JP2011068526A - 多孔質酸化物粒子並びに多孔質酸化物粒子の水酸基及び吸着水の除去方法 - Google Patents

多孔質酸化物粒子並びに多孔質酸化物粒子の水酸基及び吸着水の除去方法 Download PDF

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Abstract

【課題】酸化ケイ素を主成分とし、表面に存在する水酸基及び吸着水が十分に除去された低誘電率性、低誘電正接性の多孔質酸化物粒子を得るとともに、表面に存在する水酸基及び吸着水を十分に除去することができる多孔質酸化物粒子の水酸基及び吸着水の除去方法を提供する。
【解決手段】酸化ケイ素を主成分とする多孔質酸化物粒子の外周表面及び内表面に表面処理剤が修飾されており、シラノール基の3000〜3800cm-1の赤外線吸光ピークの最大値が、酸化ケイ素のSi−O吸光を示す1850〜1900cm-1の赤外線吸光ピークの最大値の2倍以下である多孔質酸化物粒子である。また、表面の水酸基及び吸着水が除去された多孔質酸化物粒子は、当該多孔質酸化物粒子の表面に表面処理剤を修飾する第1工程と、当該表面処理剤により修飾された多孔質酸化物粒子にマイクロ波を照射する第2工程と、を含む方法により得ることができる。
【選択図】図2

Description

本発明は、表面に存在する水酸基及び吸着水の少ない多孔質酸化物粒子に関するものであり、高い空孔率を保持しながら低比誘電率、低誘電正接を維持することが可能となることから、特に高周波回路基板用の材料として好適に用いることができるものである。また、本発明は、多孔質酸化物粒子の表面から水酸基及び吸着水を除去する方法に関するものである。
従来、電子機器の回路基板として、低誘電正接性、強度保持等の目的のために、ガラスクロスや、乾式法で合成したシリカ粒子等を樹脂材料と複合して用いられてきた。特に、乾式法で合成されたシリカ粒子は、その表面に誘電率を高めたり、変動させたりする要因となる水酸基及び吸着水が少なく、比誘電率が安定し、低誘電正接性を満たす材料として電子機器の回路基板用の材料として好適に用いられていた。
そして、高度情報化社会化が進んだ現在では、さらなる情報の高速処理、高速度伝達が望まれてきており、そのために電子機器の信号使用周波数の高周波数化が進められてきている。この高周波数化に対応するためには、さらなる低誘電率性、低誘電正接性の電子機器の回路基板が必要となる。
この点、上記のような乾式法で合成されたシリカ粒子は、比誘電率が安定し、低誘電正接性を満たす材料ではあるが、その比誘電率が樹脂材料より高く、さらなる低誘電率が要求される材料としては使用できないという問題があった。
このため、乾式法で合成されたシリカ粒子等の代わりに、粒子内に空孔を有し、低誘電体である空気を内包した様々な酸化物粒子用いることが提案されてきている。
例えば、特殊なバーナーを用いて形成した高温火炎中に、原料スラリーを供給することで形成した球状中空酸化物粒子(特許文献1参照)や、界面活性剤等によるテンプレートを用いて形成したナノメートルサイズの多数の細孔をもつ多孔質シリカ粒子(特許文献2、3参照)が、低誘電率材料として提案されている。
このうち、球状中空酸化物粒子は、高温火炎中に原料スラリーを供給して形成されるものであり、その表面の水酸基及び吸着水は少ないものと考えられる。しかしながら、この球状中空酸化物粒子を製造する方法では、粒子径や中空率の制御性が難しく、必要とする粒子径や中空率を有する粒子が得にくいという問題があるため、回路基板用材料として用いることが難しかった。
一方、テンプレートを用いて形成した多孔質シリカ粒子は、寸法や形状の制御性に優れるものの、湿式法でしか合成できず、その表面には多数の水酸基及び吸着水が存在し、そのため比誘電率、誘電正接が高くなり、低誘電率の回路基板用材料として使用することが難しかった。
そこで、この水酸基及び吸着水を除去するために、表面処理剤で酸化物粒子の表面を修飾する方法、加熱処理する方法(非特許文献1参照)、又はマイクロ波を照射する方法(特許文献4参照)が行われていた。
特開2006−62902号公報 特開2006−342023号公報 特開2007−161518号公報 特開平5−71871号公報
馬場 文明 監修、「高周波用高分子材料の開発と応用」、株式会社シーエムシー出版、1999年1月29日発行、第4章
しかしながら、表面処理剤で酸化物粒子の表面を修飾する方法では、表面処理剤の分子サイズが大きく、水酸基の全てを修飾することはできず、表面に水酸基及び吸着水が残留するため、低誘電率化、低誘電正接化が困難であった。
また、加熱処理する方法では、水酸基及び吸着水を完全に除去するためには600℃以上の高温加熱が必要なため、この高温加熱により熱収縮が起こり粒子内部の空孔が減少してしまい低誘電率化が困難であった。さらに、酸化物粒子間の結合力が強くなり凝集を起こすようにもなり、酸化物粒子を樹脂内に均一に分散、複合化させることが困難であるという問題があった。
さらに、マイクロ波を照射する方法の場合、加熱処理のような高温処理で処理する必要がないため、熱収縮により粒子内部の空孔が減少することを防止できるが、処理後の表面への水酸基の再形成や水の再吸着を防ぐことが難しいという問題があり、現在においても、これらの問題を解決するまでに至っていない。
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであり、表面に存在する水酸基及び吸着水の少ない多孔質酸化物粒子であって、低誘電率性、低誘電正接性を有しており、かつ凝集を起こすことがなく樹脂に分散できる多孔質酸化物粒子を提供することを目的とする。
また、本発明は、表面に存在する水酸基及び吸着水の少ない多孔質酸化物粒子を容易に得ることができる多孔質酸化物粒子の水酸基及び吸着水の除去方法を提供することも目的とする。
