JP2011068583A - タンパク質糖化抑制剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】コラーゲン等のようなタンパク質の糖化抑制能を有するタンパク質糖化抑制剤を提供する。
【解決手段】本発明のタンパク質糖化抑制剤は、シソ,テンチャ,及びレモンの各抽出物のうち少なくとも一つからなる。このタンパク質糖化抑制剤は、優れたコラーゲンの糖化抑制能を有している。よって、本発明のタンパク質糖化抑制剤は、飲食品(例えばサプリメント,飲料),医薬品(例えば皮膚外用剤,内服薬),医薬部外品,又は化粧料の材料として好適である。
【選択図】なし

Description

本発明は、コラーゲン等のタンパク質の糖化を抑制するタンパク質糖化抑制剤に関する。
糖化(glycation)とは、血中の糖濃度などの影響により、血管や細胞外マトリックス(ECM)に非酵素的且つ非可逆的に糖が結合する現象(メイラード反応)の総称である。近年の研究により、糖化は年齢とともに進行することが分かっており、動脈硬化や水晶体の白濁などの様々な疾患の原因となることも分かっている。
例えば、人間の皮膚は、加齢に伴ってタンパク質が糖化して劣化するため、皮膚の状態が低下し、皺,たるみ,くすみ等が生じやすくなる。特に、近年においては、社会生活におけるストレスの影響によって皮膚のタンパク質の糖化が促進されることが問題となっている。
このような背景から、タンパク質の糖化を抑制する作用を有する種々の薬剤が提案されている(特許文献1〜6を参照)。しかしながら、今後さらに高齢化やストレスの悪化や生活環境の悪化が進むことも予想されることから、タンパク質の糖化抑制能のさらなる改良が望まれていた。
なお、特許文献7,8にはメイラード反応修復剤が開示されているが、このメイラード反応修復剤とは、メイラード反応によりタンパク質に生じた架橋を切断して、タンパク質本来の構造及び機能に修復する薬剤であって、糖化抑制剤ではない。また、特許文献9には糖化抑制剤が開示されているが、タンパク質の糖化抑制剤ではなく、アミノリン脂質の糖化抑制剤である。
特開2007−131599号公報 特開2006−28090号公報 特開2000−309521号公報 特開2003−300894号公報 特開2004−217544号公報 特開2004−217545号公報 特開2002−241299号公報 特開2007−119373号公報 特開2007−223977号公報
本発明は、上記のような従来技術が有する問題点を解決し、優れたタンパク質の糖化抑制能を有するタンパク質糖化抑制剤を提供することを課題とする。
前記課題を解決するため、本発明は次のような構成からなる。
すなわち、本発明のタンパク質糖化抑制剤は、シソ,テンチャ,及びレモンの各抽出物のうち少なくとも一つからなることを特徴とする。
本発明のタンパク質糖化抑制剤は、優れたタンパク質の糖化抑制能を有している。
実施例1の糖化抑制試験の結果を示すグラフ(シソの抽出物)である。 実施例1の糖化抑制試験の結果を示すグラフ(テンチャの抽出物)である。 実施例1の糖化抑制試験の結果を示すグラフ(レモンの抽出物)である。
本発明のタンパク質糖化抑制剤は、シソ,テンチャ,及びレモンの各抽出物のうち少なくとも一つからなる。このタンパク質糖化抑制剤は、優れたタンパク質の糖化抑制能を有している。よって、本発明のタンパク質糖化抑制剤は、飲食品(例えばサプリメント,飲料),医薬品(例えば皮膚外用剤,内服薬),医薬部外品,又は化粧料の材料として好適である。
本発明のタンパク質糖化抑制剤は、そのままでも用いることができる。材料として用いるときは、シソ,テンチャ,及びレモンの各抽出物の配合比は特に限定されるものではなく、任意に設定可能である。ただし、本発明のタンパク質糖化抑制剤の糖化抑制能をより優れたものとするため、以下の濃度とすることが好ましい。
シソの抽出物の配合比は、固形分換算で、本発明のタンパク質糖化抑制剤を含む組成物全体に対して0.000001質量%以上1質量%以下とすることが好ましく、0.00001質量%以上0.05質量%以下とすることがより好ましい。
