を備える投影対物レンズ。
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