以下、図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。以下に説明する実施形態は、シリコン(Si)をコア材料とした光導波路に対して本願の光学素子を適用した場合の実施形態である。
なお、以下の図面においては、XYZ直交座標系を設定し、XYZ直交座標系を参照しつつ各部材の位置関係について説明する場合がある。この場合においては、光の導波方向をY方向、該導波方向と直交する光導波路の幅方向をX方向、X方向及びY方向と直交する高さ方向をZ方向と称する。なお、光導波路は基板上に形成されるため、X方向とY方向は基板と平行な方向であり、Z方向は基板と垂直な方向である。なお、以下の実施形態では、光導波路をコアがY方向に延びる直線光導波路としているが、コアが湾曲した曲がり光導波路であっても良い。
[第1の実施の形態]
図1は、本発明の第1実施形態にかかる光学素子WG1の説明図である。光学素子WG1は、単一材料からなるコアを有するシングルモード光導波路である単一コア光導波路10と、ギャップ構造を有する複合コア光導波路30と、両者の中間に光学的に接続されて位置する中間光導波路20と、を備えている。
光導波路10,20,30のコア11,41,42は、それぞれ下部クラッド6上に形成されたコア1のY方向に連続した3つの部分領域を構成する。コア1は、Y方向に長手方向を有する帯状の半導体層として構成されており、その長手方向の一端面が第1の光入出射端面、他端面が第2の光入出射端面とされている。コア1の長手方向(光の導波方向;Y方向)の一端側には、コア1の幅方向(光の導波方向と直交する方向;X方向)の中央部に、コア1の長手方向に沿って延びる絶縁性のギャップ部40が設けられており、そのギャップ部40によってコア1の一端側の領域が長手方向と直交する方向に2分割されている。コア1には、このようにギャップ部40によって光の導波方向と直交する方向に2分割された分離領域が部分領域として含まれており、この分離領域のうちコア1の長手方向の一端面(第1の光入出射端面)を含む一部の領域がコア42となっており、2分割された残りの領域を含む領域がコア41となっている。コア1の他端側はギャップ部40が設けられない非分離領域となっており、この非分離領域のうち、コア1の長手方向他端面(第2の光入出射端面)を含む一部の領域がコア11となっている。
なお、「光入出射端面」とは、光入射端面又は光出射端面を意味する。光が単一コア光導波路10側から複合コア光導波路30側に導波される場合には、単一コア光導波路10側の光入出射端面は光入射端面であり、複合コア光導波路30側の光入出射端面は光出射端面である。光が複合コア光導波路30側から単一コア光導波路10側に導波される場合には、単一コア光導波路10側の光入出射端面は光出射端面であり、複合コア光導波路30側の光入出射端面は光入射端面である。本実施形態では、単一コア光導波路10側から複合コア光導波路30側に光が導波されるものとするが、この方向は逆でも良い。
本実施形態では、単一コア光導波路10と複合コア光導波路30とのインターフェースとして中間光導波路20を有し、複合コア光導波路30の第1複合コア導電性部32と第2複合コア導電性部33との間に電圧を印加した際に、第1複合コア導電性部32と第2複合コア導電性部33とが光の導波方向と直交する方向において対向する面から第1複合コア導電性部32と第2複合コア導電性部33との間に流れる第1のリーク電流、及び、第1複合コア導電性部32と第2複合コア導電性部33とに隣接する中間光導波路20のコア41を経由して第1複合コア導電性部32と第2複合コア導電性部33との間に流れる第2のリーク電流を低減した光導波路を提供するものである。
ここでは、中間光導波路20の第1中間コア導電性部22及び第2中間コア導電性部23として、複合コア光導波路30の第1複合コア導電性部32及び第2複合コア導電性部33とは逆の極性を有する半導体材料により構成されたものを例示するが、これは一例であり、本発明では、後に他の実施形態として示すような高抵抗体として真性半導体を利用するものや、3つ以上に分割された領域から構成されたものを用いることも可能である。
次に、各領域について概要を説明する。
単一コア光導波路10は、単一材料によるコアからなる光導波路である。単一コア光導波路10は、他の機能を有する部分から本発明のギャップ構造を有する複合コア光導波路30へ光を導波する役割を果たす。他の機能とは、受発光器、干渉計等、光を用いた機能であり、使用に当たって機能素子外へ光を入力又は出力することが必須となる機能のことである。また、ここには、モードフィールドコンバータ(MFC)(スポットサイズコンバータ)など、光学素子外部の光部品との接続に要する機能も挙げられる。構造としては、一般に知られているシリコン細線光導波路や、リブ型光導波路などが挙げられる。
ここで、「単一」とは、高屈折率な材料からなるコアと低屈折率な材料からなるクラッドにより構成される構造を示す。「複合コア光導波路」の「複合」と区別するために用いており、低屈折率材料によりコアが分離しない構造である。例えば、シリコンをコア材料とした構造では、矩形のシリコンがシリカの中に埋め込まれる構造や、シリコンをリブ構造とし、下部にシリカ、上部が空気又はシリカからなる構造が知られている。また、第1のコアの周囲に第1のコアよりも低い屈折率を有する第2のコアを有する構造も、また、コアが分離しないという点で、ここで言う「単一コア」に含めるものとする。
単一コアは一般的な構造の光導波路で多様な場所で使用されている。本発明の中間光導波路は、この単一コア光導波路と、ギャップ構造を有する複合コア光導波路とを接続する役割を有するものであり、両端がその接続対象の光導波路の形状となる。これにより、ギャップ構造を有する複合コア光導波路構造とギャップ構造を有しない単一コア光導波路構造とを融合したデバイスを実現することが可能となる。
複合コア光導波路30は、第1複合コア導電性部32と第2複合コア導電性部33とが、それらの中央に位置する複合コアギャップ部31により分離され、これらの領域にまたがって光が伝播する、複合コア構造を有する光導波路である。コア42は、複合コアギャップ部31を挟んで分離された第1複合コア導電性部(第1半導体コア領域)(第1半導体領域)32と第2複合コア導電性部(第2半導体コア領域)(第2半導体領域)33とを部分領域として含む。複合コア光導波路30は、単一のモードが前記2つの部分領域にまたがって伝搬されるシングルモード光導波路となっている。
複合コアギャップ部31は、絶縁体やドーピングされていない無極性の半導体などの、第1複合コア導電性部32及び第2複合コア導電性部33よりも電気伝導率の低い絶縁性の材料から構成されている。第1複合コア導電性部32と第2複合コア導電性部33とは、高抵抗の複合コアギャップ部31によって電気的に分離されており、第1複合コア導電性部32と第2複合コア導電性部33との間に流れる第1のリーク電流が複合コアギャップ部31により低減されることにより、第1複合コア導電性部32と第2複合コア導電性部33との間に高い電圧をかけることが可能となっている。
例えば、本実施形態では第1複合コア導電性部32及び第2複合コア導電性部33としてP型およびN型のシリコンを用い、両者の間に電圧を加えることで、キャリアプラズマ効果による屈折率変化を利用して光学特性を可変に制御するデバイスを実現している。このとき、第1複合コア導電性部32と第2複合コア導電性部33との間が電気伝導率の低い複合コアギャップ部31によって隔てられているので、第1のリーク電流の低減により、発熱増加による影響の減少や消費電力そのものの低減という効果が得られる。なお、キャリア密度変化による屈折率の変化については、非特許文献1に記載されている。
