JP2011063650A - 金属材料用表面処理剤、表面処理方法、および表面処理金属材料 - Google Patents

金属材料用表面処理剤、表面処理方法、および表面処理金属材料 Download PDF

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Abstract

【課題】諸性能に優れた特性を示す表面処理金属鋼板を得るために使用される金属材料用表面処理剤を提供する。
【解決手段】M単位、D単位、T単位、およびQ単位からなる群から選択されるいずれかの単位から構成され、分子中に少なくともT単位および/またはQ単位を有する三次元網目状構造を有し、Rとしてエポキシ基およびアミノ基から選ばれる官能基(a1)を有する基を含む単位と、Rとしてアルキル基を含む単位とを有し、一分子中における官能基(a1)を含むM単位、D単位、およびT単位の合計モル量(α)と、一分子の全構成単位モル量(β)との比(β/α)が1.5以上であり、分子量が200〜20000であるオルガノポリシロキサン化合物と、Zr、TiおよびVからなる群から選ばれる少なくとも1種以上の金属元素を含む金属化合物(B)と、−Si(OH)3を有する化合物(C)と、水とを含む。
【選択図】なし

Description

本発明は、金属材料用表面処理剤、その金属材料用表面処理剤を用いた表面処理方法、および表面処理金属材料に関する。
亜鉛系めっき鋼板に代表される金属材料は、自動車、家電、建材など様々な分野で使用されている一方で、大気中で腐食して白錆と呼ばれる腐食生成物を形成するという耐食性の問題を有している。
そのため、従来、金属材料の表面には、耐食性を改善する目的で、クロム酸水溶液を含む処理液を用いて、6価クロムと3価クロムとを含む皮膜層を形成させるクロメート処理が一般的に施されていた。
しかし、6価クロムなどの人体に有害な化合物は、排水処理の際に水質汚濁防止法に規定されている特別な処理を施す必要がある。そのため、近年の地球的環境保全への意識の高揚に伴って、その使用を出来る限り控えるという動きが強くなってきている。
6価クロムを用いない表面処理については、多くの改良研究が進められている。例えば、特許文献1〜6には、金属材料表面をクロム未含有の有機皮膜(樹脂皮膜)で直接被覆する技術が開示されている。
具体的には、特許文献1には、水性樹脂と水と硫化物イオンとを含有する組成物を、塗布、乾燥して得られる亜鉛系被覆鋼が開示されている。特許文献2には、特定の結合を有する化合物、シリカおよび樹脂エマルションを含有する水分散型金属表面処理組成物で被覆された亜鉛系めっき鋼板が開示されている。特許文献3には、特定の水性分散樹脂、シリカ粒子、および有機インヒビターを含有する水系処理剤を用いて、皮膜を形成した表面処理金属材料が開示されている。特許文献4には、ノニオン性水性樹脂分散液、加水分解性チタン、有機リン酸化合物およびバナジウム化合物を含む表面処理組成物を用いて、金属素材を処理した表面処理金属板が開示されている。特許文献5には、アイオノマー樹脂と、カルボキシル基と反応する水溶性ジルコニウムおよび/または水溶性チタン化合物とを含有する水分散型防錆塗料組成物が開示されている。特許文献6には、加水分解性チタン、有機リン酸化合物、ノニオン性水性樹脂分散液、バナジウム化合物、およびジルコニウム化合物を含有する金属表面処理組成物を用いて、金属素材を処理した表面処理金属板が開示されている。
また、特許文献7〜10には、無機成分を主体としたクロム未含有の皮膜で金属材料を被覆する技術が記載されている。
具体的には、特許文献7には、チタンおよび/またはジルコニウム、リン酸化合物、およびグアニジン化合物を含有する皮膜を有した金属板が開示されている。特許文献8には、水溶性のリン酸塩化合物、キレート剤、および腐食抑制剤を含む処理剤で表面処理された亜鉛めっき鋼板が開示されている。特許文献9には、バナジウム化合物とジルコニウムなどの金属化合物とを含有する金属材料用表面処理剤により形成された皮膜を有する表面処理金属材料が開示されている。特許文献10には、4価のバナジウムとSiとリン酸化合物とで構成された皮膜を有する鋼板が提案されている。これらの技術については、水系の樹脂を併用することにより、耐食性がより向上することが報告されている。
さらに、特許文献11〜13においても、無機成分を主体としたクロム未含有の皮膜で鋼板を被覆する技術が提案されている。
具体的には、特許文献11には、リン酸、4個以上のフッ素原子からなるチタン、ジルコニウム、シランカップリング剤などを含む組成物を用いて、得られる皮膜を有する鋼板が開示されている。特許文献12には、アミノ基を有するシランカップリング剤、グリシジル基を有するシランカップリング剤、チタンフッ化水素酸などを含む処理剤を用いて得られる、皮膜を有する鋼板が開示されている。特許文献13では、シリカゾルバインダーとリン酸イオン、フッ化物イオンなどからなる皮膜を有する鋼板が提案されている。
特開平8−67834号公報 特開平9−221595号公報 特開2002−241956号公報 特開2004−238638号公報 特開2005−15514号公報 特開2006−009121号公報 特開2004−2950号公報 特開2002−155375号公報 特開2002−30460号公報 特開2005−48199号公報 特開2006−213958号公報 特開2007−51365号公報 特開2007−177314号公報
亜鉛系めっき鋼板などの金属材料表面は、耐食性だけではなく、アルカリ脱脂後の耐食性、アース性、耐熱性、塗装性(塗膜密着性)、耐指紋性などの諸性能にも優れることが要求される。
上述した従来の樹脂皮膜を金属材料表面に形成する際、所定の耐食性を得るためには、1g/m2以上の樹脂皮膜の皮膜量を必要とする場合が多い。また、所定の耐指紋性を得るためにも、樹脂皮膜の皮膜量を多くする必要がある。しかし、このように皮膜量を多くすると、皮膜が絶縁性となり、アース性が得られなくなるという問題が発生する。つまり、耐食性および耐指紋性と、アース性とは、その性能がトレードオフの関係にある場合が多い。
さらに、樹脂皮膜は高温環境下では分解してしまうため、耐熱性という点では実用上必ずしも満足いくものではなく、更なる改良が望まれている。
一方、無機成分を主体としたクロム未含有の皮膜を鋼板に形成する場合、例えば、特許文献11〜13に記載の皮膜を有する鋼板は、良好な耐食性および耐熱性を示す。しかし、得られる皮膜中には酸成分が多く存在するため、アース性および塗装性(塗膜密着性)に問題がある。
また、皮膜を有する鋼板が無塗装で使用される場合、鋼板表面に指紋が付着して、外観が損なわれるという問題もある。
以上のように、皮膜の耐食性、アルカリ脱脂後の耐食性、アース性、耐熱性、塗装性(塗膜密着性)、および耐指紋性などの諸性能を総合的に満足させる金属材料用表面処理剤は得られておらず、クロメート処理の代替には至っていない。特に、優れた耐食性、アルカリ脱脂後の耐食性、アース性、および耐指紋性を併せ持つ表面処理金属材料を製造できる表面処理剤の開発が強く望まれている。
そこで、本発明は、耐食性、アルカリ脱脂後の耐食性、アース性、耐熱性、塗装性(塗膜密着性)、および耐指紋性などの諸性能に優れた特性を示す表面処理金属鋼板を得ることができる金属材料用表面処理剤、それを用いた表面処理方法、および表面処理された金属材料を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、所定のオルガノポリシロキサン化合物と、所定の金属元素を含む金属化合物と、−Si(OH)3基を所定数有する化合物とを併用することにより、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、以下に示す(1)〜(8)である。
