JP5530764B2 - 光学素子 - Google Patents

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Description

本発明は、半導体をコアとして用いた光導波路を有する光学素子に関するものである。
光通信で伝送される情報量は増加の一途をたどっている。これに対しては、(I)信号の伝送速度を増す、(II)波長多重通信のチャンネル数を増す、といった対策が進められている。
光通信では光パルスを用いて光信号が伝送される。そこで、上記(I)に関しては、光パルス間の間隔が狭まるため、光パルスの時間波形を制御することが重要となる。伝送路である光ファイバ中では、光の波長によって伝搬速度が異なるという波長分散のため、光ファイバを伝搬するに伴い光パルスの時間幅が拡がってしまう。このため、光ファイバとは逆の符号の波長分散を持つ光学素子を光ファイバ伝送路中に設けて、伝送路を伝搬した後の光パルスの波長分散を除去するという波長分散補償技術が必要になる。
一方、(II)の対策を進めると、光部品の数が増すとともに伝送経路も複雑になるため、光通信設備の大型化、複雑化、高額化につながるという問題が生じる。
光通信設備の大型化・複雑化を避けるには、設備を構成する装置の部品や回路など、構成要素の小型化、さらには小型化した構成要素を集積化して部品点数の増大を避けることが必要である。光部品の小型化を遂行するには、光部品を構成する基本要素である光学素子を小型化することが必須である。光通信用の光学素子は光導波路を用いて構成されることが多い。このため、光導波路を小型化することが、光部品の小型化を進める上で重要である。光導波路を小型化するには、シリコン(Si)などの屈折率の高い材料を用いることが必須である。これは、媒質中の光の波長はその媒質の屈折率に反比例するため、屈折率が高いほど光導波路のコア幅などの寸法が小さくなるからである。Siの屈折率は約3.5で、シリカ(SiO)の屈折率(約1.5)に比べて2.3倍以上である。Siなどの高屈折率材料は、平板の基板上に形成されるため、複数の光導波路を結合することが容易で、複数の光部品を集積化する目的に適している。
光部品の高額化を避けるには、光学素子の製造コストを低減することが重要である。光導波路が小型化されると、光学素子一個あたりに占める原材料コストが減少し、単価を削減することができる。Siなどの高屈折率材料は、平板の基板上に形成されるため、大面積基板を用いて多数の光学素子を一つの基板上に製造することができ、製造コストをさらに削減することが可能になる。
このような中、特許文献1で示されるような、シリコン光導波路を用いた光学素子が提案されている。また、非特許文献1には、シリコン光導波路に電圧を加えて光学特性を電気的に制御することが開示されている。
再公表WO2007/91465号公報
Richard A. Soref et. al. "Electrooptical Effects in Silicon", IEEE Journal of Quantum Electronics, vol. QE-23, No. 1, January 1987
しかしながら、特許文献1の技術において、光導波路のコアを光の導波方向に分割してそれぞれ独立に屈折率を調整しようとした場合、例えば、光の導波方向において複数の電極を独立に設置するといった方法を用いることが考えられるが、その場合には、電極間のコアは半導体で構成されているため、その半導体領域を介して、隣接する電極間にリーク電流が発生する。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであって、コアを光の導波方向に分割してそれぞれ独立に屈折率を調整しようとした場合に、分割されたコア間に発生する光の導波方向のリーク電流を低減することが可能な光学素子を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するため、本発明は、光を導波する半導体のコアを有する光学素子であって、前記コアは、第1導電型の第1半導体コア領域と、前記第1半導体コア領域と光の導波方向と直交する方向において対向配置された第2導電型の第2半導体コア領域と、前記第1半導体コア領域と第1ブロッキング領域を挟んで光の導波方向において隣接する第1導電型の第3半導体コア領域と、前記第2半導体コア領域と第2ブロッキング領域を挟んで光の導波方向において隣接し、前記第3半導体コア領域と光の導波方向と直交する方向において対向配置された第2導電型の第4半導体コア領域と、を部分領域として含み、前記第2導電型は、前記第1導電型とは逆極性であり、前記第1ブロッキング領域は、光の導波方向と直交する方向に延びる第2導電型の半導体領域を部分領域として含み、かつ、前記第1半導体コア領域および前記第3半導体コア領域に接して形成されて、前記第1半導体コア領域と前記第3半導体コア領域を互いに分離し、前記第2ブロッキング領域は、光の導波方向と直交する方向に延びる第1導電型の半導体領域を部分領域として含み、かつ、前記第2半導体コア領域および前記第4半導体コア領域に接して形成されて、前記第2半導体コア領域と前記第4半導体コア領域を互いに分離し、前記第1半導体コア領域に第1電極が接続され、前記第2半導体コア領域に第2電極が接続され、前記第3半導体コア領域に第3電極が接続され、前記第4半導体コア領域に第4電極が接続されている光学素子を提供する。
本発明の光学素子においては、前記コアの幅方向中央部に、光の導波方向に沿って延びる絶縁性のギャップ部を有し、前記第1半導体コア領域と前記第2半導体コア領域とは前記ギャップ部を挟んで対向配置され、前記第3半導体コア領域と前記第4半導体コア領域とは前記ギャップ部を挟んで対向配置されていることが望ましい。
本発明の光学素子においては、前記第1ブロッキング領域は、第1導電型と第2導電型とが光の導波方向に沿って交互に切り替わるように配置された複数のサブブロッキング領域を部分領域として含み、前記第1ブロッキング領域に含まれる複数のサブブロッキング領域のうち、前記第1半導体コア領域及び前記第2半導体コア領域と接する部分は、それぞれ第2導電型のサブブロッキング領域であり、前記第2ブロッキング領域は、第1導電型と第2導電型とが光の導波方向に沿って交互に切り替わるように配置された複数のサブブロッキング領域を部分領域として含み、前記第2ブロッキング領域に含まれる複数のサブブロッキング領域のうち、前記第3半導体コア領域及び前記第4半導体コア領域と接する部分は、それぞれ第1導電型のサブブロッキング領域であることが望ましい。
本発明の光学素子においては、前記ギャップ部は、絶縁体又は無極性の半導体によって構成されていることが望ましい。
本発明の光学素子においては、前記ギャップ部の前記第1半導体コア領域と前記第3半導体コア領域とを隔てる部分は、前記第1半導体コア領域と前記第3半導体コア領域とのいずれよりも屈折率が小さい材料で構成され、前記ギャップ部の前記第2半導体コア領域と前記第4半導体コア領域とを隔てる部分は、前記第2半導体コア領域と前記第4半導体コア領域とのいずれよりも屈折率が小さい材料で構成されていることが望ましい。
本発明の光学素子においては、前記第1半導体コア領域、前記第2半導体コア領域、前記第3半導体コア領域、及び、前記第4半導体コア領域は、それぞれ前記ギャップ部と接する部分の厚みが他の部分よりも厚く形成されたリブ型形状を有し、前記第1半導体コア領域の前記厚みの薄い部分に前記第1電極が接続され、第2半導体コア領域の前記厚みの薄い部分に前記第2電極が接続され、前記第3半導体コア領域の前記厚みの薄い部分に前記第3電極が接続され、前記第4半導体コア領域の前記厚みの薄い部分に前記第4電極が接続されていることが望ましい。
