JP2011063539A - 制吐剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】グラニセトロンとデキサメタゾンが配合された注射剤であり、プラスチック製容器に充填されており、且つ、製造時および保存時の安定性に優れた制吐剤を提供すること。
【解決手段】本発明は、グラニセトロンを含む注射剤であって、pHが6.8〜8.5の範囲に調整されており、その構成に環状オレフィン系樹脂を含むシートからなるプラスチック製容器または内表面にパリレンコーティングが施されているプラスチック製容器に充填されていることを特徴とする悪心および嘔吐の治療および/または予防に用いるための制吐剤である。
【選択図】 なし

Description

本発明は、グラニセトロンを含む注射剤であって、悪心および嘔吐の治療および/または予防に用いるための制吐剤に関する。より詳細には、pHをある一定範囲にし、且つ、プラスチック製容器について材質を一定の範囲に限定することにより安定性に優れる製剤を提供するものである。
がん化学療法およびがん放射線療法によって引き起こされる悪心・嘔吐は、食事・水分摂取量低下による脱水、電解質バランス異常、体重減少、栄養状態低下等患者のQOLを大きく低下させる最も苦痛の強い症状である。また、がん化学療法およびがん放射線療法を継続するためにも、この悪心・嘔吐を最小限にコントロールすることが重要である。従って、これら治療に伴う悪心・嘔吐を最小限にコントロールする目的で、5−HT受容体拮抗型制吐剤の予防的および治療的投与を中心とした制吐療法が行われている。特にがん化学療法では、投与される抗癌剤の種類・量により催吐作用の強さを分類し、各々対応する制吐療法を示したガイドラインがASCO(American Society of Clinical Oncology)やNCCN(National Comprehensive Cancer Network)より出され、制吐療法の重要性に対する認識が増すとともに、標準化が進んでいる。また、通院により治療を受けたいという患者ニーズと制吐療法を含む支持療法の確立・進歩に伴い、がん化学療法は、患者通院による外来の形態で実施される例が増している。
制吐療法を行う場合、5−HT受容体拮抗型制吐剤、特にグラニセトロンは、点滴静脈注射により投与されることが多く、その際には医療現場で静注用製剤を生理食塩液等に希釈調製されていたが、希釈調製作業は、煩雑であり、また細菌や異物が混入しないよう最大限に注意を要するため、医療従事者の大きな負担となっていた。このような状況を鑑み、近年、予め生理食塩液に希釈しプラスチックバッグに充填された希釈タイプのグラニセトロン製剤が市販されるに至っている。
しかし、グラニセトロンを点滴静脈注射により投与する際の多くは、さらにデキサメタゾンの併用が先述のガイドラインで推奨されており、そのため先述の希釈タイプのグラニセトロン製剤を使用する場合であっても、医療現場において用時デキサメタゾンを混合して投与されている。混合操作は、煩雑であり、また細菌や異物が混入しないよう最大限に注意を要するため、依然、医療従事者の負担は大きい。そのため、グラニセトロン注射剤に予めデキサメタゾンが配合された安定な注射剤および点滴静注用製剤の開発が望まれていた。特許文献1には、グラニセトロンおよびデキサメタゾン含有の医薬組成物について記載されているが、薬剤成分の安定性は言及されておらず、また、特に薬剤成分の安定性を維持することが難しい注射剤および点滴静注用製剤を安定に供給する方法についての記載はない。したがって、グラニセトロンおよびデキサメタゾン含有の注射剤、点滴静注用製剤は実用化されるに至っていない。
特許第3521143号公報
