JP2011072881A - 積層構造体の製造方法、積層構造体、光学用部材及び塗工膜の形成方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】簡易な手段である一液型塗工方法によって、光学用及び建材用等として有用な、例えば防汚膜等の機能膜が設けられた積層構造体であって、層間の密着性が良い積層構造体を効率的に製造する方法、該製造方法で得られた積層構造体及び該積層構造体を有する光学用部材、並びに層分離構造を有する塗工膜の形成方法を提供すること。
【解決手段】1液型塗工液による積層構造体の製造方法であって、下記工程1〜3をこの順に有する、含フッ素材料層とハードコート層を有する積層構造体の製造方法。
工程1:(A1)活性エネルギー線硬化性のハードコート層形成成分、(A2)ハードコート層形成成分用溶剤、(B1)含フッ素材料及び(B2)フルオラス溶剤を35〜80℃で混合し、1液型塗工液を得る工程。
工程2:工程1で得られた1液型塗工液を35〜80℃に加温した基材に塗布した後、35℃未満で保持することにより層分離構造を有する塗工膜を形成する工程。
工程3:工程2の後、塗工膜へ活性エネルギー線を照射する工程と、塗工膜中の前記(A2)成分及び(B2)成分を揮発させる工程とを有する工程。
【選択図】なし
【解決手段】1液型塗工液による積層構造体の製造方法であって、下記工程1〜3をこの順に有する、含フッ素材料層とハードコート層を有する積層構造体の製造方法。
工程1:(A1)活性エネルギー線硬化性のハードコート層形成成分、(A2)ハードコート層形成成分用溶剤、(B1)含フッ素材料及び(B2)フルオラス溶剤を35〜80℃で混合し、1液型塗工液を得る工程。
工程2:工程1で得られた1液型塗工液を35〜80℃に加温した基材に塗布した後、35℃未満で保持することにより層分離構造を有する塗工膜を形成する工程。
工程3:工程2の後、塗工膜へ活性エネルギー線を照射する工程と、塗工膜中の前記(A2)成分及び(B2)成分を揮発させる工程とを有する工程。
【選択図】なし
Description
本発明は、積層構造体の製造方法、該製造方法により得られる積層構造体、該積層構造体を有する光学用部材及び塗工膜の形成方法に関する。さらに詳しくは、層分離を利用した簡易な一液型塗工方法によって、光学用や建材用等として有用な、防汚膜等の機能膜が設けられた積層構造体であって、層間の密着性が良い積層構造体を効率的に製造する方法、該製造方法により得られる積層構造体及び該積層構造体を有する光学用部材、並びに層分離構造を有する塗工膜の形成方法に関するものである。
従来、積層構造体を形成するために、種々の多層塗工膜の形成方法が開発されてきた。多層塗工膜の形成方法としては、(1)複数の塗工液を用いて、塗布と乾燥処理を繰り返すタンデム塗工方式、(2)複数の塗工液を用いて、同時に多層塗布する方法(例えば、特許文献1及び2参照。)、及び(3)複数の塗工液を傾斜したスライド面上で予め多層化し、該多層塗工膜を基材上に転移させて多層塗工膜を形成する方法(例えば、特許文献3参照。)等が知られている。
一方、積層構造体として、スピノーダル分解により相分離構造を形成し、表面に凹凸を設けてなる防眩性フィルムが知られている。例えば、1つのポリマーと1つの硬化性樹脂前駆体と溶媒とを含む液相から、前記溶媒の蒸発に伴うスピノーダル分解により、相分離構造を形成し、前記樹脂前駆体を硬化させ、防眩層を形成した防眩性フィルムが開示されている(例えば、特許文献4参照。)。また、スピノーダル分解による相分離を利用した技術として、(A)活性エネルギー線硬化型重合性化合物、(B)熱可塑性樹脂、(C)前記(A)成分と前記(B)成分に対する良溶媒、及び(D)前記(B)成分に対する貧溶媒を含み、かつ前記(A)成分と前記(B)成分の含有比率[(A):(B)]と、前記(C)成分と前記(D)成分の含有比率[(C):(D)]が特定範囲である防眩性ハードコート層形成用材料、及び基材フィルム上に該材料を用いて形成された、活性エネルギー線硬化樹脂層からなる防眩性ハードコート層を有する防眩性ハードコートフィルムが開示されている(例えば、特許文献5参照。)。
一方、積層構造体として、スピノーダル分解により相分離構造を形成し、表面に凹凸を設けてなる防眩性フィルムが知られている。例えば、1つのポリマーと1つの硬化性樹脂前駆体と溶媒とを含む液相から、前記溶媒の蒸発に伴うスピノーダル分解により、相分離構造を形成し、前記樹脂前駆体を硬化させ、防眩層を形成した防眩性フィルムが開示されている(例えば、特許文献4参照。)。また、スピノーダル分解による相分離を利用した技術として、(A)活性エネルギー線硬化型重合性化合物、(B)熱可塑性樹脂、(C)前記(A)成分と前記(B)成分に対する良溶媒、及び(D)前記(B)成分に対する貧溶媒を含み、かつ前記(A)成分と前記(B)成分の含有比率[(A):(B)]と、前記(C)成分と前記(D)成分の含有比率[(C):(D)]が特定範囲である防眩性ハードコート層形成用材料、及び基材フィルム上に該材料を用いて形成された、活性エネルギー線硬化樹脂層からなる防眩性ハードコート層を有する防眩性ハードコートフィルムが開示されている(例えば、特許文献5参照。)。
しかしながら、上記(1)の方法は、複数の塗工液を別々に準備しなければならない上、複数回の塗布、乾燥処理が必要である等、操作が煩雑で生産性に劣るという問題がある。特許文献1〜3に記載の上記(2)や(3)の方法は、塗工方法が改善され、上記(1)の方法に比べて生産性が改善されているが、やはり複数の塗工液を別々に準備しなければならないという問題は残る。
さらに、前記(1)〜(3)の方法においては、複数の塗工液の種類によっては、層間の密着性が必ずしも充分ではないという問題がある。
また、特許文献4及び5に記載のスピノーダル分解による相分離技術は、表面に不規則な凹凸を形成させる技術であって、多層塗工膜を形成させる技術には応用し難い。
さらに、前記(1)〜(3)の方法においては、複数の塗工液の種類によっては、層間の密着性が必ずしも充分ではないという問題がある。
また、特許文献4及び5に記載のスピノーダル分解による相分離技術は、表面に不規則な凹凸を形成させる技術であって、多層塗工膜を形成させる技術には応用し難い。
ところで、ディスプレイ分野で用いられる各種光学用部材、例えば反射防止フィルム、防眩フィルム、ハードコートフィルム等の保護フィルムや、建材分野等で用いられる各種部材においては、帯電を防止するための帯電防止膜、塵や埃、指紋等の付着を防止するための防汚膜等の機能膜を光学部材や化粧板等の表面に設けることが要求される。ところが、高性能防汚材料はフッ素化率の高い化合物であるため、溶剤溶解性や、ハードコート材料等の他成分との相溶性に乏しいため、はじきが強くて均一に塗布することができない場合が多く、また、たとえ塗布できたとしても、層間の密着性が不充分である等の問題がある。
本発明は、このような状況下になされたものであり、簡易な手段である一液型塗工方法によって、光学用及び建材用等として有用な、例えば防汚膜等の機能膜が設けられた積層構造体であって、層間の密着性が良い積層構造体を効率的に製造する方法、該製造方法で得られた積層構造体及び該積層構造体を有する光学用部材並びに層分離構造を有する塗工膜の形成方法を提供することを課題とする。
