JP2011074811A - 電動圧縮機 - Google Patents

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彰 橋本
Junichi Suzuki
淳一 鈴木
Mayumi Kobayashi
真由美 小林
Takayasu Saito
隆泰 斎藤
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Abstract

【課題】電動圧縮機の外部へのオイル吐出量が増大したり、オイル溜まりの油面が低下してオイル不足に陥る恐れがあった。
【解決手段】密閉容器12内に電動要素14とこの電動要素14にて駆動される回転圧縮要素(圧縮要素)32とを収納し、電動要素14を、固定子巻線28を備えた固定子22とこの固定子22内で回転する回転子24とから構成して成る回転圧縮機(ロータリコンプレッサ)10において、固定子22の外縁部に形成され、密閉容器12との間にオイル戻り通路80を構成する切欠22Aを備え、固定子巻線28のコイルエンドの合わせ目29A、29Bを、切欠22Aの範囲からずれた位置に配置した。
【選択図】図3

Description

本発明は、密閉容器内に、固定子巻線を備えた固定子と固定子内で回転する回転子にて構成された電動要素と、この電動要素にて駆動される圧縮要素とを収納して成る電動圧縮機に関するものである。
従来より、電動圧縮機、例えば、密閉容器内に電動要素と回転圧縮要素を収納してなる内部高圧型のロータリコンプレッサでは、密閉容器の内部空間の上側に電動要素が配置され、その下側に電動要素の回転軸により駆動される回転圧縮要素とを収納してなる。電動要素は、密閉容器内面に固定される固定子と、この固定子の内側に回転可能に設けられた回転子から構成され、固定子は回転子に回転磁界を与えるための固定子巻線を備えている。
また、回転圧縮要素は、シリンダと、回転軸に形成された偏心部に嵌合されて、シリンダ内で偏心回転するローラと、このローラに当接してシリンダ内を低圧室側と高圧室側に区画するベーンと、シリンダの上下に配置され、回転軸の軸受部を有する支持部材と、支持部材のシリンダに当接する面とは反対側の面を略椀状のカップ部材にて閉塞することにより形成された吐出消音室から構成されている。
係る構成で、ターミナル及び配線を介して固定子の固定子巻線に通電されると、電動要素が起動して回転子が回転する。この回転により回転軸と一体に設けられたシリンダ内の偏心部に嵌合されたローラがシリンダ内を偏心回転する。これにより、回転圧縮要素のシリンダの低圧室側に低温低圧の冷媒ガスが吸入される。そして、その冷媒ガスは、ローラとベーンの動作により圧縮されて高温高圧の冷媒ガスとなり、吐出消音室に吐出される。その後、吐出消音室の冷媒ガスは、密閉容器内に吐出され、この密閉容器内を通って、冷媒吐出管から外部に吐出されるものであった(例えば、特許文献1参照)。
特開2002−300744号公報
ところで、このような電動圧縮機では、回転軸の回転圧縮要素側の端部(下端)に給油手段としてのオイルポンプが設けられており、密閉容器内の底部に構成されたオイル溜まりから潤滑用のオイルを吸い上げて、回転圧縮要素の摺動部等に供給し、回転圧縮要素の摺動部の摩耗防止と、シールが行われていた。このため、回転圧縮要素に供給されたオイルの一部が回転圧縮要素で圧縮される冷媒ガス中に混入して冷媒ガスと共に密閉容器内に吐出されていた。この冷媒ガスに混入したオイルは、そのまま冷媒ガスと共にロータリコンプレッサ外部に吐出されてしまうと、オイル溜まりの油面が低下し、ロータリコンプレッサがオイル不足に陥る問題が生じてしまう。
