JP2011069728A - 多軸加速度センサー、多軸加速度検出方法 - Google Patents

多軸加速度センサー、多軸加速度検出方法 Download PDF

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Abstract

【課題】多軸加速度センサー、多軸加速度検出方法を提供する。
【解決手段】支持部12と、前記支持部12にそれぞれヒンジ結合された一対のウエイト24、26と、各ウエイトと前記支持部12とをそれぞれ連結し、力の方向を検出軸とする一対の感圧素子28、30と、を有し、前記一対のウエイト24、26は、第1の加速度40が印加されて共に同一方向に回動し、かつ前記第1の加速度40に垂直な第2の加速度42が印加されて互いに反対方向に回動する位置でそれぞれヒンジ結合され、印加された加速度によりそれぞれ回動して前記一対の感圧素子28、30に前記力をそれぞれ印加するとともに、前記力から前記第1の加速度40及び前記第2の加速度42を検出可能としたことを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、多軸加速度センサー、及び多軸加速度検出方法に関し、特に組み立て加工をすることなくウエハから一体で形成可能な多軸加速度センサー、及びこれを用いた多軸加速度検出方法に関する。
加速度センサーは、従来より自動車、航空機、ロケットから各種プラントの異常振動監視装置等まで、広く利用されている。図6に第1の従来技術に係る加速度センサーを示す。第1の従来技術に係る特許文献1においては、基台122と、前記基台122とヒンジ124を介して接続され、加速度を受けて前記ヒンジ124を中心として回動可能なウエイト126と、前記ウエイト126の回動する方向に平行に配置され、一端が前記基台122に接続され他端が前記ウエイト126に接続され力の方向を検出軸とする感圧素子128と、前記ウエイト126の自由端126a側において前記ウエイト126の回動する方向から前記ウエイト126を挟み込む位置に配置され前記基台122に固定された一対のストッパ130とを有する加速度計が開示されている。これにより図中の矢印132の方向に加速度が加わると、ウエイト126がヒンジ124を中心として矢印の方向に回動し、これにより感圧素子128に対して引っ張り応力または圧縮応力が与えられ、この力を感圧素子128で検出することにより加速度を検出するとともに、ストッパ130によりウエイト126の回動の範囲を制限しているので感圧素子128に対して過剰な力が加わることを回避して感圧素子128の破損を防止している。
図7に第2の従来技術に係る加速度センサーを示す。第2の従来技術に係る特許文献2において、加速度の印加によって変位しない固定部材202と、可動部材204と、前記固定部材202と前記可動部材204とを連結する梁206と、前記固定部材202と前記可動部材204にそれぞれ固定した第1及び第2の緩和部材208、210と、応力感応部214と前記応力感応部214を挟むように前記応力感応部214と連結した2つの固定端216とを有する応力感応素子212と、を備え、前記第1及び第2の緩和部材208、210によって前記応力感応素子212の前記固定端216を支持した構造を有し、前記梁206は、前記可動部材204に加速度が印加されると前記可動部材204を加速度検出方向へ変位させるように屈曲可能な可撓性を有する構成であり、前記第1及び第2の緩和部材208、210は、前記応力感応素子212の両固定端216と、前記固定部材202及び前記可動部材204との間に生じる歪を緩和する加速度センサー200が開示されている。
これにより、可動部材204が梁206により容易に撓み、変換された応力を応力感応素子212に印加できるので、応答速度が速く、感度が良好な加速度センサー200を構築でき、また緩和部材208、210により加速度非印加時の応力感応素子212が呈する周波数温度依存性の頂点温度を常温近傍に維持することができる。
図8に第3の従来技術に係る振子型加速度計を示す。第3の従来技術に係る特許文献3においては、ベース302と、ベース302にヒンジ継手304によって接続されるとともに継手接続方向と直交する感知方向に沿った軸線を中心に回動できる振子型の回動質量306と、この回動質量306をベース302に橋渡しするセンサー手段308とを備え、前記センサー手段308は、各一端が前記ベース302に接続され、各他端が前記回動質量306に接続された少なくとも2個のピエゾ効果材料の振動梁308aと、各振動梁308aに形成されて共振周波数で各振動梁308aを振動させる電極手段(不図示)と、各電極に接続されるとともに、前記回動質量306が加速度を受けたときに2個の振動梁308aの共振周波数間の差に応答する信号を送るように配列される回路手段(不図示)と、を備え、前記振動梁308aは、感知軸線と直交して指向して、前記ヒンジ継手304の両側で前記回動質量306に関して対称的に配置され、従って、前記感知軸線に沿う加速度は、一つの振動梁308aに引張ストレス及び他の振動梁308aに圧縮ストレスを発生させる振子型加速度計300が開示されている。これにより加速度を2個の振動梁308aの共振周波数の差分により算出するため、一つの振動梁308aを用いた場合より感度が2倍になるとともに、前述の差分により加速度を検出するため2つの振動梁308aが同一材料であれば温度変化により生じる加速度の誤差を回避することができる。
図9に第4の従来技術に係る加速度センサーを示す。第4の従来技術に係る特許文献4においては、支持枠404と、第1の薄肉部406を介して前記支持枠404に片持ち支持されるウエイト408と、前記支持枠404に接続するとともに前記ウエイト408の固定端408aに第2の薄肉部410を介して接続し、2つの接続箇所を結ぶ線の方向を力の検出軸とする感圧素子412と、をウエハ402から一体で形成した構造を有し、前記第2の薄肉部410は、前記ウエハ402の一方の面から切り込みを入れた態様で形成され、前記ウエイト408は、前記ウエハ402の法線方向からの加速度を受けて前記第1の薄肉部406を軸として前記法線方向に回動して前記感圧素子412に力を印加することにより、法線方向からの加速度を検出可能な加速度センサー400が開示されている。これによりウエイト408のウエハ402の法線方向の回動による力は第2の薄肉部410において法線に垂直な方向の力に変換され、前記力を印加された感圧素子412が変換された力を感知することにより、ワンウエハ構造であってウエハ402の法線方向の加速度を検知可能な加速度センサー400を実現している。
