JP2011062708A - 双ロール式溶湯圧延用鋳造ノズル - Google Patents
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Abstract
【課題】鋳造ノズル先端で一部凝固しても鋳造トラブルを引き起こすことなく、安定して溶湯圧延することを可能とする双ロール式溶湯圧延用鋳造ノズルを提供すること。
【解決手段】アルミニウムまたはマグネシウムの溶湯3を一対の回転ロール2間に供給し、回転ロール2間で溶湯3を凝固させて鋳造板30を連続的に鋳造する双ロール式溶湯圧延において、回転ロール2間に溶湯3を供給するための鋳造ノズル1である。鋳造ノズル1の内面15は、溶湯3と同種の材料よりなる鋳造板との静止摩擦係数が、0.3以下である。鋳造ノズル1の内面には、黒鉛、BN、CaCO3、SiO2、TiO2、ZnO2の1種あるいは2種以上よりなるコーティング剤を塗布してあることが好ましい。溶湯3は、2000系、3000系、5000系、7000系のいずれかのアルミニウム合金であることが好ましい。
【選択図】図2
【解決手段】アルミニウムまたはマグネシウムの溶湯3を一対の回転ロール2間に供給し、回転ロール2間で溶湯3を凝固させて鋳造板30を連続的に鋳造する双ロール式溶湯圧延において、回転ロール2間に溶湯3を供給するための鋳造ノズル1である。鋳造ノズル1の内面15は、溶湯3と同種の材料よりなる鋳造板との静止摩擦係数が、0.3以下である。鋳造ノズル1の内面には、黒鉛、BN、CaCO3、SiO2、TiO2、ZnO2の1種あるいは2種以上よりなるコーティング剤を塗布してあることが好ましい。溶湯3は、2000系、3000系、5000系、7000系のいずれかのアルミニウム合金であることが好ましい。
【選択図】図2
Description
本発明は、双ロール式溶湯圧延において溶湯を供給するための鋳造ノズルに関する。
アルミニウム板(「アルミニウム」とはアルミニウムまたはアルミニウム合金を総称する)またはマグネシウム板(「マグネシウム」とはマグネシウムまたはマグネシウム合金を総称する)を製造する方法として、双ロール式溶湯圧延法がある。双ロール式溶湯圧延法は、内部が冷却された一対の鋳造用ロールを配置し、そのロール間に所望の金属の溶湯を供給しながらロールを回転させ、ロール間から板状の鋳塊を連続的に鋳造する方法である。一対のロール間に溶湯を導くために、ロール間の上流側には、ロール間に向かって開口する鋳造ノズルが配設されている(特許文献1)。
後述する図1、図2にも示すごとく、鋳造ノズルは、ロールセンターに近い位置で開口するように、先端部の厚みを極力薄くしてある。そのため、鋳造ノズル先端部の内部の溶湯流路も狭く、溶湯が凝固して詰まりやすい。
特に、ノズル内面と溶湯とが濡れやすいと、ノズルからの冷却を強く受けて凝固しやすくなる。そのため、鋳造ノズルには、保温性の高い耐火物を使用するとともに、溶湯との接触面に例えばBNを塗布することが提案されている(特許文献2、特許文献3)。
また、内面の粗さを制限して濡れを防止する方法も提案されている(特許文献4)。
特に、ノズル内面と溶湯とが濡れやすいと、ノズルからの冷却を強く受けて凝固しやすくなる。そのため、鋳造ノズルには、保温性の高い耐火物を使用するとともに、溶湯との接触面に例えばBNを塗布することが提案されている(特許文献2、特許文献3)。
また、内面の粗さを制限して濡れを防止する方法も提案されている(特許文献4)。
従来、鋳造ノズル内の凝固防止方法としては、上記のように保温性の高い材料と、濡れ性を阻害するコーティングなどの方法がとられてきた。
一方、近年では鋳造の生産性を高めるためや、鋳造後の圧延工程での負荷を軽減するため、薄肉材への要求が強くなり、ノズル先端の開口をさらに小さくする必要がでてきた。
一方、近年では鋳造の生産性を高めるためや、鋳造後の圧延工程での負荷を軽減するため、薄肉材への要求が強くなり、ノズル先端の開口をさらに小さくする必要がでてきた。
また、溶湯圧延を行う対象としては、アルミニウムの場合には、従来は純Alや3003を中心とした凝固温度範囲の狭い合金が多かった。しかし、最近では3000系に種々の元素が添加された合金や5000系など凝固温度範囲の広い合金を鋳造する必要もでてきた。