また、複合コアギャップ部31が第1複合コア導電性部32及び第2複合コア導電性部33よりも屈折率の低い材料から構成されている場合には、複合コアギャップ部31のない単一材料からなるコアの光導波路と比較して製造トレランスを広げる効果も得られる。
中間光導波路20は、単一コア光導波路10と複合コア光導波路30との間に位置し、低損失で単一コア光導波路10と複合コア光導波路30とを接続するとともに、複合コア光導波路30の第1複合コア導電性部32と第2複合コア導電性部33との間に電圧を印加した際に、単一コア光導波路10又は中間光導波路20内に生じる第2のリーク電流を低減することを目的として形成される。
図2は、複合コア光導波路30のXZ平面による断面図である。本実施形態では、SOI基板を元に加工して作製した光導波路を示す。基板5は、光学素子WG1を作製する元になる基板である。本実施形態においては、シリコン(Si)からなる。
基板5の上部に位置する下部クラッド6は、第1複合コア導電性部32及び第2複合コア導電性部33よりも低い屈折率を有する材料であり、例えば、本実施形態においてはSOI基板の有する熱酸化膜(SiO2)をそのまま利用している。上部クラッド7についても下部クラッド6と同様の条件を持つ。本実施形態においては、上部クラッド7にもSiO2を使用している。下部クラッド6及び上部クラッド7の材料としては、窒酸化シリコン(SiOxNy)あるいは窒化シリコン(SixNy)などを適用することも可能であり、例えば、窒酸化シリコンSiOxNyでは、組成比x:yを制御することで、製造段階において屈折率を制御することが可能である。
第1複合コア導電性部32及び第2複合コア導電性部33には、Siなどの半導体材料に適宜不純物を添加することにより、それぞれP型またはN型の導電性を付与したものとすることができる。例えば、第1複合コア導電性部32をP型領域として、第2複合コア導電性部33をN型領域としても良く、第1複合コア導電性部32をN型領域として、第2複合コア導電性部33をP型領域としても良い。P型とN型とのうちのいずれか一方を第1導電型、いずれか他方を第2導電型としたときに、第1複合コア導電性部32を第1導電型とし、第2複合コア導電性部33を第2導電型とすれば良い。
半導体からなる第1複合コア導電性部32及び第2複合コア導電性部33に導電性を付与する不純物(ドーパント)は、母体媒質に応じて適宜選択して用いることができる。例えば、母体媒質がシリコン等のIV族半導体である場合には、P型極性を与える添加物としてホウ素(B)等のIII族元素が、また、N型極性を与える添加物としてリン(P)やヒ素(As)等のV族元素が挙げられる。
複合コア光導波路30のコア42は、中央部の厚みの厚い部分と、その両側の厚みの薄い部分とを有するリブ型形状である。図2の例では、コア42は、第1のリブである第1複合コア導電性部32と、第2のリブである第2複合コア導電性部33と、の2つのリブを部分領域として含む。第1複合コア導電性部32及び第2複合コア導電性部33は複合コアギャップ部31よりも高屈折率の材料からなる。
第1複合コア導電性部32と第2複合コア導電性部33とは、それぞれ同一形状で且つ互いに水平方向に反転した形状を有する。具体的には、第1複合コア導電性部32は、厚みの薄い平板部(薄板部)32bと、平板部32bの複合コアギャップ31側の縁の上に位置し、平板部32bから上部クラッド7側に突出する厚みの厚い凸状部(厚板部)32aとから構成される。第2複合コア導電性部33は、厚みの薄い平板部(薄板部)33bと、平板部33bの複合コアギャップ31側の縁の上に位置し、平板部33bから上部クラッド7側に突出する厚みの厚い凸状部(厚板部)33aとから構成される。凸状部32aと凸状部33aは、複合コアギャップ部31の両側を挟んで対向配置され、複合コアギャップ部31の側面に接している。凸状部32a,33aを構成する材料と平板部32b、33bを構成する材料は同じである。
リブ型光導波路は、中央の厚みのある凸状部32a,33aよりも十分離れた領域においては、その構造は光の伝播特性に影響はなく、適宜その形状を加工することが可能である。例えば、本実施形態においては、この厚みの薄い平板部32b、33bを介して図示略の電極パッド(電極)を備え、電圧を印加するものとしている。
なお、上記実施形態では、平板部32b,33bにそれぞれ電極が接続される構成を示したが、第1複合コア導電性部32と第2複合コア導電性部33との間に電圧を印加するための構成は、これに限定されない。例えば、平板部32b,33bに電気的に接続された配線等により、複合コア導電性部32,33間に電圧を印加する構成も可能である。
具体的には、この光学素子WG1が集積化されたときに、複合コア導電性部32,33の平板部32b,33bに電気的に接続された他のデバイスによって複合コア導電性部32,33間に電圧が印加されてもよい。
複合コアギャップ部31は、第1複合コア導電性部32及び第2複合コア導電性部33よりも電気伝導率の低い高抵抗材料から構成される。本実施形態においては、絶縁体であるSiO2を用いる。こうすることにより、第1複合コア導電性部32及び第2複合コア導電性部33の薄い平板部32b、33bを介して離隔した電極パッドに電気的に接続し、電極パッドに電圧を印加することによって複合コアギャップ部31を挟んだ第1複合コア導電性部32及び第2複合コア導電性部33の両側領域に電荷を蓄え、キャリア密度変化により屈折率の変化を誘起し、光学素子WG1の光学特性を変化させることが可能となる。複合コアギャップ部31の材料については、前述した窒酸化シリコン(SiOxNy)あるいは窒化シリコン(SixNy)、または無極性のSiも適用可能である。
このように構成された複合コア光導波路30が光の導波方向(Y方向)に一様に続くとした場合について、モードソルバーにより計算したシミュレーション結果を図3に示す。図3は、上部クラッド7、下部クラッド6、及び、複合コアギャップ部31を屈折率1.45のSiO2、第1複合コア導電性部32及び第2複合コア導電性部33を屈折率3.48のSi、図2の各部の寸法をt1=250nm、t2=50nm、W1=280nm、W2=160nmとしたときの基本伝搬モードのシミュレーション結果の光強度分布を等高線図で表したものである。なお、参考のため各材料の界面を同時に記載した。このとき、基本伝搬モードの実効屈折率は2.1640であった。
図3に示したように、複合コア光導波路を伝播する光は、主に複合コア導電性部の凸状部に閉じ込められている。光の一部が平板部や複合コアギャップ部にしみ出しているが、大部分は厚みの厚い凸状部に閉じ込められており、コアの幅方向(X方向)において十分な閉じ込めが行われることがわかる。そのため、電圧印加時にキャリア密度の変化する凸状部が、伝搬モードにおいて光強度の強い部分となり、凸状部の屈折率変動に対する伝搬モードの実効屈折率変化が増大される。また、複合コアギャップ部を挟んで対向する一対の複合コア導電性部の構造が、誘電体を導電性の平板で挟んだキャパシタ状の構造となることで、電圧印加によるキャリア密度の増加が図られる。
図3に示されるように、各複合コア導電性部(半導体コア領域)において、光が導波する範囲は各複合コア導電性部の全体でなくてもよい。すなわち、光が導波する範囲は、複合コア導電性部の全体であってもよいし、一部であってもよい。