特許文献1乃至特許文献4においては1軸検出を想定しているが、2軸(X,Y)、や3軸(X,Y,Z)の検出を可能とするためには、2つまたは3つの独立な素子をXYZ軸に沿って並べる必要がある。
図10に第5の従来技術に係る圧力センサーを示す。第5の従来技術に係る特許文献5には、直交する3つの振動取付面を有するベースと、互いに直交する3つの素子接合面を有する所定質量の立方体からなるウエイトと、3つの双音叉圧電振動子とを有し、各双音叉圧電振動子は、それぞれ一方の基端部をベースの振動取付面に接合し、他方の基端部を対応するウエイトの素子接合面に結合した加速度センサーが開示されており、同様の構成が特許文献6にも開示されている。
特開昭59−126261号公報 特開2008−170203号公報 特開平1−302166号公報 米国特許5,165,279号公報 特開2008−076076号公報 米国特許6,826,960号公報
しかしながら、特許文献5や特許文献6の構成では体積が大きくなるばかりかコスト高となり、さらに3軸の精度がマウントの精度に依存してしまうという問題があった。2軸の加速度計を構築する場合は、ウエハ上に互いに垂直な配置となる圧電振動子をエッチングにより形成してマウント精度の問題を解消することが考えられるが、結晶の方位により周波数特性、温度特性等が異なるとともに、エッチングの進行速度は結晶の方位面によって異なるため、同一の特性を有する圧電振動子を形成することは困難であり、このため加速度の感度が軸によって異なるだけでなく、温度によって2つの軸の感度比が変動し、高精度な加速度検知を困難にする問題があった。
そこで本発明は、上記問題点に着目し、ワンウエハ構造でありながら、多軸の加速度の高精度な検知が可能な、多軸加速度センサー、及び多軸加速度検出方法を提供することを目的とする。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の適用例として実現することが可能である。
[適用例1]支持部と、前記支持部にそれぞれヒンジ結合された一対のウエイトと、各ウエイトと前記支持部とをそれぞれ連結し、力の方向を検出軸とする一対の感圧素子と、を有し、前記一対のウエイトは、第1の加速度が印加されて共に同一方向に回動し、かつ前記第1の加速度に垂直な第2の加速度が印加されて互いに反対方向に回動する位置でそれぞれヒンジ結合され、印加された加速度によりそれぞれ回動して前記一対の感圧素子に前記力をそれぞれ印加するとともに、前記力から前記第1の加速度及び前記第2の加速度を検出可能としたことを特徴とする多軸加速度センサー。
上記構成により、一対のウエイトは第1の加速度が印加されると共に同一方向に回動して一対の感圧素子に力を印加し、第1の加速度に垂直な第2の加速度が印加されると互いに反対方向に回動して一対の感圧素子に力を印加することになり、このとき一対の感圧素子は引張応力または圧縮応力をそれぞれ受けることになる。よって、一対のウエイトに印加される任意の加速度は第1の加速度及び第2の加速度のベクトル和となるため、ウエハの法線に垂直な方向から印加された任意の加速度により一対の感圧素子が受けた力は、第1の加速度方向の力と第2の加速度方向の力の和で表現できる。また第1の加速度及び第2の加速度の方向を反転させると一対の感圧素子が受ける力の方向も反転するため第1の加速度方向の力及び第2の加速度方向の力の正負を判別することができる。
したがって一対の感圧素子が受けた力と、第1の加速度方向の力、第2の加速度方向の力からなる連立方程式を解くことによって第1の加速度方向の力と、第2の加速度方向の力と、をそれぞれ算出することができ、これにより第1の加速度方向の力に比例する第1の加速度の大きさと方向、第2の加速度方向の力に比例する第2の加速度の大きさと方向をそれぞれ算出することが可能なワンウエハ構造の多軸加速度センサーとなる。
[適用例2]前記支持部に薄肉部を介して片持ち支持され前記第1の加速度及び第2の加速度に垂直な第3の加速度を受けて前記第3の加速度の方向に回動可能な第2のウエイトと、前記支持部とともに実装基板に固定される固定部と、前記固定部と前記第2のウエイトの自由端とを連結し、力の方向を検出軸とする第2の感圧素子と、を有し、前記薄肉部は、前記第2のウエイトの厚みの中心線から変位した位置で前記第2のウエイトと接続し、前記第2のウエイトは、前記第3の加速度の方向に回動して前記力を前記第2の感圧素子に印加して前記第3の加速度を検出可能としたことを特徴とする適用例1に記載の多軸加速度センサー。
上記構成により、第2のウエイトは第1の加速度及び第2の加速度に垂直な第3の加速度により回動する。そして薄肉部は第3の加速度の方向から切り込まれた形状を有することになるが、切り込まれた側から加速度を受けた場合は、第2の感圧素子に圧縮応力を与え、その反対側から加速度を受けた場合は第2の感圧素子に引張応力を与えることになるので、第2の感圧素子は力を受けて第3の加速度方向の力とその方向(正負の方向)を検出することができ、これにより第3の加速度方向の力に比例する第3の加速度の大きさとその方向を検出することができる。
また、この多軸加速度センサーに対して第1、第2の加速度のみならず第3の加速度を含む加速度を印加した場合、一対のウエイトはそれぞれ第3の加速度の方向にも回動するため、一対の感圧素子は曲げ応力を受けて第3の加速度方向の力も検出することになる。しかし上述のように第3の加速度方向の力を第2の感圧素子により独立して検出することができるので、これにより一対の感圧素子が受ける力から第3の加速度方向の力を演算によりキャンセルすることができ、3軸の加速度を検出可能な多軸加速度センサーとなる。
[適用例3]前記支持部は、平行に配置した一対の柱部と、前記一対の柱部を連結する連結部によりコの字型に形成され、前記一対のウエイトは、前記一対の柱部の先端でそれぞれ支持され、前記一対の感圧素子は、前記連結部にそれぞれ接続され、前記薄肉部は、前記連結部の前記柱部が露出した側に接続されたことを特徴とする適用例2に記載の多軸加速度センサー。