また、テンチャの抽出物の配合比は、固形分換算で、本発明のタンパク質糖化抑制剤を含む組成物全体に対して0.000001質量%以上1質量%以下とすることが好ましく、0.00001質量%以上0.05質量%以下とすることがより好ましい。
さらに、レモンの抽出物の配合比は、圧搾液換算で、本発明のタンパク質糖化抑制剤を含む組成物全体に対して0.000001質量%以上1質量%以下とすることが好ましく、0.00001質量%以上0.05質量%以下とすることがより好ましい。
ここで、シソ,テンチャ,及びレモンの各抽出物について、詳細に説明する。
〔シソの抽出物について〕
シソ(学名:Perilla frutescens (L.) Britton var. acuta Kudo )は、赤紫蘇であり、しそ科シソ属に属する一年草である。本発明のタンパク質糖化抑制剤に用いられるシソの抽出物としては、シソの葉の抽出物が最も好ましいが、シソの茎,枝,花,樹皮,種子,根等にも有効成分が含まれているので、これらのうちいずれか一つ又は二つ以上の抽出物を使用することもできる。
例えば、シソの葉には、ペリラアルデヒド,α−ピネン,1−リモネン,ペリラケトン,エルショルチアケトン,ジラピオール,ミリスチシン,p−クマリン酸エステル,アデニン,アルギニン等が含まれており、シソの種子には、ペリラアルデヒド,β−ピネン,d−リモネン,ステアリン酸,パルミチン酸,オレイン酸,リノレイン酸等が含まれている。
シソからの有効成分の抽出方法は特に限定されるものではないが、溶媒を用いた抽出法が好ましい。抽出を行う際には、シソをそのまま使用することもできるが、顆粒状や粉末状に粉砕して抽出に供した方が、穏和な条件で短時間に高い抽出効率で有効成分の抽出を行うことができる。
抽出温度は特に限定されるものではなく、シソの粉砕物の粒径や溶媒の種類等に応じて適宜設定すればよい。通常は、室温から溶媒の沸点までの範囲内で設定される。また、抽出時間も特に限定されるものではなく、シソの粉砕物の粒径、溶媒の種類、抽出温度等に応じて適宜設定すればよい。さらに、抽出時には、撹拌を行ってもよいし、撹拌せず静置してもよいし、超音波を加えてもよい。
さらに、溶媒の種類は特に限定されるものではないが、水(熱水等を含む)、アルコール(例えばメタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール)、グリコール(例えば1,3−ブチレングリコール、プロピレングリコール)、グリセリン、ケトン(例えばアセトン、メチルエチルケトン)、エーテル(例えばジエチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、プロピルエーテル)、アセトニトリル、エステル(例えば酢酸エチル、酢酸ブチル)、脂肪族炭化水素(例えばヘキサン、ヘプタン、流動パラフィン)、芳香族炭化水素(例えばトルエン、キシレン)、ハロゲン化炭化水素(例えばクロロホルム)、又はこれらのうち2種以上の混合溶媒が好ましい。
親水性有機溶剤としては、例えば、アルコール、グリコール、グリセリン、ケトン、エーテル、アセトニトリルなどが挙げられる。
このような抽出操作により、シソから有効成分が抽出され、溶媒に溶け込む。抽出物を含む溶媒は、そのままタンパク質糖化抑制剤に使用してもよいが、滅菌,洗浄,濾過,脱色,脱臭等の慣用の精製処理を加えてからタンパク質糖化抑制剤に使用してもよい。また、必要により濃縮又は希釈してからタンパク質糖化抑制剤に使用してもよい。さらに、溶媒を全て揮発させて固体状(乾燥物)としてからタンパク質糖化抑制剤に使用してもよいし、該乾燥物を任意の溶媒に再溶解してタンパク質糖化抑制剤に使用してもよい。
ここで、シソの葉から抽出物を抽出する方法を、一例を挙げて説明する。シソの葉を例えば水又は親水性有機溶剤中に浸漬し、室温又は80℃〜100℃にて抽出する。抽出処理により得られた抽出液をろ過後、そのまま又は必要に応じて濃縮若しくは乾固したものを、タンパク質糖化抑制剤に使用することができる。なお、この抽出処理の際には、シソの葉は細断又は粉砕したものを用いてもよい。また、生の葉又は乾燥した葉を用いてもよいし、焙煎した葉を用いてもよい。焙煎方法は特に限定されるものではないが、80℃〜120℃で0.5時間〜2時間焙煎する方法があげられる。
