JP2011063657A - インク組成物及びそれを用いたインクジェット記録方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】高感度で硬化し、耐溶剤性に優れた硬化膜を形成しうるインク組成物を提供すること。
【解決手段】(a)ハメットのσ値が+0.1以上の電子求引性基を置換基として有するアリール基を1つ以上有するトリアリールスルホニウムカチオンとRf−P結合を有するアニオンとからなる光酸発生剤、(b)カチオン重合性化合物、(c)増感色素、および(d)着色剤を含有することを特徴とするインク組成物。
(Rfは1以上のフッ素原子を含むフッ化アルキル基を表し、Pはリン原子を表す。)
【選択図】なし
【解決手段】(a)ハメットのσ値が+0.1以上の電子求引性基を置換基として有するアリール基を1つ以上有するトリアリールスルホニウムカチオンとRf−P結合を有するアニオンとからなる光酸発生剤、(b)カチオン重合性化合物、(c)増感色素、および(d)着色剤を含有することを特徴とするインク組成物。
(Rfは1以上のフッ素原子を含むフッ化アルキル基を表し、Pはリン原子を表す。)
【選択図】なし
Description
本発明は、インク組成物、及びそれを用いたインクジェット記録方法に関するものである。詳しくは、活性放射線の照射に対して、高感度で硬化し、特に高湿度下においても高感度で硬化するインク組成物及び該インク組成物を用いたインクジェット記録方法に関するものである。
画像データ信号に基づき、紙などの被記録媒体に画像を形成する画像記録方法として、電子写真方式、昇華型及び溶融型熱転写方式、インクジェット方式などがある。電子写真方式は、感光体ドラム上に帯電及び露光により静電潜像を形成するプロセスを必要とし、システムが複雑となり、結果的に製造コストが高価になるなどの問題がある。また熱転写方式は、装置は安価であるが、インクリボンを用いるため、ランニングコストが高く、かつ廃材が出るなどの問題がある。
一方、インクジェット方式は、安価な装置で、且つ、必要とされる画像部のみにインクを吐出し被記録媒体上に直接画像形成を行うため、インクを効率良く使用でき、ランニングコストが安い。さらに、騒音が少なく、画像記録方式として優れている。
一方、インクジェット方式は、安価な装置で、且つ、必要とされる画像部のみにインクを吐出し被記録媒体上に直接画像形成を行うため、インクを効率良く使用でき、ランニングコストが安い。さらに、騒音が少なく、画像記録方式として優れている。
プラスチックなどの非吸水性の被記録媒体への印字適性を有するインクジェットインクとして、紫外線(UV)照射により硬化するUVインクが知られている(例えば、特許文献1参照)。UVインクは、溶剤系インクに比べて有機溶剤を揮発させるための時間や設備が不要であるなどの利点がある。このようなUVインクを用いた場合の硬化には、モノマー成分のラジカル重合を利用した系が汎用されている。
また、近年では、カチオン重合性化合物を用いた紫外線硬化型インクジェット用インクが提案されているが、このようなカチオン重合系の組成物は、特に感度、硬化性が高く、また、安定して吐出しうる低粘度な組成物として設計することは容易ではない。
例えば、非特許文献1にはオキセタン化合物とアントラセン化合物を用いた活性光線硬化型組成物及び活性光線硬化型インクが記載されている。また特許文献2にはオキセタン化合物とヨードニウム塩とチオキサントン化合物とを用いた活性光線硬化型インクが記載されている。しかし、いずれも活性エネルギー線に対する感度とインクの経時安定性を両立させることが困難であった。
カチオン重合型インクジェット用インクに用いる重合開始剤は、近年改良が試みられており、特許文献3には硬化性向上のために電子求引性基を有するトリアリールスルホニウム塩を用いることが、特許文献4には硬化性向上のためにフッ素化アルキルフルオロリン酸塩を用いることが記載されている。
しかしながら、これらのインクは硬化感度と硬化膜特性が未だ十分なものとは言えず、とくに高湿度下で用いた場合や打滴量を小さくして高精彩化した際に、硬化不良になりやすく、インクジェット用インクとして用いた際の吐出安定性の観点で改良の余地を残している。
しかしながら、これらのインクは硬化感度と硬化膜特性が未だ十分なものとは言えず、とくに高湿度下で用いた場合や打滴量を小さくして高精彩化した際に、硬化不良になりやすく、インクジェット用インクとして用いた際の吐出安定性の観点で改良の余地を残している。
Bruce M. Monroe et al., Chemical Reviews, Vol. 93, p. 435-448(1993)
本発明の目的は、高感度で硬化し、耐溶剤性に優れた硬化膜を形成しうるインク組成物を提供することにある。特には高湿度下においても高感度で硬化するインク組成物の提供を課題とする。さらには該インク組成物を用いることで、高硬化性を有する画像を形成しうるインクジェット記録方法を提供することにある。
本発明者らは上記課題を解決するため、鋭意検討を重ねた結果、特定の光酸発生剤を含むインク組成物が、高感度で硬化し、耐溶剤性に優れた硬化膜を形成しうることを見出し、本発明を完成した。
即ち、前記目的を達成するための具体的手段は以下の通りである。
即ち、前記目的を達成するための具体的手段は以下の通りである。
<1>(a)ハメットのσ値が+0.1以上の電子求引性基を置換基として有するアリール基を1つ以上有するトリアリールスルホニウムカチオンとRf−P結合を有するアニオンとからなる光酸発生剤、(b)カチオン重合性化合物、(c)増感色素、および(d)着色剤を含有することを特徴とするインク組成物。
(Rfは1以上のフッ素原子を含むフッ化アルキル基を表し、Pはリン原子を表す。)
<2>前記Rf−P結合を有するアニオンにおけるRfで示されるフッ化アルキル基が有するフッ素原子の数が水素原子の数に対して5倍以上である請求項1に記載のインク組成物。
(Rfは1以上のフッ素原子を含むフッ化アルキル基を表し、Pはリン原子を表す。)
<2>前記Rf−P結合を有するアニオンにおけるRfで示されるフッ化アルキル基が有するフッ素原子の数が水素原子の数に対して5倍以上である請求項1に記載のインク組成物。
<3>前記Rf−P結合を有するアニオンが、下記一般式(1)〜下記一般式(3)のいずれかで表されるアニオンである前記<1>または<2>に記載のインク組成物。
式中Rf1〜Rf3はそれぞれ独立に、1以上のフッ素原子を含む炭素数1〜10のフッ化アルキル基を表す。式(1)および式(2)においてRf1〜Rf3は、互いに結合して環を形成してもよい。
<4>前記トリアリールスルホニウムカチオンが、下記一般式(4)で表されるカチオンである前記<1>〜<3>のいずれかに記載のインク組成物。
式中、Rはハメットのσ値が+0.1以上の電子求引性基を表す。nはRの個数を表し、1〜5の整数である。Rが複数ある場合、それぞれ同じであっても異なっていてもよい。
<5>前記一般式(4)で表されるカチオンが有する電子求引性基Rのハメットのσ値の総和が+0.22以上+3.3以下である前記<4>に記載のインク組成物。
<6>前記一般式(4)で表されるカチオンが有する電子求引性基Rが塩素原子または臭素原子である前記<4>に記載のインク組成物。
<6>前記一般式(4)で表されるカチオンが有する電子求引性基Rが塩素原子または臭素原子である前記<4>に記載のインク組成物。
<7>前記(b)カチオン重合性化合物が、2官能以上のオキセタン化合物の少なくとも1種と2官能以上のエポキシ化合物の少なくとも1種とを含み、該2官能以上のオキセタン化合物と該2官能以上のエポキシ化合物の質量比が、50:50〜10:90である前記<1>〜<6>のいずれかに記載のインク組成物。
<8>前記(c)増感色素がアントラセン骨格を有する化合物である前記<1>〜<7>のいずれかに記載のインク組成物。
<8>前記(c)増感色素がアントラセン骨格を有する化合物である前記<1>〜<7>のいずれかに記載のインク組成物。
<9>インクジェット記録用である前記<1>〜<8>のいずれかに記載のインク組成物。
<10>(a)被記録媒体上に前記<1>〜<9>のいずれかに記載のインク組成物を吐出する工程、及び(b)吐出されたインク組成物に活性放射線を照射して、インク組成物を硬化する工程、を含むインクジェット記録方法。
<10>(a)被記録媒体上に前記<1>〜<9>のいずれかに記載のインク組成物を吐出する工程、及び(b)吐出されたインク組成物に活性放射線を照射して、インク組成物を硬化する工程、を含むインクジェット記録方法。
本発明によれば、高感度で硬化し、耐溶剤性に優れた硬化膜を形成しうるインク組成物を提供することができる。とくには高湿度下においても高感度で硬化するインク組成物を提供することができる。さらには該インク組成物を用いることで、高硬化性を有する画像を形成しうるインクジェット記録方法を提供することができる。
[インク組成物]
本発明のインク組成物は、(a)ハメットのσ値が+0.1以上の電子求引性基を置換基として有するアリール基を1つ以上有するトリアリールスルホニウムカチオンとRf−P結合を有するアニオンとからなる光酸発生剤(Rfは1以上のフッ素原子を含むフッ化アルキル基を表し、Pはリン原子を表す。)(以下適宜、特定光酸発生剤と称する。)、(b)カチオン重合性化合物、(c)増感色素、および(d)着色剤を含有することを特徴とする。以下、本発明のインク組成物の各成分について詳細に説明する。
本発明のインク組成物は、(a)ハメットのσ値が+0.1以上の電子求引性基を置換基として有するアリール基を1つ以上有するトリアリールスルホニウムカチオンとRf−P結合を有するアニオンとからなる光酸発生剤(Rfは1以上のフッ素原子を含むフッ化アルキル基を表し、Pはリン原子を表す。)(以下適宜、特定光酸発生剤と称する。)、(b)カチオン重合性化合物、(c)増感色素、および(d)着色剤を含有することを特徴とする。以下、本発明のインク組成物の各成分について詳細に説明する。
〔(a)特定光酸発生剤〕
本発明のインク組成物は、ハメットのσ値が+0.1以上の電子求引性基を置換基として有するアリール基を1つ以上有するトリアリールスルホニウムカチオンとRf−P結合を有するアニオンとからなる特定光酸発生剤を含有する。ここでRfは1以上のフッ素原子を含むフッ化アルキル基を表し、該フッ化アルキル基の総炭素数は、高感度および溶解性の観点から1〜10であることが好ましい。Pはリン原子を表す。
本発明のインク組成物は、ハメットのσ値が+0.1以上の電子求引性基を置換基として有するアリール基を1つ以上有するトリアリールスルホニウムカチオンとRf−P結合を有するアニオンとからなる特定光酸発生剤を含有する。ここでRfは1以上のフッ素原子を含むフッ化アルキル基を表し、該フッ化アルキル基の総炭素数は、高感度および溶解性の観点から1〜10であることが好ましい。Pはリン原子を表す。
<トリアリールスルホニウムカチオン>
本発明の特定光酸発生剤は、ハメットのσ値(Hammet置換基定数σ)が+0.1以上である電子求引性基を有するアリール基を1つ以上有するトリアリールスルホニウムカチオンを有する。
本発明の特定光酸発生剤は、ハメットのσ値(Hammet置換基定数σ)が+0.1以上である電子求引性基を有するアリール基を1つ以上有するトリアリールスルホニウムカチオンを有する。
アリール骨格に導入する電子求引性の置換基としては、トリフルオロメチル基、ハロゲン原子、エステル基、アシル基、スルホキシド基、シアノ基、アミド基、カルボキシル基、カルボニル基等が挙げられる。これらの置換基のハメット値を以下に示す。トリフルオロメチル基(−CF3、m:0.43、p:0.54)、ハロゲン原子〔例えば、−F(m:0.34)、−Cl(m:0.37、p:0.23)、−Br(m:0.39、p:0.23)、−I(m:0.35、p:0.18)〕、エステル基(例えば、−CO2CH3、m:0.37、p:0.45)、アシル基、(例えば、−COCH3、m:0.38、p:0.50)スルホキシド基(例えば、−SOCH3、m:0.52、p:0.45)、シアノ基(−CN、m:0.56、p:0.66)、アミド基(例えば、−NHCOCH3、m:0.21)、カルボキシ基(−COOH、m:0.37、p:0.45)、カルボニル基(−CHO、m:0.36、p:0.43)等が挙げられる。かっこ内は、その置換基のアリール骨格における導入位置と、そのハメット値を表し、(m:0.50)とは、当該置換基がメタ位に導入された時のハメット値が0.50であることを示す。