本発明の目的は、上述の状況に鑑みてなされたもので、グラニセトロンとデキサメタゾンが配合された注射剤であり、プラスチック製容器に充填されており、且つ、製造時および保存時の安定性に優れた制吐剤を提供することにある。本発明者らは、上記目的より鋭意研究を重ねた結果、製剤のpHをある一定範囲にし、且つ、プラスチック製容器について一定の条件に限定すれば安定性に優れることを見出すに至った。
本発明者らは、前記目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、製剤のpHをある一定範囲にし、且つ、プラスチック製容器について一定の条件に限定すれば安定性に優れることを見出し、本発明に到達した。
すなわち、本発明は、
(1)グラニセトロンを含む注射剤であって、pHが6.8〜8.5の範囲に調整されており、その構成に環状オレフィン系樹脂を含有するシートからなるプラスチック製容器または内表面にパリレンコーティングが施されているプラスチック製容器に充填されていることを特徴とする悪心および嘔吐の治療および/または予防に用いるための制吐剤。
(2)前記注射剤はさらにデキサメタゾンを含むことを特徴とする上記(1)に記載の制吐剤。
(3)前記グラニセトロンが0.01mg/mL〜0.15mg/mLであることを特徴とする上記(1)または(2)に記載の制吐剤。
(4)前記デキサメタゾンが0.04mg/mL〜1.20mg/mLであることを特徴とする上記(2)または(3)に記載の制吐剤。
(5)加熱滅菌されている上記(1)〜(4)のいずれかに記載の制吐剤。
(6)前記環状オレフィン系樹脂は環状オレフィンポリマーまたは環状オレフィンコポリマーである上記(1)〜(5)のいずれかに記載の制吐剤。
(7)前記プラスチック製容器は環状オレフィン系樹脂を含有するシートからなるものである上記(1)〜(6)のいずれかに記載の制吐剤。
(8)前記プラスチック製容器は内表面にパリレンコーティングが施されているものである上記(1)〜(5)のいずれかに記載の制吐剤。
(9)前記(1)〜(8)の制吐剤が脱酸素剤とともに酸素非透過性の外装材に収納されている制吐剤包装体。
以上述べたように、本発明の制吐剤は、グラニセトロンとデキサメタゾンが予め配合されているため、用時に煩雑な混合操作を必要とせず、それに伴い細菌や異物の混入の可能性をなくすことができる。また、環状オレフィン系樹脂を含むシートからなるプラスチック製容器または内表面にパリレンコーディングが施されているシートからなるプラスチック製容器を用いることで、軽量かつ破損の恐れがなく、廃棄性に優れ、製造時および保存時の薬剤成分の安定性に優れる。さらに、プラスチック製容器の形状をバッグ形状とした場合には、通気針を必要とせず安全に投与することができる。
以下、本発明の制吐剤を詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
本発明に使用するグラニセトロンは、医薬上許容される形態であれば、特に限定されず、具体的には、塩酸塩、硫酸塩、リン酸塩、クエン酸塩、フマル酸塩およびマレイン酸塩などが挙げられる。本発明において、より好ましい形態のグラニセトロンは、塩酸塩である。
本発明の制吐剤はデキサメタゾンを含んでいても良い。デキサメタゾンは、医薬上許容される形態であれば、特に限定されず、具体的には、リン酸二ナトリウム、メタスルホ安息香酸二ナトリウム、酢酸、パルミチン酸、プロピオン酸、吉草酸などのエステルが挙げられる。本発明において、より好ましい形態のデキサメタゾンの形態は、リン酸エステル二ナトリウムである。
さらに、本発明の制吐剤には、遅発性の悪心・嘔吐を最小限にコントロールするために、NK1受容体拮抗薬、例えばアプレピタントを配合することができる。具体的には、本発明の制吐剤の薬液中に配合、またはアプレピタントを液剤または粉剤として用時連通可能な別室に収容することができる。
