JP5530764B2 - 光学素子 - Google Patents
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Description
本発明は、光を導波する半導体のコアを有する光学素子であって、前記コアは、光を導波する第1〜第4半導体領域を部分領域として含み、前記第1半導体領域は、第1導電型であり、前記第2半導体領域は、第1導電型と逆極性の第2導電型であり、前記第1半導体領域と光の導波方向と直交する方向において対向配置され、前記第3半導体領域は、第1導電型であり、前記第1半導体領域と第1ブロッキング領域を挟んで光の導波方向において隣接配置されて、前記第1ブロッキング領域により前記第1半導体領域から分離され、前記第4半導体領域は、第2導電型であり、前記第2半導体領域と第2ブロッキング領域を挟んで光の導波方向において隣接配置されて、前記第2ブロッキング領域により前記第2半導体領域から分離され、かつ前記第3半導体領域と光の導波方向と直交する方向において対向配置され、前記第1ブロッキング領域は、光の導波方向と直交する方向に延びる第2導電型の半導体領域を部分領域として含み、かつ、前記第1半導体領域および前記第3半導体領域に接して形成され、前記第2ブロッキング領域は、光の導波方向と直交する方向に延びる第1導電型の半導体領域を部分領域として含み、かつ、前記第2半導体領域および前記第4半導体領域に接して形成され、前記第1半導体領域と前記第2半導体領域との間に電圧を印加可能であり、前記第3半導体領域と前記第4半導体領域との間に電圧を印加可能である光学素子を提供する。
図1は、本発明の第1実施形態にかかる光学素子WG1の説明図である。光学素子WG1は、半導体からなるコア1を有する光導波路2を備えている。
コア1は、互いに対向配置された第1分離コア(第1分離領域)31と第2分離コア(第2分離領域)32とを部分領域として含む。光導波路2は、単一のモードが前記2つの部分領域にまたがって伝搬されるシングルモード光導波路となっている。
第1導電性コア11、第2導電性コア12、第3導電性コア15、第4導電性コア16、第5導電性コア19、第6導電性コア20は、それぞれ第1〜第6半導体領域である。
すなわち、第1導電性コア11の厚みの薄い平板部11bに第1電極が接続され、第2導電性コア12の厚みの薄い平板部12bに第2電極が接続され、第1電極と第2電極との間に電圧が印加されることにより、第1導電性コア11と第2導電性コア12の屈折率が可変に制御される。図示は省略するが、他の導電性コア15,16,19,20についても同様であり、第3導電性コア15の厚みの薄い平板部に第3電極が接続され、第4導電性コア16の厚みの薄い平板部に第4電極が接続され、第3電極と第4電極との間に電圧が印加されることにより、第3導電性コア15と第4導電性コア16の屈折率が可変に制御される。また、第5導電性コア19の厚みの薄い平板部に第5電極が接続され、第6導電性コア20の厚みの薄い平板部に第6電極が接続され、第5電極と第6電極との間に電圧が印加されることにより、第5導電性コア19と第6導電性コア20の屈折率が可変に制御される。
具体的には、この光学素子WG1が集積化されたときに、導電性コア11、12の平板部11b,12bに電気的に接続された他のデバイスによって導電性コア11、12間に電圧が印加されてもよい。
図4は、本発明の第2実施形態の光学素子WG2の説明図である。図4は、第1実施形態の図3に対応する図であり、光学素子WG2をXY平面で切った断面図である。なお、光学素子WG2において、第1実施形態の光学素子WG1と共通の構成については、同じ符号を付し、詳細な説明は省略する。
図5より、隣り合う導電性コア11,15間の電位差が大きい(例えば約10V)場合でも、導電性コア11,15間に生じる電流はわずか(例えば電位差約10Vのとき電流は数十μA程度)であることがわかる。
このことから、複数の導電性コア(半導体コア領域)に異なる電圧を印加した場合でも導電性コア間のリーク電流を抑え、導電性コア(半導体コア領域)ごとに屈折率の動的制御が可能であることがわかる。
図6は、本発明の第3実施形態にかかる光学素子WG3の説明図である。光学素子WG3は、半導体からなるコア1を有する光導波路2を備えている。光導波路2は、コア1がギャップ部4によって光の導波方向と直交する方向に分離されたギャップ構造を有する。