そのため、冷媒吐出管を密閉容器の上側に配置して、回転圧縮要素から密閉容器内に吐出された冷媒ガスが外部に吐出されるまでに冷媒ガスが密閉容器内を通過する経路を出来るだけ長く確保して、冷媒ガスが密閉容器内を移動する過程でオイルを分離させたり、回転軸の上側にオイル分離板を設けるなどして、ロータリコンプレッサ外部へのオイル吐出量を減らす試みがなされていた。
更に、密閉容器の上部で冷媒ガスから分離されたオイルを底部のオイル溜まりに戻すためのオイル戻り通路を固定子と密閉容器の間に形成して、密閉容器の上部のオイルを底部のオイル溜まりに戻りやすくする工夫もなされていた。このオイル戻り通路は、図5に示すように固定子122の外周縁を軸心方向に数箇所切欠き、密閉容器の内面に取り付けた際に、この切欠122Aと密閉容器との間に形成される隙間をオイル戻り通路としたものである。
しかしながら、オイル戻り通路にて下側のオイル溜まりに戻ろうとするオイルの流れと、回転圧縮要素で圧縮され上側の冷媒吐出管に向かう冷媒ガスの流れとが対向流となるため、冷媒ガスの吐出の流れによって、オイル溜まりに戻ろうとするオイルの流れが阻害され、外部への吐出量が増大したり、オイル溜まりの油面が低下してオイル不足に陥る恐れがあった。
本発明は、係る従来の技術的課題を解決するために成されたものであり、電動圧縮機の外部へのオイル吐出量を減少させることを目的とする。
請求項1の発明の電動圧縮機は、密閉容器内に電動要素とこの電動要素にて駆動される圧縮要素とを収納し、電動要素を、固定子巻線を備えた固定子とこの固定子内で回転する回転子とから構成して成るものであって、固定子の外縁部に形成され、密閉容器との間にオイル戻り通路を構成する切欠を備え、固定子巻線のコイルエンドの合わせ目を、切欠の範囲からずれた位置に配置したことを特徴とする。
請求項2の発明の電動圧縮機は、上記発明において電動要素は圧縮要素の上側に配置されており、密閉容器内底部にオイル溜まりが構成されていることを特徴とする。
請求項3の発明の電動圧縮機は、密閉容器内に電動要素とこの電動要素にて駆動される圧縮要素とを収納し、電動要素を、固定子巻線を備えた固定子とこの固定子内で回転する回転子とから構成して成るものであって、固定子の外縁部に形成され、密閉容器との間にオイル戻り通路を構成する切欠を備え、固定子巻線のコイルエンドの合わせ目を塞ぐ遮蔽部材を設けたことを特徴とする。
請求項4の発明の電動圧縮機は、請求項3に記載の発明において遮蔽部材は、固定子巻線間を絶縁する絶縁紙であることを特徴とする。
請求項5の発明の電動圧縮機は、請求項3又は請求項4に記載の発明において、電動要素は圧縮要素の上側に配置されており、密閉容器内底部にオイル溜まりが構成されていることを特徴とする。
請求項6の発明の電動圧縮機は、請求項5に記載の発明において、遮蔽部材を、固定子巻線の下側のコイルエンドの合わせ目に設けたことを特徴とする。
請求項1の発明によれば、密閉容器内に電動要素とこの電動要素にて駆動される圧縮要素とを収納し、電動要素を、固定子巻線を備えた固定子とこの固定子内で回転する回転子とから構成して成る電動圧縮機において、固定子の外縁部に形成され、密閉容器との間にオイル戻り通路を構成する切欠を備え、固定子巻線のコイルエンドの合わせ目を、切欠の範囲からずれた位置に配置したので、オイル戻り通路を通過するオイルの流れが阻害される不都合を回避することができるようになる。
例えば、請求項2のように、電動要素は圧縮要素の上側に配置されており、密閉容器内底部にオイル溜まりが構成されているものとすれば、上記発明により、密閉容器内の上側からオイル戻り通路を通過して底部のオイル溜まり戻るオイルの流れを確保して、オイル溜まりの油面の低下を防ぐことができるようになる。これにより、電動圧縮機の性能及び信頼性の向上を図ることが可能となる。