複合コア導電性部(半導体コア領域)は、光の導波が少ない部分を含んでいてもよいのであるから、一般的に「全域にわたり光が伝播する領域」と認識される「コア」という語を含んでいるものの、この一般的な概念に限定して解釈するべきものではない。
すなわち、「コア領域」は「光を導波する部分を含む領域」であるから、「半導体コア領域」は、光を導波する部分を含む「半導体領域」と言うこともできる。
図4は、中間光導波路20の構成を説明する説明図である。図4(a)は、中間光導波路20のXY平面による断面図であり、図4(b)は、中間光導波路20の複合コア光導波路30側の領域20aをXZ平面で切った断面であり、図4(c)は、中間光導波路20の単一コア光導波路10側の領域20bをXZ平面で切った断面である。
図4(a)に示すように、中間光導波路20には、複合コアギャップ部31と連続する中間コアギャップ部21が設けられている。中間コアギャップ部21は、複合コアギャップ部31と共に、光学素子WG1の第1コア42及び第2コア41の一部若しくは全部を光の導波方向と直交する方向(X方向)に分離するギャップ部40を構成する。
本実施形態の中間コアギャップ部21は、コア41の複合コア光導波路30側の領域20aのみに存在する。中間コアギャップ部21の光の導波方向において対向する一対の端面を第1端面21a及び第2端面21bとすると、複合コア光導波路30側の第2端面21bは、中間光導波路20と複合コア光導波路30との接続界面に配置され、単一コア光導波路10側の第1端面21aは、中間光導波路20と単一コア光導波路10との接続界面よりも複合コア光導波路30側に配置されている。
図4(b)に示すように、中間光導波路20の複合コア光導波路30側の領域20aにおいては、複合コア光導波路30と同様に、中間光導波路20は中間コアギャップ部21によってコア41が2つに分離されたギャップ構造を有する。中間光導波路20は、中間コアギャップ部21と、その両側に位置する第1中間コア導電性部22と、第2中間コア導電性部23との3領域からなる構造を有する。コア41は、中間コアギャップ部21を挟んで分離された第1中間コア導電性部(第3半導体コア領域)(第3半導体領域)22と第2中間コア導電性部(第4半導体コア領域)(第4半導体領域)23とを部分領域として含む。中間光導波路20は、単一のモードが前記2つの部分領域にまたがって伝搬されるシングルモード光導波路となっている。
中間光導波路20のコア41は、中央部の厚みの厚い部分と、その両側の厚みの薄い部分とを有するリブ型形状である。図4(b)の例では、コアは、第1のリブである第1中間コア導電性部22と、第2のリブである第2中間コア導電性部23と、の2つのリブを部分領域として含む。第1中間コア導電性部22及び第2中間コア導電性部23は中間コアギャップ部21よりも高屈折率の材料からなる。
第1中間コア導電性部22と第2中間コア導電性部23とは、それぞれ同一形状で且つ互いに水平方向に反転した形状を有する。具体的には、第1中間コア導電性部22は、厚みの薄い平板部(薄板部)22bと、平板部22bの中間コアギャップ21側の縁の上に位置し、平板部22bから上部クラッド7側に突出する厚みの厚い凸状部(厚板部)22aとから構成される。第2中間コア導電性部23は、厚みの薄い平板部(薄板部)23bと、平板部23bの中間コアギャップ21側の縁の上に位置し、平板部23bから上部クラッド7側に突出する厚みの厚い凸状部(厚板部)23aとから構成される。凸状部22aと凸状部23aとは、中間コアギャップ部21の両側を挟んで対向配置され、中間コアギャップ部21の側面に接している。凸状部22a,23aを構成する材料と平板部22b、23bを構成する材料は同じである。
中間コアギャップ部21は、絶縁体やドーピングされていない無極性の半導体などの、電気伝導率の小さい高抵抗材料からなる。本実施形態の場合、複合コア光導波路30の複合コアギャップ部31と同じ材料からなるが、複合コアギャップ部31と異なる材料によって構成しても良い。第1中間コア導電性部22及び第2中間コア導電性部23は、第1複合コア導電性部32及び第2複合コア導電性部33を構成するコア材料と同種の材料(本実施形態の場合はSi)からなる。第1中間コア導電性部22においては、光の導波方向において隣接する第1複合コア導電性部32とは反対の極性の不純物がドーピングされており、第2中間コア導電性部23においては、光の導波方向において隣接する第2複合コア導電性部33とは反対の極性の不純物がドーピングされている。すなわち、第1複合コア導電性部32がP型、第2複合コア導電性部33がN型である場合は、第1中間コア導電性部22はN型、第2中間コア導電性部23はP型であり、第1複合コア導電性部32がN型、第2複合コア導電性部33がP型である場合は、第1中間コア導電性部22はP型、第2中間コア導電性部23はN型である。
図4(c)に示すように、中間光導波路20の単一コア光導波路10側の領域20bにおいては、中間コアギャップ部が設けられておらず、ギャップ構造によってコア41が分離されない単一コア構造(非分離領域)となっている。領域20bのコア41は、第1中間コア導電性部22と同一材料からなり第1中間コア導電性部22と一体に形成される第3中間コア導電性部(第5半導体コア領域)(第5半導体領域)24と、第2中間コア導電性部23と同一材料からなり第2中間コア導電性部23と一体に形成される第4中間コア導電性部(第6半導体コア領域)(第6半導体領域)25とを部分領域として含み、これらがYZ平面と平行な接続界面を有して互いに接する構造となっている。
領域20bのコア41は、中央部の厚みの厚い部分と、その両側の厚みの薄い部分とを有するリブ型形状である。図4(c)の例では、コアは、第1のリブである第3中間コア導電性部24と、第2のリブである第4中間コア導電性部25と、の2つのリブを部分領域として含む。
第3中間コア導電性部24と第4中間コア導電性部25とは、それぞれ同一形状で且つ互いに水平方向に反転した形状を有する。具体的には、第3中間コア導電性部24は、厚みの薄い平板部(薄板部)24bと、平板部24bのコア中央側の縁の上に位置し、平板部24bから上部クラッド7側に突出する厚みの厚い凸状部(厚板部)24aとから構成される。第4中間コア導電性部25は、厚みの薄い平板部(薄板部)25bと、平板部25bのコア中央側の縁の上に位置し、平板部25bから上部クラッド7側に突出する厚みの厚い凸状部(厚板部)25aとから構成される。凸状部24a,25aを構成する材料と平板部24b、25bを構成する材料は同じである。
第3中間コア導電性部24及び第4中間コア導電性部25は、第1中間コア導電性部22及び第2中間コア導電性部23を構成するコア材料と同種の材料(本実施形態の場合はSi)からなる。第3中間コア導電性部24においては、光の導波方向において隣接する第1中間コア導電性部22と同じ極性の不純物がドーピングされており、第4中間コア導電性部25においては、光の導波方向において隣接する第2中間コア導電性部23と同じ極性の不純物がドーピングされている。すなわち、第1中間コア導電性部22がP型、第2中間コア導電性部23がN型である場合は、第3中間コア導電性部24はP型、第4中間コア導電性部25はN型であり、第1中間コア導電性部22がN型、第2中間コア導電性部23がP型である場合は、第3中間コア導電性部24はN型、第4中間コア導電性部25はP型である。