このような背景のもと、上記の従来方法では、ノズル先端内部での溶湯の凝固詰まりを十分に防止することができなくなってきた。そして、例えば、上記の凝固温度範囲の広い合金を鋳造する場合には、ノズル先端部近傍で溶湯の一部が凝固して固液共存層を形成し、その固液共存層とノズル内面との接触によって内面のコーティング層が剥離したり、さらにはコーティング層が剥離して濡れやすくなった部分からさらに凝固が進行してノズル先端を破損させるという問題がでてきた。
この問題を解決するには、鋳造ノズルに供給される溶湯の温度を高くする、鋳造ロールからの抜熱を少なくするなどの鋳造条件面での方法もあるが、要求される品質を満足するには条件面での対策をとれないことも多い。また、溶湯温度の高温化やロール抜熱の減少は特に凝固温度範囲の広い合金ではロール出側からの湯漏れもしくは不完全な凝固の問題を引き起こすこともある。
以上のような問題は、アルミニウム板の場合だけに限らず、マグネシウム板を双ロール式溶湯圧延機法により製造する場合にも起こりうる。
以上のような問題は、アルミニウム板の場合だけに限らず、マグネシウム板を双ロール式溶湯圧延機法により製造する場合にも起こりうる。
本発明はかかる問題を解決するためになされたものであり、鋳造ノズル先端で一部凝固しても鋳造トラブルを引き起こすことなく、安定して溶湯圧延することを可能とする双ロール式溶湯圧延用鋳造ノズルを提供しようとするものである。
本発明は、アルミニウムまたはマグネシウムの溶湯を一対の回転ロール間に供給し、該回転ロール間で上記溶湯を凝固させて鋳造板を連続的に鋳造する双ロール式溶湯圧延において、上記回転ロール間に上記溶湯を供給するための鋳造ノズルであって、
該鋳造ノズルの内面は、上記溶湯と同種の材料よりなる鋳造板との静止摩擦係数が、0.3以下であることを特徴とする双ロール式溶湯圧延用鋳造ノズルにある(請求項1)。
該鋳造ノズルの内面は、上記溶湯と同種の材料よりなる鋳造板との静止摩擦係数が、0.3以下であることを特徴とする双ロール式溶湯圧延用鋳造ノズルにある(請求項1)。
本発明において注目すべき点は、上記のごとく、双ロール式溶湯圧延用の鋳造ノズルの内面と、鋳造板との静止摩擦係数に着目し、その値を0.3以下に制限した点にある。
すなわち、鋳造ノズル内部の溶湯流路において溶湯の固液共存層が形成された場合には、その固液共存層が鋳造ノズル内面に接触する。このときの両者の間の摩擦係数を一定の範囲にすることによって、ノズル先端破損等の問題を効果的に回避することが可能となる。
すなわち、鋳造ノズル内部の溶湯流路において溶湯の固液共存層が形成された場合には、その固液共存層が鋳造ノズル内面に接触する。このときの両者の間の摩擦係数を一定の範囲にすることによって、ノズル先端破損等の問題を効果的に回避することが可能となる。
摩擦係数については、実際のノズル内面と固液共存層との間の摩擦の条件を設定することが本来有効なものである。しかし、固液共存層を対象とすることは現実的には困難である。本発明では、種々の検討の結果、上記のごとく、上記鋳造板で代替させることが可能であることを見出した。
摩擦係数を定めるための鋳造板としては、実際に処理する溶湯と全く同じ材質の鋳造板が最も好ましいが、上記「同種の材料」とは、厳密に全く同じ成分でない場合を含む概念である。具体的には、アルミニウムが製造対象の場合には、摩擦係数測定用の鋳造板は、いわゆるアルミニウム(アルミニウムまたはアルミニウム合金)であれば許容され、マグネシウムが製造対象の場合には、摩擦係数測定用の鋳造板は、いわゆるマグネシウム(マグネシウムまたはマグネシウム合金)であれば許容される。好ましくは、同じ材質系の範囲内で選択するのがよい。例えば、アルミニウムの場合には、2000系アルミニウム合金の溶湯を鋳造する鋳造ノズルに対しては、摩擦係数測定用の鋳造板は、同じ材質でなくても2000系に属する材質のアルミニウム合金の鋳造板を用いることがより好ましい。
そして、本発明では、鋳造ノズル内面と上記鋳造板との間の静止摩擦係数を0.3以下とする。これにより、鋳造ノズル先端で溶湯の一部が凝固しても、コーティング層を設けてある場合でもこれが剥離することがなく、ノズル内凝固に伴う問題が発生しない。また、ノズル内凝固を気にすることなく、適正な条件での溶湯圧延が可能となる。