本発明者等は、前記目的を達成するために鋭意研究を重ねた結果、酸化物の表面に表面処理剤を修飾した後に、マイクロ波を照射することにより、酸化物の表面の水酸基及び吸着水を減少させることができることを発見した。特に、その酸化物が多孔質粒子である場合も、その粒子の内部表面に存在する水酸基及び吸着水を減少させることができ、十分な空孔を維持したままで、凝集を起こすことがなく、低誘電率性、低誘電正接性を有する多孔質酸化物粒子を得ることができることを発見し、本発明を完成するに至った。
さらに、酸化ケイ素を主成分とする多孔質酸化物粒子のシラノール基の3000〜3800cm-1の赤外線吸光ピークの最大値が、酸化ケイ素のSi−O吸光を示す1850〜1900cm-1の赤外線吸光ピークの最大値の2倍以下であるような、表面に存在する水酸基及び吸着水の少ない多孔質酸化物粒子が、凝集を起こすことがなく樹脂に分散でき、かつ低誘電率性、低誘電正接性を有することを発見し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、
(1) 酸化ケイ素を主成分とし、少なくとも粒子外周表面に開口端を有する空孔が形成された多孔質酸化物粒子であって、当該多孔質酸化物粒子の外周表面及び内表面が表面処理剤により修飾されており、シラノール基の3000〜3800cm-1の赤外線吸光ピークの最大値が、酸化ケイ素のSi−O吸光を示す1850〜1900cm-1の赤外線吸光ピークの最大値の2倍以下である多孔質酸化物粒子、
(2) 前記多孔質酸化物粒子が疎水性である、上記(1)に記載の多孔質酸化物粒子、
(3) 多孔質酸化物粒子の表面に存在する水酸基及び吸着水を除去する方法であって、当該多孔質酸化物粒子の表面に表面処理剤を修飾する第1工程と、当該表面処理剤により修飾された多孔質酸化物粒子にマイクロ波を照射する第2工程と、を含み、
前記第1工程が、多孔質酸化物粒子を表面処理溶媒に分散させる1−A工程と、表面処理剤が多孔質酸化物粒子の表面に存在する水酸基及び吸着水と反応して、多孔質酸化物粒子の表面と表面処理剤との間で新たな結合を形成し、多孔質酸化物粒子の表面に表面処理剤を修飾させる1−B工程と、を含む工程である多孔質酸化物粒子の水酸基及び吸着水の除去方法、
(4) 前記1−A工程の前に、表面処理溶媒への溶媒分散性を向上させるための前処理剤で多孔質酸化物粒子を処理する前処理工程を含む、上記(3)に記載の多孔質酸化物粒子の水酸基及び吸着水の除去方法、
(5) 多孔質酸化物粒子が、酸化ケイ素を主成分とする上記(3)又は(4)に記載の多孔質酸化物粒子の水酸基及び吸着水の除去方法、
を提供するものである。
本発明の多孔質酸化物粒子によれば、酸化ケイ素を主成分とし、その外周表面及び内表面が表面処理剤により修飾されており、シラノール基の3000〜3800cm-1の赤外線吸光ピークの最大値が、酸化ケイ素のSi−O吸光を示す1850〜1900cm-1の赤外線吸光ピークの最大値の2倍以下とされているので、表面に存在する水酸基及び吸着水が少なく、低誘電率性、低誘電正接性を有しており、さらに凝集を起こすことなく樹脂に分散することができる。
また、本発明の多孔質酸化物粒子の水酸基及び吸着水の除去方法によれば、表面処理剤が酸化物粒子の表面に存在する水酸基及び吸着水と反応し、当該酸化物粒子の表面に修飾されることにより、当該水酸基及び吸着水を除去し、さらに、マイクロ波を照射することにより、残留した水酸基及び吸着水を除去するので、表面の水酸基及び吸着水が少なく、十分な空孔を維持していることから、低誘電率性、低誘電正接性を有するとともに、凝集を起こすことのない多孔質酸化物粒子を容易に得ることができる。
本発明の多孔質酸化物粒子の表面状態を示す模式図である。 本発明の多孔質酸化物粒子の水酸基及び吸着水が除去されるプロセスを説明するための模式図である。
以下、本発明の多孔質酸化物粒子並びに多孔質酸化物粒子の水酸基及び吸着水の除去方法を実施するための形態について説明する。
この形態は、発明の趣旨をより良く理解させるために具体的に説明するものであり、本発明を限定するものではない。
〔多孔質酸化物粒子〕
まず、本発明の酸化ケイ素を主成分とする多孔質酸化物粒子について説明する。
本発明の酸化ケイ素を主成分とする多孔質酸化物粒子は、酸化ケイ素を主成分とするものであればよく、例えば、当該多孔質酸化物粒子における酸化ケイ素の含有量は、50質量%以上100質量%以下が好ましく、より好ましくは60質量%以上100質量%以下、さらに好ましくは70質量%以上100質量%以下である。
酸化ケイ素以外の成分は、金属酸化物であれば特に限定されず、例えば、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、酸化チタン等の金属酸化物を1種又は2種以上含有することができる。そして、これらの多孔質酸化物粒子は、通常用いられている方法、例えば、湿式法により製造することができる。
上記したような湿式法で製造された多孔質酸化物粒子は、粒子の外周表面から粒子内部へ向かって空孔が形成されており、その空孔は粒子外周表面に開口端を有するいわゆるオープン孔となっている。そして、多孔質酸化物粒子とは、このような空孔が複数存在する酸化物粒子を意味する。
ここで「外周表面」とは、通常の(孔を有さない)粒子における表面と同義であり、空孔が開口している表面を示している。これに対して、粒子中に形成された空孔の表面、すなわち空孔の壁面と底面については「内表面」と表す。なお、単に「表面」というときは、外周表面と内表面の両方の表面を意味する。
この多孔質酸化物粒子の平均粒子径は、0.005μm以上10μm以下が好ましく、より好ましくは0.03μm以上10μm以下、さらに好ましくは0.05μm以上1μm以下である。
また、この多孔質酸化物粒子の空孔の開口端の直径は、この空孔内に表面処理剤を侵入させて、この空孔の内表面を表面処理剤にて修飾する点を考慮すると、0.1nm以上50nm以下が好ましく、より好ましくは1nm以上10nm以下である。