上記のように構成された中間光導波路20及び複合コア光導波路30においては、第1複合コア導電性部32と第2複合コア導電性部33との間に電圧を印加した場合に発生する第2のリーク電流の経路のうち、中間光導波路20を経由する経路は、第1複合コア導電性部32−第1中間コア導電性部22−第3中間コア導電性部24−第4中間コア導電性部25−第2中間コア導電性部23−第2複合コア導電性部33、またはこの逆となる。すなわち、中間コアギャップ部21の外周に沿って、第1複合コア導電性部32と第2複合コア導電性部33との間を反時計回り若しくは時計回りに結ぶ経路である。
ここで、第1中間コア導電性部22と第1複合コア導電性部32、及び、第2中間コア導電性部23と第2複合コア導電性部33とが、それぞれ同一の極性である場合には、中間光導波路20において第3中間コア導電性部24と第4中間コア導電性部25とが接触している領域は、PN接合となり、順方向に第2のリーク電流が流れる。しかし、本実施形のように第1中間コア導電性部22と第1複合コア導電性部32、及び、第2中間コア導電性部23と第2複合コア導電性部33とが、それぞれ反対の極性となっている場合には、上記の経路における半導体の極性は、PNPNまたはNPNPとなり、どちらの場合においても、第2のリーク電流の流れる経路に沿って、N型からP型へと極性の変化する接合を含む。P型とN型の接合においては、順方向に電圧を印加、すなわちP型側にN型側よりも高い電圧を印加した場合には、P型側からN型側へとリーク電流が流れることになるが、逆方向に電圧を印加、すなわちN型側にP型側よりも高い電圧を印加した場合には、N型側からP型側へのリーク電流は抑制される。このため、第2のリーク電流の流れる経路に沿ってN型からP型への変化を有する、すなわちP型とN型の接合において、N型側に、P型側に対して高い電位が印加されている状態において、N型からP型へ流れる第2のリーク電流は低減されることになる。
この場合、中間コアギャップ部21が存在しない場合でも、原理的には同様の効果が得られる。すなわち、中間コアギャップ部21が存在しない場合でも、第1複合コア導電性部32と第2中間コア導電性部23、及び、第2複合コア導電性部33と第1中間コア導電性部22とが、複合コアギャップ部31で離間されるため、第2のリーク電流の経路は、第1複合コア導電性部32−第1中間コア導電性部22−第3中間コア導電性部24−第4中間コア導電性部25−第2中間コア導電性部23−第2複合コア導電性部33、またはこの逆となる。よって、上記の経路における半導体の極性は、PNPNまたはNPNPとなり、どちらの場合においても、第2のリーク電流の流れる経路に沿ってN型からP型へと極性の変化する接合を含む。
しかし、複合コア光導波路30における複合コアギャップ部31の幅が小さい場合には、第1中間コア導電性部22と第2複合コア導電性部33、及び、第2中間コア導電性部23と第1複合コア導電性部32が、それぞれ接近しているために、十分な空間電荷層が存在する場合と比較して、第2のリーク電流が増大する。
一方、本実施形態のように中間コアギャップ21が第1中間コア導電性部22と第2中間コア導電性部23との間に配置されていると、各境界間を十分に空けることができるため、複合コアギャップ部31の幅が小さい場合でも確実に第2のリーク電流を低減することが可能となる。
なお、本形態例では、中間コアギャップ部21をコア41の長手方向(Y方向)の一部に設けたが、この構成は必須ではなく、中間光導波路20全体にわたって中間コアギャップ部21を有する構造、すなわち、第3中間コア導電性部24及び第4中間コア導電性部25のない構造も可能である。
例えば、中間光導波路20と接する単一コア光導波路10のコア11を不純物ドープの行われない無極性の半導体とすると、第1複合コア導電性部32と第2複合コア導電性部33との間に電圧を印加した場合に発生する第2のリーク電流の経路のうち、中間光導波路を経由する経路は、第1複合コア導電性部32−第1中間コア導電性部22−コア11−第2中間コア導電性部23−第2複合コア導電性部33、またはこの逆となる。この経路においては、半導体コア領域の極性が2回変化することとなる。そのため、より第2のリーク電流を低減することができる。
図5は、単一コア光導波路10のXZ平面による断面図である。単一コア光導波路10のコア11は、中央部の厚みの厚い部分と、その両側の厚みの薄い部分とを有するリブ型形状である。コア11は、厚みの薄い平板部11bと、平板部11bの中央部に位置し、平板部11bから上部クラッド7側に突出する凸状部11aとから構成される。凸状部11aを構成する材料と平板部11bを構成する材料は同じである。コア11においては、凸状部11aが低屈折率のギャップ部によって分離されておらず、単一材料によって構成された単一コア(非分離領域)となっている。
本実施形態においては、コア11はシリコンからなり、複合コア光導波路30のコア42(第1複合コア導電性部32、第2複合コア導電性部32)と、中間光導波路20のコア41(第1中間コア導電性部22、第2中間コア導電性部23、第3中間コア導電性部24、第4中間コア導電性部25)と同一幅(W3=2W1+W2)及び高さ(t1,t2)を有して、一度に形成される。図5の単一コア光導波路10は、図4に示した中間光導波路20の単一コア光導波路側の領域20bと比較して、コア11が不純物のドーピングを必須としない点以外は、第3中間コア導電性部24及び第4中間コア導電性部25で構成された部分と同じである。
本実施形態の場合、コア11は、SOI基板の表層部のシリコン層を用いて形成される。中間光導波路及び複合コア光導波路のコアは、P型又はN型の不純物をドーピングされているが、コア11の場合はこのような不純物がドーピングされておらず、無極性の半導体となっている。
ここで、「無極性」とは、シリコン層に外部から不純物ドーピングを行っていないということを意味し、シリコン層が真性半導体からなる場合だけでなく、SOI基板にもともと含まれている微量な導電性不純物によってシリコン層に微量な導電性不純物が含まれている場合も含む。例えば、チョクラルスキー法等の製法で作製されたシリコン基板には、P型又はN型の導電性不純物が微量に含まれているのが一般的である。そのようなシリコン基板を用いてSOI基板を作製した場合には、SOI基板の内部に存在する導電性不純物によって、得られるコア11の内部にも微量な導電性不純物が含まれることとなる。
なお、コア11の材料、形状は特にこれに限らず、上部クラッド7及び下部クラッド6が光導波路を形成するという条件のもと適宜選択することができる。また、半導体を材料として用いた場合の極性に関して、必ずしも無極性の半導体である必要はなく、中間コア導電性部において使用されているN型及びP型の極性を有する半導体材料の使用も可能である。
[実施例]
図6は、本発明の効果を説明するための説明図である。図6において、「実施例」とは、図1の構造、すなわち、複合コア光導波路をギャップ構造とし、且つ、複合コア光導波路と単一コア光導波路との間に中間光導波路を設けた構造であり、「比較例」とは、複合コア光導波路を単一コア構造とし、且つ、複合コア光導波路と単一コア光導波路との間に中間光導波路を設けない構造である。また、図6の横軸は第1複合コア導電性部32と第2複合コア導電性部33との間に印加する電圧であり、縦軸は第1複合コア導電性部32と第2複合コア導電性部33との間に流れる第1のリーク電流及び第2のリーク電流の合計の総リーク電流を示している。
図6に示すように、本実施例の光学素子では比較例の光学素子に比べて総リーク電流が少ない。比較例の光学素子では、印加電圧を大きくしていくと、複合コア導電性部間に発生する総リーク電流も大きくなる。印加電圧を10Vにすると36.2mAという大きな総リーク電流が発生する。それに対して、本実施例の光学素子では、印加電圧を大きくしても総リーク電流の大きさは殆ど変化しない。10Vの印加電圧をかけた場合でも11.9μAという極めて小さな総リーク電流しか発生しない。