請求項3の発明によれば、密閉容器内に電動要素とこの電動要素にて駆動される圧縮要素とを収納し、電動要素を、固定子巻線を備えた固定子とこの固定子内で回転する回転子とから構成して成る電動圧縮機において、固定子の外縁部に形成され、密閉容器との間にオイル戻り通路を構成する切欠を備え、固定子巻線のコイルエンドの合わせ目を塞ぐ遮蔽部材を設けたので、遮蔽部材によりオイル戻り通路を通過するオイルの流れが阻害される不都合を回避することができるようになる。
特に、上記請求項3に記載の発明において、請求項4の発明のように遮蔽部材を、固定子巻線間を絶縁する絶縁紙とすれば、絶縁紙によりオイル戻り通路を通過するオイルの流れが阻害されない構造を容易に作り出すことが可能となる。これにより、製造コストを抑えることが可能となる。
更に、上記請求項3又は請求項4に記載の発明において、請求項5の発明のように電動要素は圧縮要素の上側に配置されており、密閉容器内底部にオイル溜まりが構成されているものとすれば、密閉容器内の上側からオイル戻り通路を通過して底部のオイル溜まり戻るオイルの流れを確保して、オイル溜まりの油面の低下を防ぐことができるようになる。これにより、電動圧縮機の性能及び信頼性の向上を図ることが可能となる。
また、請求項5に記載の発明のように、電動要素を圧縮要素の上側に配置し、密閉容器内底部にオイル溜まりが構成されている場合には、請求項6の発明のように遮蔽部材を、固定子巻線の下側のコイルエンドの合わせ目に設けるだけで、十分にオイルの流れを確保して、オイル溜まりの油面の低下を防ぐことができるようになる。これにより、コストの高騰を極力抑えることが可能となる。
本発明を適用した一実施例の電動圧縮機の縦断側面図である。 電動要素の固定子の側面図である。 図2の固定子の平面図である。 他の実施例の固定子の平面図である(実施例2)。 従来の固定子の平面図である。
以下、図面に基づき本発明の実施の形態について、詳細に説明する。本実施例では、以下に詳述するように、密閉容器内に電動要素とこの電動要素により駆動される1つの回転圧縮要素を備え、回転圧縮要素で圧縮された冷媒を密閉容器内に吐出する内部高圧型のロータリコンプレッサに本発明を適用して説明するものとする。しかしながら、本発明は実施例の電動圧縮機にこれに限定されるものでなく、例えば、スクロール圧縮機やレシプロなどに適用しても差し支えないし、複数の圧縮要素を備えた多段圧縮式や多気筒型のロータリコンプレッサに適用しても、本発明は有効である。
図1は、本発明を適用した一実施例のロータリコンプレッサ(電動圧縮機)の縦断側面図、図2は電動要素の固定子の側面図、図3は図2の固定子の平面図をそれぞれ示している。実施例のロータリコンプレッサ10は、鋼板から成る縦型円筒状の密閉容器12内に、この密閉容器12の内部空間の上側に配置された駆動要素としての電動要素14と、この電動要素14の下側に配置され、電動要素14の回転軸16により駆動される回転圧縮要素32を収納して成る。
密閉容器12は電動要素14及び回転圧縮要素32を収納する容器本体12Aと、この容器本体12Aの上部開口を閉塞する略椀状のエンドキャップ(蓋体)12Bから成り、密閉容器12内の底部にはオイル溜まりが構成されている。このエンドキャップ12Bの上面には円形の取付孔12Dが形成され、この取付孔12Dには電動要素14に電力を供給するためのターミナル(配線を省略)20が取り付けられている。更に、エンドキャップ12Bには冷媒吐出管96が取り付けられ、この冷媒吐出管96の一端は電動要素14上側の密閉容器12内の上部空間と連通している。また、密閉容器12(容器本体12A)の底部には取付用台座11が設けられている。
電動要素14は、密閉容器12の上部空間の内周面に沿って環状に溶接固定された固定子22と、この固定子22の内側に回転軸16を中心にして回転自在に支持された回転子24とから構成されている。また、固定子22は、固定子4は回転子5に回転磁界を与える固定子巻線28を備える。