なかでも、ハメットのσ値(Hammet置換基定数σ)が+0.1以上である電子求引性基としては好ましくは、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、トリフルオロメチル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、カルバモイル基、シアノ基、カルボニル基スルホキシド基、アシル基などが挙げられ、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、トリフルオロメチル基であることがより好ましく、塩素原子、臭素原子が更に好ましい。
これらハメットのσ値(Hammet置換基定数σ)が+0.1以上である電子求引性基は、トリアリールスルホニウムの3つのアリール骨格のいずれか1つに導入されていてればよく、2以上のアリール骨格に導入されていてもよいが、3つのアリール骨格のいずれにも導入されていることが特に好ましい。また3つのアリール骨格にそれぞれ導入される置換基としての電子求引性基は、1つでも複数でもよい。
本発明においては、高感度化の観点から、ハメットのσ値は、+0.15以上であることが好ましく、+0.2以上であることが更に好ましい。
また3つのアリール骨格に導入された電子求引性基Rのハメットσ値の総和は、+0.22以上+3.3以下であることが好ましく、+0.46以上+2.7以下であることがより好ましく、+0.55以上+1.0以下であることが更に好ましい。
また3つのアリール骨格に導入された電子求引性基Rのハメットσ値の総和は、+0.22以上+3.3以下であることが好ましく、+0.46以上+2.7以下であることがより好ましく、+0.55以上+1.0以下であることが更に好ましい。
電子求引性基の置換位置は、合成上の観点から、メタ位、パラ位が好ましく、パラ位が最も好ましい。
前記トリアリールスルホニウムカチオンは、下記一般式(4)で表される化合物であることが好ましい。
式中、Rはハメットのσ値が+0.1以上の電子求引性基を表す。nはRの個数を表し、1〜5の整数である。Rが複数ある場合、それぞれは同じであっても異なっていてもよい。
Rはハメットのσ値が+0.15以上であることが好ましく、+0.2以上であることが更に好ましい。
電子求引性基Rとして好ましくは、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、トリフルオロメチル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、カルバモイル基、シアノ基、カルボニル基スルホキシド基などが挙げられ、塩素原子または臭素原子であることがより好ましい。
Rの置換位置は限定されないが、n=1の場合はパラ位であることが好ましい。
nは1〜3であることが好ましく、1であることがより好ましい。
nとRの組み合わせとして好ましいのは、n=1であり、Rがp−Cl(+0.23)、m−Cl(+0.37)、p−Br(+0.23)、またはm−Br(+0.39)の場合である。より好ましくはn=1であり、かつRがp−Clの組み合わせである。
また式(4)で表される化合物における電子求引性基Rのハメットのσ値の総和は、+0.22以上+3.3以下であることが好ましく、+0.46以上+2.7以下であることがより好ましく、+0.55以上+1.0以下であることが更に好ましい。ハメットのσ値の総和が当該範囲内であるとインク組成物の感度および保存安定性が良好となる。
なお、本発明におけるハメット値は、稲本直樹編、化学セミナー10 ハメット則−構造と反応性−(1983年、丸善(株)発行)に記載の数値を用いている。
なお、本発明におけるハメット値は、稲本直樹編、化学セミナー10 ハメット則−構造と反応性−(1983年、丸善(株)発行)に記載の数値を用いている。
トリアリールスルホニウム塩構造を有する化合物は、例えば、J.Amer.Chem.Soc.第112巻(16)、特開2006−241435号明細書等に記載の方法により合成することが可能である。
本発明の特定光酸発生剤におけるトリアリールスルホニウムカチオンとして好ましい具体例を以下に挙げるが、これらに限定されるものではない。
<Rf−P結合を有するアニオン>
本発明の特定光酸発生剤は、Rf−P結合を有するアニオンを有する。Rfは1以上のフッ素原子を含むフッ化アルキル基を表す。Pはリン原子を表す。
本発明の特定光酸発生剤は、Rf−P結合を有するアニオンを有する。Rfは1以上のフッ素原子を含むフッ化アルキル基を表す。Pはリン原子を表す。
Rf−P結合におけるRfで示されるフッ化アルキル基は1以上のフッ素原子を含むアルキル基であればよいが、高感度および溶解性の観点から、該フッ化アルキル基の総炭素数は1〜10であることが好ましく、例えば、フッ化アルキル基の炭素数が10である場合には、フッ化アルキル基が有するフッ素原子/水素原子の比率は、5以上が好ましく、9以上がより好ましく、15以上が更に好ましい。炭素数が10以外の他のフッ化アルキル基についても、同様の割合でフッ化アルキル基中の水素原子がフッ素原子で置換されているのが好ましい。最も好ましくは、Rfで示されるフッ化アルキル基が有する水素原子のすべてがフッ素原子で置換されたパーフルオロアルキル基である。
なおフッ素原子/水素原子の比率は、1H−NMR、19F−NMR、元素分析などの手法で測定することが可能である。
なおフッ素原子/水素原子の比率は、1H−NMR、19F−NMR、元素分析などの手法で測定することが可能である。
またRfで示されるフッ化アルキル基の炭素数は1〜10であるのが好ましいが、より好ましくは炭素数1〜6、更に好ましくは炭素数1〜4である。
Rfで示されるフッ化アルキル基の具体例としては、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、1,1,2,2−テトラフルオロエチル基、ヘプタフルオロプロピル基、ノナフルオロブチル基などが挙げられる。
Rf−P結合を有するアニオンはさらに下記式(1)〜(3)のいずれかで表されるアニオンであることが好ましく、式(1)で表されるアニオンであることが特に好ましい。
式中Rf1〜Rf3はそれぞれ独立に、1以上のフッ素原子を含む炭素数1〜10のフッ化アルキル基(好ましくは炭素数1〜6、より好ましくは炭素数1〜4)を表す。式(1)および式(2)においてRf1〜Rf3は、互いに結合して環を形成してもよい。
Rf1〜Rf3の具体例としては、上記Rfの具体例として記載したものが挙げられ、好ましい範囲も同様である。
このようなRf−P結合を有するアニオン種を合成する手段は適宜選択することが可能であるが、製造の簡便性やコストなどの理由より、アルキルホスフィン類を原料としフッ素化工程を含む経路による方法が好ましい。とりわけ、アルキルホスフィン類をフッ素分子(F2)を用いてフッ素化してフッ素化フルオロアルキルホスホランとし、フッ化アルキル金属(好ましくはフッ化ナトリウムあるいはフッ化カリウム)によるF−付加を行う下記経路(上記式(1)の製造を代表例として記載した)によることが好ましい。
フッ素分子によるフッ素化は、例えば Angew. Chem. Int. Ed. Engl. 1995, 1241に記載の方法で行うことができる。また、フッ化カリウムによるF−付加の工程は、例えば J.Gen.Chem.USSR Eng.Transl. 59;3.1,469 (1989)に記載の方法で行うことができる。
本発明の特定光酸発生剤を成すRf−P結合を有するアニオンとして好ましい具体例を以下に挙げるが、これらに限定されるものではない。
本発明の(a)特定光酸発生剤として好ましい具体例を以下に挙げるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
本発明において、(a)特定光酸発生剤は、単独でも2種以上を組み合わせて用いてもよい。
(a)特定光酸発生剤はインク組成物全質量中、0.2〜10質量%含まれることが好ましく、0.5〜6質量%含まれることがより好ましい。当該範囲とすることで、感度および耐溶剤性が良好となる。
−他の光酸発生剤−
本発明では、上述の特定光酸発生剤に加えて、活性エネルギー線(放射線)の照射により酸を発生する他の重合開始剤を併用することができる。
本発明に用いうる重合開始剤としては、光カチオン重合開始剤、色素類の光消色剤、光変色剤、あるいはマイクロレジスト等に使用されている光(200〜400nmの紫外線、遠紫外線、特に好ましくは、g線、h線、i線、KrFエキシマレーザー光)、ArFエキシマレーザー光、電子線、X線、分子線又はイオンビームなどの照射により酸を発生する化合物を適宜選択して使用することができる。
本発明では、上述の特定光酸発生剤に加えて、活性エネルギー線(放射線)の照射により酸を発生する他の重合開始剤を併用することができる。
本発明に用いうる重合開始剤としては、光カチオン重合開始剤、色素類の光消色剤、光変色剤、あるいはマイクロレジスト等に使用されている光(200〜400nmの紫外線、遠紫外線、特に好ましくは、g線、h線、i線、KrFエキシマレーザー光)、ArFエキシマレーザー光、電子線、X線、分子線又はイオンビームなどの照射により酸を発生する化合物を適宜選択して使用することができる。
このような重合開始剤としては、放射線の照射により分解して酸を発生する、ジアゾニウム塩、ホスホニウム塩、スルホニウム塩、ヨードニウム塩などのオニウム塩化合物、イミドスルホネート、オキシムスルホネート、ジアゾジスルホン、ジスルホン、o−ニトロベンジルスルホネート等のスルホネート化合物などを挙げることができる。本発明のインク組成物に用いることのできる他の重合開始剤の種類、具体的化合物、および好ましい例としては、特開2008−13646号公報の段落番号〔0066〕〜〔0122〕に記載の化合物などを挙げることができる。
光酸発生剤[(a)特定光酸発生剤+他の併用する光酸発生剤]の総使用量はインク組成物中に、0.3〜15質量%含まれることが好ましく、0.7〜9質量%含まれることがより好ましい。
このように(a)特定光酸発生剤と他の光酸発生剤を併用する場合は、光酸発生剤全量中、本発明の(a)特定光酸発生剤が30質量%以上であることが好ましく、50質量%以上であることがより好ましい。
このように(a)特定光酸発生剤と他の光酸発生剤を併用する場合は、光酸発生剤全量中、本発明の(a)特定光酸発生剤が30質量%以上であることが好ましく、50質量%以上であることがより好ましい。
〔(b)カチオン重合性化合物〕
本発明のインク組成物は、酸によるカチオン重合が可能な重合性化合物を含有する。カチオン重合性化合物の種類としては、エポキシ化合物、オキセタン化合物、ビニルエーテル化合物などが挙げられる。
本発明のインク組成物は、酸によるカチオン重合が可能な重合性化合物を含有する。カチオン重合性化合物の種類としては、エポキシ化合物、オキセタン化合物、ビニルエーテル化合物などが挙げられる。
本発明に用いることのできるエポキシ化合物としては、単官能、多官能いずれのものも用いることができるが、2官能のものを1種以上用いることが好ましく、エポキシ化合物全質量のうち70質量%以上が2官能エポキシ化合物であることがより好ましい。
エポキシ化合物としては、芳香族エポキシド、脂環式エポキシド、及び、脂肪族エポキシドなどが挙げられ、これらのエポキシ化合物のなかでも、芳香族エポキシドおよび脂環式エポキシドが、硬化速度に優れるという観点から好ましく、特に脂環式エポキシドがより好ましい。本発明のインク組成物に用いることのできるエポキシドの種類、具体的化合物、好ましい例としては、特開2008−13646号公報の段落番号〔0037〕〜〔0040〕に記載の化合物などを挙げることができ、これらを本発明にも適用することができる。