本発明は、光を導波する半導体のコアを有する光学素子であって、前記コアは、光を導波する第1〜第4半導体領域を部分領域として含み、前記第1半導体領域は、第1導電型であり、前記第2半導体領域は、第1導電型と逆極性の第2導電型であり、前記第1半導体領域と光の導波方向と直交する方向において対向配置され、前記第3半導体領域は、第1導電型であり、前記第1半導体領域と第1ブロッキング領域を挟んで光の導波方向において隣接配置されて、前記第1ブロッキング領域により前記第1半導体領域から分離され、前記第4半導体領域は、第2導電型であり、前記第2半導体領域と第2ブロッキング領域を挟んで光の導波方向において隣接配置されて、前記第2ブロッキング領域により前記第2半導体領域から分離され、かつ前記第3半導体領域と光の導波方向と直交する方向において対向配置され、前記第1ブロッキング領域は、光の導波方向と直交する方向に延びる第2導電型の半導体領域を部分領域として含み、かつ、前記第1半導体領域および前記第3半導体領域に接して形成され、前記第2ブロッキング領域は、光の導波方向と直交する方向に延びる第1導電型の半導体領域を部分領域として含み、かつ、前記第2半導体領域および前記第4半導体領域に接して形成され、前記第1半導体領域と前記第2半導体領域との間に電圧を印加可能であり、前記第3半導体領域と前記第4半導体領域との間に電圧を印加可能である光学素子を提供する。
本発明の光学素子によれば、光の導波方向に隣接する複数の半導体コア領域がブロッキング領域によって電気的に分離されている。そのため、それらの半導体コア領域の間に発生するリーク電流を低減することができ、それにより、導波方向の異なる位置に異なる屈折率変化を生じさせることが可能となる。
第1実施形態の光学素子の説明図である。 第1光導波路部のXZ平面における断面図である。 図2のB−B断面図である。 第2実施形態の光学素子の説明図である。 IV特性の測定結果を示すグラフである。 第3実施形態の光学素子の説明図である。 第3光導波路部のXZ平面における断面図である。 コア内の光強度の分布を示すシミュレーション結果である。 図7のB−B断面図である。 第4実施形態の光学素子の説明図である。 本発明の実施例1と実施例2のリーク特性を示す図である。 実施例2の構成を示す断面図である。 グレーティング構造を採用したコアを示す図であり、(a)は平面図、(b)は断面図、(c)は部分斜視図である。 グレーティング構造を採用した光学素子の例を示す断面図である。 (a)はwinに対する実効屈折率の変化を示すグラフであり、(b)はwinの変化に伴うwoutの変化を示すグラフである。 実効屈折率に対するwin、woutの対応関係を示すグラフである。 グレーティング構造各領域における実効屈折率分布を示すグラフである。 光学素子の光導波方向の屈折率変化を示すグラフである。 分散特性を示すグラフである。 本発明の光学素子の応用例を示す図である。
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。以下に説明する実施形態は、シリコン(Si)をコア材料とした光導波路に対して本願の光学素子を適用した場合の実施形態である。
なお、以下の図面においては、XYZ直交座標系を設定し、XYZ直交座標系を参照しつつ各部材の位置関係について説明する場合がある。この場合においては、光の導波方向をY方向、該導波方向と直交する光導波路の幅方向をX方向、X方向及びY方向と直交する高さ方向をZ方向と称する。なお、光導波路は基板上に形成されるため、X方向とY方向は基板と平行な方向であり、Z方向は基板と垂直な方向である。なお、以下の実施形態では、光導波路をコアがY方向に延びる直線光導波路としているが、コアが湾曲した曲がり光導波路であっても良い。
[第1の実施の形態]
図1は、本発明の第1実施形態にかかる光学素子WG1の説明図である。光学素子WG1は、半導体からなるコア1を有する光導波路2を備えている。
コア1は、互いに対向配置された第1分離コア(第1分離領域)31と第2分離コア(第2分離領域)32とを部分領域として含む。光導波路2は、単一のモードが前記2つの部分領域にまたがって伝搬されるシングルモード光導波路となっている。
第1分離コア31と第2分離コア32とは、それぞれ光の導波方向の一部にブロッキング領域を有して複数の領域に分かれている。図1の例では、第1分離コア31と第2分離コア32との各々が、光の導波方向の2箇所にブロッキング領域13,14,17,18を備えており、それにより、第1分離コア31と第2分離コア32の各々が、このブロッキング領域13,14,17,18により分離されたそれぞれ3つの導電性コア(半導体コア領域)(半導体領域)11,12,15,16,19,20を備える構造となっている。
第1導電性コア11、第2導電性コア12、第3導電性コア15、第4導電性コア16、第5導電性コア19、第6導電性コア20は、それぞれ第1〜第6半導体領域である。
ブロッキング領域13,14,17,18は、光の導波方向において隣接する導電性コア同士の間に発生するリーク電流を低減し、これら複数の導電性コアを電気的に分離するためのものである。例えば、隣接する複数の導電性コアがN型半導体で構成されていれば、その逆極性であるP型半導体をブロッキング領域として用いることができる。ブロッキング領域が光の導波方向に沿って複数設けられることにより、コア1は、光の導波方向に沿って複数に分割されることになる。これにより、光導波路2は、電気的に独立した複数の光導波路部41,42,43を含むことになり、その結果、光の導波方向により異なる屈折率変化による制御を可能とする光学素子を実現することが可能となる。
図2は、光導波路部41のXZ平面における断面図である。本実施形態では、SOI基板を元に加工して作製した光導波路を示す。基板5は、光学素子WG1を作製する元になる基板である。本実施形態においては、シリコン(Si)からなる。
基板5の上部に位置する下部クラッド6は、導電性コア11,12,15,16,19,20及びブロッキング領域13,14,17,18よりも低い屈折率を有する材料であり、例えば、本実施形態においてはSOI基板の有する熱酸化膜(SiO)をそのまま利用している。上部クラッド7についても下部クラッド6と同様の条件を持つ。本実施形態においては、上部クラッド7にもSiOを使用している。下部クラッド6及び上部クラッド7の材料としては、窒酸化シリコン(SiO)あるいは窒化シリコン(Si)などを適用することも可能であり、例えば、窒酸化シリコンSiOでは、組成比x:yを制御することで、製造段階において屈折率を制御することが可能である。
導電性コア11,12,15,16,19,20及びブロッキング領域13,14,17,18には、Siなどの半導体材料に適宜不純物を添加することにより、それぞれP型またはN型の導電性を付与したものとすることができる。例えば、導電性コア11,15,19及びブロッキング領域14,18をP型領域として、導電性コア12,16,20及びブロッキング領域13,17をN型領域としても良く、導電性コア11,15,19及びブロッキング領域14,18をN型領域として、導電性コア12,16,20及びブロッキング領域13,17をP型領域としても良い。すなわち、P型とN型とのうちのいずれか一方を第1導電型、いずれか他方を第2導電型としたときに、導電性コア11,15,19及びブロッキング領域14,18を第1導電型とし、導電性コア12,16,20及びブロッキング領域13,17を第2導電型とすれば良い。
半導体からなる導電性コア11,12,15,16,19,20及びブロッキング領域13,14,17,18に導電性を付与する不純物(ドーパント)は、母体媒質に応じて適宜選択して用いることができる。例えば、母体媒質がシリコン等のIV族半導体である場合には、P型極性を与える添加物としてホウ素(B)等のIII族元素が、また、N型極性を与える添加物としてリン(P)やヒ素(As)等のV族元素が挙げられる。
コア1は、中央部の厚みの厚い部分と、その両側の厚みの薄い部分とを有するリブ型形状である。図2の例では、コア1は、第1のリブである第1導電性コア11と、第2のリブである第2導電性コア12と、の2つのリブを部分領域として含む。
