JP2011061769A - アンテナの製造方法及びアンテナ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ブーム管壁の左右壁部の内面の夫々には、上下方向相互間に間隙を形成する状態でブームの軸心方向に長い二条のリブを並設させ、上下方向の各二条のリブの相互間にある間隙の外側に位置する壁を大きく外周に向けて湾曲させて張り出させることにより、上下方向の各二条のリブの相互間の間隙が小さくなる方向で、かつ、上記左右のリブ相互間が遠くなる方向に、4個のリブを斜め方向に移動させて、4個のリブを夫々対応するアンテナ素子の周壁における両側の壁部に夫々斜め方向から食い込む状態にして、アンテナ素子の回動と軸線方向の移動を阻止するような状態でもって上記中空管状のブームにアンテナ素子が固着されている。
【選択図】 図12
Description
例えば、特許文献1に示されるアンテナ素子の製造方法は次のようにされている。
中空管状のブームの管内においては、断面形状においてアンテナ素子の存置予定位置の両側となる位置を中間にしてそれの上下両側位置にある壁に、夫々上記ブームの軸心方向に伸びる板状のリブを備えさせ、次に、上記ブームの管壁孔にアンテナ素子を貫通させ、
中空管状のブームの外壁に上下方向から圧力を加えて、中空管状のブームの上下の外壁を相互に近づける。その中空管状のブームの外壁を相互に近づけることにより、上下の外壁から夫々中央部に向けて伸びるリブの自由端を、上記中空管状アンテナ素子の管壁に押し当てて、管壁を押し潰して固定している。
従って、上記「リブ」による「アンテナ素子の周壁における中心位置にある周壁部」の押え量が僅かに不足すると、アンテナ素子の周壁が薄くて弱体であることからして、上記周壁部は塑性変形し、アンテナ素子の周壁に対するリブの押え状態は不安定になり、ブームに対するアンテナ素子の抜け止め、回り止めが十分にされず、信頼性に欠ける問題点があった。
他の目的は、ブームを変形させる場合、ブーム内の左右に備えさせた各二条のリブ を、夫々対応する「アンテナ素子における周壁の両側の各側部」に食い込ませて、ブームに対するアンテナ素子の抜け止めと回り止めをして長寿命で使用することができるアンテナの製造方法及びアンテナを提供しようとするものである。
他の目的及び利点は図面及びそれに関連した以下の説明により容易に明らかになるであろう。
上記の上下方向相互間に間隙52を隔てた状態で配設されている二条のリブ36、37の間には上記二個一対の管壁孔55を備えさせると共に、その管壁孔55の直径D1は、上記左右の各二条のリブ36、37の相互間の間隙52よりも大きく設定して、上記左右の各二条のリブ36、37にあっては、上記二個一対の管壁孔55が形成された部分の対向面に、アンテナ素子軸心方向には平坦になっている円弧状の添付面56を夫々形成し、上記左右の壁部内面において夫々上下方向に相対向する各二条のリブ36、37の相互間にある間隙52の外周側に位置する壁部26の厚みは、上記ブーム20を上下方向から加圧することにより、左右の壁部26、26は相互に遠く離れ、かつ、上記上下方向に相対向するリブ36、37の間の間隙52は小さくなるように外周に向けて湾曲して張り出すように形成しておいて、上記中空管状のブーム20に対するアンテナ素子19の固着は、上記ブーム20を上下方向から圧縮して、上記上下方向の各二条のリブ36、37に備えさせてある上記添付面56を、添付面56相互間の間隙が小さくなる方向で、かつ、上記左の壁部内面に配した二条のリブ36、37に係わる添付面56と、上記右の壁部内面に配した二条のリブ36、37に係わる添付面56との相互間が遠くなる方向に、夫々上記4個の添付面56を斜め方向に移動させて、夫々上記4個の添付面56を、夫々対応するアンテナ素子19の周壁における両側の壁部80a、80aに夫々斜め方向から食い込む状態にして、アンテナ素子19の回動と軸線方向の移動を阻止するようしたものである。
