JP2011066170A - 電磁波シールド部材の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】電磁波の入射方向に拘らず、部材全体に渡って均一に優れたシールド性を発揮する、機械的強度及び耐衝撃性にも優れた電磁波シールド部材の製造方法を提供すること。
【解決手段】シクロオレフィンモノマー、メタセシス重合触媒、ラジカル発生剤、及び不連続炭素繊維を含んでなる重合性組成物を連続炭素繊維に含浸させた後、50〜110℃の温度範囲で塊状重合し、シクロオレフィンポリマーを炭素繊維に含浸させてなる樹脂含浸基材を得る工程(1)、及び工程(1)で得られた樹脂含浸基材と熱可塑性樹脂とを接触させた状態で該基材を架橋させ、樹脂含浸基材−熱可塑性樹脂複合体からなる電磁波シールド部材を得る工程(2)、を有する、電磁波シールド部材の製造方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、電磁波シールド部材の製造方法に関する。より詳しくは、電磁波の入射方向に拘らず、部材全体に渡って均一に優れたシールド性を発揮する、機械的強度及び耐衝撃性にも優れた電磁波シールド部材の効率的な製造方法に関する。
電磁波シールドとは一般に、電子機器からの電磁波の放射、及び電子機器への電磁波の侵入を防止することを言い、かかる電磁波シールド性を備えた部材を電磁波シールド部材と言う。電磁波シールド部材は電磁波の反射体又は吸収体として機能し、その効果を発揮する。かかる電磁波シールド部材としては、例えば、導電性繊維やカーボンブラック等の導電性充填剤を配合してなる樹脂や、フェライトやカーボンを分散してなる樹脂などが知られている。
例えば、特許文献1には、導電性連続繊維束に、分子量1万以下の熱可塑性重合体と短繊維及び/又は微粒子とを含む含浸剤を含浸させた後、必要に応じて熱可塑性樹脂にて被覆してなるものが開示されている。また、特許文献2には、導電性充填剤(A)を含有する熱可塑性樹脂(B)の溶融物にて導電性連続繊維束(C)を被覆した後、所定の長さに切断して得られたペレットを成形してなるものが開示されている。導電性充填剤(A)としては、導電性短繊維、導電性金属酸化物粒子、及び導電性金属酸化物極細繊維などが記載されている。
一方、特許文献3には、シクロオレフィンモノマー、触媒、及び架橋剤を含有してなる重合性組成物をアクリル系炭素繊維存在下で重合してなるプリプレグを、他材料と積層し、架橋してなる繊維強化複合材料積層体が開示されている。他材料の例としては熱可塑性樹脂が記載されている。
特開昭63−37142号公報 特開2005−225126号公報 特開2009−144082号公報
本発明者が前記特許文献に記載の各部材の特性について検討したところ、特に、特許文献1のものでは機械的強度や耐衝撃性に劣り、特許文献2のものでは電磁波シールド性が不充分であることが明らかになった。一方、特許文献3によれば、機械的強度や電磁波シールド性が良好な部材が得られるが、電磁波の入射角度によって電磁波シールド性にムラが認められる場合があることが明らかになった。
従って、本発明の目的は、電磁波の入射方向に拘らず、部材全体に渡って均一に優れたシールド性を発揮する、機械的強度及び耐衝撃性にも優れた電磁波シールド部材の製造方法を提供することにある。
本発明者は上記課題を解決するために鋭意検討した結果、シクロオレフィンモノマー、メタセシス重合触媒、ラジカル発生剤、及び不連続炭素繊維を含んでなる重合性組成物を、連続炭素繊維に含浸させた後、所定の温度範囲で塊状重合して樹脂含浸基材を得、それを熱可塑性樹脂と接触させた状態で一体的に架橋させることで、所望の特性を有する電磁波シールド部材が効率的に得られることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明によれば、
〔1〕シクロオレフィンモノマー、メタセシス重合触媒、ラジカル発生剤、及び不連続炭素繊維を含んでなる重合性組成物を連続炭素繊維に含浸させた後、50〜110℃の温度範囲で塊状重合し、シクロオレフィンポリマーを炭素繊維に含浸させてなる樹脂含浸基材を得る工程(1)、及び工程(1)で得られた樹脂含浸基材と熱可塑性樹脂とを接触させた状態で該基材を架橋させ、樹脂含浸基材−熱可塑性樹脂複合体からなる電磁波シールド部材を得る工程(2)、を有する、電磁波シールド部材の製造方法、
〔2〕工程(2)における、工程(1)で得られた樹脂含浸基材の架橋を、該基材を金型内へ設置した後、熱可塑性樹脂を該金型内へ射出充填し、該基材と該熱可塑性樹脂とを接触させた状態で該金型内にて行う前記〔1〕記載の電磁波シールド部材の製造方法、
〔3〕工程(2)で用いる、工程(1)で得られた樹脂含浸基材が、シクロオレフィンポリマーのガラス転移温度以上、かつラジカル発生剤の1分間半減期温度以下の温度にて、さらに加熱成形されたものである前記〔1〕又は〔2〕記載の電磁波シールド部材の製造方法、
〔4〕重合性組成物中の不連続炭素繊維の含有量が5〜50重量%である前記〔1〕〜〔3〕いずれか記載の電磁波シールド部材の製造方法、
〔5〕樹脂含浸基材中の連続炭素繊維の含有量が40〜70体積%である前記〔1〕〜〔4〕いずれか記載の電磁波シールド部材の製造方法、
〔6〕不連続炭素繊維がピッチ系炭素繊維であり、連続炭素繊維がアクリル系炭素繊維である前記〔1〕〜〔5〕いずれか記載の電磁波シールド部材の製造方法、並びに
〔7〕前記〔1〕〜〔6〕いずれかに記載の電磁波シールド部材の製造方法により得られ得る電磁波シールド部材、
を提供することができる。
本発明によれば、電磁波の入射方向に拘らず、部材全体に渡って均一に優れたシールド性を発揮する、機械的強度及び耐衝撃性にも優れた電磁波シールド部材を提供することができる。本発明の電磁波シールド部材は、例えば、電子機器の筐体として好適に使用することができる。
本発明の電磁波シールド部材の製造方法は、所定の重合性組成物を連続炭素繊維に含浸させた後、50〜110℃の温度範囲で塊状重合し、シクロオレフィンポリマーを炭素繊維に含浸させてなる樹脂含浸基材を得る工程(1)、及び工程(1)で得られた樹脂含浸基材と熱可塑性樹脂とを接触させた状態で該基材を架橋させ、樹脂含浸基材−熱可塑性樹脂複合体からなる電磁波シールド部材を得る工程(2)を有する。
〔工程(1)〕
本発明の工程(1)では、所定の重合性組成物を連続炭素繊維に含浸させた後、50〜110℃の温度範囲で塊状重合し、シクロオレフィンポリマーを炭素繊維に含浸させてなる樹脂含浸基材を得る。
本発明に用いられる重合性組成物は、シクロオレフィンモノマー、メタセシス重合触媒、ラジカル発生剤、及び不連続炭素繊維を含んでなる。