エポキシ化合物としては、芳香族エポキシド、脂環式エポキシド、及び、脂肪族エポキシドなどが挙げられ、これらのエポキシ化合物のなかでも、芳香族エポキシドおよび脂環式エポキシドが、硬化速度に優れるという観点から好ましく、特に脂環式エポキシドがより好ましい。本発明のインク組成物に用いることのできるエポキシドの種類、具体的化合物、好ましい例としては、特開2008−13646号公報の段落番号〔0037〕〜〔0040〕に記載の化合物などを挙げることができ、これらを本発明にも適用することができる。
本発明に用いることのできるオキセタン化合物としては、特開2001−220526号、同2001−310937号、同2003−341217号の各公報に記載される如き、公知のオキセタン化合物を任意に選択して使用できる。その構造内にオキセタン環を2個有する化合物を1種以上用いることが好ましく、オキセタン化合物全質量のうち70質量%以上が2官能オキセタン化合物であることがより好ましい。
本発明のインク組成物に用いることのできるオキセタン化合物の種類、具体的化合物、および好ましい例としては、特開2008−13646号公報の段落番号〔0045〕〜〔0062〕に記載の特定重合性化合物Aに含まれない化合物などを挙げることができる。
本発明のインク組成物に用いることのできるオキセタン化合物の種類、具体的化合物、および好ましい例としては、特開2008−13646号公報の段落番号〔0045〕〜〔0062〕に記載の特定重合性化合物Aに含まれない化合物などを挙げることができる。
本発明に用いることのできるビニルエーテル化合物としては、単官能、多官能のいずれのものも用いることができ、具体的化合物、及び好ましい例としては、特開2008−13646号公報の段落番号〔0042〕〜〔0044〕に記載の化合物などを挙げることができ、これらを本発明にも適用することができる。
このなかでも、ジ又はトリビニルエーテル化合物が、硬化性、被記録媒体との密着性、形成された画像の表面硬度などの観点から好ましく、特にジビニルエーテル化合物が好ましい。
このなかでも、ジ又はトリビニルエーテル化合物が、硬化性、被記録媒体との密着性、形成された画像の表面硬度などの観点から好ましく、特にジビニルエーテル化合物が好ましい。
本発明において、(b)カチオン重合性化合物は、単独でも2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明においてエポキシ化合物およびオキセタン化合物の総量が、重合性化合物全質量のうち、80質量%以上であることが好ましい。また2官能エポキシ化合物および2官能オキセタン化合物の総量が、重合性化合物全質量のうち、70質量%以上であることが好ましい。また、該エポキシ化合物と該オキセタン化合物の質量比が、50:50〜10:90であることが好ましく、50:50〜30:70であることがより好ましく、45:55〜35:65であることが更に好ましい。
本発明のインク組成物中における、(b)カチオン重合性化合物の総含有量は、5〜97質量%が好ましく、30〜95質量%がより好ましく、50〜85質量%が更に好ましい。
〔(c)増感色素〕
本発明のインク組成物は増感色素を含有する。増感色素は、特定の活性放射線を吸収して電子励起状態となる。電子励起状態となった増感色素は、重合開始剤と接触して、電子移動、エネルギー移動、発熱などの作用が生じる。これにより重合開始剤は化学変化を起こして分解し、ラジカル、酸或いは塩基を生成する。
本発明のインク組成物は増感色素を含有する。増感色素は、特定の活性放射線を吸収して電子励起状態となる。電子励起状態となった増感色素は、重合開始剤と接触して、電子移動、エネルギー移動、発熱などの作用が生じる。これにより重合開始剤は化学変化を起こして分解し、ラジカル、酸或いは塩基を生成する。
好ましい増感色素の例としては、以下の化合物類に属しており、かつ300nmから450nm域に吸収波長を有するものを挙げることができる。例えば、多核芳香族類(例えば、フェナントレン、アントラセン、ピレン、ペリレン、トリフェニレン、9.10−ジアルコキシアントラセン)、キサンテン類(例えば、フルオレッセイン、エオシン、エリスロシン、ローダミンB、ローズベンガル)、チオキサントン類、シアニン類(例えばチアカルボシアニン、オキサカルボシアニン)、メロシアニン類(例えば、メロシアニン、カルボメロシアニン)、チアジン類(例えば、チオニン、メチレンブルー、トルイジンブルー)、アクリジン類(例えば、アクリジンオレンジ、クロロフラビン、アクリフラビン)、アントラキノン類(例えば、アントラキノン)、スクアリウム類(例えば、スクアリウム)、クマリン類(例えば、7−ジエチルアミノ−4−メチルクマリン)、フェノチアジン類、スチリルベンゼン類、ジスチリルベンゼン類、カルバゾール類等などが挙げられる。
中でも本発明においては、多核芳香族類(例えば、フェナントレン、アントラセン、ピレン、ペリレン、トリフェニレン)、チオキサントン類、ジスチリルベンゼン類、スチリルベンゼン類と組み合わせるのが開始効率の観点で好ましく、アントラセン骨格を有する化合物を使用することがより好ましい。特に好ましい具体的な化合物としては9,10−ジエトキシアントラセン、9,10−ジブトキシアントラセンなどが挙げられる。
本発明のインク組成物における増感色素の含有量は、インク組成物の全質量に対し、0.01〜20質量%が好ましく、0.1〜15質量%がより好ましく、0.5〜10質量%が更に好ましい。
増感色素は、一種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。また、(c)増感色素と(a)重合開始剤とのインク組成物における含有比(a/c)としては、重合開始剤の分解率向上と照射した光の透過性の観点から、質量比で、a/c=50〜0.2が好ましく、a/c=20〜0.5がより好ましく、a/c=10〜1.0が更に好ましい。
〔(d)着色剤〕
本発明のインク組成物は、着色剤を含有する。着色剤を添加することで、可視画像を形成しうるインク組成物とすることができる。以下着色剤について説明する。
本発明のインク組成物は、着色剤を含有する。着色剤を添加することで、可視画像を形成しうるインク組成物とすることができる。以下着色剤について説明する。
着色剤としては、特に制限はなく、用途に応じて公知の種々の色材、(顔料、染料)を適宜選択して用いることができる。例えば、インク組成物により耐候性に優れた画像を形成する場合には、顔料が好ましい。また、染料としては、水溶性染料及び油溶性染料のいずれも使用できるが、油溶性染料が好ましい。
<1.顔料>
着色剤として好ましく使用される顔料について述べる。着色剤として顔料を用いた場合、インク組成物を使用して形成された着色画像は耐光性に優れたものとなる。
着色剤として好ましく使用される顔料について述べる。着色剤として顔料を用いた場合、インク組成物を使用して形成された着色画像は耐光性に優れたものとなる。
顔料としては、特に限定されるものではなく、一般に市販されているすべての有機顔料及び無機顔料、または顔料を、分散媒として不溶性の樹脂等に分散させたもの、或いは顔料表面に樹脂をグラフト化したもの等を用いることができる。また、樹脂粒子を染料で染色したもの等も用いることができる。
これらの顔料としては、例えば、伊藤征司郎編「顔料の辞典」(2000年刊)、W.Herbst,K.Hunger「Industrial Organic Pigments」、特開2002−12607号公報、特開2002−188025号公報、特開2003−26978号公報、特開2003−342503号公報に記載の顔料が挙げられる。
本発明において使用できる有機顔料及び無機顔料の具体例としては、特開2008−13646号公報の段落番号〔0126〕〜〔0131〕に記載の化合物などを挙げることができ、これらを本発明にも適用することができる。
顔料の分散には、例えばボールミル、サンドミル、アトライター、ロールミル、ジェットミル、ホモジナイザー、ペイントシェーカー、ニーダー、アジテータ、ヘンシェルミキサ、コロイドミル、超音波ホモジナイザー、パールミル、湿式ジェットミル等の分散装置を用いることができる。
顔料の分散を行う際には、分散剤を添加することも可能である。分散剤としては、水酸基含有カルボン酸エステル、長鎖ポリアミノアマイドと高分子量酸エステルの塩、高分子量ポリカルボン酸の塩、高分子量不飽和酸エステル、高分子共重合物、変性ポリアクリレート、脂肪族多価カルボン酸、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物、ポリオキシエチレンアルキル燐酸エステル、顔料誘導体等を挙げることができる。また、ルーブリゾール社のSolsperseシリーズなどの市販の高分子分散剤を用いることも好ましい。
また、分散助剤としては、各種顔料に応じたシナージストを用いることも可能である。
これらの分散剤及び分散助剤は、顔料100質量部に対し、1〜50質量部添加することが好ましい。
また、分散助剤としては、各種顔料に応じたシナージストを用いることも可能である。
これらの分散剤及び分散助剤は、顔料100質量部に対し、1〜50質量部添加することが好ましい。
インク組成物において、顔料などの諸成分の分散媒としては、溶剤を添加してもよく、また、無溶媒で、低分子量成分である前記重合性化合物を分散媒として用いてもよいが、本発明のインク組成物は、活性エネルギー線硬化型のインクであり、インクを被記録媒体上に適用後、硬化させるため、無溶剤であることが好ましい。これは、硬化されたインク画像中に、溶剤が残留すると、耐溶剤性が劣化したり、残留する溶剤のVOC(Volatile Organic Compound)の問題が生じたりするためである。このような観点から、分散媒としては、重合性化合物を用い、中でも、最も粘度が低いカチオン重合性モノマーを選択することが分散適性やインク組成物のハンドリング性向上の観点から好ましい。
顔料粒子の体積平均粒径は、0.02μm〜0.60μmであることが好ましく、より好ましくは0.02μm〜0.10μmである。また、最大粒径は3μm以下が好ましく、さらに好ましくは1μm以下であり、そのような範囲となるよう、顔料、分散剤、分散媒体の選定、分散条件、ろ過条件を設定する。この粒径管理によって、ヘッドノズルの詰まりを抑制し、インクの保存安定性、インク透明性及び硬化感度を維持することができる。
<2.染料>
次に、着色剤として好ましく使用される染料について述べる。
染料としては、従来公知の化合物(染料)から適宜選択して使用することができる。具体的には、特開2002−114930号公報の段落番号〔0023〕〜〔0089〕、特開2008−13646号公報の段落番号〔0136〕〜〔0140〕に記載の化合物などを挙げることができ、これらを本発明にも適用することができる。
次に、着色剤として好ましく使用される染料について述べる。
染料としては、従来公知の化合物(染料)から適宜選択して使用することができる。具体的には、特開2002−114930号公報の段落番号〔0023〕〜〔0089〕、特開2008−13646号公報の段落番号〔0136〕〜〔0140〕に記載の化合物などを挙げることができ、これらを本発明にも適用することができる。
着色剤はインク組成物中、インク組成物の全質量に対して0.05〜20質量%添加されることが好ましく、0.2〜10質量%がより好ましい。着色剤として油溶性染料を用いた場合には、インク組成物の全質量(溶媒を含む)に対して、0.2〜6質量%が特に好ましい。
本発明のインク組成物には、上記した(a)〜(d)の各必須成分に加え、目的に応じて種々の添加剤を任意成分として併用することができる。これらの任意成分について説明する。
(界面活性剤)
本発明のインク組成物には、公知の界面活性剤を含有させることが好ましい。公知の界面活性剤としては、例えば、特開昭62−173463号、同62−183457号の各公報に記載されたものが挙げられる。具体的には、例えば、ジアルキルスルホコハク酸塩類、アルキルナフタレンスルホン酸塩類、脂肪酸塩類等のアニオン性界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル類、アセチレングリコール類、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンブロックコポリマー類等のノニオン性界面活性剤、アルキルアミン塩類、第4級アンモニウム塩類等のカチオン性界面活性剤が挙げられる。