図1において、1は、マスト2によって支持されているアンテナ、例えば周知のUHF波の送受に利用される周知のアンテナを示す。アンテナ1において、20は中空管状のブーム、16は放射器、17は反射器、18は導波器を示し、これらはブーム20に対して装着されることにより一体化している。導波器18において19は、任意複数の中空管状のアンテナ素子で、ブーム20の軸心に対して直交する方向に向けて、夫々管壁21に任意所定の間隔で穿設された二個一対の管壁孔55を貫通した状態で固定されている。
3は、U字状の支持杆を示し、金具2aを介してマスト2に連結されている。支持杆3の両側の自由端3a、3aは、取付金具5、5を介してブーム20に着脱自在に連結してある。
バンド部6の内懐部7の形状は、ブーム20の外径形状に対応させてあり、支持杆添付部10、10を締付けることによって内懐部7の内周面はブーム20の外周面21aに対して一体化し、支持杆添付部10、10を緩めることにより、ブーム20の外周面21aは内懐部7の内周面から離れて90度の範囲内で回動自在になる(図2の折畳状態から、図1の状態にできる)。8は周知の長孔を示し、ブーム20に螺合させてある(回り止用)螺子に対して90度の範囲内で回動方向に相対的な移動を可能にしてある。9は位置決め用の目印で、図1の組立完了状態において、ブーム20の管壁21の上部に設けられた筋31に対応した位置を示す為に突出状に形成されている。12は支持杆添付部10、10を締緩するためのボルトの頭を示す。
なお、バンド部6において、上記凹部6cの位置には凹部6cを設けることなく、上記リブ6aと同様のものを設けて構成してもよい。
ブーム20は、周知のようにアルミニウム合金(例えばアルミA6063−T5)或は塑性変形可能な任意の硬質材によって形成されている。ブーム20の管壁21の断面形状は、図5に示される壁部23〜29(第1壁から第7壁)で囲まれた多角形状にしてある。壁部23、29で上下の壁を構成し、壁部24〜28で左右の壁を構成している。上下の壁部23と29の外周間の寸法H1は、左右の第4壁26の外周相互間の寸法W1より大きく(例えば1.5〜2.0倍位に)設定してある。上記図5に示される壁部23〜29(第1壁から第7壁)で囲まれる形状は、小判型形状と称することができる。
なお、上記壁部23、29で構成される上下の壁と、壁部24〜28で構成される左右の壁とは、図11のようにブーム20の断面形状を塑性変形させた後(製品化した後)は、断面形状が外観的に変化するので、図11のブーム20の中心点を中心にし、アンテナ素子19の軸線を基軸として略45度斜めを目安に上下と左右を区分する。従って、リブ36、37の実質的な元部(壁25、27に一体化している部分)は左右の壁に位置することになる。
第1壁23、第7壁29は、これらがブーム20の上面に位置して用いられた場合、過大な積雪を防止する為に図示のように上面を円弧状に形成してある。
第2壁24は、上方からリブ36に向けて逐次肉厚を増して第4壁26より厚みを大きく形成してある。第2壁24と第4壁26とを結ぶ間及び第4壁26と第6壁28とを結ぶ間にある第3壁25と第5壁27の夫々の内側にはリブ36、37を一体化させて備えさせ、丈夫にしてある。
第4壁26は、図9の状態から図11の状態に向けてブーム20を加圧して管壁21を変形させる過程において、他の壁の部分に比較して大きく曲がり、図11に表れているように円弧状に変形しうるように上下の両隣の壁より薄い厚みにしてある。従って、薄肉の壁とも称することができる。
第6壁28は、下方からリブ37に向けて逐次肉厚を増して第4壁26より厚みを大きく形成してある。
次に図3、4、6(B)、8に表れている31、32は、アンテナ素子19を水平にした状態でアンテナを使用する場合におけるブーム20の上下の中心位置を示す目印用の筋を示し、突設(凹設)してある。31L、31Rは、筋31、32の両隣に夫々平行して設けた筋を示し、ポール(支柱)が傾いていた場合、その傾きに対してアンテナ素子19の傾きを調整する場合の目印として用いることができる。
