JP2011075165A - 熱交換器 - Google Patents

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鉉永 金
Hirokazu Fujino
宏和 藤野
Yutaka Shibata
豊 柴田
Keiko Ryu
継紅 劉
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Abstract

【課題】高圧冷媒が流れる熱交換器において、耐圧強度を向上しつつ、ヘッダの本来の機能を保持することができる熱交換器を提供する。
【解決手段】空気と冷媒とを熱交換させる熱交換器1であって、複数の扁平管11a〜11kと、ヘッダ13とを備える。複数の扁平管11a〜11kには、冷媒が流れる流路穴が形成される。ヘッダ13は、扁平管11a〜11kが延びる方向に交差する方向に延び、各々の扁平管11a〜11kに異なる位置から挿入され、流路穴と連通する内部空間が形成される。また、ヘッダは、補強部材135を有する。補強部材135は、扁平管11a〜11kの端面の近傍に扁平管近傍空間が形成されるように、且つ、少なくとも空気流れの上流側に、扁平管近傍空間に連通しヘッダの長手方向に延びる連通空間S1が形成されるように、ヘッダ13の内部空間に配置されてヘッダ13と一体化される。
【選択図】図3

Description

本発明は、熱交換器に関する。
従来、特許文献1(特開2006−284133号公報)に記載のように、鉛直方向に延びるヘッダと、そのヘッダの長手に直交する方向に延びヘッダに挿入する複数の扁平管と、各扁平管の間に配置される伝熱フィンとを備え、扁平管に形成される複数の穴を流れる冷媒と扁平管の幅方向(短手方向)に流れる空気との間で熱交換させる積層型の熱交換器が提案されている。
特許文献1(特開2006−284133号公報)に記載のような熱交換器において、例えば、高圧冷媒(例えば、CO2冷媒)が流れる場合、耐圧強度の向上が要求される。ヘッダの耐圧強度の向上としては、ヘッダの内径を小さくすることが考えられる。しかし、ヘッダの内径を小さくすると、特許文献1(特開2006−284133号公報)に記載の熱交換器の構造では、扁平管の短手方向の幅がヘッダの内径に合わせて小さくなるので、扁平管の伝熱面積と伝熱フィンとの接触面積が小さくなる。このため、熱交換器の性能に影響が出ることが懸念される。
そこで、本発明の課題は、高圧冷媒が流れる熱交換器において、耐圧強度を向上しつつ、ヘッダの短手方向の幅を保持してヘッダの本来の機能を保持することができる熱交換器を提供することにある。
第1発明に係る熱交換器は、空気と冷媒とを熱交換させる熱交換器であって、複数の扁平管と、ヘッダとを備える。複数の扁平管には、冷媒が流れる流路穴が形成される。ヘッダは、扁平管が延びる方向に交差する方向に延び、各々の扁平管に異なる位置から挿入され、流路穴と連通する内部空間が形成される。また、ヘッダは、補強部材を有する。補強部材は、扁平管の端面の近傍に扁平管近傍空間が形成されるように、且つ、少なくとも空気流れの上流側に、扁平管近傍空間に連通しヘッダの長手方向に延びる連通空間が形成されるように、ヘッダの内部空間に配置されてヘッダと一体化される。
ここで、例えば、熱交換器内を流れる冷媒は、高圧の冷媒である。
第1発明に係る熱交換器では、補強部材がヘッダ内に配置されて一体化されることにより、ヘッダの耐圧強度が向上する。また、補強部材が、扁平管の端面の近傍に扁平管近傍空間が形成されるように、且つ、少なくとも空気流れの上流側に、扁平管近傍空間に連通しヘッダの長手方向に延びる連通空間が形成されるように、ヘッダ内に配置されることにより、冷媒が流れる通路が確保されている。すなわち、ヘッダから各扁平管へ冷媒を流すことができ、且つ、扁平管から流れてくる冷媒をヘッダ内において集合させることができる。これらにより、耐圧強度を向上しつつ、ヘッダの短手方向の幅を保持してヘッダの本来の機能を保持することができている。
第2発明に係る熱交換器は、第1発明に係る熱交換器であって、ヘッダは、非円筒状の断面を有する。
第2発明に係る熱交換器では、耐圧強度の向上が図られ、ヘッダの、各扁平管へ冷媒を流す機能と、扁平管から流れてくる冷媒を集合させる機能とを保持することができる。