前記シクロオレフィンモノマーとは、炭素原子で形成される環構造を有し、該環中に炭素−炭素間の脂肪族二重結合を有する化合物である。シクロオレフィンモノマーは、単環式のものであっても多環式のものであってもよい。シクロオレフィンモノマーとしては、特に限定はないが、メタセシス反応性を有する脂肪族二重結合を2以上有するシクロオレフィンモノマー(以下、シクロオレフィンモノマーAという。)が好適に用いられる。シクロオレフィンモノマーAを用いれば、得られる電磁波シールド部材を構成するシクロオレフィンポリマーの架橋密度が向上し、該部材の機械的強度を向上させることができ、好適である。なお、通常、いかなる脂肪族二重結合もメタセシス反応性を有する。用いる全シクロオレフィンモノマー中のシクロオレフィンモノマーAの含有量としては、通常、20〜90重量%、好ましくは40〜80重量%、より好ましくは50〜70重量%である。シクロオレフィンモノマーAの含有量がかかる範囲にあると、得られる電磁波シールド部材の機械的強度と成形性が高度にバランスされ、好適である。
本発明に用いられるシクロオレフィンモノマーとしては、例えば、ノルボルネン系モノマーや単環シクロオレフィンモノマーなどが挙げられ、ノルボルネン系モノマーが好適に用いられる。
ノルボルネン系モノマーとは、ノルボルネン環構造を分子内に有するシクロオレフィンモノマーをいう。かかるモノマーとしては、例えば、ノルボルネン類、ジシクロペンタジエン類、テトラシクロドデセン類などが挙げられる。ノルボルネン系モノマーは、アルキル基、アルケニル基、アルキリデン基、アリール基などの、炭素数1〜30の炭化水素基や、カルボキシル基や酸無水物基などの極性基を置換基として有していてもよい。また、ノルボルネン環の二重結合以外に、さらに二重結合を有していてもよい。ノルボルネン系モノマーを構成する環の数は、3〜6であるものが好ましく、3又は4であるものがより好ましく、4であるものが特に好ましい。中でも、極性基を有さず、炭素原子と水素原子のみで構成されるノルボルネン系モノマーが好ましい。用いる全シクロオレフィンモノマー中、かかる極性基を有さないノルボルネン系モノマーの含有量としては、通常、50重量%以上、好ましくは80重量%以上、より好ましくは90重量%以上である。極性基を有さないノルボルネン系モノマーの含有量がかかる範囲にあると、得られる電磁波シールド部材の吸水性が充分に低くなり、好適である。
前記極性基を有さないノルボルネン系モノマーとしては、例えば、2−ノルボルネン、5−シクロペンチル−2−ノルボルネン、5−シクロペンテニル−2−ノルボルネン、5−シクロヘキシル−2−ノルボルネン、5−シクロヘキセニル−2−ノルボルネン、5−エチリデン−2−ノルボルネン、5−ビニル−2−ノルボルネン、5−フェニル−2−ノルボルネン、テトラシクロ[9.2.1.02,10.03,8]テトラデカ−3,5,7,12−テトラエン(1,4−メタノ−1,4,4a,9a−テトラヒドロ−9H−フルオレンとも言う。)、及びテトラシクロ[10.2.1.02,11.04,9]ペンタデカ−4,6,8,13−テトラエン(1,4−メタノ−1,4,4a,9,9a,10−ヘキサヒドロアントラセンとも言う。)などのノルボルネン類;
ジシクロペンタジエン、メチルジシクロペンタジエン、及びジヒドロジシクロペンタジエン(トリシクロ[5.2.1.02,6]デカ−8−エンとも言う。)などのジシクロペンタジエン類;
テトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−4−エン、9−エチリデンテトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−4−エン、9−ビニルテトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−4−エン、及び9−フェニルテトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−4−エンなどのテトラシクロドデセン類;などが挙げられる。
一方、極性基を有するノルボルネン系モノマーとしては、例えば、テトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−9−エン−4−カルボン酸、テトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−9−エン−4,5−ジカルボン酸無水物、5−ノルボルネン−2−カルボン酸メチル、2−メチル−5−ノルボルネン−2−カルボン酸メチル、5−ノルボルネン−2−オール、5−ノルボルネン−2−カルボニトリル、及び7−オキサ−2−ノルボルネン;などが挙げられる。
また、前記単環シクロオレフィンモノマーとしては、例えば、シクロブテン、シクロペンテン、シクロオクテン、シクロドデセン、及び1,5−シクロオクタジエンなどの単環シクロオレフィン、並びに置換基を有するそれらの誘導体が挙げられる。置換基としては、前記炭化水素基や極性基が挙げられる。
以上のシクロオレフィンモノマーは、それぞれ単独で、又は2種以上を組合わせて用いることができる。
メタセシス重合触媒としては、前記シクロオレフィンモノマーをメタセシス塊状開環重合可能なものであれば特に限定はないが、通常、遷移金属原子を中心原子として、複数のイオン、原子、多原子イオン、及び化合物などが結合してなる錯体が用いられる。遷移金属原子としては、第5族、第6族及び第8族(長周期型周期表による。以下、同じ。)の原子が挙げられる。それぞれの族の原子は特に限定されないが、第5族の原子としては、例えば、タンタルが挙げられ、第6族の原子としては、例えば、モリブデンやタングステンが挙げられ、第8族の原子としては、例えば、ルテニウムやオスミウムが挙げられる。中でも、第8族のルテニウムやオスミウムの錯体をメタセシス重合触媒として使用するのが好ましく、カルベン配位子を有するルテニウムカルベン錯体を使用するのがより好ましい。ルテニウムカルベン錯体は、塊状重合時の触媒活性に優れ、空気中や炭素繊維に含まれる水分に対して比較的安定であり、失活しにくい。そのため、大気下での使用が可能であり、得られる電磁波シールド部材においては、未反応モノマーに由来する臭気の発生が実質的になく、しかも炭素繊維を高充填可能である。
ルテニウムカルベン錯体としては、例えば、以下の一般式(1)又は(2)で示される化合物が挙げられる。
Figure 2011066170