本発明のインク組成物には、公知の界面活性剤を含有させることが好ましい。公知の界面活性剤としては、例えば、特開昭62−173463号、同62−183457号の各公報に記載されたものが挙げられる。具体的には、例えば、ジアルキルスルホコハク酸塩類、アルキルナフタレンスルホン酸塩類、脂肪酸塩類等のアニオン性界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル類、アセチレングリコール類、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンブロックコポリマー類等のノニオン性界面活性剤、アルキルアミン塩類、第4級アンモニウム塩類等のカチオン性界面活性剤が挙げられる。
なお、公知の界面活性剤の代わりに有機フルオロ化合物を用いてもよい。有機フルオロ化合物は、疎水性であることが好ましい。前記有機フルオロ化合物としては、例えば、フッ素系界面活性剤、オイル状フッ素系化合物(例、フッ素油)及び固体状フッ素化合物樹脂(例、四フッ化エチレン樹脂)が含まれ、特公昭57−9053号(第8〜17欄)、特開昭62−135826号の各公報に記載されたものが挙げられる。
(紫外線吸収剤)
本発明のインク組成物には、得られる硬化物、或いは、画像の耐候性向上、退色防止の観点から、紫外線吸収剤を添加することができる。
本発明のインク組成物には、得られる硬化物、或いは、画像の耐候性向上、退色防止の観点から、紫外線吸収剤を添加することができる。
紫外線吸収剤としては、例えば、特開昭58−185677号公報、同61−190537号公報、特開平2−782号公報、同5−197075号公報、同9−34057号公報等に記載されたベンゾトリアゾール系化合物、特開昭46−2784号公報、特開平5−194483号公報、米国特許第3214463号等に記載されたベンゾフェノン系化合物、特公昭48−30492号公報、同56−21141号公報、特開平10−88106号公報等に記載された桂皮酸系化合物、特開平4−298503号公報、同8−53427号公報、同8−239368号公報、同10−182621号公報、特表平8−501291号公報等に記載されたトリアジン系化合物、リサーチディスクロージャーNo.24239号に記載された化合物やスチルベン系、ベンズオキサゾール系化合物に代表される紫外線を吸収して蛍光を発する化合物、いわゆる蛍光増白剤などが挙げられる。
紫外線吸収剤の添加量は目的に応じて適宜選択されるが、一般的には、インク組成物の総量(全質量)に対して、0.01〜10質量%程度である。
紫外線吸収剤の添加量は目的に応じて適宜選択されるが、一般的には、インク組成物の総量(全質量)に対して、0.01〜10質量%程度である。
(酸化防止剤)
本発明のインク組成物には、安定性向上のため、酸化防止剤を添加することができる。酸化防止剤としては、欧州特許公開第223739号公報、同309401号公報、同第309402号公報、同第310551号公報、同第310552号公報、同第459416号公報、ドイツ公開特許第3435443号公報、特開昭54−48535号公報、同62−262047号公報、同63−113536号公報、同63−163351号公報、特開平2−262654号公報、特開平2−71262号公報、特開平3−121449号公報、特開平5−61166号公報、特開平5−119449号公報、米国特許第4814262号明細書、米国特許第4980275号明細書等に記載のものを挙げることができる。
酸化防止剤の添加量は、目的に応じて適宜選択されるが、一般的には、インク組成物の総量(全質量)に対して、0.01〜10質量%程度である。
本発明のインク組成物には、安定性向上のため、酸化防止剤を添加することができる。酸化防止剤としては、欧州特許公開第223739号公報、同309401号公報、同第309402号公報、同第310551号公報、同第310552号公報、同第459416号公報、ドイツ公開特許第3435443号公報、特開昭54−48535号公報、同62−262047号公報、同63−113536号公報、同63−163351号公報、特開平2−262654号公報、特開平2−71262号公報、特開平3−121449号公報、特開平5−61166号公報、特開平5−119449号公報、米国特許第4814262号明細書、米国特許第4980275号明細書等に記載のものを挙げることができる。
酸化防止剤の添加量は、目的に応じて適宜選択されるが、一般的には、インク組成物の総量(全質量)に対して、0.01〜10質量%程度である。
(褪色防止剤)
本発明のインク組成物には、各種の有機系及び金属錯体系の褪色防止剤を使用することができる。前記有機系の褪色防止剤としては、ハイドロキノン類、アルコキシフェノール類、ジアルコキシフェノール類、フェノール類、アニリン類、アミン類、インダン類、クロマン類、アルコキシアニリン類、ヘテロ環類、などが挙げられる。前記金属錯体系の褪色防止剤としては、ニッケル錯体、亜鉛錯体、などが挙げられ、具体的には、リサーチディスクロージャーNo.17643の第VIIのI〜J項、同No.15162、同No.18716の650頁左欄、同No.36544の527頁、同No.307105の872頁、同No.15162に引用された特許に記載された化合物や、特開昭62−215272号公報の127頁〜137頁に記載された代表的化合物の一般式及び化合物例に含まれる化合物を使用することができる。
添加量は目的に応じて適宜選択されるが、一般的には、インク組成物の総量(全質量)に対して、0.01〜10質量%程度である。
本発明のインク組成物には、各種の有機系及び金属錯体系の褪色防止剤を使用することができる。前記有機系の褪色防止剤としては、ハイドロキノン類、アルコキシフェノール類、ジアルコキシフェノール類、フェノール類、アニリン類、アミン類、インダン類、クロマン類、アルコキシアニリン類、ヘテロ環類、などが挙げられる。前記金属錯体系の褪色防止剤としては、ニッケル錯体、亜鉛錯体、などが挙げられ、具体的には、リサーチディスクロージャーNo.17643の第VIIのI〜J項、同No.15162、同No.18716の650頁左欄、同No.36544の527頁、同No.307105の872頁、同No.15162に引用された特許に記載された化合物や、特開昭62−215272号公報の127頁〜137頁に記載された代表的化合物の一般式及び化合物例に含まれる化合物を使用することができる。
添加量は目的に応じて適宜選択されるが、一般的には、インク組成物の総量(全質量)に対して、0.01〜10質量%程度である。
(塩基性化合物)
本発明のインク組成物には、経時安定性の向上や、吐出不良の原因となるヘッド内およびノズルプレート上などでの硬化の抑制を目的として塩基性化合物を添加してもよい。用いることのできる塩基性化合物の例としては、特開2003−341217号に記載の化合物などが挙げられる。とりわけ特開2008−189776号に記載のヒンダードアミン化合物は、高感度を維持しながら安定性を向上させることができるため、特に好ましく用いることができる。
本発明のインク組成物には、経時安定性の向上や、吐出不良の原因となるヘッド内およびノズルプレート上などでの硬化の抑制を目的として塩基性化合物を添加してもよい。用いることのできる塩基性化合物の例としては、特開2003−341217号に記載の化合物などが挙げられる。とりわけ特開2008−189776号に記載のヒンダードアミン化合物は、高感度を維持しながら安定性を向上させることができるため、特に好ましく用いることができる。
(導電性塩類)
本発明のインク組成物をインクジェット記録用インク組成物に用いる場合は、射出物性の制御を目的として、チオシアン酸カリウム、硝酸リチウム、チオシアン酸アンモニウム、ジメチルアミン塩酸塩などの導電性塩類を添加することができる。
本発明のインク組成物をインクジェット記録用インク組成物に用いる場合は、射出物性の制御を目的として、チオシアン酸カリウム、硝酸リチウム、チオシアン酸アンモニウム、ジメチルアミン塩酸塩などの導電性塩類を添加することができる。
(溶剤)
本発明のインク組成物には、被記録媒体等の固体表面と、硬化物や形成された画像との密着性を改良するため、極微量の有機溶剤を添加することも有効である。
溶剤としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン等のケトン系溶剤、メタノール、エタノール、2−プロパノール、1−プロパノール、1−ブタノール、tert−ブタノール等のアルコール系溶剤、クロロホルム、塩化メチレン等の塩素系溶剤、ベンゼン、トルエン等の芳香族系溶剤、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソプロピルなどのエステル系溶剤、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル系溶剤、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル等のグリコールエーテル系溶剤、などが挙げられる。
この場合、耐溶剤性悪化が起こらない範囲での添加が有効であり、その量は硬化型組成物又はインク組成物の全体質量に対し0.1〜5質量%が好ましく、より好ましくは0.1〜3質量%の範囲である。
本発明のインク組成物には、被記録媒体等の固体表面と、硬化物や形成された画像との密着性を改良するため、極微量の有機溶剤を添加することも有効である。
溶剤としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン等のケトン系溶剤、メタノール、エタノール、2−プロパノール、1−プロパノール、1−ブタノール、tert−ブタノール等のアルコール系溶剤、クロロホルム、塩化メチレン等の塩素系溶剤、ベンゼン、トルエン等の芳香族系溶剤、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソプロピルなどのエステル系溶剤、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル系溶剤、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル等のグリコールエーテル系溶剤、などが挙げられる。
この場合、耐溶剤性悪化が起こらない範囲での添加が有効であり、その量は硬化型組成物又はインク組成物の全体質量に対し0.1〜5質量%が好ましく、より好ましくは0.1〜3質量%の範囲である。
(高分子化合物)
本発明のインク組成物には、膜物性を調整するため、各種高分子化合物を添加することができる。高分子化合物としては、アクリル系重合体、ポリビニルブチラール樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルホルマール樹脂、シェラック、ビニル系樹脂、アクリル系樹脂、ゴム系樹脂、ワックス類、その他の天然樹脂等が使用できる。また、これらは2種以上併用してもかまわない。これらのうち、アクリル系のモノマーの共重合によって得られるビニル系共重合が好ましい。更に、高分子結合材の共重合組成として、「カルボキシル基含有モノマー」、「メタクリル酸アルキルエステル」、または「アクリル酸アルキルエステル」を構造単位として含む共重合体も好ましく用いられる。
本発明のインク組成物には、膜物性を調整するため、各種高分子化合物を添加することができる。高分子化合物としては、アクリル系重合体、ポリビニルブチラール樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルホルマール樹脂、シェラック、ビニル系樹脂、アクリル系樹脂、ゴム系樹脂、ワックス類、その他の天然樹脂等が使用できる。また、これらは2種以上併用してもかまわない。これらのうち、アクリル系のモノマーの共重合によって得られるビニル系共重合が好ましい。更に、高分子結合材の共重合組成として、「カルボキシル基含有モノマー」、「メタクリル酸アルキルエステル」、または「アクリル酸アルキルエステル」を構造単位として含む共重合体も好ましく用いられる。
この他にも、本発明のインク組成物には、必要に応じて、例えば、レベリング添加剤、マット剤、膜物性を調整するためのワックス類、ポリオレフィンやPET等の被記録媒体への密着性を改善するために、重合を阻害しないタッキファイヤーなどを含有させることができる。