このように内面に4条のリブ36,37を備えるブーム20は、通常知られているように押出成形によっても製作できる。
第3周面40、頂部43、第4周面41等の相互の位置関係は、図6(A)、(C)の部分拡大断面図に詳細によく表れている。図6(C)の第3周面40と第4周面41との開き角は、図6(A)に比較して丈夫にするために、第4周面41を図示のように管壁孔55の軸線55aに平行する面の状態にしてある。従って、第4周面41は、後述の添付面56として利用できる。図6(D)の第1リブ36及び第2リブ37における第1周面38は、図6(A)の第1周面38と、第2周面39と、第3周面40とで形成される突出部分をなくした形状を示すもので、図6(A)の第1周面38と頂部43とを直線的に結んだ形状にしてある。従って、図6(A)の第1周面38と、第2周面39と、第3周面40とで形成される突出部分38aに相当する部材を成形段階において節約できる。
まず、図1〜5の中空管状のブーム20の管壁21におけるアンテナ素子19装着予定位置に対し、周知の手段を用いて、複数の中空管状のアンテナ素子19を左右方向に貫通させる為の二個一対の管壁孔55を所定間隔を隔てながら複数穿孔形成する。
上記管壁孔55の直径D1は、周知のようにアンテナ素子19の外径D2が挿通できるようにやや大きくした対応寸法にしてある。そしてブーム20内の左右の各二条のリブ36、37における二つの頂部43の相互間の間隙52よりも大きく形成してある。また、二条のリブ36、37の外側相互間の離間寸法を超えることのない寸法にしてある。従って、管壁孔55を形成すると、図5(B)、(C)、図8に表れるように、夫々のリブ36、37における第4周面41側も、第3周面40側の一部も夫々削り取られ、そこには図示のような円弧状の添付面56が夫々形成される。この添付面56におけるアンテナ素子軸心方向長さは、夫々第3壁25、第5壁27の壁厚寸法に比較して長くなる。
さらに、ブーム20内の左右の各二条のリブの頂部43は、夫々管壁孔55が設けられた位置において、図8に表われているように、そこで連続性が遮断されている。従って、この頂部43が貫通孔55によって遮断された位置においては、上下二つのリブ36、37の第4周面41と第3周面40と、添付面56とによって、各リブにつき2個(全部のリブでは8個)の鋭い牙のような尖頭部58が形成される。尖頭部58、58のブーム軸心方向の間隔53は図7に表われているように、管壁孔55の直径D1より小さくしてある。
次に、上記二個一対の管壁孔55に対して、通常行われるように中空管状のアンテナ素子19を貫通させる。この状態では、アンテナ素子19は図7、9、10のように、左右の各二条のリブ36、37において上下二つの添付面56と4個の尖頭部58によって夫々支持される。
この点について、ブーム20の管壁21、ブーム内の上下のリブ36、37、ブーム20内に位置するアンテナ素子19夫々の動作を、図9〜15を用いて以下詳しく順次説明する。
図9の状態で上下二つのプレス金型70の対向面70a、70bを夫々矢印35a、35bに向けて近付けると、ブームの第1壁23と第7壁部29とは、プレス金型70に押されて相互に近づく方向に移動する(約83%)。この移動と共に、左右の第4壁26、26は相互に遠ざかる方向(矢印35c、35d方向)へと広がる。この際、ここは図9のように上下のリブ36、37が存在する部分より肉薄で耐曲げ力を弱くしてあったり、又は図5(B)のように管壁孔55の存在で耐曲げ力が弱くなっていたりしていて、夫々壁部26の上下方向の中間位置を頂点として、図11のように凹部71の内壁面に沿う状態に左右に膨出状に変形する。このような、上下の壁部23、29の移動と、左右の第4壁26、26の移動に伴い、上半部の壁部24はハの字状に広がり、下半部の壁部28は逆ハの字状に広がる。なお72は欠如部(エレメント存置空間)を示す。