第3発明に係る熱交換器は、第1発明または第2発明に係る熱交換器であって、ヘッダは、複数の部材から構成される。
第3発明に係る熱交換器では、ヘッダの製作が容易になる。
第4発明に係る熱交換器は、第1発明〜第3発明のいずれかに係る熱交換器であって、補強部材は、一部材から構成される。
第4発明に係る熱交換器では、部品点数を削減することができ、コストを抑制することができる。
第5発明に係る熱交換器は、第1発明〜第4発明のいずれかに係る熱交換器であって、補強部材は、縦断面視において櫛歯形状を有する。
第5発明に係る熱交換器では、補強部材が縦断面視において櫛歯形状を有することによって、扁平管の端面の近傍に空間を形成することができる。これにより、冷媒が通る空間が確保されている。
第6発明に係る熱交換器は、第1発明〜第4発明のいずれかに係る熱交換器であって、補強部材は、板状の部材がプレス加工により折り曲げられることで成形される。
第6発明に係る熱交換器では、コストを抑制することができる。
第7発明に係る熱交換器は、第1発明〜第6発明のいずれかに係る熱交換器であって、ヘッダと補強部材とは、ロウ付けによって一体化される。
第7発明に係る熱交換器では、ヘッダの耐圧強度が向上する。
第8発明に係る熱交換器は、第2発明に係る熱交換器であって、非円筒状の断面とは、略楕円状、略長円状、および、一方の第1円弧の第1半径と他方の第2円弧の第2半径とが異なり第1円弧と第2円弧とが直線または曲線によって結ばれる形状のいずれかである。
第8発明に係る熱交換器では、耐圧強度の向上が図られ、ヘッダの、各扁平管へ冷媒を流す機能と、扁平管から流れてくる冷媒を集合させる機能とを保持することができる。
第1発明に係る熱交換器では、補強部材がヘッダ内に配置されて一体化されることにより、ヘッダの耐圧強度が向上する。また、補強部材が、扁平管の端面の近傍に扁平管近傍空間が形成されるように、且つ、少なくとも空気流れの上流側に、扁平管近傍空間に連通しヘッダの長手方向に連通する連通空間が形成されるように、ヘッダ内に配置されることにより、冷媒が流れる通路が確保されている。すなわち、ヘッダから各扁平管へ冷媒を流すことができ、且つ、扁平管から流れてくる冷媒をヘッダ内において集合させることができる。これらにより、耐圧強度を向上しつつ、ヘッダの短手方向の幅を保持してヘッダの本来の機能を保持することができている。
第2発明に係る熱交換器では、耐圧強度の向上が図られ、ヘッダの、各扁平管へ冷媒を流す機能と、扁平管から流れてくる冷媒を集合させる機能とを保持することができる。
第3発明に係る熱交換器では、ヘッダの製作が容易になる。
第4発明に係る熱交換器では、部品点数を削減することができ、コストを抑制することができる。
第5発明に係る熱交換器では、補強部材が縦断面視において櫛歯形状を有することによって、扁平管の端面の近傍に空間を形成することができる。これにより、冷媒が通る空間が確保されている。
第6発明に係る熱交換器では、コストを抑制することができる。
第7発明に係る熱交換器では、ヘッダの耐圧強度が向上する。
第8発明に係る熱交換器では、耐圧強度の向上が図られ、ヘッダの、各扁平管へ冷媒を流す機能と、扁平管から流れてくる冷媒を集合させる機能とを保持することができる。
熱交換器の概略正面図。 図1のII部の拡大図。 第1ヘッダおよび扁平管を示した概略斜視図(第1ヘッダの上部は省略)。 第2ヘッダ形成部材の概略斜視図。 補強部材の概略斜視図。 補強部材と扁平管との配置関係を示すための概略斜視図(流路穴は省略)。 第1ヘッダの一部を長手方向に沿って破断した場合の第1ヘッダの一部の左側面図。 図1のVIII−VIIIで切断した場合の第1ヘッダの断面図。 変形例(A)に係る補強部材を示すための、第1ヘッダの一部を長手方向に沿って破断した場合の第1ヘッダの一部の左側面図。 変形例(B)に係る補強部材を示すための、図1のVIII−VIIIで切断した場合の第1ヘッダの断面図。 変形例(C)に係る補強部材を示すために第1ヘッダを扁平管の平面部に直交する面で切断した場合の一部の断面図。
以下、図面を参照しながら、本発明の一実施形態に係る熱交換器1について説明する。なお、以下の実施形態は、本発明の具体例であって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