本発明の制吐剤には、浸透圧比を約1に調整する目的で医薬上許容される電解質を配合することができる。具体的には、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、リン酸二水素ナトリウム、リン酸水素二ナトリウム、酢酸ナトリウム、乳酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、塩化ナトリウム、硫酸ナトリウム、塩化カリウム、ヨウ化カリウム、リン酸二水素カリウム、リン酸水素二カリウム、乳酸カリウム、クエン酸カリウム、酢酸カリウム、乳酸カルシウム、グリセロリン酸ナトリウム、グリセロリン酸カリウム、グリセロリン酸カルシウム、グルコン酸カルシウム、塩化カルシウム、クエン酸カルシウム、塩化マグネシウム、硫酸マグネシウム、酢酸マグネシウム、塩化亜鉛、硫酸亜鉛、硫酸鉄、塩化第一鉄、塩化第二鉄、グルコン酸鉄、硫酸銅、硫酸マンガンなどが挙げられ、これらを単独または組合わせて配合することができる。
本発明の制吐剤のpHは、6.8〜8.5に調整される。より好ましくは、pHは、7.0〜8.5に調整される。本発明で用いるpH調節剤は、医薬品添加物として使用できるものであれば制限を受けない。具体的には、クエン酸、酢酸、酒石酸、炭酸、乳酸、フマル酸、プロピオン酸、ホウ酸、リン酸、硫酸およびそれらの化合物やアジピン酸、塩酸、グルコン酸、コハク酸、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、水酸化ナトリウム、水酸化マグネシウム、炭酸水素ナトリウム、マレイン酸、リンゴ酸などのうちから選ばれる1種以上を混合することができる。
また、本発明の制吐剤には、亜硫酸水素ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、ピロ亜硫酸ナトリウム、チオ硫酸ナトリウムなどの亜硫酸塩が安定剤として添加できる。
本発明において、制吐剤の薬液の調製法は、注射剤調製の常法に従う。
このようにして得られた制吐剤の薬液は、その構成に環状オレフィン系樹脂を含むシートからなるプラスチック製容器または内表面にパリレンコーティングが施されているプラスチック製容器に充填される。具体的には、制吐剤の薬液が充填されるプラスチック製容器のシートは、環状オレフィン系樹脂の層が含まれる多層シート、最内層が環状オレフィン系樹脂とポリプロピレンおよび/またはポリエチレン等の樹脂との混合物である多層シート、ポリプロピレンおよび/またはポリエチレン製のシートの内表面にパリレンコーティングを施したものなどが挙げられる。環状オレフィン系樹脂の層が含まれる多層シートの場合、内表面から環状オレフィン系樹脂の層までの距離が短いほどより好ましい。また、最内層が環状オレフィン系樹脂とポリプロピレンおよび/またはポリエチレン等の樹脂との混合物である多層シートの場合、環状オレフィン系樹脂とポリプロピレンおよび/またはポリエチレン等の樹脂との混合物における環状オレフィン系樹脂の比率が高いほどより好ましい。また、プラスチック製容器は柔軟であることが好ましく、その形状は、通気針を使用することなくそのまま点滴静脈注射できるバッグ形状がより好ましい。
本発明において用いられる環状オレフィン系樹脂は、環状オレフィンポリマー、あるいは環状オレフィンコポリマー等が例示される。
本発明において用いられるパリレンコーティングを形成するパリレンとは、パラキシリレン系ポリマーの総称であり、ポリパラキシリレン(パリレンN)、ポリモノクロロパラキシリレン(パリレンC)、ポリジクロロp−キシリレン(パリレンD)、ポリテトラフルオロパラキシリレン(パリレンF)等が例示される。