なお、シソからの有効成分の抽出方法として、超臨界流体を用いた抽出法を採用することも可能である。超臨界流体の種類は特に限定されるものではなく、二酸化窒素,アンモニア,エタン,プロパン,エチレン,メタノール,エタノール等があげられる。また、シソの抽出物は、香栄興業株式会社から市販されているので(商品名:シソ抽出液)、これを用いることもできる。さらに、シソを圧搾することにより得られる圧搾液にも抽出物と同様の有効成分が含まれているので、抽出物の代わりにシソの圧搾液を使用することもできる。
〔テンチャの抽出物について〕
テンチャ(学名:Rubus suavissimus Shugan Lee. (Rosaseae))は、バラ科キイチゴ属に属する落葉灌木である。本発明のタンパク質糖化抑制剤に用いられるテンチャの抽出物としては、テンチャの葉の抽出物が最も好ましいが、テンチャの茎,枝,花,樹皮,種子,根等にも有効成分が含まれているので、これらのうちいずれか一つ又は二つ以上の抽出物を使用することもできる。
例えば、テンチャの葉には、エラグタンニン(グルコース,没食子酸,エラグ酸から構成されるタンニンの5量体を中心としたポリフェノール類)及びルブソシド(ステビオシドの類似体で天然甘味成分)等が多く含まれている。
テンチャからの有効成分の抽出方法は特に限定されるものではなく、シソの場合と同様であるので、その詳細な説明は省略する。なお、テンチャの抽出物は、丸善製薬株式会社から市販されているので(商品名:甜茶抽出液BG)、これを用いることもできる。また、テンチャを圧搾することにより得られる圧搾液にも抽出物と同様の有効成分が含まれているので、抽出物の代わりにテンチャの圧搾液を使用することもできる。
ここで、テンチャの葉から抽出物を抽出する方法を、一例を挙げて説明する。テンチャの葉を例えば水又は親水性有機溶剤中に浸漬し、室温又は80℃〜100℃にて抽出する。抽出処理により得られた抽出液をろ過後、そのまま又は必要に応じて濃縮若しくは乾固したものを、タンパク質糖化抑制剤に使用することができる。なお、この抽出処理の際には、テンチャの葉は細断又は粉砕したものを用いてもよい。また、生の葉又は乾燥した葉を用いてもよいし、焙煎した葉を用いてもよい。焙煎方法は特に限定されるものではないが、100℃〜150℃で0.5時間〜2時間焙煎する方法があげられる。
〔レモンの抽出物について〕
レモン(学名:Citrus limon Burmann fil (Rutaceae) )は、ミカン科ミカン属に属する常緑灌木である。本発明のタンパク質糖化抑制剤に用いられるレモンの抽出物としては、レモンの果実(果肉及び/又は果皮)の抽出物が最も好ましいが、レモンの葉,茎,枝,花,樹皮,根等にも有効成分が含まれているので、これらのうちいずれか一つ又は二つ以上の抽出物を使用することもできる。
例えば、レモンの果実には、ビタミンC,クエン酸等が多く含まれている。
レモンからの有効成分の抽出方法は特に限定されるものではなく、シソの場合と同様であるので、その詳細な説明は省略する。なお、レモンの抽出物は、香栄興業株式会社から市販されているので(商品名:ホーモフルーツ レモン)、これを用いることもできる。また、レモンを圧搾することにより得られる圧搾液にも抽出物と同様の有効成分が含まれているので、抽出物の代わりにレモンの圧搾液を使用することもできる。
ここで、レモンから抽出物を抽出する方法を、一例を挙げて説明する。レモンの果実から抽出物を抽出する場合は、前述したシソの葉やテンチャの葉から抽出物を抽出する方法と同様の方法を採用することもできるが、圧搾法を採用することが好ましい。葉,茎等の果実以外の部位から抽出物を抽出する場合は、前述したシソの葉やテンチャの葉から抽出物を抽出する方法と同様の方法を採用することが好ましい。なお、葉,茎等からの抽出処理の際には、レモンは細断又は粉砕したものを用いてもよい。また、生又は乾燥したものを用いてもよいし、焙煎したものを用いてもよい。
本発明のタンパク質糖化抑制剤を含む組成物は、上記の各抽出物のうち少なくとも一つからなるものであれば良く、粉末や固形物でもよいし、液状物でもよい。本発明のタンパク質糖化抑制剤を含む組成物には、飲食品,医薬品,医薬部外品,化粧料等に一般的に使用される各種材料や添加剤を所望により添加しても差し支えない。例えば、添加剤としては、調味料,香料,防腐剤,増粘剤,色素,酸化防止剤等があげられる。