前記一般式(1)及び(2)において、R及びRは、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、又はハロゲン原子、酸素原子、窒素原子、硫黄原子、リン原子若しくは珪素原子を含んでもよいC〜C20の炭化水素基を表す。当該炭化水素基は、炭素原子及び水素原子以外の原子を含む置換基を有していてもよい。X及びXは、それぞれ独立して、アニオン性配位子を示す。アニオン性配位子とは、中心金属原子から引き離されたときに負の電荷を持つ配位子である。アニオン性配位子としては、ハロゲン原子、ジケトネート基、アルコキシ基、アリールオキシ基、及びカルボキシル基などを挙げることができる。中でもハロゲン原子が好ましく、塩素原子がより好ましい。L及びLは、それぞれ独立して、中性電子供与性化合物を表す。中性電子供与性化合物とは、中心金属原子から引き離されたときに中性の電荷を持つ化合物である。中性電子供与性化合物としては、ホスフィン類、エーテル類、ピリジン類、及び後述のヘテロ環構造を有するカルベン化合物などが挙げられる。R、R、X、X、L及びLは、任意の組み合わせで互いに結合して多座キレート化配位子を形成しても良い。
本発明においては、前記一般式(1)又は(2)で示されるメタセシス重合触媒のL又はLの少なくとも一方にヘテロ環構造を有するカルベン化合物を配位子として有するルテニウムカルベン錯体を用いるのが好ましい。ヘテロ環構造を構成するヘテロ原子としては、例えば、酸素原子、窒素原子、燐原子、及び硫黄原子等が挙げられ、好ましくは窒素原子である。ヘテロ環構造を有するカルベン化合物としては、カルベン炭素原子、及びカルベン炭素原子の両側に隣接して結合したヘテロ原子を含んでヘテロ環構造を形成してなるものが好ましい。
ヘテロ環構造を有するカルベン化合物を配位子として有するルテニウムカルベン錯体としては、例えば、ベンジリデン(1,3−ジメシチルイミダゾリジン−2−イリデン)(トリシクロヘキシルホスフィン)ルテニウムジクロリド、(1,3−ジメシチルイミダゾリジン−2−イリデン)(3−メチル−2−ブテン−1−イリデン)(トリシクロペンチルホスフィン)ルテニウムジクロリド、ベンジリデン(1,3−ジメシチル−オクタヒドロベンズイミダゾール−2−イリデン)(トリシクロヘキシルホスフィン)ルテニウムジクロリド、ベンジリデン[1,3−ジ(1−フェニルエチル)−4−イミダゾリン−2−イリデン](トリシクロヘキシルホスフィン)ルテニウムジクロリド、ベンジリデン(1,3−ジメシチル−2,3−ジヒドロベンズイミダゾール−2−イリデン)(トリシクロヘキシルホスフィン)ルテニウムジクロリド、ベンジリデン(トリシクロヘキシルホスフィン)(1,3,4−トリフェニル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−1,2,4−トリアゾール−5−イリデン)ルテニウムジクロリド、(1,3−ジイソプロピルヘキサヒドロピリミジン−2−イリデン)(エトキシメチレン)(トリシクロヘキシルホスフィン)ルテニウムジクロリド、及びベンジリデン(1,3−ジメシチルイミダゾリジン−2−イリデン)ピリジンルテニウムジクロリドなどが挙げられる。
メタセシス重合触媒の使用量は、モル比(メタセシス重合触媒中の金属原子:シクロオレフィンモノマー)で、通常、1:100〜1:200,000、好ましくは1:1,000〜1:100,000、より好ましくは1:2,000〜1:20,000の範囲である。
メタセシス重合触媒は、所望により、メタセシス重合反応に対し不活性である、少量の溶媒に溶解又は懸濁して、触媒液として使用することができる。かかる溶媒としては、例えば、n−ペンタン、n−ヘキサン、流動パラフィン、及びミネラルスピリットなどの鎖状脂肪族炭化水素;シクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、ジメチルシクロヘキサン、トリメチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン、ジエチルシクロヘキサン、デカヒドロナフタレン、ジシクロヘプタン、トリシクロデカン、ヘキサヒドロインデン、及びシクロオクタンなどの脂環式炭化水素;ベンゼン、トルエン、及びキシレンなどの芳香族炭化水素;インデン、インダン、1−メチレンインデン、1,2−ジヒドロナフタレン、1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン、フルオレン、9−フェニルフルオレン、9,10−ジヒドロアントラセンなどのベンゼン環と脂環とが縮合した化合物;ジフェニルフルベンなどのベンゼン環と脂環とが炭化水素基で結合された化合物;ニトロメタン、ニトロベンゼン、及びアセトニトリルなどの含窒素炭化水素;ジエチルエーテル、及びテトラヒドロフランなどの含酸素炭化水素;などが挙げられる。これらの中では、工業的に汎用される、鎖状脂肪族炭化水素、脂環式炭化水素、芳香族炭化水素、及びベンゼン環と脂環とが縮合した化合物の使用が好ましい。また、メタセシス重合触媒の活性を低下させないものであれば、液状の、老化防止剤、可塑剤、又はエラストマーを溶媒として用いてもよい。
メタセシス重合触媒は、重合活性を制御したり、重合反応率を向上させる目的で活性剤(共触媒)と併用することができる。活性剤としては、アルミニウム、ホウ素、チタン、スカンジウム、スズ、及びジルコニウムの、アルキル化物、ハロゲン化物、アルコキシ化物、及びアリールオキシ化物などが挙げられる。活性剤の使用量は、モル比(メタセシス重合触媒中の金属原子:活性剤)で、通常、1:0.05〜1:100、好ましくは1:0.2〜1:20、より好ましくは1:0.5〜1:10の範囲である。
ラジカル発生剤は、本発明に用いられる重合性組成物を塊状重合して得られるシクロオレフィンポリマーにおいて架橋反応を誘起する目的で使用される。それゆえ、該ポリマーは、後架橋可能な熱可塑性樹脂となる。ここで、「後架橋可能な」とは、得られる熱可塑性樹脂を加熱することで架橋反応が進行して架橋樹脂になるという意味である。また、「ラジカル発生剤の1分間半減期温度」とは、ラジカル発生剤の半量が1分間で分解する温度をいう。ラジカル発生剤としては、例えば、有機過酸化物、ジアゾ化合物、及び非極性ラジカル発生剤などが挙げられ、有機過酸化物及び非極性ラジカル発生剤が好適に用いられる。