上記固定子22は、複数の薄板電磁鋼板を積層した固定子鉄心26からなり、この固定子鉄心26の歯部により構成されたスロット部には、分布巻方式の固定子巻線28が挿入されている。固定子巻線28は、主巻線28Aとその内側に配置された補助巻線28Bからなり、主巻線28Aと補助巻線28Bとの間は図示しない絶縁紙(絶縁部材)が挿入されて絶縁性が確保されている。
図1において、80はオイル戻り通路である。このオイル戻り通路80は、固定子22の固定子鉄心26の外周縁を複数箇所(本実施例では4箇所)軸心方向(上下方向)に切欠くことにより形成されたものである。即ち、固定子22(固定子鉄心26)を密閉容器12の容器本体12内面に取り付けた際に、この切欠かれた部分(切欠)22Aと密閉容器12の容器本体12Aの内面との間に隙間が構成されるので、この隙間をオイル戻り通路80としている。
また、前記回転子25も、固定子22と同様に複数の薄板電磁鋼板を積層した積層体にて構成されており、内部には図示しない磁石(永久磁石)が装着されている。
また、前記回転軸16の電動要素14側の端部(上端部)には回転子24の上側に位置してオイル分離板17が取り付けられている。一方、回転軸16の回転圧縮要素32側の端部(下端部)には給油手段としてのオイルポンプ18が設置されている。このオイルポンプ81は、密閉容器12内の底部に構成されたオイル溜まりから潤滑用のオイルを吸い上げて回転圧縮要素32の摺動部等に供給し、摩耗を防止し、且つ、シールを行うために設けられたものであり、このオイルポンプ18の下端はオイル溜まり内に位置している。
一方、図1において、38は回転圧縮要素32を構成するシリンダ、54は、シリンダ38の上面の開口部を閉塞すると共に、回転軸16の軸受部54Aを有する主支持部材としての上部支持部材、56はシリンダ38の下面の開口部を閉塞すると共に、回転軸16の軸受部56Aを有する下部支持部材である。
図1では図示されないが、シリンダ38内には、回転軸16に形成された偏心部に嵌合されてシリンダ38で偏心回転するローラと、このローラに当接してシリンダ38内を低圧室側と高圧室側に区画するベーン等が設けられている。
また、上部支持部材54のシリンダ38が位置する側とは反対側の面(上面)は、カップ部材63により覆われており、その内側にはシリンダ38で圧縮された高温高圧の冷媒が吐出される吐出吐出消音室62が設けられている。また、吐出消音室62と密閉容器12内とは、カップ部材63を貫通する図示しない吐出孔にて連通されており、この孔から吐出消音室62内の冷媒ガスが密閉容器12内に(具体的には、当該カップ部材63の上方に位置する電動要素14に向かって)吐出されることとなる。
前記密閉容器12の容器本体12Aの側面には、シリンダ38の図示しない吸込通路に対応する位置に、スリーブ91が溶接固定されている。そして、スリーブ91内にはシリンダ38に冷媒ガスを導入するための冷媒導入管92の一端が挿入接続され、この冷媒導入管92の一端はシリンダ38の吸込通路と連通する。この冷媒導入管92の他端はアキュムレータ98内にて開口している。
上記アキュムレータ98は吸込冷媒の気液分離を行うタンクであり、密閉容器12の容器本体12Aの上部側面にブラケット97を介して取り付けられている。そして、アキュムレータ98には冷媒導入管92が底部から挿入され、当該アキュムレータ98内の上方に他端が開口している。
以上の構成で次にロータリコンプレッサ10の動作を説明する。ターミナル20及び図示しない配線を介して電動要素14の固定子巻線28に通電されると、電動要素14が駆動して回転子24が回転する。この回転により回転軸16と一体に設けられたシリンダ38内の偏心部に嵌合された図示しないローラがシリンダ38内を偏心回転する。
