JP2011074565A - 型枠目地材のジョイント部材、目地付床および目地付床の施工方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】筒状部21と、型枠目地材を筒状部21の一方端部21aから挿入できるように、一方端部21aから他方端部21bに向かって軸方向に沿って筒状部21に設けられた複数のスリット22と、筒状部21の他方端部21bに設けられたベースプレート23と、ベースプレート23を床下地に固定するための固定孔24と、を有していることを特徴とする。
【選択図】図1
Description
床構成材料が気温の変化等で膨張および収縮すると、床構成材料にクラックが発生するおそれがある。そこで、床構成材料の膨張および収縮を吸収するため、弾性材料からなる目地を格子状に埋設した目地付床が利用されている。
目地付床の一般的な施工方法としては、地盤面に砕石の下地を敷設した後、床下地に床構成材料の型枠を設置する。具体的には、型枠材として木製の長板等を使用し、複数の型枠材を位置決めして格子状に配置する。なお、型枠材には離型材を塗布する。次に、型枠材で囲われた領域内にメッシュ筋を受けるためのスペーサを設置し、スペーサの位置調整を行いつつ、スペーサの上に所定の形状に組み上げたメッシュ筋を設置する。次に、型枠材で囲われた領域内に床構成材料を流し込み、養生硬化させる。そして、床構成材料が硬化した後に型枠材を脱型し、型枠材を抜いた溝部に目地材を設置して仕上げる。
そこで本発明は、目地付床施工時の作業効率を向上させて工期を短縮することが可能な型枠目地材のジョイント部材、目地付床および目地付床の施工方法の提供を課題とする。
本発明によれば、配設する型枠目地材の交点にジョイント部材を位置決めして配置することで、ジョイント部材のスリットに挿入される全ての型枠目地材の端部を位置決めすることができる。このように、ジョイント部材を1点で位置決めするだけで複数の型枠目地材の端部を位置決めできるので、従来のように配設する型枠材ごとに端部の位置決めを行い、位置を調整しながら配設する場合に比較して簡単である。したがって、作業効率を向上させて工期を短縮することができる。
本発明によれば、平面部を有することにより立ち壁に密着させた状態でジョイント部材を固定することができるので、立ち壁に近接させて型枠目地材を配設することができる。したがって、目地付床と立ち壁との間に隙間を設けることなく、目地付床を立ち壁に近接させて設置することができる。
本発明によれば、配設する型枠目地材の交点にジョイント部材を位置決めして配置することで、ジョイント部材のスリットに挿入される全ての型枠目地材の端部を位置決めすることができる。このように、ジョイント部材を1点で位置決めするだけで複数の型枠目地材の端部を位置決めできるので、従来のように配設する型枠材ごとに端部の位置決めを行い、位置を調整しながら配設する場合に比較して簡単である。したがって、作業効率を向上させて工期を短縮することができる。また、ジョイント部材を所望の位置に配設することにより、型枠目地材も所望の位置に配設することができる。したがって、目地付床の品質のばらつきを抑えることができる。
3個以上のジョイント部材に1本の型枠目地材を渡し架ける場合には、いずれかのジョイント部材の固定位置に誤差が生じると、全てのジョイント部材のスリットに型枠目地材を挿入することが困難になる。これに対して本発明によれば、型枠目地材の両端部を隣接するジョイント部材のスリットにそれぞれ挿入するので、ジョイント部材の固定位置に誤差が生じた場合でも、その誤差を容易に吸収して、全てのジョイント部材のスリットに型枠目地材を挿入することができる。したがって、きわめて簡単に型枠目地材を配設することができる。
床構成材料は、硬化する際に水分が蒸発することで収縮したり、硬化後も気温の変化等で膨張および収縮したりする。本発明によれば、弾性材料からなる芯材を有しているので、膨張および収縮により発生する応力を吸収し、床構成材料のクラックの発生を防止することができる。また、ジョイント部材間に渡し架けられる型枠目地材の芯材の水平方向の撓みを規制する規制部材を有しているので、液状の床構成材料を充填する際に芯材の側面に圧力がかかってもジョイント部材間で芯材の撓みが発生しない。このように、ジョイント部材のスリットに型枠目地材の芯材を挿入するだけで複数の型枠目地材を位置決めでき、位置決めした後に芯材の撓みも発生しないので、きわめて簡単に型枠目地材を配設することができる。