本発明者は、防汚膜用として用いられる含フッ素材料層用塗工液の相溶性に着目し、特定温度条件下でハードコート層用塗工液と相溶する含フッ素材料層用塗工液を用いることにより、一液型塗工方法によって積層構造体を製造することが可能となり、上記課題を解決できることを見出した。
すなわち本発明は、下記[1]〜[6]に関する。
[1]1液型塗工液による積層構造体の製造方法であって、下記工程1〜3をこの順に有する、含フッ素材料層とハードコート層を有する積層構造体の製造方法。
工程1:(A1)活性エネルギー線硬化性のハードコート層形成成分、(A2)ハードコート層形成成分用溶剤、(B1)含フッ素材料及び(B2)フルオラス溶剤を35〜80℃で混合し、1液型塗工液を得る工程。
工程2:工程1で得られた1液型塗工液を35〜80℃に加温した基材に塗布した後、35℃未満で保持することにより層分離構造を有する塗工膜を形成する工程。
工程3:工程2の後、塗工膜へ活性エネルギー線を照射する工程と、塗工膜中の前記(A2)成分及び(B2)成分を揮発させる工程とを有する工程。
[2](A2)成分が芳香族系有機溶剤であり、(B2)が芳香族系フルオラス溶剤である、上記[1]に記載の積層構造体の製造方法。
[3]上記[1]又は[2]に記載の製造方法により得られる積層構造体。
[4]上記[3]に記載の積層構造体を有する光学用部材。
[5]防汚性ハードコートフィルムである、上記[4]に記載の光学用部材。
[6]1液型塗工液を用いた塗工膜の形成方法であって、(A1)活性エネルギー線硬化性のハードコート層形成成分、(A2)ハードコート層形成成分用溶剤、(B1)含フッ素材料及び(B2)フルオラス溶剤を35〜80℃で混合して1液型塗工液を得、得られた1液型塗工液を35〜80℃に加温した基材に塗布した後、35℃未満で保持することによる、層分離構造を有する塗工膜の形成方法。
[1]1液型塗工液による積層構造体の製造方法であって、下記工程1〜3をこの順に有する、含フッ素材料層とハードコート層を有する積層構造体の製造方法。
工程1:(A1)活性エネルギー線硬化性のハードコート層形成成分、(A2)ハードコート層形成成分用溶剤、(B1)含フッ素材料及び(B2)フルオラス溶剤を35〜80℃で混合し、1液型塗工液を得る工程。
工程2:工程1で得られた1液型塗工液を35〜80℃に加温した基材に塗布した後、35℃未満で保持することにより層分離構造を有する塗工膜を形成する工程。
工程3:工程2の後、塗工膜へ活性エネルギー線を照射する工程と、塗工膜中の前記(A2)成分及び(B2)成分を揮発させる工程とを有する工程。
[2](A2)成分が芳香族系有機溶剤であり、(B2)が芳香族系フルオラス溶剤である、上記[1]に記載の積層構造体の製造方法。
[3]上記[1]又は[2]に記載の製造方法により得られる積層構造体。
[4]上記[3]に記載の積層構造体を有する光学用部材。
[5]防汚性ハードコートフィルムである、上記[4]に記載の光学用部材。
[6]1液型塗工液を用いた塗工膜の形成方法であって、(A1)活性エネルギー線硬化性のハードコート層形成成分、(A2)ハードコート層形成成分用溶剤、(B1)含フッ素材料及び(B2)フルオラス溶剤を35〜80℃で混合して1液型塗工液を得、得られた1液型塗工液を35〜80℃に加温した基材に塗布した後、35℃未満で保持することによる、層分離構造を有する塗工膜の形成方法。
本発明によれば、簡易な一液型塗工方法によって、光学用や建材用等として有用な、例えば表面に防汚層等の機能層が設けられた積層構造体であって、層間の密着性が良い積層構造体を効率的に製造する方法を提供することができる。本発明の製造方法では、ハードコート層形成成分用の溶剤への溶解性が低く、通常は塗工が困難な高性能防汚材料を用いることが可能となり、特に、高い防汚機能を有する光学用部材を提供することが可能となる。
本発明は、1液型塗工液による積層構造体の製造方法であって、下記工程1〜3をこの順に有する、含フッ素材料層とハードコート層を有する積層構造体の製造方法である。
工程1:(A1)活性エネルギー線硬化性のハードコート層形成成分、(A2)ハードコート層形成成分用溶剤、(B1)含フッ素材料及び(B2)フルオラス溶剤を35〜80℃で混合し、1液型塗工液を得る工程。
工程2:工程1で得られた1液型塗工液を35〜80℃に加温した基材に塗布した後、35℃未満で保持することにより層分離構造を有する塗工膜を形成する工程。
工程3:工程2の後、塗工膜へ活性エネルギー線を照射する工程と、塗工膜中の前記(A2)成分及び(B2)成分を揮発させる工程とを有する工程。
以下、工程1〜3について順に説明する。
工程1:(A1)活性エネルギー線硬化性のハードコート層形成成分、(A2)ハードコート層形成成分用溶剤、(B1)含フッ素材料及び(B2)フルオラス溶剤を35〜80℃で混合し、1液型塗工液を得る工程。
工程2:工程1で得られた1液型塗工液を35〜80℃に加温した基材に塗布した後、35℃未満で保持することにより層分離構造を有する塗工膜を形成する工程。
工程3:工程2の後、塗工膜へ活性エネルギー線を照射する工程と、塗工膜中の前記(A2)成分及び(B2)成分を揮発させる工程とを有する工程。
以下、工程1〜3について順に説明する。
[工程1]
工程1は、1液型の塗工液を得る工程である。本発明では、塗工液の成分として、(A1)活性エネルギー線硬化性のハードコート層形成成分、(A2)ハードコート層形成成分用溶剤、(B1)含フッ素材料及び(B2)フルオラス溶剤を用い、これらを35〜80℃で混合して1液型の塗工液を得る。
混合温度は、好ましくは40〜70℃、より好ましくは40〜60℃、さらに好ましくは45〜55℃である。混合温度が35℃未満であると、1液型の塗工液が得られず、密着性の高い多層構造体が得られない。一方、混合温度が80℃を超えると、活性エネルギー線硬化性のハードコート層形成成分中の光重合開始剤等の熱安定性の低い成分に変質を生じるという問題がある。
以下、塗工液の各成分について説明する。
工程1は、1液型の塗工液を得る工程である。本発明では、塗工液の成分として、(A1)活性エネルギー線硬化性のハードコート層形成成分、(A2)ハードコート層形成成分用溶剤、(B1)含フッ素材料及び(B2)フルオラス溶剤を用い、これらを35〜80℃で混合して1液型の塗工液を得る。
混合温度は、好ましくは40〜70℃、より好ましくは40〜60℃、さらに好ましくは45〜55℃である。混合温度が35℃未満であると、1液型の塗工液が得られず、密着性の高い多層構造体が得られない。一方、混合温度が80℃を超えると、活性エネルギー線硬化性のハードコート層形成成分中の光重合開始剤等の熱安定性の低い成分に変質を生じるという問題がある。
以下、塗工液の各成分について説明する。
((A1)活性エネルギー線硬化性のハードコート層形成成分)
(A1)成分は、積層構造体にハードコート性能を付与するためのものであり、電磁波又は荷電粒子線の中でエネルギー量子を有するもの、すなわち、紫外線又は電子線等の活性エネルギー線を照射することにより、架橋、硬化する化合物を含有する。この活性エネルギー線硬化性の化合物としては、活性エネルギー線硬化型オリゴマー及び/又は活性エネルギー線硬化型モノマーを用いることができる。