<熱交換器1の構成>
熱交換器1は、空気を冷却源または加熱源として、冷媒の凝縮や蒸発を行う熱交換器であり、例えば、蒸気圧縮式の冷凍装置の冷媒回路を構成する熱交換器として採用されるものである。ここでは、冷媒回路を循環する冷媒として、二酸化炭素冷媒を使用するものとする。
熱交換器1は、図1や図2に示すように、主として、複数の扁平管11a〜11kと、伝熱フィン12と、1対のヘッダ13,14とを有している。
(1)扁平管11a〜11k
各扁平管11a〜11kは、アルミニウムやアルミニウム合金等の金属部材を、押し出し成形等をすることによって形成される。各扁平管11a〜11kは、後述するヘッダ13,14の長手方向に直交する方向に長く延び、図2に示すように、長尺で幅広の平面部111が上下方向に向く状態で上下方向(ヘッダ13,14の長手方向)に所定の間隔を空けて配置されている。各扁平管11a〜11kには、各扁平管11a〜11kを、その長手方向に貫通するように、その短手方向に並んだ複数の流路穴112が形成されている。この流路穴112には、冷媒が流れる。
なお、ここでは、扁平管11a〜11kは11本配置されているが、本数はこれに限られるものではない。
(2)伝熱フィン12
伝熱フィン12は、アルミニウムやアルミニウム合金等の金属部材から構成され、板状部材が長手方向に波形に折り曲げられることによって形成される波形フィンである。伝熱フィン12は、各扁平管11a〜11kに挟まれた空間に配置されている。伝熱フィン12は、その上端の山折りの部分が平面部111の下面にロウ付け等によって接合され、その下端の谷折りの部分が平面部111の上部にロウ付け等によって接合されている。また、伝熱フィン12には、熱交換効率を向上させるための複数の切り起こし部12aが、ルーバー状に切り起こされている。切り起こし部12aは、空気流れ方向(各扁平管11a〜11kの幅方向(短手方向)に向かって流れる空気の流れ方向)の上流側部分と下流側部分とで、空気流れ方向に対する傾斜方向が逆になるように形成されている。
(3)ヘッダ13,14
ヘッダ13,14は、図1に示すように、互いに離間しており、それぞれが鉛直方向に延びる筒形状をした部材である。ヘッダ13,14の外面には、その長手方向に沿って所定の間隔を空けるように複数の穴(図示せず)が形成されており、この複数の穴に、各扁平管11a〜11kの長手方向の両端部が挿入している。すなわち、ヘッダ13,14は、それぞれ、各扁平管11a〜11kを支持する機能と、冷媒を各扁平管11a〜11k(具体的には、各扁平管11a〜11kに形成される複数の流路穴112)に流入させる機能と、各扁平管11a〜11k(具体的には、各扁平管11a〜11kに形成される複数の流路穴112)から流出する冷媒を集合させる機能とを有している。なお、ヘッダ13,14に扁平管11a〜11kを挿入させるための穴は、プレス加工等によって形成される。
なお、以下の説明においては、説明の便宜上、図1における左側のヘッダを第1ヘッダ13とし、図1における右側のヘッダを第2ヘッダ14とする。なお、ヘッダ13,14の構成は図1に示すものに限られず、種々の構成を適用可能である。
第1ヘッダ13は、下部に開口131が形成され、上端が閉じられた上下方向に延びる筒状の部材である。開口131は、冷媒を、第1ヘッダ13内に流入させる、または、第1ヘッダ13から外方に流出させる機能を有する。具体的には、開口131は、熱交換器1が冷媒の蒸発器として機能する場合は、冷媒の入口となり、熱交換器1が冷媒の凝縮器として機能する場合は、冷媒の出口となる。
また、第1ヘッダ13内には、第1ヘッダ13の内部を上下方向に仕切る金属製のバッフル板132が配置されている(具体的には、ここでは、バッフル板132は、下から3段目の扁平管11iと、下から4段目の扁平管11hとの間に配置されている)。
第2ヘッダ14は、上部に開口141が形成され、下端が閉じられた上下方向に延びる筒状の部材である。開口141は、冷媒を、第2ヘッダ14内に流入させる、または、第2ヘッダ14から外方に流出させる機能を有する。具体的には、開口141は、熱交換器1が冷媒の凝縮器として機能する場合は、冷媒の入口となり、熱交換器1が冷媒の蒸発器として機能する場合は、冷媒の出口となる。