本発明によれば、ジョイント部材を覆うカバーが設けられているので、カバーに施すデザインを適宜設定することにより、様々な目地付床のデザインができる。したがって、目地付床のデザインの自由度を向上させることができる。
本発明によれば、配設する型枠目地材の交点にジョイント部材を位置決めして配置することで、ジョイント部材のスリットに挿入される全ての型枠目地材の端部を位置決めすることができる。このように、ジョイント部材を1点で位置決めするだけで複数の型枠目地材の端部を位置決めできるので、従来のように配設する型枠材ごとに端部の位置決めを行い、位置を調整しながら配設する場合に比較して簡単である。したがって、作業効率を向上させて工期を短縮することができる。
床構成材料は、硬化する際に水分が蒸発することで収縮したり、硬化後も気温の変化等で膨張および収縮したりする。本発明によれば、弾性材料からなる芯材を有しているので、膨張および収縮により発生する応力を吸収し、床構成材料のクラックの発生を防止することができる。また、ジョイント部材間に渡し架けられる型枠目地材の芯材の水平方向の撓みを規制する規制部材を有しているので、液状の床構成材料を充填する際に芯材の側面に圧力がかかってもジョイント部材間で芯材の撓みが発生しない。このように、ジョイント部材のスリットに型枠目地材の芯材を挿入するだけで複数の型枠目地材を位置決めでき、位置決めした後に芯材の撓みも発生しないので、きわめて簡単に型枠目地材を配設することができる。
カバーを取り付けてから床構成材料を充填する場合、カバー下に隙間なく床構成材料が充填されているかどうかを目視確認するのが困難である。また、床構成材料が硬化した後に床構成材料にカバーを取り付ける場合、カバーを強固に固定するのが困難である。本発明によれば、床構成材料を充填した後にカバーを取り付けるので、カバー下に隙間なく床構成材料が充填されていることを確認してからカバーを取り付けることができる。また、液状の床構成材料が硬化する前にカバーを取り付けるので、カバーの一部を硬化前の床構成材料に挿入することでカバーを強固に固定することができる。
また、ジョイント部材を覆うカバーを取り付けるカバー設置工程を有するので、カバーに施すデザインを適宜設定することにより、様々な目地付床のデザインができる。したがって、目地付床のデザインの自由度を向上させることができる。
(第1実施形態、型枠目地材のジョイント部材)
最初に、第1実施形態の型枠目地材のジョイント部材について説明する。
図1は第1実施形態のジョイント部材の斜視図である。ジョイント部材20は、例えば樹脂や金属等からなる略有底筒状の部材であり、射出成型やプレス加工等により形成される。
図1に示すように、本実施形態の型枠目地材のジョイント部材20は、筒状部21と、型枠目地材を筒状部21の一方端部21aから挿入できるように、一方端部21aから他方端部21bに向かって軸方向に沿って筒状部21に設けられた複数のスリット22と、筒状部21の他方端部21bに設けられたベースプレート23と、ベースプレート23を床下地に固定するための固定孔(固定手段)24と、を有している。
筒状部21は、例えば直径150mm程度、軸方向の長さ120mm程度の円筒形状であり、一方端部21aは開放されており、他方端部21bには後述するベースプレート23が設けられている。
スリット22は、筒状部21の一方端部21aから型枠目地材を挿入できるように、一方端部21aから他方端部21bに向かって軸方向に沿って筒状部21に設けられている。スリット22は、筒状部21の円周方向におけるスリット幅が例えば50mm程度に形成され、筒状部21の軸方向におけるスリット長さが例えば100mm程度に形成されている。このようなスリット22が、筒状部21の円周方向に沿って略等間隔に例えば8スリット形成されている。
ベースプレート23は、筒状部21と一体成型された樹脂や金属等からなる部材である。なお、筒状部21とは別部材のベースプレート23を樹脂インジェクション(射出成型)やプレス加工等で形成し、そのベースプレート23を筒状部21に接着材や溶接等で接合して一体化してもよい。ベースプレート23の平面形状は、本実施形態では筒状部21よりも大きな直径を有する円形状であるが、必ずしも円形状である必要はなく、楕円形状や三角形状、四角形状等でもよい。
固定孔24は、格子状に配設される型枠目地材の交点に位置決めされる部分であり、ジョイント部材20の中心に設けられている。固定孔24は、後述するように、例えばアンカーを床下地に打ち込んでベースプレート23を固定するための固定手段である。他に固定孔24を固定手段として用いる例としては、床下地からボルトを立設させて固定孔24に通し、ナットを用いて固定する方法がある。
