JP2011074006A - 油性固形化粧料 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 次の成分(a)〜(c);(a)炭化水素系ワックス、(b)トリメリト酸エステル、(c)ダイマー酸エステルを配合することにより、使用時のべたつきがなく、透明性、ツヤに優れた油性固形化粧料に関する。
【選択図】なし
Description
したがって、塗布した時のツヤに優れ、べたつきがなく、携帯や使用性がよい油性固形化粧料が求められている。
本発明に用いられる成分(a)の炭化水素系ワックスは、合成炭化水素ワックス及び天然より抽出し、精製されるものがあり、具体的には、(エチレン/プロピレン)コポリマー、ポリエチレンワックス、フィッシャートロプシュワックス、マイクロクリスタリンワックス、オゾケライトワックス、パラフィンワックス、セレシンワックス等が挙げられ、中でも特に、(エチレン/プロピレン)コポリマー、ポリエチレンワックス、フィッシャートロプシュワックス、水添マイクロクリスタリンワックス等が好ましく、このような成分(a)は、市販品として、EPSワックス(融点90〜99℃:日本ナチュラルプロダクツ社製)、PERFORMALENE 500(融点83〜92℃:ニューフェーズテクノロジー社製)、PERFORMALENE 655(融点96〜102℃:ニューフェーズテクノロジー社製)、CIREBELLE 109L(融点91〜96℃:CIREBELLE社製)、CIREBELLE 108(融点79〜84℃:CIREBELLE社製)等が例示できる。
ールとのトリエステルをいい、トリメリト酸と炭素数10〜13の飽和の直鎖状或いは分岐鎖を有するアルコールを脱水縮合させたものをさす。性状は、液状もしくは半固形状が好ましく、25℃における粘度が100〜1000mPa・sであることが好ましく、屈折率は1.45〜1.5のものが好ましい。成分(b)のトリメリト酸と脱水縮合させるアルコールは、炭素数10〜13のものが、品質安定性を向上させる点において優れている。具体的には、トリメリト酸トリデシル、トリメリト酸トリウンデシル、トリメリト酸トリドデシル、トリメリト酸トリトリデシル、等が挙げられる。この中でも特に、トリメリト酸トリオクチル、トリメリト酸トリトリデシルが艶の向上、高温での経時安定性上の点から好ましい。市販品としては、リポケミカルズ社製のLIPONATE TDTM(粘度565mPa・s、屈折率1.48)等が挙げられる。
R3OCO−R1−(−COO−R2−OCO−R1−)n−COOR3・・(1)
(式中、R1はダイマー酸残基を、R2はダイマージオール残基を、R3はイソステアリルアルコール残基を示し、nは4〜6の数を示す。)
ダイマージオールは、前記ダイマー酸及び/又はその低級アルコールエステルを触媒存在下で水素添加して、ダイマー酸のカルボン酸部分をアルコールとした炭素数36程度のジオールを主成分としたものである。市販品としては、例えばPRIPOL2033等(ユニケマ社製)が挙げられる。
イソステアリルアルコールは、ダイマー酸の副産物から得られた脂肪酸を還元して得られるものや、ガーベット法により得られるもの、アルドール縮合法により得られるもの等が挙げられるが、特に限定されず、いずれのものも使用することもできる。市販品としては、例えばSpeziol C18 ISOC(コグニス社製)等が挙げられる。
成分(c)の製造において、中間体としてオリゴマーエステルを得る場合、中間体であるダイマー酸とダイマージオールとのオリゴマーエステルは、それぞれ仕込み比を変えることにより、得られるエステルの平均エステル化度や平均分子量を調整することができる。その仕込み比の範囲は、ダイマー酸1モル当量に対してダイマージオールを0.4〜0.9モル当量であることが好ましい。更に、イソステアリルアルコールでエステル化する場合、残存するカルボキシル基に対し0.8〜1.5モルであることが好ましい。
酸化防止剤としては、例えばα−トコフェロール、アスコルビン酸等、美容成分としては例えばビタミン類、消炎剤、生薬等、防腐剤としては、例えばパラオキシ安息香酸エステル、フェノキシエタノール、1,2−ペンタンジオール等が挙げられる。
