JP2011072427A - 吸収性物品 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】上記課題は、立体ギャザー60の68自由部分が、前側から順に前自由部分68F、中間自由部分68M、及び後自由部分68Bの3つの部分を有し、立体ギャザー60の突出部分66は、前固定部分67Fから前自由部分68Fまでの前突出範囲66Fにおける突出幅WF及び後固定部分67Bから後自由部分68Bまでの後突出範囲66Bにおける突出幅WBが、中間自由部分68Mにおける突出幅WMよりも広く、突出部分66のうち少なくとも前突出範囲66F及び後突出範囲66bは、付根部分65から幅方向中央側に向かって延出する基端側部分60cと、この基端側部分60cの先端から幅方向外側に折り返された先端側部分60tとからなり、自由部分68の先端部に、前後方向に伸張した状態で固定された弾性伸縮部材63を有する、ことにより解決される。
【選択図】図1
Description
<請求項1記載の発明>
内面における幅方向両側部に、身体側に突出する立体ギャザーがそれぞれ前後方向に沿って延在している、吸収性物品において、
前記立体ギャザーは、物品内面に固定された付根部分と、この付根部分から突出する突出部分と、この突出部分における前後方向両端部が平坦な状態で物品内面に対して固定されることにより形成された前固定部分及び後固定部分と、前記突出部分のうち前固定部分及び後固定部分間に位置する非固定の自由部分とを有するものであり、
前記自由部分は、前側から順に前自由部分、中間自由部分、及び後自由部分の3つの部分を有しており、
前記突出部分は、前記前固定部分から前記前自由部分までの前突出範囲における突出幅及び前記後固定部分から前記後自由部分までの後突出範囲における突出幅が、前記中間自由部分における突出幅よりも広く、
前記突出部分のうち少なくとも前突出範囲及び後突出範囲は、前記付根部分から幅方向中央側に向かって延出する基端側部分と、この基端側部分の先端から幅方向外側に折り返された先端側部分とからなり、
前記自由部分のうち、少なくとも前記中間自由部分の先端部に、前後方向に伸張した状態で固定された弾性伸縮部材を有するものである、
ことを特徴とする吸収性物品。
このように構成された立体ギャザーでは、自由部分のうち前自由部分及び後自由部分が面接触タイプとなり、中間自由部分が前自由部分及び後自由部分よりも接触幅が狭い面接触タイプとなるか又は線接触タイプとなる。その結果、股間においては幅のより狭い中間自由部分が大腿部の付根溝に対して良好にフィットし、薄くすっきりとした装着感が得られるとともに、股間から下腹部に向かうにつれて立体ギャザーの先端の幅が装着者の鼠蹊部の幅拡大と同様に拡大し、下腹部においては前自由部分及び後自由部分が幅広く鼠蹊部にフィットする。したがって、股間における大腿部の付根溝に対するフィット性と、下腹部に対するフィット性とが両立し、もって防止性能及び装着感に優れるようになる。
前記中間自由部分の突出幅が、前記前突出範囲及び前記後突出範囲における基端側部分の幅以下である、請求項1記載の吸収性物品。
このような構造とすることにより、中間自由部分が線接触タイプとなり、大腿部の付根溝に対するフィット性が高いものとなる。
前記中間自由部分の突出幅が、前前記前突出範囲及び前記後突出範囲における前記基端側部分の幅より大きい、請求項1記載の吸収性物品。
このような構造とすることにより、中間自由部分が面接触タイプとなり、中間自由部分が線接触タイプの場合と比べると大腿部の付根溝に対するフィット性は若干低下するが、肌に対する当たりがきつくならない利点がある。
前記前自由部分の先端側部分における先端部及び前記後自由部分の先端側部分における先端部にも、前後方向に伸張した状態で固定された弾性伸縮部材をそれぞれ有する、請求項2又は3記載の吸収性物品。
吸収性物品は、通常の製品形態においては、接着剤の染み出しや圧縮による密着により、立体ギャザーの自由部分が物品内面に軽く付着された状態で販売されており、使用時に立体ギャザーの自由部分が適切に立ち上がらず、横漏れを引き起こすおそれがある。これに対して、上述のように、前後自由部分の各先端側部分における先端部にも弾性伸縮部材を設けると、その収縮が、中間自由部分を起立させるように作用するため、立体ギャザーの自由部分が寝たままとなり難い利点がある。
前記前自由部分の基端側部分における先端側部分との境界近傍及び前記後自由部分の基端側部分における先端側部分との境界近傍にも、前後方向に伸張した状態で固定された弾性伸縮部材をそれぞれ有する、請求項4記載の吸収性物品。