これにより、アキュムレータ98内で液と分離された、気体の冷媒(冷媒ガス)のみが当該アキュムレータ98内に開口した冷媒吐出管92内に入る。冷媒導入管92に入った低圧の冷媒ガスは図示しない吸込通路を経て、回転圧縮要素32のシリンダ38の低圧室側に吸入される。
シリンダ38の低圧室側に吸入された冷媒ガスは、ローラとベーンの動作により圧縮されて高温高圧の冷媒ガスとなり、吐出消音室62内に吐出される。この吐出消音室62内に吐出された冷媒ガスは、カップ部材63に形成された前記吐出孔から密閉容器12内に吐出される。
密閉容器12内に吐出された高温高圧の冷媒ガスは、前記固定子22と回転子24の間に形成された隙間を通って、電動要素14の上側の密閉容器12内の上部空間に移動する。このとき、冷媒ガスと共に密閉容器12内に吐出されたオイルが、電動要素14の上方に位置する回転軸16の先端に取り付けられたオイル分離板17及びエンドキャップ12B等に衝突して冷媒ガスから分離される。その後、冷媒ガスは、エンドキャップ12Bに形成された冷媒吐出管96から外部に吐出される。
他方、密閉容器12内の上部において、冷媒ガスから分離したオイルは、回転子24の回転による遠心力で、密閉容器12の外周に移動し、固定子22と密閉容器12の間の前記オイル戻り通路80に入り、当該オイル戻り通路80を降下して、密閉容器12の底部のオイル溜まりに戻る。
ところで、このようなロータリコンプレッサ10では、底部のオイル溜まりに戻ろうとするオイル戻り通路80のオイルの流れと、回転圧縮要素32で圧縮され上部の冷媒吐出管96に向かおうとする冷媒ガスの流れとが対向流となるため、冷媒ガスの吐出の流れによって、オイル溜まりに戻ろうとするオイルの流れが阻害され、外部への吐出量が増大したり、オイル溜まりの油面が低下してオイル不足に陥る恐れがあった。
特に、本実施例のように、固定子22の固定子巻線28が、主巻線28Aと、補助巻線28Bの2つの一連の巻線から成る単相式の電動要素14を使用した場合、図2に示すようにスロット部に挿入した際に、各巻線28A、28Bのコイルエンドには隙間が生じやすく、更に、主巻線28A及びに補助巻線28Bにそれぞれ大きな合わせ目29A、29Bが生じてしまう。図5は従来の電動要素114の固定子122の平面図を示している。図5に示す従来の固定子122のように、主巻線128Aの合わせ目129A、129Aがオイル戻り通路を構成する切欠122Aに対応した位置に配置されると、回転圧縮要素から吐出され、固定子と回転子の隙間を通って上側に移動しようとする冷媒ガスが、各補助巻線128Bの隙間を介し、この合わせ目129A、129Aからオイル戻り通路(切欠122A)に流れ易くなる。これにより、オイル戻りが冷媒の流れによって著しく阻害され、外部へのオイル吐出量がより一層増大する問題が生じていた。
同様に、主巻線128Aの内側の補助巻線128Bの合わせ目129B、129Bがオイル戻り通路を構成する切欠122Aに対応した位置に配置された場合にも、冷媒ガスが合わせ目129B、129Bから主巻線128Aの隙間を経てオイル戻り通路(切欠122A)に流れ易くなり、オイル戻りが冷媒の流れによって著しく阻害されることとなる。
そこで、本発明はオイル戻り通路80におけるオイル戻りが冷媒の流れによって阻害される不都合を解消するために、固定子巻線28のコイルエンドの合わせ目を、切欠22Aの範囲からずれた位置に配置するものとする。具体的に、本実施例では、図3に示すように、固定子巻線28の主巻線28Aの合わせ目29A、29Aを切欠22Aから回転子24の回転方向に45°ずらして合わせ目29Aが切欠22A、22Aの間に位置するように配置するものとする。この場合、補助巻線28Bの合わせ目29B、29Bは、主巻線28Aの合わせ目29A、29Aから略90°ずれた位置、即ち、主巻線28Aの2つの合わせ目29A、29Aを結ぶ直線と、補助巻線28Bの2つの合わせ目29B、29Bを結ぶ直線とが略直交するように配置されているものとする。従って、補助巻線28Bの合わせ目29B、29Bも切欠22A、22Aの間に位置することとなる。
