JP6009740B2 - 口唇化粧料 - Google Patents
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Description
特定のワックス、すなわちフィッシャートロプシュワックスとマイクロクリスタリンワックスに、ペースト油であるアジピン酸ジグリセリル混合脂肪酸エステル、及びダイマージリノール酸(フィトステリル/イソステアリル/セチル/ステアリル/ベヘニル)を組み合わせて使用することにより、崩れるような使用感、ツヤ感、負担感のなさが得られ、化粧料が使用時に崩れるように口唇に密着していくことで、唇へのバルク塗布量が多くなり、一度塗りで十分な発色が得られる口唇化粧料が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
次の成分(A)、(B)、(C)及び(D);
(A)融点が70〜120℃のフィッシャートロプシュワックス:3〜6質量%;
(B)融点が70〜100℃のマイクロクリスタリンワックス:1〜3質量%;
(C)アジピン酸ジグリセリル混合脂肪酸エステル;
(D)ダイマージリノール酸(フィトステリル/イソステアリル/セチル/ステアリル/ベヘニル);
を含有し、
前記成分(C)のアジピン酸ジグリセリル混合脂肪酸エステルと、前記成分(D)のダイマージリノール酸(フィトステリル/イソステアリル/セチル/ステアリル/ベヘニル)を、(C):(D)=1:4〜1:7の質量比で含有し、
上記成分(C)を0.5〜10質量%含有し、
上記成分(A)のフィッシャートロプシュワックスと、上記成分(B)のマイクロクリスタリンワックスを(A):(B)=1:1〜6:1の質量比で含有し、かつ、
上記成分(D)を12〜30質量%含有することを特徴とする口唇化粧料に関するものである。
紫外線吸収剤としては、ベンゾフェノン系、PABA系、ケイ皮酸系、サリチル酸系、4−tert−ブチル−4’−メトキシジベンゾイルメタン、オキシベンゾン等が挙げられる。
酸化防止剤としては、α−トコフェロール、アスコルビン酸等、美容成分としては例えばビタミン類、消炎剤、生薬等、防腐剤としては、例えばパラオキシ安息香酸エステル、フェノキシエタノール、1,2−ペンタジオール等が挙げられる。
表1に示す組成のスティック状口紅を下記の製造方法により製造した。得られた各スティック状口紅について、以下に示す方法により、(a)崩れるような使用感、(b)ツヤ感、(c)負担感のなさ、(d)一度塗りで発色する化粧膜について評価した。この結果も併せて表1に示す。
※2:ムルチワックスW−445(融点76〜82℃、SONNE BORN社製)
※3:PERFORMALENE655(融点96〜106℃、ニューフェーズテクノロジー社製)
※4:NC−1630キャンデリラワックス(融点70〜75℃、セラリカ野田社製)
※5:SOFTISAN649(SASOL社製)
※6:PLANDOOL−S(日本精化社製)
※7:パールリーム18(日油社製)
※8:PLANDOOL−G(日本精化社製)
※9:コスモール168ARNV(日清オイリオグループ社製)
※10:AEROSIL200(日本アエロジル社製)
※11:チミロンスーパーレッド(メルク社製)5%メチルポリシロキサン処理
A:成分(1)〜(13)を100℃〜110℃にて加熱溶解する。
B:Aに成分(14)〜(20)を加えて、均一に混合する。
C:Bを脱泡後、加熱してスティック状容器に直接流し込み、冷却後、口紅を得た。
(a)〜(d)の項目について、各試料について専門パネル20名による使用テストを行った。パネル各人が、各試料を口唇に塗布し、下記6段階絶対評価にて評点をつけ、パネル全員の評点合計からその平均値を算出し、下記4段階判定基準により判定した。
尚、評価項目(a)(b)は各試料を2度唇に塗布した直後に評価し、評価項目(c)については、試料を口唇に塗布し、パネルに通常の生活をしてもらった後8時間後に評価した。また、評価項目(d)については、唇に1度塗布した際に、試料の外観色と唇に塗布した色を比較して、塗布色が外観色と同じ色の発色を得られているかを評価した。
(a)崩れるような使用感
(b)ツヤ感
(c)負担感のなさ
(d)一度塗りで発色する化粧膜