また、第2ヘッダ14内には、第2ヘッダ14の内部を上下方向に仕切る金属製のバッフル板142が配置されている(具体的には、ここでは、バッフル板142は、上から2段目の扁平管11bと、上から3段目の扁平管11cとの間に配置されている)。
ここで、第1ヘッダ13内および第2ヘッダ14内に、それぞれバッフル板132および142が配置されることで、冷媒の流れ方向が決定され、熱交換器1内を冷媒が蛇行するように流れている。
以下、熱交換器1の外方から熱交換器1内に流入し、熱交換器1から外方に流出する、熱交換器1付近における冷媒の一連の流れを簡単に説明し、その後にヘッダ13,14のさらに具体的な構成について説明する。
<冷媒の流れ>
(1)熱交換器1が蒸発器として機能する場合の冷媒の流れ
まず、第1ヘッダ13の外方から熱交換器1に向かって流れる冷媒は、開口131を介して第1ヘッダ13内に流入する。第1ヘッダ13内に流入した冷媒は、下から1段目〜3段目の扁平管11k〜11iに分配され、それぞれの扁平管11k〜11iに形成される複数の流路穴112にほぼ均等に分流されて、第2ヘッダ14に向かって流れ、第2ヘッダ14内において集合する。第2ヘッダ14内で集合した冷媒は、下から4段目〜9段目の扁平管11h〜11cに分配され、それぞれの扁平管11h〜11cに形成される複数の流路穴112にほぼ均等に分流されて、第1ヘッダ13に向かって流れ、第1ヘッダ13内において集合する。第1ヘッダ13内で集合した冷媒は、下から10段目,11段目の扁平管11b,11aに分配され、それぞれの扁平管11b,11aに形成される複数の流路穴112にほぼ均等に分流されて、第2ヘッダ14に向かって流れ、第2ヘッダ14内において集合する。第2ヘッダ14内で集合した冷媒は、開口141を介して熱交換器1の外方へと流出する。
(2)熱交換器1が凝縮器として機能する場合の冷媒の流れ
まず、第2ヘッダ14の外方から熱交換器1に向かって流れる冷媒は、開口141を介して第2ヘッダ14内に流入する。第2ヘッダ14内に流入した冷媒は、上から1段目,2段目の扁平管11a,11bに分配され、それぞれの扁平管11a,11bに形成される複数の流路穴112にほぼ均等に分流されて第1ヘッダ13に向かって流れ、第1ヘッダ13内で集合する。第1ヘッダ13で集合した冷媒は、上から3段目〜8段目の扁平管11c〜11hに分配され、それぞれの扁平管11c〜11hに形成される複数の流路穴112にほぼ均等に分流されて第2ヘッダ14に向かって流れ、第2ヘッダ14内で集合する。第2ヘッダ14内で集合した冷媒は、上から9段目〜11段目の扁平管11i〜11kに分配され、それぞれの扁平管11i〜11kに形成される複数の流路穴112にほぼ均等に分流されて第1ヘッダ13に向かって流れ、第1ヘッダ13内で集合する。第1ヘッダ13内で集合した冷媒は、開口131を介して熱交換器1の外方へと流出する。
<ヘッダ13,14の具体的な構成について>
第1ヘッダ13および第2ヘッダ14は、ヘッダ13,14の長手方向に平行な面を軸として対称となる構成を有する。よって、以下の説明においては、第1ヘッダ13の構成についてのみ説明し、第2ヘッダ14の構成については説明を省略する。
図3は、第1ヘッダ13および扁平管11a〜11kを示した概略斜視図(第1ヘッダ13の上部は除く)である。
図3に示すように、第1ヘッダ13は、主として、第1ヘッダ13の外周の大部分を構成する第1ヘッダ形成部材133と、第1ヘッダ13の外周の第1ヘッダ形成部材133によって構成される部分の残りの部分を構成する第2ヘッダ形成部材134と、第1ヘッダ形成部材133と第2ヘッダ形成部材134との間に嵌合するように配置される補強部材135とを有する。