(1) M単位(R3SiO1/2)、D単位(R2SiO)、T単位(RSiO3/2)、およびQ単位(SiO2)からなる群から選択されるいずれかの単位から構成され、分子中に少なくともT単位および/またはQ単位を有する三次元網目状構造を有し、1分子中にRとしてエポキシ基およびアミノ基から選ばれる官能基(a1)を有する基を含む単位と、Rとしてアルキル基を含む単位とを有し、官能基(a1)を有する基を含む単位のモル量(α)と、全構成単位のモル量(β)との比(β/α)が1.5以上であり、重量平均分子量が200〜20000であるオルガノポリシロキサン化合物(A)(ただし、Rは、それぞれ独立に、ヒドロキシ基、アルキル基、アルコキシ基、または、エポキシ基およびアミノ基から選ばれる官能基を有する基を示す。)と、
Zr、Ti、およびVからなる群から選ばれる少なくとも1種以上の金属元素を含む金属化合物(B)と、
反応性官能基(c1)を有するシランカップリング剤と、前記反応性官能基(c1)と反応可能な官能基(c2)を有する化合物とを、前記反応性官能基(c1)を介して反応させて得られる化合物で、1分子中に−Si(OH)3で示される官能基(c)を2個以上有し、前記官能基(c)1個あたりの分子量(重量平均分子量/官能基数)が100〜5000の範囲にある化合物(C)と、
水と、を含む金属材料用表面処理剤。
(2) 前記反応性官能基(c1)または前記官能基(c2)のいずれか一方が、アミノ基またはエポキシ基である、(1)に記載の金属材料用表面処理剤。
(3) 前記オルガノポリシロキサン化合物(A)の質量と前記化合物(B)中の金属元素の質量との質量比(B/A)が0.020〜4.597である、(1)または(2)に記載の金属材料用表面処理剤。
(4) 前記オルガノポリシロキサン化合物(A)と前記化合物(C)との質量比(C/A)が0.014〜1.429である、(1)〜(3)のいずれかに記載の金属材料用表面処理剤。
(5) 水溶性高分子、水系エマルション樹脂、およびワックスからなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物(D)をさらに含有する、(1)〜(4)のいずれかに記載の金属材料用表面処理剤。
(6) シリコーンオイル、および変性シリコーンオイルからなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物(F)をさらに含有する、(1)〜(5)のいずれかに記載の金属材料用表面処理剤。
(7) (1)〜(6)のいずれかに記載の金属材料用表面処理剤を金属材料表面上に塗布し、加熱乾燥し、皮膜量が25〜1000mg/m2の皮膜を前記金属材料表面上に形成する、金属材料の表面処理方法。
(8) (7)に記載の金属材料の表面処理方法により得られる皮膜を有する金属材料。
本発明によれば、耐食性、アルカリ脱脂後の耐食性、アース性、耐熱性、塗装性(塗膜密着性)、および耐指紋性などの諸性能に優れた特性を示す表面処理金属鋼板を得ることができる金属材料用表面処理剤、それを用いた表面処理方法、および表面処理された金属材料を提供することができる。
以下に、本発明に係る金属材料用表面処理剤、およびその処理剤を使用した表面処理方法、さらにはその表面処理方法により得られる皮膜を有する金属材料について説明する。
まず、金属材料用表面処理剤について説明する。
<金属材料用表面処理剤>
本発明に係る金属材料用表面処理剤は、4つの成分を含有する。
具体的には、後述するオルガノポリシロキサン化合物(A)と、後述する所定の金属元素を含む金属化合物(B)と、−Si(OH)3基を有する化合物(C)と、水とを含む。
以下、本発明に係る金属材料用表面処理剤に含まれる各成分について説明する。
<オルガノポリシロキサン化合物(A)>
オルガノポリシロキサン化合物(A)は、M単位(R3SiO1/2)、D単位(R2SiO)、T単位(RSiO3/2)、およびQ単位(SiO2)からなる群から選択されるいずれかの単位から構成され、分子中に少なくともT単位および/またはQ単位を有する三次元網目状構造を有し、Rとしてエポキシ基およびアミノ基から選ばれる官能基(a1)を有する基を含む単位と、Rとしてアルキル基を含む単位とを有し、一分子中におけるRとして官能基(a1)を有する基を含むM単位、D単位、およびT単位の合計モル量(α)と、一分子の全構成単位モル量(β)との比(β/α)が1.5以上であり、重量平均分子量が200〜20000である。
オルガノポリシロキサン化合物(A)を使用することにより、得られる皮膜の耐食性、アルカリ脱脂後の耐食性、アース性、耐熱性、塗装性(塗膜密着性)、および耐指紋性など諸特性を向上させることができる。
より詳細には、化合物(A)中のM単位(R3SiO1/2)、D単位(R2SiO)、T単位(RSiO3/2)、および/またはQ単位(SiO2)間でシロキサン結合(Si−O結合)を形成し、難溶性の皮膜が形成される。
特に、オルガノポリシロキサン化合物(A)において、構成単位中にエポキシ基およびアミノ基から選ばれる官能基(a1)を有する基を含む場合、化合物(A)と基材との密着性が良好となるため、得られる皮膜の塗装性(塗膜密着性)が向上したと考えられる。
また、アルキル基を有する構成単位は、乾燥後の皮膜中で、これらの基を外側に向けた構造をとると考えられる。これにより、化合物(A)がアルキル基を有する構成単位を有すると、得られる皮膜のバリアー性が良好となり、結果として皮膜の諸特性が向上し、特に、耐食性、アルカリ脱脂後の耐食性、および耐指紋性がより向上したと考えられる。
なお、該オルガノポリシロキサン化合物(A)と、後述する金属化合物(B)と、後述する化合物(C)とを併用することにより、各種性能が向上する。例えば、それぞれの単独物質または2種を使用しても、優れた耐食性、または、優れたアルカリ脱脂後の耐食性は得られない。一方、3つを併用すると、優れた耐食性、およびアルカリ脱脂後の耐食性が得られ、これは3つの化合物を併用することにより得られる相乗効果といえる。
金属材料用表面処理剤中におけるオルガノポリシロキサン化合物(A)の含有量は、特に限定されないが、得られる皮膜の耐食性、アルカリ脱脂後の耐食性、アース性、耐熱性、塗装性(塗膜密着性)がより優れる観点から、金属材料用表面処理剤中の全固形分に対して、8.3〜91.1質量%が好ましく、21.4〜83.5質量%がより好ましい。なお、全固形分とは、後述する皮膜を構成する固形成分(特に、該化合物(A)、後述する化合物(B)〜(F)の成分)を意味し、溶媒などは含まれない。
オルガノポリシロキサン化合物(A)は、M単位(R3SiO1/2)、D単位(R2SiO)、T単位(RSiO3/2)、およびQ単位(SiO2)からなる群から選択されるいずれかの単位から構成され、分子中に少なくともT単位および/またはQ単位を有する三次元構造(三次元網目状構造)を有している。例えば、M/D/T系、M/D/T/Q系、M/D/Q系、M/T系、M/T/Q系、M/Q系、D/T系、D/T/Q系、D/Q系、T系、T/Q系の組合せが挙げられる。
化合物(A)中における各単位の含有量(モル%)は特に限定されないが、M単位、D単位、およびT単位の合計モル%は、15モル%以上が好ましく、20モル%以上がより好ましい。なお、上限は特に制限されないが、化合物(A)がM単位、D単位およびT単位から構成されている場合(合計モル%:100モル%)であってもよい。
なお、該モル%の測定方法としては、29Si−NMRおよび1H−NMRなどを使用することにより行うことができる。
M単位、D単位、T単位中のRは、それぞれ独立に、ヒドロキシ基、アルキル基、アルコキシ基、または、エポキシ基およびアミノ基から選ばれる官能基を有する基を表す。
Rとして表されるアルキル基は、特に限定されないが、炭素数1〜4のアルキル基が好ましい。炭素数1〜4のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基などが挙げられ、好ましくはメチル基およびエチル基である。
Rとして表されるアルコキシ基は、特に限定されないが、例えば、炭素数1〜4のアルコキシ基が好ましく挙げられる。なお、アルキル基またはアルコキシ基の炭素数が4を超えると、処理剤中での化合物(A)の相溶性が低下する場合がある。