前記タッキファイヤーとしては、具体的には、特開2001−49200号公報の5〜6pに記載されている高分子量の粘着性ポリマー(例えば、(メタ)アクリル酸と炭素数1〜20のアルキル基を有するアルコールとのエステル、(メタ)アクリル酸と炭素数3〜14の脂環属アルコールとのエステル、(メタ)アクリル酸と炭素数6〜14の芳香属アルコールとのエステルからなる共重合物)や、重合性不飽和結合を有する低分子量粘着付与性樹脂などが挙げられる。
(インク組成物の好ましい物性)
本発明のインク組成物は、高感度で硬化することから、活性放射線線硬化型インク組成物に適用することが好ましい。特に、インクジェット記録方法に適用するインクジェト用インク組成物に適用することが好ましい。
本発明のインク組成物は、高感度で硬化することから、活性放射線線硬化型インク組成物に適用することが好ましい。特に、インクジェット記録方法に適用するインクジェト用インク組成物に適用することが好ましい。
本発明のインク組成物は、インクジェット記録に適用する場合、吐出性を考慮し、吐出時の温度におけるインク粘度が、5mPa・s〜30mPa・sであることが好ましく、7mPa・s〜20mPa・sが更に好ましい。このため、前記範囲になるように適宜組成比を調整し決定することが好ましい。
また、室温(25〜30℃)でのインク組成物の粘度は、7mPa・s〜120mPa・sが好ましく、10mPa・s〜80mPa・sが更に好ましい。室温での粘度を高く設定することにより、多孔質な被記録媒体を用いた場合でも、被記録媒体中へのインク浸透を防ぎ、未硬化モノマーの低減、臭気低減が可能となり、更にインク液滴着弾時のドット滲みを抑えることができ、その結果として画質を改善することができる。
また、室温(25〜30℃)でのインク組成物の粘度は、7mPa・s〜120mPa・sが好ましく、10mPa・s〜80mPa・sが更に好ましい。室温での粘度を高く設定することにより、多孔質な被記録媒体を用いた場合でも、被記録媒体中へのインク浸透を防ぎ、未硬化モノマーの低減、臭気低減が可能となり、更にインク液滴着弾時のドット滲みを抑えることができ、その結果として画質を改善することができる。
本発明のインク組成物の表面張力は、20mN/m〜40mN/mであることが好ましく、20mN/m〜30mN/mであることが更に好ましい。また、本発明のインク組成物を、ポリオレフィン、PET、コート紙、非コート紙など様々な被記録媒体へ記録する場合、滲み及び浸透の観点から、前記表面張力は20mN/m以上が好ましく、濡れ性の点では30mN/m以下であることが好ましい。
本発明のインク組成物を適用したインクジェット記録用に適用した場合、インクジェット記録方式には特に制限はなく、例えば、静電誘引力を利用してインクを吐出する電荷制御方式、ピエゾ素子の振動圧力を利用するドロップオンデマンド方式(圧力パルス方式)、電気信号を音響ビームに変えインクに照射して放射圧を利用してインクを吐出する音響型インクジェット方式、インクを加熱して気泡を形成し、発生した圧力を利用するサーマル型インクジェット方式、等のいずれであってもよい。なお、インクジェット記録方式には、フォトインクと称する濃度の低いインクを小さい体積で多数射出する方式、実質的に同じ色相で濃度の異なる複数のインクを用いて画質を改良する方式や無色透明のインクを用いる方式が含まれる。
前記のうち、ピエゾ素子を用いたドロップオンデマンド方式(圧力パルス方式)のインクジェット記録用インクとして好適である。
前記のうち、ピエゾ素子を用いたドロップオンデマンド方式(圧力パルス方式)のインクジェット記録用インクとして好適である。
[インクジェット記録方法]
本発明のインク組成物は、(a)被記録媒体上に、該インク組成物をインクジェット記録装置により吐出する工程(画像記録工程)、及び(b)吐出されたインク組成物に活性放射線を照射して、該インク組成物を硬化する工程(画像硬化工程)、を含むインクジェット記録方法に用いることができる。
即ち、本発明のインクジェット記録方法は、インクジェット記録によって画像を形成する画像記録工程と画像硬化工程とを含む方法である。
本発明のインク組成物は、(a)被記録媒体上に、該インク組成物をインクジェット記録装置により吐出する工程(画像記録工程)、及び(b)吐出されたインク組成物に活性放射線を照射して、該インク組成物を硬化する工程(画像硬化工程)、を含むインクジェット記録方法に用いることができる。
即ち、本発明のインクジェット記録方法は、インクジェット記録によって画像を形成する画像記録工程と画像硬化工程とを含む方法である。
本発明のインクジェット記録方法における画像硬化工程においては、画像硬化工程において活性エネルギー線を利用し、画像記録工程で被記録媒体に画像記録した後、記録された画像に活性エネルギー線を照射することによって、画像化に寄与する重合性化合物の重合硬化が進行し、良好に硬化され堅牢性の高い画像を形成することができる。
画像硬化工程においては、インク組成物の有する感応波長に対応する波長領域の活性放射線を発する光源を用いて重合硬化を促進する露光処理を行なうことができる。光源、露光時間及び光量は、本発明に係るカチオン重合性化合物の重合硬化の程度に応じて適宜選択すればよい。
画像硬化工程において硬化した画像の厚みは、2μm〜30μmであることが好ましい。ここで、「画像の厚み」とは、インク組成物により形成された画像を硬化した硬化物の厚みのことである。該画像の厚みが2μm〜30μmであることで、低濃度から高濃度の画像を表現することができる。
画像硬化工程においては、インク組成物の有する感応波長に対応する波長領域の活性放射線を発する光源を用いて重合硬化を促進する露光処理を行なうことができる。具体的には、250〜450nm、好ましくは365±20nmの波長領域に属する活性線を発する光源、例えば、LD、LED(発光ダイオード)、蛍光灯、低圧水銀灯、高圧水銀灯、メタルハライドランプ、カーボンアーク灯、キセノンランプ、ケミカルランプなどを用いて好適に行なうことができる。好ましい光源には、LED、高圧水銀灯、メタルハライドランプが挙げられ、なかでも本発明のカチオン重合性組成物の硬化においてはLEDを光源として用いることが好ましい。
本発明のインク組成物のインクにより得られた記録物は、画像部が紫外線などの活性放射線の照射により硬化しており、画像部の強度に優れるため、例えば、平版印刷版のインク受容層(画像部)としても用いることができる。
画像記録工程においては、インクジェットプリンタを用いたインクジェット記録方法を適用するのが好ましい。具体的には、画像記録工程は、インク組成物を吐出するインクジェット記録によって画像を記録することが好ましい。
次に、本発明のインクジェット記録方法の具体的な実施態様について、当該方法に好適に採用され得るインクジェット記録装置の詳細を含めて、以下に説明する。
・システム
インクを吐出するインクジェット記録システムとしては、特開2002−11860号公報に示すような形態が一例として挙げられるが、これに限定されるものではなく、他の形態であってもよい。
インクを吐出するインクジェット記録システムとしては、特開2002−11860号公報に示すような形態が一例として挙げられるが、これに限定されるものではなく、他の形態であってもよい。
・インク保持手段
インクを保持する手段としては、公知のインクカートリッジに充填することが好ましく、特開平5−16377号公報に開示されるように変形可能な容器に収納し、タンクとなすことも可能である。また特開平5−16382に開示されるように、サブタンクを有するとインクをヘッドへの供給が更に安定する。また、特開平8−174860号公報に開示されるように、インク供給室の圧力が低下した場合に、弁の移動によりインクを供給する形態のカートリッジを用いることも可能である。これらのインク保持手段でヘッド内のメニスカスを適切にたもつための負圧付与方法としては、インク保持手段の高さすなわち水頭圧による方法、またインク流路中にもうけたフィルタの毛細管力による方法、また、ポンプ等により圧力を制御する方法、また、特開昭50−74341号公報に開示されるようにインクをインク吸収体に保持し、この毛細管力により負圧を付与する方法等が適切である。
インクを保持する手段としては、公知のインクカートリッジに充填することが好ましく、特開平5−16377号公報に開示されるように変形可能な容器に収納し、タンクとなすことも可能である。また特開平5−16382に開示されるように、サブタンクを有するとインクをヘッドへの供給が更に安定する。また、特開平8−174860号公報に開示されるように、インク供給室の圧力が低下した場合に、弁の移動によりインクを供給する形態のカートリッジを用いることも可能である。これらのインク保持手段でヘッド内のメニスカスを適切にたもつための負圧付与方法としては、インク保持手段の高さすなわち水頭圧による方法、またインク流路中にもうけたフィルタの毛細管力による方法、また、ポンプ等により圧力を制御する方法、また、特開昭50−74341号公報に開示されるようにインクをインク吸収体に保持し、この毛細管力により負圧を付与する方法等が適切である。
・インク供給路
インクをこれらインク保持手段からヘッドに供給する方法として、ヘッドユニットに直接保持手段を連結する方法でもよいし、チューブ等の流路により連結する方法でもよい。これらインク保持手段及び流路は、インクに対して良好な濡れ性を持つような素材であること、もしくは表面処理が施されていることが好ましい。
インクをこれらインク保持手段からヘッドに供給する方法として、ヘッドユニットに直接保持手段を連結する方法でもよいし、チューブ等の流路により連結する方法でもよい。これらインク保持手段及び流路は、インクに対して良好な濡れ性を持つような素材であること、もしくは表面処理が施されていることが好ましい。
・ヘッド
インクを打滴する方法としては、特開平5−104725号公報に開示されるように、連続的にインク滴を吐出させ、画像に応じて滴を偏向して被記録材に着弾させるか、させないかを選択制御する方法であってもよいし、所謂オンデマンド方式と呼ばれる、画像として必要な部分にのみインク滴を吐出させる方式であってもよい。オンデマンド方式は、特開平5−16349に開示されるように、圧電素子等を用いて構造体の変形によりインク圧を発生させ、吐出させる方式であってもよいし、特開平1−234255に開示されるように、熱エネルギーによる気化にともなう膨張により発生する圧力で吐出する方式であってもよい。また特開2001−277466号公報に開示されるように、電界により被記録材への吐出を制御する方式であってもよい。
インクを打滴する方法としては、特開平5−104725号公報に開示されるように、連続的にインク滴を吐出させ、画像に応じて滴を偏向して被記録材に着弾させるか、させないかを選択制御する方法であってもよいし、所謂オンデマンド方式と呼ばれる、画像として必要な部分にのみインク滴を吐出させる方式であってもよい。オンデマンド方式は、特開平5−16349に開示されるように、圧電素子等を用いて構造体の変形によりインク圧を発生させ、吐出させる方式であってもよいし、特開平1−234255に開示されるように、熱エネルギーによる気化にともなう膨張により発生する圧力で吐出する方式であってもよい。また特開2001−277466号公報に開示されるように、電界により被記録材への吐出を制御する方式であってもよい。
インクジェット記録方法においては、本発明のインク組成物を用いて被記録媒体に画像記録を行なう。その際に使用するインク吐出ノズル等については特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。ノズルは、例えば特開平5−31908号公報に記載されるような形態が適用可能である。なお、このとき複数色のインクを吐出させるため、ノズルは特開2002−316420号公報に記載されるように、複数列に構成されることにより、高速にカラー画像を形成することが可能である。さらに複数のノズル列を有するヘッドユニットを複数配置することにより更に高速化が可能である。
さらに、ノズルを特開昭63−160849号公報に記載されるように画像の幅と同等以上の幅分配置し、所謂ラインヘッドとなし、これらのノズルからの打滴と同時に被記録材を移動させることにより、高速に画像を形成することが可能となる。