第1導電性コア11と第2導電性コア12とは、それぞれ同一形状で且つ互いに水平方向に反転した形状を有する。具体的には、第1導電性コア11は、厚みの薄い平板部(薄板部)11bと、平板部11bの内方側の縁の上に位置し、平板部11bから上部クラッド7側に突出する厚みの厚い凸状部(厚板部)11aとから構成される。第2導電性コア12は、厚みの薄い平板部(薄板部)12bと、平板部12bの内方側の縁の上に位置し、平板部12bから上部クラッド7側に突出する厚みの厚い凸状部(厚板部)12aとから構成される。凸状部11aと凸状部12aは対向配置されている。凸状部11a,12aを構成する材料と平板部11b、12bを構成する材料は同じである。
リブ型光導波路は、中央の厚みのある凸状部11a,12aよりも十分離れた領域においては、その構造は光の伝播特性に影響はなく、適宜その形状を加工することが可能である。例えば、本実施形態においては、この厚みの薄い平板部11b、12bを介して図示略の電極パッド(電極)を備え、電圧を印加するものとしている。
すなわち、第1導電性コア11の厚みの薄い平板部11bに第1電極が接続され、第2導電性コア12の厚みの薄い平板部12bに第2電極が接続され、第1電極と第2電極との間に電圧が印加されることにより、第1導電性コア11と第2導電性コア12の屈折率が可変に制御される。図示は省略するが、他の導電性コア15,16,19,20についても同様であり、第3導電性コア15の厚みの薄い平板部に第3電極が接続され、第4導電性コア16の厚みの薄い平板部に第4電極が接続され、第3電極と第4電極との間に電圧が印加されることにより、第3導電性コア15と第4導電性コア16の屈折率が可変に制御される。また、第5導電性コア19の厚みの薄い平板部に第5電極が接続され、第6導電性コア20の厚みの薄い平板部に第6電極が接続され、第5電極と第6電極との間に電圧が印加されることにより、第5導電性コア19と第6導電性コア20の屈折率が可変に制御される。
なお、上記実施形態では、平板部11b,12bにそれぞれ第1電極および第2電極が接続される構成を示したが、第1導電性コア11と第2導電性コア12との間に電圧を印加するための構成は、これに限定されない。例えば、平板部11b,12bに電気的に接続された配線等により、導電性コア11,12間に電圧を印加する構成も可能である。
具体的には、この光学素子WG1が集積化されたときに、導電性コア11、12の平板部11b,12bに電気的に接続された他のデバイスによって導電性コア11、12間に電圧が印加されてもよい。
光導波路を伝播する光は、主に導電性コアの凸状部に閉じ込められている。光の一部が平板部やギャップ部にしみ出しているが、大部分は厚みの厚い凸状部に閉じ込められており、コアの幅方向(X方向)において十分な閉じ込めが行われる。そのため、電圧印加時にキャリア密度の変化する凸状部が、伝搬モードにおいて光強度の強い部分となり、凸状部の屈折率変動に対する伝搬モードの実効屈折率変化が増大される。また、ギャップ部を挟んで対向する一対の導電性コアの構造が、誘電体を挟んだ導電性の平板であるキャパシタ状の構造となることで、電圧印加によるキャリア密度の増加が図られる。
図3は、図2のB−B断面図である。第1分離コア31には、各々が光の導波方向と直交する方向に延在する第1ブロッキング領域13と第3ブロッキング領域17とが、光の導波方向に沿って形成されている。第1分離コア31は、第1ブロッキング領域13と第3ブロッキング領域17とにより光の導波方向に分離された第1導電性コア(第1半導体コア領域)11と第3導電性コア(第3半導体コア領域)15と第5導電性コア(第5半導体コア領域)19とを部分領域として含む。
第2分離コア32には、各々が光の導波方向と直交する方向に延在する第2ブロッキング領域14と第4ブロッキング領域18とが、光の導波方向に沿って形成されている。第2分離コア32は、第2ブロッキング領域14と第4ブロッキング領域18とにより光の導波方向に分離された第2導電性コア(第2半導体コア領域)12と第4導電性コア(第4半導体コア領域)16と第6導電性コア(第6半導体コア領域)20とを部分領域として含む。
第1ブロッキング領域13と第2ブロッキング領域14とはコアの幅方向に対向配置されている。また、第3ブロッキング領域17と第4ブロッキング領域18とは、コアの幅方向に対向配置されている。光導波路2は、向かい合う第1導電性コア11と第2導電性コア12とを含む第1光導波路部41と、向かい合う第3導電性コア15と第4導電性コア16とを含む第2光導波路部42と、向かい合う第5導電性コア19と第6導電性コア20とを含む第3光導波路部43と、を部分領域として含む。
第1分離コア31に含まれるブロッキング領域13,17は、第1分離コア31に含まれる導電性コア11,15,19とは反対の極性の半導体領域として構成されている。第2分離コア32に含まれるブロッキング領域14,18は、第2分離コア32に含まれる導電性コア12,16,20とは反対の極性の半導体領域として構成されている。例えば、導電性コア11,15,19がP型の半導体領域であり、導電性コア12,16,20がN型の半導体領域であれば、ブロッキング領域13,17はN型の半導体領域であり、ブロッキング領域14,18はP型の半導体領域である。逆に、導電性コア11,15,19がN型の半導体領域であり、導電性コア11,15,19がP型の半導体領域であれば、ブロッキング領域13,17はP型の半導体領域であり、ブロッキング領域14,18はN型の半導体領域である。
この構成によれば、各光導波路部41,42,43の導電性コア間にポテンシャル障壁が形成されるため、光の導波方向に沿って隣接する光導波路部同士の間に生じるリーク電流が低減される。そのため、各光導波路部41,42,43に対して独立して異なる電圧を印加することができ、各光導波路部41,42,43において異なる屈折率変化を誘起することができる。また、各ブロッキング領域13,14,17,18が導電性コア11,12,15,16,19,20と同種の材料で形成されることで、ブロッキング領域における屈折率変化が小さくなり、その結果、ブロッキング領域13,14,17,18における光の散乱の影響を小さくすることができる。
[第2の実施の形態]
図4は、本発明の第2実施形態の光学素子WG2の説明図である。図4は、第1実施形態の図3に対応する図であり、光学素子WG2をXY平面で切った断面図である。なお、光学素子WG2において、第1実施形態の光学素子WG1と共通の構成については、同じ符号を付し、詳細な説明は省略する。
本実施形態の光学素子WG2において第1実施形態の光学素子WG1と異なる点は、ブロッキング領域が複数のサブブロッキング領域によって構成されている点である。
第1導電性コア11と第3導電性コア15との間に配置される第1ブロッキング領域21は、P型とN型とが光の導波方向に沿って交互に切り替わるように配置された複数のサブブロッキング領域21a,21b,21cを部分領域として含む。第1導電性コア11及び第3導電性コア15と接する部分のサブブロッキング領域21a,21cは第1導電性コア11及び第3導電性コア15とは反対の極性の半導体領域であり、サブブロッキング領域21aとサブブロッキング領域21cとに挟まれたサブブロッキング領域21bは、第1導電性コア11及び第3導電性コア15と同じ極性の半導体領域である。サブブロッキング領域21a,21b,21cは、各々が光の導波方向と直交する方向に延在する帯状の領域として形成され、それら帯状の領域が接続界面を有して光の導波方向に沿って隙間無く配置された構造となっている。本実施形態において第1ブロッキング領域21を構成するサブブロッキング領域の数は3つであるが、この数はこれに限らず、5つ又は7つ以上の奇数個でも良い。
第3導電性コア15と第5導電性コア19との間に配置される第3ブロッキング領域23は、P型とN型とが光の導波方向に沿って交互に切り替わるように配置された複数のサブブロッキング領域23a,23b,23cを部分領域として含む。第3導電性コア15及び第5導電性コア19と接する部分のサブブロッキング領域23a,23cは第3導電性コア15及び第5導電性コア19とは反対の極性の半導体領域であり、サブブロッキング領域23aとサブブロッキング領域23cとに挟まれたサブブロッキング領域23bは、第3導電性コア15及び第5導電性コア19と同じ極性の半導体領域である。サブブロッキング領域23a,23b,23cは、各々が光の導波方向と直交する方向に延在する帯状の領域として形成され、それら帯状の領域が接続界面を有して光の導波方向に沿って隙間無く配置された構造となっている。本実施形態において第3ブロッキング領域23を構成するサブブロッキング領域の数は3つであるが、この数はこれに限らず、5つ又は7つ以上の奇数個でも良い。