Rは、エポキシ基およびアミノ基から選ばれる官能基(a1)を有する基(以後、適宜、官能基(a1)を有する基と称する)を表す。このような基としては、上記の所定の官能基(a1)を有していればその構造は特に制限されず、例えば、アルキル基またはアリール基に、エポキシ基またはアミノ基が結合した基であってもよい。なお、エポキシ基としては、脂環式エポキシ基も含む。
化合物(A)中にこれらの基が含まれていると、耐食性および塗装性(塗膜密着性)がより優れる。
官能基(a1)を有する基の好適な実施態様としては、以下の式(A)で表される基が挙げられる。
*−W−(Z) 式(A)
式(A)中、Wは連結基または単結合を表す。Zは、それぞれ独立に、エポキシ基またはアミノ基を表す。
Wで表される連結基としては、例えば、アルキレン基(炭素数1〜20が好ましく)、−O−、−S−、アリーレン基、−CO−、−NH−、−SO−、−COO−、−CONH−、またはこれらを組み合わせた基が挙げられる。なかでも、アルキレン基が好ましい。
nは、1〜4の整数を表し、なかでも、耐食性および塗装性(塗膜密着性)がより優れる点で、1〜3が好ましい。*は、ケイ素原子(Si原子)との結合位置を示す。
オルガノポリシロキサン化合物(A)は、Rとして官能基(a1)を有する基を含む単位(M単位、D単位、またはT単位)を有する。該構成単位を含むことにより、得られる皮膜の耐食性、塗装性(塗膜密着性)がより優れる。
例えば、M単位中の3つのRのうち少なくとも1つが官能基(a1)を有する基であればよく、2つまたは3つが官能基(a1)を有する基であってもよい。なかでも、M単位中の3つのRのうち一つが官能基(a1)で表される基であり、他の二つのRが、それぞれ独立に、ヒドロキシ基またはアルコキシ基であるM単位が好ましい。
また、D単位中の2つのRのうち少なくとも1つが官能基(a1)を有する基であればよい。なかでも、D単位中の一つのRが官能基(a1)で表される基であり、もう一方のRがヒドロキシ基またはアルコキシ基であるD単位が好ましい。
なお、耐食性がより優れる点から、Rとして官能基(a1)を有する基を含むM単位、T単位を有することが好ましい。
一分子中におけるRとして官能基(a1)を有する基を含むM単位、D単位、およびT単位の合計モル量(α)と、一分子の全構成単位モル量(β)との比(β/α)は、1.5以上であり、好ましくは2.0〜40.0であり、より好ましくは2.0〜30.0である。該比が1.5未満の場合は、得られる皮膜の耐食性、および耐指紋性が劣るため好ましくない。また、この値が40.0を超える場合、処理剤中での化合物(A)の相溶性が低下する場合がある。
オルガノポリシロキサン化合物(A)は、Rとしてアルキル基を含む単位(M単位、D単位、またはT単位)を有する。該構成単位を含むことにより、得られる皮膜のアルカリ脱脂後の耐食性および耐指紋性がより向上する。なお、化合物(A)の1分子中において、官能基(a1)を有する基の数よりもアルキル基の数の方が多い方が好ましい。
例えば、M単位中の3つのRのうち少なくとも1つがアルキル基であればよく、2つまたは3つがアルキル基であってもよい。なかでも、M単位中の3つのRのうち一つがアルキル基であり、他の二つのRが、それぞれ独立に、ヒドロキシ基またはアルコキシ基であるM単位が好ましい。
また、D単位中の2つのRのうち少なくとも1つがアルキル基であればよい。なかでも、D単位中の一つのRがアルキル基であり、もう一方のRがヒドロキシ基またはアルコキシ基であるD単位が好ましい。
一分子中におけるRとしてアルキル基を含むM単位、D単位、およびT単位の合計モル量(γ)と、一分子の全構成単位モル量(β)との比(β/γ)は、1.40以上が好ましく、より好ましくは1.42〜57.20である。該比が1.40未満の場合は、皮膜の塗装性(塗膜密着性)が劣ることがあるため好ましくない。また、該比が57.20を超える場合、皮膜のアルカリ脱脂後の耐食性および耐指紋性が低下する場合がある。
なお、複数(2つまたは3つ)のRを含むD単位、T単位中において、官能基(a1)を有する基とアルキル基とが共に含まれていてもよい。
オルガノポリシロキサン化合物(A)の重量平均分子量は200〜20000であり、300〜10000であることが好ましい。重量平均分子量が200未満の場合、化合物の合成が難しく、得られる皮膜の耐食性、アルカリ脱脂後の耐食性、および塗装性が劣る。一方、重量平均分子量が20000を超えると、処理剤中での化合物(A)の相溶性が低下する。
なお、該分子量の測定は、GPC測定、NMR測定によって行うことができる。
オルガノポリシロキサン化合物(A)の製造方法は、特に限定されないが、例えば、官能基(a1)を有するシランカップリング剤を用いることが好ましい。より具体的には、官能基(a1)を有するシランカップリング剤と他の種類のアルコキシシラン(トリアルコキシシラン、テトラアルコキシシランなど)とを加水分解縮合反応させる方法などが挙げられる。
なお、オルガノポリシロキサン化合物(A)の製造条件は、使用される化合物によって適宜最適な条件が選択される。また、反応の際には適宜溶媒を使用してもよく、溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロピルアルコール、アセトン、メチルエチルケトン、ジアセチルアルコール、水などが挙げられる。
アルコキシ基を有するシランカップリング剤および/またはアルコキシシラン(例えば、アルキル基を有するシランカップリング剤)を用いてオルガノポリシロキサン化合物(A)を製造する場合、反応前のシランカップリング剤およびアルコキシシラン中の核磁気共鳴分析(1H−NMR)測定によるアルコキシ基由来のピーク強度と、反応後の生成物である化合物(A)中の1H−NMR測定によるアルコキシ基由来のピーク強度の強度比(反応前/反応後)が、1.1〜7.0であることが好ましく、1.5〜6.0であることがより好ましい。強度比が1.1未満の場合、得られる皮膜のアルカリ脱脂後の耐食性、および耐指紋性が低下する場合がある。強度比が7.0を超える場合、処理剤中での化合物(A)の相溶性が低下する場合がある。
<化合物(A)の好適態様>
オルガノポリシロキサン化合物(A)の好適態様として、M単位、D単位、およびT単位により構成される三次元網目状構造を有する化合物が挙げられる。該化合物を使用すると、得られる皮膜の耐食性、アルカリ脱脂後の耐食性、アース性、耐熱性、塗装性(塗膜密着性)がより優れる点で好ましい。
M単位、D単位、およびT単位から構成される三次元網目状の化合物の構造は特に限定されないが、アルコキシ基と官能基(a1)とを有するシランカップリング剤と、その他のアルコキシシラン(例えば、アルキル基を有するシランカップリング剤)との反応により得られる化合物が挙げられる。
反応形式は特に限定されないが、通常、シランカップリング剤とアルコキシシランとの間の加水分解・縮合反応により反応が進む。反応条件としては所定のオルガノポリシロキサン化合物(A)が得られれば、特に限定されず、必要に応じて酸・塩基などを使用してもよい。
官能基(a1)を有するシランカップリング剤としては、特に限定されないが、例えば、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、および2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシランなどのエポキシシラン、N−(2−アミノエチル)3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−(アミノエチル)3−アミノプロピルトリメトキシシラン、および3−アミノプロピルトリエトキシシランなどのアミノシラン、などが挙げられる。