[光学素子の利用例]
本発明の光学素子をマッハツェンダー干渉計(Mach-Zehnder Interferometer;MZI)の一部として利用する場合について、図7を用いて説明する。図7は、マッハツェンダー干渉計を基板に水平な面(XY平面)で切断した断面を示す概略図である。
MZI光導波路101は、本実施形態における単一コア光導波路と同一の断面構造により構成され、SOI基板上にシリコンリブ光導波路として形成される。
位相調整部102は、マッハツェンダー干渉計の2本のアームの片側に設置され、本実施形態における複合コア光導波路と同一の断面構造により構成される。
位相調整部102の両側の第1接続部103及び第2接続部104は、本実施形態の光学素子によって構成される。
第1接続部103及び第2接続部104においては、それぞれ光学素子の複合コア光導波路が位相調整部102と接続され、光学素子の単一コア光導波路がMZI光導波路101と接続される。これにより、MZI光導波路101と位相調整部102とが接続される。
具体例として、図1に示す光学素子WG1を第1接続部103及び第2接続部104に用いた場合について説明する。
第1接続部103においては、複合コア導電性部32、33の端部が位相調整部102の一方の端部に接続され、単一コア光導波路10の端部がMZI光導波路101に接続される。第2接続部104においては、複合コア導電性部32、33の端部が位相調整部102の他方の端部に接続され、単一コア光導波路10の端部がMZI光導波路101に接続される。
これによって、位相調整部102の一方の端部は第1接続部103を介してMZI光導波路101に接続され、他方の端部は第2接続部104を介してMZI光導波路101に接続される。
位相調整部102においては、外部より電極を通じて複合コア導電性部に電圧を印加することにより、複合コア導電性部に屈折率変化を誘起し、光の伝搬速度を変える。そして、位相調整部102の設けられていない反対側のアームを通過する光に対して位相差を発生させることにより、出力端における光の強度を制御する。
[第2の実施の形態]
図8は、本発明の第2実施形態にかかる光学素子WG2の説明図である。図8の光学素子WG2において、図1に示した第1実施形態の光学素子WG1と共通する構成については、同じ符号を付し、詳細な説明は省略する。
図1に示した第1実施形態の光学素子WG1では、中間光導波路20のコアをそれぞれ逆の極性を持つ2つの半導体コア領域(中間コア導電性部22,24と中間コア導電性部23,25)によって構成した。しかし、中間光導波路20の構造はこの例に限らない。例えば、光の導波方向に従ってP型とN型の半導体コア領域が2回以上交互に切り替わるように配置されても良い。具体例として、P型とN型の半導体コア領域が2回繰り返される場合を図8に示す。
図8の光学素子WG2において、中間コアギャップ部201は、その両端部が単一コア光導波路30から複合コア光導波路30まで達するように、中間光導波路20のコア45の長手方向全体に設けられている。すなわち、中間コアギャップ部21の光の導波方向において対向する一対の端面を第1端面201a及び第2端面201bとすると、複合コア光導波路30側の第2端面201bは、中間光導波路20と複合コア光導波路30との接続界面に配置され、単一コア光導波路10側の第1端面201aは、中間光導波路20と単一コア光導波路10との接続界面に配置されている。
中間光導波路20のコア45は、中間コアギャップ部201を挟んで分離された第1分離領域45aと第2分離領域45bとを部分領域として含む。第1分離領域45aは、光の導波方向に沿ってP型とN型とが光の導波方向に沿って交互に切り替わるように配置された第1中間コア導電性部202と第3中間コア導電性部204とからなる第1極性反転領域206を部分領域として含む。第2分離領域45bは、光の導波方向に沿ってP型とN型とが光の導波方向に沿って交互に切り替わるように配置された第2中間コア導電性部203と第4中間コア導電性部205とからなる第2極性反転領域207を部分領域として含む。第2中間コア導電性部203と第3中間コア導電性部204とは、第1複合コア導電性部32と同一の極性を有する半導体材料から構成され、第1中間コア導電性部202と第4中間コア導電性部205とは、第2複合コア導電性部33と同一の極性を有する半導体材料から構成されている。コア11は、無極性の半導体からなる。
第1中間コア導電性部202、第2中間コア導電性部203、第3中間コア導電性部204、及び、第4中間コア導電性部205、は中間コアギャップ部201よりも高屈折率の材料からなる。また、中間コアギャップ部201は、絶縁体やドーピングされていない無極性の半導体などの、第1中間コア導電性部202、第2中間コア導電性部203、第3中間コア導電性部204、及び、第4中間コア導電性部205よりも電気伝導率の小さい高抵抗材料からなる。
光学素子WG2では、第1複合コア導電性部32と第2複合コア導電性部33との間に電圧を印加した場合に発生する第2のリーク電流の経路のうち、中間光導波路を経由する経路は、第1複合コア導電性部32−第1中間コア導電性部202−第3中間コア導電性部204−コア11−第4中間コア導電性部205−第2中間コア導電性部203−第2複合コア導電性部33、またはこの逆となる。この経路においては、半導体コア領域の極性が4回変化することとなる。コア11考慮しなければ、このとき、第2のリーク電流の流れる経路に沿って、N型からP型へと変わる極性の変化が、2回現れることになり、一定の電圧を印加した場合に、N型からP型への変化が1回のみの場合と比較して1箇所あたりに印加される電圧は低くなる。コア11の材料により程度の差はあるものの、この接合において流れる第2のリーク電流をより低減することが可能となる。
なお、図8の例では、中間光導波路20のコア45には、中間コアギャップ部201を挟んで対向配置された一対の逆極性の中間コア導電性部からなる導電性ブロック208,209が光の導波方向に沿って2組設けられている。この数は2組に限らず、3組以上としても良い。すなわち、中間コアギャップ部201の外周に沿う第2のリーク電流の経路中に、P型半導体コア領域とN型半導体コア領域との接続界面が2回現れるが、その回数は2回に限らず、4回以上とすることも可能である。こうすることで、より第2のリーク電流を低減することが可能となる。
[第3の実施の形態]
図9は、本発明の第3実施形態にかかる光学素子WG3の説明図である。図9の光学素子WG3において、図8に示した第2実施形態の光学素子WG2と共通する構成については、同じ符号を付し、詳細な説明は省略する。
図8に示した第2実施形態の光学素子WG2では、中間コアギャップ部201が中間光導波路のコア45の長手方向全体に及ぶ構造となっている。しかし、中間光導波路20の構造はこの例に限らない。例えば、中間コアギャップ部201の単一コア光導波路10側の端面201aが中間光導波路20と単一コア光導波路10との接続界面よりも複合コア光導波路30側に配置される構造とすることも可能である。具体例を図9に示す。
図9の光学素子WG3において、中間コアギャップ部211は、複合コア光導波路30側のみに存在する。中間コアギャップ部211の光の導波方向において対向する一対の端面を第1端面211a及び第2端面211bとすると、複合コア光導波路30側の第2端面211bは、中間光導波路20と複合コア光導波路30との接続界面に配置され、単一コア光導波路10側の第1端面211aは、中間光導波路20と単一コア光導波路10との接続界面よりも複合コア光導波路30側に配置されている。