第1ヘッダ形成部材133は、心材となるアルミニウム合金の表面に融点の低い別のアルミニウム合金が張り合わされる1枚のクラッド材が、長手方向に沿って、両端面が当接しないように(すなわち、両端面間に空間が形成されるように)、かつ、ヘッダ13,14の長手方向に直交する断面視において空気流れ方向の上流側から下流側に向かって幅狭となるように折り曲げられることによって形成されている。具体的には、第1ヘッダ形成部材133は、その両端面が当接していると想定した場合、ヘッダ13,14の長手方向に直交する断面視において、空気流れ方向の上流側の第1円弧A1の半径と空気流れ方向の下流側の第2円弧A2との半径とが異なり(第1円弧A1の半径>第2円弧A2の半径)、第1円弧A1と第2円弧A2とが曲線によって結ばれるような形状を有している。なお、本発明はこれに限られず、例えば、第1ヘッダ形成部材133は、その両端面が当接していると想定した場合、ヘッダ13,14の長手方向に直交する断面視において、略楕円形状、略矩形状、または、略長円形状を有するような形状であってもよい。また、上記では、円弧A1と円弧A2とが曲線で結ばれていると説明したが、円弧A1と円弧A2とは、直線で結ばれていてもよい。
第1ヘッダ形成部材133の両端部には、それぞれ、複数の凸部133a,133bが形成されている。凸部133a,133bは、第1ヘッダ形成部材133の両端部からそれぞれ折り曲げ方向に突出している。
第2ヘッダ形成部材134は、クラッド材から構成され、押し出し成形等によって形成される。第2ヘッダ形成部材134は、図3や図4に示すように、上下方向(ヘッダ13,14の長手方向)に細長く延びる平板状の部材である。第2ヘッダ形成部材134の上下の長さは、第1ヘッダ形成部材133の上下の長さと同じである。また、第2ヘッダ形成部材134は、湾曲面を有する第1ヘッダ形成部材133と当接することができるように、一部(第1ヘッダ形成部材133に当接する複数の当接部)が湾曲面134a,134bを有している。
補強部材135は、熱交換器1を流れる冷媒が高圧冷媒である二酸化炭素冷媒であることから、第1ヘッダ13の耐圧強度を上げるために用いられる部材である。補強部材135は、図5に示すように、上下方向(ヘッダ13,14の長手方向)に延び、縦断面視において櫛歯形状を有する部材である。補強部材135は、アルミニウム等の金属から構成され、切削加工等によって形成される。ここで、補強部材135は、一部材から構成されるものである。よって、熱交換器1の製造においては、部品点数を削減することができている。補強部材135の上下の長さは、第1ヘッダ形成部材133および第2ヘッダ形成部材134の上下の長さと同じである。補強部材135は、図3に示すように、第1ヘッダ形成部材133と第2ヘッダ形成部材134によって形成される空間に嵌合するように配置されている(具体的には、後述する支持部135aの空気流れ方向の下流側の第1面136a(図5を参照)と、後述する突出部135bの扁平管11a〜11kが第1ヘッダ13に挿入する第1方向の上流側の第2面137a(図5を参照)とが、第1ヘッダ形成部材133に当接しており、突出部135bの第1方向の下流側の第3面137b(図5を参照)が第2ヘッダ形成部材134に当接するように配置されている、すなわち、補強部材135と第2ヘッダ形成部材134とは、第1方向の上流側から順に並んで配置されている)。
さらに具体的には、補強部材135は、図3や図8に示すように、ヘッダ13,14の長手方向に直交する断面視において、第1ヘッダ13の略半分の空間を占めるように(具体的には、ヘッダ13,14の長手方向に直交する断面視において空気流れ方向の下流側の空間を占めるように)配置されている。すなわち、第1ヘッダ13内においては、空気流れ方向の上流側には、ヘッダ13,14の長手方向に延びる空間S1が形成されている。これにより、第1ヘッダ13内には冷媒が流れるための空間が確保されている。
補強部材135は、図5に示すように、支持部135aと、支持部135aに第1端部(空気流れ方向の下流側の端部)が連結され、第2端部(空気流れ方向の上流側の端部)が第1端部とは反対側(空気流れ方向の上流側)に突出する複数の突出部135bとを有する。突出部135bは、所定の間隔を空けて上下方向(ヘッダ13,14の長手方向)に配置されている。
支持部135aは、上下方向(ヘッダ13,14の長手方向)に細長く延びる。突出部135bは、第2端部から第1端部に向かって幅狭となる形状を有する、略直方体の形状を有する。