コア1は、ギャップ部4を挟んで分離された第1分離コア(第1分離領域)31と第2分離コア(第2分離領域)32とを部分領域として含む。光導波路2は、単一のモードが前記2つの部分領域にまたがって伝搬されるシングルモード光導波路となっている。
第1分離コア31と第2分離コア32とは、高抵抗のギャップ部4によって電気的に分離されている。それにより、第1分離コア31と第2分離コア32とが光の導波方向において対向する面から第1分離コア31と第2分離コア32との間に流れる第1のリーク電流がギャップ部4により低減され、第1分離コア31と第2分離コア32との間に高い電圧をかけることが可能となっている。
導電性コア(半導体コア領域)は、光の導波が少ない部分を含んでいてもよいのであるから、一般的に「全域にわたり光が伝播する領域」と認識される「コア」という語を含んでいるものの、この一般的な概念に限定して解釈するべきものではない。
すなわち、「コア領域」は「光を導波する部分を含む領域」であるから、「半導体コア領域」は、光を導波する部分を含む「半導体領域」と言うこともできる。
図10は、本発明の第4実施形態の光学素子WG4の説明図である。図10は、第1実施形態の図9に対応する図であり、光学素子WG4をXY平面で切った断面図である。なお、光学素子WG4において、第3実施形態の光学素子WG3と共通の構成については、同じ符号を付し、詳細な説明は省略する。
図13はコア50を示すもので、ここではコア50のみを図示するが、クラッドがコア50の周囲を囲んでいるものとする。また、クラッドの下には基板(図示せず)が存在し、コア50の底面54は基板面に平行である。水平方向とは基板面に平行な方向をいい、垂直方向とは基板面に垂直な方向をいう。
反射帯の中心波長λ0は、ブラッググレーティングの周期をpG、光導波路の実効屈折率をneffとするとき、λ0=pG/neffにより与えられる。ここで実効屈折率neffは、光導波路のコア50の幅を平均幅w0とした場合の値である。
コア50の側壁52には、凹部52aと凸部52bが光の導波方向に交互に形成され、横幅woutが一周期pGごとに増減して第1のブラッググレーティングパターンが形成される。
TM型偏光での固有モードの実効屈折率neff TMは、TE型偏光での固有モードの実効屈折率neff TEに比べ、光導波路の高さ(すなわち厚み)の変化に対して敏感に変化する。
よってブラッググレーティングの偏光依存性を低減するには、光導波路の幅を周期的に変化させるのみならず、光導波路の高さも周期的に変化させるのが好適である。
第1のブラッググレーティングパターンと第2のブラッググレーティングパターンとの組み合わせによって、TE型偏光への作用とTM型偏光への作用を等化し、偏光依存性を低減することができる。
図示例では、第1のブラッググレーティングパターンをコアの両側壁に設け、第2のブラッググレーティングパターンをコアの上面に設けている。
コア50の形状は、中心軸Cを含む垂直方向の平面に対して水平方向に対称(図13(a)では中心軸Cに対して上下に対称)となっている。
この構造により、コア50の高さを周期的に変化させるのと等価的に実効屈折率を変化させることができる。
溝53の側壁には凹部53aと凸部53bが交互に形成され、溝幅winは一周期pGごとに増減して第2のブラッググレーティングパターンを形成する。
溝53は、例えば光学マスクを用いた描画(リソグラフィ)とエッチングにより形成することができる。
本実施形態の光学素子において、コアは、ギャップ部63を挟んで対向配置された第1分離コア(第1分離領域)61と第2分離コア(第2分離領域)62とを有する内側コア60と、外側コア64とからなる複合コアである。
第1分離コア61と第2分離コア62は、外側コア64よりも高屈折率の材料からなる。分離コア61、62とギャップ部63の高さt1は等しい。
ギャップ部63を形成することによって、単一偏光状態に単一モードしか存在しないという条件を保持しながら、内側コア60に光が閉じ込められる領域の断面積を拡大することができる。また、外側コア64に形成されたブラッググレーティング(後述)の加工誤差による実効屈折率の精度劣化を低減することができるので、実効屈折率の偏光依存性を低減するのにも有効である。
ギャップ部63の幅はw2であり、第1分離コア61及び第2分離コア62よりも低屈折率の材料から構成される。
各構成の構成材料としては、例えば分離コア61、62がシリコン(Si)、ギャップ部63がシリカ(SiO2)、外側コア64が窒化珪素(Si3N4)、基板65がシリコン(Si)、下部クラッド66および上部クラッド67がシリカ(SiO2)とすることができる。