有機過酸化物としては、例えば、t−ブチルヒドロペルオキシド、p−メンタンヒドロペルオキシド、クメンヒドロペルオキシドなどのヒドロペルオキシド類;ジクミルペルオキシド、t−ブチルクミルペルオキシド、α,α’−ビス(t−ブチルペルオキシ−m−イソプロピル)ベンゼン、ジ−t−ブチルペルオキシド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルペルオキシ)−3−ヘキシン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルペルオキシ)ヘキサンなどのジアルキルペルオキシド類;ジプロピオニルペルオキシド、ベンゾイルペルオキシドなどのジアシルペルオキシド類;2,2−ジ(t−ブチルペルオキシ)ブタン、1,1−ジ(t−ヘキシルペルオキシ)シクロヘキサン、1,1−ジ(t−ブチルペルオキシ)−2−メチルシクロヘキサン、1,1−ジ(t−ブチルペルオキシ)シクロヘキサンなどのペルオキシケタール類;t−ブチルペルオキシアセテート、t−ブチルペルオキシベンゾエートなどのペルオキシエステル類;t−ブチルペルオキシイソプロピルカルボナート、ジ(イソプロピルペルオキシ)ジカルボナートなどのペルオキシカルボナート類;t−ブチルトリメチルシリルペルオキシドなどのアルキルシリルペルオキシド類;3,3,5,7,7−ペンタメチル−1,2,4−トリオキセパン、3,6,9−トリエチル−3,6,9−トリメチル−1,4,7−トリパーオキソナン、3,6−ジエチル−3,6−ジメチル−1,2,4,5−テトロキサンなどの環状パーオキサイド類;が挙げられる。中でも、重合反応に対する障害が少ない点で、ジアルキルペルオキシド類、ペルオキシケタール類、及び環状パーオキサイド類が好ましい。
ジアゾ化合物としては、例えば、4,4’−ビスアジドベンザル(4−メチル)シクロヘキサノン、及び2,6−ビス(4’−アジドベンザル)シクロヘキサノンなどが挙げられる。
非極性ラジカル発生剤としては、2,3−ジメチル−2,3−ジフェニルブタン、3,4−ジメチル−3,4−ジフェニルヘキサン、1,1,2−トリフェニルエタン、及び1,1,1−トリフェニル−2−フェニルエタンなどが挙げられる。
ラジカル発生剤の1分間半減期温度は、架橋の条件により適宜選択されるが、通常、100〜300℃、好ましくは150〜250℃、より好ましくは160〜230℃の範囲である。ラジカル発生剤の1分間半減期温度は、例えば、各ラジカル発生剤メーカー(例えば、日本油脂株式会社)のカタログやホームページを参照すればよい。
前記ラジカル発生剤は、それぞれ単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。本発明に用いる重合性組成物中のラジカル発生剤の含有量としては、シクロオレフィンモノマー100重量部に対して、通常、0.01〜10重量部、好ましくは0.1〜10重量部、より好ましくは0.5〜5重量部の範囲である。
不連続炭素繊維とは、後述する連続炭素繊維形態ではない、炭素繊維の繊維長が6mm以下の短繊維長炭素繊維をいう。かかる形態の炭素繊維としては、繊維長が1mm未満に粉砕されたミルドファイバーや、1〜6mmの長さに切断されたチョップドファイバー等が挙げられる。炭素繊維の直径としては、導電性と取り扱いの容易さのバランスを考慮すると、通常、3〜20μm、好ましくは5〜15μm、より好ましくは5〜10μmである。不連続炭素繊維の種類は特に限定されず、アクリル系炭素繊維(PAN系炭素繊維)とピッチ系炭素繊維のいずれも用いることができる。一般に、ピッチ系炭素繊維は、PAN系炭素繊維と比べて、強度面では劣るが、高弾性率及び高熱伝導率であり、さらには負の線膨張率を示すといった、PAN系炭素繊維とは異なる特性を有することから、連続炭素繊維としてPAN系炭素繊維を用いる場合、不連続炭素繊維としてピッチ系炭素繊維を組み合わせて用いると、強度、剛性、及び熱伝導性のバランスに優れ、実質的にゼロ線膨張率の電磁波シールド部材が得られ、好適である。不連続炭素繊維のハンドリング性を向上させる観点から、不連続炭素繊維は、例えば、エポキシ化合物、ポリウレタン化合物、飽和又は不飽和ポリエステル、ポリフェニレンサルファイト、ポリフェニレンエーテル、ポリカーボネート、ポリオキシメチレン、ポリスチレン、ポリオレフィン、アクリル樹脂、酢酸ビニル樹脂、及びポリアミド樹脂などのホモポリマー又はコポリマーなどからなる、公知のサイジング剤で収束されているのが好ましい。中でも、炭素繊維との密着性の観点からエポキシ化合物をサイジング剤として用いるのが特に好ましい。また、不連続炭素繊維に対するシクロオレフィンモノマーの濡れ性を高め、不連続炭素繊維とシクロオレフィンポリマーとの密着性を向上させる観点から、予め不連続炭素繊維の表面を、例えば、シラン系カップリング剤、チタネート系カップリング剤、アルミネート系カップリング剤、及びジルコアルミネート系カップリング剤などの、公知の表面処理剤で処理して用いてもよい。表面処理剤による処理は、例えば、表面処理剤を配合した処理液に不連続炭素繊維を浸漬した後、乾燥を行う(湿式処理)、あるいは、霧状の表面処理剤を不連続炭素繊維に噴霧した後、乾燥を行う(乾式処理)ことにより実施可能である。不連続炭素繊維がサイジング剤で収束されている場合、表面処理剤による不連続炭素繊維の処理は、サイジング剤で収束された状態で行っても、又はサイジング剤を除去した後に行っても良い。本発明に用いる重合性組成物中の不連続炭素繊維の含有量としては、得られる電磁波シールド部材の電磁波シールド性と機械的強度を向上させる観点から、通常、5〜50重量%、好ましくは7〜20重量%である。
本発明の重合性組成物には、上記必須成分の他、所望により、その他の成分として、架橋助剤、難燃剤、重合反応遅延剤、連鎖移動剤、老化防止剤、及びその他の配合剤をさらに添加することができる。いずれの成分も、それぞれ単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。その添加量は、通常、本発明の効果を損ねない範囲で適宜選択すればよい。
架橋助剤としては、特に限定されるものではないが、メタクリル基を2以上有する多官能性化合物が好適に用いられる。メタクリル基を2以上有する多官能性化合物の中では、特に、トリメチロ−ルプロパントリメタクリレートやペンタエリトリトールトリメタクリレートなどの、メタクリル基を3つ有する多官能性化合物がより好適に用いられる。
難燃剤としては、特に限定されるものではないが、ハロゲン原子を含まない難燃剤である非ハロゲン難燃剤が好ましい。非ハロゲン難燃剤としては、例えば、水酸化アルミニウムや水酸化マグネシウム等の金属水酸化物;酸化マグネシウムや酸化アルミニウム等の金属酸化物;ジメチルホスフィン酸アルミニウムやジエチルホスフィン酸アルミニウムなどのホスフィン酸塩;などが挙げられる。
重合反応遅延剤は、本発明に用いる重合性組成物の粘度増加を抑制し、該組成物の連続炭素繊維へのより均一な含浸を図る目的で使用される。重合反応遅延剤としては、トリフェニルホスフィン、トリブチルホスフィン、トリメチルホスフィン、トリエチルホスフィン、ジシクロヘキシルホスフィン、ビニルジフェニルホスフィン、アリルジフェニルホスフィン、トリアリルホスフィン、スチリルジフェニルホスフィンなどのホスフィン化合物;アニリンやピリジンなどのルイス塩基;等が挙げられる。