ここで、補強部材135は、第1ヘッダ13全体の空気流れ方向の下流側の空間を占めるように配置されていると説明した。但し、突出部135bが所定の間隔を空けて配置されていることから、突出部135bの上下には、空間S2が形成されている。そして、図6や図7に示すように、第1ヘッダ13に挿入する各扁平管11a〜11kの端部(端面)は、突出部135bの上下に形成される空間S2に位置するようになっている。すなわち、空間S1を流れる冷媒は、空間S2に流れるようになっており、空間S2に流れた冷媒は、各扁平管11a〜11kに形成される流路穴112に分流されるようになっている。(図8の太線で示す冷媒の流れを参照)また、第2ヘッダ14から流路穴112を介して流れてくる冷媒は、第1ヘッダ13内に空間S1およびS2が形成されていることにより集合することができるようになっている。
よって、冷媒が、第1ヘッダ13内の空気流れ方向の上流側の空間S1と、突出部135bの上下に形成される空間S2とを流れることができるようになっていることにより、ヘッダ13,14の耐圧強度を向上させつつ、冷媒の流路が確保されている。よって、ヘッダ13,14の有する扁平管11a〜11kへの分配機能と、扁平管11a〜11kから流れてくる冷媒を集合させる機能とを保持することができている。また、空間S1が、第1ヘッダ13内の空気流れ方向の上流側に形成されていることにより、扁平管11a〜11kに形成される流路穴112のうち、空気流れ方向の上流側の流路穴112に多く流れやすくなる。これにより、熱交換器1の熱交換効率を上げることが期待できる。
以上のように、補強部材135の配置や構造により、第1ヘッダ13の耐圧強度を向上させつつ、ヘッダ13,14の機能を発揮させることができている。
<ヘッダ13,14の製作方法>
以下の説明においても、第1ヘッダ13の製作方法についてのみ説明し、第2ヘッダ14の制作方法については説明を省略する。
まず、第1ヘッダ形成部材133を折り曲げることによって形成される上下方向に貫通する筒状の空間であって、平面視において略楕円形状となる空間に補強部材135を挿入する。このとき、補強部材135の第1面136a,第2面137aと、第1ヘッダ形成部材133の内面とを、ロウ付けによって接合する。次に、第1ヘッダ形成部材133と、補強部材135とによって形成される空間に嵌めるように第2ヘッダ形成部材134を挿入する。このとき、補強部材135の第3面137bと第2ヘッダ形成部材134の第1方向の上流側の側面の一部とを、ロウ付けによって接合する。そして、第1ヘッダ形成部材133の凸部133aを第2ヘッダ形成部材134の第1方向の下流側の側面に当接するように折り曲げて、両者の当接面をロウ付けによって接合する。
最後に、図示はしないが、第1ヘッダ13の上下端部を構成する上部形成部材と下部形成部材とを、それぞれ、第1ヘッダ形成部材133,第2ヘッダ形成部材134および補強部材135のそれぞれの上下端面に当接するように、ロウ付け等によって接合する。
ここでは、第1ヘッダ形成部材133および第2ヘッダ形成部材134は、クラッド材から構成されているため、他の部材とのロウ付け時においては、別途ロウ材を用いる必要がない。よって、ロウ付け作業における工数を減らすことができ、かつ、コストを抑制することができる。
<本実施形態に係る熱交換器1の特徴>
1対のヘッダと、複数の扁平管から構成される積層型の熱交換器内を高圧の冷媒が流れる場合、耐圧強度の向上が要求される。ヘッダの耐圧強度の向上としては、まず、ヘッダの肉厚を大きくすることが考えられる。しかし、ヘッダの肉厚を大きくすると、扁平管をヘッダに挿入させるための穴の加工コストが上がってしまうことが懸念される。次に、ヘッダの耐圧強度の向上として、ヘッダの径を小さくする、あるいは、ヘッダの内容積を小さくすることが考えられる。しかし、ヘッダの径、あるいは、ヘッダの内容積を小さくすると、設計上、扁平管の短手方向の幅を小さくする必要が生じる。このため、扁平管に形成される流路穴も小さくなると想定され、扁平管に形成される流路穴を流れる冷媒の圧損が大きくなることが懸念される。また、扁平管の伝熱面積と伝熱フィンとの接触面積が小さくなることが想定される。以上のことから、熱交換器における空気と冷媒との熱交換効率に影響が出ることが懸念される。よって、このような状況下においては、ヘッダの本来の機能を保持することが困難になる場合があることが懸念される。