また、空孔の深さは、特に限定されないが、高空孔率であるためには深いほど良い。例えば、空孔が粒子の一方向に開口している場合には、その深さは粒子半径の1/2以上であることが好ましく、4/5以上であればより好ましい。場合によっては、貫通孔であってもよいし、粒子内部が空洞になっていて、空孔によって外部と接続されている、多孔質な殻を持った中空粒子であってもよい。
本発明の表面処理剤は、多孔質酸化物粒子の表面に存在する水酸基及び吸着水と反応して、多孔質酸化物粒子の表面と表面処理剤との間で新たな結合を形成し、水酸基及び吸着水を除去する作用を有する化合物であれば、特に限定されず、例えば、アルコキシシラン、フルオロアルコキシシラン、シラザン等を用いることができる。
アルコキシシランとしては、トリメチルメトキシシラン、トリメチルエトキシシラン、トリエチルエトキシシラン等のトリアルキルアルコキシシランが好適に用いられ、フルオロアルコキシシランとしては、パーフルオロアルキル基を有するシランカップリング剤が好適に用いられ、シラザンとしては、ヘキサメチルジシラザン等が好適に用いられる。
このほかにも、アルキルシランも用いることができ、例えば、トリメチルモノシラン等のトリアルキルモノシランを用いることができる。
また、多孔質酸化物粒子の表面に用途に応じた機能性を付加する場合には、その用途に合わせた官能基を含む表面処理剤を用いることができる。例えば、回路基板の樹脂との複合化の観点から、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−アクリロキシプルピルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、2−(3,4エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、N−2(アミノエチル)3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン等の官能基を有するシランカップリング剤等が適宜使用できる。
そして、この表面処理剤が、図1に示すように、多孔質酸化物粒子の外周表面2及び内表面3に結合して、多孔質酸化物粒子の外周表面2及び内表面3を修飾している。なお、図1において、1は空孔であり、2は外周表面であり、3は内表面であり、4は表面処理剤である。
ところで、酸化ケイ素を主成分とする多孔質酸化物粒子では、表面において、ケイ素と結合している水酸基はシラノール基と呼ばれ、このシラノール基が存在すると、3000〜3800cm-1の赤外線吸光領域に吸光ピークが観測される。そして、この領域の吸光ピークが小さければ、シラノール基の存在量が少ないことになるが、その存在量の絶対値を測定することは困難である。
一方、酸化ケイ素を主成分とする多孔質酸化物粒子では、ケイ素と酸素との結合(Si−O結合)が多数存在し、この結合の赤外線吸光ピークは1850〜1900cm-1に観測され、シラノール基の存在に影響されず、ほぼ一定の強度を示す。
そこで、この酸化ケイ素のSi−O吸光を示す1850〜1900cm-1の赤外線吸光ピークの最大値を基準として、シラノール基の量を特定することとした。
そして、シラノール基の3000〜3800cm-1の赤外線吸光ピークの最大値が、酸化ケイ素のSi−O吸光を示す1850〜1900cm-1の赤外線吸光ピークの最大値の2倍以下であれば、多孔質酸化物粒子の外周表面及び内表面に結合している水酸基及び吸着水が少なく、粒子内部に十分な空孔を持ち、また、酸化物粒子間の結合力が弱い、低誘電率性、低誘電正接性に優れた多孔質酸化物粒子が得られることを発見した。このシラノール基の赤外線吸光ピークの最大値は、この酸化ケイ素のSi−O吸光を示す赤外線吸光ピークの最大値の1.8倍以下が好ましく、1.5倍以下が特に好ましい。
このようにして得られた多孔質酸化物粒子は、その表面が表面処理剤により修飾されており、さらに表面に結合している水酸基及び吸着水が非常に少ないことから、疎水性を呈することができる。
また、このような酸化ケイ素を主成分とする多孔質酸化物粒子は、後記する〔多孔質酸化物粒子の水酸基及び吸着水の除去方法〕により製造することができる。
〔多孔質酸化物粒子の水酸基及び吸着水の除去方法〕
次に、本発明の多孔質酸化物粒子の水酸基及び吸着水の除去方法について説明する。
本発明の多孔質酸化物粒子の水酸基及び吸着水の除去方法は、多孔質酸化物粒子の表面に存在する水酸基及び吸着水を除去するものであり、多孔質酸化物粒子の表面に表面処理剤を修飾する第1工程と、表面処理剤により修飾された多孔質酸化物粒子にマイクロ波を照射する第2工程と、を含むものである。
以下、適宜、図2を引用しながら本発明の各工程を詳細に説明する。
本発明の第1工程は、多孔質酸化物粒子の表面に表面処理剤を修飾する工程であるが、この第1工程はさらに、多孔質酸化物粒子を表面処理溶媒に分散させる1−A工程と、表面処理剤が多孔質酸化物粒子の表面に存在する水酸基及び吸着水と反応して、多孔質酸化物粒子の表面と表面処理剤との間で新たな結合を形成し、多孔質酸化物粒子の表面に表面処理剤を修飾させる1−B工程と、に分けることができる。
本発明に用いる多孔質酸化物粒子としては、特に限定されるものではなく、例えば、酸化ケイ素、ゼオライト等のケイ酸アルミニウム、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、酸化チタン等の無機酸化物を1種又は2種以上選択して用いることができる。
これらの多孔質酸化物粒子うち、粒子の化学的安定性、硬度、線膨張係数、低比誘電率、低誘電正接、安価等の観点から、上記〔多孔質酸化物粒子〕に示した酸化ケイ素を主成分とする多孔質酸化物粒子が特に好ましい。
これらの多孔質酸化物粒子は、湿式法などの通常用いられている方法により製造することができ、湿式法で製造された多孔質酸化物粒子は、上記〔多孔質酸化物粒子〕で説明したような、粒子の外周表面から粒子内部へ向かって空孔が形成された多孔質酸化物粒子であるので、ここでは、その説明は省略する。