第2導電性コア12と第4導電性コア16との間に配置される第2ブロッキング領域22は、P型とN型とが光の導波方向に沿って交互に切り替わるように配置された複数のサブブロッキング領域22a,22b,22cを部分領域として含む。第2導電性コア12及び第4導電性コア16と接する部分のサブブロッキング領域22a,22cは第2導電性コア12及び第4導電性コア16とは反対の極性の半導体領域であり、サブブロッキング領域22aとサブブロッキング領域22cとに挟まれたサブブロッキング領域22bは、第2導電性コア12及び第4導電性コア16と同じ極性の半導体領域である。サブブロッキング領域22a,22b,22cは、各々が光の導波方向と直交する方向に延在する帯状の領域として形成され、それら帯状の領域が接続界面を有して光の導波方向に沿って隙間無く配置された構造となっている。本実施形態において第2ブロッキング領域22を構成するサブブロッキング領域の数は3つであるが、この数はこれに限らず、5つ又は7つ以上の奇数個でも良い。
第4導電性コア16と第6導電性コア20との間に配置される第4ブロッキング領域24は、P型とN型とが光の導波方向に沿って交互に切り替わるように配置された複数のサブブロッキング領域24a,24b,24cを部分領域として含む。第4導電性コア16及び第6導電性コア20と接する部分のサブブロッキング領域24a,24cは第4導電性コア16及び第6導電性コア20とは反対の極性の半導体領域であり、サブブロッキング領域24aとサブブロッキング領域24cとに挟まれたサブブロッキング領域24bは、第4導電性コア16及び第6導電性コア20と同じ極性の半導体領域である。サブブロッキング領域24a,24b,24cは、各々が光の導波方向と直交する方向に延在する帯状の領域として形成され、それら帯状の領域が接続界面を有して光の導波方向に沿って隙間無く配置された構造となっている。本実施形態において第4ブロッキング領域24を構成するサブブロッキング領域の数は3つであるが、この数はこれに限らず、5つ又は7つ以上の奇数個でも良い。
この構成によれば、隣接する導電性コア間で半導体の極性が2回以上変化する。そのため、第1実施形態の場合に比べて、より確実に光の導波方向に流れるリーク電流を低減することができる。
図1に示す光学素子WG1において、導電性コア11,15をP型領域とし、これらの間のブロッキング領域13をN型領域とし、導電性コア11,15に互いに異なる電圧を加えた場合におけるIV特性を図5に示す。
図5より、隣り合う導電性コア11,15間の電位差が大きい(例えば約10V)場合でも、導電性コア11,15間に生じる電流はわずか(例えば電位差約10Vのとき電流は数十μA程度)であることがわかる。
このことから、複数の導電性コア(半導体コア領域)に異なる電圧を印加した場合でも導電性コア間のリーク電流を抑え、導電性コア(半導体コア領域)ごとに屈折率の動的制御が可能であることがわかる。
[第3の実施の形態]
図6は、本発明の第3実施形態にかかる光学素子WG3の説明図である。光学素子WG3は、半導体からなるコア1を有する光導波路2を備えている。光導波路2は、コア1がギャップ部4によって光の導波方向と直交する方向に分離されたギャップ構造を有する。
コア1は、ギャップ部4を挟んで分離された第1分離コア(第1分離領域)31と第2分離コア(第2分離領域)32とを部分領域として含む。光導波路2は、単一のモードが前記2つの部分領域にまたがって伝搬されるシングルモード光導波路となっている。
ギャップ部4は、絶縁体やドーピングの行われない無極性の半導体などの、第1分離コア31及び第2分離コア32よりも電気伝導率の低い絶縁性の材料から構成されている。
第1分離コア31と第2分離コア32とは、高抵抗のギャップ部4によって電気的に分離されている。それにより、第1分離コア31と第2分離コア32とが光の導波方向において対向する面から第1分離コア31と第2分離コア32との間に流れる第1のリーク電流がギャップ部4により低減され、第1分離コア31と第2分離コア32との間に高い電圧をかけることが可能となっている。
例えば、本実施形態では第1分離コア31及び第2分離コア32としてP型およびN型のシリコンを用い、両者の間に電圧を加えることで、キャリアプラズマ効果による屈折率変化を利用して光学特性を可変に制御するデバイスを実現している。このとき、第1分離コア31と第2分離コア32との間が電気伝導率の低いギャップ部4によって隔てられているので、第1のリーク電流の低減により、発熱増加による影響の減少や消費電力そのものの低減という効果が得られる。なお、キャリア密度変化による屈折率の変化については、非特許文献1に記載されている。
また、ギャップ部4が第1分離コア31及び第2分離コア32よりも屈折率の低い材料から構成されている場合には、ギャップ部4のない単一材料からなるコアの光導波路と比較して製造トレランスを広げる効果も得られる。
第1分離コア31と第2分離コア32とは、それぞれ光の導波方向の一部にブロッキング領域を有して複数の領域に分かれている。図6の例では、第1分離コア31と第2分離コア32との各々が、光の導波方向の2箇所にブロッキング領域13,14,17,18を備えており、それにより、第1分離コア31と第2分離コア32の各々が、このブロッキング領域13,14,17,18により分離されたそれぞれ3つの導電性コア(半導体コア領域)11,12,15,16,19,20を備える構造となっている。
ブロッキング領域13,14,17,18は、光の導波方向において隣接する導電性コア同士の間に発生する第2のリーク電流を低減し、これら複数の導電性コアを電気的に分離するためのものである。例えば、隣接する複数の導電性コアがN型半導体で構成されていれば、その逆極性であるP型半導体をブロッキング領域として用いることができる。ブロッキング領域が光の導波方向に沿って複数設けられることにより、コア1は、光の導波方向に沿って複数に分割されることになる。これにより、光導波路2は、電気的に独立した複数の光導波路部41,42,43を含むことになり、その結果、光の導波方向により異なる屈折率変化による制御を可能とする光学素子を実現することが可能となる。
図7は、光導波路部41のXZ平面における断面図である。本実施形態では、SOI基板を元に加工して作製した光導波路を示す。基板5は、光学素子WG3を作製する元になる基板である。本実施形態においては、シリコン(Si)からなる。
基板5の上部に位置する下部クラッド6は、導電性コア11,12,15,16,19,20及びブロッキング領域13,14,17,18よりも低い屈折率を有する材料であり、例えば、本実施形態においてはSOI基板の有する熱酸化膜(SiO)をそのまま利用している。上部クラッド7についても下部クラッド6と同様の条件を持つ。本実施形態においては、上部クラッド7にもSiOを使用している。下部クラッド6及び上部クラッド7の材料としては、窒酸化シリコン(SiO)あるいは窒化シリコン(Si)などを適用することも可能であり、例えば、窒酸化シリコンSiOでは、組成比x:yを制御することで、製造段階において屈折率を制御することが可能である。
導電性コア11,12,15,16,19,20及びブロッキング領域13,14,17,18には、Siなどの半導体材料に適宜不純物を添加することにより、それぞれP型またはN型の導電性を付与したものとすることができる。例えば、導電性コア11,15,19及びブロッキング領域14,18をP型領域として、導電性コア12,16,20及びブロッキング領域13,17をN型領域としても良く、導電性コア11,15,19及びブロッキング領域14,18をN型領域として、導電性コア12,16,20及びブロッキング領域13,17をP型領域としても良い。すなわち、P型とN型とのうちのいずれか一方を第1導電型、いずれか他方を第2導電型としたときに、導電性コア11,15,19及びブロッキング領域14,18を第1導電型とし、導電性コア12,16,20及びブロッキング領域13,17を第2導電型とすれば良い。