なお、上記の金型を用いて「上下方向から加圧」をするときの作業においては、上下の壁23、29が薄くて最も曲がりやすい恐れのある場合には、上下の壁23、29の外側面に金型内面を密接状態で当接させることにより補強効果を発生させ、そこの湾曲を予め防止することができる。
前述したブームの管壁21における左右の壁部26、26の変形によって、図9の左右の各二条のリブ36、37も夫々図11に示されるように、リブ36、37の上下の頂部43、43が相互に近づくように変位する。
この左右各2本のリブ36、37の変位によって、全8個の尖頭部58と、4個の添付面56も夫々対応変位し、図12(A)(B)のように、 上下一対の尖頭部58が、相互に近付いて、夫々対応するアンテナ素子19の周壁80に食い込む。その際の、上記尖頭部58の動作を図14(A)を用いて説明する。
図14(A)は、図9〜図15に表れているブーム壁部21と、リブ36、37と、尖頭部58と、添付面56と、角部57、アンテナ素子19との相互の動作を詳細に説明する為に用いる図で、図10の符号G1部分と、図12のG2部分の輪郭を重ねて、各部の動きを部分的に説明できるようにしたものである。従って、この図の部分的な動きから、図10と、図12に表れている各部の対応する全ての動きは想定でき、明らかになる。
なお、図中、一点鎖線で示される尖頭部58、壁23等の位置は、成型開始前、即ち、図9、10の状態を示す。実線で示される尖頭部58、壁23等の位置は成型完了状態、即ち、図11、12の状態を示す。
図14(A)において、前述したように一点鎖線で示す壁23を矢印35a方向に押圧して実線方向に変位させると、前述したようにその変位に連動する状態で一点鎖線で示される壁26に矢印35d方向の分力がおよんで壁26は彎曲して実線位置に変位する。その変位の過程において尖頭部58は、一点鎖線の位置から円弧の軌跡S5を描いて実線位置に変位する。その変位の軌跡S5は図示のように下降曲線を描きながら、矢印35d方向に向う。
上記の尖頭部58の動きは、図14(A)、図10(B)、図12(B)から明らかなように、管壁21の左右における各上下に存在する二つの尖頭部58が一対として、同時に、「相互間の距離を縮めながら変位」する。
上記の添付面56の動きは、図10(A)、図12(A)、図14(A)から明らかなように管壁21の左右における各上下に存在する各添付面56、角部57が一対として、同時に、「相互間の距離を縮めながら変位」する。
上記の説明から明らかなように、ブーム20の尖頭部58を夫々対応するアンテナ素子19の周壁80における左右の壁部80aに食い込ませ(図12(B)参照)、しかもその食い込み状態においては、 各尖頭部58の位置におけるリブ36、37の山形状になっている部分43aの管内部21b側に向く面40を、断面形状において、上下方向に相対向するリブ36、37の頂部相互間を結ぶ線44の線上にリブ36、37の一部が位置するように管内部21b側に寄せた状態で食い込ませる。
その内、図13は、上記8個の尖頭部58と、4箇所の添付面56と、そこの夫々の角部57の動きによりアンテナ素子19の周壁80が対応して変形した状態を図法を変えて詳細に示すものである。
図13において(A)〜(C)は、ブーム20に対するアンテナ素子19の固定状態を説明する為の図面であって、変形後のブーム20を一部破断して示す概略断面図(アンテナ素子19の表示は省略してある)。それらの図の破断位置は、(A)は図11のXIII A−XIII A位置、(B)は図12(A)のXIII B−XIII B位置、(C)は図12(B)のXIII C−XIII C位置である。更に(D)〜(G)は、ブーム20に対するアンテナ素子19の固定状態を説明する為の図面であって、アンテナ素子19を一部破断して示す概略断面図(ブーム20の表示は省略してある)。(D)は変形前のアンテナ素子19、(E)〜(G)は変形後のアンテナ素子19を示す。それらの図の破断位置は、(E)は図11のXIII A−XIII A位置、(F)は図12(A)のXIII B−XIII B位置、(G)は図12(B)のXIII C−XIII C位置である。
