JP2011067917A - 手持ち工具のハンドル部 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】スイッチレバー5に人差し指F2を掛けて、親指F1と中指F3と薬指F4と小指F5でハンドル部10を取り囲むように把持する場合に、これら4本の指先F1、F3、F4、F5に合わせて滑り止めラインL1〜L6を設けて確実な滑り止めと高いグリップ感を持たせた構成とする。
【選択図】図2
Description
従来より、ハンドル部については、打ち込み時の衝撃に対するグリップ力や滑り止め機能等を高めるために様々な工夫がなされている。例えば、下記の特許文献に開示されているように、多くの場合、ハンドル部については、ダイカスト製で筒形のハンドル本体の表面に、同じく筒形のゴム製表皮材を被せた構成となっていた。
そこで、本発明は、手持ち工具が備えるハンドル部の主として凹凸形状についてさらに工夫を加えることにより、把持した使用者の安心感を高め、またその疲労を低減できるようにして、この種の打ち込み工具の付加価値を一層高めることを目的とする。
請求項1記載のハンドル部によれば、把持した手の各指先がそれぞれ滑り止めラインに引っ掛かるため、確実な滑り止めがなされ、これにより把持した使用者の握りやすさ及び安心感を高めることができ、またより小さな握力で確実に把持できることから使用者の疲労を低減することができる。
請求項2記載のハンドル部によれば、当該ハンドル部を通常の握り方で把持した場合に、親指の把持外れ方向(指を外す方向)と、その他の指の把持外れ方向とが逆になることに対応してそれぞれの滑り止めラインの滑り止め機能が確実に発揮される。
ハンドル部の基部付近にトリガ形式のスイッチレバーを備える打ち込み工具の場合には、当該スイッチレバーを通常人差し指で引き操作することから、上記その他の指として中指と薬指と小指の各指先の把持外れ方向と親指の把持外れ方向が逆になる。係る場合に、親指用の滑り止めラインの把持外れ方向と、中指と薬指と小指用の各滑り止めラインの「把持外れ方向が相互に逆になっていることにより、当該ハンドル部を把持した全ての指について確実な滑り止めを実現できる。
請求項3記載のハンドル部によれば、把持すると通常凹みが発生する手の平に、手の平突部が嵌り込むようにして当接(密着)されることから、使用者の把持感(しっかりと握っているという感触)を一層明確にして、握りやすさ及び安心感を高め、また疲労を低減することができる。
請求項4記載のハンドル部によれば、右利きの使用者についても、左利きの使用者についても、把持した手の各指先が滑り止めラインに引っ掛かって確実な滑り止め機能を持たせることができ、ひいては把持した左利きの使用者又は右利きの使用者のいずれについても握りやすさと安心感を持たせ、疲労を低減することができる。
請求項5記載のハンドル部によれば、通常の握り方で把持した場合に発生する手の平の凹みに、手の平突部が嵌り込むようにして当接されるので、使用者の把持感を一層高めることができ、ひいては使用者の握りやすさ及び安心感を高め、また疲労を低減することができる。
この手持ち工具1は、工具本体部2と、打ち込み部3と、ハンドル部10と、マガジン4を備えている。工具本体部2には、圧縮エアを駆動源として作動する打撃機構が内装されている。打撃機構は、圧縮エアで往復動するピストンと、これを気密に収容するシリンダ及びシリンダ上室に対して給排気するためのヘッドバルブ等によって構成されている。係る打撃機構は従来公知の構成で足り、本実施形態において特に変更を要しないのでその詳細な説明及び図示を省略する。
打ち込み部3は、工具本体部2の打撃機構により打撃される打ち込み具を案内する機能を有するもので、その先端から打ち込み具が打ち出される。これについても従来の公知の構成で足りるので、詳細な説明は省略する。
マガジン4は、上記打ち込み部3とハンドル部10の先端部との間に掛け渡し状態で取り付けられている。このマガジン4には多数の打ち込み具が収容されており、工具本体部2の打ち込み動作に連動して打ち込み具が1本ずつ打ち込み部3に供給される。
このハンドル部10の基部付近前側であって工具本体部2の側部には、使用者が人差し指F2で引き操作するトリガ形式のスイッチレバー5が設けられている。このスイッチレバー5を引き操作すると、当該ハンドル部10の基部に内装したスイッチバルブ7がオンして工具本体2側に圧縮エアが供給され、従って打撃機構が作動して打ち込み動作がなされる。