半導体からなる導電性コア11,12,15,16,19,20及びブロッキング領域13,14,17,18に導電性を付与する不純物(ドーパント)は、母体媒質に応じて適宜選択して用いることができる。例えば、母体媒質がシリコン等のIV族半導体である場合には、P型極性を与える添加物としてホウ素(B)等のIII族元素が、また、N型極性を与える添加物としてリン(P)やヒ素(As)等のV族元素が挙げられる。
コア1は、中央部の厚みの厚い部分と、その両側の厚みの薄い部分とを有するリブ型形状である。図7の例では、コア1は、第1のリブである第1導電性コア11と、第2のリブである第2導電性コア12と、の2つのリブを部分領域として含む。第1導電性コア11及び第2導電性コア12はギャップ部4よりも高屈折率の材料からなる。
第1導電性コア11と第2導電性コア12とは、それぞれ同一形状で且つ互いに水平方向に反転した形状を有する。具体的には、第1導電性コア11は、厚みの薄い平板部(薄板部)11bと、平板部11bのギャップ部4側の縁の上に位置し、平板部11bから上部クラッド7側に突出する厚みの厚い凸状部(厚板部)11aとから構成される。第2導電性コア12は、厚みの薄い平板部(薄板部)12bと、平板部12bのギャップ部4側の縁の上に位置し、平板部12bから上部クラッド7側に突出する厚みの厚い凸状部(厚板部)12aとから構成される。凸状部11aと凸状部12aは、ギャップ部4の両側を挟んで対向配置され、ギャップ部4の側面に接している。凸状部11a,12aを構成する材料と平板部11b、12bを構成する材料は同じである。
リブ型光導波路は、中央の厚みのある凸状部11a,12aよりも十分離れた領域においては、その構造は光の伝播特性に影響はなく、適宜その形状を加工することが可能である。例えば、本実施形態においては、この厚みの薄い平板部11b、12bを介して図示略の電極パッド(電極)を備え、電圧を印加するものとしている。すなわち、第1導電性コア11の厚みの薄い平板部11bに第1電極が接続され、第2導電性コア12の厚みの薄い平板部12bに第2電極が接続され、第1電極と第2電極との間に電圧が印加されることにより、第1導電性コア11と第2導電性コア12の屈折率が可変に制御される。図示は省略するが、他の導電性コア15,16,19,20についても同様であり、第3導電性コア15の厚みの薄い平板部に第3電極が接続され、第4導電性コア16の厚みの薄い平板部に第4電極が接続され、第3電極と第4電極との間に電圧が印加されることにより、第3導電性コア15と第4導電性コア16の屈折率が可変に制御される。また、第5導電性コア19の厚みの薄い平板部に第5電極が接続され、第6導電性コア20の厚みの薄い平板部に第6電極が接続され、第5電極と第6電極との間に電圧が印加されることにより、第5導電性コア19と第6導電性コア20の屈折率が可変に制御される。
ギャップ部4は、導電性コア11,12,15,16,19,20よりも電気伝導率の低い高抵抗材料から構成される。本実施形態においては、絶縁体であるSiOを用いる。こうすることにより、導電性コア11,12,15,16,19,20の薄い平板部32b、33bを介して離隔した電極パッドに電気的に接続し、電極パッドに電圧を印加することによってギャップ部4を挟んだ導電性コア11,15,19及び導電性コア12,16,20の両側領域に電荷を蓄え、キャリア密度変化により屈折率の変化を誘起し、光学素子WG3の光学特性を変化させることが可能となる。ギャップ部4の材料については、前述した窒酸化シリコン(SiO)あるいは窒化シリコン(Si)、または無極性のSiも適用可能である。
図7の構成の光導波路が光の導波方向(Y方向)に一様に続くとした場合について、モードソルバーにより計算したシミュレーション結果を図8に示す。図8は、上部クラッド7、下部クラッド6、及び、ギャップ部4を屈折率1.45のSiO、第1分離コア31及び第2分離コア32を屈折率3.48のSi、図7の各部の寸法をt=250nm、t=50nm、W=280nm、W=160nmとしたときの基本伝搬モードのシミュレーション結果の光強度分布を等高線図で表したものである。なお、参考のため各材料の界面を同時に記載した。このとき、基本伝搬モードの実効屈折率は2.1640であった。
図8に示したように、光導波路を伝播する光は、主に導電性コアの凸状部に閉じ込められている。光の一部が平板部やギャップ部にしみ出しているが、大部分は厚みの厚い凸状部に閉じ込められており、コアの幅方向(X方向)において十分な閉じ込めが行われることがわかる。そのため、電圧印加時にキャリア密度の変化する凸状部が、伝搬モードにおいて光強度の強い部分となり、凸状部の屈折率変動に対する伝搬モードの実効屈折率変化が増大される。また、ギャップ部を挟んで対向する一対の導電性コアの構造が、誘電体を挟んだ導電性の平板であるキャパシタ状の構造となることで、電圧印加によるキャリア密度の増加が図られる。
図8に示されるように、各導電性コア(半導体コア領域)において、光が導波する範囲は各導電性コアの全体でなくてもよい。すなわち、光が導波する範囲は、導電性コアの全体であってもよいし、一部であってもよい。
導電性コア(半導体コア領域)は、光の導波が少ない部分を含んでいてもよいのであるから、一般的に「全域にわたり光が伝播する領域」と認識される「コア」という語を含んでいるものの、この一般的な概念に限定して解釈するべきものではない。
すなわち、「コア領域」は「光を導波する部分を含む領域」であるから、「半導体コア領域」は、光を導波する部分を含む「半導体領域」と言うこともできる。
図9は、図7のB−B断面図である。第1分離コア31には、各々が光の導波方向と直交する方向に延在する第1ブロッキング領域13と第3ブロッキング領域17とが、光の導波方向に沿って形成されている。第1分離コア31は、第1ブロッキング領域13と第3ブロッキング領域17とにより光の導波方向に分離された第1導電性コア(第1半導体コア領域)11と第3導電性コア(第3半導体コア領域)15と第5導電性コア(第5半導体コア領域)19とを部分領域として含む。
第2分離コア32には、各々が光の導波方向と直交する方向に延在する第2ブロッキング領域14と第4ブロッキング領域18とが、光の導波方向に沿って形成されている。第2分離コア32は、第2ブロッキング領域14と第4ブロッキング領域18とにより光の導波方向に分離された第2導電性コア(第2半導体コア領域)12と第4導電性コア(第4半導体コア領域)16と第6導電性コア(第6半導体コア領域)20とを部分領域として含む。
第1ブロッキング領域13と第2ブロッキング領域14とは、ギャップ部4を挟んで連続的に形成されている。また、第3ブロッキング領域17と第4ブロッキング領域18とは、ギャップ部4を挟んで連続的に形成されている。光導波路2は、ギャップ部4を挟んで対向する第1導電性コア11と第2導電性コア12とを含む第1光導波路部41と、ギャップ部4を挟んで対向する第3導電性コア15と第4導電性コア16とを含む第2光導波路部42と、ギャップ部4を挟んで対向する第5導電性コア19と第6導電性コア20とを含む第3光導波路部43と、を部分領域として含む。
第1分離コア31に含まれるブロッキング領域13,17は、第1分離コア31に含まれる導電性コア11,15,19とは反対の極性の半導体領域として構成されている。第2分離コア32に含まれるブロッキング領域14,18は、第2分離コア32に含まれる導電性コア12,16,20とは反対の極性の半導体領域として構成されている。例えば、導電性コア11,15,19がP型の半導体領域であり、導電性コア12,16,20がN型の半導体領域であれば、ブロッキング領域13,17はN型の半導体領域であり、ブロッキング領域14,18はP型の半導体領域である。逆に、導電性コア11,15,19がN型の半導体領域であり、導電性コア11,15,19がP型の半導体領域であれば、ブロッキング領域13,17はP型の半導体領域であり、ブロッキング領域14,18はN型の半導体領域である。