上記構成により、外形全体を矩形形状にすることが可能であるとともに、隙間を減らすことができるので、小型化が可能で3軸の加速度を検出可能な多軸加速度センサーとなる。
[適用例4]前記支持部と一体に形成された枠形状を有し、前記一対のウエイト及び前記一対の感圧素子を枠内に収容する支持枠を有することを特徴とする適用例1乃至3のいずれか1例に記載の多軸加速度センサー。
上記構成により、一対のウエイト及び一対の感圧素子が外部素子と干渉することを防止することができる。
[適用例5]前記一対の感圧素子の検出軸を互いに平行に配置して適用例1乃至4のいずれか1例に記載の多軸加速度センサーの構成要素を同一平面上に形成し、前記多軸加速度センサーの外形をウエハ上にアレイ状に配置したのち個片化した構成を有することを特徴とする多軸加速度センサー。
一対のウエイトは同一方向の軸を中心にして回動し、かつその回動の角度は微小であるため、同一平面上に形成することが可能であり、また一対のウエイトの周縁に感圧素子及び支持部が接続するため、これら構成要素は全て同一平面上に形成可能である。よってウエハから一体で形成することが可能な多軸加速度センサーとなる。さらに一対の感圧素子は、互いに平行であるため、エッチングによる加工であっても形状を一致させて共振周波数を一致させることが可能であるとともに、結晶方位も一致するため温度特性を一致させることができる。従って2つ、または3つの検出軸において温度変化による感度比の変動を回避したワンウエハ型の多軸加速度センサーとなる。
[適用例6]支持部と、前記支持部にそれぞれヒンジ結合された一対のウエイトと、各ウエイトと前記支持部とをそれぞれ連結し、力の方向を検出軸とする一対の感圧素子と、を形成し、前記一対のウエイトは、第1の加速度が印加されて共に同一方向に回動し、かつ前記第1の加速度に垂直な第2の加速度が印加されて互いに反対方向に回動する位置でそれぞれヒンジ結合され、前記一対のウエイトに加速度を印加して、各ウエイトを回動させて前記一対の感圧素子に前記力をそれぞれ印加するとともに、前記力から前記第1の加速度及び前記第2の加速度を検出することを特徴とする多軸加速度検出方法。
上記方法により、一対のウエイトは第1の加速度が印加されると共に同一方向に回動して一対の感圧素子に力を印加し、第1の加速度に垂直な第2の加速度が印加されると互いに反対方向に回動して一対の感圧素子に力を印加することになり、このとき一対の感圧素子は引張応力または圧縮応力をそれぞれ受けることになる。よって、一対のウエイトに印加される任意の加速度は第1の加速度及び第2の加速度のベクトル和となるため、ウエハの法線に垂直な方向から印加された任意の加速度により一対の感圧素子が受けた力は、第1の加速度方向の力と第2の加速度方向の力の和で表現できる。また第1の加速度及び第2の加速度の方向を反転させると一対の感圧素子が受ける力の方向も反転するため第1の加速度方向の力及び第2の加速度方向の力の正負を判別することができる。
したがって一対の感圧素子が受けた力と、第1の加速度方向の力、第2の加速度方向の力からなる連立方程式を解くことによって第1の加速度方向の力と、第2の加速度方向の力と、をそれぞれ算出することができ、これにより第1の加速度方向の力に比例する第1の加速度の大きさと方向、第2の加速度方向の力に比例する第2の加速度の大きさと方向をそれぞれ算出することができる。
[適用例7]前記支持部に薄肉部を介して片持ち支持され前記第1の加速度及び前記第2の加速度に垂直な第3の加速度を受けて前記第3の加速度の方向に回動可能な第2のウエイトと、前記支持部とともに実装基板に固定される固定部と、前記固定部と前記第2のウエイトの自由端とを連結し、力の方向を検出軸とする第2の感圧素子と、を形成し、前記薄肉部は、前記第2のウエイトの厚みの中心線から変位した位置で前記第2のウエイトと接続し、前記第3の加速度により前記第2のウエイトを回動させ、前記回動による前記力を前記第2の感圧素子に印加して前記第3の加速度を検出することを特徴とする適用例6に記載の多軸加速度検出方法。
上記方法により、第2のウエイトは第1の加速度及び第2の加速度に垂直な第3の加速度により回動する。そして薄肉部は第3の加速度の方向から切り込まれた形状を有することになるが、切り込まれた側から加速度を受けた場合は、第2の感圧素子に引張応力を与え、その反対側から加速度を受けた場合は第2の感圧素子に圧縮応力を与えることになるので、第2の感圧素子は力を受けて第3の加速度方向の力とその方向(正負の方向)を検出することができ、これにより第3の加速度方向の力に比例する第3の加速度の大きさとその方向を検出することができる。
また、この多軸加速度センサーに対して第1、第2の加速度のみならず第3の加速度を含む加速度を印加した場合、一対のウエイトはそれぞれ第3の加速度の方向にも回動するため、一対の感圧素子は曲げ応力を受けて第3の加速度方向の力も検出することになる。しかし上述のように第3の加速度方向の力を第2の感圧素子により独立して検出することができるので、これにより一対の感圧素子が受ける力から第3の加速度方向の力をキャンセルすることができ、3軸の加速度を検出することができる。
第1実施形態に係る多軸加速度センサーの模式図である。 第1実施形態に係る多軸加速度センサーの部分変形例の模式図である。 第2実施形態に係る多軸加速度センサーの模式図である。 第3実施形態に係る多軸加速度センサーの模式図である。 第4実施形態に係る多軸加速度センサーの模式図である。 第1の従来技術に係る加速度センサーの模式図である。 第2の従来技術に係る加速度センサーの模式図である。 第3の従来技術に係る振子型加速度計の模式図である。 第4の従来技術に係る加速度センサーの模式図である。 第5の従来技術に係る加速度センサーの模式図である。
以下、本発明を図に示した実施形態を用いて詳細に説明する。但し、この実施形態に記載される構成要素、種類、組み合わせ、形状、その相対配置などは特定的な記載がない限り、この発明の範囲をそれのみに限定する主旨ではなく単なる説明例に過ぎない。また以下の説明及び図面においてX軸、Y軸、Z軸の直交座標系を用いて説明する。図面において、黒丸を白丸で囲った記号は紙面上方に向かうベクトルを示し、×印を白丸で囲った記号は紙面下方に向かうベクトルを示す。