本発明に用いる重合性組成物に連鎖移動剤を配合した場合、該組成物を塊状重合して得られるシクロオレフィンポリマーは、加熱溶融時において、高粘度であるため、その形状は保持しながらも、任意の部材を接触させた場合、ポリマー表面では、該部材の形状に対する追従性が向上したものとなる。よって、本発明の工程(2)において、かかるシクロオレフィンポリマーを含んでなる樹脂含浸基材を熱可塑性樹脂と接触させ、架橋させた場合、樹脂含浸基材と熱可塑性樹脂との密着性がより向上し、機械的強度及び耐衝撃性に非常に優れた電磁波シールド部材が得られ、好適である。連鎖移動剤としては、例えば、メタクリル酸ビニル、メタクリル酸アリル、メタクリル酸スチリル、メタクリル酸ウンデセニルなどの、ビニル基とメタクリル基とを1つずつ有する化合物からなる連鎖移動剤が好適に用いられる。連鎖移動剤の配合量としては、シクロオレフィンモノマー100重量部に対して、通常、0.01〜10重量部、好ましくは0.1〜5重量部である。
老化防止剤としては、通常、フェノール系老化防止剤、アミン系老化防止剤、リン系老化防止剤及びイオウ系老化防止剤からなる群から選ばれる少なくとも1種、好ましくはフェノール系老化防止剤及び/又はアミン系老化防止剤、より好ましくはフェノール系老化防止剤が用いられる。これらの老化防止剤は架橋反応を阻害することがないため、機械的強度や耐衝撃性に優れた電磁波シールド部材が得られ、好適である。
その他の配合剤としては、着色剤、光安定剤、顔料、及び発泡剤などが挙げられる。着色剤としては、染料や顔料などが用いられる。染料の種類は多様であり、公知のものを適宜選択して使用すればよい。
本発明の重合性組成物は、上記成分を混合して得ることができる。混合方法としては、常法に従えばよく、例えば、メタセシス重合触媒を適当な溶媒に溶解又は分散させた液(触媒液)を調製し、別にシクロオレフィンモノマー、ラジカル発生剤、不連続炭素繊維、及び所望によりその他の成分を配合した液(モノマー液)を調製し、該モノマー液に該触媒液を添加し、攪拌することによって調製することができる。
本発明に用いる連続炭素繊維とは、6mmを超える繊維長を有する炭素繊維をいう。連続炭素繊維の繊維長としては、電磁波シールド部材の機械的強度及び電磁波シールド性を向上させる観点から、少なくとも50mmであるのが好ましく、少なくとも70mmであるのがより好ましい。かかる連続炭素繊維としては、PAN系、ピッチ系、又はレーヨン系の炭素繊維を特に限定なく用いることができる。シクロオレフィンモノマーに対する濡れ性、及びシクロオレフィンポリマーとの密着性が良好であり、電磁波シールド部材の機械的強度や成形性が向上し得ることから、PAN系炭素繊維が好適に用いられる。
連続炭素繊維としては、その弾性率が高いほど剛性を維持できるため、樹脂含浸基材の厚さを薄くでき、好ましい。一方、弾性率が高すぎると引張伸度が低下する傾向にあるので、連続炭素繊維としては、樹脂含浸ストランド引張試験(JIS R−7601)による引張弾性率が、200〜400GPaの範囲にあるものが好ましく、220〜300GPaの範囲にあるものがより好ましい。また、連続炭素繊維としては、引張伸度が高いものが好ましく、引張伸度としては、好ましくは1.5%以上である。かかる引張伸度に上限は特にないが、通常、2.5%以下である。連続炭素繊維の引張伸度は、前記樹脂含浸ストランド引張試験により測定することができる。連続炭素繊維の引張伸度が高いほど、繊維が強くて扱いやすく、得られる電磁波シールド部材の機械的強度が高くなり、好ましい。以上のような特性を有する連続炭素繊維は、市販品として適宜入手可能である。
連続炭素繊維の断面形状としては、特に限定はないが、実質的に円形であるのが好ましい。断面形状が円形であると、重合性組成物を含浸させる際、フィラメントの再配列が起こりやすくなり、繊維間への重合性組成物の浸み込みがより容易になる。また、繊維束の厚さを薄くすることが可能となり、ドレープ性に優れた樹脂含浸基材を得やすい利点がある。なお、断面形状が実質的に円形であるとは、その断面の外接円半径Rと内接円半径rとの比(R/r)を変形度として定義した場合に、この変形度が1.1以下であることをいう。
連続炭素繊維の形態は、特に限定されるものではなく、例えば、織物、一方向ストランド、ロービングなどが挙げられる。織物形態としては、従来公知のものを用いることができ、例えば、平織、繻子織、綾織、3軸織物などの繊維が交錯する織り構造の全てを用いることができる。また、織物形態としては、2次元だけでなく、織物の厚み方向に繊維が補強されているステッチ織物や、3次元織物等も用いることができる。
連続炭素繊維を織物等として用いる場合、通常、繊維束糸条として用いる。その場合の繊維束糸条1本中のフィラメント数は、特に限定はないが、通常、1,000〜100,000本、好ましくは3,000〜50,000本、より好ましくは3,000〜24,000本の範囲である。炭素繊維のモノフィラメントの直径としては、導電性と取り扱いの容易さのバランスを考慮すると、通常、3〜20μm、好ましくは5〜15μm、より好ましくは5〜10μmである。また、織物の目付としては、通常、100〜400g/mである。
不連続炭素繊維と同様、連続炭素繊維は、サイジング剤で収束されているものを用いることができる。また、シクロオレフィンモノマーの濡れ性を高め、シクロオレフィンポリマーとの密着性を向上させる観点から、その表面を予め公知の表面処理剤で処理したものを用いてもよい。
連続炭素繊維は、得られる樹脂含浸基材中、その含有量が、通常、40〜70体積%、好ましくは40〜60体積%、より好ましくは40〜55体積%の範囲となるように用いられる。連続炭素繊維の含有量がかかる範囲にあれば、得られる電磁波シールド部材の電磁波シールド性、機械的強度、及び成形性が向上し、好適である。
前記重合性組成物の連続炭素繊維への含浸は、例えば、所定量の重合性組成物を、スプレーコート法、ディップコート法、ロールコート法、カーテンコート法、ダイコート法、及びスリットコート法等の公知の方法により連続炭素繊維に塗布し、所望により、その上に保護フィルムを重ね、上側からローラーなどで押圧することにより行うことができる。この場合、重合性組成物を塊状重合することにより、シート状又はフィルム状の樹脂含浸基材を得ることができる。樹脂含浸基材の厚さは、特に限定されるものではないが、通常、0.03〜0.5mm程度である。また、前記保護フィルムとして、例えば、鉄、ステンレス、銅、アルミニウム、ニッケル、クロム、金、及び銀などからなる金属箔を用いた場合、当該金属箔を接着してなる樹脂含浸基材を得ることができる。かかる樹脂含浸基材を用いてなる電磁波シールド部材では電磁波シールド性が向上するため、好適である。金属箔の厚さとしては、通常、1〜150μm程度である。
