JP2011069887A - トナーの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】結晶性樹脂と非晶質樹脂からなる結着樹脂を含有するトナー原料を、オープンロール型混練機を用いて溶融混練する工程を含むトナーの製造方法であって、前記結晶性樹脂が炭素数2〜10の脂肪族ジオールを含有したアルコール成分と芳香族ジカルボン酸化合物を含有したカルボン酸成分とを縮重合させて得られる縮重合系樹脂成分と、スチレン系樹脂成分とを含む複合樹脂を含有してなり、該縮重合系樹脂成分と該スチレン系樹脂成分との重量比(縮重合系樹脂成分/スチレン系樹脂成分)が50/50〜95/5である、トナーの製造方法。
【選択図】なし
Description
で表されるビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物等の芳香族ジオール;グリセリン、ペンタエリスリトール、トリメチロールプロパン、ソルビトール、1,4−ソルビタン等の3価以上のアルコールが挙げられる。
1/Tg=Σ(Wn/Tgn) (1)
(式中、Tgnは、各成分の単独重合体の絶対温度で表したTgであり、Wnは各成分の重量分率である。)
この方法では、縮重合反応に適した反応温度条件下で工程(A)を行い、反応温度を低下させ、付加重合反応に適した温度条件下で工程(B)を行う。スチレン系樹脂成分の原料モノマー及び両反応性モノマーは、付加重合反応に適した温度で反応系内に添加にすることが好ましい。両反応性モノマーは付加重合反応と共に縮重合系樹脂成分とも反応する。
工程(B)の後に、再度反応温度を上昇させ、必要に応じて架橋剤となる3価以上等の縮重合系樹脂成分の原料モノマー等を重合系に添加し、工程(A)の縮重合反応や両反応性モノマーとの反応をさらに進めることができる。
この方法では、付加重合反応に適した反応温度条件下で工程(B)を行い、反応温度を上昇させ、縮重合反応に適した温度条件下で、工程(A)の縮重合反応を行う。両反応性モノマーは付加重合反応と共に縮重合反応にも関与する。
縮重合系樹脂成分の原料モノマーは、付加重合反応時に反応系内に存在してもよく、縮重合反応に適した温度条件下で反応系内に添加してもよい。前者の場合は、縮重合反応に適した温度でエステル化触媒を添加することで縮重合反応の進行を調節できる。
この方法では、付加重合反応に適した反応温度条件下で工程(A)と工程(B)とを行い、反応温度を上昇させ、縮重合反応に適した温度条件下で、必要に応じて架橋剤となる3価以上の縮重合系樹脂成分の原料モノマーを重合系に添加し、工程(A)の縮重合反応をさらに行うことが好ましい。その際、縮重合反応に適した温度条件下では、ラジカル重合禁止剤を添加して縮重合反応だけを進めることもできる。両反応性モノマーは付加重合反応と共に縮重合反応にも関与する。
フローテスター(島津製作所、CFT-500D)を用い、1gの試料を昇温速度6℃/分で加熱しながら、プランジャーにより1.96MPaの荷重を与え、直径1mm、長さ1mmのノズルから押出す。温度に対し、フローテスターのプランジャー降下量をプロットし、試料の半量が流出した温度を軟化点とする。
示差走査熱量計(ティー・エイ・インスツルメント・ジャパン社製、Q-100)を用いて、試料0.01〜0.02gをアルミパンに計量し、室温から降温速度10℃/分で0℃まで冷却しそのまま1分間静止させた。その後、昇温速度50℃/分で測定した。観測される吸熱ピークのうち、最も高温側にあるピークの温度を吸熱の最高ピーク温度とする。最高ピーク温度が軟化点と20℃以内の差であれば融点とする。
示差走査熱量計(ティー・エイ・インスツルメント・ジャパン社製、Q-100)を用いて、試料を0.01〜0.02gをアルミパンに計量し、200℃まで昇温し、その温度から降温速度10℃/分で0℃まで冷却した。次に試料を昇温速度10℃/分で測定した。吸熱の最高ピーク温度以下のベースラインの延長線とピークの立ち上がり部分からピークの頂点までの最大傾斜を示す接線との交点の温度をガラス転移点とした。
示差走査熱量計(ティー・エイ・インスツルメント・ジャパン社製、Q-100)を用いて、試料を0.01〜0.02gをアルミパンに計量し、200℃まで昇温し、その温度から降温速度100℃/分で-80℃まで冷却した。次に試料を昇温速度1℃/分でモジュレーティッドモードにて測定した。吸熱の最高ピーク温度以下のベースラインの延長線とピークの立ち上がり部分からピークの頂点までの最大傾斜を示す接線との交点の温度をガラス転移点とした。