また、ノズルの表面は、特開平5−116327号公報に開示されるような表面処理を施すことにより、ノズル表面へのインク滴の飛沫の付着、及びインク滴の付着を防ぐことが可能となる。
また、ノズルの表面は、特開平5−116327号公報に開示されるような表面処理を施すことにより、ノズル表面へのインク滴の飛沫の付着、及びインク滴の付着を防ぐことが可能となる。
このような処理を施しても、なお汚れが付着する場合があり、このため、特開平6−71904号公報に開示されるように、ブレードにより清掃を行うことが好ましい。
また、ノズルから各色のインクが均等に吐出されるとは限らず、インクが長時間吐出されない場合もありうる。このようなときに、メニスカスを安定に保つために、特開平11−157102号公報に開示されるように、画像領域外で適宜インクを吐出させ、ヘッドに新しいインクを補給することにより、インク物性を適性値に維持することが好ましい。
また、ノズルから各色のインクが均等に吐出されるとは限らず、インクが長時間吐出されない場合もありうる。このようなときに、メニスカスを安定に保つために、特開平11−157102号公報に開示されるように、画像領域外で適宜インクを吐出させ、ヘッドに新しいインクを補給することにより、インク物性を適性値に維持することが好ましい。
また、このような処置を施してもなお気泡がヘッド内に侵入もしくはヘッド内で発生することがある。このような場合は、特開平11−334092号公報に記載されるように、ヘッド外より強制的にインクを吸引することにより、物性の変化したインクを廃棄するとともに、気泡もヘッド外に排出することができる。更に長時間打滴しない場合は特開平11−138830号公報に開示されるように、キャップでノズル表面を覆うことによりノズル表面を保護することができる。これらの措置を講じてもなお吐出しない場合がありうる。
ノズルの一部が吐出しない状態で画像をプリントすると、画像にムラが発生する等の問題が発生する。このようなことを避けるため、特開平2000−343686号公報に開示されるように、吐出しないことを検出して処置をとることが有効である。
ヘッドユニットを特開平6−115099号公報に記載されるように機械的に移動させ、これと同期させて被記録材を直交方向に間欠的に移動させることにより重畳打滴を行うと、被記録材の間欠的な移動の精度不良にともなうムラを見えにくくする効果があり、高画質を実現することが可能となる。このとき、ヘッドの移動速度、被記録材の移動量、ノズル数の関係を適宜設定することにより、画質と記録速度の関係を好ましい関係に設定することが可能となる。
また、逆にヘッドを固定し、被記録材を機械的に所定方向に往復移動するとともに、それと直交方向に間欠移動させることにより、同様の効果を得ることが可能である。
・温度制御
インクジェット記録装置には、インク組成物温度の安定化手段を備えることが好ましく、一定温度にする部位はインクタンク(中間タンクがある場合は中間タンク)からノズル射出面までの配管系、部材の全てが対象となる。
インクジェット記録装置には、インク組成物温度の安定化手段を備えることが好ましく、一定温度にする部位はインクタンク(中間タンクがある場合は中間タンク)からノズル射出面までの配管系、部材の全てが対象となる。
インクジェット記録方法においては、上記インク組成物を40〜80℃に加熱して、インク組成物の粘度を30mPa・s以下、好ましくは20mPa・s以下に下げた後、射出することが好ましく、この方法を用いることにより高い射出安定性を実現することができる。一般に、放射線硬化型インク組成物では、概して水性インクより粘度が高いため、印字時の温度変動による粘度変動幅が大きい。このインク組成物の粘度変動は、そのまま液滴サイズ、液滴射出速度に対して大きな影響を与え、これにより画質劣化を引き起こすため、印字時のインク組成物温度はできるだけ一定に保つことが必要である。このためにはインク温度検出手段と、インク加熱手段、及び検出されたインク温度に応じて加熱を制御する制御手段を有することが好ましい。
温度コントロールの方法としては、特に制約はないが、例えば、温度センサーを各配管部位に複数設け、インク組成物流量、環境温度に応じた加熱制御をすることが好ましい。また、加熱するヘッドユニットは、装置本体を外気からの温度の影響を受けないよう、熱的に遮断もしくは断熱されていることが好ましい。加熱に要するプリンタ立上げ時間を短縮するため、あるいは熱エネルギーのロスを低減するために、他部位との断熱を行うとともに、加熱ユニット全体の熱容量を小さくすることが好ましい。
あるいは、インク温度に応じてインクを吐出させる手段への印加エネルギーを制御する手段を有することも好適である。
あるいは、インク温度に応じてインクを吐出させる手段への印加エネルギーを制御する手段を有することも好適である。
インク組成物温度の制御幅は設定温度±5℃とすることが好ましく、より好ましくは設定温度±2℃、更に好ましくは設定温度±1℃である。
・露光
光源としては、前記したように、一般的に用いられる水銀灯、メタルハライドランプ等を用いてもよいし、発光ダイオード、半導体レーザ、蛍光灯等を用いることができる。また熱陰極管、冷陰極管、電子線、X線等、インクの重合反応が進行する光源、電磁波等を用いることができる。
光源としては、前記したように、一般的に用いられる水銀灯、メタルハライドランプ等を用いてもよいし、発光ダイオード、半導体レーザ、蛍光灯等を用いることができる。また熱陰極管、冷陰極管、電子線、X線等、インクの重合反応が進行する光源、電磁波等を用いることができる。
メタルハライドランプを用いる場合、ランプは10W/cm〜1000W/cmのものを使用し、被記録媒体の表面で1mW/cm2〜100W/cm2の照度であることが好ましい。
また、高圧水銀灯、メタルハライドランプ等を用いた場合には、放電にともない、オゾンが発生するため、排気手段を有することが好ましい。排気手段は、インク吐出時に発生するインクミストの回収を兼ねるべく配置してあることが好適である。
次に、活性放射線の好ましい照射条件について述べる。基本的な照射方法は、特開昭60−132767号公報に開示されている。具体的には、ヘッドユニットの両側に光源を設け、シャトル方式でヘッドと光源を走査する。照射は、インク着弾後、一定時間をおいて行われることになる。更に、駆動を伴わない別光源によって硬化を完了させる。WO99/54415号では、照射方法として、光ファイバーを用いた方法やコリメートされた光源をヘッドユニット側面に設けた鏡面に当て、記録部へUV光を照射する方法が開示されている。本発明においては、これらの照射方法を用いることが可能である。
硬化させるための活性放射線がインク吐出ノズルに照射されると、ノズル面表面に付着したインクミスト等が固化し、インク吐出の妨げとなる可能性があるため、ノズルへの照射を最小限にとどめるため、遮光等の措置を施すことが好ましい。具体的には、ノズルプレートへの照射を防止する隔壁を設ける、あるいは迷光を低減するべく被記録材への入射角を限定するための手段を設ける等が好適である。
また、本発明では、着弾から照射までの時間を0.01秒〜0.5秒とすることが望ましく、好ましくは0.01秒〜0.3秒、更に好ましくは0.01秒〜0.15秒後に放射線を照射することにある。このように着弾から照射までの時間を極短時間に制御することにより、着弾インクが硬化前に滲むことを防止するこが可能となる。また、多孔質な被記録媒体に対しても光源の届かない深部までインク組成物が浸透する前に露光することができる為、未反応モノマーの残留を抑えられ、その結果として臭気を低減することができる。上記説明したインクジェット記録方法と本発明のインク組成物とを併せて用いることにより、大きな相乗効果をもたらすことになる。このような記録方法を取ることで、表面の濡れ性が異なる様々な被記録媒体に対しても、着弾したインクのドット径を一定に保つことができ、画質が向上する。
・システムパラメータ
画像を形成するうえで、被記録材上でのインク着弾径は10〜500μmの間にあることが好適であり、このためには吐出時のインク滴の直径は5〜250μmであることが好ましく、このときのノズル径は15〜100μmであることが好ましい。
画像を形成するためには1インチあたりの画素数が50〜2400dpiであることが好ましく、そのためには、ヘッドのノズル密度は10〜2400dpiであることが好ましい。ここで、ヘッドのノズル密度は低くとも、被記録材の搬送方向に対して傾ける、あるいは複数のヘッドユニットを相対的にずらして配置することにより、ノズル間隔の大きいヘッドで高密度の着弾を実現することが可能である。また上記のようにヘッドもしくは被記録材の往復移動により、低ノズルピッチでヘッドが移動するごとに被記録材を所定量搬送させ、インク滴を異なる位置に着弾させることにより、高密度の画像記録を実現することができる。
画像を形成するうえで、被記録材上でのインク着弾径は10〜500μmの間にあることが好適であり、このためには吐出時のインク滴の直径は5〜250μmであることが好ましく、このときのノズル径は15〜100μmであることが好ましい。
画像を形成するためには1インチあたりの画素数が50〜2400dpiであることが好ましく、そのためには、ヘッドのノズル密度は10〜2400dpiであることが好ましい。ここで、ヘッドのノズル密度は低くとも、被記録材の搬送方向に対して傾ける、あるいは複数のヘッドユニットを相対的にずらして配置することにより、ノズル間隔の大きいヘッドで高密度の着弾を実現することが可能である。また上記のようにヘッドもしくは被記録材の往復移動により、低ノズルピッチでヘッドが移動するごとに被記録材を所定量搬送させ、インク滴を異なる位置に着弾させることにより、高密度の画像記録を実現することができる。
被記録媒体へのインク打滴量としては、良好な階調を表現するためには0.05g/m2〜25g/m2の間で任意量に制御できることが好適であり、これを実現するためにヘッドからの吐出インク滴の大きさ、及びまたは数量を制御することが好ましい。
ヘッドと被記録材の間隔に関しては、広すぎるとヘッドもしくは被記録材の移動に伴う空気の流れでインク滴の飛翔が乱れ、着弾位置精度が低下する。逆に間隔が狭いと、被記録材の凹凸、搬送機構に起因する振動等によりヘッドと被記録材が接触する危険性があり、0.5mm〜2mm程度に維持されることが好ましい。
・インクセット
インクは単色であってもよいし、シアン、マゼンタ、イエローのカラーであってもよいし、さらにブラックを加えた4色、あるいはさらに特色と呼ばれるこれら以外の特定色のインクを用いてもよい。色材は、染料であってもよいし、顔料であってもよい。これらのインクの打滴順は、明度の低い順に着弾するように打滴させてもよいし、明度の高い順に着弾させてもよいし、画像記録品質上好適な順に打滴させることが好ましい。
インクは単色であってもよいし、シアン、マゼンタ、イエローのカラーであってもよいし、さらにブラックを加えた4色、あるいはさらに特色と呼ばれるこれら以外の特定色のインクを用いてもよい。色材は、染料であってもよいし、顔料であってもよい。これらのインクの打滴順は、明度の低い順に着弾するように打滴させてもよいし、明度の高い順に着弾させてもよいし、画像記録品質上好適な順に打滴させることが好ましい。
明度の高い色から順に重ねていくと、下部のインクまで活性エネルギー線が到達しやすく、硬化感度の阻害、残留モノマーの増加及び臭気の発生、密着性の劣化が生じにくい。また、照射は、全色を射出してまとめて露光することが可能だが、1色毎に露光するほうが、硬化促進の観点で好ましい。
記録するべき画像信号は、たとえば特開平6−210905号公報に記載されるように、良好な色再現を得るべく信号処理を施すことが好ましい。
記録するべき画像信号は、たとえば特開平6−210905号公報に記載されるように、良好な色再現を得るべく信号処理を施すことが好ましい。
なお、本発明のインク組成物の使用態様は、上述したインクジェット記録方法に限定されず、例えば、画像記録工程においてインクジェット記録以外の方法で被記録媒体上にインク画像を形成し、これに活性エネルギー線を照射する画像硬化工程を組み合わせた場合、或いは、インクジェット記録装置により、被記録媒体上にインク組成物を吐出した後、加熱して画像を硬化させる場合などにも適用することが可能である。