上記鋳造ノズルの内面の滑り性を良好にして静止摩擦係数を低くすればするほどノズル内凝固に伴う問題は発生しにくくなる。一方、必要以上に鋳造ノズル内面の滑り性を良好とすることはコストアップを引き起こし好ましくない。この点を考慮し、本発明では、上記静止摩擦係数は、0.3を上限とし、これ以下とする。
本発明において、上記鋳造ノズルの内面には、黒鉛、BN、CaCO3、SiO2、TiO2、ZnO2の1種あるいは2種以上よりなるコーティング剤を塗布してあることが好ましい(請求項2)。
上記静止摩擦係数を0.3以下にするためには、鋳造ノズルの材質そのものによって工夫することも可能であるが、鋳造ノズルの内面に滑り性が良好、かつ耐熱性の良好な材質を塗布する方が好ましい。この場合には、鋳造ノズルの材質は特に問われないため、例えば、ケイ酸カルシウム系などの耐火物系であれば問題ない。
上記静止摩擦係数を0.3以下にするためには、鋳造ノズルの材質そのものによって工夫することも可能であるが、鋳造ノズルの内面に滑り性が良好、かつ耐熱性の良好な材質を塗布する方が好ましい。この場合には、鋳造ノズルの材質は特に問われないため、例えば、ケイ酸カルシウム系などの耐火物系であれば問題ない。
鋳造ノズルの内面に塗布するコーティング剤の種類としては、上述したごとく、BN、CaCO3、SiO2、TiO2、ZnO2が好ましい。これらは、1種だけでもよいし、2種以上を用いてもかまわない。
ただし、コーティング剤を塗布したら乾燥させ、1000メッシュ以上の研磨紙などで研磨後摩擦力を測定し、静止摩擦係数が0.3以下となるように、積極的に面性状を調整することが必要である。
ただし、コーティング剤を塗布したら乾燥させ、1000メッシュ以上の研磨紙などで研磨後摩擦力を測定し、静止摩擦係数が0.3以下となるように、積極的に面性状を調整することが必要である。
また、上記溶湯は、2000系、3000系、5000系、7000系のいずれかのアルミニウム合金である場合に、特に本発明が有効である(請求項3)。3000系、5000系アルミニウム合金としては、例えば、3004、3009、5052、5056、5082、5083などを挙げることができる。
(実施例1)
本発明の実施例にかかる双ロール式溶湯圧延用鋳造ノズルにつき、図1、図2を用いて説明する。
本例の双ロール式溶湯圧延用鋳造ノズル1は、図1に示すごとく、アルミニウムの溶湯3を一対の回転ロール2間に供給し、該回転ロール2間で上記溶湯3を凝固させて鋳造板4を連続的に鋳造するための双ロール式溶湯圧延機100において、回転ロール2間に上記溶湯3を供給するための鋳造ノズルである。
そして、本例の鋳造ノズル1の内面 は、溶湯3と同種の材料よりなる鋳造板との静止摩擦係数が、0.3以下である。
以下、これを詳説する。
本発明の実施例にかかる双ロール式溶湯圧延用鋳造ノズルにつき、図1、図2を用いて説明する。
本例の双ロール式溶湯圧延用鋳造ノズル1は、図1に示すごとく、アルミニウムの溶湯3を一対の回転ロール2間に供給し、該回転ロール2間で上記溶湯3を凝固させて鋳造板4を連続的に鋳造するための双ロール式溶湯圧延機100において、回転ロール2間に上記溶湯3を供給するための鋳造ノズルである。
そして、本例の鋳造ノズル1の内面 は、溶湯3と同種の材料よりなる鋳造板との静止摩擦係数が、0.3以下である。
以下、これを詳説する。
図1に示すごとく、鋳造ノズル1は、本体部分10の外形状が、先端に近づくにつれて薄くなる断面楔状の形状を有する。鋳造ノズル1の内部には、その後端から先端に貫通する溶湯流路150が形成されている。鋳造ノズル1の後端には、その上流側の溶湯供給路19が接続され、そこを流れてきた溶湯3が鋳造ノズル1の後端から溶湯流路150に流入するように構成されている。
また、溶湯流路150は、鋳造ノズル1の先端近傍における幅寸法Dが5mmに設定されている。なお、同図の紙面を貫通する方向の鋳造ノズル1の幅寸法は約300mmである。
そして、本例では、本発明の実施例として、上記鋳造ノズル1の内面15の摩擦係数を本発明の範囲に調整したノズルAと、摩擦係数が本発明の範囲から外れたノズルB及びノズルCを準備して、実際に双ロール式溶湯圧延に使用し、その性能を評価した。