(A1)成分は、積層構造体にハードコート性能を付与するためのものであり、電磁波又は荷電粒子線の中でエネルギー量子を有するもの、すなわち、紫外線又は電子線等の活性エネルギー線を照射することにより、架橋、硬化する化合物を含有する。この活性エネルギー線硬化性の化合物としては、活性エネルギー線硬化型オリゴマー及び/又は活性エネルギー線硬化型モノマーを用いることができる。
活性エネルギー線硬化型オリゴマーとしては、例えばポリエステルアクリレート系オリゴマー、エポキシアクリレート系オリゴマー、ウレタンアクリレート系オリゴマー、ポリエーテルアクリレート系オリゴマー、ポリブタジエンアクリレート系オリゴマー、シリコーンアクリレート系オリゴマー等が挙げられる。
ここで、ポリエステルアクリレート系オリゴマーとしては、例えば多価アルコールの縮合によって得られる両末端に水酸基を有するポリエステルオリゴマーの水酸基を(メタ)アクリル酸でエステル化することにより、あるいは、多価カルボン酸にアルキレンオキシドを付加して得られるオリゴマーの末端の水酸基を(メタ)アクリル酸でエステル化することにより得ることができる。
エポキシアクリレート系オリゴマーは、例えば、比較的低分子量のビスフェノール型エポキシ樹脂やノボラック型エポキシ樹脂のオキシラン環に、(メタ)アクリル酸を反応させてエステル化することにより得ることができる。また、このエポキシアクリレート系オリゴマーを部分的に二塩基性カルボン酸無水物で変性したカルボキシル変性型のエポキシアクリレートオリゴマーも用いることができる。
ウレタンアクリレート系オリゴマーは、例えば、ポリエーテルポリオールやポリエステルポリオールとポリイソシアナートの反応によって得られるポリウレタンオリゴマーを、(メタ)アクリル酸でエステル化することにより得ることができ、ポリオールアクリレート系オリゴマーは、ポリエーテルポリオールの水酸基を(メタ)アクリル酸でエステル化することにより得ることができる。
活性エネルギー線硬化型オリゴマーの重量平均分子量は、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)法で測定した標準ポリスチレン換算の値で、好ましくは500〜100,000、より好ましくは1,000〜70,000、さらに好ましくは3,000〜40,000である。
活性エネルギー線硬化型オリゴマーは、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
ここで、ポリエステルアクリレート系オリゴマーとしては、例えば多価アルコールの縮合によって得られる両末端に水酸基を有するポリエステルオリゴマーの水酸基を(メタ)アクリル酸でエステル化することにより、あるいは、多価カルボン酸にアルキレンオキシドを付加して得られるオリゴマーの末端の水酸基を(メタ)アクリル酸でエステル化することにより得ることができる。
エポキシアクリレート系オリゴマーは、例えば、比較的低分子量のビスフェノール型エポキシ樹脂やノボラック型エポキシ樹脂のオキシラン環に、(メタ)アクリル酸を反応させてエステル化することにより得ることができる。また、このエポキシアクリレート系オリゴマーを部分的に二塩基性カルボン酸無水物で変性したカルボキシル変性型のエポキシアクリレートオリゴマーも用いることができる。
ウレタンアクリレート系オリゴマーは、例えば、ポリエーテルポリオールやポリエステルポリオールとポリイソシアナートの反応によって得られるポリウレタンオリゴマーを、(メタ)アクリル酸でエステル化することにより得ることができ、ポリオールアクリレート系オリゴマーは、ポリエーテルポリオールの水酸基を(メタ)アクリル酸でエステル化することにより得ることができる。
活性エネルギー線硬化型オリゴマーの重量平均分子量は、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)法で測定した標準ポリスチレン換算の値で、好ましくは500〜100,000、より好ましくは1,000〜70,000、さらに好ましくは3,000〜40,000である。
活性エネルギー線硬化型オリゴマーは、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
活性エネルギー線硬化型モノマーとしては、例えばジ(メタ)アクリル酸1,4−ブタンジオールエステル、ジ(メタ)アクリル酸1,6−ヘキサンジオールエステル、ジ(メタ)アクリル酸ネオペンチルグリコールエステル、ジ(メタ)アクリル酸ポリエチレングリコールエステル、ジ(メタ)アクリル酸ネオペンチルグリコールアジペートエステル、ジ(メタ)アクリル酸ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールエステル、ジ(メタ)アクリル酸ジシクロペンタニル、ジ(メタ)アクリル酸カプロラクトン変性ジシクロペンテニル、ジ(メタ)アクリル酸エチレンオキシド変性リン酸エステル、ジ(メタ)アクリル酸アリル化シクロヘキシル、ジ(メタ)アクリル酸イソシアヌレート、ジメチロールトリシクロデカンジ(メタ)アクリレート、トリ(メタ)アクリル酸トリメチロールプロパンエステル、トリ(メタ)アクリル酸ペンタエリスリトールエステル、トリ(メタ)アクリル酸ジペンタエリスリトールエステル、トリ(メタ)アクリル酸プロピオン酸変性ジペンタエリスリトールエステル、トリ(メタ)アクリル酸ペンタエリスリトールエステル、トリ(メタ)アクリル酸プロピオンオキシド変性トリメチロールプロパンエステル、イソシアヌル酸トリス(アクリロキシエチル)、ペンタ(メタ)アクリル酸プロピオン酸変性ジペンタエリスリトールエステル、ヘキサ(メタ)アクリル酸ジペンタエリスリトールエステル、ヘキサ(メタ)アクリル酸カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールエステル等が挙げられる。活性エネルギー線硬化型モノマーは、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
(A1)成分は、光重合開始剤や、表面調整剤(レベリング剤)、防眩剤、老化防止剤等を含有していてもよい。
光重合開始剤としては、例えばベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾイン−n−ブチルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、アセトフェノン、ジメチルアミノアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、2,2−ジエトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノ−プロパン−1−オン、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル−2(ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、ベンゾフェノン、p−フェニルベンゾフェノン、4,4’−ジエチルアミノベンゾフェノン、ジクロロベンゾフェノン、2−メチルアントラキノン、2−エチルアントラキノン、2−ターシャリーブチルアントラキノン、2−アミノアントラキノン、2−メチルチオキサントン、2−エチルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、ベンジルジメチルケタール、アセトフェノンジメチルケタール、p−ジメチルアミン安息香酸エステル、オリゴ(2−ヒドロキシ−2−メチル−1−[4−(1−プロペニル)フェニル]プロパノン)等が挙げられる。これらは1種を単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。光重合開始剤の使用量は、用いる活性エネルギー線硬化性の化合物の種類に応じて適宜選定すればよい。