使用者は例えば右手HRでハンドル部10を把持し、その人差し指F2をスイッチレバー5に引き掛けた状態で当該手持ち工具1を使用する。この場合、図2に示すようにハンドル部10は使用者の右手HRの親指F1、中指F3、薬指F4と小指F5の4本の指で握られる。
グリップ部12は、一体成形により製作されている。図2に示すようにこのグリップ部12の左側面には、親指F1の滑り止めをするための第1〜第3滑り止めラインL1,L2,L3と、その他の指であって中指F3と薬指F4と小指F5の滑り止めをするための第4〜第6滑り止めラインL4,L5,L6と、握った右手HRの手の平Pに当接される手の平突部17が設けられている。
本実施形態では、グリップ部12の上部に第1〜第3滑り止めラインL1,L2,L3が設けられている。親指滑り止め用の第1〜第3滑り止めラインL1,L2,L3は、グリップ部12の左側面上端部付近から前側斜め下方に向けて相互の間隔を徐々に大きくする経路で形成されている。図2に示すようにこのいずれか1本若しくは複数本の滑り止めラインL1(L2,L3)に対して右手HRの親指F1が後ろ側(作業者側)から延びてその指先が押し当てられている。
図3において二点鎖線で示すように、親指滑り止め用の第1〜第3滑り止めラインL1,L2,L3は、押し当てられた親指F1の後ろ側(作業者側)への滑りに対して滑り止め機能を発揮する断面突起形状(後ろ側の傾斜が緩い突起形状)を有している。
図3に示すように第4〜第6滑り止めラインL4,L5,L6は、前側から後ろ側に向けて延びる中指F3と薬指F4と小指F5の前側(反作業者側)への滑りに対して滑り止め機能を発揮する断面突起形状(前側の傾斜が緩い突起形状)を有している。このため、第4〜第6滑り止めラインL4,L5,L6の断面突起形状と、第1〜第3滑り止めラインL1,L2,L3の断面突起形状とでは、突起の向き(指が引っ掛かる向き)が前後に反対向きになっている。本実施形態では、上側の湾曲部(第1〜第3滑り止めラインL1,L2,L3)の下端部付近で、突起の向きが前後に反転している。
第4〜第6滑り止めラインL4,L5,L6は、当該グリップ部12の下端部付近まで延びて前側へ湾曲している。
このように親指滑り止め用の第1〜第3滑り止めラインL1,L2,L3と、これらに連続して設けられたその他の指の滑り止め用の第4〜第6滑り止めラインL4,L5,L6が緩やかなS字カーブを描いてグリップ部12の左側面の長手方向ほぼ全域にわたる範囲に設けられている。
グリップ部12の左側面における右手HR用の第4〜第6滑り止めラインL4,L5,L6の下部湾曲部と、右側面における左手HL用の第4〜第6滑り止めラインL4,L5,L6の下部湾曲部と相互に繋がっている。
親指滑り止め用の第1〜第3滑り止めラインL1,L2,L3の位置、あるいはその他の指F3,F4,F5の滑り止め用の第4〜第6滑り止めラインL4,L5,L6の位置及び相互の間隔等については、その使用が想定される世界各地の人体寸法に基づいて適切に設定することができる。例えば、アジア系男性の手の長さ、手の幅について小さい方の5パーセントを除く範囲(5パーセンタイル値)から欧州男性の手の長さ、手の幅について大きい方の5パーセントを除く範囲(95パーセンタイル値)をカバーする範囲に設定することができる。係る基準に基づいて各滑り止めラインL1〜L6を配置することによって、世界各地の大多数の使用者にとって極めて握りやすく、疲労の少ないハンドル部10とすることができる。
次に、手の平突部17は、グリップ部12の後面であってその長手方向ほぼ中央に設けられている。この手の平突部17は、後方(手の平側)へ盛り上がる状態に設けられている。使用者が右手HR又は左手HLでハンドル部10を把持すると、その手の平Pの凹みにこの手の平突部17が嵌り込んだ状態で密着される。
この手の平突部17によっても把持した手のハンドル部10に対する滑り止めがなされるとともに、使用者は当該ハンドル部10をしっかりと把持しているという感覚(グリップ感)を持つことができることから、使用者の握りやすさ及び安心感を高めることができ、またより小さな握力で把持できることから使用者の疲労を低減することができ、ひいては当該手持ち工具1の使い勝手を高めることができる。
この手の平突部17と上記各滑り止めラインL1〜L6を除く当該グリップ部12の空きスペースには、多数の小孔18〜18が形成されており、これによっても把持した手の滑り止めがなされる。
また、使用者は、把持した右手HRの人差し指F2を除く各指F1、F3、F4、F5について、それぞれ滑り止めラインL1〜L6によって滑り止めがなされている感触を持ちつつ把持することができるので、安心感を持ちつつ把持することができ、またより小さな握力で把持できることから作業の疲労を低減することができる。