この構成によれば、各光導波路部41,42,43の導電性コア間にポテンシャル障壁が形成されるため、光の導波方向に沿って隣接する光導波路部同士の間に生じる第2のリーク電流が低減される。そのため、各光導波路部41,42,43に対して独立して異なる電圧を印加することができ、各光導波路部41,42,43において異なる屈折率変化を誘起することができる。また、各ブロッキング領域13,14,17,18が導電性コア11,12,15,16,19,20と同種の材料で形成されることで、ブロッキング領域における屈折率変化が小さくなり、その結果、ブロッキング領域13,14,17,18における光の散乱の影響を小さくすることができる。また、光の導波方向と直交する方向に配置された導電性コア間には絶縁性のギャップ部4が設けられているので、これらの間に発生する導波方向と直交する方向の第1のリーク電流を低減することも可能である。
[第4の実施の形態]
図10は、本発明の第4実施形態の光学素子WG4の説明図である。図10は、第1実施形態の図9に対応する図であり、光学素子WG4をXY平面で切った断面図である。なお、光学素子WG4において、第3実施形態の光学素子WG3と共通の構成については、同じ符号を付し、詳細な説明は省略する。
本実施形態の光学素子WG4において第3実施形態の光学素子WG3と異なる点は、ブロッキング領域が複数のサブブロッキング領域によって構成されている点である。
第1導電性コア11と第3導電性コア15との間に配置される第1ブロッキング領域21は、P型とN型とが光の導波方向に沿って交互に切り替わるように配置された複数のサブブロッキング領域21a,21b,21cを部分領域として含む。第1導電性コア11及び第3導電性コア15と接する部分のサブブロッキング領域21a,21cは第1導電性コア11及び第3導電性コア15とは反対の極性の半導体領域であり、サブブロッキング領域21aとサブブロッキング領域21cとに挟まれたサブブロッキング領域21bは、第1導電性コア11及び第3導電性コア15と同じ極性の半導体領域である。サブブロッキング領域21a,21b,21cは、各々が光の導波方向と直交する方向に延在する帯状の領域として形成され、それら帯状の領域が接続界面を有して光の導波方向に沿って隙間無く配置された構造となっている。本実施形態において第1ブロッキング領域21を構成するサブブロッキング領域の数は3つであるが、この数はこれに限らず、5つ又は7つ以上の奇数個でも良い。
第3導電性コア15と第5導電性コア19との間に配置される第3ブロッキング領域23は、P型とN型とが光の導波方向に沿って交互に切り替わるように配置された複数のサブブロッキング領域23a,23b,23cを部分領域として含む。第3導電性コア15及び第5導電性コア19と接する部分のサブブロッキング領域23a,23cは第3導電性コア15及び第5導電性コア19とは反対の極性の半導体領域であり、サブブロッキング領域23aとサブブロッキング領域23cとに挟まれたサブブロッキング領域23bは、第3導電性コア15及び第5導電性コア19と同じ極性の半導体領域である。サブブロッキング領域23a,23b,23cは、各々が光の導波方向と直交する方向に延在する帯状の領域として形成され、それら帯状の領域が接続界面を有して光の導波方向に沿って隙間無く配置された構造となっている。本実施形態において第3ブロッキング領域23を構成するサブブロッキング領域の数は3つであるが、この数はこれに限らず、5つ又は7つ以上の奇数個でも良い。
第2導電性コア12と第4導電性コア16との間に配置される第2ブロッキング領域22は、P型とN型とが光の導波方向に沿って交互に切り替わるように配置された複数のサブブロッキング領域22a,22b,22cを部分領域として含む。第2導電性コア12及び第4導電性コア16と接する部分のサブブロッキング領域22a,22cは第2導電性コア12及び第4導電性コア16とは反対の極性の半導体領域であり、サブブロッキング領域22aとサブブロッキング領域22cとに挟まれたサブブロッキング領域22bは、第2導電性コア12及び第4導電性コア16と同じ極性の半導体領域である。サブブロッキング領域22a,22b,22cは、各々が光の導波方向と直交する方向に延在する帯状の領域として形成され、それら帯状の領域が接続界面を有して光の導波方向に沿って隙間無く配置された構造となっている。本実施形態において第2ブロッキング領域22を構成するサブブロッキング領域の数は3つであるが、この数はこれに限らず、5つ又は7つ以上の奇数個でも良い。
第4導電性コア16と第6導電性コア20との間に配置される第4ブロッキング領域24は、P型とN型とが光の導波方向に沿って交互に切り替わるように配置された複数のサブブロッキング領域24a,24b,24cを部分領域として含む。第4導電性コア16及び第6導電性コア20と接する部分のサブブロッキング領域24a,24cは第4導電性コア16及び第6導電性コア20とは反対の極性の半導体領域であり、サブブロッキング領域24aとサブブロッキング領域24cとに挟まれたサブブロッキング領域24bは、第4導電性コア16及び第6導電性コア20と同じ極性の半導体領域である。サブブロッキング領域24a,24b,24cは、各々が光の導波方向と直交する方向に延在する帯状の領域として形成され、それら帯状の領域が接続界面を有して光の導波方向に沿って隙間無く配置された構造となっている。本実施形態において第4ブロッキング領域24を構成するサブブロッキング領域の数は3つであるが、この数はこれに限らず、5つ又は7つ以上の奇数個でも良い。
この構成によれば、隣接する導電性コア間で半導体の極性が2回以上変化する。そのため、第1実施形態の場合に比べて、より確実に光の導波方向に流れる第2のリーク電流を低減することができる。
図11は、本発明の効果を説明するための図である。図11において、「実施例1」とは、図6に示した構造、すなわち、光導波路のコアにギャップ部を設けた構造であり、「実施例2」とは、図12に示したような、光導波路のコアにギャップ部を設けない構造である。「実施例2」においては、ギャップ部以外の材料は「実施例1」と同じである。寸法については、コア中央部の幅のみ200nmに変更されている。また、図11の横軸は導電性コア間に印加する電圧であり、縦軸は導電性コア間に流れる第1のリーク電流を示している。電圧印加時の極性については、P側を正極とした。
図11に示すように、本実施例1の光学素子では実施例2の光学素子に比べて第1のリーク電流が少ない。実施例2の光学素子では、印加電圧を大きくしていくと、複合コア導電性部間に発生する第1のリーク電流も大きくなる。それに対して、本実施例1の光学素子では、印加電圧を大きくしても第1のリーク電流の大きさは殆ど変化しない。
図13および図14は、本発明の他の例を示すもので、グレーティング構造を採用したものである。
図13はコア50を示すもので、ここではコア50のみを図示するが、クラッドがコア50の周囲を囲んでいるものとする。また、クラッドの下には基板(図示せず)が存在し、コア50の底面54は基板面に平行である。水平方向とは基板面に平行な方向をいい、垂直方向とは基板面に垂直な方向をいう。
図13(a)はコア50の一部の平面図である。符号Cはコア50の水平面内での単一の中心軸を表し、光は光導波路中を中心軸Cに沿って伝搬する。この光導波路は、ブラッググレーティングパターン(詳しくは後述)を有しており、この光導波路のスペクトルには少なくとも一つの反射帯が現れる。
反射帯の中心波長λは、ブラッググレーティングの周期をp、光導波路の実効屈折率をneffとするとき、λ=p/neffにより与えられる。ここで実効屈折率neffは、光導波路のコア50の幅を平均幅wとした場合の値である。
コア50の平均幅wは、コア50の横幅woutの一周期での平均値に等しい。
コア50の側壁52には、凹部52aと凸部52bが光の導波方向に交互に形成され、横幅woutが一周期pごとに増減して第1のブラッググレーティングパターンが形成される。