本発明に用いる表面処理溶媒としては、ヘキサン、トルエン、キシレン等の炭化水素、あるいはメチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類などの、無極性ないしは極性の低い、含水量が微量の有機溶媒を用いることができる。また、これらの溶媒に、アンモニア、水酸化ナトリウム等のアルカリ触媒、酢酸、硝酸、塩酸等の酸触媒、アルミニウムアセチルアセトナート等の金属錯体触媒を微量添加して用いることもできる。
なお、後記するように、二酸化炭素を溶媒として用いる方法もある。
本発明に用いる表面処理剤は、多孔質酸化物粒子の表面に存在する水酸基及び吸着水と反応して、多孔質酸化物粒子の表面と表面処理剤との間で新たな結合を形成し、水酸基及び吸着水を除去する作用を有する化合物であれば、特に限定されず、上記〔多孔質酸化物粒子〕で用いた表面処理剤と同様のものを用いることができる。同様に、多孔質酸化物粒子の表面機能化を図るために、用途に合わせた官能基を含む表面処理剤を用いることもできる。
そして、1−A工程において多孔質酸化物粒子を表面処理溶媒に分散させる方法は、特に限定されず、酸化物粒子の一般的な分散方法を用いることができ、例えば、表面処理溶媒中に多孔質酸化物粒子を混合し、下記の(i)〜(iii)のいずれかの方法を採用することができる。
(i) 多孔質酸化物粒子を混合した表面処理溶媒に超音波振動を加えることにより、粒子同士を衝突させ、凝集した粒子を解し、分散させる方法。
(ii) ボールミルに、多孔質酸化物粒子を混合した表面処理溶媒と、直径が1〜5mmのジルコニアビーズとを投入して、所定時間駆動させることにより、ボールのせん断応力を利用して凝集した粒子を解し、分散させる方法。
(iii) 1mm以下のビーズを用い、サンドグラインダー等を用いて、強制的に多孔質酸化物粒子とビーズとを衝突させ、凝集した粒子を解し、分散させる方法。
上記したような多孔質酸化物粒子、特に湿式法で合成した多孔質酸化物粒子は、ナノメートルサイズの多数の空孔を有する粒子であり、粒子同士が凝集していることがある。粒子同士が凝集していると、表面処理溶媒に表面処理剤を添加しても、表面処理剤が多孔質酸化物粒子の表面に存在している水酸基及び吸着水と反応しない部分が生じるので好ましくない。
そこで、1−A工程は、多孔質酸化物粒子を表面処理溶媒に分散させることにより、凝集していた多孔質酸化物粒子の表面を露出させる工程であり、1−B工程の準備工程という位置づけになる。
また、一般に、酸化物粒子は、そのままでは表面処理溶媒に濡れないために、粒子同士が凝集していなくても表面処理溶媒に分散させることが困難となる場合がある。例えば、シリカ粒子はメタノールやMEK(メチルエチルケトン)に対しては分散するが、アセトンには分散し難い。このため多孔質酸化物粒子を表面処理溶媒に分散させる1−A工程の前に、多孔質酸化物粒子に前処理剤で前処理を施し、多孔質酸化物粒子が表面処理溶媒中に容易に分散できるようにしておくのが好ましい。
この前処理剤としては、多孔質酸化物粒子が表面処理溶媒に分散するようになるものであれば特に限定はされないが、例えば、上記の表面処理剤と同じものを用いることができる。
そして、前処理剤として表面処理剤を用いるのであれば、その処理方法としても、後記する1−B工程(表面処理剤を修飾させる工程)と同様の方法を用いることができる。
図2は、酸化物粒子として、多孔質酸化物粒子を用い、この多孔質酸化物粒子の空孔及びその付近の外周表面を例にして、本発明の多孔質酸化物粒子の水酸基及び吸着水が除去されるプロセスを説明する模式図である。図2において、1は空孔であり、2は外周表面であり、3は内表面であり、4は表面処理剤であり、5は水酸基であり、6は吸着水であり、7は水酸基4及び吸着水5の蒸発により形成された水分子(水蒸気)であり、8はマイクロ波であり、9は除去後の水分子が会合・凝集した水粒子である。また、10は表面処理剤4同士の隙間を示している。
そして、図2の(a)は、多孔質酸化物粒子の外周表面2及び内表面3に、水酸基5及び吸着水6が吸着している状態、すなわち本発明を実施する前の多孔質酸化物粒子の状態を示している。
次に、1−B工程の、表面処理剤が多孔質酸化物粒子の表面に存在する水酸基及び吸着水と反応して、多孔質酸化物粒子の表面と表面処理剤との間で新たな結合を形成し、多孔質酸化物粒子の表面に表面処理剤を修飾させる工程を説明する。
表面処理剤を修飾させる方法としては、特に限定はないが、表面埋処理剤が多孔質酸化物粒子の表面に存在する水酸基及び吸着水と反応して、多孔質酸化物粒子の表面と表面処理剤との間で新たな結合を形成するようにすればよい。例えば、多孔質酸化物粒子が分散した表面処理溶媒に表面処理剤を添加し、還流することにより行うことができる。
また、表面処理溶媒として、超臨界状態の二酸化炭素を利用し、この二酸化炭素中で表面処理剤と多孔質酸化物粒子表面の水酸基及び吸着水とを反応させる、超臨界法なども用いることができる。
この1−B工程では、図2の(b)に示すように、多孔質酸化物粒子の外周表面2及び内表面3に表面処理剤4が結合し、表面処理剤4が多孔質酸化物粒子の表面に修飾され、これにより水酸基5及び吸着水6が除去される。しかし、この表面処理剤4だけでは、水酸基5及び吸着水6を十分に除去することができない。その理由は、表面処理剤4の分子の大きさは多孔質酸化物粒子の表面に形成されている水酸基5よりも大きいため、表面処理剤4で多孔質酸化物粒子の表面を修飾すると、多孔質酸化物粒子の表面が表面処理剤4で覆われてしまい、表面処理剤4の間に残留する水酸基5及び吸着水6に対して表面処理剤4が近づくことができず、残留した水酸基5及び吸着水6と反応することができないからである。
そこで、残留する水酸基5及び吸着水6を除去するために、本発明の第2工程が必要となる。