また、本発明のインク組成物は、インクジェット記録用途以外に、三次元造形用途、例えば、前述の平版印刷版の印刷インク受容部の形成用途などにも利用可能であり、缶印刷用途や食品用途にも利用できる。これらの用途については公知の方法を利用して画像形成することができ、例えば特許第2679586号公報などの記載を参照することができる。
[被記録媒体]
本発明のインク組成物を用いて記録される被記録媒体としては、インク浸透性の被記録媒体、及び、インク非浸透性の被記録媒体をともに使用することができる。インク浸透性の被記録媒体は、普通紙、インクジェット専用紙、コート紙、電子写真共用紙、布、不織布、多孔質膜、高分子吸収体等が挙げられる。これらについては特開2001−1891549号公報などに「被記録材」として記載されている。
本発明のインク組成物を用いて記録される被記録媒体としては、インク浸透性の被記録媒体、及び、インク非浸透性の被記録媒体をともに使用することができる。インク浸透性の被記録媒体は、普通紙、インクジェット専用紙、コート紙、電子写真共用紙、布、不織布、多孔質膜、高分子吸収体等が挙げられる。これらについては特開2001−1891549号公報などに「被記録材」として記載されている。
インク非浸透性の被記録媒体としては、アート紙、合成樹脂、ゴム、樹脂コート紙、ガラス、金属、陶器、木材等が挙げられる。加えて各機能を付加する為に、これら材質を複数組み合わせ複合化した基材を使用することもできる。
インク非浸透性の被記録媒として用いられる合成樹脂としては、いかなる合成樹脂も用いることができるが、例えば、ポリエチレンテレフタレート、及び、ポリブタジエンテレフタレート等のポリエステル;ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリウレタン、及び、ポリプロピレン等のポリオレフィン;並びに、アクリル樹脂、ポリカーボネート、及び、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体等や、ジアセテート、トリアセテート、ポリイミド、セロハン、及び、セルロイド等が挙げられる。
合成樹脂を用いた被記録媒体の形状(厚み)は、フィルム状でもよいし、カード状またはブロック状でもよく、特に限定されることなく所望の目的に応じて適宜選定することができる。また、これら合成樹脂は透明であってもよいし、不透明であってもよい。
合成樹脂を用いた被記録媒体の使用形態としては、いわゆる軟包装に用いられるフィルム状で用いることが好ましい態様の一つであり、各種非吸収性のプラスチック及びそのフィルムを用いることができる。各種プラスチック製のフィルムとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム、二軸延伸ポリスチレン(OPS)フィルム、二軸延伸ポリプロピレン(OPP)フィルム、二軸延伸ナイロン(ONy)フィルム、ポリ塩化ビニル(PVC)フィルム、ポリエチレン(PE)フィルム、及び、トリアセチルセルロース(TAC)フィルムを挙げることができる。
インク非浸透性の被記録媒体として用いられる樹脂コート紙としては、例えば、透明ポリエステルフィルム、不透明ポリエステルフィルム、不透明ポリオレフィン樹脂フィルム、及び、紙の両面をポリオレフィン樹脂でラミネートした紙支持体が挙げられ、紙の両面をポリオレフィン樹脂でラミネートした紙支持体が特に好ましい。
以上のように、本発明のインク組成物を用いた画像記録によると、強度と柔軟性、さらには、被記録媒体との密着性に優れた画像を得ることができる。また、得られた記録物は、密着性に優れ、脆性に係る問題を生じることがない。
以下、実施例により本発明を説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、本実施例ではインク組成物の一例としてインクジェット記録用のインクを作製した例を示す。なお、特に断りのない限り、「部」は質量基準である。
[合成例1:特定光酸発生剤1−1の合成例]
(トリス(4−クロロフェニル)スルホニウムクロリド1−Aの製造)
クロロベンセン300mLと無水塩化アルミニウム100g(0.76mol)からなる混合物に、窒素気流下に内温25℃以下で塩化チオニル44g(0.37mol)とクロロベンゼン100mlの混合液を滴下した。反応混合物を20〜25℃で1時間攪拌のち、無水塩化アルミニウム70g(0.52mol)を添加し、反応混合物を120〜150℃で4時間攪拌した。反応混合物を30℃以下まで冷却したのち、氷冷したイオン交換水7Lに注ぎ、60℃で1時間攪拌後、2層分離した反応混合物から水層を分取した。水層をトルエン1Lで2回洗浄し、トルエン層を廃棄した。得られた化合物トリス(4−クロロフェニル)スルホニウムクロリド1−Aの水溶液にイオン交換水を加えて総量を7.4Lとし、そのまま特定光酸発生剤1−1の合成に使用した。
クロロベンセン300mLと無水塩化アルミニウム100g(0.76mol)からなる混合物に、窒素気流下に内温25℃以下で塩化チオニル44g(0.37mol)とクロロベンゼン100mlの混合液を滴下した。反応混合物を20〜25℃で1時間攪拌のち、無水塩化アルミニウム70g(0.52mol)を添加し、反応混合物を120〜150℃で4時間攪拌した。反応混合物を30℃以下まで冷却したのち、氷冷したイオン交換水7Lに注ぎ、60℃で1時間攪拌後、2層分離した反応混合物から水層を分取した。水層をトルエン1Lで2回洗浄し、トルエン層を廃棄した。得られた化合物トリス(4−クロロフェニル)スルホニウムクロリド1−Aの水溶液にイオン交換水を加えて総量を7.4Lとし、そのまま特定光酸発生剤1−1の合成に使用した。
(トリス(パーフルオロプロピル)トリフルオロリン酸カリウム1−Cの製造)
トリn−プロピルホスフィン(和光純薬(株)社製)を原料として、Journal of Fluorine Chemistry 102 (2000) 333 に記載の方法に従いフッ素ガスを用いたフッ素化を行い、トリス(パーフルオロプロピル)ジフルオロホスホラン1−Bを合成した。得られた化合物1−Bとフッ化カリウムを原料とし、J.Gen.Chem.USSR(Engl.transl.) 1989;59:469 に記載の方法に従いトリス(パーフルオロプロピル)トリフルオロリン酸カリウム1−Cを合成した。得られた化合物1−Cはそのまま特定光酸発生剤1−1の合成に使用した。
トリn−プロピルホスフィン(和光純薬(株)社製)を原料として、Journal of Fluorine Chemistry 102 (2000) 333 に記載の方法に従いフッ素ガスを用いたフッ素化を行い、トリス(パーフルオロプロピル)ジフルオロホスホラン1−Bを合成した。得られた化合物1−Bとフッ化カリウムを原料とし、J.Gen.Chem.USSR(Engl.transl.) 1989;59:469 に記載の方法に従いトリス(パーフルオロプロピル)トリフルオロリン酸カリウム1−Cを合成した。得られた化合物1−Cはそのまま特定光酸発生剤1−1の合成に使用した。
(特定光酸発生剤1−1の製造)
上記で得られたトリス(パーフルオロプロピル)トリフルオロリン酸カリウム1−C 31.6g(0.05mol)に水300mLを加えて50℃に加温した水溶液とし、この水溶液を上記で得られたトリス(4−クロロフェニル)スルホニウムクロリド1−Aの水溶液1Lに攪拌しながら室温にて滴下し5時間攪拌した。白色結晶として得られた特定光酸発生剤1−1をろ取し、イオン交換水で2回洗浄し30℃にて減圧乾燥し、特定光酸発生剤1−1を22g(0.23mol)得た。内部標準物質として2,6−ビス(トリフルオロメチル)ピリジンを用いて1H−NMR,19F−NMRにて決定した化合物1−1(特定光酸発生剤)のアニオン部位のF原子/H原子の個数比は16/1であった。
特定光酸発生剤1−1:1H−NMR(CDCl3、300MHz)δ:7.6−7.8(m,12H)
上記で得られたトリス(パーフルオロプロピル)トリフルオロリン酸カリウム1−C 31.6g(0.05mol)に水300mLを加えて50℃に加温した水溶液とし、この水溶液を上記で得られたトリス(4−クロロフェニル)スルホニウムクロリド1−Aの水溶液1Lに攪拌しながら室温にて滴下し5時間攪拌した。白色結晶として得られた特定光酸発生剤1−1をろ取し、イオン交換水で2回洗浄し30℃にて減圧乾燥し、特定光酸発生剤1−1を22g(0.23mol)得た。内部標準物質として2,6−ビス(トリフルオロメチル)ピリジンを用いて1H−NMR,19F−NMRにて決定した化合物1−1(特定光酸発生剤)のアニオン部位のF原子/H原子の個数比は16/1であった。
特定光酸発生剤1−1:1H−NMR(CDCl3、300MHz)δ:7.6−7.8(m,12H)
(実施例1)
−顔料分散物の調製−
C.I.ピグメントレッド 122(チバスペシャリティーケミカルズ社製 クロモフタールジェット マゼンタ DMQ)20質量%、ビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル(東亞合成社製 OXT−221)72質量%、および分散剤(ルーブリゾール社製 SOLSPERSE32000)8質量%を、この組成比でボールミルに入れて、直径0.6mmのジルコニアビーズを使用して、16時間分散して顔料分散物を得た。
−顔料分散物の調製−
C.I.ピグメントレッド 122(チバスペシャリティーケミカルズ社製 クロモフタールジェット マゼンタ DMQ)20質量%、ビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル(東亞合成社製 OXT−221)72質量%、および分散剤(ルーブリゾール社製 SOLSPERSE32000)8質量%を、この組成比でボールミルに入れて、直径0.6mmのジルコニアビーズを使用して、16時間分散して顔料分散物を得た。
下記組成となるように、調製した顔料分散物、カチオン重合性化合物、光酸発生剤(カチオン重合開始剤)、増感色素、及び分散剤を混合し、高速水冷式撹拌機により撹拌し、UVインクジェット用マゼンタインク組成物を得た。
<組成>
・着色剤:C.I.ピグメントレッド 122(チバスペシャリティーケミカルズ社製 クロモフタールジェット マゼンタ DMQ) 5.0部
・分散剤:(ルーブリゾール社製Solsperse32000) 2.0部
・2官能オキセタン化合物:ビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル(東亞合成社製 OXT−221) 20.0部
・2官能エポキシ化合物:リモネンジオキサイド(ダイセル化学工業社製 セロキサイド3000) 50.0部
・単官能オキセタン化合物:3-エチル-3-フェノキシメチルオキセタン(東亞合成社製 OXT−211) 15.0部
・特定光酸発生剤(1−1): 5.0部
・増感色素:9,10−ジブトキシアントラセン(川崎化成工業社製) 3.0部
・着色剤:C.I.ピグメントレッド 122(チバスペシャリティーケミカルズ社製 クロモフタールジェット マゼンタ DMQ) 5.0部
・分散剤:(ルーブリゾール社製Solsperse32000) 2.0部
・2官能オキセタン化合物:ビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル(東亞合成社製 OXT−221) 20.0部
・2官能エポキシ化合物:リモネンジオキサイド(ダイセル化学工業社製 セロキサイド3000) 50.0部
・単官能オキセタン化合物:3-エチル-3-フェノキシメチルオキセタン(東亞合成社製 OXT−211) 15.0部
・特定光酸発生剤(1−1): 5.0部
・増感色素:9,10−ジブトキシアントラセン(川崎化成工業社製) 3.0部
(実施例2〜5、比較例1〜4]
表1に記載の組成に変更した以外は、実施例1において調製したインク組成物と同様にして、実施例2〜5、比較例1〜4のインク組成物を調製した。特定光酸発生剤1−3、特定光酸発生剤1−4を形成するアニオン部位のF原子/H原子の個数比は、実施例1で用いた特定光酸発生剤1−1同様に16/1である。