中間光導波路20の複合コア光導波路30側においては、コア46が中間コアギャップ部211によって分離されたギャップ構造を有する。コア46は、中間コアギャップ部211を挟んで分離された第1分離領域46aと第2分離領域46bとを部分領域として含む。第1分離領域46aは、光の導波方向に沿ってP型とN型とが光の導波方向に沿って交互に切り替わるように配置された第1中間コア導電性部212と第3中間コア導電性部214とからなる第1極性反転領域228を部分領域として含む。第2分離領域46bは、光の導波方向に沿ってP型とN型とが光の導波方向に沿って交互に切り替わるように配置された第2中間コア導電性部213と第4中間コア導電性部215とからなる第2極性反転領域229を部分領域として含む。第2中間コア導電性部213と第3中間コア導電性部214とは、第1複合コア導電性部32と同一の極性を有する半導体材料から構成され、第1中間コア導電性部212と第4中間コア導電性部215とは、第2複合コア導電
性部33と同一の極性を有する半導体材料から構成されている。コア11は、無極性の半導体からなる。
中間光導波路20の単一コア光導波路10側においては、コア46が中間コアギャップ部211によって分離されない単一コア構造(非分離領域)を有する。コア46は、第3中間コア導電性部214と同一材料からなり第3中間コア導電性部214と一体に形成される第5中間コア導電性部(第5半導体コア領域)216と、第4中間コア導電性部215と同一材料からなり第4中間コア導電性部215と一体に形成される第6中間コア導電性部(第6半導体コア領域)217とを部分領域として含み、これらがYZ平面と平行な接続界面を有して互いに接触する構造となっている。
第1中間コア導電性部212、第2中間コア導電性部213、第3中間コア導電性部214、第4中間コア導電性部215、第5中間コア導電性部216、及び、第6中間コア導電性部217は中間コアギャップ部211よりも高屈折率の材料からなる。また、中間コアギャップ部211は、絶縁体やドーピングされていない無極性の半導体などの、第1中間コア導電性部212、第2中間コア導電性部213、第3中間コア導電性部214、第4中間コア導電性部215、第5中間コア導電性部216、及び、第6中間コア導電性部217よりも電気伝導率の小さい高抵抗材料からなる。
光学素子WG3では、第1複合コア導電性部32と第2複合コア導電性部33との間に電圧を印加した場合に発生する第2のリーク電流の経路のうち、中間光導波路を経由する経路は、第1複合コア導電性部32−第1中間コア導電性部212−第3中間コア導電性部214−第5中間コア導電性部216−第6中間コア導電性部217−第4中間コア導電性部215−第2中間コア導電性部213−第2複合コア導電性部33、またはこの逆となる。この経路においては、半導体コア領域の極性は3回変化することとなる。そのため、より第2のリーク電流を低減することができる。また、中間コアギャップ部211がコア11まで達していないため、コア11に対する第2のリーク電流の侵入を低減することができる。
なお、図9の例では、中間光導波路20のコア46には、中間コアギャップ部211を挟んで対向する一対の逆極性の中間コア導電性部からなる導電性ブロック218,219が光の導波方向に沿って2組設けられている。この数は2組に限らず、3組以上としても良い。3組以上とした場合において、中間コアギャップ部211の単一コア光導波路10側の端面211aは、コア11とコア46との接続界面よりも複合コア光導波路30側に配置されていれば良い。すなわち、中間コアギャップ部211の外周に沿う第2のリーク電流の経路中に、P型半導体コア領域とN型半導体コア領域との接続界面が3回現れるが、その回数は3回に限らず、5回以上とすることも可能である。こうすることで、より第2のリーク電流を低減することが可能となる。
[第4の実施の形態]
図10は、本発明の第4実施形態にかかる光学素子WG4の説明図である。図10の光学素子WG4において、図1に示した第1実施形態の光学素子WG1と共通する構成については、同じ符号を付し、詳細な説明は省略する。
図1に示した第1実施形態の光学素子WG1では、中間光導波路20において、第1中間コア導電性部22と第2中間コア導電性部23とはそれぞれ逆の極性を持った構造となっているが、この部分に無極性の半導体を用いることも可能である。具体例を図10に示す。
図10の光学素子WG4において、中間コアギャップ部221は、複合コア光導波路30側のみに存在する。すなわち、中間コアギャップ部221の光の導波方向において対向する一対の端面を第1端面221a及び第2端面221bとすると、複合コア光導波路30側の第2端面221bは、中間光導波路20と複合コア光導波路30との接続界面に配置され、単一コア光導波路10側の第1端面221aは、中間光導波路20と単一コア光導波路10との接続界面よりも複合コア光導波路30側に配置されている。
中間光導波路20の複合コア光導波路30側の領域においては、中間光導波路20は、コア47が中間コアギャップ部221によって分離されたギャップ構造を有する。コア47は、中間コアギャップ部221を挟んで分離された第1中間コア無極性部(第3半導体コア領域)222と第2中間コア無極性部(第4半導体コア領域)223とを部分領域として含む。中間光導波路20は、中間コアギャップ部221によって分離された2つの部分領域にまたがって光が伝播する複合コア構造を有する光導波路である。
中間光導波路20の単一コア光導波路10側の領域においては、中間光導波路20は、コア47が中間コアギャップ部によって分離されない単一コア構造(非分離領域)を有する。コア47は、第1中間コア無極性部222及び第2中間コア無極性部223と同一材料からなり、第1中間コア無極性部222及び第2中間コア無極性部223と一体に形成される無極性の半導体からなる第3中間コア無極性部(非分離領域)224を部分領域として含む。
第1中間コア無極性部222及び第2中間コア無極性部223は中間コアギャップ部221よりも高屈折率の材料からなる。また、中間コアギャップ部221は、絶縁体やドーピングされていない無極性の半導体などの、第1中間コア無極性部222及び第2中間コア無極性部223よりも電気伝導率の小さい高抵抗材料からなる。
この構成においては、第1複合コア導電性部32と中間コア無極性部222との境界、及び、第2複合コア導電性部33と中間コア無極性部223との境界に、中間コア無極性部222,223に対するキャリアの拡散が起こる。そのため、中間コアギャップ部221が設けられない場合には、第1複合コア導電性部32−第1中間コア無極性部222−第3中間コア無極性部224−第2中間コア無極性部223−第2複合コア導電性部33を最短で結ぶ経路については、無極性の半導体領域が短いために十分な低リーク電流とはならないことが考えられる。しかし、複合コア導電性部32,33からのキャリアの拡散の少ない材料により中間コア無極性部222,223,224を構成し、中間コアギャップ部221の長さ(Y方向の長さ)を前記経路上の拡散領域よりも十分長くとった場合には、前記経路中に電気抵抗の高い無極性の半導体領域を含むことになり、その結果、第1複合コア導電性部32と第2複合コア導電性部33との間に電圧を印加した際に中間光導波路を通過して流れる第2のリーク電流を低減することが可能となる。