JIS K0070の方法により測定する。但し、測定溶媒のみJIS K0070の規定のエタノールとエーテルの混合溶媒から、アセトンとトルエンの混合溶媒(アセトン:トルエン=1:1(容量比))に変更する。
示差走査熱量計(セイコー電子工業社製、DSC210)を用いて200℃まで昇温し、その温度から降温速度10℃/分で0℃まで冷却したサンプルを昇温速度10℃/分で昇温し、融解熱の最大ピーク温度を融点とする。
測定機:コールターマルチサイザーII(ベックマンコールター社製)
アパチャー径:50μm
解析ソフト:コールターマルチサイザーアキュコンプ バージョン 1.19(ベックマンコールター社製)
電解液:アイソトンII(ベックマンコールター社製)
分散液:エマルゲン109P(花王社製、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、HLB:13.6)を5重量%の濃度となるよう前記電解液に溶解させる。
分散条件:前記分散液5mlに測定試料10mgを添加し、超音波分散機にて1分間分散させ、その後、前記電解液25mlを添加し、さらに、超音波分散機にて1分間分散させて、試料分散液を調製する。
測定条件:前記電解液100mlに、3万個の粒子の粒径を20秒間で測定できる濃度となるように、前記試料分散液を加え、3万個の粒子を測定し、その粒度分布から体積中位粒径(D50)を求める。
表1、2に示す両性反応モノマーであるアクリル酸以外の縮重合系樹脂成分の原料モノマーを所定量、窒素導入管、脱水管、攪拌器及び熱電対を装備した10リットル容の四つ口フラスコに入れ160℃に加熱し、溶解させた。予め混合したスチレン、ジクミルパーオキサイド及びアクリル酸の溶液を滴下ロートにより1時間かけて滴下した。170℃に保持したまま1時間攪拌を続け、スチレン及びアクリル酸を重合させた後、8.3kPaにて1時間、未反応のスチレン及びアクリル酸の除去を行った。その後、2-エチルヘキサン酸錫(II) 40g、没食子酸 3gを加えて210℃に昇温し8時間反応を行った。さらに8.3kPaにて1時間反応を行い、結晶性樹脂A〜Lを得た。得られた結晶性樹脂の樹脂物性を表1、2に示す。
1,6-ヘキサンジオール 2974g、1,4-ブタンジオール 972g、テレフタル酸 5498g、及び2-エチルヘキサン酸錫(II)40g、没食子酸3gを、窒素導入管、脱水管、攪拌器及び熱電対を装備した10リットル容の四つ口フラスコに入れ、窒素雰囲気下、180℃で4時間かけて反応させ、さらに210℃に昇温して10時間反応を行った。さらに8.3kPaにて1時間反応を行い、結晶性樹脂Mを得た。得られた結晶性樹脂Mの樹脂物性を表2に示す。
ポリオキシプロピレン(2.2)-2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン1286g、ポリオキシエチレン(2.2)-2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン 2218g、テレフタル酸 1603g、2-エチルヘキサン酸錫(II)10g及び没食子酸2gを、窒素導入管、脱水管、攪拌器及び熱電対を装備した10リットル容の四つ口フラスコに入れ、窒素雰囲気下、230℃で反応率が90%に達するまで反応させた後、8.3kPaにて軟化点が111℃に達するまで反応を行い、非晶質ポリエステル(樹脂a)を得た。樹脂aのガラス転移点は69℃、軟化点は111℃、吸熱の最高ピーク温度は71℃、[軟化点/吸熱の最高ピーク温度]の比は1.6、酸価は3.2mgKOH/gであった。なお、反応率とは、生成反応水量/理論生成水量×100の値をいう。
ポリオキシプロピレン(2.2)-2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン 3486g、ポリオキシエチレン(2.2)-2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン 3240g、テレフタル酸 1881g、テトラプロペニル無水コハク酸 269g、2-エチルヘキサン酸錫(II) 30g及び没食子酸 2gを、窒素導入管、脱水管、攪拌器及び熱電対を装備した10リットル容の四つ口フラスコに入れ、窒素雰囲気下、230℃で反応率が90%に達するまで反応させた後、8.3kPaにて1時間反応させた。次に、無水トリメリット酸789gを投入し、220℃にて軟化点が122℃に達するまで反応を行い、非晶質ポリエステル(樹脂b)を得た。樹脂bのガラス転移点は64℃、軟化点は122℃、吸熱の最高ピーク温度は65℃、[軟化点/吸熱の最高ピーク温度]の値は1.9、酸価は18.9mgKOH/gであった。