<ノズルA>
ノズルAは、鋳造ノズル1の本体部分10を、ケイ酸カルシウムを主成分とする耐火材料で製作した。そして、図1、図2に示すごとく、鋳造ノズル1の内面15は、その全長全面に、水で溶いたBNを塗布して乾燥させ、コーティング層14を形成し、1000メッシュの耐水研磨紙で1回目の研磨を行った。そして、別途準備したJIS2014よりなる鋳造板との静止摩擦係数μを測定した。また、表面粗さRaも測定した。
ノズルAは、鋳造ノズル1の本体部分10を、ケイ酸カルシウムを主成分とする耐火材料で製作した。そして、図1、図2に示すごとく、鋳造ノズル1の内面15は、その全長全面に、水で溶いたBNを塗布して乾燥させ、コーティング層14を形成し、1000メッシュの耐水研磨紙で1回目の研磨を行った。そして、別途準備したJIS2014よりなる鋳造板との静止摩擦係数μを測定した。また、表面粗さRaも測定した。
静止摩擦係数μは、上記鋳造板を、ノズルAの内面15の平坦部に載せ、同ノズルを傾斜させた際にアルミ板が滑り出す角度で評価した。
例えば、滑り出し角度をθとすると、静止摩擦係数μは、式(1)により求めることができる。
μ=sinθ/cosθ ・・・式(1)
例えば、滑り出し角度をθとすると、静止摩擦係数μは、式(1)により求めることができる。
μ=sinθ/cosθ ・・・式(1)
上記1回目の研磨後に測定した静止摩擦係数μは0.32であり、表面粗さRaは2.0μmであった。そのため、再度、上記と同様にBN塗布(コーティング層14の形成)、乾燥、研磨をもう1回行った。そして、再度上記鋳造板との静止摩擦係数μ及び表面粗さRaを測定した。その結果、静止摩擦係数μは0.25、表面粗さRaは1.5μmであった。この状態を、ノズルAの内面15の最終的な面性状とした。
<ノズルB>
ノズルBは、上記ノズルAと同様に、BN塗布、乾燥を1回だけ行ってコーティング層14を形成し、研磨を行わないで内面15を仕上げた。ノズルBの内面15は、上記と同様の測定方法による静止摩擦係数μが0.35であった。
ノズルBは、上記ノズルAと同様に、BN塗布、乾燥を1回だけ行ってコーティング層14を形成し、研磨を行わないで内面15を仕上げた。ノズルBの内面15は、上記と同様の測定方法による静止摩擦係数μが0.35であった。
<ノズルC>
ノズルCは、BNの塗布は行わず、上記耐火材料よりなる本体部10を露出させた状態で、研磨だけを行った。ケイ酸カルシウムを主成分とする材料で製作した。ノズルCの内面15は、上記と同様の測定方法による静止摩擦係数μが0.37であった。
ノズルCは、BNの塗布は行わず、上記耐火材料よりなる本体部10を露出させた状態で、研磨だけを行った。ケイ酸カルシウムを主成分とする材料で製作した。ノズルCの内面15は、上記と同様の測定方法による静止摩擦係数μが0.37であった。
<溶湯圧延>
図1、図2に示すごとく、双ロール式溶湯圧延機100における直径485mmの回転ロール2間の上流に順次上記ノズルA〜Cを配置し、実際に溶湯圧延を行った。溶湯3の材質は、JIS2014とした。鋳造条件は、溶湯温度700℃、回転ロール2のギャップGは3mm、回転ロール2の周速度は1.5m/分を基本条件とした。この条件の場合には、図1、図2に示すごとく、鋳造ノズル1内において溶湯の一部が凝固した固液共存層30の形成が開始される。
図1、図2に示すごとく、双ロール式溶湯圧延機100における直径485mmの回転ロール2間の上流に順次上記ノズルA〜Cを配置し、実際に溶湯圧延を行った。溶湯3の材質は、JIS2014とした。鋳造条件は、溶湯温度700℃、回転ロール2のギャップGは3mm、回転ロール2の周速度は1.5m/分を基本条件とした。この条件の場合には、図1、図2に示すごとく、鋳造ノズル1内において溶湯の一部が凝固した固液共存層30の形成が開始される。
上記基本条件での溶湯圧延の結果、ノズルAを用いた場合は問題なく鋳造できたが、他の溶湯圧延ではノズル内凝固でノズルが破損した。
さらに、ノズルBを用いた溶湯圧延でノズル内凝固を避けるために溶湯温度の高温化と溶湯圧延速度を増加したところ、凝固が不完全となって湯漏れが生じた。