このように、固定子巻線28のコイルエンドの合わせ目29A、29Bを、切欠22Aの範囲からずれた位置に配置することで、合わせ目29B、29Bから外側(密閉容器12側)に流れようとする冷媒ガスの流れを切欠22Aの無い(即ち、密閉容器12と固定子22の間に隙間が無い)、密閉容器12の内面により遮断し、合わせ目29A、29Aから外側(密閉容器12側)に流れようとする冷媒ガスの流れを切欠22Aの無い、密閉容器12の内面により遮断することができるようになるので、これら合わせ目29A、29Bからオイル戻り通路80に冷媒ガスが流れ難くなる。
即ち、オイル戻り通路80を通過するオイルの流れが冷媒ガスの流れにより阻害され難くなり、密閉容器12内の上側からオイル戻り通路80を通過して底部のオイル溜まり戻るオイルの流れを確保することが可能となる。これにより、ロータリコンプレッサ10の外部へのオイル吐出量を低減して、オイル溜まりの油面の低下を防ぐことができるようになる。このため、ロータリコンプレッサ10が給油不足に陥る問題を解消することができるようになり、ロータリコンプレッサ10の性能及び信頼性の向上を図ることが可能となる。
尚、本実施例では、図3に示すように、固定子巻線28の主巻線28Aの合わせ目29A、29Aと、補助巻線28Bの合わせ目29B、29Bを固定子22の固定子鉄心26に形成された切欠22A、22Aの略中間となる位置に配置するものとしたが、本発明は、固定子巻線28のコイルエンドの合わせ目29A、29Bを、切欠22Aの範囲からずれた位置に配置すれば良く、図3の配置に限定されるものではない。
また、上記実施例1では、固定子巻線28のコイルエンドの各合わせ目29A、29Bを、切欠22Aの範囲からずれた位置に配置することにより、オイル戻り通路80におけるオイル戻りが冷媒の流れによって阻害される不都合を解消するものとしたが、図4に示すように、固定子巻線28のコイルエンドの合わせ目29A、29Bを遮蔽部材70により塞ぐことにより、オイル戻り通路80におけるオイル戻りが冷媒の流れによって阻害される不都合を解消するものとしても本発明は有効である。尚、図4において、前記図1乃至図3と同一の符号が付されているものは、同様、或いは、類似の効果、若しくは作用を奏するものであるので、ここでは説明を省略する。
図4に示す本実施例の固定子22は、図5に示す従来の配置と同様に、主巻線28Aの合わせ目29A、29Aがオイル戻り通路を構成する切欠22に対応した位置に配置されている。しかしながら、本実施例では、主巻線28Aの合わせ目29A、29A及び補助巻線28Bの合わせ目29B、29Bには遮蔽部材70が設けられており、遮蔽部材70により合わせ目29A、29Aと内側(回転軸16側)と、合わせ目29B、29Bの外側(密閉容器12側)が塞がれている。即ち、本実施例の遮蔽部材70は、各合わせ目29A、29A及び合わせ目29B、29Bに対応した主巻線28Aと補助巻線28Bとの間に設けられている。この遮蔽部材70は、各合わせ目29A、29Bを塞ぐことができるものであれば良く、例えば、遮蔽部材70を薄い板状の部材から構成し、これを合わせ目29Aの内側、及び、合わせ目の29Bの外側となる主巻線28Aと補助巻線28B間に取り付けるものとしても差し支えない。また、固定子巻線28の主巻線28Aと補助巻線28Bの間に設けられて、主巻線28Aと補助巻線28Bの間を絶縁する絶縁紙により各合わせ目29A、29Bを塞ぐものとし、当該絶縁紙が遮蔽部材70を兼用する構造としても有効である。