なお、実施例5では顔料分散物調整時に、OXT−221 72質量%の替わりに、OXT−221 20質量%とOXT−211 52質量%を用いて行った。
表1に記載の組成に変更した以外は、実施例1において調製したインク組成物と同様にして、実施例2〜5、比較例1〜4のインク組成物を調製した。特定光酸発生剤1−3、特定光酸発生剤1−4を形成するアニオン部位のF原子/H原子の個数比は、実施例1で用いた特定光酸発生剤1−1同様に16/1である。
なお、実施例5では顔料分散物調整時に、OXT−221 72質量%の替わりに、OXT−221 20質量%とOXT−211 52質量%を用いて行った。
表中、特定光酸発生剤は、前記例示した化合物である。比較重合開始剤2−1〜2−3の構造式を下記に示す。
<印字、露光>
上記で得られた実施例及び比較例の各インク組成物を、ピエゾ方式のインクジェットヘッドを用いて打滴を行った。ヘッドは25.4mmあたり150のノズル密度で、318ノズルを有しており、これを2個ノズル列方向にノズル間隔の1/2ずらして固定することにより、被記録媒体上(メディア上)にはノズル配列方向に25.4mmあたり300滴打滴される。
上記で得られた実施例及び比較例の各インク組成物を、ピエゾ方式のインクジェットヘッドを用いて打滴を行った。ヘッドは25.4mmあたり150のノズル密度で、318ノズルを有しており、これを2個ノズル列方向にノズル間隔の1/2ずらして固定することにより、被記録媒体上(メディア上)にはノズル配列方向に25.4mmあたり300滴打滴される。
ヘッド及びインクは、ヘッド内に温水を循環させることにより吐出部分近辺が50±0.5℃となるように制御されている。ヘッドからのインク吐出は、ヘッドに付与されるピエゾ駆動信号により制御され、1滴あたり6〜42plの吐出が可能であって、本実施例及び比較例では、ヘッドの下1mmの位置で被記録媒体であるメディアが搬送されながらヘッドより打滴される。搬送速度は50〜200mm/sの範囲で設定可能である。またピエゾ駆動周波数は最大4.6kHzまでが可能であって、これらの設定により打滴量を制御することができる。
本実施例及び比較例では、搬送速度90mm/s、駆動周波数1.9kHzとすることにより、24plにインク吐出量を制御し、10g/m2の打滴を行い、ベタ印字画像を得た。
本実施例及び比較例では、搬送速度90mm/s、駆動周波数1.9kHzとすることにより、24plにインク吐出量を制御し、10g/m2の打滴を行い、ベタ印字画像を得た。
メディアは打滴された後、露光部に搬送され紫外発光ダイオード(UV−LED)により露光される。本実施例及び比較例では、UV−LEDは日亜化学工業(株)製の「NCCU033(商品名)」を用いた。このUV−LEDは、1チップから波長365nmの紫外光を出力するものであって、約500mAの電流を通電することにより、チップから約100mWの光が発光される。これを7mm間隔に複数個配列し、メディア表面で0.3W/cm2のパワーが得られる。打滴後露光されるまでの時間、及び露光時間は、メディアの搬送速度及びヘッドとLEDの搬送方向の距離により変更可能である。本実施例及び比較例では、着弾後、約0.5秒後に露光される。メディアとの距離及び搬送速度の設定に応じて、メディア上の露光エネルギーを0.01〜15J/cm2の間で調整することができる。本実施例では搬送速度により露光エネルギーを調整した。これら露光パワー、露光エネルギーの測定にはウシオ電機製スペクトロラディオメータURS−40D(商品名)を用い、波長220〜400nmの間を積分した値を用いた。本実施例及び比較例では、メディアとして厚みPETフィルムまたはポリ塩化ビニル製のシートを使用した。硬化した画像の厚みは19μmであった。
実施例1〜5及び比較例1〜4の各インクジェット用インク組成物に関して、感度、12週間経時したインクの吐出安定性、密着性および耐溶剤性に関して下記の方法で評価し、結果を表2に示した。
<1.湿度40%における感度の評価>
各実施例及び比較例で得られたインクジェット用インク組成物を、ポリ塩化ビニル製のシート上に打滴し、搬送速度を変えることにより積算露光量を調整し、当該インク組成物を硬化させ、印刷物を得た。印字から露光までを25℃、湿度40%の条件にて行った。硬化における露光エネルギーを光量積算計(EIT社製UV PowerMAP)により測定した。硬化性は印刷物の表面べとつきの有無を指蝕で判断し、べとつきがなくなる最小の積算露光量を下記基準により評価した。
A:100mJ/cm2未満
B:100mJ/cm2以上300mJ/cm2未満
C:300mJ/cm2以上500mJ/cm2未満
D:500mJ/cm2以上700mJ/cm2未満
E:700mJ/cm2以上
各実施例及び比較例で得られたインクジェット用インク組成物を、ポリ塩化ビニル製のシート上に打滴し、搬送速度を変えることにより積算露光量を調整し、当該インク組成物を硬化させ、印刷物を得た。印字から露光までを25℃、湿度40%の条件にて行った。硬化における露光エネルギーを光量積算計(EIT社製UV PowerMAP)により測定した。硬化性は印刷物の表面べとつきの有無を指蝕で判断し、べとつきがなくなる最小の積算露光量を下記基準により評価した。
A:100mJ/cm2未満
B:100mJ/cm2以上300mJ/cm2未満
C:300mJ/cm2以上500mJ/cm2未満
D:500mJ/cm2以上700mJ/cm2未満
E:700mJ/cm2以上
<2.湿度65%における感度の評価>
印字から露光までを25℃、湿度65%の条件にて行った以外は、上記と同様にして感度の評価を行った。実用的には感度の評価がC以上であることが必要であり、Aであることが特に好ましい。
印字から露光までを25℃、湿度65%の条件にて行った以外は、上記と同様にして感度の評価を行った。実用的には感度の評価がC以上であることが必要であり、Aであることが特に好ましい。
<3.経時保存インクの吐出安定性の評価>
各インク組成物を室温(25℃)で12週間保存後、ピエゾ型インクジェットノズルを有するインクジェット記録装置を用いて、ポリ塩化ビニル製のシートへの記録を行い、常温(25℃)で48時間連続印字したときの、ドット抜け及びインクの飛び散りの有無を目視にて観察し、下記基準により評価した。
A:ドット抜け又はインクの飛び散りが発生しないか、発生が2回以下。
B:ドット抜け又はインクの飛び散りが3〜10回発生。
C:ドット抜け又はインクの飛び散りが11回以上発生。
各インク組成物を室温(25℃)で12週間保存後、ピエゾ型インクジェットノズルを有するインクジェット記録装置を用いて、ポリ塩化ビニル製のシートへの記録を行い、常温(25℃)で48時間連続印字したときの、ドット抜け及びインクの飛び散りの有無を目視にて観察し、下記基準により評価した。
A:ドット抜け又はインクの飛び散りが発生しないか、発生が2回以下。
B:ドット抜け又はインクの飛び散りが3〜10回発生。
C:ドット抜け又はインクの飛び散りが11回以上発生。
<4.被記録媒体との密着性>
上記装置を用いてポリスチレン基板を被記録媒体として印字し、得られた硬化物のポリスチレン基板に対する密着性を評価した。
評価は、硬化物2cm×1cm角の範囲にセロテープ(登録商標)を貼りつけて強く圧着し、硬化物面と垂直に素早く剥離して、その後の硬化物の状態を目視観察することにより行った。
この密着性試験は、硬化物がポリスチレン基板から全く剥がれない状態を5点とした5段階評価で行った。実用上は3点以上であることが必要であり、4点以上であることが好ましい。
上記装置を用いてポリスチレン基板を被記録媒体として印字し、得られた硬化物のポリスチレン基板に対する密着性を評価した。
評価は、硬化物2cm×1cm角の範囲にセロテープ(登録商標)を貼りつけて強く圧着し、硬化物面と垂直に素早く剥離して、その後の硬化物の状態を目視観察することにより行った。
この密着性試験は、硬化物がポリスチレン基板から全く剥がれない状態を5点とした5段階評価で行った。実用上は3点以上であることが必要であり、4点以上であることが好ましい。
<5.硬化膜の耐溶剤性の評価>
上記インクジェット記録方法に従い、湿度65%、露光量1000mJ/cm2の条件にて、平均膜厚が12μmでA6サイズのベタ画像の描画行った。硬化膜を、イソプロピルアルコールを十分に含ませた綿棒で5往復擦り、硬化膜の剥がれ具合を評価した。評価基準は以下の通りである。
A:硬化膜が全く剥がれない。
B:綿棒が薄く着色する。
C:硬化膜の上面が剥がれ、インク面の色が薄くなる。
D:硬化膜が下部まで剥がれ、支持体が露出する。
上記インクジェット記録方法に従い、湿度65%、露光量1000mJ/cm2の条件にて、平均膜厚が12μmでA6サイズのベタ画像の描画行った。硬化膜を、イソプロピルアルコールを十分に含ませた綿棒で5往復擦り、硬化膜の剥がれ具合を評価した。評価基準は以下の通りである。
A:硬化膜が全く剥がれない。
B:綿棒が薄く着色する。
C:硬化膜の上面が剥がれ、インク面の色が薄くなる。
D:硬化膜が下部まで剥がれ、支持体が露出する。
表2から明らかなように、本発明に係る特定光酸発生剤を含有する実施例1〜5のインク組成物は、硬化感度が良好であり特に、高湿度下においても実用上問題のないレベルであることがわかる。また実施例のインク組成物は、経時における吐出安定性および基板との密着性についてもバランスよく良好であることがわかる。
(実施例6)
実施例1で用いた特定光酸発生剤1−1(F/H比 16/1)を、アニオン部位のF/H比が7/1である特定光酸発生剤1−1に変更し、それ以外は実施例1において調製したインク組成物と同様にして、実施例6のインク組成物を調製し、実施例1と同様にして、感度、12週間経時したインクの吐出安定性、密着性および耐溶剤性に関して評価し、結果を表4に示した。
実施例1で用いた特定光酸発生剤1−1(F/H比 16/1)を、アニオン部位のF/H比が7/1である特定光酸発生剤1−1に変更し、それ以外は実施例1において調製したインク組成物と同様にして、実施例6のインク組成物を調製し、実施例1と同様にして、感度、12週間経時したインクの吐出安定性、密着性および耐溶剤性に関して評価し、結果を表4に示した。
Claims (10)
- (a)ハメットのσ値が+0.1以上の電子求引性基を置換基として有するアリール基を1つ以上有するトリアリールスルホニウムカチオンとRf−P結合を有するアニオンとからなる光酸発生剤、(b)カチオン重合性化合物、(c)増感色素、および(d)着色剤を含有することを特徴とするインク組成物。
(Rfは1以上のフッ素原子を含むフッ化アルキル基を表し、Pはリン原子を表す。) - 前記Rf−P結合を有するアニオンにおけるRfで示されるフッ化アルキル基が有するフッ素原子の数が水素原子の数に対して5倍以上である請求項1に記載のインク組成物。
- 前記一般式(4)で表されるカチオンが有する電子求引性基Rのハメットのσ値の総和が+0.22以上+3.3以下である請求項4に記載のインク組成物。
- 前記一般式(4)で表されるカチオンが有する電子求引性基Rが塩素原子または臭素原子である請求項4に記載のインク組成物。
- 前記(b)カチオン重合性化合物が、2官能以上のオキセタン化合物の少なくとも1種と2官能以上のエポキシ化合物の少なくとも1種とを含み、該2官能以上のオキセタン化合物と該2官能以上のエポキシ化合物の質量比が、50:50〜10:90である請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載のインク組成物。
- 前記(c)増感色素がアントラセン骨格を有する化合物である請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載のインク組成物。
- インクジェット記録用である請求項1〜請求項8のいずれか1項に記載のインク組成物。
- (a)被記録媒体上に請求項1〜請求項9のいずれか1項に記載のインク組成物を吐出する工程、及び(b)吐出されたインク組成物に活性放射線を照射して、インク組成物を硬化する工程、を含むインクジェット記録方法。
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-
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