なお、上記のように、1−A工程は、1−B工程の準備工程という位置づけとなることから、工程としては、始めに表面処理溶媒中に多孔質酸化物粒子を投入して表面処理溶媒中に多孔質酸化物粒子を存在させ、次に1−A工程により多孔質酸化物粒子を表面処理溶媒に分散させた後、この多孔質酸化物粒子が分散した表面処理溶媒に表面埋処理剤を添加し、さらに1−B工程を行って、表面処理剤を多孔質酸化物粒子の表面に修飾させるのが一般的である。
しかしながら、表面処理剤が1−A工程を阻害しない限り、1−A工程時点で表面埋処理剤が表面処理溶媒中に添加されていても、特段の問題はない。したがって、表面処理剤の添加は1−A工程後に限定されるものではなく、1−A工程前であってもかまわない。すなわち、工程としては、(1)表面処理溶媒中にあらかじめ表面処理剤を添加しておき、この表面処理剤が添加された表面処理溶媒中に多孔質酸化物粒子を投入して表面処理剤が添加された表面処理溶媒中に多孔質酸化物粒子を存在させた後、1−A工程を行う、(2)表面処理溶媒中への、表面処理剤の添加と多孔質酸化物粒子の投入を同時に行って表面処理剤が添加された表面処理溶媒中に多孔質酸化物粒子を存在させた後、1−A工程を行う、(3)表面処理溶媒中に多孔質酸化物粒子を投入して表面処理溶媒中に多孔質酸化物粒子を存在させ、さらに表面処理剤を添加後、1−A工程を行う、のいずれでもよい。
さらに可能であれば、1−A工程と1−B工程を同時に行ってもよい。例えば、特開平7−108156号公報に記載されているように、多孔質酸化物粒子、表面処理溶媒、表面処理剤を所定量混合し、サンドグラインダーミルで表面処理を行いながら分散する方法が知られており、この方法を用いてもよい。この場合、多孔質酸化物粒子、表面処理溶媒、表面処理剤の混合物を還流して表面処理をより促進しながら分散させてもよい。
このように1−A工程と1−B工程を同時に行う場合には、その工程前にあらかじめ表面処理剤を添加しておくのがよい。
また、当初は1−A工程のみを行って多孔質酸化物粒子をある程度分散させた後、1−A工程を行いつつ表面処理剤を添加することで、最終的に1−A工程と1−B工程を同時に行なうようにすることも可能である。
以上のように、第1工程においては、1−B工程を完了させて後1−A工程を行うのでなければ、両工程を行うタイミングの組み合わせは任意であり、また表面処理剤の添加時期も、1−B工程の開始時またはそれ以前であれば任意である。
さらに上記説明では、表面処理溶媒を用いているが、表面処理剤自体を表面処理溶媒として用いることも可能である。
本発明の第2工程は、表面処理剤により修飾された多孔質酸化物粒子にマイクロ波を照射する工程である。
表面処理剤により修飾された多孔質酸化物粒子に照射するマイクロ波は、水酸基及び吸着水だけを加熱、反応させることができる周波数のマイクロ波を照射するのが好ましい。このようなマイクロ波としては、電気双極子を持つOH結合を有する水酸基や吸着水を選択的に加熱、反応させることができる周波数2.45GHzのマイクロ波がある。
この周波数のマイクロ波は、多孔質酸化物粒子や表面処理剤を直接は加熱しないため、これらが反応、変質することはなく、元の特性を維持したまま水酸基及び吸着水を除去することが可能である。
図2の(c)は、表面処理剤4により修飾された多孔質酸化物粒子にマイクロ波8を照射して、水酸基5及び吸着水6を除去している第2工程を示すものである。
周波数2.45GHzのマイクロ波8は、表面処理剤が存在しても直接多孔質酸化物粒子の表面に存在している水酸基5及び吸着水6にエネルギーを与えることができる。したがって、このマイクロ波8が照射された多孔質酸化物粒子は、表面に残留している水酸基5及び吸着水6がエネルギーを吸収して水分子(水蒸気)7となり、多孔質酸化物粒子の外周表面2及び内表面3から除去される。
この第2工程では、所定の周波数のマイクロ波を通すことのできる材質の容器に第1工程終了後の多孔質酸化物粒子を入れ、上記所定の周波数のマイクロ波を照射するのが好ましい。
例えば、周波数2.45GHzのマイクロ波を通すことができる材料としては、4フッ化エチレン樹脂等のフッ素樹脂がある。
また、マイクロ波の出力は水酸基及び吸着水の除去を行う多孔質酸化物粒子の量によって変える必要があるが、例えば、200W以上、2000W以下であることが好ましい。この範囲の出力であれば、多孔質酸化物粒子の表面に残留している水酸基及び吸着水を加熱、除去するのに十分であり、水酸基及び吸着水の加熱により発生する熱で表面処理剤が変質することもないからである。
さらに、マイクロ波の照射時間は、特に限定されるものではないが、例えば、1分以上、2時間以下が好ましく、5分以上1時間以下がさらに好ましい。この範囲の時間であれば、多孔質酸化物粒子の表面に残留している水酸基及び吸着水を十分に除去することが可能だからである。
第2工程においては、除去された水酸基及び吸着水の除去効率を高めたり、酸化物粒子の表面に再付着したり、さらには容器へ付着したりすることを防止したりするため、容器を減圧状態にする、キャリアガスを流すといった雰囲気制御を行ったり、多孔質酸化物粒子や容器を加熱したりするのが好ましい。
この加熱は、多孔質酸化物粒子や表面処理剤、容器が変質しない温度が好ましく、例えば、80℃以上200℃以下に加熱することができるが、除去された水酸基及び吸着水の再吸着を防ぐためには100℃以上であることが好ましい。なお、表面処理剤、容器の選択により、400℃程度の加熱も可能である。
ここで、あらかじめ表面処理剤4により修飾された多孔質酸化物粒子にマイクロ波を照射するのは、表面処理剤4の分子は大きく、この大きい表面処理剤により、水酸基及び水分子等が多孔質酸化物粒子の表面に再付着することを防止することができるからである。
図1の(c)および(d)に示すように、多孔質酸化物粒子から除去された水酸基及び吸着水による水分子(水蒸気)7は、会合・凝集して、ある程度の大きさを有する水粒子9となる。また、水粒子9は、空気中にもともと存在する水粒子あっても良い。