レベリング剤としては、公知のものを使用でき、例えばシリコーン系、フッ素系、ポリエーテル系、アクリル系、チタネート系等の各種界面活性剤が挙げられる。これらの中でも、フッ素系界面活性剤が好ましく、パーフルオロアルキル基を含有するフッ素系界面活性剤[例えば、商品名「MCF−350−5」(DIC株式会社製)等。]がより好ましい。
防眩剤としては、公知のものを使用でき、シリカ粒子等が挙げられる。
老化防止剤としては、公知のものを使用でき、酸化亜鉛、酸化カルシウム、酸化マグネシウム等の金属酸化物が挙げられる。
光重合開始剤としては、例えばベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾイン−n−ブチルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、アセトフェノン、ジメチルアミノアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、2,2−ジエトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノ−プロパン−1−オン、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル−2(ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、ベンゾフェノン、p−フェニルベンゾフェノン、4,4’−ジエチルアミノベンゾフェノン、ジクロロベンゾフェノン、2−メチルアントラキノン、2−エチルアントラキノン、2−ターシャリーブチルアントラキノン、2−アミノアントラキノン、2−メチルチオキサントン、2−エチルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、ベンジルジメチルケタール、アセトフェノンジメチルケタール、p−ジメチルアミン安息香酸エステル、オリゴ(2−ヒドロキシ−2−メチル−1−[4−(1−プロペニル)フェニル]プロパノン)等が挙げられる。これらは1種を単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。光重合開始剤の使用量は、用いる活性エネルギー線硬化性の化合物の種類に応じて適宜選定すればよい。
レベリング剤としては、公知のものを使用でき、例えばシリコーン系、フッ素系、ポリエーテル系、アクリル系、チタネート系等の各種界面活性剤が挙げられる。これらの中でも、フッ素系界面活性剤が好ましく、パーフルオロアルキル基を含有するフッ素系界面活性剤[例えば、商品名「MCF−350−5」(DIC株式会社製)等。]がより好ましい。
防眩剤としては、公知のものを使用でき、シリカ粒子等が挙げられる。
老化防止剤としては、公知のものを使用でき、酸化亜鉛、酸化カルシウム、酸化マグネシウム等の金属酸化物が挙げられる。
((A2)ハードコート層形成成分用溶剤)
(A2)成分の溶剤は、(A1)成分を室温(15〜30℃の範囲であり、以下同様である。)で溶解し得る溶剤であり、例えばヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン等の脂肪族系有機溶剤;トルエン、キシレン、ブロモベンゼン等の芳香族系有機溶剤メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、1−メトキシ−2−プロパノール等のアルコール系有機溶剤;アセトン、メチルエチルケトン、2−ペンタノン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、イソホロン等のケトン系有機溶剤;酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル系有機溶剤;エチルセロソルブ等のセロソルブ系有機溶剤等が挙げられる。これらは、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を混合して使用してもよい。また、適宜ハロゲン化された溶剤を用いて、後述の(B1)成分及び(B2)成分との相溶性を調整してもよい。この場合、ハロゲン化された溶剤の使用量は、全(A2)成分中、好ましくは40質量%以下、より好ましくは30質量%以下、さらに好ましくは25質量%以下である。
(A2)成分の使用量に特に制限は無いが、通常、(A1)成分100質量部に対して好ましくは40〜150質量部であり、より好ましくは50〜120質量部であり、さらに好ましくは60〜90質量部である。この範囲であれば、十分に(A1)成分を十分に溶解し、且つ積層構造体に十分なハードコート性を付与することができる。
(A2)成分の溶剤は、(A1)成分を室温(15〜30℃の範囲であり、以下同様である。)で溶解し得る溶剤であり、例えばヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン等の脂肪族系有機溶剤;トルエン、キシレン、ブロモベンゼン等の芳香族系有機溶剤メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、1−メトキシ−2−プロパノール等のアルコール系有機溶剤;アセトン、メチルエチルケトン、2−ペンタノン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、イソホロン等のケトン系有機溶剤;酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル系有機溶剤;エチルセロソルブ等のセロソルブ系有機溶剤等が挙げられる。これらは、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を混合して使用してもよい。また、適宜ハロゲン化された溶剤を用いて、後述の(B1)成分及び(B2)成分との相溶性を調整してもよい。この場合、ハロゲン化された溶剤の使用量は、全(A2)成分中、好ましくは40質量%以下、より好ましくは30質量%以下、さらに好ましくは25質量%以下である。
(A2)成分の使用量に特に制限は無いが、通常、(A1)成分100質量部に対して好ましくは40〜150質量部であり、より好ましくは50〜120質量部であり、さらに好ましくは60〜90質量部である。この範囲であれば、十分に(A1)成分を十分に溶解し、且つ積層構造体に十分なハードコート性を付与することができる。
((B1)含フッ素材料)