このように、周壁80の各部夫々の上下寸法を小さくしながら変形し(D2>D5>D8>D7の大きさになるように変形し)、やがては図12(A)、図13(F)の状態に変形する。また当然のことながらこれらの変形した部分は、図15に現れるようにアンテナ素子19の平面形状にも表れる。
また、上記8個の尖頭部58が、図14(A)の一点鎖線位置(図10(B)の位置)から緩やかな円弧状の軌跡S5を描いて実線位置に向かう過程にあっては、各尖頭部58の位置におけるリブ36、37の山形状になっている部分43aの管内部21b側に向く面40は、図12(B)に表れているように、断面形状において、上下方向に相対向するリブ36、37の頂部相互間を結ぶ線44の線上にリブ36、37の一部が位置するように管内部21b側に寄る状態で移動する。このように対向するリブ36、37の頂部相互間を結ぶ線44の線上の後方に上記の各尖頭部58を支えるリブ36、37の部材が位置すると、アンテナ素子19の周壁80の両側壁80aからの大きな反力に対しても充分に対抗できる大きな力を発揮させることができる。
83、83は、角部57が図14(A)の一点鎖線位置から、緩やかな円弧状の軌跡S6を描いて実線位置に向かう過程において、上記外周面81の上部に強く摺擦、圧縮してできた斜面を示す。84、84は、添付面56で押圧変形された斜面を示す。
次に82、82は、添付面56、56が、図14(A)の一点鎖線位置から、緩やかな円弧状の軌跡S6を描いて実線位置に向かう過程において、上記外周面81の上部を強く押圧して図13(F)に表れているD7方向の寸法を縮める過程で、アンテナ素子19の左右方向の両側の壁部80aに膨出した膨出部を示す。
85は、上記膨出部82に形成された食込み部を示す。この食込み部85は、尖頭部58が図14(A)の一点鎖線位置から、緩やかな円弧状の軌跡S5を描いて実線位置に向かう変位の過程において、図13(G)に現れているように周壁80の両側の壁部80aに形成される膨出部82に対して押圧する状態で食い付くことによって、深い凹状に形成されている。この食込み部85、85の両側に形成されている膨出部82、82(図13(G)参照)は、図13(C)の間隙52に向けて膨出する。
なお、アンテナ素子19の裏面も同様になるのであるが、自明な為省略する。
この状態にあっては、図11〜15から理解できるように、アンテナ素子19は、8個の尖頭部58によって周壁の両側の壁部80a、80aに放射方向から楔を打たれたようになっており、アンテナ素子19の軸心(軸線)方向への移動は阻止され、かつ、周方向の回動も確実に阻止される。
しかも、上記アンテナ素子19の外周面81における凹状係部86、食込み部85等は、ブーム20の管内、即ち、図15のブームの管壁外周面21a、21aの間(W2)よりも管内に位置するものであり、雨水に晒されることはなく長寿命となる。
その上、アンテナ素子19にあって、上記凹状係部86、食込み部85等が形成されている部分と、ブームの管壁外周面21a、21aとの間に夫々存在する「管壁孔55の内面に当接する部分81a」は、夫々で対応する管壁孔55の内面に夫々密着して、ソフトに支持されるので、アンテナ素子19におけるブーム20の左右の管壁孔55から突出する部分の元部には、格別に配慮しなければならない様な集中応力が加わる場所はなく、ブームの元部は長寿命となる状態で維持される。
この点につき、図14(B)(C)を用いて説明する。上記の第4壁26、26の内面(第7周面45)と、それの外面は壁厚が均等(例えば1.2mm前後)になるように平行に構成されている。図14(B)の第7周面45の上下方向の区間26aは、間隙52(例えば4〜4.5mm)よりも小さくなり、図14(C)の上下方向においては、間隙52(例えば1.3〜1.5mm)よりも大きくなるように設定してある。