第1実施形態に係る多軸加速度センサーを図1に示す。図1(a)は平面図、図1(b)は図1(a)のA−A’線断面図である。また図2に、図1(a)の矩形の破線で囲まれた部分の変形例を示す。第1実施形態に係る多軸加速度センサー10は、支持部12と、前記支持部12にそれぞれヒンジ結合された一対のウエイト24、26と、各ウエイトと前記支持部12とをそれぞれ連結し、力の方向を検出軸とする一対の感圧素子28、30と、を有し、前記一対のウエイト24、26は、第1の加速度40が印加されて共に同一方向に回動し、かつ前記第1の加速度40に垂直な第2の加速度42が印加されて互いに反対方向に回動する位置でそれぞれヒンジ結合され、印加された加速度によりそれぞれ回動して前記一対の感圧素子28、30に前記力をそれぞれ印加するとともに、前記力から前記第1の加速度40及び前記第2の加速度42を検出可能とした構成である。
また多軸加速度センサー10は、前記支持部12に薄肉部32を介して片持ち支持され前記第1の加速度40及び第2の加速度42に垂直な第3の加速度44を受けて前記第3の加速度44の方向に回動可能な第2のウエイト34と、前記支持部12とともに実装基板(不図示)に固定される固定部38と、前記固定部38と前記第2のウエイト34の自由端34bとを連結し、力の方向を検出軸とする第2の感圧素子36と、を有し、前記薄肉部32は、前記第2のウエイト34の厚みの中心線36dから変位した位置で前記第2のウエイト34と接続し、前記第2のウエイトは34、前記第3の加速度44の方向に回動して前記力を前記第2の感圧素子36に印加して前記第3の加速度44を検出可能とした構成である。
さらに、前記支持部12は、平行に配置した一対の柱部14、16と、前記一対の柱部14、16を連結する連結部18によりコの字型に形成され、前記一対のウエイト24、26は、前記一対の柱部14、16の先端でそれぞれ支持され、前記一対の感圧素子28、30は、前記連結部18にそれぞれ接続され、前記薄肉部32は、前記連結部18の前記柱部14、16が露出した側に接続された構成である。
そして、前記一対の感圧素子28、30の検出軸を互いに平行に配置して多軸加速度センサー10の構成要素を同一平面上に形成し、前記多軸加速度センサー10の外形をウエハ(不図示)上にアレイ状に配置したのちエッチング及びサンドブラストにより個片化した構成を有し、ワンウエハ型の多軸加速度センサー10となっている。
よって、上記構成を用いた第1実施形態に係る多軸加速度検出方法は、支持部12と、前記支持部12にそれぞれヒンジ結合された一対のウエイト24、26と、各ウエイトと前記支持部12とをそれぞれ連結し、力の方向を検出軸とする一対の感圧素子28、30と、を形成し、前記一対のウエイト24、26は、第1の加速度40が印加されて共に同一方向に回動し、かつ前記第1の加速度40に垂直な第2の加速度42が印加されて互いに反対方向に回動する位置でそれぞれヒンジ結合され、前記一対のウエイト24、26に加速度を印加して、各ウエイトを回動させて前記一対の感圧素子28、30に前記力をそれぞれ印加するとともに、前記力から前記第1の加速度40及び前記第2の加速度42を検出するものである。
また、第1実施形態に係る多軸加速度検出方法は、前記支持部12に薄肉部32を介して片持ち支持され前記第1の加速度40及び前記第2の加速度42に垂直な第3の加速度44を受けて前記第3の加速度44の方向に回動可能な第2のウエイト34と、前記支持部12とともに実装基板(不図示)に固定される固定部38と、前記固定部38と前記第2のウエイト34の自由端34bとを連結し、力の方向を検出軸とする第2の感圧素子36と、を形成し、前記薄肉部32は、前記第2のウエイト34の厚みの中心線36dから変位した位置で前記第2のウエイト34と接続し、前記第3の加速度44により前記第2のウエイト34を回動させ、前記回動による前記力を前記第2の感圧素子36に印加して前記第3の加速度44を検出するものである。
本実施形態の多軸加速度センサー10の材料となるウエハは、水晶、ニオブ酸リチウム、タンタル酸リチウム等の圧電材料により形成されている。本実施形態においてはウエハ(不図示)上に多軸加速度センサー10の外形をアレイ上に配置した態様でエッチングを行い、一枚のウエハ(不図示)から矩形の多軸加速度センサー10を複数個片化することができる。
本実施形態の多軸加速度センサー10は、図1(a)に示すようにその構成要素を含めてY軸方向に延びたA−A’線を中心線とした線対称な形状を有している。
支持部12は、コの字型(またはU字型)の形状を有し、一対で形成されY方向に延びて互いに平行に配置された柱部14、柱部16と、2つの柱部を連結しX軸方向に長手方向を有する連結部18を有する。各柱部の先端にはそれぞれ細く形成された第1のヒンジ部20、第2のヒンジ部22が形成され、第1のヒンジ部20、第2のヒンジ部22の固定端がそれぞれ柱部14、16の先端に接続され、自由端が一対のウエイト24、26にそれぞれ接続している。また支持部12は実装先の実装基板(不図示)に固定される。
一対のウエイト24、26は、加速度を受けてそれぞれ第1のヒンジ部20、第2のヒンジ部22を中心としウエハ(不図示)の法線方向(Z軸)を軸としてXY平面上で回動可能である。なお回動の角度は極わずかであるのでウエイト同士が干渉したり、他の構成要素と干渉することはない。またウエイト24及びウエイト26の表面には金属膜(不図示)をスパッタ等により形成し、回動の感度を調整するとともに、レーザー光を用いて金属膜(不図示)の一部を剥ぎ取ることにより、ウエイト24、26において回動の感度が一致するように調整することができる。