本発明において、制吐剤の薬液の上記プラスチック製容器への充填・収容は、常法に従って行うことができ、薬液を大気下または不活性ガス雰囲気下で充填し、施栓(ゴム栓取付)し、加熱滅菌する方法が挙げられる。加熱滅菌方法は、高圧蒸気滅菌、熱水滅菌、熱水シャワー滅菌などの公知の方法で行うことができる。また、滅菌方法の操作条件、例えば、滅菌時間、滅菌温度などは通常のこの種の滅菌操作条件などと同様のものとすることができる。さらに、上記加熱滅菌は、必要に応じて窒素などの不活性ガス雰囲気中で行うことができる。なお、本発明においては、加熱滅菌と同等の効果を示す他の滅菌手段、あるいは滅菌に代えて無菌充填による充填・収容を行うこともできる。
さらに、本発明の制吐剤の酸化などの変質を確実に防止するために、該容器を脱酸素剤とともに実質的に酸素を透過しない酸素非透過性の外装容器で包装することができる。脱酸素剤としては、公知の各種のものが使用できる。市販品としてはエージレス(三菱ガス化学(株)製)、モジュラン(日本化薬(株)製)およびバイタロン((株)常盤産業製)などが挙げられる。本発明の制吐剤の包装に適した実質的に酸素を透過しない外装容器の材質としては、エチレン・ビニルアルコール共重合体、アルミ箔、アルミ蒸着フィルム等のガスバリア層を有する一般に汎用されている各種材質のフィルムシートを使用することができる。
次に、実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(実施例1)
塩化ナトリウム27.0g、リン酸水素ナトリウム0.36g、クエン酸0.12g、クエン酸ナトリウム0.30g、亜硫酸水素ナトリウム0.24g、塩酸グラニセトロン33.6mgおよびリン酸デキサメタゾンナトリウム159.0mgを注射用蒸留水に溶解し3Lとし、pH調節剤として微量の水酸化ナトリウムおよび塩酸を用いてpH7.5とした後、酢酸セルロースメンブランフィルターにてろ過し、溶液(1)とした。
以上のようにして調製した溶液(1)100mLを表1記載の各フィルムシートからなるプラスチック製容器(100mL容量)に充填し、密封した後、窒素ガスを導入し高圧蒸気滅菌処理を行った。さらに、容器を脱酸素剤(エージレス、三菱ガス化学(株)製)1個と共に酸素非透過性外装包材(アルミ蒸着フィルム、大日本印刷(株)製)に封入し、制吐剤を得た。
なお、各表中、COPは環状オレフィンポリマー、COCは環状オレフィンコポリマー、PPはポリプロピレン、PEはポリエチレンを示す。
Figure 2011063539
(比較例1)
実施例1において表2記載のフィルムαシートからなるプラスチック製容器(100mL容量)に充填した以外は実施例1と全く同じ操作を繰り返して制吐剤を得た。
Figure 2011063539
(実施例2)
塩化ナトリウム27.0g、リン酸水素ナトリウム0.36g、クエン酸0.12g、クエン酸ナトリウム0.30g、亜硫酸水素ナトリウム0.24g、塩酸グラニセトロン201.0mgおよびリン酸デキサメタゾンナトリウム189.6mgを注射用蒸留水に溶解し3Lとし、pH調節剤として微量の水酸化ナトリウムおよび塩酸を用いてpH8.0とした後、酢酸セルロースメンブランフィルターにてろ過し、溶液(2)とした。
以上のようにして調製した溶液(2)50mLを表1記載の各フィルムシートからなるプラスチック製容器(50mL容量)に充填し、密封した後、窒素ガスを導入し高圧蒸気滅菌処理を行った。さらに、容器を脱酸素剤(エージレス、三菱ガス化学(株)製)1個と共に酸素非透過性外装包材(アルミ蒸着フィルム、大日本印刷(株)製)に封入し、制吐剤を得た。
(比較例2)
実施例2において表2記載のフィルムαシートからなるプラスチック製容器(50mL容量)に充填した以外は実施例2と全く同じ操作を繰り返して制吐剤を得た。
(実施例3)
塩化ナトリウム9.0g、クエン酸0.04g、および塩酸グラニセトロン22.4mgを注射用蒸留水に溶解し1Lとし、pH調節剤として微量の水酸化ナトリウムおよび塩酸を用いてpH8.5とした後、酢酸セルロースメンブランフィルターにてろ過し、溶液(3)とした。