本発明のタンパク質糖化抑制剤を含む組成物の具体的な実施態様については、あらゆる皮膚外用剤(化粧料,医薬品,医薬部外品)としての形態を採ることが可能であり、具体的には、化粧水,乳液,クリーム,軟膏,パック,エアゾル,水−油二層系剤,水−油−粉末三層系剤,美容液,ジェル,ファンデーション,口紅,シャンプー,リンス等に適用することが可能である。また、本発明のタンパク質糖化抑制剤を含む組成物に、皮膚老化に対して有効な公知の成分や、しわの抑制のために有効な公知の成分、さらには公知の美白剤等を、具体的な用途や目的に応じて配合可能である。具体的には、茶エキス、L−リジン、L−アルギニン、カフェイン、タンニン、ベラパミル、トラネキサム酸、トラネキサム酸誘導体、甘草抽出物、グラブリジン、カリンの果実の熱水抽出物、各種の生薬、酢酸トコフェロール、グリチルリチン酸、グリチルリチン酸誘導体、ビタミンC、アスコルビン酸リン酸マグネシウム、アスコルビン酸グルコシド、アルブチン、コウジ酸等の美白剤;グルコース、フルクトース、マンノース、ショ糖、トレハロース等の糖類;レチノイン酸、レチノール、レチノール酢酸、レチノールパルミチン酸等のビタミンA誘導体類等を、上記の有効成分と共に、本発明のタンパク質糖化抑制剤を含む組成物の具体的な態様に応じて配合することが可能である。
これらの具体的な形態に応じて、種々の基剤成分等、具体的には液体油脂、固体油脂、ロウ類、エステル油、炭化水素油、シリコーン樹脂、シリコーン、陰イオン性界面活性剤、陽イオン性界面活性剤、両性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、低級アルコール、ステロール類、水溶性高分子、金属イオン封鎖剤(エデト酸二ナトリウム、エデト酸三ナトリウム、クエン酸ナトリウム、ポリリン酸ナトリウム、メタリン酸ナトリウム、グルコン酸等)、中和剤、pH調整剤、抗菌剤、香料、色素等を、本発明の所期の効果を損なわない範囲で本発明のタンパク質糖化抑制剤を含む組成物に配合すること可能である。本発明のタンパク質糖化抑制剤を含む組成物の具体的な配合処方は、下記のとおりである(下記、配合例1〜3参照)。
〔試験例1〕
本発明のタンパク質糖化抑制剤のタンパク質の糖化抑制能を確認するため、糖化抑制試験を行った。すなわち、シソ,テンチャ,レモンの各抽出物を用意して、これらの抽出物が有するタンパク質の糖化抑制能をELISA法により評価した。まず、前記各抽出物について詳細に説明する。
シソの抽出物としては、香栄興業株式会社製の商品名シソ抽出液を使用した。テンチャの抽出物としては、丸善製薬株式会社製の商品名甜茶抽出液BGを使用した。レモンの抽出物としては、香栄興業株式会社製の商品名ホーモフルーツ レモンを使用した。
次に、糖化抑制試験の方法について詳細に説明する。まず、糖及び前記抽出物をリン酸緩衝生理食塩水(以降は「PBS」と記す)で溶解して、試料溶液を調製した。糖としてはD−リボースを用い、前記試料溶液中の糖の濃度は300mMとした。
また、前記試料溶液中の前記抽出物の濃度は、0.01質量%、0.05質量%、0.10質量%、0.50質量%のいずれかとした。
そして、これらの試料溶液を、コーニング株式会社製のコラーゲンコート96ウェルプレート(コード番号:NCO3585)の各ウェルに100μLずつ分注して、37℃で3日間静置することにより、コラーゲンに糖を反応させた(糖化)。なお、対照試料として、前記抽出物を含有していない試料溶液(すなわち、糖のPBS溶液)と、糖及び前記抽出物を含有していない試料溶液(すなわちPBSのみ)についても、同様に試験を行った。
前記抽出物が糖化抑制能を有していれば、コラーゲンの糖化が抑制されるので、前記抽出物を含有する試料溶液は、前記抽出物を含有していない試料溶液と比較して、糖化が生じたコラーゲンの量が少なくなる。
糖化反応が終了したら、界面活性剤(Uniqema社製のツイーン20(登録商標))を含有するリン酸緩衝生理食塩水(以降は「PBS−T」と記す)を用いて、コラーゲンコート96ウェルプレートを洗浄した。この洗浄は3回行い、合計で2時間以上の時間をかけた。