本実施形態において、一対のウエイト24、26は、第1の加速度40(X方向)が印加されて共に同一方向に回動し、かつ第1の加速度40に垂直な第2の加速度42(Y方向)が印加されて互いに反対方向に回動する位置でそれぞれヒンジ結合する必要がある。ここで、ウエイト24、26は簡単のため矩形であると考えると、図1に示すように、ウエイト24、26の重心24c、26cはそれぞれウエイト24、26の中央に位置する。そして、ウエイト24、26の周縁であって第1の加速度40に対する釣り合いの位置となる第1の釣り合い点24a、26aはそれぞれ2箇所ある。この位置に第1のヒンジ部20、第2のヒンジ部22をそれぞれ取り付け、第1の加速度40を印加してもウエイト24、26は共に回動しない。同様にウエイト24、26の周縁であって第2の加速度42に対する釣り合いの位置となる第2の釣り合い点24b、26bはそれぞれ2箇所あり、この位置に第1のヒンジ部20、第2のヒンジ部22をそれぞれ取り付け、第2の加速度42を印加してもウエイト24、26は共に回動しない。
よって第1のヒンジ部20、第2のヒンジ部22のウエイト24、26に対する接続位置の1つ目の条件は、ウエイト24、26の周縁であって、ウエイト24、26の第1の加速度40の釣り合いの位置となる第1の釣り合い点24a、26a、及び第2の加速度42の釣り合いの位置となる第2の釣り合い点24b、26bからそれぞれ離れた位置となることである。
また2つ目の条件は、第1の加速度40の方向であって互いに反対方向に離れた位置となることである。これにより、第1の加速度40を印加するとウエイト24、26は共に同一方向に回動可能となる。
さらに3つ目の条件は、第2の加速度42の方向であって共に同一方向に離れた位置となることである。これにより第2の加速度42を印加するとウエイトは互いに反対方向に回動可能となる。
なお、第1のヒンジ部20、第2のヒンジ部22のウエイト24、26に対する接続位置は上述の条件であるので、図2に示すようにX方向からウエイト24、26に接続しても良い。
一対の感圧素子28、30は、それぞれY軸方向に長手方向を有し、感圧素子28は、柱部14と第2のウエイト34との間に配置され、連結部18の−X方向側とウエイト24とを連結し、感圧素子30は柱部16と第2のウエイト34との間に配置され、連結部18の+X方向側とウエイト26とを連結している。また感圧素子28、30は、それぞれ双音叉型またはシングルビーム型の振動腕28c、30cと、振動腕28c、30cの長手方向から挟むように接続された第1の基部28a、30a、第2の基部28b、30bを有し、第1の基部28a、30aはそれぞれ連結部18に接続し、第2の基部28bはウエイト24に接続し、第2の基部30bはウエイト26に接続している。感圧素子28、30の振動腕28c、30cにはそれぞれ一対の励振電極(不図示)が形成され、励振電極(不図示)に接続した一対の引き出し電極(不図示)は連結部18表面にまで延伸して形成されている。よって引き出し電極に感圧素子28、30を振動させる駆動回路(不図示)を接続することにより、感圧素子28、30は所定の周波数で駆動させることができる。本実施形態において感圧素子28、30は平行に配置されているため、その結晶方位は同一であり、その寸法も同じになるように設計しているため、共振周波数を同一にするとともに、その温度特性も同一にすることができる。
また感圧素子28、30は力の方向(Y軸)を検出軸としているが、ウエイト24、26の回動によりそれぞれ圧縮応力または引張応力を受ける。感圧素子28、30の長手方向(Y方向)から圧縮応力が印加された場合は共振周波数が小さくなり、逆に引張応力を印加された場合は共振周波数が大きくなる。これら応力による共振周波数の変化から加速度を検出することができる。またウエイト24、26は第1の加速度40(X方向)、第2の加速度42(Y方向)のいずれかでも回動するため、後述の演算により感圧素子は第1の加速度(X方向)、第2の加速度(Y方向)の加速度を検出することができる。なお、上述のようにウエイトの回動の角度は極わずかであるので、多軸加速度センサーが受ける加速度に対して感圧素子が受ける力は比例関係にあり、線形応答するものとする。
多軸加速度センサー10に対して、第1の加速度40(X軸)を+X方向から印加した場合、ウエイト24、26はそれぞれその加速度による慣性力を受け、法線方向(Z軸)を軸とし第1のヒンジ部20、第2のヒンジ部22を中心として−X方向(図1(a)において反時計回り)にそれぞれ回動する。このとき感圧素子28は引張応力を受け、感圧素子30は圧縮応力を受けることになる。逆に第1の加速度40を−X方向から印加した場合、一対のウエイト24、26はそれぞれ+X方向(図1(a)において時計回り)に回動するため、感圧素子28は圧縮応力を受け、感圧素子30は引張応力を受けることになる。
また多軸加速度センサー10に対して、第2の加速度42(Y軸)を+Y方向から印加した場合、ウエイト24、26はその慣性力を受け、法線方向(Z軸)を軸としそれぞれ第1のヒンジ部20、第2のヒンジ部22を中心として回動するが、ウエイト24は+X方向(図1(a)において時計周り)に回動し、ウエイト26は−X方向(図1(a)において反時計回り)に回動する。このとき感圧素子28、30は共に引張応力を受けることになる。逆に第2の加速度42を−Y方向から印加するとウエイト24は+X方向(図1(a)において時計周り)に回動し、ウエイト26は−X方向(図1(a)において反時計回り)に回動し、感圧素子28、30は共に圧縮応力を受けることになる。
そして、ウエイト24、26を共に同一方向に回動させる力と、ウエイト24、26を互いに反対方向に回動させる力とは、互いに打ち消し合う関係にはなく、またこの同一方向の回動と反対方向の回動とを足し合わせても互いに打ち消しあうことはない。したがって法線、すなわちZ軸に垂直なXY方向の任意の加速度は、ウエイト24、26を共に同一方向に回動させる第1の加速度40と、ウエイト24、26を互いに反対方向に回動させる第2の加速度42のベクトル和として表すことができる。
第2のウエイト34は、連結部18の+Y方向側に薄肉部32を介して片持ち支持状態で接続されている。また第2のウエイト34は、+Y方向側に開口した切り込み部34cを有している。この切り込み部34cの最も薄肉部に近い部分は第2のウエイト34の自由端34bとして機能する。
薄肉部32は、第2のウエイト34及び第2の感圧素子36の厚みの中心線36dからZ方向に変位した位置で前記第2のウエイト34と接続した形態を有しており、実際には+Z方向側または−Z方向側(図1においては−Z方向側)からウエハ(不図示)をハーフエッチングまたはサンドブラストにより切り込む態様で形成される。この切り込む工程は、多軸加速度センサー10の外形をエッチングまたはサンドブラストにより抜き出す前に、ウエハ(不図示)上の薄肉部43に対応する位置にて行う。よって第2のウエイト34は、固定端34aとなる薄肉部32との接続位置であって、第2の感圧素子36の厚みの中心線36dからZ方向の一方に偏った位置を中心としてZ方向に回動することができる。