<6段階絶対評価>
(評点):(評価)
5:非常に良い
4:良い
3:やや良い
2:普通
1:やや悪い
0:悪い
<4段階判定基準>
◎:4点以上 :非常に良好
○:3点以上で4点未満 :良好
△:1.5点以上で3点未満 :やや不良
×:1.5点未満 :不良
一方、成分(A)のフィッシャートロプシュワックスを含有しない比較例1では、口紅が固くなり、崩れるような使用感が得られずに、一度塗りで発色する化粧膜の点で満足がいくものではなく、化粧膜に負担感を感じるものであった。
成分(B)のマイクロクリスタリンワックスを含有しない比較例2では、比較例1と同様に口紅が若干固くなり、一度塗りで発色する化粧膜の点で満足のいくものが得られなかった。
成分(C)のアジピン酸ジグリセリル混合脂肪酸エステルを含有しない比較例3では、口紅自体は柔らかいものの、唇に塗布する際に上滑りしてしまい、化粧膜がしっかり形成されずに、一度塗りで発色する化粧膜の点で満足のいくものが得られなかった。
また、成分(D)のダイマージリノール酸(フィトステリル/イソステアリル/セチル/ステアリル/ベヘニル)を含有せずに重質流動イソパラフィンを配合した比較例4、及びダイマージリノール酸ダイマージリノレイルビス(フィトステリル/イソステアリル/セチル/ステアリル/ベヘニル)を含有した比較例5では化粧膜のべたつきが強く、負担感のなさの点で満足のいくものが得られなかった。
さらに、成分(A)、成分(B)のワックスを含有しない比較例6では、口紅が非常に固くなり、崩れるような使用感、一度塗りで発色する化粧膜の点で満足のいくものが得られなかった。
尚、実施例1〜3、10、参考例4〜9及び比較例2〜5は前記テクスチャーアナライザーを用いて35℃で測定した針入時の荷重値は50g未満であり、比較例1及び6は50gを超えるものであった。
(成分) (%)
1.フィッシャートロプシュワックス※12 4
2.エチレン・プロピレンコポリマー※13 0.1
3.マイクロクリスタリンワックス※2 4
4.2−エチルヘキサン酸セチル 10
5.ポリブテン 10
6.重質流動イソパラフィン※14 5
7.ラウロイルグルタミン酸ジ(オクチルドデシル/
フィトステリル/ベヘニル) 5
8.アジピン酸ジグリセリル混合脂肪酸エステル※5 12
9.メチルフェニルポリシロキサン 5
10.ダイマージリノール酸(フィトステリル/イソステアリル
/セチル/ステアリル/ベヘニル)※6 5
11.酢酸液状ラノリン 10
12.トリイソステアリン酸ジグリセリル 残量
13.リンゴ酸ジイソステアリル 10
14.2,6−ジ−ターシャリーブチル−パラクレゾール 0.1
15.シリル化処理無水ケイ酸※15 1
16.赤色202号 0.05
17.酸化チタン被覆ホウケイ酸(Ca/Al)※16 5
18.ポリエチレンテレフタレート・アルミニウム・
エポキシ積層末※17 1
19.雲母チタン※18 5
20.酢酸トコフェロール 0.1
21.香料 0.1
※12:CIREBELLE108(融点79〜84℃、CIREBELLE社製)
※13:EPSワックス(日本ナチュラルプロダクツ社製)
※14:パールリーム24(日油社製)
※15:AEROSIL R972(日本アエロジル社製)
※16:メタシャイン1080RC−Y(日本板硝子社製)
※17:アルミフレークシルバー0.15mm(角八魚燐箔社製)
※18:TIMICA EXTRA BRIGHT 1500(BASF社製)
(製造方法)
A:成分(1)〜(14)を100〜110℃にて均一に溶解する。
B:Aに成分(15)〜(21)を加え、均一に混合分散する。
C:Bを脱泡後、加熱して口紅容器に直接流し込み、冷却後、リップグロスを得た。
参考例11のリップグロスは、崩れるような使用感、ツヤ感、負担感のなさ、一度塗りで発色する化粧膜のすべての点で満足のいくものであった。尚、参考例11のリップグロスは前記テクスチャーアナライザーを用いて35℃で測定した針入時の荷重値が50g未満であった。
(成分) (%)
1.フィッシャートロプシュワックス※1 1
2.エチレン・プロピレンコポリマー※13 4
3.マイクロクリスタリンワックス※19 3
4.2−エチルヘキサン酸セチル 10
5.パルミチン酸デキストリン※20 0.5