このように、前後自由部分の各基端側部分における先端側部分との境界近傍にも弾性伸縮部材を設けると、その収縮が、前後自由部分の各基端側部分を物品内面から浮かせるように作用するため、前述のポケットの入口及び内空が潰れ難くなる。よって、前述のポケットによる漏れ防止効果がより一層のものとなる。
以下の説明において、「前後方向(縦方向)」とは腹側(前側)と背側(後側)を結ぶ方向を意味し、「幅方向」とは前後方向と直交する方向(左右方向)を意味し、「上下方向」とはおむつの装着状態、すなわちおむつの腹側部分両側部と背側部分量側部を重ね合わせるようにおむつを股間部で2つに折った際に胴回り方向と直交する方向、換言すればウエスト側と股間部側とを結ぶ方向を意味する。また、図中の網掛け部分(点模様部分)は接着固定部分を示している。
(外装シート)
外装シート12はおむつ外面を形成するシートであるとともに、吸収要素50を支持し、着用者に装着するための部分である。外装シート12は、両側部の前後方向中央部が括れた砂時計形状とされており、ここが着用者の脚を入れる部位となる。
液不透過性シート11の素材は、特に限定されるものではないが、例えば、ポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン系樹脂や、ポリエチレンシート等に不織布を積層したラミネート不織布、防水フィルムを介在させて実質的に液不透過性を確保した不織布(この場合は、防水フィルムと不織布とで液不透過性シートが構成される。)などを例示することができる。もちろん、このほかにも、近年、ムレ防止の観点から好まれて使用されている液不透過性かつ透湿性を有する素材も例示することができる。この液不透過性かつ透湿性を有する素材のシートとしては、例えば、ポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン系樹脂中に無機充填剤を混練して、シートを成形した後、一軸又は二軸方向に延伸して得られた微多孔性シートを例示することができる。さらに、マイクロデニール繊維を用いた不織布、熱や圧力をかけることで繊維の空隙を小さくすることによる防漏性強化、高吸水性樹脂または疎水性樹脂や撥水剤の塗工といった方法により、防水フィルムを用いずに液不透過性としたシートも、液不透過性シート11として用いることができる。
トップシート30は液透過性を有するものであれば足り、例えば、有孔又は無孔の不織布や、多孔性プラスチックシートなどを用いることができる。また、このうち不織布は、その原料繊維が何であるかは、特に限定されない。例えば、ポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン系、ポリエステル系、ポリアミド系等の合成繊維、レーヨンやキュプラ等の再生繊維、綿等の天然繊維などや、これらから二種以上が使用された混合繊維、複合繊維などを例示することができる。さらに、不織布は、どのような加工によって製造されたものであってもよい。加工方法としては、公知の方法、例えば、スパンレース法、スパンボンド法、サーマルボンド法、メルトブローン法、ニードルパンチ法、エアスルー法、ポイントボンド法等を例示することができる。例えば、柔軟性、ドレープ性を求めるのであれば、スパンレース法が、嵩高性、ソフト性を求めるのであれば、サーマルボンド法が、好ましい加工方法となる。
トップシート30を透過した排泄物を吸収体へ移動させ、逆戻りを防ぐために、トップシート30と吸収要素50との間に中間シート(セカンドシートもいわれる)40を設けることができる。この中間シート40は、排泄物を速やかに吸収体へ移行させて吸収体による吸収性能を高めるばかりでなく、吸収した排泄物の吸収体からの逆戻りを防止し、トップシート30表面を肌触りを良くするものである。中間シート40は省略することもできる。
吸収要素50は、尿や軟便などの液を吸収保持する部分である。吸収要素50は、吸収体56と、この吸収体56の少なくとも裏面及び側面を包む包装シート58とを有している。包装シート58は省略することもできる。吸収要素50は、その裏面においてホットメルト接着剤等の接着剤を介して液不透過性シート11の内面に接着することができる。