第2の感圧素子36は、感圧素子28、30と同様に双音叉型またはシングルビーム型の振動腕36cと、振動腕36cの両端に接続された第1の基部36aと第2の基部36bとを有する圧電振動子である。第2の感圧素子36は、感圧素子28、30と同一方向に検出軸を有し、第1の基部36aを第2のウエイト34の切り込み部34cの薄肉部32に最も近い部分に接続され、第2の基部36bを実装基板(不図示)に固定される固定部38に接続される。
第2の感圧素子36の厚みの中心線36dはウエハ(不図示)、すなわち連結部18の厚みの中心位置とZ方向で一致する。一方、前述のように第2のウエイト34の回動の軸となる薄肉部32の厚みの中心位置は、中心線36dよりZ方向に変位している。すなわち図1に示すように薄肉部32の厚みの中心位置が、中心線36dより+Z方向に変位している。したがってZ方向の第3の加速度44であって+Z方向の加速度を印加した場合は、第2のウエイト34はその慣性力を受けて−Z方向(図1(b)において時計回り)に回動し、これにより第2のウエイト34は第1の基部36aに−Y方向の力を印加し、逆に−Z方向に加速度を印加した場合は、第2のウエイト34は+Z方向(図1(b)において反時計回り)に回動し、これにより第2のウエイト34は第1の基部36aに+Y方向の力を印加することになる。そして第2の基部36bは実装基板(不図示)に固定される固定部38に接続している。よって、+Z方向の第3の加速度44を第2のウエイト34に印加した場合は、第2の感圧素子36に引張応力が印加され、逆に−Z方向の第3の加速度44を第2のウエイト34に印加した場合は、第2の感圧素子36に圧縮応力が印加されることになる。よって第2の感圧素子36は、ウエハ(不図示)の法線方向(Z方向)の第3の加速度44によって回動する第2のウエイト34からの力を印加され、第3の加速度方向の力及び第3の加速度44を検出可能であり、さらに印加される力の正負を圧縮応力、引張応力により識別して第3の加速度44の正負を判別することができる。
なお、第2のウエイト34の表面にも金属膜(不図示)を形成して第2のウエイト34の第3の加速度44に対する感度を調整することが可能であり、金属膜(不図示)の一部をレーザー等で剥ぎ取ることにより感度の微調整を行うことができる。
本実施形態の多軸加速度センサー10に印加される加速度は通常、ウエハの法線に垂直な第1の加速度(X方向)、第2の加速度(Y方向)のみならず、第3の加速度(Z方向)の加速度の成分を有する。このときウエイト24、26には第3の加速度方向の力を受けて第3の加速度44の方向に回動し、これにより感圧素子28、30に圧縮応力が印加され、これが他軸感度として検出されることになる。しかし、第2の感圧素子36により第3の加速度方向の力及び第3の加速度44を独立に検出できるので、感圧素子28、30に印加された力から第3の加速度方向の力の成分を後述の演算により除去することができる。
上記構成による多軸加速度センサー10に任意の加速度が印加された場合の第1の加速度方向の力、第2の加速度方向の力、第3の加速度方向の力の演算は以下のように行う。
感圧素子28が印加された加速度により受けた力をF、感圧素子30が印加された加速度により受けた力をF、第2の感圧素子36が印加された加速度により受けた力をFとし、第1の加速度方向の力をΔFgx、第2の加速度方向の力をΔFgy、第3の加速度方向の力をΔFgzとすると、以下の式が成立する。
Figure 2011069728
ここで、力の対称性より、
Figure 2011069728
よって、[数1]、[数2]を用いて、
Figure 2011069728
が得られる。よって感圧素子28、30に印加される力の差(F−F)を求めることによって第1の加速度方向の力ΔFgxを算出でき、さらにこの力に比例する第1の加速度40を検出することができる。一方、感圧素子28、30に印加される力の和(F+F)を求めるとΔFgzの成分が残るが、上述のようにΔFgzすなわち、第3の加速度成分の力ΔFgz3、及びこの力に比例する第3の加速度44は、第2の感圧素子36により独立に求めることができるので、この分を差し引くことにより第2の加速度の方向の力ΔFgyを算出することができ、さらにこれに比例する第2の加速度42を検出することができる。上述の演算は感圧素子28、30、及び第2の感圧素子36に接続された演算回路(不図示)により行うことができる。
図3に第2実施形態に係る多軸加速度センサー80を示す。第2実施形態に係る多軸加速度センサー80の加速度の検出原理は第1実施形態と同様であるが、支持部52と一体に形成された枠形状を有し、支持部52にヒンジ部76によりぞれぞれヒンジ結合された一対のウエイト56、58及び一対の感圧素子60、62を枠内に収容する支持枠54を有する構成となっている。図3(a)においては、支持枠54に延伸部64を設け、延伸部64に薄肉部66を介して第2のウエイト68を接続し、第2のウエイト68の自由端68aに第2の感圧素子70の第1の基部70aを接続し、第2の感圧素子70の第2の基部70bに固定部72を接続した配置としているが、図3(b)に示すように、延伸部64、薄肉部66、第2のウエイト68、第2の感圧素子70、固定部72も収容するように支持枠74を設計してもよい。