また、他にジョイント部材20を固定する方法としては、例えばベースプレート23側にアンカーを設け、アンカーを打ち込むことによりジョイント部材20を床下地に固定する方法が考えられる。この場合の固定手段はベースプレート23に設けられたアンカーであるが、例えば樹脂インジェクションでベースプレート23とアンカーを一体成型等することにより、ベースプレート23にアンカーを設けることができる。
次に、本実施形態の目地付床につき図面を参照して説明する。以下の説明では、目地付床の床表面側を+Z側とし、床下地側を−Z側とする。
図2は床構成材料打設前の目地付床の斜視図である。
図2に示すように、本実施形態の目地付床10は、離間した状態で床下地70に固定されている複数のジョイント部材20と、ジョイント部材20に設けられたスリット22に挿入され、離間したジョイント部材20,20間に渡し架けられる型枠目地材30と、型枠目地材30で囲われた領域内に打設されている床構成材料(不図示)と、を備えている。
ジョイント部材20は、固定孔24を通してアンカーを打ち込むことにより床下地70に固定されている。本実施形態の目地付床10は、型枠目地材30で囲われた領域の形状が例えば正方形となっており、その正方形の四隅にジョイント部材20が離間した状態で配置されている。なお、目地付床10の形状は正方形に限られるものではなく、スリット22のピッチやスリット数、型枠目地材30の長さ等を変更することにより、長方形状や三角形状、六角形状等に変更可能である。
図3は型枠目地材30を示す説明図であり、図3(a)は補強目地材(規制部材)が装着された型枠目地材30の斜視図であり、図3(b)は固定部材(規制部材)が装着された型枠目地材30の斜視図である。
図3(a)に示すように、型枠目地材30は、ジョイント部材に設けられたスリットに挿入される芯材31と、芯材31の水平方向への撓みを規制する補強目地材32と、を有している。
芯材31は、弾性材料により構成され、例えば、ポリスチレンフォーム等の発泡樹脂材料を採用することができる。芯材31は長板状の部材であり、射出成型や押出成形等により形成される。芯材31の幅は、ジョイント部材のスリット幅と略同一の幅に形成される。芯材31の長さは、図2に示すように、隣接するジョイント部材20,20の間隔(固定孔24の中心同士を結んだ距離)と略同一、またはそれよりも若干短く形成する。
補強目地材32は断面形状が略U字形状に形成され、その内側には芯材31を挿入するための挿入溝32aが形成されている。挿入溝32aの幅は芯材31よりも狭い幅で一定に形成されるか、+Z側端部の幅を芯材31と略同一の幅とし、+Z側から−Z側に向かうに従い幅が縮小し、−Z側端部の幅が芯材31よりも狭い幅となるように形成される。これにより、補強目地材32が芯材31を挟み込んで強固に保持するので、作業時に芯材31から補強目地材32が外れて脱落するのを防止できる。挿入溝32aの深さは、前述のとおり芯材31の側面の上部を覆うように形成される。芯材31と補強目地材32とを合わせた型枠目地材30全体の高さは、床構成材料を打設した後の床構成材料の表面と略面一になるように、すなわち目地付床10の表面に補強目地材32が露出するように形成される。これにより、表面に露出した補強目地材32で目地付床10の目地を形成することができる。
固定部材36は、鉄等の金属材料からなる部材であり、固定部材36の+Z側には芯材挿入部37が形成され、−Z側にはアンカー部38が形成されている。
芯材挿入部37とアンカー部38とは別部材で形成しており、芯材挿入部37はプレス加工等で形成し、アンカー部38は鍛造等で形成する。そして、芯材挿入部37とアンカー部38とを溶接等で接合することにより固定部材36を形成している。
芯材挿入部37は断面形状が略U字形状に形成され、その内側には芯材31を挿入するための挿入溝37aが形成されている。挿入溝37aの幅は、前述の補強目地材32の幅と略同一の幅で形成されている。これにより、固定部材36が芯材31を挟み込んで強固に保持するので、作業時に芯材31から固定部材36が外れて脱落するのを防止できる。なお、他の固定部材36の固定方法としては、芯材挿入部37に孔を設け、ピンを挿入して芯材31に固定部材36を固定する方法等がある。また、挿入溝37aの長さは挿入溝37aの幅と略同一の長さで形成されている。