多孔質酸化物粒子の外周表面2及び内表面3を修飾した表面処理剤4は、自身の分子が大きく、多孔質酸化物粒子の表面を覆う形となるため、表面処理剤4同士の隙間10は僅かである。水粒子9の大きさは表面処理剤4同士の隙間10に比べて大きいため、水粒子9は表面処理剤4同士の隙間10を通って多孔質酸化物粒子の外周表面2及び内表面3に近づくことができない。これにより、水分子等が多孔質酸化物粒子の外周表面2及び内表面3に再付着することが防止でき、水酸基が多孔質酸化物粒子の外周表面2及び内表面3に再形成するのを防止できる。
一方、表面処理剤4により修飾されていない多孔質酸化物粒子、すなわち、図2の(a)に示すような状態の多孔質酸化物粒子にマイクロ波を照射した場合は、多孔質酸化物粒子の表面に存在している水酸基5及び吸着水6は、一度は水分子(水蒸気)7となって多孔質酸化物粒子の表面から脱離するが、すぐに多孔質酸化物粒子の表面に再吸着してしまい、水酸基及び吸着水の除去効果が十分に得られない。
なお、マイクロ波の出力と容器の減圧度によっては、マイクロ波プラズマが点灯する場合がある。プラズマが発生すると、このプラズマに晒された多孔質酸化物粒子や容器が高熱になり、表面処理剤の焼失、多孔質酸化物粒子の劣化、容器の破損などの悪影響を及ぼす。したがって、プラズマが点灯しないように注意する必要がある。プラズマの点灯を防ぐためには、容器内の減圧度を高めてプラズマ源となるガスを除去しておくことが有効であり、具体的には容器内圧力を0.5Pa以下、より好ましくは0.1Pa以下としておくことが好ましい。
このように、本発明の多孔質酸化物粒子の水酸基及び吸着水の除去方法を用いれば、多孔質酸化物粒子の表面から、水酸基及び吸着水を除去することができるので、水酸基及び吸着水が十分に除去された多孔質酸化物粒子を得ることができる。また、高温処理を要しないことから多孔質酸化物粒子の空孔容積を減じることもない。
したがって、空孔容量が維持され、水酸基及び吸着水が十分に除去されるとともに、酸化物粒子間の結合力が弱く凝集を起こしにくい多孔質酸化物粒子を得ることが可能となる。
以下、本発明について実施例によりさらに説明するが、本発明は、これらの実施例に限定されるものではない。
実施例1
(1)前処理工程
200mLのトルエンに、ナノポーラスシリカ粉末(空孔の細孔径:2〜3nm、平均粒子径:100nm、内部空孔率:55%、住友大阪セメント社製)20gを添加し、さらに前処理剤として1,1,1,3,3,3ヘキサメチルジシラザンを20g添加し、このトルエン溶液に100mL/minの量の窒素を吹き込みながらトルエンの沸点にて還流を24時間実施した。
その後、トルエンを用いて、遠心分離機を用いたデカンテーション法にて還流したナノポーラスシリカの洗浄を行い、余剰の1,1,1,3,3,3ヘキサメチルジシラザンを除去した。洗浄後トルエンを分離し、さらに乾燥機を用いて200℃にて24時間乾燥させ、前処理を施しナノポーラスシリカ粉末を得た。
(2)第1工程
1−A工程(分散工程)
前処理を施したナノポーラスシリカ粉末10gをトルエン100mLに添加し、トルエン中にナノポーラスシリカ粉末を存在させ、超音波ホモジナイザー(ソニファイヤー450:BRANSON社製)にて60分間処理し、ナノポーラスシリカがトルエン中に分散した、ナノポーラスシリカ分散液を得た。
この分散液にトルエンを100mL加え、さらに表面処理剤として1,1,1,3,3,3ヘキサメチルジシラザンを10g添加して、ナノポーラスシリカが分散した溶液を作製した。
1−B工程(表面処理剤の修飾工程)
この溶液に100mL/minの量の窒素を吹き込みながらトルエンの沸点にて還流を24時間実施し、1,1,1,3,3,3ヘキサメチルジシラザンをナノポーラスシリカ粉末の表面に存在する水酸基及び吸着水と反応させ、ナノポーラスシリカ粉末の表面と1,1,1,3,3,3ヘキサメチルジシラザンとの間で新たな結合を形成させた。
その後、トルエンを用いて、遠心分離機を用いたデカンテーション法にて洗浄を行い、余剰の1,1,1,3,3,3ヘキサメチルジシラザンを除去した。洗浄後トルエンを分離し、さらに乾燥機を用いて200℃にて24時間乾燥させ、粒子表面全体に表面処理剤を修飾したナノポーラスシリカ粉末を得た。
(3) 第2工程(マイクロ波による水酸基及び吸着水の除去処理工程)
表面処理剤を修飾したナノポーラスシリカ粉末5gをPTFE製容器に入れ、真空ポンプにて内部を減圧しつつ、容器を200℃に加熱した。その後、周波数2.45GHz、出力800Wのマイクロ波を1時間照射し、ナノポーラスシリカの表面に残留している水酸基及び吸着水の除去処理を行い、水酸基及び吸着水が除去されたナノポーラスシリカ粉末を得た。
実施例2
実施例1と同様のナノポーラスシリカ粉末を用いて、実施例1と同様に、前処理工程、第1工程(1−A工程(分散工程)及び1−B工程(表面処理剤を修飾工程))を行った。
そして、マイクロ波の出力を800Wから500Wに変えたほかは、実施例1の第2工程(マイクロ波による水酸基及び吸着水の除去処理工程)と同様にして、水酸基及び吸着水が除去されたナノポーラスシリカ粉末を得た。
実施例3
実施例1と同様のナノポーラスシリカ粉末を用いて、実施例1と同様に、前処理工程、第1工程(1−A工程(分散工程)及び1−B工程(表面処理剤を修飾工程))を行った。
そして、マイクロ波の出力を800Wから200Wに変えたほかは、実施例1の第2工程(マイクロ波による水酸基及び吸着水の除去処理工程)と同様にして、水酸基及び吸着水が除去されたナノポーラスシリカ粉末を得た。
実施例4
実施例1と同様のナノポーラスシリカ粉末を用いて、実施例1と同様に、前処理工程、第1工程(1−A工程(分散工程)及び1−B工程(表面処理剤を修飾工程))を行った。
そして、マイクロ波照射時間を10分に変えたほかは、実施例1の第2工程(マイクロ波による水酸基及び吸着水の除去処理工程)と同様にして、水酸基及び吸着水が除去されたナノポーラスシリカ粉末を得た。
実施例5