以上のようにして調製した溶液(3)50mLを表1記載のフィルムAシートからなるプラスチック製容器(50mL容量)に充填し、密封した後、窒素ガスを導入し高圧蒸気滅菌処理を行った。さらに、容器を脱酸素剤(エージレス、三菱ガス化学(株)製)1個と共に酸素非透過性外装包材(アルミ蒸着フィルム、大日本印刷(株)製)に封入し、制吐剤を得た。
(比較例3)
実施例3において表2記載のフィルムαシートからなるプラスチック製容器(50mL容量)に充填した以外は実施例3と全く同じ操作を繰り返して制吐剤を得た。
(実施例4)
塩化ナトリウム18.0g、リン酸水素ナトリウム0.24g、クエン酸0.08g、クエン酸ナトリウム0.20g、亜硫酸水素ナトリウム0.16g、塩酸グラニセトロン44.8mgおよびリン酸デキサメタゾンナトリウム348.0mgを注射用蒸留水に溶解し2Lとし、pH調節剤として微量の水酸化ナトリウムおよび塩酸を用いてpH8.0とした後、酢酸セルロースメンブランフィルターにてろ過し、溶液(4)とした。
以上のようにして調製した溶液(4)50mLを表3記載のフィルムEシートからなるプラスチック製容器(50mL容量)に充填し、密封した後、窒素ガスを導入し高圧蒸気滅菌処理を行った。さらに、容器を脱酸素剤(エージレス、三菱ガス化学(株)製)1個と共に酸素非透過性外装包材(アルミ蒸着フィルム、大日本印刷(株)製)に封入し、制吐剤を得た。
Figure 2011063539
(比較例4)
実施例4において表4記載のフィルムβシートからなるプラスチック製容器(50mL容量)に充填した以外は実施例4と全く同じ操作を繰り返して制吐剤を得た。
Figure 2011063539
(実施例5)
実施例4において溶液(4)のpHを7.0としたことおよび表1記載のフィルムAシートからなるプラスチック製容器(50mL容量)に充填した以外は実施例4と全く同じ操作を繰り返して制吐剤を得た。
(比較例5)
実施例4において溶液(4)のpHを6.9としたことおよび表2記載のフィルムαシートからなるプラスチック製容器(50mL容量)に充填した以外は実施例4と全く同じ操作を繰り返して制吐剤を得た。
(比較例6)
実施例4において溶液(4)のpHを6.7としたことおよび表1記載のフィルムAシートからなるプラスチック製容器(50mL容量)に充填した以外は実施例4と全く同じ操作を繰り返して制吐剤を得た。
(実施例6)
塩化ナトリウム27.0g、リン酸水素ナトリウム0.36g、クエン酸0.12g、クエン酸ナトリウム0.30g、亜硫酸水素ナトリウム0.24g、塩酸グラニセトロン67.2mgおよびリン酸デキサメタゾンナトリウム948.0mgを注射用蒸留水に溶解し3Lとし、pH調節剤として微量の水酸化ナトリウムおよび塩酸を用いてpH7.6とした後、酢酸セルロースメンブランフィルターにてろ過し、溶液(5)とした。
以上のようにして調製した溶液(5)100mLを表5記載の各フィルムシートからなるプラスチック製容器(100mL容量)に充填し、密封した後、窒素ガスを導入し高圧蒸気滅菌処理を行った。さらに、容器を脱酸素剤(エージレス、三菱ガス化学(株)製)1個と共に酸素非透過性外装包材(アルミ蒸着フィルム、大日本印刷(株)製)に封入し、制吐剤を得た。
Figure 2011063539
(比較例7)
実施例6において表2記載のフィルムαシートからなるプラスチック製容器(100mL容量)に充填した以外は実施例6と全く同じ操作を繰り返して制吐剤を得た。
(試験例1)
上記実施例1〜6、比較例1〜7ついて、滅菌前の調製液および製造直後の制吐剤の塩酸グラニセトロン含量を液体クロマトグラフィーにより測定した。その結果、実施例1〜6および比較例6の塩酸グラニセトロン含量は、滅菌前の調製液の含量に対し残存率90%以上であった。一方、比較例1〜5および7の塩酸グラニセトロン含量は、滅菌前の調製液の含量に対し残存率90%未満であった。
なお、本明細書における塩酸グラニセトロン含量測定の際の液体クロマトグラフィーの測定条件は次のとおりである。