アンカー部38は、+Z方向の芯材挿入部37との接合面39は円形状となっており、−Z方向の端部は尖塔形状となっている、略円錐形状をしている。接合面39の直径は、挿入溝37aの幅および芯材挿入部37の長さと略同一か、挿入溝37aの幅および芯材挿入部37の長さよりも若干小さくなっている。これにより、アンカー部38の接合面39の周縁部を芯材挿入部37に確実に溶接することができる。アンカー部38の長さは、ジョイント部材に芯材31を配置したときの芯材31の−Z側面から床下地までの距離よりも若干長く、例えば30mm程度に形成される。これにより、芯材31に固定された固定部材36のアンカー部38が床下地に食い込むので、芯材31の水平方向への撓みを規制することができる。
固定部材36は、例えば芯材31の−Z側面の長手方向中央部に1個配置する。これにより、床構成材料を充填する際に芯材31の側面に圧力がかかっても、芯材31の長手方向中央部に配置した固定部材36により固定されているので、ジョイント部材間で芯材の撓みが発生しない。なお、芯材31の側面に大きな圧力が作用する場合には、芯材31の長手方向に、略等間隔に複数個の固定部材36を配置することで対応できる。
本実施形態の目地付床10は、図4に示すように、型枠目地材30で囲われた領域内に打設されている床構成材料60を備えている。すなわち、離間配置されたジョイント部材20間に型枠目地材30を順次渡し架けることで、型枠目地材30で囲われた領域が形成され、この領域内に床構成材料60が打設されている。
床構成材料60は、コンクリート材やモルタル材等からなる部材であり、型枠目地材30で囲われた領域内に液状の床構成材料60を流し込むことにより打設する。図4に示すように、前述したジョイント部材20ならびに、次述するメッシュ筋40およびスペーサを埋め込みつつ、型枠目地材30の上面と略同一の高さまで床構成材料60を打設する。床構成材料60は、硬化する際に水分が蒸発することで収縮したり、硬化後も気温の変化等で膨張および収縮したりするが、この際に発生する応力は、弾性材料からなる芯材31により吸収される。これにより、床構成材料60のクラックの発生を防止することができる。
床構成材料60には、メッシュ筋40が埋設されている。メッシュ筋40は、鉄等の金属からなる棒状の部材であり、市販品を使用することができる。例えばスペーサ42を用いることで、床下地70から離間した状態でメッシュ筋40を格子状に複数本設置する。これにより、目地付床10の強度を上げることができる。
図5(a)はカバー50の正面図であり、図5(b)はカバー50の底面図であり、図5(c)はカバー50をジョイント部材に装着したときの図5(b)のB−B線に相当する部分における断面図である。カバー50は、目地付床の表面に露出するカバー本体と、カバー本体から立設されジョイント部材に係合する埋め込み部54と、を備えている。
カバー50は、表面52にデザインが施されている、例えば樹脂や金属等からなる正方形の部材であり、射出成型やプレス加工等により形成される。
カバー50の一辺の長さをジョイント部材20の筒状部21の外径よりも長い寸法とすることで、カバー50によりジョイント部材20を覆うことができる。なお、カバー50の形状は正方形に限られるものではなく、ジョイント部材20を覆うことができれば、円形状や長方形状、三角形状、六角形状等にも形成可能である。
図5に示すように、カバー50から−Z側に向けて、ジョイント部材20と係合する埋め込み部54が立設されている。埋め込み部54は、カバー50の外形が形成されるときに射出成型やプレス加工等により同時に形成される。
埋め込み部54は、短冊状の円弧形状に形成されており、所定の間隔をあけて円周状に配置される。埋め込み部54が配置された円周の外径は、ジョイント部材20の筒状部21の内径と略同一である。また、隣り合う埋め込み部54,54の間隔はジョイント部材のスリット幅と略同一である。そして、埋め込み部54の先端にはジョイント部材の筒状部21と係合する爪部56が形成され、ジョイント部材20の筒状部21には孔部26が形成されている。これにより、孔部26に爪部56を係合してカバー50を取り付けることができる。
上記は、カバー50の取り付け方法の一例である。他のカバー50の取り付け方法としては、例えば、カバー50の埋め込み部54をピン形状とし、床構成材料を充填後、硬化する前に埋め込み部54を床構成材料に挿入して取り付ける方法がある。この場合、ジョイント部材20に係合することなくカバー50を取り付けることができる。
本実施形態によれば、配設する型枠目地材30の交点にジョイント部材20を位置決めして配置することで、ジョイント部材20のスリット22に挿入される全ての型枠目地材30の端部を位置決めすることができる。このように、ジョイント部材20を1点で位置決めするだけで複数の型枠目地材30の端部を位置決めできるので、従来のように配設する型枠材ごとに端部の位置決めを行い、位置を調整しながら配設する場合に比較して簡単である。したがって、作業効率を向上させて工期を短縮することができる。