また、型内に連続炭素繊維を設置し、該型内に重合性組成物を注ぎ込むことにより、重合性組成物を連続炭素繊維に含浸させてもよい。この場合、重合性組成物を塊状重合することにより、型の形状に応じて、任意の形状の樹脂含浸基材を得ることができる。樹脂含浸基材の形状としては、シート状、フィルム状、柱状、円柱状、及び多角柱状などが挙げられる。前記型としては、従来公知の成形型、例えば、割型構造、すなわち、コア型とキャビティー型を有する金属製の成形型を用いることができる。コア型とキャビティー型は、目的とする樹脂含浸基材の形状にあった空隙部を形成するように作製される。また、ガラス板や金属板などの板と、所定の厚さのスペーサーとを用意し、スペーサーを2枚の板で挟んで形成される空間を型として利用することもできる。
本発明に用いられる重合性組成物は、従来、樹脂成形体などの製造に用いられているエポキシ樹脂等の重合体ワニスと比べて低粘度であることから、不連続炭素繊維を高配合可能であると共に、連続炭素繊維に対する含浸性に非常に優れる。それゆえ、樹脂含浸基材においては不連続炭素繊維が分散してなるシクロオレフィンポリマーが連続炭素繊維に均一に含浸しており、機械的強度及び電磁波シールド性に優れた電磁波シールド部材が得られる。
次いで、上記のようにして得られる、連続炭素繊維への重合性組成物の含浸物を塊状重合する。本発明において、前記含浸物を塊状重合する際の加熱温度は50〜110℃である。本発明においては、かかる温度範囲にて塊状重合を行って樹脂含浸基材を調製するからこそ、シクロオレフィンポリマーと不連続炭素繊維及び連続炭素繊維との優れた密着性が基材全体に渡って均一に得られ、その結果、電磁波の入射方向に拘らず、部材全体に渡って均一に優れたシールド性を発揮する電磁波シールド部材が得られるものと推定される。塊状重合する際の加熱温度は、好ましくは70〜110℃、より好ましくは90〜110℃である。塊状重合する際の加熱温度は、通常、重合性組成物に含まれるラジカル発生剤の1分間半減期温度以下であるため、塊状重合時には架橋反応は実質的に進行しておらず、得られる樹脂含浸基材を構成するシクロオレフィンポリマーは後架橋可能な熱可塑性樹脂となる。重合性組成物の重合温度が110℃を超えると電磁波シールド性にムラが生じ、機械的強度が低下する。また、重合性組成物の重合温度が50℃未満であると触媒の重合活性が下がり、樹脂含浸基材中に残存する未反応モノマーの量が増え、モノマーの臭気が酷くなり、樹脂含浸基材として使用できない。樹脂含浸基材中の未反応モノマー量は、ガスクロマトグラフィーにより測定することが可能である。未反応モノマー量は通常5重量%以内、好ましくは2重量%以内、特に好ましくは1重量%以内である。重合時間は適宜選択すればよいが、通常、0.1〜60分間、好ましくは0.5〜30分間、より好ましくは1〜10分間の範囲である。重合性組成物を前記温度範囲及び時間で加熱して塊状重合することにより、未反応モノマーを実質的に含まない樹脂含浸基材が得られ、好適である。
樹脂含浸基材を構成するシクロオレフィンポリマーは、実質的に架橋構造を有さず、例えば、トルエンに可溶である。当該ポリマーの分子量は、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(溶離液:テトラヒドロフラン)で測定されるポリスチレン換算の重量平均分子量で、通常、5,000〜1,000,000、好ましくは5,000〜200,000、より好ましくは10,000〜100,000の範囲である。
このようにして得られた樹脂含浸基材は、次いで、工程(2)においてそのまま用いることができるが、所望により、樹脂含浸基材を、該基材を構成するシクロオレフィンポリマーのガラス転移温度以上、かつラジカル発生剤の1分間半減期温度以下の温度にて、さらに加熱成形した後、工程(2)で用いてもよい。樹脂含浸基材を加熱成形して用いることは、複雑な形状の電磁波シールド部材を製造する場合に、段階的に成形していくことが可能となり、その結果、得られる電磁波シールド部材の形状の自由度を増大し得る利点がある。
シクロオレフィンポリマーのガラス転移温度は、得られた樹脂含浸基材から短冊状の試験片(通常、厚さ250μm、幅4mm×長さ35mm)を切り出し、当該試験片を用いて動的粘弾性測定装置により測定することができる。例えば、一方向に引き揃えた連続炭素繊維にシクロオレフィンポリマーを含浸してなる樹脂含浸基材の場合、繊維の方向と直交する方向に短冊状の試験片を切り出し、用いるのが好ましい。シクロオレフィンポリマーのガラス転移温度は、周波数1Hzでの動的粘弾性測定により得られるtanδのピーク温度として得られる。シクロオレフィンポリマーのガラス転移温度は、配合するモノマーの種類と組成比にもよるが、通常、120〜170℃程度である。樹脂含浸基材をかかる温度範囲にて加熱すれば、ラジカル発生剤による架橋反応の進行を実質的に抑えた状態でシクロオレフィンポリマーを加熱溶融させることができ、樹脂含浸基材を所望の形状に成形することができる。樹脂含浸基材の加熱成形は、例えば、所望の形状に作製した成形用金型の間に、樹脂含浸基材を配置した後、金型を加熱プレス装置の熱板間に挟み所定の温度と圧力をかけることにより行うことが出来る。樹脂含浸基材は、所望により、予め所定の枚数を積み重ねておいたものを使用することも可能である。
〔工程(2)〕
本発明の工程(2)では、工程(1)で得られた樹脂含浸基材、又は所望により、さらに加熱成形してなる樹脂含浸基材と、熱可塑性樹脂とを接触させた状態で該基材を架橋させ、樹脂含浸基材−熱可塑性樹脂複合体からなる電磁波シールド部材を得る。
工程(2)で用いる熱可塑性樹脂としては、特に限定されるものではない。例えば、ポリエチレンテレフタレート;ポリブチレンテレフタレート;ポリエチレンナフタレート;液晶ポリエステルなどのポリエステル;ポリエチレン、ポリプロピレン、及びポリブチレンなどのポリオレフィン;ポリスチレン;ポリオキシメチレン;ポリアミド;ポリカーボネート;ポリメチレンメタクリレート;ポリイミド;ポリエーテルイミド;ポリエーテルケトン;ポリエーテルエーテルケトン;ポリスルホン;などの公知の熱可塑性樹脂が挙げられる。