吸収体56は、繊維の集合体により形成することができる。この繊維集合体としては、綿状パルプや合成繊維等の短繊維を積繊したものの他、セルロースアセテート等の合成繊維のトウ(繊維束)を必要に応じて開繊して得られるフィラメント集合体も使用できる。繊維目付けとしては、綿状パルプや短繊維を積繊する場合は、例えば100〜300g/m2程度とすることができ、フィラメント集合体の場合は、例えば30〜120g/m2程度とすることができる。合成繊維の場合の繊度は、例えば、1〜16dtex、好ましくは1〜10dtex、さらに好ましくは1〜5dtexである。フィラメント集合体の場合、フィラメントは、非捲縮繊維であってもよいが、捲縮繊維であるのが好ましい。捲縮繊維の捲縮度は、例えば、1インチ当たり5〜75個、好ましくは10〜50個、さらに好ましくは15〜50個程度とすることができる。また、均一に捲縮した捲縮繊維を用いる場合が多い。
吸収体56は、高吸収性ポリマー粒子を含むのが好ましく、特に、少なくとも液受け入れ領域において、繊維の集合体に対して高吸収性ポリマー粒子(SAP粒子)が実質的に厚み方向全体に分散されているものが望ましい。
包装シート58を用いる場合、その素材としては、ティッシュペーパ、特にクレープ紙、不織布、ポリラミ不織布、小孔が開いたシート等を用いることができる。ただし、高吸収性ポリマー粒子が抜け出ないシートであるのが望ましい。クレープ紙に換えて不織布を使用する場合、親水性のSMMS(スパンボンド/メルトブローン/メルトブローン/スパンボンド)不織布が特に好適であり、その材質はポリプロピレン、ポリエチレン/ポリプロピレンなどを使用できる。繊維目付けは、5〜40g/m2、特に10〜30g/m2のものが望ましい。
図1及び図2に示されるように、ファスニングテープ130は、不織布、プラスチックフィルム、ポリラミ不織布、紙やこれらの複合素材からなるファスニング基材130Cの基部がおむつに取り付けられており、おむつから突出する先端側部分に腹側に対する係止部として、メカニカルファスナーのフック材130Aが設けられている。フック材130Aはファスニング基材130Cに接着剤により剥離不能に接合されている。
腹側Fにおけるファスニングテープ130の係止箇所には、係止を容易にするためのターゲット印刷を有するターゲット印刷シート74を設けるのが好ましい。ターゲット印刷シート74は、係止部がフック材130Aの場合、フック材の係合突起が絡まるようなループ糸がプラスチックフィルムや不織布からなるシート基材の表面に多数設けられたものを用いることができ、また粘着材層の場合には粘着性に富むような表面が平滑なプラスチックフィルムからなるシート基材の表面に剥離処理を施したものを用いることができる。ここで、ターゲット印刷は、シート基材に対して施すのが好ましい。
エンドフラップ部は、吸収性本体部10の前側及び後側にそれぞれ延出する部分であって、且つ吸収要素50を有しない部分であり、前側の延出部分が腹側エンドフラップ部FEであり、後側の延出部分が背側エンドフラップ部BEである。
図示形態では、両ファスニングテープ130間に、幅方向に弾性伸縮する帯状の背側伸縮シート70が設けられ、おむつ背側部におけるフィット性を向上させている。背側伸縮シート70の両端部は両ファスニングテープ130の取り付け部分と重なる部位まで延在されているのが好ましいが、幅方向中央側に離間していても良い。背側伸縮シート70の前後方向寸法は、ファスニングテープ130の取り付け部分の前後方向寸法と概ね同じにするのが適当であるが、±20%程度の範囲内とするのがよい。また、図示のように背側伸縮シート70が背側エンドフラップ部BEと吸収要素50の境界線と重なるように配置されていると、吸収要素50の背側端部がしっかりと体に押し当てられるため、好ましい。背側伸縮シート70は、ゴムシート等のシート状弾性伸縮部材を用いても良いが、通気性の観点から不織布や紙を用いるのが好ましい。この場合、伸縮不織布のような通気性を有するシート状弾性伸縮部材を用いることもできるが、図5に示すように、二枚の不織布等のシート基材71をホットメルト接着剤等の接着剤により張り合わせるとともに、両シート基材71間に有孔のシート状、網状、細長状(糸状又は紐状等)等の弾性伸縮部材72を幅方向に沿って伸張した状態で固定したものが好適に用いられる。この場合におけるシート基材71としては、外装シート12と同様のものを用いることができる。弾性伸縮部材72の伸張率は150〜250%程度であるのが好ましい。また、弾性伸縮部材72として細長状(糸状又は紐状等)のものを用いる場合、太さ420〜1120dtexのものを3〜10mmの間隔72dで5〜15本程度設けるのが好ましい。
立体ギャザー60,60は、身体側に突出(起立)するものであり、トップシート30上を伝わって横方向に移動する尿や軟便を阻止し、横漏れを防止するために、製品の両側に設けられるものである。
・前後固定部分67F,67Bの各前後方向長さは、製品全長Lの1/5〜2/5程度であるのが好ましい。