(B1)成分は、積層構造体に高い防汚性を付与し得るものである。(B1)成分は、分子中にフッ素原子を有する化合物であり、例えばビニル結合等の重合性基を有する炭素数5〜20程度のフッ素化モノマーや、重量平均分子量10,000〜1,000,000程度のフッ素化高分子化合物等が挙げられる。本発明では、積層構造体に高防汚性を付与させるため、分子中の水素原子の好ましくは60〜100%(より好ましくは70〜100%、さらに好ましくは80〜100%)がフッ素化された化合物を用いるのが好ましい。このような高防汚性を付与し得る(B1)成分としては、例えば、1H,1H,2H−ヘプタデカフルオロ−1−デセン、フッ素ポリマー(製品名「ナフィオン」、デュポン社製)等が挙げられる。
分子中の水素原子の60%以上がフッ素化された化合物は、前記(A2)成分との相溶性が特に低いため、該化合物を防汚材料として用いる場合、従来の方法では効率良く積層構造体を形成することができないが、本発明の製造方法によれば、層間の密着性の高い積層構造体を効率良く製造することができる。
(B1)成分として、上記ビニル結合等の重合性基を有する炭素数5〜20程度のフッ素化モノマーを用いる場合、光重合開始剤を含有させてもよい。該光重合開始剤としては、(A1)成分において例示したものと同じものが挙げられる。
なお、(B1)成分と共に、シリコーン材料等の防汚材料を組み合わせて用いることも可能である。
(B1)成分の使用量は、(A1)成分100質量部に対して、通常、好ましくは5〜40質量部、より好ましくは10〜30質量部、さらに好ましくは15〜25質量部である。この範囲であれば、積層構造体に十分な防汚性を付与しつつ、ハードコート性を損なわない。
(B1)成分は、積層構造体に高い防汚性を付与し得るものである。(B1)成分は、分子中にフッ素原子を有する化合物であり、例えばビニル結合等の重合性基を有する炭素数5〜20程度のフッ素化モノマーや、重量平均分子量10,000〜1,000,000程度のフッ素化高分子化合物等が挙げられる。本発明では、積層構造体に高防汚性を付与させるため、分子中の水素原子の好ましくは60〜100%(より好ましくは70〜100%、さらに好ましくは80〜100%)がフッ素化された化合物を用いるのが好ましい。このような高防汚性を付与し得る(B1)成分としては、例えば、1H,1H,2H−ヘプタデカフルオロ−1−デセン、フッ素ポリマー(製品名「ナフィオン」、デュポン社製)等が挙げられる。
分子中の水素原子の60%以上がフッ素化された化合物は、前記(A2)成分との相溶性が特に低いため、該化合物を防汚材料として用いる場合、従来の方法では効率良く積層構造体を形成することができないが、本発明の製造方法によれば、層間の密着性の高い積層構造体を効率良く製造することができる。
(B1)成分として、上記ビニル結合等の重合性基を有する炭素数5〜20程度のフッ素化モノマーを用いる場合、光重合開始剤を含有させてもよい。該光重合開始剤としては、(A1)成分において例示したものと同じものが挙げられる。
なお、(B1)成分と共に、シリコーン材料等の防汚材料を組み合わせて用いることも可能である。
(B1)成分の使用量は、(A1)成分100質量部に対して、通常、好ましくは5〜40質量部、より好ましくは10〜30質量部、さらに好ましくは15〜25質量部である。この範囲であれば、積層構造体に十分な防汚性を付与しつつ、ハードコート性を損なわない。
((B2)フルオラス溶剤)
(B2)成分は、「1液型」の塗工液を得るために必須の成分である。
(B2)成分であるフルオラス溶剤としては、本発明では、フッ素化有機溶剤のうち、35〜80℃(好ましくは40〜70℃、より好ましくは40〜60℃、さらに好ましくは45〜55℃)で前記(A2)成分と相溶し、35℃未満(好ましくは30℃以下、より好ましくは室温)では前記(A2)成分と不相溶のものを使用する。
(B2)成分としては、例えばペルフルオロトルエン等の芳香族系フルオラス溶剤;ペルフルオロメチルシクロヘキサン、ペルフルオロヘキサン等の脂肪族系フルオラス溶剤等が挙げられる。これらは、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
特に、相溶性の観点から、前記(A2)成分として芳香族系有機溶剤を用いる場合には、(B2)成分として少なくとも芳香族系フルオラス溶剤を用いることが好ましく、また、前記(A2)成分として脂肪族系有機溶剤を用いる場合には、(B2)成分として少なくとも脂肪族系フルオラス溶剤を用いることが好ましい。さらに、前記(A2)成分として芳香族系有機溶剤を用い、且つ(B2)成分として、芳香族系フルオラス溶剤が全(B2)成分中20〜100質量%(このましくは50〜100質量%、より好ましくは80〜100質量%、より好ましくは90〜100質量%、さらに好ましくは実質100質量%)である(B2)成分を用いることがより好ましい。
(B2)成分の使用量に特に制限は無いが、通常、(B1)成分100質量部に対して好ましくは40〜150質量部であり、より好ましくは50〜120質量部であり、さらに好ましくは60〜90質量部である。この範囲であれば、(B1)成分を十分に溶解し、且つ積層構造体に高い防汚性を付与することができる。
(B2)成分は、(A2)成分よりも低比重のものを使用することにより、積層構造体の上層を防汚層とすることが可能となる。
(B2)成分は、「1液型」の塗工液を得るために必須の成分である。
(B2)成分であるフルオラス溶剤としては、本発明では、フッ素化有機溶剤のうち、35〜80℃(好ましくは40〜70℃、より好ましくは40〜60℃、さらに好ましくは45〜55℃)で前記(A2)成分と相溶し、35℃未満(好ましくは30℃以下、より好ましくは室温)では前記(A2)成分と不相溶のものを使用する。
(B2)成分としては、例えばペルフルオロトルエン等の芳香族系フルオラス溶剤;ペルフルオロメチルシクロヘキサン、ペルフルオロヘキサン等の脂肪族系フルオラス溶剤等が挙げられる。これらは、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
特に、相溶性の観点から、前記(A2)成分として芳香族系有機溶剤を用いる場合には、(B2)成分として少なくとも芳香族系フルオラス溶剤を用いることが好ましく、また、前記(A2)成分として脂肪族系有機溶剤を用いる場合には、(B2)成分として少なくとも脂肪族系フルオラス溶剤を用いることが好ましい。さらに、前記(A2)成分として芳香族系有機溶剤を用い、且つ(B2)成分として、芳香族系フルオラス溶剤が全(B2)成分中20〜100質量%(このましくは50〜100質量%、より好ましくは80〜100質量%、より好ましくは90〜100質量%、さらに好ましくは実質100質量%)である(B2)成分を用いることがより好ましい。
(B2)成分の使用量に特に制限は無いが、通常、(B1)成分100質量部に対して好ましくは40〜150質量部であり、より好ましくは50〜120質量部であり、さらに好ましくは60〜90質量部である。この範囲であれば、(B1)成分を十分に溶解し、且つ積層構造体に高い防汚性を付与することができる。
(B2)成分は、(A2)成分よりも低比重のものを使用することにより、積層構造体の上層を防汚層とすることが可能となる。
[工程2]
工程2は、工程1で得られた1液型塗工液を35〜80℃に加温した基材に塗布し、35℃未満で保持することにより、含フッ素材料層[ここでは、(A2)成分を含む。]とハードコート層[ここでは、(B2)成分を含む。]との層分離構造を有する塗工膜を形成する工程である。
(基材)