次に、本実施形態の型枠目地材のジョイント部材を用いた目地付床の施工方法の工程につき図面を参照して説明する。
目地付床10の施工方法は、複数のジョイント部材20を、離間した状態で床下地70に固定するジョイント部材配置工程(図6参照)と、スリット22に挿入される芯材31を有している型枠目地材30の芯材31をスリット22に挿入して、離間したジョイント部材20,20間に型枠目地材30を渡し架けることにより型枠目地材30で囲われた領域を設ける型枠目地材配設工程(図6参照)と、型枠目地材30で囲われた領域内に床構成材料60を打設する打設工程(図7参照)と、を有している。
まず、図6に示すとおり、複数のジョイント部材20を、離間した状態で床下地70に固定するジョイント部材配置工程を行う。
具体的には、配設する複数の型枠目地材30の交点を床下地70上で特定し、さらにその交点にジョイント部材20の固定孔24の位置決めを行う。そして、固定孔24を通してアンカー26を床下地70に打ち込み、ベースプレート23を床下地70に固定することによりジョイント部材20を配置する。
具体的には、固定されたジョイント部材20に設けられているスリット22に型枠目地材30の芯材31を挿入して型枠目地材30を配設する。ここで、ジョイント部材20のスリット22に型枠目地材30の端部を挿入することで、型枠目地材30の端部を自動的に位置決めできる。挿入する型枠目地材30の芯材31には、前述のように水平方向への撓みを規制する規制部材(本実施形態では補強目地材32)が予め装着されている。これにより、後述する打設工程において芯材31の水平方向への撓みを規制することができる。
そして、離間したジョイント部材20,20間に複数の型枠目地材30を順次渡し架けることにより、型枠目地材30で囲われた領域を設ける。なお、型枠目地材30を渡し架けた後、型枠目地材30で囲われた領域内に、床下地70から離間した状態で支持するようにメッシュ筋40を配筋する。例えば、スペーサ42を用いることにより床下地70から離間した状態でメッシュ筋を支持して配筋することができる。型枠目地材30で囲われた領域内に複数のメッシュ筋40を格子状に配筋することにより、目地付床の強度を上げることができる。
図7は、目地付床の施工方法の工程のうち、打設工程を示す工程図である。
打設工程は、型枠目地材30で囲われた領域内に、液状の床構成材料60を充填する充填工程と、充填された液状の床構成材料60が硬化する前に、ジョイント部材20を覆うカバー50を取り付けるカバー設置工程と、を有する。
具体的には、ジョイント部材20およびメッシュ筋(不図示)を埋め込みつつ、型枠目地材30と略同一の高さになるまで床構成材料60を流し込む。ここで、床構成材料60を充填する際に芯材31の側面に圧力がかかる。しかし、芯材31の水平方向の撓みを規制する補強目地材32が装着された型枠目地材30をスリット22に挿入する型枠目地材設置工程を有するので、ジョイント部材20,20間で芯材31の撓みが発生しない。このように、ジョイント部材20のスリット22に芯材31を挿入するだけで複数の型枠目地材30を位置決めでき、位置決めした後に芯材31の撓みも発生しないので、きわめて簡単に型枠目地材30を配設することができる。
その後、床構成材料を養生硬化させる。
本発明によれば、床構成材料60を充填した後にカバー50を取り付けるので、カバー50下に隙間なく床構成材料60が充填されていることを確認してからカバー50を取り付けることができる。また、液状の床構成材料60が硬化する前にカバー50を取り付けるので、カバー50の埋め込み部54を硬化前の床構成材料60に挿入することでカバー50を容易に固定することができる。
図8は第2実施形態のジョイント部材の説明図であり、図8(a)はジョイント部材の平面図であり、図8(b)はジョイント部材の斜視図である。
図1に示す第1実施形態のジョイント部材20は概略軸対称形状であったが、図8(a)および図8(b)に示す第2実施形態のジョイント部材120では、ベースプレート123を床下地に固定したときに、立ち壁に面接触しうる平面部25を備えている点で第1実施形態と異なっている。なお、第1実施形態と同様の構成となる部分については、詳細な説明を省略する。
筒状部121の軸直角断面は円弧部および直線部を備えた略半円形状となっており、その円弧部に曲面部が形成され、直線部に平面部25が形成されている。