工程(2)における樹脂含浸基材の架橋方法は、熱可塑性樹脂と接触させた状態で行う限り、特に限定されるものではないが、成形速度が速く、成形形状の自由度が高くなることから、該基材を金型内へ設置した後、熱可塑性樹脂を該金型内へ射出充填し、該基材と該熱可塑性樹脂とを接触させた状態で該金型内にて架橋する方法が好ましい。金型としては、例えば、前記した金属製の成形型を用いることができる。樹脂含浸基材を架橋させる際の加熱温度は、前記ラジカル発生剤によりシクロオレフィンポリマー中において架橋反応が誘起され得る温度である。当該温度としては、通常、ラジカル発生剤の1分間半減期温度以上、好ましくは1分間半減期温度より5℃以上高い温度、より好ましくは1分間半減期温度より10℃以上高い温度である。該加熱温度は、通常、100〜300℃、好ましくは150〜250℃の範囲である。加熱時間は、通常、0.5〜60分間、好ましくは1〜30分間の範囲である。なお、本態様において、樹脂含浸基材を架橋させて熱可塑性樹脂と一体的に架橋させる際には、金型内に樹脂含浸基材を投入し、該基材を構成するシクロオレフィンポリマーのガラス転移温度以上の温度で加温して、該基材表面を予め可塑化しておくのが好ましい。樹脂含浸基材と熱可塑性樹脂との密着性がいっそう向上し、好適である。
以上により、樹脂含浸基材−熱可塑性樹脂複合体が得られる。本発明に用いる樹脂含浸基材は、それを構成するシクロオレフィンポリマーが後架橋可能な熱可塑性樹脂であることから、架橋時にシクロオレフィンポリマーは一旦加熱溶融され、被接触物に対して追従性を発揮するようになる。それゆえ、樹脂含浸基材と、共に溶融状態にある熱可塑性樹脂とが、接触界面において融合し、強固に密着し得るため、得られる樹脂含浸基材−熱可塑性樹脂複合体は機械的強度及び耐衝撃性に非常に優れたものになると推定される。また、樹脂含浸基材−熱可塑性樹脂複合体を構成する樹脂含浸基材は、不連続炭素繊維を含んでなるシクロオレフィンポリマーが連続炭素繊維に均一に、しかも高い密着性をもって含浸されてなるものであるから、該複合体は、電磁波の入射方向に拘らず、全体に渡って均一に優れたシールド性を発揮し得るものと推定される。本発明により得られる電磁波シールド部材は、かかる樹脂含浸基材−熱可塑性樹脂複合体からなるものであり、任意の入射角度を有する電磁波に対し、部材全体に渡って均一に優れたシールド性を発揮し、機械的強度及び耐衝撃性にも優れる。従って、本発明の電磁波シールド部材は、特に、電子機器の筐体として好適に使用することができる。
以下、実施例及び比較例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、実施例及び比較例における部及び%は、特に断りのない限り重量基準である。
<試験及び評価方法>
(1) 電磁波のシールド性
KEC法により評価を行った。KEC法とは、財団法人関西電子工業新興センターによる電磁波シールド性の測定方法であり、上下又は左右対称に分割したシールドボックスに試験片を挟み込んで、スペクトラムアナライザーにて電磁波の減衰度として電磁波シールド性を測定するものである。
30cm角の電磁波シールド部材を、9等分して、厚さ2mm、寸法100mm角の断片を9枚切り取って試験片とした。得られた試験片9枚の、周波数1GHzでの減衰度(dB)をKEC法でそれぞれ測定し、電磁波シールド部材の電磁波シールド性を、試験片9枚の減衰度の平均値とばらつきの範囲とにより評価した。なお、シールドボックスは上下に分割されたものを用いた。また、試験片9枚の減衰度の平均値とばらつきの範囲は、以下の評価基準に従って評価した。
<評価基準>
減衰度の平均値
◎:45dB以上
○:40dB以上、45dB未満
△:30dB以上、40dB未満
×:30dB未満
減衰度のばらつき範囲
◎:±5%以内
〇:±5%超、±10%以内
△:±10%超、±20%以内
×:±20%超
(2)入射角45°の電磁波のシールド性
自由空間測定法により評価を行った。電波送信用アンテナとしてダブルリジッドアンテナを使用し、ネットワークアナライザーHP8720ESに同軸ケーブルで接続して、ネットワークアナライザーのゲート設定による周辺電波干渉波の除去、及びアンテナ同士の直接波の除去を行った後、厚さ2mm、寸法300mm角の電磁波シールド部材の、周波数1GHzにおける、入射角45°の電磁波のシールド性の測定を行った。測定結果を、以下の評価基準に従って評価した。
<評価基準>
入射角45°の電磁波のシールド性
◎:20dB以上
〇:15dB以上、20dB未満
△:10dB以上、15dB未満
×:10dB未満
(3)機械的強度
JIS K 7074の規格に準拠して3点曲げ試験を実施し、電磁波シールド部材の曲げ強度及び曲げ弾性率の測定を行った。電磁波シールド部材から、任意に、厚さ2mm、長さ100mm、及び幅15mmの短冊状試験片を5本切り出し、試験速度5mm/分にて3点曲げ試験を行った。試験片5本の測定により得られた曲げ強度及び曲げ弾性率の平均値を、以下の評価基準に従って評価した。
<評価基準>
曲げ強度
◎:800MPa以上
〇:700MPa以上、800MPa未満
△:600MPa以上、700MPa未満
×:600MPa未満
曲げ弾性率
◎:20GPa以上
○:18GPa以上、20GPa未満
△:16GPa以上、18GPa未満
×:16GPa未満
(4)アイゾット衝撃強度
電磁波シールド部材から、それぞれ、長さ62mm、幅12.7mm、ノッチ角度22.5°、0.25Rのアイゾット衝撃強度試験片を5本切り出した。ASTM D256規格に従い、ノッチ付きアイゾット衝撃試験を行った。試験片の水分率0.1%以下の条件下において、アイゾット衝撃強度(J/m)を求め、試験片5本の平均値を以下の評価基準に従って評価した。
<評価基準>
アイゾット衝撃強度
◎:200J/m以上
○:180J/m以上、200J/m未満
△:160J/m以上、180J/m未満
×:160J/m未満
実施例1
攪拌子を入れたガラス製フラスコ中に、メタセシス重合触媒としてベンジリデン(1,3−ジメシチル−4−イミダゾリジン−2−イリデン)(トリシクロヘキシルホスフィン)ルテニウムジクロリド 0.127部、重合反応遅延剤としてトリフェニルホスフィン 0.191部、及び溶媒としてインデン 2.5部を加え、40℃の水浴中で30分間攪拌し、触媒液を調製した。このようにして調製された触媒液を0℃に冷却して使用した。