上記基材に特に制限はなく、例えば光学用部材や建材用部材等によって適宜選択すればよい。光学用部材の場合は、光学用フィルムの基材として公知であるプラスチックフィルムの中から適宜選択して用いることができる。
このようなプラスチックフィルムとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステルフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、セロファン、ジアセチルセルロースフィルム、トリアセチルセルロースフィルム、アセチルセルロースブチレートフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、ポリ塩化ビニリデンフィルム、ポリビニルアルコールフィルム、エチレン−酢酸ビニル共重合体フィルム、ポリスチレンフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリメチルペンテンフィルム、ポリスルホンフィルム、ポリエーテルエーテルケトンフィルム、ポリエーテルスルホンフィルム、ポリエーテルイミドフィルム、ポリイミドフィルム、フッ素樹脂フィルム、ポリアミドフィルム、アクリル樹脂フィルム、ノルボルネン系樹脂フィルム、シクロオレフィン樹脂フィルム等が挙げられる。
これらの基材は、透明、半透明のいずれであってもよく、また、着色されていてもよいし、無着色のものでもよく、用途に応じて適宜選択すればよい。例えば液晶表示体の保護用として用いる場合には、無色透明のフィルムが好適である。
基材の厚さに特に制限はなく、状況に応じて適宜選定すればよいが、通常、好ましくは15〜250μm、より好ましくは30〜200μmである。
また、この基材は、その表面に設けられる層との密着性を向上させる目的で、所望により片面又は両面に、酸化法や凹凸化法等によって表面処理を施すことができる。上記酸化法としては、例えばコロナ放電処理、クロム酸処理(湿式)、火炎処理、熱風処理、オゾン・紫外線照射処理等が挙げられ、また、凹凸化法としては、例えばサンドブラスト法、溶剤処理法等が挙げられる。これらの表面処理法は基材の種類に応じて適宜選ばれるが、一般には効果及び操作性等の面から、コロナ放電処理法が好ましく用いられる。
工程2は、工程1で得られた1液型塗工液を35〜80℃に加温した基材に塗布し、35℃未満で保持することにより、含フッ素材料層[ここでは、(A2)成分を含む。]とハードコート層[ここでは、(B2)成分を含む。]との層分離構造を有する塗工膜を形成する工程である。
(基材)
上記基材に特に制限はなく、例えば光学用部材や建材用部材等によって適宜選択すればよい。光学用部材の場合は、光学用フィルムの基材として公知であるプラスチックフィルムの中から適宜選択して用いることができる。
このようなプラスチックフィルムとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステルフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、セロファン、ジアセチルセルロースフィルム、トリアセチルセルロースフィルム、アセチルセルロースブチレートフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、ポリ塩化ビニリデンフィルム、ポリビニルアルコールフィルム、エチレン−酢酸ビニル共重合体フィルム、ポリスチレンフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリメチルペンテンフィルム、ポリスルホンフィルム、ポリエーテルエーテルケトンフィルム、ポリエーテルスルホンフィルム、ポリエーテルイミドフィルム、ポリイミドフィルム、フッ素樹脂フィルム、ポリアミドフィルム、アクリル樹脂フィルム、ノルボルネン系樹脂フィルム、シクロオレフィン樹脂フィルム等が挙げられる。
これらの基材は、透明、半透明のいずれであってもよく、また、着色されていてもよいし、無着色のものでもよく、用途に応じて適宜選択すればよい。例えば液晶表示体の保護用として用いる場合には、無色透明のフィルムが好適である。
基材の厚さに特に制限はなく、状況に応じて適宜選定すればよいが、通常、好ましくは15〜250μm、より好ましくは30〜200μmである。
また、この基材は、その表面に設けられる層との密着性を向上させる目的で、所望により片面又は両面に、酸化法や凹凸化法等によって表面処理を施すことができる。上記酸化法としては、例えばコロナ放電処理、クロム酸処理(湿式)、火炎処理、熱風処理、オゾン・紫外線照射処理等が挙げられ、また、凹凸化法としては、例えばサンドブラスト法、溶剤処理法等が挙げられる。これらの表面処理法は基材の種類に応じて適宜選ばれるが、一般には効果及び操作性等の面から、コロナ放電処理法が好ましく用いられる。
工程2において、1液型塗工液を35〜80℃に加温した基材に塗布した後の保持温度は、前述の通り35℃未満であるが、好ましくは30℃以下、より好ましくは室温で保持する。この温度で保持することにより溶剤の相溶性が変化(低下)し、各成分が相溶していた1液型塗工液が、次第に層分離構造を形成する。十分に層分離させるために、通常、好ましくは10秒以上、より好ましくは30秒以上、さらに好ましくは2分以上保持し、通常、5分保持すれば十分である。
保持の仕方に特に制限は無いが、静置する方法、揺動する方法、及びそれらの組み合わせ等が挙げられる。
1液型塗工液を基材に塗布する方法に特に制限は無く、従来公知の方法、例えばバーコート法、ナイフコート法、ロールコート法、ブレードコート法、ダイコート法、グラビアコート法等を用いてコーティングする方法が挙げられる。
保持の仕方に特に制限は無いが、静置する方法、揺動する方法、及びそれらの組み合わせ等が挙げられる。
1液型塗工液を基材に塗布する方法に特に制限は無く、従来公知の方法、例えばバーコート法、ナイフコート法、ロールコート法、ブレードコート法、ダイコート法、グラビアコート法等を用いてコーティングする方法が挙げられる。
以上の工程1及び工程2により、1液型塗工液を用いた塗工膜の形成方法であって、(A1)活性エネルギー線硬化性のハードコート層形成成分、(A2)ハードコート層形成成分用溶剤、(B1)含フッ素材料及び(B2)フルオラス溶剤を35〜80℃で混合して1液型塗工液を得、得られた1液型塗工液を35〜80℃に加温した基材に塗布した後、35℃未満で保持することによる、層分離構造を有する塗工膜の形成方法を提供できる。
[工程3]
工程3は、工程2によって得られた層分離構造を有する塗工膜に活性エネルギー線を照射することにより、層分離構造中の(A1)成分を硬化させ、場合によっては同時に(B1)成分を重合する工程と、塗工膜中の(A2)成分と(B2)成分を揮発させる工程とを有する工程である。
該工程3においては、(A2)成分と(B2)成分を揮発させる工程は、活性エネルギー線照射の前後のいずれに有していてもよいが、(B1)成分を重合する必要がある場合、(B1)成分を十分に重合させる観点から、活性エネルギー線の照射「後」に有していることが好ましい。
活性エネルギー線としては、例えば紫外線や電子線等が挙げられる。紫外線は、高圧水銀ランプ、ヒュージョンHランプ、キセノンランプ等で得られる。一方、電子線は、電子線加速器等によって得られる。この活性エネルギー線の中では、特に紫外線が好適である。なお、電子線を使用する場合は、前記光重合開始剤を用いることなく、硬化膜を得ることができる。