6.重質流動イソパラフィン※14 1
7.アジピン酸ジグリセリル混合脂肪酸エステル※5 15
8.ジメチルポリシロキサン 5
9.ダイマージリノール酸(フィトステリル/イソステアリル
/セチル/ステアリル/ベヘニル)※21 35
10.トリイソステアリン酸ジグリセリル 残量
11.リンゴ酸ジイソステアリル 5
12.パラオキシ安息香酸メチル 0.1
13.酸化亜鉛 1
14.メチルシロキサン網状重合体※22 5
15.ベンガラ被覆雲母チタン※23 5
16.ローズマリーエキス 0.1
17.精製水 0.1
※19:ビースクエア195A(融点88〜93℃、バリコ社製)
※20:レオパールKL(千葉製粉社製)
※21:PLANDOOL−H(日本精化社製)
※22:トスパール2000B(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン社製)
※23:クロイゾネルージュフランベ(BASF社製)2%パーフルオロアルキルリン酸エステルジエタノールアミン塩処理
(製造方法)
A:成分(1)〜(12)を100〜110℃にて均一に溶解する。
B:Aに成分(13)〜(17)を加え、均一に混合分散する。
C:Bを脱泡後、加熱して金皿に流し込み、冷却後、リップグロスを得た。
参考例12の金皿流し込みリップグロスは、崩れるような使用感、ツヤ感、負担感のなさ、一度塗りで発色する化粧膜のすべての点で満足のいくものであった。尚、参考例12のリップグロスは前記テクスチャーアナライザーを用いて35℃で測定した針入時の荷重値が50g未満であった。
(成分) (%)
1.フィッシャートロプシュワックス※1 5
2.カルナウバワックス※24 1
3.マイクロクリスタリンワックス※2 7
4.ロジン酸ペンタエリスリット 1
5.流動パラフィン 10
6.アジピン酸ジグリセリル混合脂肪酸エステル※5 5
7.パラメトキシケイ皮酸2−エチルヘキシル 5
8.ダイマージリノール酸(フィトステリル/イソステアリル
/セチル/ステアリル/ベヘニル)※21 5
9.トリイソステアリン酸ジグリセリル 残量
10.パラオキシ安息香酸メチル 0.1
11.酸化亜鉛 1
12.ベンガラ 0.1
13.ナイロン繊維※25 0.1
14.天然ビタミンE 0.1
15.アルニカエキス 0.1
※24:精製カルナウバワックス1号(日本ナチュラルプロダクツ社)
※25:6デニール、0.5mm
(製造方法)
A:成分(1)〜(10)を100〜110℃にて均一に溶解する。
B:Aに成分(11)〜(15)を加え、均一に混合分散する。
C:Bを脱泡後、加熱して口紅容器に流し込み、冷却後、リップクリームを得た。
参考例13のリップクリームは、崩れるような使用感、ツヤ感、負担感のなさのすべての点で満足のいくものであった。尚、参考例13のリップクリームは前記テクスチャーアナライザーを用いて35℃で測定した針入時の荷重値が50g未満であった。
(成分) (%)
1.フィッシャートロプシュワックス※12 5
2.エチレン・プロピレンコポリマー※13 1
3.マイクロクリスタリンワックス※2 4
4.2−エチルヘキサン酸セチル 10
5.トリメチルシロキシケイ酸 2
6.重質流動イソパラフィン※14 2
7.ラウロイルグルタミン酸ジ(オクチルドデシル/
フィトステリル/ベヘニル) 5
8.アジピン酸ジグリセリル混合脂肪酸エステル※5 12
9.デカメチルシクロペンタシロキサン 5
10.ダイマージリノール酸(フィトステリル/イソステアリル
/セチル/ステアリル/ベヘニル)※6 5
11.酢酸液状ラノリン 10
12.トリイソステアリン酸ジグリセリル 残量
13.セスキオレイン酸ソルビタン 3
14.精製水 10
15.1.3−ブチレングリコール 1
16.グリセリン 4
17.酸化チタン被覆ホウケイ酸(Ca/Al)※16 1
18.赤色226号 1
19.酸化チタン※26 1
20.黒酸化鉄※27 0.1
21.雲母チタン※18 0.1
22.ハチミツ 0.1
※26 2%パーフルオロアルキルリン酸エステルジエタノールアミン塩処理
※27 5%ジメチルポリシロキサン処理
(製造方法)
A:成分(1)〜(13)を100〜110℃にて均一に溶解する。