シクロオレフィンモノマーとしてテトラシクロドデセン 50部とジシクロペンタジエン 50部との混合物を攪拌機付きの容器に入れ、ここに老化防止剤として2,6‐ジ‐t‐ブチル‐4‐メトキシフェノール(アクロス社製) 0.28部、及び不連続炭素繊維としてミルドファイバー〔日本グラファイトファイバー社製、製品名GRANOC XN−100;ピッチ系炭素繊維、繊維長0.15mm、サイジング剤(エポキシ化合物)処理済〕 20部を添加し、攪拌機(シンキー社製、遊星式攪拌機)で5分間混合した。さらに連鎖移動剤としてウンデセニルメタクリレート(新中村化学工業社製) 2.8部と、ラジカル発生剤としてジ−t−ブチルパーオキサイド(化薬アクゾ社製、製品名カヤブチルD、1分間半減期温度186℃) 1.14部を投入してモノマー液を得た。このモノマー液を0℃に冷却し、ここに0℃の上記触媒液をシクロオレフィンモノマー100gあたり0.8mL投入して攪拌し、重合性組成物を得た。重合性組成物中の不連続炭素繊維の含有量は19.2%であった。
このようにして調製した重合性組成物 50部を、ポリエチレンナフタレートフィルム(帝人デュポンフィルム社製、厚さ75μm)の上に流延し、その上に、連続炭素繊維として炭素繊維織物(三菱レイヨン社製、製品名TR3110M;PAN系炭素繊維、目付200g/m、厚さ 230μm、サイジング剤(エポキシ化合物)処理済)を配置し、さらにその上に重合性組成物 50部を流延した。その上からさらにポリエチレンナフタレートフィルムをかぶせ、塗料塗布用ローラーで重合性組成物を炭素繊維織物全体に含浸させた。次いで、これを95℃に熱したホットプレート上に、1分間静置し、重合性組成物を塊状重合させて厚さ約0.25mmの樹脂含浸基材を得た。樹脂含浸基材中の連続炭素繊維の含有量は、44.4体積%であった。
このようにして作製した樹脂含浸基材(樹脂含新基材中の未反応モノマー量0.5%、シクロオレフィンポリマーの分子量33,000、ガラス転移温度145℃)を30cm角で切り出して6枚積み重ねた後、離型フィルムで上下を挟み、厚さ1mmのSUS板の間に配置した。プレス機にて150℃、3MPaの条件で2分間プレス成形を行い、厚さ約1.5mmのCFRP板を作製した。得られたCFRP板を厚さ2mmに設計した平板作製用金型内に投入した後、金型を150℃に加温してCFRP板の表面を可塑化させた後、金型内にポリカーボネート(三菱エンジニアリングプラスチックス社製、製品名ノバレックス7020R)を射出充填した。さらに金型を200℃に加温して5分間維持してCFRP板を架橋させた後、室温まで冷却し、ポリカーボネートとCFRP板が一体化してなる厚さ2mmの電磁波シールド部材を得た。得られた電磁波シールド部材を、前記<試験及び評価方法>に従って評価した。評価結果を表1に示す。
実施例2
不連続炭素繊維として、前記ミルドファイバーの添加量を6部としたこと以外は、実施例1と同様にして電磁波シールド部材を得た。重合性組成物中の不連続炭素繊維の含有量は5.7%であり、樹脂含浸基材中の連続炭素繊維の含有量は、44.4体積%であった。得られた電磁波シールド部材の評価結果を表1に示す。
実施例3
不連続炭素繊維として、チョップドファイバー〔日本グラファイトファイバー社製、製品名GRANOC XN−80;ピッチ系炭素繊維、繊維長3mm、サイジング剤(エポキシ化合物)処理済〕 6部を添加したこと以外は実施例1と同様にして電磁波シールド部材を得た。重合性組成物中の不連続炭素繊維の含有量は5.7%であり、樹脂含浸基材中の連続炭素繊維の含有量は44.4体積%であった。得られた電磁波シールド部材の評価結果を表1に示す。
比較例1
重合性組成物を120℃で重合したこと以外は実施例1と同様にして、電磁波シールド部材を得た。得られた電磁波シールド部材の評価結果を表1に示す。
なお、重合性組成物を50℃未満の温度で重合すること以外は実施例1と同様にして電磁波シールド部材の製造を試みたところ、モノマーの臭気が酷くて使用することができなかった。樹脂含浸基材中の未反応モノマー量は8.4%という結果であった。
比較例2
実施例1と同様にして得られた樹脂含浸基材を、30cm角で切り出して8枚積み重ねた後、離型フィルムで上下を挟み、厚さ1mmのSUS板の間に配置した。プレス機にて200℃、3MPaの条件で5分間プレス成形を行い、樹脂含浸基材の架橋物のみからなる、厚さ約2mmの電磁波シールド部材を得た。得られた電磁波シールド部材の評価結果を表1に示す。
Figure 2011066170
表1より、重合性組成物の塊状重合時の温度を95℃として得られた樹脂含浸基材をPCと一体的に架橋して得られた電磁波シールド部材では、該部材での位置に関らず、部材全体で均一に優れた電磁波シールド性が発揮され、当該シールド性は、特許文献3に記載の部材で電磁波シールド性にムラの認められた入射角45°の電磁波に対してもムラなく発揮されること、また、機械的強度や耐衝撃性にも優れることが分かる(実施例1〜3)。一方、重合性組成物の重合を110℃を超えた温度で行った場合、得られる電磁波シールド部材の電磁波シールド性にムラが見られ、機械的強度が低下すること(比較例1)、樹脂含浸基材をPCと一体的に架橋しなかった場合、得られる電磁波シールド部材の機械的強度や耐衝撃性が低下すること(比較例2)、が分かる。

Claims (7)

  1. シクロオレフィンモノマー、メタセシス重合触媒、ラジカル発生剤、及び不連続炭素繊維を含んでなる重合性組成物を連続炭素繊維に含浸させた後、50〜110℃の温度範囲で塊状重合し、シクロオレフィンポリマーを炭素繊維に含浸させてなる樹脂含浸基材を得る工程(1)、及び
    工程(1)で得られた樹脂含浸基材と熱可塑性樹脂とを接触させた状態で該基材を架橋させ、樹脂含浸基材−熱可塑性樹脂複合体からなる電磁波シールド部材を得る工程(2)、
    を有する、電磁波シールド部材の製造方法。
  2. 工程(2)における、工程(1)で得られた樹脂含浸基材の架橋を、該基材を金型内へ設置した後、熱可塑性樹脂を該金型内へ射出充填し、該基材と該熱可塑性樹脂とを接触させた状態で該金型内にて行う請求項1記載の電磁波シールド部材の製造方法。
  3. 工程(2)で用いる、工程(1)で得られた樹脂含浸基材が、シクロオレフィンポリマーのガラス転移温度以上、かつラジカル発生剤の1分間半減期温度以下の温度にて、さらに加熱成形されたものである請求項1又は2記載の電磁波シールド部材の製造方法。
  4. 重合性組成物中の不連続炭素繊維の含有量が5〜50重量%である請求項1〜3いずれか記載の電磁波シールド部材の製造方法。
  5. 樹脂含浸基材中の連続炭素繊維の含有量が40〜70体積%である請求項1〜4いずれか記載の電磁波シールド部材の製造方法。
  6. 不連続炭素繊維がピッチ系炭素繊維であり、連続炭素繊維がアクリル系炭素繊維である請求項1〜5いずれか記載の電磁波シールド部材の製造方法。
  7. 請求項1〜6いずれかに記載の電磁波シールド部材の製造方法により得られ得る電磁波シールド部材。
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