また、反応に使用されるアルコキシシランとしては特に限定されず、トリアルコキシシランなどが挙げられる。より具体的には、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリプロポキシシラン、メチルトリブトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、プロピルトリメトキシシラン、プロピルトリエトキシシラン、ブチルトリメトキシシラン、ペンチルトリメトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン、オクチルトリメトキシシラン、デシルトリメトキシシラン、ドデシルトリメトキシシラン、デシルトリメトキシシラン、オクタデシルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、3,3,3−トリフロロプロピルトリメトキシシランなどのアルキル基を有するアルコキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、などが挙げられる。
<金属化合物(B)>
本発明の金属材料用表面処理剤には、Zr、Ti、およびVからなる群から選ばれる少なくとも1種以上の金属元素を含む金属化合物(B)が含まれる。
金属化合物(B)は、上述した化合物(A)の三次元架橋構造を有する皮膜中に固定化され、その結果、皮膜の耐食性、アルカリ脱脂後の耐食性、アース性が向上すると推測される。
金属化合物(B)は、上記金属元素を含んでいれば特に限定されないが、例えば、上記金属を含む硝酸塩、硫酸塩、酢酸塩、リン酸塩、アンモニウム塩、フッ化物などが挙げられる。
より具体的には、Zrを含む金属化合物としては、炭酸ジルコニウムアンモニウム、硝酸ジルコニウム、オキシ硝酸ジルコニウム、酢酸ジルコニル、ジルコンフッ化アンモニウム、硫酸ジルコニル、ジルコンフッ酸、およびジルコニアゾルなどが挙げられる。また、水溶性ジルコニウム塩の水溶液を、イオン交換やアルカリ中和して作られるジルコン酸およびその塩も挙げられる。
Tiを含む金属化合物としては、例えば、硫酸チタニル、硝酸チタニル、硝酸チタン、塩化チタニル、塩化チタン、チタニアゾル、酸化チタン、チタンフッ化アンモニウム、しゅう酸チタン酸カリウム、チタンラクテート、チタンアセチルアセトネート、ジイソプロピルチタニウムビスアセチルアセトンなどが挙げられる。また、硫酸チタニルの水溶液を熱加水分解させて得られるメタチタン酸や、アルカリ中和で得られるオルソチタン酸およびこれらの塩も挙げられる。
Vを含む金属化合物としては、例えば、五酸化バナジウム、メタバナジン酸アンモニウム、メタバナジン酸ナトリウム、オキシ3塩化バナジウム、三酸化バナジウム、二酸化バナジウム、オキシ硫酸バナジウム、バナジウムオキシアセチルアセトネート、バナジウムアセチルアセトネート、3塩化バナジウム、リンバナドモリブテン酸、硫酸バナジウムなどが挙げられる。
金属材料用表面処理剤中における金属化合物(B)中の金属元素の含有量は、特に限定されないが、得られる皮膜の耐食性、アルカリ脱脂後の耐食性、アース性がより優れるという観点から、金属材料用表面処理剤中の全固形分に対して、1.8〜38.0質量%が好ましく、3.4〜32.6質量%がより好ましい。
<化合物(C)>
化合物(C)は、反応性官能基(c1)を有するシランカップリング剤と、反応性官能基(c1)と反応可能な官能基(c2)を有する化合物とを、反応性官能基(c1)と官能基(c2)とを介して反応させて得られる化合物であって、1分子中に−Si(OH)3で示される官能基(c)を2個以上有し、官能基(c)1個あたりの分子量(重量平均分子量/官能基数)が100〜5000の範囲にある化合物(有機ケイ素化合物)である。
化合物(C)は、1分子中に−Si(OH)3で示される官能基(c)を2個以上有する。なかでも、2〜8個がより好ましい。なお、1分子中に官能基(c)を1個しか含まない場合は、金属材料表面に対する密着性が低下するため好ましくない。
なお、化合物(C)は、−Si(OH)3以外にも−Si(OX)3基で表される加水分解性基を有していてもよい(ただし、Xはアルキル基を表す。なかでも、炭素数1〜4が好ましい。)。得られる皮膜の諸特性がより優れる点からは、−Si(OX)3基を実質的に有していないことが好ましい。
化合物(C)は、官能基(c)1個あたりの分子量(重量平均分子量/官能基数)が100〜5000の範囲にあることが好ましく、より好ましくは120〜4000の範囲であり、特に好ましくは150〜3000の範囲である。官能基(c)1個あたりの分子量が100未満の場合は、化合物の合成が難しく、得られる皮膜の耐食性、および密着性が劣るため好ましくない。一方、5000を超える場合は、官能基(c)の特徴である金属材料表面に対する密着性が低下するため好ましくない。
なお、分子量の測定方法としては、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)やNMRを用いて測定することができる。
また、化合物(C)の骨格としては、特に限定されないが、エステル結合、エーテル結合、酸アミド結合、アミド結合、ウレタン結合、ウレア結合、ビニル結合などの結合を有していることが好ましい。
化合物(C)を用いることにより、皮膜中に三次元架橋構造が形成されるため、得られる皮膜の耐食性、アルカリ脱脂後の耐食性が向上したと推測される。また、化合物(C)の官能基(c)は金属材料(特に、亜鉛)との密着性が良好であるため、得られる耐食性、アルカリ脱脂後の耐食性、塗装性(塗膜密着性)が向上したと推測される。さらに、官能基(c)1個あたりの分子量(重量平均分子量/官能基数)が100〜5000の範囲にあることより、皮膜のアース性が向上したと推測される。
反応性官能基(c1)としては、他の官能基と反応して結合を形成する基であれば、特に限定されないが、例えば、エポキシ基、アミノ基、メルカプト基、アクリロキシ基、ウレイド基、イソシアナート基、およびビニル基からなる群から選択される官能基が好ましい。なかでも、後述する官能基(c2)との反応性に優れ、得られる皮膜の諸特性がより優れる点から、エポキシ基、アミノ基、またはビニル基が好ましい。
反応性官能基(c1)を有するシランカップリング剤の好ましい実施態様の一つとして、一般式(1)で表される化合物が挙げられる。
一般式(1)中、Xは、エポキシ基、アミノ基、メルカプト基、アクリロキシ基、ウレイド基、イソシアナート基、およびビニル基からなる群から選択されるいずれかの官能基を表す。Lは、連結基、または単なる結合手を表す。Yは、それぞれ独立に、炭素数1〜4のアルキル基、アルコキシ基、または水酸基を表す。ただし、Yのうち少なくとも1つは、アルコキシ基または水酸基を表す。
一般式(1)中、Xは、エポキシ基、アミノ基、メルカプト基、アクリロキシ基、ウレイド基、イソシアナート基、およびビニル基からなる群から選択されるいずれかの官能基を表す。なかでも、エポキシ基、アミノ基、ビニル基が好ましい。
一般式(1)中、Lは、連結基、または単なる結合手を表す。Lで表される連結基としては、例えば、アルキレン基(炭素数1〜20が好ましい)、−O−、−S−、アリーレン基、−CO−、−NH−、−SO2−、−COO−、−CONH−、またはこれらを組み合わせた基が挙げられる。なかでも、アルキレン基が好ましい。単なる結合手の場合、一般式(1)のXがSi(ケイ素原子)と直接連結することをさす。
一般式(1)中、Yは、それぞれ独立に、炭素数1〜4のアルキル基、アルコキシ基、または水酸基を表す。なかでも、炭素数1〜3のアルコキシ基、および水酸基が好ましい。
ただし、Yのうち少なくとも1つは、アルコキシ基または水酸基を表す。なかでも、Yのうち2〜3個がアルコキシ基また水酸基であることが好ましく、3個が該基であることがより好ましい。
反応性官能基(c1)を有するシランカップリング剤としては、例えば、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、および2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシランなどのエポキシシラン、N−(2−アミノエチル)3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−(アミノエチル)3−アミノプロピルトリメトキシシラン、および3−アミノプロピルトリエトキシシランなどのアミノシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシランなどのメルカプトシラン、3−イソシアネートプロピルトリメトキシシラン、3−イソシアネートプロピルトリエトキシシランなどのイソシアネートシラン、ビニルトリエトキシシラン、p−スチリルトリメトキシシランなどのビニル基含有シランなどが挙げられる。