次に、コラーゲンコート96ウェルプレートの各ウェルに、1%のウシ血清アルブミン(BSA)を含有するPBS−Tを分注して、室温で1〜2時間静置することにより、ブロッキングを行った。
そして、ビオチン標識済みの抗CMLモノクローナル抗体(株式会社トランスジェニック製のNF−1G)を含有する溶液(抗体の濃度は0.1μg/mL)を、各ウェルに50μLずつ分注し、室温で1時間静置することにより、1次抗体を反応させた。なお、この抗体を含有する溶液は、1%のBSAを含有するPBS−Tで前記抗体を2,500倍に希釈したものである。また、抗CMLモノクローナル抗体のCMLとは、カルボキシメチルリジンである。
1次抗体の反応が終了したら、PBS−Tでコラーゲンコート96ウェルプレートを3回洗浄した。
次に、ホースラディッシュパーオキシダーゼ標識アビジンD(ベクター社製のA−2004)を含有する溶液(アビジンDの濃度は0.5μg/mL)を、各ウェルに100μLずつ分注し、室温で1時間静置することにより、2次抗体を反応させた。なお、この抗体を含有する溶液は、PBS−Tで前記抗体を10000倍に希釈したものである。
2次抗体の反応が終了したら、PBS−Tでコラーゲンコート96ウェルプレートを3回洗浄した。
さらに、3,3’,5,5’−テトラメチルベンジジン二塩酸塩(TMB)を含有する基質溶液(バイオ・ラッド ラボラトリーズ株式会社製の製品番号172−1066)を、各ウェルに100μLずつ分注し、室温で30分間静置することにより発色させた。
さらに、濃度1Mの硫酸を各ウェルに100μLずつ分注し、反応を停止させた。そして、波長450nmにおける光学濃度を測定することにより、最終糖化生成物の量を評価した。
結果を図1〜3のグラフに示す。なお、各試料溶液について5点ずつ糖化抑制試験を行って、その平均値を図1〜3のグラフに示してある。また、棒グラフ上のアスタリスク(星印)は、統計上の危険率を示している。「**」は、p値が0.01より小さいことを示す。
図1〜3のグラフから、シソ,テンチャ,レモンの各抽出物については、試料溶液中の抽出物の濃度が高くなるに従って光学濃度が低くなっており、最終糖化生成物の量が少なくなっていることが分かる。そして、抽出物を含有していない対照試料(D−リボースのPBS溶液)の結果と比較すれば、シソの抽出物については0.05質量%以上の濃度、テンチャ及びレモンの各抽出物については0.10質量%以上の濃度で、コラーゲンの糖化抑制能を有することが分かる。
以上のような結果から、シソ,テンチャ,レモンの各抽出物は、タンパク質の糖化抑制能が優れていることが分かる。よって、シソ,テンチャ,レモンの各抽出物は、タンパク質糖化抑制剤として好適に利用可能である。
〔試験例2〕
実施例1においては、37℃で3日間静置することによりコラーゲンの糖化を行ったが、実施例2においては、37℃で2週間静置することによりコラーゲンの糖化を行った。糖化時間の長さを除いては試験例1と全く同様にして、波長450nmにおける光学濃度を測定することにより、最終糖化生成物の量を評価した。
結果は、試験例1と同様であった。
〔試験例3〕
試験例1と同様の方法により、カッコン、クチナシ、カミツレ、ボタンピのタンパク質糖化抑制効果について検討したが、対照試料と比して、いずれも有意な効果は認められなかった。
以下に、本発明のタンパク質糖化抑制剤を含む化粧料の配合例を例示する。なお、以下に示す数値の単位は質量%である。
〔配合例1:油中水滴型(W/O)クリーム〕
ジメチルポリシロキサン ・・・3.0
デカメチルシクロペンタシロキサン ・・・13.0
ドデカメチルシクロヘキサシロキサン ・・・5.0
ポリオキシエチレン・メチルポリシロキサン共重合体・・・1.0
3−トリス(トリメチルシロキシ)シリルプロピルカルバミド酸プルラン
・・・1.0
架橋型ポリメチルシロキサンのデカメチルシクロペンタシロキサン配合物
(Dow Corning 社製のDow Corning 9040 Silicone Elastomer Blend )
・・・5.0
酢酸レチノール ・・・0.1
パラオキシ安息香酸エステル ・・・適量
L−メントール ・・・適量
トリメチルシロキシケイ酸 ・・・2.0
エタノール ・・・2.0
グリセリン ・・・3.0
ジプロピレングリコール ・・・5.0