本実施例のように、固定子巻線28のコイルエンドの各合わせ目29A、29Bを遮蔽部材70により塞いだ場合にも、当該遮蔽部材70により各合わせ目29A、29Bから外側(密閉容器12側)に流れようとする冷媒ガスの流れを遮断することが可能となるので、前記実施例同様に、オイル戻り通路80を通過するオイルの流れが阻害される不都合を回避することができるようになり、オイル溜まりの油面の低下を防ぎ、ロータリコンプレッサ10の性能及び信頼性の向上を図ることが可能となる。
特に、絶縁紙にて遮蔽部材70を構成するものとした場合には、各合わせ目29A、29Bを塞ぐための部材を別途設けることなく、既存の絶縁紙によりオイルの流れが阻害されない構造を容易に作り出すことが可能となる。これにより、製造コストの高騰を抑えることが可能となる。
特に、本実施例のように電動要素14が回転圧縮要素32の上側に配置され、密閉容器12内底部にオイル溜まりが構成されている縦型のロータリコンプレッサでは、遮蔽部材70を、固定子巻線28の下側のコイルエンドの各合わせ目29A、29Bに設けるだけで、冷媒ガスがオイル戻り通路80に流れる不都合を回避し、オイル戻り通路80におけるオイルの流れを十分に確保して、オイル溜まりの油面の低下を防ぐことができるようになる。これにより、コストの高騰を極力抑えることが可能となる。
10 ロータリコンプレッサ(電動圧縮機)
11 取付用台座
12 密閉容器
12A 容器本体
12B エンドキャップ
12D 取付孔
14 電動要素
16 回転軸
17 オイル分離板
18 オイルポンプ
20 ターミナル
22 固定子
22A 切欠
24 回転子
26 固定子鉄心
28 固定子巻線
28A 主巻線
28B 補助巻線
29A 主巻線の合わせ目
29B 補助巻線の合わせ目
32 回転圧縮要素
38 シリンダ
54 上部支持部材
54A、56A 軸受部
56 下部支持部材
62 吐出消音室
63 カップ部材
70 遮蔽部材
91 スリーブ
92 冷媒導入管
96 冷媒吐出管
97 ブラケット
98 アキュムレータ

Claims (6)

  1. 密閉容器内に電動要素と該電動要素にて駆動される圧縮要素とを収納し、前記電動要素を、固定子巻線を備えた固定子と該固定子内で回転する回転子とから構成して成る電動圧縮機において、
    前記固定子の外縁部に形成され、前記密閉容器との間にオイル戻り通路を構成する切欠を備え、前記固定子巻線のコイルエンドの合わせ目を、前記切欠の範囲からずれた位置に配置したことを特徴とする電動圧縮機。
  2. 前記電動要素は前記圧縮要素の上側に配置されており、前記密閉容器内底部にオイル溜まりが構成されていることを特徴とする請求項1に記載の電動圧縮機。
  3. 密閉容器内に電動要素と該電動要素にて駆動される圧縮要素とを収納し、前記電動要素を、固定子巻線を備えた固定子と該固定子内で回転する回転子とから構成して成る電動圧縮機において、
    前記固定子の外縁部に形成され、前記密閉容器との間にオイル戻り通路を構成する切欠を備え、前記固定子巻線のコイルエンドの合わせ目を塞ぐ遮蔽部材を設けたことを特徴とする電動圧縮機。
  4. 前記遮蔽部材は、前記固定子巻線間を絶縁する絶縁紙であることを特徴とする請求項3に記載の電動圧縮機。
  5. 前記電動要素は前記圧縮要素の上側に配置されており、前記密閉容器内底部にオイル溜まりが構成されていることを特徴とする請求項3又は請求項4に記載の電動圧縮機。
  6. 前記遮蔽部材を、前記固定子巻線の下側のコイルエンドの合わせ目に設けたことを特徴とする請求項5に記載の電動圧縮機。
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