矩形断面の光導波路では、光の直線偏光した電界が主として水平方向に沿う場合(以下TE型偏光)と、主として垂直方向に沿う場合(以下TM型偏光)に対して、それぞれ固有の導波モードが存在する。そして、おのおのの導波モードに固有の実効屈折率が存在するという偏光依存性が存在する。
TE型偏光での固有モードの実効屈折率neff TEは、TM型偏光での固有モードの実効屈折率neff TMに比べ、光導波路の幅の変化に対して敏感に変化する。
TM型偏光での固有モードの実効屈折率neff TMは、TE型偏光での固有モードの実効屈折率neff TEに比べ、光導波路の高さ(すなわち厚み)の変化に対して敏感に変化する。
よってブラッググレーティングの偏光依存性を低減するには、光導波路の幅を周期的に変化させるのみならず、光導波路の高さも周期的に変化させるのが好適である。
矩形光導波路(断面が略矩形状の光導波路)への適用を考慮すると、第1のブラッググレーティングパターンをコアの一方または両方の側壁に設け、第2のブラッググレーティングパターンをコアの上面と底面のうち一方または両方に設けることが好ましい。
第1のブラッググレーティングパターンと第2のブラッググレーティングパターンとの組み合わせによって、TE型偏光への作用とTM型偏光への作用を等化し、偏光依存性を低減することができる。
図示例では、第1のブラッググレーティングパターンをコアの両側壁に設け、第2のブラッググレーティングパターンをコアの上面に設けている。
コア50の形状は、中心軸Cを含む垂直方向の平面に対して水平方向に対称(図13(a)では中心軸Cに対して上下に対称)となっている。
図13(b)に示すように、コア50では、コア上部に設けた溝(トレンチ)53の幅winが光の導波方向に周期的に変化している。コアの高さはtoutであり、溝53の深さはtinである。図13(a)に示すように、溝53は中心軸Cに沿う方向に延在し、溝53の幅winの中点の水平方向の座標は、中心軸C上に位置する。
この構造により、コア50の高さを周期的に変化させるのと等価的に実効屈折率を変化させることができる。
溝53の側壁には凹部53aと凸部53bが交互に形成され、溝幅winは一周期pごとに増減して第2のブラッググレーティングパターンを形成する。
溝53は、例えば光学マスクを用いた描画(リソグラフィ)とエッチングにより形成することができる。
図13(a)に示すように、コア50では、光の導波方向において、側壁52のコア幅woutの広い部分(凸部52b)と溝53内側壁の溝幅winの狭い部分(凸部53b)とが対応し、かつ側壁52のコア幅woutの狭い部分(凹部52a)と溝53内側壁の溝幅winの広い部分(凹部53a)とが対応している。このように、第1のブラッググレーティングパターンの凹凸と第2のブラッググレーティングパターンの凹凸とが同期しており、それぞれの局所周期pが一致している。これにより、光導波路寸法の設計が容易になる。
図14は、前記グレーティング構造を採用した光学素子の断面図である。
本実施形態の光学素子において、コアは、ギャップ部63を挟んで対向配置された第1分離コア(第1分離領域)61と第2分離コア(第2分離領域)62とを有する内側コア60と、外側コア64とからなる複合コアである。
第1分離コア61及び第2分離コア62は、それぞれ光の導波方向の一部にブロッキング領域を有して複数の領域に分かれている。この構造については、図6に示す第3実施形態と同様の構造を採用できる。
第1分離コア61と第2分離コア62は、外側コア64よりも高屈折率の材料からなる。分離コア61、62とギャップ部63の高さtは等しい。
ギャップ部63を形成することによって、単一偏光状態に単一モードしか存在しないという条件を保持しながら、内側コア60に光が閉じ込められる領域の断面積を拡大することができる。また、外側コア64に形成されたブラッググレーティング(後述)の加工誤差による実効屈折率の精度劣化を低減することができるので、実効屈折率の偏光依存性を低減するのにも有効である。
第1分離コア61及び第2分離コア62は、おのおの同一形状で、互いに水平方向に反転した形状を有する。具体的には、第1分離コア61及び第2分離コア62はそれぞれ厚みtの平板部61a,62aと、その平板部61a,62aの縁の上に位置する高さt、幅wの凸状部(厚板部)61b,62bとから構成される。
ギャップ部63の幅はwであり、第1分離コア61及び第2分離コア62よりも低屈折率の材料から構成される。
各構成の構成材料としては、例えば分離コア61、62がシリコン(Si)、ギャップ部63がシリカ(SiO)、外側コア64が窒化珪素(Si)、基板65がシリコン(Si)、下部クラッド66および上部クラッド67がシリカ(SiO)とすることができる。
各構成の寸法の例としては、t=250nm、t=50nm、w=280nm、w=160nm、tout=600nm、tin=100nm、下部クラッド66の厚み=2000nm、上部クラッド67の最大厚み=2000nmが挙げられるが、特にこれに限定されない。
分離コア61、62の導電型は、P型とN型とのうちのいずれか一方を第1導電型、いずれか他方を第2導電型としたときに、第1分離コア61を第1導電型とし、第2分離コア62を第2導電型とすることができる。
第1導電性コア11の平板部61aに第1電極(図示略)を接続し、第2導電性コア12の平板部62aに第2電極(図示略)を接続し、第1電極と第2電極との間に電圧を印加することにより、第1導電性コア61と第2導電性コア62の屈折率を可変に制御できる。
外側コア64は、第1分離コア61及び第2分離コア62の上に設けられ、材料としては、Si等が挙げられる。
外側コア64の上面64aと側壁64bには、それぞれ図13のコア50と同様な第1および第2のブラッググレーティングパターンが形成されている。
具体的には、外側コア64の幅woutを周期的に変化させた第1のブラッググレーティングパターンと、外側コア64の上面64aに形成された溝(トレンチ)64cの幅winを周期的に変化させた第2のブラッググレーティングパターンを備えている。外側コア64の厚みはtoutで、溝64cの深さはtinである。
out、tinの例としては、tout=600nm、tin=100nmが挙げられるが、特にこれに限定されない。win、woutは光の導波方向に周期的に変化する。
以下、上記構成の光学素子の設計の具体例を挙げる。次の条件下で設計を行った。
設計中心周波数は188.4THz、すなわち設計中心波長は1591.255nmとした。L−Bandで100GHz間隔、チャネル帯域50GHzで45チャネルにわたってITU−T G.653に規定された分散シフトシングルモード光ファイバ(DSF)100kmの群速度分散および分散スロープを補償することを想定した。
補償対象光ファイバ線路の光学特性は、群速度分散−295ps/nm、分散スロープ(Relative Dispersion Slope、RDS)0.018/nmを想定した。チャネル対域内での振幅強度反射率は95%とした。素子全長は18000λとした。
設計の具体的な手順としては、例えば本出願人により既に出願された特願2008−049839号に記載の手順を採用できる。
図15(a)はwinに対する実効屈折率の変化を示すグラフであり、図15(b)はwinの変化に伴うwoutの変化を示すグラフである。ここでは、winとwoutを同時に変化させている。図15(a)におけるmode1はTE型偏光であり、mode2はTM型偏光である。
図17は、グレーティング構造各領域において有するべき実効屈折率分布であり、図16は、前記実効屈折率に対するwin、woutの対応関係を示すものである。
第1分離コア61及び第2分離コア62は、図9に示すように、ブロッキング領域の形成によって区画して形成した。具体的には、第1分離コア61及び第2分離コア62の光の導波方向の寸法は12.2mmであるが、幅が5μmのブロッキング領域によってそれぞれ光の導波方向に5等分した構成とした。
この構成の光学素子において、図18に示す屈折率変化を誘起した場合の分散特性を図19に示す。
図18では、横軸は光の導波方向の位置を示し、縦軸は屈折率の変化率を示す。図19では、横軸は波長を示し、縦軸は群遅延特性を示す。