各構成の寸法の例としては、t1=250nm、t2=50nm、w1=280nm、w2=160nm、tout=600nm、tin=100nm、下部クラッド66の厚み=2000nm、上部クラッド67の最大厚み=2000nmが挙げられるが、特にこれに限定されない。
第1導電性コア11の平板部61aに第1電極(図示略)を接続し、第2導電性コア12の平板部62aに第2電極(図示略)を接続し、第1電極と第2電極との間に電圧を印加することにより、第1導電性コア61と第2導電性コア62の屈折率を可変に制御できる。
外側コア64の上面64aと側壁64bには、それぞれ図13のコア50と同様な第1および第2のブラッググレーティングパターンが形成されている。
具体的には、外側コア64の幅woutを周期的に変化させた第1のブラッググレーティングパターンと、外側コア64の上面64aに形成された溝(トレンチ)64cの幅winを周期的に変化させた第2のブラッググレーティングパターンを備えている。外側コア64の厚みはtoutで、溝64cの深さはtinである。
tout、tinの例としては、tout=600nm、tin=100nmが挙げられるが、特にこれに限定されない。win、woutは光の導波方向に周期的に変化する。
設計中心周波数は188.4THz、すなわち設計中心波長は1591.255nmとした。L−Bandで100GHz間隔、チャネル帯域50GHzで45チャネルにわたってITU−T G.653に規定された分散シフトシングルモード光ファイバ(DSF)100kmの群速度分散および分散スロープを補償することを想定した。
補償対象光ファイバ線路の光学特性は、群速度分散−295ps/nm、分散スロープ(Relative Dispersion Slope、RDS)0.018/nmを想定した。チャネル対域内での振幅強度反射率は95%とした。素子全長は18000λとした。
設計の具体的な手順としては、例えば本出願人により既に出願された特願2008−049839号に記載の手順を採用できる。
図17は、グレーティング構造各領域において有するべき実効屈折率分布であり、図16は、前記実効屈折率に対するwin、woutの対応関係を示すものである。
この構成の光学素子において、図18に示す屈折率変化を誘起した場合の分散特性を図19に示す。
図18では、横軸は光の導波方向の位置を示し、縦軸は屈折率の変化率を示す。図19では、横軸は波長を示し、縦軸は群遅延特性を示す。
図19より、複数領域において屈折率を独立に設定することによって、分散特性を変化させることができることがわかる。
ここに示す光学素子101は、光サーキュレータ102が接続され、光サーキュレータ102には、入射信号光を伝搬する入射用光ファイバ103と、結合用光ファイバ104と、出射信号光を伝搬する出射用光ファイバ105が接続されている。
入射信号光は、入射用光ファイバ103から光サーキュレータ102を経て結合用光ファイバ104に入射し、光学素子101に入射する。
出射信号光は、結合用光ファイバ104から光サーキュレータ102を経て出射用光ファイバ105に入射する。
この構成は、光ファイバ伝送路の発信機側に入射用光ファイバ103を接続し、光ファイバ伝送路の受信機側に出射用光ファイバ105を接続することによって、光ファイバ伝送路上に設置可能である。
Claims (7)
- 光を導波する半導体のコア(1)を有する光学素子であって、
前記コアは、第1導電型の第1半導体コア領域(11)と、前記第1半導体コア領域と光の導波方向と直交する方向において対向配置された第2導電型の第2半導体コア領域(12)と、前記第1半導体コア領域と第1ブロッキング領域(13)を挟んで光の導波方向において隣接する第1導電型の第3半導体コア領域(15)と、前記第2半導体コア領域と第2ブロッキング領域(14)を挟んで光の導波方向において隣接し、前記第3半導体コア領域と光の導波方向と直交する方向において対向配置された第2導電型の第4半導体コア領域(16)と、を部分領域として含み、
前記第2導電型は、前記第1導電型とは逆極性であり、
前記第1ブロッキング領域は、光の導波方向と直交する方向に延びる第2導電型の半導体領域を部分領域として含み、かつ、前記第1半導体コア領域および前記第3半導体コア領域に接して形成されて、前記第1半導体コア領域と前記第3半導体コア領域を互いに分離し、