官能基(c2)を有する化合物中における官能基(c2)としては、上記の反応性官能基(c1)と反応可能であれば、特に限定されず、エポキシ基、アミノ基、メルカプト基、アクリロキシ基、ウレイド基、イソシアナート基、およびビニル基などが挙げられ、得られる皮膜の諸特性がより優れる点から、エポキシ基またはアミノ基が好ましい。なかでも、上記の反応性官能基(c1)と異なる官能基が好ましく挙げられる。
官能基(c2)を有する化合物としては、例えば、上記の反応性官能基(c1)を有するシランカップリング剤や、エチレンジアミン、アミノプロパンチオールなどのアミン化合物、トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールポリグリシジルエーテルなどのエーテル化合物、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂などのエポキシ樹脂が挙げられる。なかでも、反応性官能基(c1)を有するシランカップリング剤で例示したシランカップリング剤が好ましい。
なお、反応性官能基(c1)と官能基(c2)との反応形式は特に限定されず、付加反応(例えば、エポキシ基またはイソシアナート基とアミン基またはメルカプト基との反応、ビニル基同士の重付加など)、重縮合反応などが挙げられる。
反応条件は、使用される化合物によって適宜最適な条件が選択される。また、反応の際に、溶媒(例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロピルアルコール、アセトン、メチルエチルケトン、ジアセチルアルコール、水など)を使用してもよい。
反応性官能基(c1)を有するシランカップリング剤と、官能基(c2)を有する化合物との反応比は、特に制限されないが、シランカップリング剤/化合物(モル比)が9/1〜1/9が好ましく、7/3〜3/7がより好ましい。
<化合物(C)の好適態様>
化合物(C)の好ましい実施形態の一つとして、反応性官能基(c1)を有するシランカップリング剤と、反応性官能基(c1)と反応可能な官能基(c2)を有するシランカップリング剤との反応生成物が挙げられる。
該反応生成物を使用すると、耐食性、アース性、耐指紋性など皮膜の諸性能において優れた効果を示す。
化合物(C)の好ましい他の実施形態の一つとして、ビニル基を有するシランカップリング剤と、共重合可能なビニル化合物との反応(重合)により得られる化合物(反応生成物)が挙げられる。
ビニル基を有するシランカップリング剤としては、ビニル基を有していれば特に限定されないが、例えば、γ−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、ビニルトリクロルシラン、ビニルトリメトキシシンランなどが挙げられる。
また、共重合可能なビニル化合物としては、特に限定されないが、例えば、アクリル酸、ブチルアクリレート、メチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレートなどが挙げられる。
上述の化合物を使用した反応形式は特に限定されず、例えば、アニオン重合、カチオン重合、ラジカル重合などが挙げられる。なかでも、ラジカル重合が好ましい。なお、選択される反応形式に応じて、公知の重合開始剤などを適宜使用してもよい。
<水>
本発明の金属材料用表面処理剤には、溶媒として水が含まれる。金属材料用表面処理剤中における水の含有量は、特に限定されないが、処理剤の取り扱いがより容易であるという観点から、処理剤全量に対して、30〜99質量%が好ましく、40〜95質量%がより好ましい。
金属材料用表面処理剤中における、化合物(A)の質量と金属化合物(B)中の金属元素の質量との質量比(B/A)は、0.020〜4.597であることが好ましく、0.041〜1.522であることがより好ましい。質量比が0.020未満であると、耐食性に劣る場合があり、質量比が4.597を超えると、塗装性に劣る場合がある。
金属材料用表面処理剤中における、化合物(C)と化合物(A)との質量比(C/A)は、0.014〜1.429であることが好ましく、より好ましくは0.042〜0.470である。質量比が0.014未満であると、塗装性(塗膜密着性)が劣る場合があり、質量比が1.429を超えるとアース性に劣る場合がある。
上述した化合物以外に、本発明の金属材料用表面処理剤は、水溶性高分子、水系エマルション樹脂、ワックスからなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物(D)を含有していてもよい。
以下に、それぞれの成分について説明する。
<水溶性高分子、水系エマルジョン樹脂および/またはワックス>
本発明の金属材料用表面処理剤は、水溶性高分子、水系エマルション樹脂、およびワックスからなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物(D)を含有していてもよい。これらの成分の添加により、得られる皮膜の諸特性が向上し、特に耐食性、アルカリ脱脂後の耐食性および潤滑性が向上する。
水溶性高分子、水系エマルジョン樹脂および/またはワックスとしては、特に限定されないが、例えば、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリアクリルアミド、ポリビニルアルコールなどの水溶性高分子、水に分散した形態のアクリル樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリオレフィン樹脂、エチレン−アクリル樹脂、ポリブチラール樹脂、ポリアセタール樹脂、フッ素樹脂、ポリエチレンワックス、酸化ポリエチレンワックス、酸化ポリプロピレンワックス、マイクロクリスタリングワックス、カルナバワックス、パラフィンワックス、モンタンワックス、テフロン(登録商標)等の固体潤滑剤が挙げられ、1種または2種以上を使用してもよい。
金属材料用表面処理剤中における化合物(D)の合計含有量は、特に限定されないが、得られる皮膜の耐食性、アルカリ脱脂後の耐食性がより優れる観点から、処理剤中の全固形分に対して、1.1〜55.2質量%が好ましく、5.3〜50.5質量%がより好ましい。
金属材料用表面処理剤中における、化合物(A)と化合物(D)との質量比(D/A)は、0.015〜2.488であることが好ましく、0.077〜2.050であることがより好ましい。上記好適範囲であれば、皮膜の耐食性、アース性、耐熱性および耐指紋性などがより優れる。なお、0.015未満であると、耐食性に劣る場合があり、2.488を超えると、耐熱性に劣る場合がある。
上述した化合物以外に、本発明の金属材料用表面処理剤は、シリコーンオイル、および変性シリコーンオイルからなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物(F)を含有していてもよい。以下に、それぞれの成分について説明する。
<シリコーンオイル、および変性シリコーンオイル>
本発明の金属材料用表面処理剤は、シリコーンオイル、および変性シリコーンオイルからなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物(F)を含有していてもよい。これらの成分の添加により、得られる皮膜の諸特性が向上し、特にアルカリ脱脂後の耐食性および耐指紋性が向上する。
シリコーンオイル、変性シリコーンオイルは、主にM単位(RSiO1/2)およびD単位(RSiO)より構成される直鎖状のシロキサンポリマーである。