さらに、例示したハンドル部10によれば、右手HRで取り巻くように把持した場合に、親指F1の把持外れ方向(前方向)と、その他の指F3,F4,F5の把持外れ方向(後ろ方向)とが逆になることに対応して親指滑り止め用の第1〜第3滑り止めラインL1,L2,L3の断面突起形状と、その他の指F3,F4,F5用の第4〜第6滑り止めラインL4,L5,L6の断面突起形状が前後に反対向きになっている。このため、親指F1と中指F3と薬指F4と小指F5の全てについて滑り止め機能が確実に発揮される。
また、例示したハンドル部10によれば、把持すると通常凹みが発生する手の平Pに、手の平突部17が嵌り込むようにして密着されることから、一層確実な滑り止めを行うことができるとともに、使用者の把持感(しっかりと握っているという感触)を一層明確にして、握りやすさ及び安心感を高め、また疲労を低減することができる。この手の平突部17によれば、釘打ち込み時(打撃時)等における衝撃(反動)に対する当該ハンドル部10の保持力(グリップ力)を高めることができる。
さらに、例示したハンドル部10によれば、グリップ部12の左右両側面に第1〜第6滑り止めラインL1〜L6が左右対称に設けられているので、右利きの使用者についても、左利きの使用者についても、把持した手HR(HL)の各指先が第1〜第6滑り止めラインL1〜L6に引っ掛かって確実な滑り止めがなされることから、把持した左利きの使用者又は右利きの使用者のいずれについても安心感を持たせ、疲労を低減することができる。
このことから、人差し指F2をトリガ形式のスイッチレバーに掛け、その他の4本の指(親指F1、中指F3、薬指F4、小指F5)でハンドル部10を取り囲むように把持する場合に限らず、5本の指F1〜F5でハンドル部を取り囲むように把持する場合であっても、複数の滑り止めラインをハンドル部の側部に設けることにより同様の作用効果を得ることができる。
また、親指滑り止め用の第1〜第3滑り止めラインL1,L2,L3と、その他の指の滑り止め用の第4〜第6滑り止めラインL4,L5,L6が連続する形態を例示したが、分断された形態であってもよい。さらに、その他の指の滑り止め用の第4〜第6滑り止めラインL4,L5,L6について、それぞれ上下に連続する形態を例示したが、断続的に突起を配置させた破線状の滑り止めラインとしてもよい。
手の平突部17は省略して指先用の滑り止めラインのみによっても高い滑り止め機能と疲労低減効果を得ることができる。逆に、指先用の滑り止めラインを省略して、手の平突部17のみによっても、打ち込み反動時における高いグリップ感と、疲労低減効果を得ることができる。
各滑り止めライン13〜16の断面突起形状については、把持外れ方向の傾斜が緩い山形の断面突起形状を例示したが、把持外れ方向と把持方向の傾斜が対称な断面山形の滑り止めライン、あるいは断面半円形若しくはその他の断面形状の滑り止めラインであってもよい。
2…工具本体部
3…打ち込み部
4…マガジン
5…スイッチレバー
6…エアホース接続用プラグ
7…スイッチバルブ
10…ハンドル部
11…ハンドル本体
12…グリップ部
L1…第1滑り止めライン
L2…第2滑り止めライン
L3…第3滑り止めライン
L4…第4滑り止めライン
L5…第5滑り止めライン
L6…第6滑り止めライン
17…手の平突部
F1…親指
F2…人差し指
F3…中指
F4…薬指
F5…小指
P…手の平
HR…右手
HL…左手
Claims (5)
- 手持ち式工具のハンドル部であって、把持した手の各指先について把持外れ方向の滑り止め機能を有する滑り止めラインを、当該ハンドル部の長手方向に沿って延び、かつ指の長さに対応して当該ハンドル部の周囲に沿って複数並列配置したハンドル部。
- 請求項1記載のハンドル部であって、把持した手の親指用の滑り止めラインの滑り止め方向と、その他の指用の各滑り止めラインの滑り止め方向とが相互に逆に設定されたハンドル部。
- 請求項1又は2記載のハンドル部であって、前記把持した手の手の平が当接される後面に、該手の平側に隆起する手の平突部を設けたハンドル部。
- 請求項1〜3のいずれか1項に記載したハンドル部であって、前記滑り止めラインを左右両側部に対称に設けたハンドル部。
- 手持ち式工具のハンドル部であって、把持した手の手の平が当接される後面に、該手の平側に隆起する手の平突部を設けたハンドル部。
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