[第5の実施の形態]
図11は、本発明の第5実施形態にかかる光学素子WG5の説明図である。図11の光学素子WG5において、図10に示した第4実施形態の光学素子WG4と共通する構成については、同じ符号を付し、詳細な説明は省略する。
図10に示した第4実施形態の光学素子WG4では、第1複合コア導電性部32と中間コア無極性部222、及び、第2複合コア導電性部33と中間コア無極性部223とが、直接接するような構造とした。しかし、中間光導波路20の構造はこの例に限らない。例えば、第1複合コア導電性部32と中間コア無極性部222との間、及び、第2複合コア導電性部33と中間コア無極性部223との間には、それぞれP型とN型の半導体コア領域が少なくとも2回以上切り替わるように交互に配置される構造としても良い。具体例として、P型とN型の半導体コア領域が2回繰り返される場合を図11に示す。
図11の光学素子WG5において、中間コアギャップ部231は、複合コア光導波路30側のみに存在する。すなわち、中間コアギャップ部231の光の導波方向において対向する一対の端面を第1端面231a及び第2端面231bとすると、複合コア光導波路30側の第2端面231bは、中間光導波路20と複合コア光導波路30との接続界面に配置され、単一コア光導波路10側の第1端面231aは、中間光導波路20と単一コア光導波路10との接続界面よりも複合コア光導波路30側に配置されている。
中間光導波路20の複合コア光導波路30側の領域においては、コア48が中間コアギャップ部231によって分離されたギャップ構造を有する。コア48は、中間コアギャップ部231を挟んで分離された第1分離領域48aと第2分離領域48bとを部分領域として含む。第1分離領域48aは、光の導波方向に沿ってP型とN型とが光の導波方向に沿って交互に切り替わるように配置された第1中間コア導電性部232と第3中間コア導電性部234とからなる第1極性反転領域251と、第3中間コア導電性部234の単一コア光導波路10側の光入射端面に接続された無極性の半導体からなる第1中間コア無極性部236と、を部分領域として含む。第2分離領域48bは、光の導波方向に沿ってP型とN型とが光の導波方向に沿って交互に切り替わるように配置された第2中間コア導電性部233と第4中間コア導電性部235とからなる第2極性反転領域252と、第4中間コア導電性部235の単一コア光導波路10側の光入射端面に接続された無極性の半導
体からなる第2中間コア無極性部237と、を部分領域として含む。第2中間コア導電性部233と第3中間コア導電性部234とは、第1複合コア導電性部32と同一の極性を有する半導体材料から構成され、第1中間コア導電性部232と第4中間コア導電性部235とは、第2複合コア導電性部33と同一の極性を有する半導体材料から構成されている。コア11は、無極性の半導体からなる。
中間光導波路20の単一コア光導波路10側の領域においては、コア48が中間コアギャップ部によって分離されない単一コア構造(非分離領域)を有する。コア48は、第1中間コア無極性部236及び第2中間コア無極性部237と同一材料からなり第1中間コア無極性部236及び第2中間コア無極性部237と一体に形成される第3中間コア無極性部238を部分領域として含む。
第1中間コア導電性部232、第2中間コア導電性部233、第3中間コア導電性部234、第4中間コア導電性部235、第1中間コア無極性部236、及び、第2中間コア無極性部237は、中間コアギャップ部231よりも高屈折率の材料からなる。また、中間コアギャップ部231は、絶縁体やドーピングされていない無極性の半導体などの、第1中間コア導電性部232、第2中間コア導電性部233、第3中間コア導電性部234、第4中間コア導電性部235、第1中間コア無極性部236、第2中間コア無極性部237よりも電気伝導率の小さい高抵抗材料からなる。
光学素子WG5では、第1複合コア導電性部32と第2複合コア導電性部33との間に電圧を印加した場合に発生する第2のリーク電流の経路のうち、中間光導波路を経由する経路は、第1複合コア導電性部32−第1中間コア導電性部232−第3中間コア導電性部234−第1中間コア無極性部236−第3中間コア無極性部238−第2中間コア無極性部237−第4中間コア導電性部235−第2中間コア導電性部233−第2複合コア導電性部33、またはこの逆となる。この経路においては、半導体コア領域の極性は5回変化することとなる。そのため、第2のリーク電流をより低減することが可能となる。
なお、図11の例では、中間光導波路20のコア48には、中間コアギャップ部231を挟んで対向する一対の逆極性の中間コア導電性部からなる導電性ブロック241,242が光の導波方向に沿って2組設けられている。この数は2組に限らず、3組以上としても良い。3組以上とした場合において、中間コアギャップ部231の単一コア光導波路10側の端面231aは、コア11とコア48との接続界面よりも複合コア光導波路30側に配置されていれば良い。すなわち、中間コアギャップ部231の外周に沿う第2のリーク電流の経路中に、P型半導体コア領域とN型半導体コア領域との接続界面が2回現れるが、その回数は2回に限らず、4回以上とすることも可能である。こうすることで、より第2のリーク電流を低減することが可能となる。
以上、添付図面を参照しながら本発明に係る好適な実施の形態例について説明したが、本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。上述した例において示した各構成部材の諸形状や組み合わせ等は一例であって、本発明の主旨から逸脱しない範囲において設計要求等に基づき種々変更可能である。
例えば、上記実施形態では、Siをコア材料として用いたが、コア材料はこれに限らず、GeやSiGeなどの他の半導体材料を用いても良い。
また、第1、第2、第3、第5実施形態では、複合コア光導波路30のコアの光入出射端面と接続する部分の中間光導波路20のコアを互いに反対の極性を有する半導体コア領域とし、第4実施形態では、この部分を無極性の半導体コア領域とした。しかし、中間光導波路20の構成はこれに限らない。例えば、第1中間コア導電性部を無極性の半導体コア領域とし、第2中間コア導電性部を第2複合コア導電性部33と反対の極性の半導体コア領域としても良い。逆に、第2中間コア導電性部を無極性の半導体コア領域とし、第1中間コア導電性部を第1複合コア導電性部32と反対の極性の半導体コア領域としても良い。
また、第1、第2、第3、第5実施形態では、中間コアギャップ部によって光の導波方向と直交する方向に分離された一対の分離領域に、それぞれ同じ数のP型半導体コア領域とN型半導体コア領域とを設けた。しかし、中間光導波路20の構成はこれに限らない。例えば、一方の分離領域にi個ずつP型半導体コア領域とN型半導体コア領域を設け、他方の分離領域にj(≠i)個ずつP型半導体コア領域とN型半導体コア領域を設けても良い。また、いずれか一方の分離領域には、P型半導体コア領域又はN型半導体コア領域を設けずに、無極性の半導体コア領域のみで構成していても良い。また、P型半導体コア領域とN型半導体コア領域とが光の導波方向に沿って交互に配置された領域を1つの極性反転領域としたときに、複数の極性反転領域を光の導波方向に沿って配置すると共に、極性反転領域同士の間に無極性の半導体コア領域を設けても良い。