そこで、本実施形態に係る熱交換器1では、第1ヘッダ形成部材133と第2ヘッダ形成部材134とによってヘッダ13の外周を構成し、第1ヘッダ13の内径を小さくしている。また、その第1ヘッダ形成部材133および第2ヘッダ形成部材134によって形成される空間に補強部材135を配置している。そして、補強部材135と、第1ヘッダ形成部材133および第2ヘッダ形成部材134とをロウ付けによって接合し一体化している(なお、第2ヘッダ14についても同様の構成である。以下でも、第1ヘッダ13のみについて説明するが、第2ヘッダ14についても同様の効果を奏する)。補強部材135には、第1ヘッダ13の外周を構成する第1ヘッダ形成部材133および第2ヘッダ形成部材134と、接合される箇所が複数ある。これにより、第1ヘッダ13の耐圧強度が向上している。
また、補強部材135は、第1ヘッダ形成部材133および第2ヘッダ形成部材134によって形成される空間の空気流れ方向の下流側に配置される。すなわち、第1ヘッダ13内においては、空気流れ方向の上流側には第1ヘッダ13の長手方向に延びるような空間S1が形成されている。よって、冷媒はこの空間S1を流れることができる。また、第1ヘッダ13は、空気流れ方向の上流側から下流側に向かって狭くなるような形状を有している。すなわち、空間S1をできるだけ広くすることにより空間S1により多くの冷媒が流れるようにしている。
また、補強部材135は、縦断面視において櫛歯形状を有しており、突出部135bの上下には、空間S2が形成されている。これにより、空間S1を流れる冷媒は、空間S2に流れることが可能になり、空間S2の近傍に端面が位置する各扁平管11a〜11kの流路穴112に流れることができるようになっている。また、空間S1および空間S2が形成されていることにより、第2ヘッダ14から流路穴112を介して流れてくる冷媒を通す通路が確保されている。よって、第1ヘッダ13内において他方のヘッダ(第2ヘッダ14)から流れてくる冷媒を集合させることができるようになっている。
以上のことから、熱交換器1では、耐圧強度の向上が図られ、かつ、ヘッダ13,14が本来機能を保持することができている。また、熱交換器1では、扁平管11a〜11kの短手方向の幅(なお、ここでいう短手方向の幅とは、図2のLの部分を意味する)を小さくすることを抑制できるため、熱交換効率の低下を抑制することができる。
<本実施形態に係る熱交換器1の変形例>
(A)
上記実施形態では、第1ヘッダ形成部材133および第2ヘッダ形成部材134によって形成される空間に、図7に示すように、縦断面視において突出部135bの第3面137bが矩形状となるような補強部材135が配置されているが、本発明はこれに限られるものではない。
例えば、図9に示すように、突出部135bの第3面137bが空気流れ方向の上流側から下流側に向かって幅広となるような形状を有する補強部材135を用いてもよい。
この場合、扁平管11a〜11kの流路穴112のうち、空気流れ方向の下流側の流路穴112にも冷媒を流すことができる。すなわち、扁平管11a〜11kに形成される流路穴112のいずれかには冷媒が多く流れ、いずれかには冷媒があまり流れないといった偏流を抑制することができる。
(B)
上記実施形態では、第1ヘッダ形成部材133および第2ヘッダ形成部材134によって形成される空間に、櫛歯形状を有する補強部材135が配置されているが、本発明はこれに限られるものではない。例えば、図10に示すように、板状部材をプレス加工等によって蛇状に折り曲げることによって成形される部材を挿入してもよい。
この場合、冷媒が通る通路空間が上記実施形態よりも増加するので、ヘッダ13,14の耐圧強度の向上のほか、冷媒を各扁平管11a〜11kへより均等に分配させることが可能になる。また、この場合、補強部材135をプレス加工によって成形することができるので、コストを抑制することができる。
(C)
上記実施形態では、第1ヘッダ形成部材133および第2ヘッダ形成部材134によって形成される空間に、櫛歯形状を有する補強部材135が配置されているが、本発明はこれに限られるものではない。例えば、図11に示すように、ヘッダ13,14の長手方向に沿って波形に折り曲げられることによって構成される補強部材135を配置してもよい。
この場合、補強部材135をプレス加工によって成形することができるので、コストを抑制することができる。