第1実施形態、第2実施形態以外にも同一の原理でXYZ方向のそれぞれの加速度を検出できる変形例がある。図4に第3実施形態に係る多軸加速度センサー80を示す。第3実施形態は第1実施形態と類似するので同一の構成要素につて同一の番号を付するものとする。第1実施形態において、感圧素子28、30は、第1のヒンジ部20と第2のヒンジ部22に挟まれた領域に配置されているが、第3実施形態に係る多軸加速度センサー80においては、破線で示すように、いずれかが第1のヒンジ部20と第2のヒンジ部22に挟まれた領域の外側に配置されてもよく、また感圧素子28、30を共に外側に配置されてもよい。このように感圧素子28、30の接続位置を変えた場合、同じ加速度による力であっても、圧縮応力と引張応力とが入れ替わることになるが、加速度の検出の正負は感圧素子28、30の配置が既知であれば演算において補正できるので、いずれの組み合わせ(4通り)でも第1の加速度40、第2の加速度42を検出することができる。さらに、図1に示すように、一対のウエイト24、26はそれぞれ接続された第1のヒンジ部、第2のヒンジ部の接続位置からその重心24c、26cを第1の加速度40の方向で互いに近づけた方向に配置しているが、図4に示すように、その重心24c、26cを反対に互いに離れる方向に配置してもよい。もちろん本実施形態のような感圧素子の取り付け位置の入れ替え、およびウエイトの配置は第1実施形態及び第2実施形態にも適用できる。
図5に第4実施形態に係る多軸加速度センサーを示す。図5に示す多軸加速度センサー90のように、支持部92を構成する柱部92aを一直線状に形成し、ウエイト96をその長手方向の両端にヒンジ部94を介して接続し、一対の感圧素子98、100を、一直線上に並べた状態で、長手方向の両端で支持部92及びウエイト96をそれぞれ連結する構成とし、支持部92に薄肉部32を介して第2のウエイト34、第2の感圧素子36、固定部38を上述同様に接続してもよく、さらに図5の破線に示すように、感圧素子98、100について、その取り付け位置をヒンジ部94を挟んだ反対側にしてもよい。
以上述べたように、本実施形態に係る多軸加速度センサー10、50、80、90、及び多軸加速度検出方法によれば、第1には、一対のウエイト(24、26)、(56、58)、96は第1の加速度40が印加されると共に同一方向に回動して一対の感圧素子(28、30)、(60、62)、(98、100)に力を印加し、第1の加速度40に垂直な第2の加速度42が印加されると互いに反対方向に回動して一対の感圧素子に力を印加することになり、このとき一対の感圧素子は引張応力または圧縮応力をそれぞれ受けることになる。よって、一対のウエイトに印加される任意の加速度は第1の加速度40及び第2の加速度42のベクトル和となるため、ウエハ(不図示)の法線に垂直な方向(XY方向)から印加された任意の加速度により一対の感圧素子が受けた力は、第1の加速度方向の力と第2の加速度方向の力の和で表現できる。また第1の加速度40及び第2の加速度42の方向を反転させると一対の感圧素子が受ける力の方向も反転するため第1の加速度方向の力及び第2の加速度方向の力の正負を判別することができる。
したがって一対の感圧素子が受けた力と、第1の加速度方向の力、第2の加速度方向の力からなる連立方程式を解くことによって第1の加速度方向の力と、第2の加速度方向の力と、をそれぞれ算出することができ、これにより第1の加速度方向の力に比例する第1の加速度の大きさと方向、第2の加速度方向の力に比例する第2の加速度の大きさと方向をそれぞれ算出することが可能なワンウエハ構造の多軸加速度センサー10、50、80、90となる。
第2には、第2のウエイト34、68は第1の加速度40及び第2の加速度42に垂直な第3の加速度44により回動する。そして薄肉部32、66は第3の加速度44の方向から切り込まれた形状を有することになるが、切り込まれた側から加速度を受けた場合は、第2の感圧素子36、70に圧縮応力を与え、その反対側から加速度を受けた場合は第2の感圧素子36、70に引張応力を与えることになるので、第2の感圧素子36、70は力を受けて第3の加速度方向の力とその方向(正負の方向)を検出することができ、これにより第3の加速度方向の力に比例する第3の加速度44の大きさとその方向を検出することができる。
また、この多軸加速度センサー10、50、80、90に対して第1、第2の加速度のみならず第3の加速度44を含む加速度を印加した場合、一対のウエイトはそれぞれ第3の加速度44の方向にも回動するため、一対の感圧素子(28、30)、(60、62)、(98、100)は曲げ応力を受けて第3の加速度方向の力も検出することになる。しかし上述のように第3の加速度方向の力を第2の感圧素子36、70により独立して検出することができるので、これにより一対の感圧素子が受ける力から第3の加速度方向の力を演算によりキャンセルすることができ、3軸の加速度を検出可能な多軸加速度センサー10、50、80、90となる。
第3には、第1実施形態で述べたように、支持部12は、平行に配置した一対の柱部14、16と、一対の柱部14、16を連結する連結部18によりコの字型に形成され、一対のウエイト24、26は、一対の柱部14、16の先端でそれぞれ支持され、一対の感圧素子28、30は、連結部18にそれぞれ接続され、薄肉部32は、連結部18の柱部14、16が露出した側に接続した。これにより、外形全体を矩形形状にすることが可能であるとともに、隙間を減らすことができるので、小型化が可能で3軸の加速度を検出可能な多軸加速度センサー10となる。
第4には、第2実施形態で述べたように、支持部52と一体に形成された枠形状を有し、一対のウエイト56、58及び一対の感圧素子60、62を枠内に収容する支持枠54を有する構成とした。これにより、一対のウエイト56、58及び一対の感圧素子60、62が外部素子と干渉することを防止することができる。
第5には、一対のウエイト(24、26)、(56、58)、96は同一方向の軸を中心にして回動し、かつその回動の角度は微小であるため、同一平面上に形成することが可能であり、また一対のウエイトの周縁に感圧素子(28、30)、(60、62)、(98、100)及び支持部12、52、92が接続するため、これら構成要素は全て同一平面上に形成可能である。よってウエハ(不図示)から一体で形成することが可能な多軸加速度センサー10、50、80、90となる。さらに一対の感圧素子は、互いに平行であるため、エッチングによる加工であっても形状を一致させて共振周波数を一致させることが可能であるとともに、結晶方位も一致するため温度特性を一致させることができる。従って2つ、または3つの検出軸において温度変化による感度比の変動を回避したワンウエハ型の多軸加速度センサー10、50、80、90となる。