すなわち、上記実施形態においては、一対の分離領域のうちの少なくとも一方は、P型とN型とが光の導波方向に沿って交互に切り替わるように配置された複数の半導体コア領域を部分領域として含むもの、若しくは、一対の分離領域のうちの少なくとも一方は、P型とN型とが光の導波方向に沿って交互に切り替わるように配置された複数の半導体コア領域からなる極性反転領域と、前記極性反転領域の光入出射端面に接続された無極性の半導体コア領域と、を部分領域として含むものであれば良い。
[第6の実施の形態]
図12〜図14は、本発明の第5実施形態にかかる光学素子WG6の説明図であり、グレーティング構造を採用したものである。
図14はコア50を示すもので、ここではコア50のみを図示するが、クラッドがコア50の周囲を囲んでいるものとする。また、クラッドの下には基板(図示せず)が存在し、コア50の底面54は基板面に平行である。水平方向とは基板面に平行な方向をいい、垂直方向とは基板面に垂直な方向をいう。
図14(a)はコア50の一部の平面図である。符号Cはコア50の水平面内での単一の中心軸を表し、光は光導波路中を中心軸Cに沿って伝搬する。この光導波路は、ブラッググレーティングパターン(詳しくは後述)を有しており、この光導波路のスペクトルには少なくとも一つの反射帯が現れる。
反射帯の中心波長λ0は、ブラッググレーティングの周期をpG、光導波路の実効屈折率をneffとするとき、λ0=pG/neffにより与えられる。ここで実効屈折率neffは、光導波路のコア50の幅を平均幅w0とした場合の値である。
コア50の平均幅w0は、コア50の横幅woutの一周期での平均値に等しい。
コア50の側壁52には、凹部52aと凸部52bが光の導波方向に交互に形成され、横幅woutが一周期pGごとに増減して第1のブラッググレーティングパターンが形成される。
矩形断面の光導波路では、光の直線偏光した電界が主として水平方向に沿う場合(以下TE型偏光)と、主として垂直方向に沿う場合(以下TM型偏光)に対して、それぞれ固有の導波モードが存在する。そして、おのおのの導波モードに固有の実効屈折率が存在するという偏光依存性が存在する。
TE型偏光での固有モードの実効屈折率neff TEは、TM型偏光での固有モードの実効屈折率neff TMに比べ、光導波路の幅の変化に対して敏感に変化する。
TM型偏光での固有モードの実効屈折率neff TMは、TE型偏光での固有モードの実効屈折率neff TEに比べ、光導波路の高さ(すなわち厚み)の変化に対して敏感に変化する。
よってブラッググレーティングの偏光依存性を低減するには、光導波路の幅を周期的に変化させるのみならず、光導波路の高さも周期的に変化させるのが好適である。
矩形光導波路(断面が略矩形状の光導波路)への適用を考慮すると、第1のブラッググレーティングパターンをコアの一方または両方の側壁に設け、第2のブラッググレーティングパターンをコアの上面と底面のうち一方または両方に設けることが好ましい。
第1のブラッググレーティングパターンと第2のブラッググレーティングパターンとの組み合わせによって、TE型偏光への作用とTM型偏光への作用を等化し、偏光依存性を低減することができる。
図示例では、第1のブラッググレーティングパターンをコアの両側壁に設け、第2のブラッググレーティングパターンをコアの上面に設けている。
コア50の形状は、中心軸Cを含む垂直方向の平面に対して水平方向に対称(図14(a)では中心軸Cに対して上下に対称)となっている。
図14(b)に示すように、コア50では、コア上部に設けた溝(トレンチ)53の幅winが光の導波方向に周期的に変化している。コアの高さはtoutであり、溝53の深さはtinである。図14(a)に示すように、溝53は中心軸Cに沿う方向に延在し、溝53の幅winの中点の水平方向の座標は、中心軸C上に位置する。
この構造により、コア50の高さを周期的に変化させるのと等価的に実効屈折率を変化させることができる。
溝53の側壁には凹部53aと凸部53bが交互に形成され、溝幅winは一周期pGごとに増減して第2のブラッググレーティングパターンを形成する。
溝53は、例えば光学マスクを用いた描画(リソグラフィ)とエッチングにより形成することができる。
図14(a)に示すように、コア50では、光の導波方向において、側壁52のコア幅woutの広い部分(凸部52b)と溝53内側壁の溝幅winの狭い部分(凸部53b)とが対応し、かつ側壁52のコア幅woutの狭い部分(凹部52a)と溝53内側壁の溝幅winの広い部分(凹部53a)とが対応している。このように、第1のブラッググレーティングパターンの凹凸と第2のブラッググレーティングパターンの凹凸とが同期しており、それぞれの局所周期pGが一致している。これにより、光導波路寸法の設計が容易になる。
図12および図13は、前記グレーティング構造を採用した光学素子の断面図である。
以下の説明においては、既出の構成については同一符号を付してその説明を省略することがある。
本実施形態の光学素子は、内側コア60と、外側コア64とからなる複合コアを有する。
内側コア60は、ギャップ部21、31、コア導電性部22、32、およびコア導電性部23、33を備えている。
外側コア64は、コア導電性部22、32、23、33より低屈折率の材料からなる。外側コア64の屈折率は、上部クラッド7の屈折率より高い。外側コア64の厚みはtoutで、溝64cの深さはtinである。
ギャップ部21、31を形成することによって、単一偏光状態に単一モードしか存在しないという条件を保持しながら、内側コア60に光が閉じ込められる領域の断面積を拡大することができる。また、外側コア64に形成されたブラッググレーティング(後述)の加工誤差による実効屈折率の精度劣化を低減することができるので、実効屈折率の偏光依存性を低減するのにも有効である。
各構成の構成材料としては、例えばコア導電性部22、32、23、33がシリコン(Si)、ギャップ部21、31がシリカ(SiO2)、窒酸化シリコン(SiOxNy)、または窒化シリコン(SixNy)、外側コア64が窒酸化シリコン(SiOxNy)または窒化シリコン(SixNy)、基板5がシリコン(Si)、下部クラッド6および上部クラッド7がシリカ(SiO2)とすることができる。
コア導電性部22、32、23、33の導電型は、P型とN型とのうちのいずれか一方を第1導電型、他方を第2導電型としたときに、コア導電性部22、33を第1導電型とし、コア導電性部23、32を第2導電型とすることができる。
コア導電性部22の平板部22bに第1電極(図示略)を接続し、コア導電性部23の平板部23bに第2電極(図示略)を接続し、第1電極と第2電極との間に電圧を印加することにより、コア導電性部22、23の屈折率を可変に制御できる。
コア導電性部32の平板部32bに第1電極(図示略)を接続し、コア導電性部33の平板部33bに第2電極(図示略)を接続し、第1電極と第2電極との間に電圧を印加することにより、コア導電性部32、33の屈折率を可変に制御できる。
外側コア64は、コア導電性部22、32、23、33の上に設けられる。
外側コア64の上面64aと側壁64bには、それぞれ図14のコア50と同様な第1および第2のブラッググレーティングパターンが形成されている。
具体的には、外側コア64の幅woutを周期的に変化させた第1のブラッググレーティングパターンと、外側コア64の上面64aに形成された溝(トレンチ)64cの幅winを周期的に変化させた第2のブラッググレーティングパターンを備えている。
この構成の光学素子によれば、ギャップ部40によって、コア導電性部22、32とコア導電性部23、33との間に発生する、導波方向と直交する方向の電流を低減することが可能である。また、ブラッググレーティングの採用により、光導波路の実効屈折率を変化させることができる。