実施例1と同様のナノポーラスシリカ粉末を用いて、実施例1と同様に、前処理工程、第1工程(1−A工程(分散工程)及び1−B工程(表面処理剤を修飾工程))を行った。ただし、前処理溶媒、表面処理溶媒としてヘキサンを用い、ヘキサンの沸点にて還流を実施した。
そして、実施例1の第2工程(マイクロ波による水酸基及び吸着水の除去処理工程)と同様にして、水酸基及び吸着水が除去されたナノポーラスシリカ粉末を得た。
実施例6
実施例1と同様のナノポーラスシリカ粉末を用いて、実施例1と同様に、前処理工程、第1工程(1−A工程(分散工程)及び1−B工程(表面処理剤を修飾工程))を行った。ただし、前処理剤、表面処理剤をとして3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランを用いた。
そして、容器加熱温度を100℃に変えたほかは、実施例1の第2工程(マイクロ波による水酸基及び吸着水の除去処理工程)と同様にして、水酸基及び吸着水が除去されたナノポーラスシリカ粉末を得た。
実施例7
実施例1と同様のナノポーラスシリカ粉末を用いて、実施例1と同様に、前処理工程、第1工程(1−A工程(分散工程)及び1−B工程(表面処理剤を修飾工程))を行った。
そして、容器加熱をしないほかは、実施例1の第2工程(マイクロ波による水酸基及び吸着水の除去処理工程)と同様にして、水酸基及び吸着水が除去されたナノポーラスシリカ粉末を得た。
比較例1
実施例1と同様のナノポーラスシリカ粉末を用いて、実施例1と同様に、前処理工程、第1工程(1−A工程(分散工程)及び1−B工程(表面処理剤を修飾工程))を行って、粒子表面全体に表面処理剤を修飾したナノポーラスシリカ粉末を得た。
この比較例1では、実施例1と異なり、表面処理剤を修飾したナノポーラスシリカ粉末に第2工程(マイクロ波による水酸基及び吸着水の除去処理工程)は行わなかった。
比較例2
実施例1と同様のナノポーラスシリカ粉末を用いて、実施例1と同様に、前処理工程、第1工程(1−A工程(分散工程)及び1−B工程(表面処理剤を修飾工程))を行って、粒子表面全体に表面処理剤を修飾したナノポーラスシリカ粉末を得た。
次いで、実施例1とは異なり、マイクロ波は照射せずに、加熱のみを行った。
すなわち、表面処理剤を修飾したナノポーラスシリカ粉末5gをPTFE製容器に入れ、真空ポンプにて内部を減圧しつつ、容器を200℃に1時間加熱し、加熱による水酸基及び吸着水の除去処理を行い、ナノポーラスシリカ粉末を得た。
比較例3
まず、実施例1と異なり、前処理工程の前に、実施例1の第2工程(マイクロ波による水酸基除去処理工程)と同様の工程を行った。
すなわち、ナノポーラスシリカ粉末(空孔の細孔径:2〜3nm、平均粒子径:100nm、内部空孔率:55%、住友大阪セメント社製)5gをPTFE製容器に入れ、真空ポンプにて内部を減圧しつつ、容器を200℃に加熱した。その後、周波数2.45GHz、出力200Wのマイクロ波を1時間照射し、ナノポーラスシリカ粉末を得た。
次いで、実施例1と同様に、前処理工程、第1工程(1−A工程(分散工程)及び1−B工程(表面処理剤を修飾工程))を行って、粒子表面全体に表面処理剤を修飾したナノポーラスシリカ粉末を得た(その後、実施例1の第2工程(マイクロ波による水酸基及び吸着水の除去処理工程)は行わなかった。)。
比較例4
まず、実施例1と異なり、前処理工程の前に、ナノポーラスシリカ粉末(空孔の細孔径:2〜3nm、平均粒子径:100nm、内部空孔率:55%、住友大阪セメント社製)20gを700℃で1時間加熱処理を行い、ナノポーラスシリカ粉末を得た。
次いで、実施例1と同様に、前処理工程、第1工程(1−A工程(分散工程)及び1−B工程(表面処理剤を修飾工程))を行って、粒子表面全体に表面処理剤を修飾したナノポーラスシリカ粉末を得た。
実施例1〜7及び比較例1〜4で得られたナノポーラスシリカ粉末について、以下のような評価を行った。
(1)分散性
実施例1〜7及び比較例1〜4で得られたナノポーラスシリカ粉末1gをメチルエチルケトン10gに添加し、超音波ホモジナイザー(ソニファイヤー450:BRANSON社製)にて5分間処理し、ナノポーラスシリカ分散液を作製し、分散性を目視で評価した。
そして、このメチルエチルケトンに対する分散性から、回路基板等に用いる樹脂に対する分散性を評価した。この分散性の結果を表1に示す。
(2)水酸基及び吸着水の量
フーリエ変換赤外分光光度計FT/IR670Plus(日本分光社製)を用いて、実施例1〜7及び比較例1〜4で得られたナノポーラスシリカ粉末の赤外吸光スペクトルを測定した。このとき酸化ケイ素のSi−O吸光を示す1850〜1900cm-1の最大吸光度を基準値として、シラノール基の吸光を示す3000〜3800cm-1の最大吸光度がどの程度の大きさになっているかを測定し、残留する水酸基及び吸着水の量を評価した。この水酸基及び吸着水の量の結果を表1に示す。
(3)粉体比誘電率、誘電正接
実施例1〜7及び比較例1〜4で得られたナノポーラスシリカ粉末をPTFE製容器に入れ、ベクトルネットワークアナライザーAnritsu37225C(アンリツ社製)にて空洞共振器法(測定周波数5GHz)にて、比誘電率、誘電正接を測定した。また、粉体比誘電率は、測定した比誘電率と容器内に入れたナノポーラスシリカ粉末の密度から算出した。この粉体比誘電率、誘電正接の結果をナノポーラスシリカ粉末の密度と共に表1に示す。
Figure 2011068526
表1に示した結果から、以下のようなことがわかった。
(1)分散性
実施例1〜7及び比較例1〜3では、メチルエチルケトンに対する分散性は良好であり、ナノポーラスシリカ粉末の分散を容易に行うことができた。
したがって、これらのナノポーラスシリカ粉末を回路基板等に用いる樹脂に分散させても、分散性に優れたナノポーラスシリカ粉末となることがわかった。