ポリエチレングリコール6000 ・・・5.0
ヘキサメタリン酸ナトリウム ・・・0.05
酢酸トコフェロール ・・・0.1
カフェイン ・・・0.1
ウイキョウエキス ・・・0.1
ハマメリスエキス ・・・0.1
タンパク質糖化抑制剤(シソの抽出物) ・・・0.00005(固形分)
エデト酸三ナトリウム ・・・0.05
ジモルホリノピリダジノン ・・・0.01
トリメトキシ桂皮酸メチルビス(トリメチルシロキシ) シリルイソペンチル
・・・0.1
無機複合粉体(触媒化成工業株式会社製のカバーリーフAR−80)
・・・5.0
黄酸化鉄 ・・・適量
チタン酸コバルト ・・・適量
ジメチルジステアリルアンモニウムヘクトライト ・・・1.5
ポリビニルアルコール ・・・0.1
ヒドロキシエチルセルロース ・・・0.1
アクリル酸ナトリウム/2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸共重合体(SEPPIC社製のSIMULGEL EG) ・・・0.1
(アクロイルジメチルタウリンアンモニウム/VP)コポリマー(Clariant社製のAristoflex AVC) ・・・0.1
香料 ・・・適量
精製水 ・・・残余
〔配合例2:乳液〕
ワセリン ・・・5.0
ベヘニルアルコール ・・・0.5
バチルアルコール ・・・0.5
グリセリン ・・・7.0
1,3−ブチレングリコール ・・・7.0
1,2−ペンタンジオール ・・・1.0
キシリット ・・・3.0
ポリエチレングリコール20000 ・・・2.0
硬化油 ・・・2.0
ホホバ油 ・・・2.0
スクワラン ・・・5.0
イソステアリン酸 ・・・0.5
テトラ2−エチルヘキサン酸ペンタエリスリット ・・・2.0
ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油 ・・・0.5
ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン ・・・0.4
水酸化カリウム ・・・適量
ピロ亜硫酸ナトリウム ・・・0.01
ヘキサメタリン酸ナトリウム ・・・0.05
グリチルリチン酸ジカリウム ・・・0.05
トリメチルグリシン ・・・3.0
アルブチン ・・・3.0
タンパク質糖化抑制剤(テンチャの抽出物) ・・・0.00001(固形分)
酢酸トコフェロール ・・・0.1
チオタウリン ・・・0.1
クララエキス ・・・0.1
ベンガラ ・・・適量
クインスシードエキス ・・・0.1
カルボキシビニルポリマー ・・・0.2
フェノキシエタノール ・・・適量
精製水 ・・・残余
〔配合例3:乳液〕
ジメチルポリシロキサン ・・・3.0
デカメチルシクロペンタシロキサン ・・・4.0
エタノール ・・・5.0
グリセリン ・・・6.0
1,3−ブチレングリコール ・・・5.0
ポリオキシエチレンメチルグルコシド ・・・3.0
ヒマワリ油 ・・・1.0
スクワラン ・・・2.0
水酸化カリウム ・・・0.1
ヘキサメタリン酸ナトリウム ・・・0.05
ヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリン ・・・0.1
グリチルリチン酸ジカリウム ・・・0.05
ビワ葉エキス ・・・0.1
L−グルタミン酸ナトリウム ・・・0.05
ウイキョウエキス ・・・0.1
タンパク質糖化抑制剤(レモンの抽出物) ・・・0.05(圧搾液)
ラベンダー油 ・・・0.1
ジオウエキス ・・・0.1
ジモルホリノピリダジノン ・・・0.1
キサンタンガム ・・・0.1
カルボキシビニルポリマー ・・・0.1
アクリル酸・メタクリル酸アルキル共重合体(ペミュレンTR−1)
・・・0.1
ベンガラ ・・・適量
黄酸化鉄 ・・・適量
パラベン ・・・適量
精製水 ・・・残余
本発明のタンパク質糖化抑制剤は、飲食品,医薬品,医薬部外品,又は化粧料の材料として利用可能である。

Claims (1)

  1. シソ,テンチャ,及びレモンの各抽出物のうち少なくとも一つからなるタンパク質糖化抑制剤。
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