第6周面42a、第5周面42は、第4壁26、26の上下の両側の応力集中を避けるために両側に向けて逐次肉厚を増すように傾斜面にしてある。
薄肉壁26の外面における上下方向の区間にあって、直線状にしてある区間は、上記第7周面45の上下方向の区間26aの長さ寸法よりもやや大きく、図14(B)(C)の比較からも明らかなように、図14(C)の湾曲させた後の状態では、外周面は引き伸ばされるので、これらの点を考慮して、やや大きく設定してある。図14(B)の状態で、間隙52の寸法を目安にして設定してある(例えば約4mm〜5mm)。
なお、図16(A)における左右の頂部43、43相互間の実寸は、約6.6mm、図16(B)における左右の頂部43、43相互間の拡張された後の実寸は約15mm位になり、左右方向への拡張は約2.3倍位になる。
また、ブーム20の横幅に対して、頂部43、43の位置は、図16(A)の場合は約3等分位置であるのに対し、図16(B)の場合は、約3等分位置(少なくとも4等分した位置よりも外側に近い位置)に設定してある。
図17(A)は、変形前の断面形状が楕円形状のブーム20における管壁21と第1、第2リブ36、37と、添付面56と、角部57と、尖頭部58と、アンテナ素子19との具体的な寸法関係を示す。図17(B)は、断面形状が丸くなり、6角型とも思える形に変形後のブーム20の断面形状を示し、管壁21と、第1、第2リブ36、37(4本のリブ36、37)と、添付面56と、角部57と、尖頭部58と、アンテナ素子19との具体的な寸法関係を示す。
なお、本件の図面において、()内に示される数字は、実施例の寸法(単位:mm)を示す。[]内の数字は、実施例の角度(単位:度)を示す。<>内の数字は、実施例の半径曲率(半径:mm)を示す。
次に図18は、図16の(A)と(B)に夫々表れているブームの断面形状を、相互の曲がり角度を比較する為に重ねて示した模式図である。
なお、図16、17、18においても前述の図1〜15のものと機能、性質、手段又は特徴等が同一又は均等構成と考えられる部分には、前述の図と同一の符号を付して重複する説明を省略する。
Claims (6)
- 中空管状のブームの管壁には、中空管状のアンテナ素子をブームの左右方向に向けて貫通させる為の二個一対の管壁孔を設け、
上記二個一対の管壁孔には中空管状のアンテナ素子を貫通させ、上記ブームの外周に圧力を加えてブームを上下方向に圧縮して変形させることにより、上記ブームに対してアンテナ素子を固着するようにしたアンテナの製造方法において、
上記ブームの管壁における左右の壁部の内面の夫々には、上下方向に相互間に間隙を形成する状態でブームの軸心方向に長い二条のリブを並設させ、
上記左右の壁部内面に夫々配した二条のリブの断面形状は、夫々管内部に向けて膨出状に形成してあり、
上記左右の壁部内面において夫々上下方向に相対向する各二条のリブの相互間にある間隙の外周側に位置する壁部の厚みは、上記ブームを上下方向から加圧することにより、左右の壁部は相互に遠く離れ、かつ、上記上下方向に相対向するリブの間の間隙は小さくなるように外周に向けて湾曲して張り出すように形成しておいて、
上記中空管状のブームに対するアンテナ素子の固着は、上記ブームを上下方向から圧縮して、上記上下方向の各二条のリブ相互間の間隙が小さくなる方向で、かつ、上記左の壁部内面に配した二条のリブと、上記右の壁部内面に配した二条のリブとの相互間が遠くなる方向に、夫々上記4個のリブを斜め方向に移動させて、夫々上記4個のリブを、夫々リブの相互間に位置する対応アンテナ素子の周壁における両側の壁部に夫々斜め方向から食い込む状態にして、アンテナ素子の回動と軸線方向の移動を阻止するようしたことを特徴とするアンテナの製造方法。 - 中空管状のブームの管壁には、中空管状のアンテナ素子をブームの左右方向に向けて貫通させる為の二個一対の管壁孔を設け、
上記二個一対の管壁孔には中空管状のアンテナ素子を貫通させ、上記ブームの外周に圧力を加えてブームを上下方向に圧縮して変形させることにより、上記ブームに対してアンテナ素子を固着するようにしたアンテナの製造方法において、