図8(b)に示すように、スリット22は、筒状部121の曲面部にのみ設けられ、立ち壁に面接触しうる平面部25には設けられていない。
ベースプレート123の平面形状は、本実施形態では筒状部121よりも大きな略半円形状であるが、必ずしも略半円形状である必要はなく、半楕円形状や三角形状、四角形状等でもよい。ただし、立ち壁と干渉しないように、平面部25から突出しない形状となる。
次に、本実施形態の型枠目地材のジョイント部材を用いた目地付床につき図9を用いて説明する。
図9は床構成材料打設前の目地付床の斜視図である。図9に示すように、立ち壁71の近傍における目地付床10は、第1実施形態のジョイント部材20に加えて、第2実施形態のジョイント部材120を用いて形成されている。
そして、床構成材料が型枠目地材30で囲われた領域内に流し込まれることにより打設されている。型枠目地材30が立ち壁71に近接した状態で配設されているので、目地付床10を立ち壁71に極力近接させて設置することができる。
例えば、本実施形態では2個のジョイント部材に1本の型枠目地材を渡し架けたが、3個以上のジョイント部材に1本の型枠目地材を渡し架けてもよい。ただし、3個以上のジョイント部材に1本の型枠目地材を渡し架ける場合には、いずれかのジョイント部材の固定位置に誤差が生じると、全てのジョイント部材のスリットに型枠目地材を挿入することが困難になる。これに対して本実施形態によれば、型枠目地材の両端部が隣接するジョイント部材のスリットにそれぞれ挿入されるので、ジョイント部材の固定位置に誤差が生じた場合でも、その誤差を容易に吸収して、全てのジョイント部材のスリットに型枠目地材を挿入することができる。したがって、きわめて簡単に型枠目地材を配設することができる。
また、本実施形態では、ジョイント部材にカバーを設けた場合の説明をしたが、カバーは設けなくてもよい。カバーを設けない場合には、隣り合う芯材同士を密着するように配置すればよい。
Claims (9)
- 筒状部と、
型枠目地材を前記筒状部の一方端部から挿入できるように、前記一方端部から他方端部に向かって軸方向に沿って前記筒状部に設けられた複数のスリットと、
前記筒状部の前記他方端部に設けられたベースプレートと、
前記ベースプレートを床下地に固定するための固定手段と、
を有することを特徴とする型枠目地材のジョイント部材。 - 前記ベースプレートを前記床下地に固定したときに、立ち壁に面接触しうる平面部を有することを特徴とする請求項1に記載の型枠目地材のジョイント部材。
- 離間した状態で前記床下地に固定されている、請求項1または2に記載の複数の前記ジョイント部材と、
前記ジョイント部材に設けられた前記スリットに挿入され、離間した前記ジョイント部材間に渡し架けられる前記型枠目地材と、
前記型枠目地材で囲われた領域内に打設されている床構成材料と、
を備えていることを特徴とする目地付床。 - 前記型枠目地材の両端部が、隣接する前記ジョイント部材の前記スリットにそれぞれ挿入されていることにより、前記型枠目地材が前記隣接するジョイント部材間に渡し架けられていることを特徴とする請求項3に記載の目地付床。
- 前記型枠目地材は、
弾性材料からなる芯材と、
前記芯材の水平方向への撓みを規制する規制部材と、
を有していることを特徴とする請求項3または4に記載の目地付床。 - 前記ジョイント部材を覆うカバーが設けられていることを特徴とする請求項3から5のいずれか1項に記載の目地付床。
- 請求項1または2に記載の複数の前記ジョイント部材を、離間した状態で前記床下地に固定するジョイント部材配置工程と、
前記型枠目地材を前記スリットに挿入して、離間した前記ジョイント部材間に渡し架けることにより前記型枠目地材で囲われた領域を設ける型枠目地材配設工程と、
前記型枠目地材で囲われた領域内に床構成材料を打設する打設工程と、
を有することを特徴とする目地付床の施工方法。 - 前記型枠目地材は、
弾性材料からなる芯材と、
前記芯材の水平方向への撓みを規制する規制部材と、
を有していることを特徴とする請求項7に記載の目地付床の施工方法。 - 前記打設工程は、
前記型枠目地材で囲われた領域内に、液状の前記床構成材料を充填する充填工程と、
充填された前記液状の床構成材料が硬化する前に、前記ジョイント部材を覆うカバー
を取り付けるカバー設置工程と、
を有することを特徴とする請求項7または8に記載の目地付床の施工方法。
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