紫外線吸収剤としては、例えばベンゾフェノン系、PABA系、ケイ皮酸系、サリチル酸系、4−tert−ブチル−4’−メトキシジベンゾイルメタン、オキシベンゾン等が挙げられる。
表1に示す組成のスティック状口紅を下記の製造方法により調整し、各試料について(イ)べたつきのなさ、(ロ)ツヤ、(ハ)膜の均一性、(ニ)スティック形状の成型の評価を行い、その結果も併せて表1に示した。
注2:PERFORMALENE 655(融点96〜102℃:ニューフェーズテクノロジー社製)
注3:CIREBELLE 109L(融点91〜96℃:CIREBELLE社製)
注4:LIPONATE TDTM(リポケミカルズ社製)
注5:LUSPLAN DA−DD−IS(日本精化社製)
A:成分1〜11を110℃に加温して溶解する。
B:Aに成分12〜14を加え均一に混合し、成分15〜18を添加し均一混合する。
C:Bを脱泡後、90℃にて口紅容器に充填してスティック状口紅を得る。
(イ)べたつきのなさ、(ロ)ツヤ、(ハ)膜の均一性については、専門パネル20名による使用テストを行い、パネル各人が塗布後の化粧膜を、下記絶対評価にて7段階に評価し評点を付け、各資料毎にパネル全員の評点合計から、その平均値を算出し、下記4段階判定基準により判定した。
(絶対評価)
(評点):(評価)
6 :非常に良い
5 :良い
4 :やや良い
3 :普通
2 :やや悪い
1 :悪い
0 :非常に悪い
<判定基準>
(評点の平均値) :(判定)
5点を超える :◎ 非常に良好
3点を超える5点以下:○ 良好
1点を超える3点以下:△ やや不良
2点以下 :× 不良
(判定)
○ :成型できた
× :成型できない
(成分) (%)
1.ポリブテン 50
2.トリイソステアリン酸ジグリセリル(注6) 残量
3.メチルフェニルポリシロキサン 5
4.パルミチン酸デキストリン 10
5.トリ2−エチルヘキサン酸グリセリル 20
6.流動パラフィン 8
7.ジブチルヒドロキシトルエン 0.011
8.フェノキシエタノール 0.3
9.シリル化処理無水ケイ酸(注7) 2
10.軽質炭酸カルシウム 0.1
11.赤色202号 2
12.黄色4号 1.2
13.酸化鉄 0.18
14.酸化チタン 0.6
(注6)コスモール43V(日清オイリオ社製)
(注7)AEROSIL R972(日本アエロジル社製)
(製造方法)
A:成分3〜6を110℃に加温して溶解し混合する。
B:Aに成分7〜10を加え均一に分散する。
C:Bに成分1〜2、11〜14を加え均一に分散する。
D:90℃にて容器に流し込み充填する。
実施例1〜8及び比較用油性固形リップグロスを溶融し、ガラス板上に膜厚100μmのドクターブレードで被膜を形成させ、測定サンプルとする。これをグロスメーターVG−7000(日本電色工業社製)を用い、入射角45℃の正反射光強度を測定した。その結果、実施例1〜8と比較用油性固形リップグロスは入射角45℃において同等の正反射強度を示した。
べたつきに関しては、実施例1〜8及び比較用油性固形リップグロスを溶融し、ガラス板の中心に0.8gのせる。その上に重さ5.64gのナイロン板を重ねて置き、その上に120gの重りをのせて10秒間おき、接着させた後、重りを除去する。これを、ガラス面側を、地面から垂直な壁に貼り付けて、ナイロン板がガラス板から完全にずり落ちる時間を測定し、距離と時間からずり落ち速度を算出した。これを試料のべたつきとして判断した。
その結果、比較用油性固形リップグロスでは、ナイロン板は半日以上不動であり、ずり落ちることはなかったが、実施例1〜8は20秒以内にナイロン板がガラス板から完全にずり落ちた。
(成分) (%)
1.炭化水素系ワックス(注2) 8
2.トリメリト酸のエステル化合物(注4) 10
3.ダイマー酸のエステル化合物(注5) 15
4.リンゴ酸ジイソステアリル 残量
5.流動パラフィン 10
6.煙霧状シリカ(注8) 5
7.赤202号 2
8.黄色4号 1.2
9.酸化チタン 0.6
10.黒酸化鉄 0.18
11.シリコーン処理酸化チタン被覆ガラスフレーク 3
(注8)AEROSIL300(日本アエロジル社製)
(製造方法)
A:成分1〜5を110℃に加温して溶解する。