シリコーンオイルおよび変性シリコーンオイル(例えば、アミン変性シリコーンオイル)としては特に限定されないが、例えば、メチルハイドロジェンシリコーンオイル、ジメチルシリコーンオイル、ジエチルシリコーンオイル、ジイソプロピルシリコーンオイル、ジブチルシリコーンオイル、ジアミルシリコーンオイル、ジヘキシルシリコーンオイル、ジラウリルシリコーンオイル、ジステアリルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル、ジフェニルシリコーンオイル、エチルフェニルシリコーンオイル、イソプロピルフェニルシリコーンオイル、ブチルフェニルシリコーンオイル、アミルフェニルシリコーンオイル、ヘキシルフェニルシリコーンオイル、ラウリルフェニルシリコーンオイル、若しくはステアリルフェニルシリコーンオイルや、または、これらを界面活性剤により水に乳化分散させたものなどが挙げられる。
使用される界面活性剤としては特に限定されず、アニオン系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、およびカチオン系界面活性剤を用いることができる。また、乳化分散のためには、ホモミキサー、ディスパーミキサー等の撹拌装置、または、高圧ホモジナイザー、コロイドミル等の乳化装置を用いて行えばよい。
また、シリコーンオイルおよび変性シリコーンオイルを界面活性剤で乳化分散させたエマルションは、エマルションタイプとして市販されているものも適宜選択使用することもできる。
金属材料用表面処理剤中における、化合物(A)と化合物(F)との質量比(F/A)は、0.007〜0.217であることが好ましく、0.015〜0.115であることがより好ましい。質量比が0.007未満であると、耐食性に劣る場合があり、質量比が0.217を超えると、塗装性に劣る場合がある。
<pH>
本発明の金属材料用表面処理剤のpHは、2〜11が好ましく、3〜10がより好ましい。上記好適範囲であれば、得られる皮膜のアース性がより向上する。なお、pHが2未満の場合、金属材料が過剰にエッチングされることによりアース性が低下する場合がある。また、pHが11を超えると、アンモニア臭が著しく作業性に劣るようになり、かつ、得られる皮膜性能も劣る場合がある。pHの調整にはアンモニア、炭酸、硝酸、有機酸などを用いることが好ましい。
<フッ素化合物>
本発明の金属材料用表面処理剤は、必要に応じて、フッ素化合物を含有していてもよい。特に、表面酸化膜が厚いとされる溶融亜鉛系めっき鋼板では、フッ素化合物を添加して金属材料用表面処理剤のエッチング性を高めると、素材表面との反応層(不導体層)が厚くなり、より一層の耐食性向上効果が期待できる。但し、フッ素化合物を金属材料用表面処理剤に添加する場合は、エッチング性が高まるため、表面酸化膜以外の溶解により、アース性が低下する場合がある。また、水系処理液中へのZnやFeの混入量が多くなって、金属材料用表面処理剤の安定性が低下する場合があり、更には、液の廃棄においてフッ素対策が必要になるなどの問題が生じるため、これらを考慮した範囲にすることが好ましい。
フッ素化合物としては、例えば、フッ化アンモニウム、珪フッ化アンモニウム、チタンフッ化アンモニウム、ジルコンフッ化アンモニウムなどが挙げられる。
本発明の金属材料用表面処理剤におけるフッ素化合物の含有量は、特に限定されないが、処理剤1kg中にフッ素として50gを上限とすることが好ましい。
<消泡剤>
本発明の金属材料用表面処理剤は、必要に応じて、消泡剤を含有していてもよい。この消泡剤を含む金属材料用表面処理剤を、金属鋼板にスプレーまたはシャワーで流し掛け、ロールまたはエアー絞りで塗布量を調整後、最高到達板温度として50〜250℃で乾燥して金属鋼板表面に皮膜を形成することが好ましい。
消泡剤としては、特に限定されないが、鉱油、脂肪酸、シリコーン等を安定に乳化したタイプや、水溶性の活性剤タイプのものを使用できる。両者を併用してもよい。
本発明の金属材料用表面処理剤中における消泡剤の含有量は、その使用する種類により適宜最適な量が選択されるが、処理液1kg当たりに0.1〜3.0gであることが好ましい。消泡剤の含有量が、少なすぎると消泡性が得られず、多すぎると塗装性が劣る。
本発明の金属材料用表面処理剤は、必要に応じて、上記水以外の溶媒(例えば、アルコールなど)を含んでいてもよい。
本発明の金属材料用表面処理剤の調製方法は、特に限定されない。例えば、化合物(A)、金属化合物(B)、化合物(C)、その他添加剤、水とを、混合ミキサーなどのかくはん機を用いて十分に混合することによって製造することができる。
<表面処理方法>
本発明の金属材料用表面処理剤を用いた表面処理方法は、特に限定されないが、上記の金属材料用表面処理剤を金属材料表面上に塗布し、乾燥し、皮膜量が25〜1000mg/m2の皮膜を金属材料表面上に形成する表面処理方法が好ましい。いわゆる塗布型の表面処理剤として使用されることが好ましい。
以下に、その表面処理方法について説明する。
塗布の前に、必要に応じて、金属材料表面上の油分や汚れを除去する目的で、金属材料に前処理を施してもよい。例えば、金属材料として亜鉛めっき鋼板を用いる場合、防錆目的で防錆油が塗られていることが多い。また、防錆油で塗油されていない場合でも、作業中に付着した油分や汚れなどがある。前処理を施すことにより、亜鉛めっき鋼板表面上を清浄して、本発明の金属材料用表面処理剤によって亜鉛めっき鋼板表面が均一に濡れやすくなる。
前処理の方法としては、特に限定されず、湯洗、溶剤洗浄、アルカリ脱脂洗浄などの方法が挙げられる。なお、油分や汚れなどがなく、本発明の金属材料用表面処理剤で材料表面を均一に濡れる場合は、前処理工程は特に必要はない。
使用される金属材料としては、特に限定されないが、亜鉛含有金属めっき鋼板、アルミニウム板、ステンレス鋼板が好ましい。なかでも、亜鉛めっき鋼板が好ましく挙げられる。これらの金属材料表面には事前にリン酸塩処理などの前処理が施されていてもよい。
亜鉛めっき鋼板としては、例えば、溶融亜鉛めっき鋼板(GI)、これを合金化した合金化溶融亜鉛めっき鋼板(GA)、更には溶融亜鉛Zn−5%Al合金めっき鋼板(GF)、溶融亜鉛−55%アルミ合金めっき鋼板(GL)、電気亜鉛めっき鋼板(EG)、電気亜鉛−Ni合金めっき鋼板(Zn−Ni)などが挙げられる。また、めっきを施していない鉄板にも適用は可能である。
本発明の金属材料用表面処理剤の金属材料への塗布の方法としては、均一に金属材料表面に金属材料用表面処理剤を塗布できれば特に制限されず、ロールコート法、浸漬法、スプレー塗布法などが挙げられる。
また、処理(塗布)温度、処理(塗布)時間についても特に制限されないが、一般に処理(塗布)温度は10〜40℃であることが好ましく、処理(塗布)時間は0.1〜10秒であることが好ましい。
金属材料表面上に形成された塗膜を乾燥する際の加熱温度としては、50〜250℃が好ましく、60〜180℃がより好ましい。上記好適範囲であれば、得られる皮膜の耐食性がより優れる。加熱乾燥方法は、特に限定されず、熱風やインダクションヒーター、赤外線、近赤外線などにより加熱して、処理剤を乾燥すればよい。
また、加熱時間は、使用される金属材料用表面処理剤中の化合物の種類などによって適宜最適な条件が選択される。なかでも、生産性などの点から、0.1〜60秒が好ましく、1〜30秒がより好ましい。
金属材料表面上に形成される皮膜の量は、25〜1000mg/m2が好ましく、100〜800mg/m2がより好ましい。上記好適範囲であれば、得られる皮膜の耐食性および耐熱性がより優れる。なお、25mg/m2未満では金属材料用表面処理剤を鋼板表面に均一に塗布することができず、皮膜の耐食性、耐指紋性等、目的とする各種特性をバランス良く発揮させることができなくなる場合がある。1000mg/m2を超えると、皮膜のアース性および耐熱性が低下する場合がある。なお、上記の皮膜量は、鋼板の片面上における皮膜量を意味する。
上述の表面処理方法により形成された皮膜上に、乾燥後の膜厚が0.1〜10.0μmになるように有機高分子膜を形成して、更に高度な耐食性や耐指紋性、潤滑性を付与することができる。このような有機高分子膜は既に公知のアクリル、ウレタン、エポキシ等樹脂エマルションや、これにシリカ、防錆剤、潤滑剤、紫外線吸収剤、顔料等が添加されたものを使用できる。