B:Aに成分(15)〜(22)を加え、均一に混合分散する。
C:Bを脱泡後、加熱して口紅容器に直接流し込み、冷却後、スティック状口紅を得た。
参考例14のスティック状口紅は、崩れるような使用感、ツヤ感、負担感のなさ、一度塗りで発色する化粧膜のすべての点で満足のいくものであった。尚、参考例14のスティック状口紅は前記テクスチャーアナライザーを用いて35℃で測定した針入時の荷重値が50g未満であった。
Claims (1)
- 次の成分(A)、(B)、(C)及び(D);
(A)融点が70〜120℃のフィッシャートロプシュワックス:3〜6質量%;
(B)融点が70〜100℃のマイクロクリスタリンワックス:1〜3質量%;
(C)アジピン酸ジグリセリル混合脂肪酸エステル;
(D)ダイマージリノール酸(フィトステリル/イソステアリル/セチル/ステアリル/ベヘニル);
を含有し、
前記成分(C)のアジピン酸ジグリセリル混合脂肪酸エステルと、前記成分(D)のダイマージリノール酸(フィトステリル/イソステアリル/セチル/ステアリル/ベヘニル)を、(C):(D)=1:4〜1:7の質量比で含有し、
上記成分(C)を0.5〜10質量%含有し、
上記成分(A)のフィッシャートロプシュワックスと、上記成分(B)のマイクロクリスタリンワックスを(A):(B)=1:1〜6:1の質量比で含有し、かつ、
上記成分(D)を12〜30質量%含有することを特徴とする口唇化粧料。
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---|---|---|---|
JP2011152828A JP6009740B2 (ja) | 2011-02-17 | 2011-07-11 | 口唇化粧料 |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2011031522 | 2011-02-17 | ||
JP2011031522 | 2011-02-17 | ||
JP2011152828A JP6009740B2 (ja) | 2011-02-17 | 2011-07-11 | 口唇化粧料 |
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Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2012184216A JP2012184216A (ja) | 2012-09-27 |
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Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2011152828A Active JP6009740B2 (ja) | 2011-02-17 | 2011-07-11 | 口唇化粧料 |
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JP7426828B2 (ja) * | 2020-01-06 | 2024-02-02 | 株式会社 資生堂 | 固形口唇化粧料 |
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---|---|---|---|---|
JP3909828B2 (ja) * | 2001-03-21 | 2007-04-25 | 株式会社資生堂 | 固形化粧料 |
JP5322198B2 (ja) * | 2007-09-25 | 2013-10-23 | 株式会社 資生堂 | 口唇用化粧料 |
JP2009179564A (ja) * | 2008-01-29 | 2009-08-13 | Shiseido Co Ltd | 油性固形化粧料 |
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2011
- 2011-07-11 JP JP2011152828A patent/JP6009740B2/ja active Active
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