・前後自由部分68F,68Bの各前後方向長さは、製品全長Lの1/5〜2/5程度であるのが好ましく、中間自由部分68Mの前後方向長さは、製品全長Lの1/5〜3/5程度であるのが好ましい。
・前後突出範囲66F,66Bの各突出幅WF,WBは、中間自由部分の68Mの突出幅WMの2〜3倍程度が好ましく、中間自由部分68Mにおける突出幅WMは20〜30mm程度が好ましい。
・前後突出範囲66F,66Bの各基端側部分60cの幅WCは、各先端側部分60tの幅の1〜1.5倍であるのが好ましいが、1倍未満とすることもできる。
(イ) 上記例と異なり、中間自由部分68Mの突出幅WMを、前突出範囲66F及び後突出範囲66Bにおける基端側部分60cの幅WCより大きくし、中間自由部分68Mを、前後自由部分68F,68Bよりも接触幅の狭い面接触タイプとすることもできる(図示略)。この形態は、上記例のような中間自由部分68Mが線接触タイプの場合と比べると大腿部の付根溝に対するフィット性は若干低下するが、肌に対する当たりがきつくならない利点がある。
(ロ) ギャザー弾性伸縮部材63は、前後自由部分68F,68Bには設けなくても良いが、上記例のように前後自由部分68F,68Bにも設けると、その収縮が、中間自由部分68Mを起立させるように作用し、立体ギャザー60の自由部分68が寝たままとなり難いため好ましい。また、前後自由部分68F,68Bにギャザー弾性伸縮部材63を設ける場合、図8に示すように、中間自由部分68Mから前後自由部分68F,68Bにかけて連続的に且つ先端部に沿うように曲線状にギャザー弾性伸縮部材63を設ける他、図10(a)に示すように前後方向に沿って直線的に設けることもできる。後者の場合、ギャザー弾性伸縮部材63は、中間自由部分68Mにおいては先端部に位置するが、前後自由部分68F,68Bにおいては、基端側部分60cと先端側部分60tとの境界近傍に位置するようになる。
(ハ) 図10(b)に示すように、前後自由部分68F,68Bのそれぞれにおいて基端側部分60cにおける先端側部分60tとの境界近傍にも、ギャザー弾性伸縮部材69を設けると、その収縮が、前後自由部分68F,68Bの各基端側部分60cを物品内面から浮かせるように作用するため、前述のポケット60Pの入口及び内空が潰れ難くなり、前述のポケット60Pによる漏れ防止効果がより一層のものとなる。このギャザー弾性伸縮部材69は、中間自由部分68Mに設ける必要は無いが、図示例のように、前自由部分68Fから中間自由部分68Mを介して後自由部分68bまで連続的に設けると製造が容易となるため、好ましい。
Claims (5)
- 内面における幅方向両側部に、身体側に突出する立体ギャザーがそれぞれ前後方向に沿って延在している、吸収性物品において、
前記立体ギャザーは、物品内面に固定された付根部分と、この付根部分から突出する突出部分と、この突出部分における前後方向両端部が平坦な状態で物品内面に対して固定されることにより形成された前固定部分及び後固定部分と、前記突出部分のうち前固定部分及び後固定部分間に位置する非固定の自由部分とを有するものであり、
前記自由部分は、前側から順に前自由部分、中間自由部分、及び後自由部分の3つの部分を有しており、
前記突出部分は、前記前固定部分から前記前自由部分までの前突出範囲における突出幅及び前記後固定部分から前記後自由部分までの後突出範囲における突出幅が、前記中間自由部分における突出幅よりも広く、
前記突出部分のうち少なくとも前突出範囲及び後突出範囲は、前記付根部分から幅方向中央側に向かって延出する基端側部分と、この基端側部分の先端から幅方向外側に折り返された先端側部分とからなり、
前記自由部分のうち、少なくとも前記中間自由部分の先端部に、前後方向に伸張した状態で固定された弾性伸縮部材を有するものである、
ことを特徴とする吸収性物品。 - 前記中間自由部分の突出幅が、前記前突出範囲及び前記後突出範囲における基端側部分の幅以下である、請求項1記載の吸収性物品。
- 前記中間自由部分の突出幅が、前前記前突出範囲及び前記後突出範囲における前記基端側部分の幅より大きい、請求項1記載の吸収性物品。
- 前記前自由部分の先端側部分における先端部及び前記後自由部分の先端側部分における先端部にも、前後方向に伸張した状態で固定された弾性伸縮部材をそれぞれ有する、請求項2又は3記載の吸収性物品。
- 前記前自由部分の基端側部分における先端側部分との境界近傍及び前記後自由部分の基端側部分における先端側部分との境界近傍にも、前後方向に伸張した状態で固定された弾性伸縮部材をそれぞれ有する、請求項4記載の吸収性物品。
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