しかしながら、比較例4では、ナノポーラスシリカ粉末は沈降し、分散性に劣るものであった。これは、比較例4では、前処理工程の前に700℃で1時間加熱処理を行っており、この加熱処理によりナノポーラスシリカの粒子間の結合力が強くなりすぎ、凝集粒子を解放すことができなかったためと考えられる。
(2)水酸基及び吸着水の量
実施例1〜7及び比較例4では、3000〜3800cm-1の最大ピークは、1850〜1900cm-1の最大ピークの2倍以下になっており、表面に存在する水酸基及び吸着水が十分に減少していることを確認した。
これに対し、比較例1〜3では、3000〜3800cm-1の最大ピークは、1850〜1900cm-1の最大ピークの2.6〜2.8倍であり、2倍よりも大きく、いずれも大きな水酸基及び吸着水の量の減少は認められなかった。
ここで、比較例1では、実施例1〜7と異なり、第2工程(マイクロ波による水酸基除去処理工程)を行わなかったことから、ナノポーラスシリカの表面に表面処理剤を修飾しただけでは、ナノポーラスシリカの表面に水酸基及び吸着水が残留していることを示していると考えられる。
また、比較例2では、前処理工程、第1工程(1−A工程(分散工程)及び1−B工程(表面処理剤を修飾工程))の後、マイクロ波は照射せずに、加熱のみを行っているので、ナノポーラスシリカの表面に表面処理剤を修飾するだけでは残留している水酸基及び吸着水を十分に除去できず、ナノポーラスシリカの表面に水酸基及び吸着水が残存していることを示していると考えられる。
さらに、比較例3ではマイクロ波照射し、その後の前処理工程、第1工程(1−A工程(分散工程)及び1−B工程(表面処理剤を修飾工程))では、水溶液等を用いていないことから、ナノポーラスシリカの表面に残留している水酸基及び吸着水は減少していてもよいと予測できるが、マイクロ波照射のみでは、ナノポーラスシリカの表面から一旦除去された水酸基及び吸着水が再吸着等してナノポーラスシリカの表面に残存し、これに第1工程(1−A工程(分散工程)及び1−B工程(表面処理剤を修飾工程))を行っても、ナノポーラスシリカの表面に残存していた水酸基及び吸着水を十分に除去できず、ナノポーラスシリカの表面に水酸基及び吸着水が多数残存していることを示していると考えられる。
また、比較例4では、700℃の高温熱処理を行ったため、空孔が収縮し、空孔が減少してしまったため、表面に存在する水酸基及び吸着水の量が少なくなったものと考えられる。
(3)粉体比誘電率、誘電正接
実施例1〜7及び比較例1〜4の結果から、粉体比誘電率及び誘電正接は、水酸基及び吸着水の減少とほぼ比例して減少していることがわかり、実施例1〜7では、粉体比誘電率及び誘電正接が小さいことを確認することができた。
特に、実施例1、2、4及び5では、紛体比誘電率及び誘電正接が低下しており、表面処理剤を修飾した後のマイクロ波照射が水酸基及び吸着水の除去に効果があることがわかる。
また、比較例4では、700℃の高温熱処理を行ったため、空孔が収縮し、空孔が減少してしまったため、粉体比誘電率及び誘電正接が小さくならなかったと考えられる。
以上のような実施例1〜7及び比較例1〜4の結果から、上記したような第1工程(1−A工程(分散工程)及び1−B工程(表面処理剤を修飾工程))及び第2工程(マイクロ波による水酸基及び吸着水の除去処理工程)を行えば、表面に存在する水酸基及び吸着水を十分に除去することができ、表面に存在する水酸基及び吸着水の少ない多孔質酸化物粒子(ナノポーラスシリカ粉末)が得られることを確認した。
また、このナノポーラスシリカ粉末は、凝集を起こすことなく樹脂に分散でき、低誘電率性、低誘電正接の多孔質酸化物粒子であることを確認することができた。
本発明の多孔質酸化物粒子は、表面に存在する水酸基及び吸着水が少なく、その表面が疎水性であるから、樹脂に対する分散性が高く、誘電率性、誘電正接性も低いので、低誘電率性、低誘電正接性等の特性が要求される高周波回路基板等の部品に好適に用いることができる。
また、本発明の多孔質酸化物粒子の水酸基及び吸着水の除去方法は、表面に存在する水酸基及び吸着水を十分に減少させることができるので、表面に存在する水酸基及び吸着水が少ない多孔質酸化物粒子を製造するのに好適に用いることができる。
1 空孔
2 外周表面
3 内表面
4 表面処理剤
5 水酸基
6 吸着水
7 水分子
8 マイクロ波
9 水粒子
10 表面処理剤分子間の隙間

Claims (5)

  1. 酸化ケイ素を主成分とし、少なくとも粒子外周表面に開口端を有する空孔が形成された多孔質酸化物粒子であって、当該多孔質酸化物粒子の外周表面及び内表面が表面処理剤により修飾されており、シラノール基の3000〜3800cm-1の赤外線吸光ピークの最大値が、酸化ケイ素のSi−O吸光を示す1850〜1900cm-1の赤外線吸光ピークの最大値の2倍以下である多孔質酸化物粒子。
  2. 前記多孔質酸化物粒子が疎水性である、請求項1に記載の多孔質酸化物粒子。
  3. 多孔質酸化物粒子の表面に存在する水酸基及び吸着水を除去する方法であって、当該多孔質酸化物粒子の表面に表面処理剤を修飾する第1工程と、当該表面処理剤により修飾された多孔質酸化物粒子にマイクロ波を照射する第2工程と、を含み、
    前記第1工程が、多孔質酸化物粒子を表面処理溶媒に分散させる1−A工程と、表面処理剤が多孔質酸化物粒子の表面に存在する水酸基及び吸着水と反応して、多孔質酸化物粒子の表面と表面処理剤との間で新たな結合を形成し、多孔質酸化物粒子の表面に表面処理剤を修飾させる1−B工程と、を含む工程である多孔質酸化物粒子の水酸基及び吸着水の除去方法。
  4. 前記1−A工程の前に、表面処理溶媒への溶媒分散性を向上させるための前処理剤で多孔質酸化物粒子を処理する前処理工程を含む、請求項3に記載の多孔質酸化物粒子の水酸基及び吸着水の除去方法。
  5. 多孔質酸化物粒子が、酸化ケイ素を主成分とする請求項3又は4に記載の多孔質酸化物粒子の水酸基及び吸着水の除去方法。
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