上述の表面処理方法により処理された金属材料は、種々の用途に適用することができる。例えば、家電製品用鋼板、建材用鋼板、自動車用鋼板などが挙げられる。
以上のように、本発明によって、耐食性、アルカリ脱脂後の耐食性、アース性、耐熱性、塗装性(塗膜密着性)、および耐指紋性などの諸性能に優れた表面処理金属材料を得ることができる金属材料用表面処理剤が実現できる。
以下、実施例によって本発明の作用効果を具体的に示す。下記実施例は本発明を限定するものではなく、条件の変化に伴って設計を変更したものは、本発明の技術的範囲に含まれる。
(1)供試材(素材)
以下の市販材料を供試材として使用した。
(i)電気亜鉛めっき鋼板(EG):板厚0.8mm、目付量=20/20(g/m2
(ii)溶融亜鉛めっき鋼板(GI):板厚0.8mm、目付量=60/60(g/m2
(iii)合金化溶融亜鉛めっき鋼板(GA):板厚0.8mm、目付け量=40/40(g/m2
なお、目付量は、それぞれの鋼板の主面上への目付量を示している。例えば、電気亜鉛めっき鋼板の場合は、20/20(g/m2)であり、鋼板の両面のそれぞれに20g/m2のめっきを有することを意味する。
(2)前処理(洗浄)
試験板の作製方法としては、まず上記の供試材の表面を、日本パーカライジング社製のパルクリーンN364Sを用いて処理し、表面上の油分や汚れを取り除いた。次に、水道水で水洗して亜鉛めっき鋼板表面が水で100%濡れることを確認したあと、更に純水を流しかけ、100℃雰囲気のオーブンで水分を除去したものを試験板として使用した。
(3)金属材料用表面処理剤の調製
各成分を第1表(その1〜その3)に示す配合量にて水中で混合し、金属材料用表面処理剤を得た(実施例および比較例)。なお、第1表に示す成分(A)、成分(B)、成分(C)、成分(D)、成分(F)以外の主な成分は、水である。
また、第1表中の成分(A)、成分(C)、成分(D)、成分(F)の配合量は、金属材料用表面処理剤1kg中に配合される量(g)を表す。また、これらの成分の「質量%」は、金属材料用表面処理剤中の全固形分に対する「質量%」を表す。
第1表中の成分(B)の配合量は、金属処理剤1kg中に配合される金属化合物(B)中の金属元素の質量(g)を表す。また、これら成分の「質量%」は、金属材料用表面処理剤中の全固形分に対する、成分(B)(金属化合物)中の金属元素の質量%を表したものである。
なお、表1中の計算固形分は、金属材料用表面処理剤中の全固形分量を表す。また、pHの調整には、アンモニア水、硝酸などを使用した。
以下に、第1表に示す成分について説明する。なお、後述する化合物(A)および化合物(C)の物性値(分子量、構成モル量など)は、NMR測定、GPC測定などによって得た。
<化合物(A)>
A1:γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン(1.0モル)とメチルトリエトキシシラン(1.0モル)とを、50℃〜60℃の脱イオン水に添加し、5時間攪拌した。原料化合物中のアルコキシ基がシラノール基に変化して、その後シラノール基同士の縮合反応が進行し、化合物A1を得た。29Si−NMR測定を行ったところ、M単位、D単位、T単位のシグナルが検出されたが、Q単位は検出されなかった。29Si−NMR測定および1H−NMR測定などの結果から、β/αは約2.0であり、β/γは約2.0であった。GPC(ポリスチレン換算)を用いて化合物A1の重量平均分子量を測定したところ、約1200であった。
また、1H−NMR(1H−NMR:3.5〜3.6ppm付近)を測定したところ、反応前における原料化合物由来のアルコキシ基由来のピーク強度と、得られたオルガノポリシロキサン化合物A1中のアルコキシ基由来のピーク強度のピーク強度比とは3.0であり、Si−CH3のピーク変化は見られなかった。
その後、固形分濃度5質量%になるように脱イオン水で希釈した。
A2:上記A1のγ−グリシドキシプロピルトリエトキシシランをアミノプロピルトリエトキシシラン(0.5モル)に変更した以外は、上記化合物A1と同様の方法により合成を実施し、化合物A2を得た。29Si−NMR測定を行ったところ、M単位、D単位、T単位のシグナルが検出されたが、Q単位は検出されなかった。29Si−NMR測定および1H−NMR測定などの結果から、β/αは約3.0であり、β/γは約1.5であった。GPC(ポリスチレン換算)を用いて化合物A2の重量平均分子量を測定したところ、約2000であった。
また、1H−NMR(1H−NMR:3.5〜3.6ppm付近)を測定したところ、反応前における原料化合物由来のアルコキシ基由来のピーク強度と、得られたオルガノポリシロキサン化合物A2中のアルコキシ基由来のピーク強度とのピーク強度比は2.3であり、Si−CHのピーク変化は見られなかった。
その後、固形分濃度5質量%になるように脱イオン水で希釈した。
A3:測定された分子量を参考に、化合物A1(0.5モル)と化合物A2(0.5モル)とを混合した。その後、反応液を50℃〜60℃で、5時間攪拌し、化合物A3を得た。29Si−NMR測定を行ったところ、M単位、D単位、T単位のシグナルが検出されたが、Q単位は検出されなかった。29Si−NMR測定および1H−NMR測定などの結果から、β/αは約2.3であり、β/γは約1.7であった。GPC(ポリスチレン換算)を用いて重量平均分子量を測定したところ、約1500であった。
また、1H−NMR(1H−NMR:3.5〜3.6ppm付近)を測定したところ、反応前における原料化合物由来のアルコキシ基由来のピーク強度と得られたオルガノポリシロキサン化合物A3中のアルコキシ基由来のピーク強度とのピーク強度比は2.0であり、Si−CHのピーク変化は見られなかった。
その後、固形分濃度5質量%になるように脱イオン水で希釈した。
<金属化合物(B)>
B1:炭酸ジルコニウムアンモニウム(B1中、Zrの含有量は52.8質量%である)
B2:チタンフッ化アンモニウム(B2中、Tiの含有量は20.0質量%である)
B3:メタバナジン酸アンモニウム(B3中、Vの含有量は37.3質量%である)
<化合物(C)>
C1:ヘキサメチレンジアミン(1モル)とγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(2モル)とを、エタノール中で反応させ、生成物を得た。その後、脱イオン水を添加し、固形分濃度5質量%になるように希釈した。
なお、得られた生成物C1の1分子中における官能基(c)数は2個で、官能基(c)1個あたりの分子量(重量平均分子量/官能基数)は約294であった。なお、生成物C1は、−Si(OX)3基(X:メチル基)で表されるアルコキシ基を有する基を実質的に有していなかった。
C2:アミノプロピルトリエトキシシラン(1モル)とγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(2モル)とを、エタノール中で反応させ、生成物を得た。その後、脱イオン水を添加し、固形分濃度5質量%になるように脱イオン水で希釈した。
なお、得られた生成物C2の1分子中における官能基(c)数は2個で、官能基(c)1個あたりの分子量(重量平均分子量/官能基数)は約894であった。なお、生成物C2は、−Si(OX)3基(X:メチル基)で表されるアルコキシ基を有する基を実質的に有していなかった。
<化合物(D)>
D1:アクリル樹脂(昭和高分子社製、ポリゾールAM−2386)
D2:ワックス(三井化学(株)製、ケミパールW500)
<化合物(F)>
F1:アミン変性シリコーンオイル(モメンテウィブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン社製XS65−B8124)
(4)処理方法
バーコート塗装方法にて上記の金属材料用表面処理剤を各試験板上に塗装し、その後、水洗することなく、そのままオーブンに入れて、第2表に示される乾燥温度で乾燥させ、第2表に示される皮膜量の皮膜を形成させた。なお、皮膜量は、鋼板の片面当たりの皮膜量を指す。