さらに、ノズルBを用いた溶湯圧延でノズル内凝固を避けるために溶湯温度の高温化と溶湯圧延速度を増加したところ、凝固が不完全となって湯漏れが生じた。
以上の結果から、上記静止摩擦係数μを制御することが、鋳造ノズルのトラブル抑制に有効であることがわかった。
なお、本例では、図1、図2に示すごとく、コーティング層14を設ける例として、鋳造ノズル1の内面15の全長全面に設ける例を示した。これは、コーティング層14を設ける場合に、内面15の一部だけを選択して設けるよりも全長全面に設ける方が比較的容易であるためである。だたし、コーティング層14を設ける範囲としては、溶湯が固液共存状態となった溶湯と接する領域であるノズル先端近傍のみでよい。そのため、例えば、図3に示すごとく、コーティング層14を設ける場合に、鋳造ノズル1の先端部近傍のみに設けてもよい。この際、溶湯の固液共存状態の領域を確実にカバーするために、コーティング層14を設ける長手方向の寸法Lは、鋳造ノズル1の先端近傍における幅寸法Dよりも大きいことが好ましい。
1 双ロール式溶湯圧延用鋳造ノズル
15 内面
3 溶湯
30 固液共存層
4 鋳造板
15 内面
3 溶湯
30 固液共存層
4 鋳造板
Claims (3)
- アルミニウムまたはマグネシウムの溶湯を一対の回転ロール間に供給し、該回転ロール間で上記溶湯を凝固させて鋳造板を連続的に鋳造する双ロール式溶湯圧延において、上記回転ロール間に上記溶湯を供給するための鋳造ノズルであって、
該鋳造ノズルの内面は、上記溶湯と同種の材料よりなる鋳造板との静止摩擦係数が、0.3以下であることを特徴とする双ロール式溶湯圧延用鋳造ノズル。 - 請求項1において、上記鋳造ノズルの内面には、黒鉛、BN、CaCO3、SiO2、TiO2、ZnO2の1種あるいは2種以上よりなるコーティング剤を塗布してあることを特徴とする双ロール式溶湯圧延用鋳造ノズル。
- 請求項1または2において、上記溶湯は、2000系、3000系、5000系、7000系のいずれかのアルミニウム合金であることを特徴とする双ロール式溶湯圧延用鋳造ノズル。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2009213253A JP2011062708A (ja) | 2009-09-15 | 2009-09-15 | 双ロール式溶湯圧延用鋳造ノズル |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2012011464A (ja) * | 2010-06-04 | 2012-01-19 | Sumitomo Electric Ind Ltd | 連続鋳造用ノズル、連続鋳造方法、および鋳造材 |
US20150064058A1 (en) * | 2013-09-05 | 2015-03-05 | Korea Institute Of Machinery And Materials | Method Of Manufacturing Aluminum-Zinc-Based Alloy Sheet Using Twin-Roll Casting And Aluminum-Zinc-Based Alloy Sheet Manufactured Thereby |
-
2009
- 2009-09-15 JP JP2009213253A patent/JP2011062708A/ja active Pending
Cited By (3)
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US10226813B2 (en) * | 2013-09-05 | 2019-03-12 | Korea Institute Of Machinery And Materials | Method of manufacturing aluminum-zinc-based alloy sheet using twin-roll casting and aluminum-zinc-based alloy sheet manufactured thereby |
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