図19より、複数領域において屈折率を独立に設定することによって、分散特性を変化させることができることがわかる。
図20に示すように、本発明の光学素子には、例えば次の構成を採用できる。
ここに示す光学素子101は、光サーキュレータ102が接続され、光サーキュレータ102には、入射信号光を伝搬する入射用光ファイバ103と、結合用光ファイバ104と、出射信号光を伝搬する出射用光ファイバ105が接続されている。
入射信号光は、入射用光ファイバ103から光サーキュレータ102を経て結合用光ファイバ104に入射し、光学素子101に入射する。
出射信号光は、結合用光ファイバ104から光サーキュレータ102を経て出射用光ファイバ105に入射する。
この構成は、光ファイバ伝送路の発信機側に入射用光ファイバ103を接続し、光ファイバ伝送路の受信機側に出射用光ファイバ105を接続することによって、光ファイバ伝送路上に設置可能である。
以上、添付図面を参照しながら本発明に係る好適な実施の形態例について説明したが、本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。上述した例において示した各構成部材の諸形状や組み合わせ等は一例であって、本発明の主旨から逸脱しない範囲において設計要求等に基づき種々変更可能である。
例えば、上記実施形態では、Siをコア材料として用いたが、コア材料はこれに限らず、GeやSiGeなどの他の半導体材料を用いても良い。
また、第1、第2実施形態では、第1分離コア31及び第2分離コア32の各々についてブロッキング領域を2箇所ずつ設けた例を示したが、この例に限らず、5箇所、10箇所と増やすことで、より細やかな光学特性の制御が可能となる。
1…コア、2…光導波路、4…ギャップ部、11,12,15,16,19,20…導電性コア(半導体コア領域)、13,14,17,18,21,22,23,24…ブロッキング領域、21a,21b,21c,22a,22b,22c,23a,23b,23c,24a,24b,24c…サブブロッキング領域、31,61…第1分離コア(第1分離領域)、32,62…第2分離コア(第2分離領域)、WG1,WG2,WG3,WG4,101…光学素子。

Claims (7)

  1. 光を導波する半導体のコア(1)を有する光学素子であって、
    前記コアは、第1導電型の第1半導体コア領域(11)と、前記第1半導体コア領域と光の導波方向と直交する方向において対向配置された第2導電型の第2半導体コア領域(12)と、前記第1半導体コア領域と第1ブロッキング領域(13)を挟んで光の導波方向において隣接する第1導電型の第3半導体コア領域(15)と、前記第2半導体コア領域と第2ブロッキング領域(14)を挟んで光の導波方向において隣接し、前記第3半導体コア領域と光の導波方向と直交する方向において対向配置された第2導電型の第4半導体コア領域(16)と、を部分領域として含み、
    前記第2導電型は、前記第1導電型とは逆極性であり、
    前記第1ブロッキング領域は、光の導波方向と直交する方向に延びる第2導電型の半導体領域を部分領域として含み、かつ、前記第1半導体コア領域および前記第3半導体コア領域に接して形成されて、前記第1半導体コア領域と前記第3半導体コア領域を互いに分離し、
    前記第2ブロッキング領域は、光の導波方向と直交する方向に延びる第1導電型の半導体領域を部分領域として含み、かつ、前記第2半導体コア領域および前記第4半導体コア領域に接して形成されて、前記第2半導体コア領域と前記第4半導体コア領域を互いに分離し、
    前記第1半導体コア領域に第1電極が接続され、前記第2半導体コア領域に第2電極が接続され、前記第3半導体コア領域に第3電極が接続され、前記第4半導体コア領域に第4電極が接続されていることを特徴とする光学素子。
  2. 前記コアの幅方向中央部に、光の導波方向に沿って延びる絶縁性のギャップ部(4)を有し、
    前記第1半導体コア領域と前記第2半導体コア領域とは前記ギャップ部を挟んで対向配置され、
    前記第3半導体コア領域と前記第4半導体コア領域とは前記ギャップ部を挟んで対向配置されていることを特徴とする請求項に記載の光学素子。
  3. 前記第1ブロッキング領域は、第1導電型と第2導電型とが光の導波方向に沿って交互に切り替わるように配置された複数のサブブロッキング領域(21a〜21c)を部分領域として含み、前記第1ブロッキング領域に含まれる複数のサブブロッキング領域のうち、前記第1半導体コア領域及び前記第2半導体コア領域と接する部分は、それぞれ第2導電型のサブブロッキング領域であり、
    前記第2ブロッキング領域は、第1導電型と第2導電型とが光の導波方向に沿って交互に切り替わるように配置された複数のサブブロッキング領域(22a〜22c)を部分領域として含み、前記第2ブロッキング領域に含まれる複数のサブブロッキング領域のうち、前記第3半導体コア領域及び前記第4半導体コア領域と接する部分は、それぞれ第1導電型のサブブロッキング領域であることを特徴とする請求項に記載の光学素子。
  4. 前記ギャップ部は、絶縁体又は無極性の半導体によって構成されていることを特徴とする請求項2又は3に記載の光学素子。
  5. 前記ギャップ部の前記第1半導体コア領域と前記第半導体コア領域とを隔てる部分は、前記第1半導体コア領域と前記第半導体コア領域とのいずれよりも屈折率が小さい材料で構成され、
    前記ギャップ部の前記第半導体コア領域と前記第4半導体コア領域とを隔てる部分は、前記第半導体コア領域と前記第4半導体コア領域とのいずれよりも屈折率が小さい材料で構成されていることを特徴とする請求項2〜4のいずれか1項に記載の光学素子。
  6. 前記第1半導体コア領域、前記第2半導体コア領域、前記第3半導体コア領域、及び、前記第4半導体コア領域は、それぞれ前記ギャップ部と接する部分の厚みが他の部分よりも厚く形成されたリブ型形状を有し、前記第1半導体コア領域の前記厚みの薄い部分に前記第1電極が接続され、第2半導体コア領域の前記厚みの薄い部分に前記第2電極が接続され、前記第3半導体コア領域の前記厚みの薄い部分に前記第3電極が接続され、前記第4半導体コア領域の前記厚みの薄い部分に前記第4電極が接続されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の光学素子。
  7. 光を導波する半導体のコアを有する光学素子であって、
    前記コアは、光を導波する第1〜第4半導体領域(11,12,15,16)を部分領域として含み、
    前記第1半導体領域(11)は、第1導電型であり、
    前記第2半導体領域(12)は、第1導電型と逆極性の第2導電型であり、前記第1半導体領域と光の導波方向と直交する方向において対向配置され、
    前記第3半導体領域(15)は、第1導電型であり、前記第1半導体領域と第1ブロッキング領域(13)を挟んで光の導波方向において隣接配置されて、前記第1ブロッキング領域により前記第1半導体領域から分離され、
    前記第4半導体領域(16)は、第2導電型であり、前記第2半導体領域と第2ブロッキング領域(14)を挟んで光の導波方向において隣接配置されて、前記第2ブロッキング領域により前記第2半導体領域から分離され、かつ前記第3半導体領域と光の導波方向と直交する方向において対向配置され、
    前記第1ブロッキング領域は、光の導波方向と直交する方向に延びる第2導電型の半導体領域を部分領域として含み、かつ、前記第1半導体領域および前記第3半導体領域に接して形成され、
    前記第2ブロッキング領域は、光の導波方向と直交する方向に延びる第1導電型の半導体領域を部分領域として含み、かつ、前記第2半導体領域および前記第4半導体領域に接して形成され、
    前記第1半導体領域と前記第2半導体領域との間に電圧を印加可能であり、
    前記第3半導体領域と前記第4半導体領域との間に電圧を印加可能であることを特徴とする光学素子。
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