B:Aに6〜11を加え、均一に混合する。
C:Bを脱泡後、90℃にて口紅容器に充填して製品とする。
本発明のリップグロスは化粧膜のツヤ、べたつきのなさ、透明感の全ての点において優れたものであった。
(成分) (%)
1.フィッシャートロプシュワックス(注3) 8
2.炭酸ジアルキル(C14,15) 10
3.イソオクタン酸セチル 残量
4.セスキオレイン酸ソルビタン 1
5.p−メトキシケイ皮酸−2−エチルヘキシル 5
6.トリメリト酸のエステル化合物(注4) 10
7.ダイマー酸のエステル化合物(注5) 8
8.ジメチルポリシロキサン 10
9.煙霧状シリカ(注8) 0.5
10.セリサイト 10
11.球状シリカ 10
12.球状ポリスチレンパウダー 5
13.酸化チタン 10
14.ベンガラ 1
15.黒酸化鉄 0.5
16.黄酸化鉄 3
17.防腐剤 0.2
18.精製水 1
(製造方法)
A:成分1〜3を100℃に加温して溶解する。
B:Aに4〜18を加え、均一に混合する。
C:Bを脱泡後、80℃にて皿に流し込み、室温まで冷却して製品とする。
本発明のファンデーションは化粧膜のツヤ、べたつきのなさ、透明感の全ての点において優れたものであった。
(成分) (%)
1.炭化水素系ワックス(注1) 8
2.ポリブテン 5
3.炭酸ジアルキル(C14,15) 30
4.トリメリト酸のエステル化合物(注4) 15
5.ダイマー酸のエステル化合物(注5) 10
6.イソオクタン酸エチル 残量
7.ジイソステアリン酸ジグリセリル 10
8.N−ラウロイルL−グルタミン酸ジ
(コレステリル・ベヘニル・オクチルドデシル) 5
9.セリサイト 4
10.球状ポリスチレンパウダー 1
11.煙霧状シリカ 0.5
12.雲母チタン 5
13.防腐剤 0.5
14.1,3−ブチレングリコール 1
15.香料 0.1
(製造方法)
A:成分1〜8を110℃に加温して溶解する。
B:Aに成分9〜15を加えて均一に混合する。
C:Bを脱泡後、90℃にて容器に流し込み室温まで冷却して製品とする。
本発明のアイクリームは化粧膜のツヤ、べたつきのなさ、透明感の全ての点において優れたものであった。
(成分) (%)
1.炭化水素系ワックス(注1) 4
2.トリメリト酸のエステル化合物(注4) 15
3.ダイマー酸のエステル化合物(注5) 10
4.ワセリン 5
5.トリイソステアリン酸ジグリセリル 15
6.重質流動イソパラフィン 15
7.p−メトキシケイ皮酸−2−エチルヘキシル 0.1
8.リンゴ酸ジイソステアリル 残量
9.酸化チタン被覆ガラス末(注6) 1
(注6)メタシャイン1080RC−R
(製造方法)
A:成分1〜8を110℃に加温して溶解する。
B:Aに成分9を加えて均一に混合する。
C:Bを脱泡後、90℃にて皿に流し込み室温まで冷却して製品とする。
本発明の皿状口紅は、化粧膜のツヤ、べたつきのなさ、透明感の全ての点において優れたものであった。
Claims (5)
- 次の成分(a)〜(c);
(a)炭化水素系ワックス;
(b)トリメリト酸と炭素数が10〜13のアルコールとのトリエステル;
(c)ダイマー酸とダイマージオールとのオリゴマーエステルの両末端のカルボキシル基
をイソステアリルアルコールでエステル化した化合物;
を配合することを特徴とする油性固形化粧料。 - 前記成分(a)の融点が80〜110℃であることを特徴とする請求項1に記載の油性固形化粧料。
- 前記成分(a)が(エチレン/プロピレン)コポリマー、ポリエチレンワックス、フィッシャートロプシュワックスから選ばれる一種または二種以上の炭化水素系ワックスであることを特徴とする請求項1又は2に記載の油性固形化粧料。
- 前記成分(a)の配合量が4〜20質量%、成分(b)の配合量が5〜40質量%、(c)の配合量が5〜25質量%であることを特徴とする請求項1〜3記載のいずれかに記載の油性固形化粧料。
- スティック形状であることを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載の油性固形化粧料。
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