(A2)成分と(B2)成分を揮発させる方法に特に制限は無いが、例えば70〜120℃程度で加熱する方法等が挙げられる。加熱は、オーブン等の、塗工膜を均一に加熱できる手段を用いることが好ましい。
このようにして形成された塗工膜の厚さは、通常、0.5〜20μm程度、好ましくは1〜10μmである。
なお、塗工膜中の層分離構造の有無は、例えばスラブ型光導波路分光法を利用した界面紫外可視分光測定装置を用いて確認することができる。また、断面の走査型電子顕微鏡(SEM)や光学顕微鏡によっても確認することができる。
以上のようにして得られた積層構造体を有する光学用部材は、高い防汚機能を有しており、特に防汚性ハードコートフィルムとして有用である。
工程3は、工程2によって得られた層分離構造を有する塗工膜に活性エネルギー線を照射することにより、層分離構造中の(A1)成分を硬化させ、場合によっては同時に(B1)成分を重合する工程と、塗工膜中の(A2)成分と(B2)成分を揮発させる工程とを有する工程である。
該工程3においては、(A2)成分と(B2)成分を揮発させる工程は、活性エネルギー線照射の前後のいずれに有していてもよいが、(B1)成分を重合する必要がある場合、(B1)成分を十分に重合させる観点から、活性エネルギー線の照射「後」に有していることが好ましい。
活性エネルギー線としては、例えば紫外線や電子線等が挙げられる。紫外線は、高圧水銀ランプ、ヒュージョンHランプ、キセノンランプ等で得られる。一方、電子線は、電子線加速器等によって得られる。この活性エネルギー線の中では、特に紫外線が好適である。なお、電子線を使用する場合は、前記光重合開始剤を用いることなく、硬化膜を得ることができる。
(A2)成分と(B2)成分を揮発させる方法に特に制限は無いが、例えば70〜120℃程度で加熱する方法等が挙げられる。加熱は、オーブン等の、塗工膜を均一に加熱できる手段を用いることが好ましい。
このようにして形成された塗工膜の厚さは、通常、0.5〜20μm程度、好ましくは1〜10μmである。
なお、塗工膜中の層分離構造の有無は、例えばスラブ型光導波路分光法を利用した界面紫外可視分光測定装置を用いて確認することができる。また、断面の走査型電子顕微鏡(SEM)や光学顕微鏡によっても確認することができる。
以上のようにして得られた積層構造体を有する光学用部材は、高い防汚機能を有しており、特に防汚性ハードコートフィルムとして有用である。
次に、本発明を実施例により、さらに詳細に説明するが、本発明は、これらの例によって何ら限定されるものではない。
なお、各例で得られた塗工膜の層分離構造の有無の調査、並びに各例で得られた積層構造体の防汚性(指紋付着防止性)及び膜硬度(鉛筆硬度)の測定を、以下に示す方法に従って行った。
なお、各例で得られた塗工膜の層分離構造の有無の調査、並びに各例で得られた積層構造体の防汚性(指紋付着防止性)及び膜硬度(鉛筆硬度)の測定を、以下に示す方法に従って行った。
(1)層分離構造の有無
石英製光導波路基板(システムインスツルメンツ社製)に、塗工膜の塗工面側及びその裏面側をそれぞれ完全に密着させ、スラブ型光導波路分光法を利用した界面紫外可視分光測定装置「SIS−50型」(システムインスツルメンツ社製)を用いてエバネッセント波吸収特性を調査した。
塗工面側と裏面(基材側)のエバネッセント波吸収特性に大きな差が得られた場合に、効果的に層分離構造が形成されたと判断した。
(2)防汚性(指紋付着防止性)
30代男性の親指を積層構造体に垂直に3秒押しつけた後、磨耗試験機「TYPE F」(ヘイドン社製)の圧子部位に拭き取りアイテム「キムワイプ」(登録商標)を巻きつけ、500g加重にて圧子を20往復させることで指紋を拭き取り、その後、1000ルクス程度の一般蛍光灯下で目視確認を行った。
(3)硬度(鉛筆硬度)
JIS K5400が規定する鉛筆硬度評価方法に従い、4.9Nの荷重にて、Hの鉛筆を用いて5回評価した。
石英製光導波路基板(システムインスツルメンツ社製)に、塗工膜の塗工面側及びその裏面側をそれぞれ完全に密着させ、スラブ型光導波路分光法を利用した界面紫外可視分光測定装置「SIS−50型」(システムインスツルメンツ社製)を用いてエバネッセント波吸収特性を調査した。
塗工面側と裏面(基材側)のエバネッセント波吸収特性に大きな差が得られた場合に、効果的に層分離構造が形成されたと判断した。
(2)防汚性(指紋付着防止性)
30代男性の親指を積層構造体に垂直に3秒押しつけた後、磨耗試験機「TYPE F」(ヘイドン社製)の圧子部位に拭き取りアイテム「キムワイプ」(登録商標)を巻きつけ、500g加重にて圧子を20往復させることで指紋を拭き取り、その後、1000ルクス程度の一般蛍光灯下で目視確認を行った。
(3)硬度(鉛筆硬度)
JIS K5400が規定する鉛筆硬度評価方法に従い、4.9Nの荷重にて、Hの鉛筆を用いて5回評価した。
<製造例2>塗工液2
製造例1において、(B1)成分の1H,1H,2H−ヘプタデカフルオロ−1−デセンを、1,6−ビス(アクリロイルオキシ)−2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロヘキサン(東京化成工業株式会社製、2官能材料)に代えたこと以外は同様にして全成分を混合し、塗工液2を得た。
製造例1において、(B1)成分の1H,1H,2H−ヘプタデカフルオロ−1−デセンを、1,6−ビス(アクリロイルオキシ)−2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロヘキサン(東京化成工業株式会社製、2官能材料)に代えたこと以外は同様にして全成分を混合し、塗工液2を得た。
<製造例3及び4>
上記製造例1及び2において、いずれも50℃ではなく25℃にて各成分を混合し、それぞれ塗工液3、塗工液4を調製した。
上記製造例1及び2において、いずれも50℃ではなく25℃にて各成分を混合し、それぞれ塗工液3、塗工液4を調製した。
<製造例5及び6>順次形成用塗工液
製造例1における表1中の(A1)成分と(A2)成分とを、表1に記載の配合量で25℃にて混合して塗工液5とし、別途(B1)成分と(B2)成分とを、表1に記載の配合量で25℃にて混合して塗工液6とした。
製造例1における表1中の(A1)成分と(A2)成分とを、表1に記載の配合量で25℃にて混合して塗工液5とし、別途(B1)成分と(B2)成分とを、表1に記載の配合量で25℃にて混合して塗工液6とした。
<実施例1>
予め約50℃に加温した基材(東洋紡績株式会社製PETフィルム、製品名「A−4100」、厚み100μm)上に、製造例1で得た塗工液1をバーコーティングにより塗布した後、25℃で3分間保持して塗工膜を得た。ここで、前記方法により、塗工膜は層分離構造[(B1)・(B2)層/(A1)・(A2)層]を有していることを確認した。この状態で、紫外線を照射(積算光量:100mJ/cm2)して塗工膜を硬化させた後、90℃のオーブン中1分間加熱して、厚み1μmの積層構造体1を得た。
得られた積層構造体1の防汚性の測定を行ったところ、指紋残りは確認されず、高防汚性が得られていることが分かった。また、積層構造体1の硬度の測定を行ったところ、傷は残らず、高いハードコート性が得られていることが分かった。