前記第2ブロッキング領域は、光の導波方向と直交する方向に延びる第1導電型の半導体領域を部分領域として含み、かつ、前記第2半導体コア領域および前記第4半導体コア領域に接して形成されて、前記第2半導体コア領域と前記第4半導体コア領域を互いに分離し、
前記第1半導体コア領域に第1電極が接続され、前記第2半導体コア領域に第2電極が接続され、前記第3半導体コア領域に第3電極が接続され、前記第4半導体コア領域に第4電極が接続されていることを特徴とする光学素子。 - 前記コアの幅方向中央部に、光の導波方向に沿って延びる絶縁性のギャップ部(4)を有し、
前記第1半導体コア領域と前記第2半導体コア領域とは前記ギャップ部を挟んで対向配置され、
前記第3半導体コア領域と前記第4半導体コア領域とは前記ギャップ部を挟んで対向配置されていることを特徴とする請求項1に記載の光学素子。 - 前記第1ブロッキング領域は、第1導電型と第2導電型とが光の導波方向に沿って交互に切り替わるように配置された複数のサブブロッキング領域(21a〜21c)を部分領域として含み、前記第1ブロッキング領域に含まれる複数のサブブロッキング領域のうち、前記第1半導体コア領域及び前記第2半導体コア領域と接する部分は、それぞれ第2導電型のサブブロッキング領域であり、
前記第2ブロッキング領域は、第1導電型と第2導電型とが光の導波方向に沿って交互に切り替わるように配置された複数のサブブロッキング領域(22a〜22c)を部分領域として含み、前記第2ブロッキング領域に含まれる複数のサブブロッキング領域のうち、前記第3半導体コア領域及び前記第4半導体コア領域と接する部分は、それぞれ第1導電型のサブブロッキング領域であることを特徴とする請求項2に記載の光学素子。 - 前記ギャップ部は、絶縁体又は無極性の半導体によって構成されていることを特徴とする請求項2又は3に記載の光学素子。
- 前記ギャップ部の前記第1半導体コア領域と前記第2半導体コア領域とを隔てる部分は、前記第1半導体コア領域と前記第2半導体コア領域とのいずれよりも屈折率が小さい材料で構成され、
前記ギャップ部の前記第3半導体コア領域と前記第4半導体コア領域とを隔てる部分は、前記第3半導体コア領域と前記第4半導体コア領域とのいずれよりも屈折率が小さい材料で構成されていることを特徴とする請求項2〜4のいずれか1項に記載の光学素子。 - 前記第1半導体コア領域、前記第2半導体コア領域、前記第3半導体コア領域、及び、前記第4半導体コア領域は、それぞれ前記ギャップ部と接する部分の厚みが他の部分よりも厚く形成されたリブ型形状を有し、前記第1半導体コア領域の前記厚みの薄い部分に前記第1電極が接続され、第2半導体コア領域の前記厚みの薄い部分に前記第2電極が接続され、前記第3半導体コア領域の前記厚みの薄い部分に前記第3電極が接続され、前記第4半導体コア領域の前記厚みの薄い部分に前記第4電極が接続されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の光学素子。
- 光を導波する半導体のコアを有する光学素子であって、
前記コアは、光を導波する第1〜第4半導体領域(11,12,15,16)を部分領域として含み、
前記第1半導体領域(11)は、第1導電型であり、
前記第2半導体領域(12)は、第1導電型と逆極性の第2導電型であり、前記第1半導体領域と光の導波方向と直交する方向において対向配置され、
前記第3半導体領域(15)は、第1導電型であり、前記第1半導体領域と第1ブロッキング領域(13)を挟んで光の導波方向において隣接配置されて、前記第1ブロッキング領域により前記第1半導体領域から分離され、
前記第4半導体領域(16)は、第2導電型であり、前記第2半導体領域と第2ブロッキング領域(14)を挟んで光の導波方向において隣接配置されて、前記第2ブロッキング領域により前記第2半導体領域から分離され、かつ前記第3半導体領域と光の導波方向と直交する方向において対向配置され、
前記第1ブロッキング領域は、光の導波方向と直交する方向に延びる第2導電型の半導体領域を部分領域として含み、かつ、前記第1半導体領域および前記第3半導体領域に接して形成され、
前記第2ブロッキング領域は、光の導波方向と直交する方向に延びる第1導電型の半導体領域を部分領域として含み、かつ、前記第2半導体領域および前記第4半導体領域に接して形成され、
前記第1半導体領域と前記第2半導体領域との間に電圧を印加可能であり、
前記第3半導体領域と前記第4半導体領域との間に電圧を印加可能であることを特徴とする光学素子。
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