検出器:紫外吸光光度計(測定波長:300nm)。
カラム:内径4.6mm、長さ25cmのステンレス管に5μmの液体クロマトグラフ用オクタデシルシリル化シリカゲルを充填。
移動相:500倍に薄めたリン酸/アセトニトリル/ヘキシルアミン混液(800:200:1)に、トリエチルアミンを加えてpH7.5に調整。
(試験例2)
上記実施例1、2、5および6、比較例1、2および5〜7について、滅菌前の調製液および製造直後の制吐剤のリン酸デキサメタゾン含量を液体クロマトグラフィーにより測定した。その結果、実施例1、2、5および6、比較例1、2および5〜7のリン酸デキサメタゾン含量は、いずれも滅菌前の調製液の含量に対し残存率90%以上であった。
なお、本明細書におけるリン酸デキサメタゾン含量測定の際の液体クロマトグラフィーの測定条件は次のとおりである。
検出器:紫外吸光光度計(測定波長:254nm)。
カラム:内径4.0mm、長さ15cmのステンレス管に5μmの液体クロマトグラフ用オクタデシルシリル化シリカゲルを充填。
移動相:0.02mol/Lリン酸二水素カリウム試液/メタノール混液(1:1)。
(試験例3)
上記実施例1および2の制吐剤について、60℃1週間保存した後に塩酸グラニセトロン含量を液体クロマトグラフィーにより測定した。その結果、実施例1および2の塩酸グラニセトロン含量は、滅菌前の調製液の含量に対し残存率90%以上であった。
(試験例4)
上記実施例1および2の制吐剤について、60℃1週間保存した後にリン酸デキサメタゾン含量を液体クロマトグラフィーにより測定した。その結果、実施例1および2のリン酸デキサメタゾン含量は、滅菌前の調製液の含量に対し残存率90%以上であった。
(試験例5)
上記実施例3、5および6、比較例6の制吐剤について、60℃3週間保存した後に塩酸グラニセトロン含量を液体クロマトグラフィーにより測定した。その結果、実施例3、5および6、比較例6の塩酸グラニセトロン含量は、いずれも滅菌前の調製液の含量に対し残存率90%以上であった。
(試験例6)
上記実施例5および6、比較例6の制吐剤について、60℃3週間保存した後にリン酸デキサメタゾン含量を液体クロマトグラフィーにより測定した。その結果、実施例5および6のリン酸デキサメタゾン含量は、滅菌前の調製液の含量に対し残存率90%以上であった。一方、比較例6のリン酸デキサメタゾン含量は、滅菌前の調製液の含量に対し残存率90%未満であった。
上記実施例1〜6および比較例1〜7に示した本発明にかかる制吐剤の試験例1〜6をまとめたものを表6に示す。
Figure 2011063539
*)滅菌前の調製液の含量に対する塩酸グラニセトロンの残存率(%)
**)滅菌前の調製液の含量に対するリン酸デキサメタゾンの残存率(%)

Claims (5)

  1. グラニセトロンを含む注射剤であって、pHが6.8〜8.5の範囲に調整されており、その構成に環状オレフィン系樹脂を含有するシートからなるプラスチック製容器または内表面にパリレンコーティングが施されているプラスチック製容器に充填されていることを特徴とする悪心および嘔吐の治療および/または予防に用いるための制吐剤。
  2. 前記注射剤はさらにデキサメタゾンを含むことを特徴とする請求項1記載の制吐剤。
  3. 前記グラニセトロンが0.01mg/mL〜0.15mg/mLであることを特徴とする請求項1または2に記載の制吐剤。
  4. 前記デキサメタゾンが0.04mg/mL〜1.20mg/mLであることを特徴とする請求項2または3に記載の制吐剤。
  5. 加熱滅菌されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の制吐剤。
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