10………多軸加速度センサー、12………支持部、14………柱部、16………柱部、18………連結部、20………第1のヒンジ部、22………第2のヒンジ部、24………ウエイト、24a………第1の釣り合い点、24b………第2の釣り合い点、24c………重心、26………ウエイト、26a………第1の釣り合い点、26b………第2の釣り合い点、26c………重心、28………感圧素子、28a………第1の基部、28b………第2の基部、28c………振動腕、30………感圧素子、30a………第1の基部、30b………第2の基部、30c………振動腕、32………薄肉部、34………第2のウエイト、34a………固定端、34b………自由端、34c………切り込み部、36………第2の感圧素子、36a………第1の基部、36b………第2の基部、36c………振動腕、36d………中心線、38………固定部、40………第1の加速度、42………第2の加速度、44………第3の加速度、50………多軸加速度センサー、52………支持部、54………支持枠、56………ウエイト、58………ウエイト、60………感圧素子、62………感圧素子、64………延伸部、66………薄肉部、68………第2のウエイト、68a………自由端、70………第2の感圧素子、70a………第1の基部、70b………第2の基部、72………固定部、74………支持枠、76………ヒンジ部、80………多軸加速度センサー、90………多軸加速度センサー、92………支持部、92a………柱部、94………ヒンジ部、96………ウエイト、98………感圧素子、100………感圧素子、120………加速度計、122………基台、124………ヒンジ、126………ウエイト、126a………自由端、128………感圧素子、130………ストッパ、132………矢印、200………加速度センサー、202………固定部材、204………可動部材、206………梁、208………第1の緩和部材、210………第2の緩和部材、212………応力感応素子、214………応力感応部、216………固定端、300………振子型加速度計、302………ベース、304………ヒンジ継手、306………回動質量、308………センサー手段、308a………振動梁、400………加速度センサー、402………ウエハ、404………支持枠、406………第1の薄肉部、408………ウエイト、408a………固定端、410………第2の薄肉部、412………感圧素子、500………加速度センサー、502………ベース、504………ウエイト、506………双音叉振動子。

Claims (7)

  1. 支持部と、
    前記支持部にそれぞれヒンジ結合された一対のウエイトと、
    各ウエイトと前記支持部とをそれぞれ連結し、力の方向を検出軸とする一対の感圧素子と、を有し、
    前記一対のウエイトは、第1の加速度が印加されて共に同一方向に回動し、かつ前記第1の加速度に垂直な第2の加速度が印加されて互いに反対方向に回動する位置でそれぞれヒンジ結合され、
    印加された加速度によりそれぞれ回動して前記一対の感圧素子に前記力をそれぞれ印加するとともに、
    前記力から前記第1の加速度及び前記第2の加速度を検出可能としたことを特徴とする多軸加速度センサー。
  2. 前記支持部に薄肉部を介して片持ち支持され前記第1の加速度及び第2の加速度に垂直な第3の加速度を受けて前記第3の加速度の方向に回動可能な第2のウエイトと、
    前記支持部とともに実装基板に固定される固定部と、
    前記固定部と前記第2のウエイトの自由端とを連結し、力の方向を検出軸とする第2の感圧素子と、を有し、
    前記薄肉部は、
    前記第2のウエイトの厚みの中心線から変位した位置で前記第2のウエイトと接続し、
    前記第2のウエイトは、
    前記第3の加速度の方向に回動して前記力を前記第2の感圧素子に印加して前記第3の加速度を検出可能としたことを特徴とする請求項1に記載の多軸加速度センサー。
  3. 前記支持部は、平行に配置した一対の柱部と、前記一対の柱部を連結する連結部によりコの字型に形成され、
    前記一対のウエイトは、前記一対の柱部の先端でそれぞれ支持され、
    前記一対の感圧素子は、前記連結部にそれぞれ接続され、
    前記薄肉部は、前記連結部の前記柱部が露出した側に接続されたことを特徴とする請求項2に記載の多軸加速度センサー。
  4. 前記支持部と一体に形成された枠形状を有し、前記一対のウエイト及び前記一対の感圧素子を枠内に収容する支持枠を有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の多軸加速度センサー。
  5. 前記一対の感圧素子の検出軸を互いに平行に配置して請求項1乃至4のいずれか1項に記載の多軸加速度センサーの構成要素を同一平面上に形成し、前記多軸加速度センサーの外形をウエハ上にアレイ状に配置したのち個片化した構成を有することを特徴とする多軸加速度センサー。
  6. 支持部と、前記支持部にそれぞれヒンジ結合された一対のウエイトと、各ウエイトと前記支持部とをそれぞれ連結し、力の方向を検出軸とする一対の感圧素子と、を形成し、
    前記一対のウエイトは、第1の加速度が印加されて共に同一方向に回動し、かつ前記第1の加速度に垂直な第2の加速度が印加されて互いに反対方向に回動する位置でそれぞれヒンジ結合され、
    前記一対のウエイトに加速度を印加して、各ウエイトを回動させて前記一対の感圧素子に前記力をそれぞれ印加するとともに、前記力から前記第1の加速度及び前記第2の加速度を検出することを特徴とする多軸加速度検出方法。
  7. 前記支持部に薄肉部を介して片持ち支持され前記第1の加速度及び前記第2の加速度に垂直な第3の加速度を受けて前記第3の加速度の方向に回動可能な第2のウエイトと、前記支持部とともに実装基板に固定される固定部と、前記固定部と前記第2のウエイトの自由端とを連結し、力の方向を検出軸とする第2の感圧素子と、を形成し、
    前記薄肉部は、前記第2のウエイトの厚みの中心線から変位した位置で前記第2のウエイトと接続し、
    前記第3の加速度により前記第2のウエイトを回動させ、前記回動による前記力を前記第2の感圧素子に印加して前記第3の加速度を検出することを特徴とする請求項6に記載の多軸加速度検出方法。
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