乾燥温度は、オーブン中の雰囲気温度とオーブンに入れている時間とで調節した。なお、乾燥温度は試験板表面の到達温度を示す。バーコート塗装の具体的な方法は以下のとおりである。
バーコート塗装:処理剤を試験板に滴下して、#3〜5バーコーターで塗装した。使用したバーコーターの番手と処理液の濃度とにより、所定の皮膜量となるように調整した。
(5)評価試験の方法
(5−1)耐食性(およびアルカリ脱脂後の耐食性)
得られた表面処理亜鉛系めっき鋼板を70×150mmサイズに切り出し、裏側と端部をセロハンテープでシールした試験片について、JIS Z2371に規定された塩水噴霧試験を実施し、白錆が5%(面積率)発生するまでの時間を評価した。
また、アルカリ脱脂剤(日本パーカライジング社製、パルクリーンN364S)20g/L、60℃、2分スプレー後、水洗した表面処理亜鉛系めっき鋼板についても同様に評価し、アルカリ脱脂後の耐食性とした。このときの評価基準を以下に示す。
◎:白錆5%発生まで120時間以上
○:白錆5%発生まで48時間以上、120時間未満
△:白錆5%発生まで24時間以上、48時間未満
×:白錆5%発生まで24時間未満
一方、GAに関する評価基準は、以下に示す。
◎:白錆5%発生まで48時間以上
○:白錆5%発生まで24時間以上、48時間未満
△:白錆5%発生まで12時間以上、24時間未満
×:白錆5%発生まで12時間未満
(5−2)塗装性
表面処理亜鉛系めっき鋼板に、メラミン系塗料(アミラック#1000、関西ペイント社製)を塗布後、160℃で焼き付けた後の塗膜厚さが20μmとなるようにした。塗装後に沸騰水中に1時間浸漬した後、塗膜に1mm角の碁盤目を100マス入れ、エリクセン押し出し機により5mm押し出した後、テープ剥離をして、マスの残存率を評価した。このときの評価基準を以下に示す。
◎:残存率91〜100%
○:残存率71〜90%
△:残存率51〜70%
×:残存率0〜50%
(5−3)アース性
層間抵抗測定機により、得られた表面処理亜鉛系めっき鋼板の層間抵抗を測定した。以下の基準で評価した。
◎:1Ω未満
○:1Ω以上、2Ω未満
△:2Ω以上、3Ω未満
×:3Ω以上
(5−4)耐熱性
得られた表面処理亜鉛系めっき鋼板を70×150mmサイズに切り出し、オーブンにて200℃で2時間加熱後、室温にて24時間放置した。その後、裏側と端部をセロハンテープでシールした試験片について、JIS Z2371に規定された塩水噴霧試験を実施し、白錆が5%(面積率)発生するまでの時間を評価した。
◎:白錆5%発生まで120時間以上
○:白錆5%発生まで48時間以上、120時間未満
△:白錆5%発生まで24時間以上、48時間未満
×:白錆5%発生まで24時間未満
一方、GAに関する評価基準は、以下に示す。
◎:白錆5%発生まで48時間以上
○:白錆5%発生まで24時間以上、48時間未満
△:白錆5%発生まで12時間以上、24時間未満
×:白錆5%発生まで12時間未満
(5−5)耐指紋性
得られた表面処理亜鉛系めっき鋼板にワセリンを塗布し、ガーゼでふき取り、ワセリン塗布前後の色調変化ΔE={(ΔL)2+(Δa)2+(Δb)2}1/2を評価した。(測定装置:日本電色工業株式会社製、color meter ZE2000)
◎:ΔEが2未満
○:ΔEが2以上3未満
△:ΔEが3以上4未満
×:ΔEが4以上
実施例および比較例の金属材料用表面処理剤を用いて得られた表面処理金属材料に関して、上記の(5−1)〜(5−5)の評価を行った結果を、第3表に示す。
なお、実用上の観点から、上記評価項目において「○」または「◎」であることが要求される。
第3表に示すように、本発明で規定する各種成分を所定の割合で使用した処理剤で処理された表面処理亜鉛系めっき鋼板は、耐食性、アルカリ脱脂後の耐食性、アース性、耐熱性、塗装性(塗膜密着性)、および耐指紋性などの諸性能においてバランス良く優れた特性を示していることが分かった。
なかでも、実施例9,11,12を比較すると、化合物(A)としてA3を使用した場合に、より優れた効果(耐食性)が得られることが分かった。また、実施例17と19とを比較すると、化合物(B)としてB1を使用した場合に、より優れた効果(耐食性)が得られることが分かった。さらに、実施例34〜38を比較すると、溶液のpHとして3〜10において、より優れた効果(アース性)が得られることが分かった。
一方、処理条件については、実施例29〜33を比較すると、皮膜量として100〜800mg/mの場合に、より優れた効果(耐食性と耐熱性との両立)が得られることが分かった。また、実施例39〜43を比較すると、乾燥温度として60〜180℃の場合に、より優れた効果(耐食性、アース性、および塗装性を併せ持つ)が得られることが分かった。
比較例においては、諸特性を総合的に満足する表面処理亜鉛系めっき鋼板は得られなかった。例えば、化合物(A)〜化合物(C)のいずれか一つが含まれていない比較例54〜56においては、特に、耐食性、アルカリ脱脂後の耐食性、塗装性、耐指紋性などに劣る結果となった。

Claims (8)

  1. M単位(R3SiO1/2)、D単位(R2SiO)、T単位(RSiO3/2)、およびQ単位(SiO2)からなる群から選択されるいずれかの単位から構成され、分子中に少なくともT単位および/またはQ単位を有する三次元網目状構造を有し、1分子中にRとしてエポキシ基およびアミノ基から選ばれる官能基(a1)を有する基を含む単位と、Rとしてアルキル基を含む単位とを有し、官能基(a1)を有する基を含む単位のモル量(α)と、全構成単位のモル量(β)との比(β/α)が1.5以上であり、重量平均分子量が200〜20000であるオルガノポリシロキサン化合物(A)(ただし、Rは、それぞれ独立に、ヒドロキシ基、アルキル基、アルコキシ基、または、エポキシ基およびアミノ基から選ばれる官能基を有する基を示す。)と、
    Zr、Ti、およびVからなる群から選ばれる少なくとも1種以上の金属元素を含む金属化合物(B)と、
    反応性官能基(c1)を有するシランカップリング剤と、前記反応性官能基(c1)と反応可能な官能基(c2)を有する化合物とを、前記反応性官能基(c1)を介して反応させて得られる化合物で、1分子中に−Si(OH)3で示される官能基(c)を2個以上有し、前記官能基(c)1個あたりの分子量(重量平均分子量/官能基数)が100〜5000の範囲にある化合物(C)と、
    水と、を含む金属材料用表面処理剤。
  2. 前記反応性官能基(c1)または前記官能基(c2)のいずれか一方が、アミノ基またはエポキシ基である、請求項1に記載の金属材料用表面処理剤。
  3. 前記オルガノポリシロキサン化合物(A)の質量と前記化合物(B)中の金属元素の質量との質量比(B/A)が0.020〜4.597である、請求項1または2に記載の金属材料用表面処理剤。
  4. 前記オルガノポリシロキサン化合物(A)と前記化合物(C)との質量比(C/A)が0.014〜1.429である、請求項1〜3のいずれかに記載の金属材料用表面処理剤。
  5. 水溶性高分子、水系エマルション樹脂、およびワックスからなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物(D)をさらに含有する、請求項1〜4のいずれかに記載の金属材料用表面処理剤。
  6. シリコーンオイル、および変性シリコーンオイルからなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物(F)をさらに含有する、請求項1〜5のいずれかに記載の金属材料用表面処理剤。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載の金属材料用表面処理剤を金属材料表面上に塗布し、加熱乾燥し、皮膜量が25〜1000mg/m2の皮膜を前記金属材料表面上に形成する、金属材料の表面処理方法。
  8. 請求項7に記載の金属材料の表面処理方法により得られる皮膜を有する金属材料。
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