(D)
上記実施形態では、補強部材135の突出部135bは、その突出部135bの上下の空間S2に各扁平管11a〜11kの端面が位置するように所定の間隔を空けているが、本発明はこれに限られるものではなく、種々の構成が可能である。例えば、隣接する突出部135bの間に2本の扁平管11a〜11kの端面が位置するような所定の間隔を空けていてもよい。
(E)
上記実施形態では、補強部材135は、ヘッダ13,14の長手方向に直交する断面視において空気流れの下流側部分を占めている(空間S2は除く)と説明したが、本発明はこれに限られるものではなく、ヘッダ13,14が高圧冷媒に耐えられるような耐圧強度を有していれば、補強部材135は、ヘッダ13,14の長手方向に直交する断面視において空気流れの下流側部分の全てを占めるような(空間S2は除く)形状でなくてもよい。
(F)
上記実施形態では、ヘッダ13,14は、その外周が複数の部材(第1ヘッダ13においては、第1ヘッダ形成部材133および第2ヘッダ形成部材134)から構成されると説明したが、本発明はこれに限られるものではなく、一部材から構成されるものであってもよい。
また、上記実施形態では、補強部材135は、一部材から構成されると説明したが、本発明はこれに限られるものではなく、複数の部材から構成されるものであってもよい。
(G)
上記実施形態では、二酸化炭素冷媒を用いているが、これに限られるものではなく、他の高圧の冷媒(例えば、炭化水素冷媒等)を用いてもよい。
本発明では、耐圧強度を向上しつつ、ヘッダの本来の機能を保持することができるので、有用である。
1 熱交換器
11a〜11k 扁平管
13 第1ヘッダ(ヘッダ)
14 第2ヘッダ(ヘッダ)
112 扁平管に形成される流路穴
135 補強部材
A1 第1円弧
A2 第2円弧
S1 ヘッダ内の空気流れの上流側の空間
S2 ヘッダ内の扁平管の端面の近傍の空間
特開2006−284133号公報

Claims (8)

  1. 空気と冷媒とを熱交換させる熱交換器(1)であって、
    冷媒が流れる流路穴(112)が形成される複数の扁平管(11a〜11k)と、
    前記扁平管(11a〜11k)が延びる方向に交差する方向に延び、各々の扁平管(11a〜11k)に異なる位置から挿入され、前記流路穴(112)と連通する内部空間が形成されるヘッダ(13,14)と、
    を備え、
    前記ヘッダ(13,14)は、
    前記扁平管(11a〜11k)の端面の近傍に扁平管近傍空間(S2)が形成されるように、且つ、少なくとも空気流れの上流側に、前記扁平管近傍空間(S2)に連通し前記ヘッダ(13,14)の長手方向に延びる連通空間(S1)が形成されるように、前記ヘッダ(13,14)の内部空間に配置されて前記ヘッダ(13,14)と一体化される補強部材(135)、
    を有する、
    熱交換器(1)。
  2. 前記ヘッダ(13,14)は、非円筒状の断面を有する、
    請求項1に記載の熱交換器(1)。
  3. 前記ヘッダ(13,14)は、複数の部材から構成される、
    請求項1または2に記載の熱交換器(1)。
  4. 前記補強部材(135)は、一部材から構成される、
    請求項1〜3のいずれかに記載の熱交換器(1)。
  5. 前記補強部材(135)は、縦断面視において櫛歯形状を有する、
    請求項1〜4のいずれかに記載の熱交換器(1)。
  6. 前記補強部材(135)は、板状の部材がプレス加工により折り曲げられることで成形される、
    請求項1〜4のいずれかに記載の熱交換器(1)。
  7. 前記ヘッダ(13,14)と前記補強部材(135)とは、ロウ付けによって一体化される、
    請求項1〜6のいずれかに記載の熱交換器(1)。
  8. 前記非円筒状の断面とは、略楕円状、略長円状、および、一方の第1円弧(A1)の第1半径と他方の第2円弧(A2)の第2半径とが異なり前記第1円弧(A1)と前記第2円弧(A2)とが直線または曲線によって結ばれる形状のいずれかである、
    請求項2に記載の熱交換器(1)。
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