表3に示す所定量の樹脂a、樹脂b、結晶性樹脂(比較例8においては添加しなかった)、負帯電性荷電制御剤「BONTRON E-304」(オリエント化学社製、サリチル酸亜鉛錯体)0.25重量部、カルナウバワックスC1(加藤洋行社製、融点:88℃)3重量部、パラフィンワックス「HNP-9」(日本精鑞社製、融点:75℃)3重量部、及び着色剤「ECB-301」(大日精化社製、フタロシアニンブルー(P.B.15:3))4.5重量部を、ヘンシェルミキサーを用いて1分間混合後、以下に示す条件で溶融混練した。
非磁性一成分現像装置「OKI MICROLINE 5400」(沖データ社製)にトナーを実装し、トナー付着量を0.45±0.03mg/cm2に調整して、4.1cm×13.0cmのベタ画像を富士ゼロックスオフィスサプライ社製のJ紙に印字した。定着機を通過する前にベタ画像を取りだして未定着画像を得た。得られた未定着画像を「Microline3010」(沖データ社製)の定着機を改造した外部定着機にて、定着ロールの温度を100℃に設定し、240mm/secの定着速度で定着させた。その後、定着ロール温度を105℃に設定し、同様の操作を行った。これを200℃まで5℃ずつ上昇させながら行った。
非磁性一成分現像装置「OKI MICROLINE 710」(沖データ社製)を線速240mm/sec(A4縦40枚/分相当)に改造してトナーを実装し、25℃/50%RH環境下にて5%の印字率で耐久試験を行った。500枚印字毎に全面ベタ画像を印字し、トナーの感光体へのフィルミングに起因する白点を目視で観察した。試験は、白点の発生が確認された時点で中止し、最高12000枚まで行った。評価は、10000枚以上を合格とした。結果を表3に示す。
これに対し、結晶性樹脂として用いた複合樹脂において、縮重合系樹脂成分とスチレン系樹脂成分の比が所定の範囲にない比較例1〜4のトナーや、結晶性樹脂がスチレン系樹脂成分を持たない結晶性ポリエステルである比較例5のトナーは、トナー原料のこぼれ落ちや冷却ロールへの張り付きが起こりやすいために、供給量を多くすることができず、混練処理量が少なくなり、生産性が劣る。供給量を多くした比較例6、7は、冷却ロールへの張り付きが生じ、混練処理量は多くなるが、そのようにして製造したトナーは、感光体へのフィルミングが十分に抑制されない。また、結晶性樹脂を含まない比較例8のトナーは低温定着性が劣る。
Claims (4)
- 結晶性樹脂と非晶質樹脂からなる結着樹脂を含有するトナー原料を、オープンロール型混練機を用いて溶融混練する工程を含むトナーの製造方法であって、前記結晶性樹脂が炭素数2〜10の脂肪族ジオールを含有したアルコール成分と芳香族ジカルボン酸化合物を含有したカルボン酸成分とを縮重合させて得られる縮重合系樹脂成分と、スチレン系樹脂成分とを含む複合樹脂を含有してなり、該縮重合系樹脂成分と該スチレン系樹脂成分との重量比(縮重合系樹脂成分/スチレン系樹脂成分)が50/50〜95/5である、トナーの製造方法。
- 複合樹脂が、(イ)炭素数2〜10の脂肪族ジオールを含有したアルコール成分と芳香族ジカルボン酸化合物を含有したカルボン酸成分とを含む、縮重合系樹脂成分の原料モノマー、(ロ)スチレン系樹脂成分の原料モノマー、及び(ハ)縮重合系樹脂成分の原料モノマー及びスチレン系樹脂成分の原料モノマーのいずれとも反応し得る両反応性モノマーを重合させることにより得られる樹脂である、請求項1記載のトナーの製造方法。
- 両反応性モノマーの使用量が、スチレン系樹脂成分の原料モノマーの合計100モルに対して、2〜30モルである、請求項2記載のトナーの製造方法。
- 複合樹脂のガラス転移点と、複合樹脂中のスチレン系樹脂成分のFox式で計算されたガラス転移点との差の絶対値が10℃以上である、請求項1〜3いずれか記載のトナーの製造方法。
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