予め約50℃に加温した基材(東洋紡績株式会社製PETフィルム、製品名「A−4100」、厚み100μm)上に、製造例1で得た塗工液1をバーコーティングにより塗布した後、25℃で3分間保持して塗工膜を得た。ここで、前記方法により、塗工膜は層分離構造[(B1)・(B2)層/(A1)・(A2)層]を有していることを確認した。この状態で、紫外線を照射(積算光量:100mJ/cm2)して塗工膜を硬化させた後、90℃のオーブン中1分間加熱して、厚み1μmの積層構造体1を得た。
得られた積層構造体1の防汚性の測定を行ったところ、指紋残りは確認されず、高防汚性が得られていることが分かった。また、積層構造体1の硬度の測定を行ったところ、傷は残らず、高いハードコート性が得られていることが分かった。
<実施例2>
実施例1において、塗工液1の代わりに製造例2で得た塗工液2を用いたこと以外は同様にして実験を行い、積層構造体2を得た。なお、実施例2においても、25℃で3分間保持して得た塗工膜は、層分離構造を有していた。
得られた積層構造体2の防汚性の測定を行ったところ、指紋残りは確認されず、高防汚性が得られていることが分かった。また、積層構造体2の硬度の測定を行ったところ、傷は残らず、高いハードコート性が得られていることが分かった。
実施例1において、塗工液1の代わりに製造例2で得た塗工液2を用いたこと以外は同様にして実験を行い、積層構造体2を得た。なお、実施例2においても、25℃で3分間保持して得た塗工膜は、層分離構造を有していた。
得られた積層構造体2の防汚性の測定を行ったところ、指紋残りは確認されず、高防汚性が得られていることが分かった。また、積層構造体2の硬度の測定を行ったところ、傷は残らず、高いハードコート性が得られていることが分かった。
<比較例1>
基材(東洋紡績株式会社製PETフィルム、製品名「A−4100」、厚み100μm)上に、25℃にて、製造例3で得た塗工液3をバーコーティングにより塗布した後、そのまま25℃で3分間保持して塗工膜を得た。この状態で、紫外線を照射(積算光量:100mJ/cm2)して塗工膜を硬化させた後、90℃のオーブン中1分間加熱して、厚み1μm(乾燥時)の積層構造体3を得た。
得られた積層構造体3の防汚性及び硬度の測定を行ったが、均一な積層構造が形成されていないため、指紋残りが確認され、且つ傷は残り、求める物性を得ることはできなかった。
基材(東洋紡績株式会社製PETフィルム、製品名「A−4100」、厚み100μm)上に、25℃にて、製造例3で得た塗工液3をバーコーティングにより塗布した後、そのまま25℃で3分間保持して塗工膜を得た。この状態で、紫外線を照射(積算光量:100mJ/cm2)して塗工膜を硬化させた後、90℃のオーブン中1分間加熱して、厚み1μm(乾燥時)の積層構造体3を得た。
得られた積層構造体3の防汚性及び硬度の測定を行ったが、均一な積層構造が形成されていないため、指紋残りが確認され、且つ傷は残り、求める物性を得ることはできなかった。
<比較例2>
比較例1において、塗工液3の代わりに製造例4で得た塗工液4を用いたこと以外は同様に実験を行い、積層構造体4を得た。
得られた積層構造体4の防汚性及び硬度の測定を行ったが、均一な積層構造が形成されていないため、指紋残りが確認され、且つ傷は残り、求める物性を得ることはできなかった。
比較例1において、塗工液3の代わりに製造例4で得た塗工液4を用いたこと以外は同様に実験を行い、積層構造体4を得た。
得られた積層構造体4の防汚性及び硬度の測定を行ったが、均一な積層構造が形成されていないため、指紋残りが確認され、且つ傷は残り、求める物性を得ることはできなかった。
<比較例3及び4>
実施例1及び実施例2において、基材を予め50℃に加温せず、25℃のまま使用したこと以外は同様にして実験を行い、それぞれ積層構造体5、積層構造体6を得た。
得られた積層構造体5及び6の防汚性及び硬度の測定を行ったが、指紋残りが確認され、且つ傷は残り、求める物性を得ることはできなかった。これは、塗工液を塗布している最中に層分離が進行してしまい、いずれも均一な積層構造が形成されなかったためと考えられる。
実施例1及び実施例2において、基材を予め50℃に加温せず、25℃のまま使用したこと以外は同様にして実験を行い、それぞれ積層構造体5、積層構造体6を得た。
得られた積層構造体5及び6の防汚性及び硬度の測定を行ったが、指紋残りが確認され、且つ傷は残り、求める物性を得ることはできなかった。これは、塗工液を塗布している最中に層分離が進行してしまい、いずれも均一な積層構造が形成されなかったためと考えられる。
<比較例5>タンデム塗工方式
基材(東洋紡績社製PETフィルム、製品名「A−4100」厚み100μm)上に、製造例5で得た塗工液5をバーコーティングにより塗布し、紫外線を積算光量が100mJ/cm2になるように照射して塗工膜を硬化させた。次いで、バーコーティングにより製造例6で得た塗工液6の硬化膜上への塗布を試みたが、ハジキがひどく、均一に塗布することはできなかった。
基材(東洋紡績社製PETフィルム、製品名「A−4100」厚み100μm)上に、製造例5で得た塗工液5をバーコーティングにより塗布し、紫外線を積算光量が100mJ/cm2になるように照射して塗工膜を硬化させた。次いで、バーコーティングにより製造例6で得た塗工液6の硬化膜上への塗布を試みたが、ハジキがひどく、均一に塗布することはできなかった。
本発明の製造方法は、光学用や建材用等として有用な、例えば防汚膜等の機能膜が設けられた積層構造体の製造方法として利用できる。本発明により得られる積層構造体は、例えばディスプレイ分野において用いられる反射防止フィルム、防眩フィルム、ハードコートフィルム等の保護フィルム等の光学用部材として有用である。
Claims (6)
- 1液型塗工液による積層構造体の製造方法であって、下記工程1〜3をこの順に有する、含フッ素材料層とハードコート層を有する積層構造体の製造方法。
工程1:(A1)活性エネルギー線硬化性のハードコート層形成成分、(A2)ハードコート層形成成分用溶剤、(B1)含フッ素材料及び(B2)フルオラス溶剤を35〜80℃で混合し、1液型塗工液を得る工程。
工程2:工程1で得られた1液型塗工液を35〜80℃に加温した基材に塗布した後、35℃未満で保持することにより層分離構造を有する塗工膜を形成する工程。
工程3:工程2の後、塗工膜へ活性エネルギー線を照射する工程と、塗工膜中の前記(A2)成分及び(B2)成分を揮発させる工程とを有する工程。 - (A2)成分が芳香族系有機溶剤であり、(B2)が芳香族系フルオラス溶剤である、請求項1に記載の積層構造体の製造方法。
- 請求項1又は2に記載の製造方法により得られる積層構造体。
- 請求項3に記載の積層構造体を有する光学用部材。
- 防汚性ハードコートフィルムである、請求項4に記載の光学用部材。
- 1液型塗工液を用いた塗工膜の形成方法であって、(A1)活性エネルギー線硬化性のハードコート層形成成分、(A2)ハードコート層形成成分用溶剤、(B1)含フッ素材料及び(B2)フルオラス溶剤を35〜80℃で混合して1液型塗工液を得、得られた1液型塗工液を35〜80℃に加温した基材に塗布した後、35℃未満で保持することによる、層分離構造を有する塗工膜の形成方法。
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