上記ブームの管壁における左右の壁部の内面の夫々には、上下方向に相互間に間隙を形成する状態でブームの軸心方向に長い二条のリブを並設させ、
上記左右の壁部内面に夫々配した二条のリブの断面形状は、夫々管内部に向けて突出させて膨出状に形成し、
上記の上下方向相互間に間隙を隔てた状態で配設されている二条のリブの間には上記二個一対の管壁孔を備えさせると共に、その管壁孔の直径は、上記左右の各二条のリブの相互間の間隙よりも大きく設定して、上記左右の各二条のリブにあっては、上記二個一対の管壁孔が形成された部分の対向面に、アンテナ素子軸心方向には平坦になっている円弧状の添付面を夫々形成し、
上記左右の壁部内面において夫々上下方向に相対向する各二条のリブの相互間にある間隙の外周側に位置する壁部の厚みは、上記ブームを上下方向から加圧することにより、左右の壁部は相互に遠く離れ、かつ、上記上下方向に相対向するリブの間の間隙は小さくなるように外周に向けて湾曲して張り出すように形成しておいて、
上記中空管状のブームに対するアンテナ素子の固着は、上記ブームを上下方向から圧縮して、上記上下方向の各二条のリブに備えさせてある上記添付面を、添付面相互間の間隙が小さくなる方向で、かつ、上記左の壁部内面に配した二条のリブに係わる添付面と、上記右の壁部内面に配した二条のリブに係わる添付面との相互間が遠くなる方向に、夫々上記4個の添付面を斜め方向に移動させて、夫々上記4個の添付面を、夫々対応するアンテナ素子の周壁における両側の壁部に夫々斜め方向から食い込む状態にして、アンテナ素子の回動と軸線方向の移動を阻止するようしたことを特徴とするアンテナの製造方法。 - 中空管状のブームの管壁には、中空管状のアンテナ素子をブームの左右方向に向けて貫通させる為の二個一対の管壁孔を設け、
上記二個一対の管壁孔には中空管状のアンテナ素子を貫通させ、上記ブームの外周に圧力を加えてブームを上下方向に圧縮して変形させることにより、上記ブームに対してアンテナ素子を固着するようにしたアンテナの製造方法において、
上記ブームの管壁における左右の壁部の内面の夫々には、上下方向に相互間に間隙を形成する状態でブームの軸心方向に長い二条のリブを並設させ、
上記左右の壁部内面に夫々配した二条のリブの断面形状は、夫々管内部に向けて突出させて膨出状に形成し、
上記の上下方向相互間に間隙を隔てた状態で配設されている二条のリブの間には上記二個一対の管壁孔を備えさせると共に、その管壁孔の直径は、上記左右の各二条のリブの相互間の間隙よりも大きく設定してあって、上記左右の各二条のリブにあっては、上記二個一対の管壁孔が形成された部分おいて対向面の側を部分的に遮断し、その遮断部分の両側には各リブにつき2個の尖頭部を形成し、
上記左右の壁部内面において夫々上下方向に相対向する各二条のリブの相互間にある間隙の外周側に位置する壁部の厚みは、上記ブームを上下方向から加圧することにより、左右の壁部は相互に遠く離れ、かつ、上記上下方向に相対向するリブの間の間隙は小さくなるように外周に向けて湾曲して張り出すように形成しておいて、
上記中空管状のブームに対するアンテナ素子の固着は、上記ブームを上下方向から圧縮して、上記上下方向の各二条のリブに夫々形成してある各2個の尖頭部を、上下方向の相互間の間隙が小さくなる方向で、かつ、上記左の壁部内面に配した二条のリブに係わる4個の尖頭部と、上記右の壁部内面に配した二条のリブに係わる4個の尖頭部との相互間が遠くなる方向に、夫々上記8個の尖頭部を斜め方向に移動させて、夫々上記尖頭部を、夫々対応するアンテナ素子の周壁における両側の壁部に夫々斜め方向から食い込む状態にして、アンテナ素子の回動と軸線方向の移動を阻止するようしたことを特徴とするアンテナの製造方法。 - 中空管状のブームの管壁には、中空管状のアンテナ素子をブームの左右方向に向けて貫通させる為の二個一対の管壁孔を設け、
上記二個一対の管壁孔には中空管状のアンテナ素子を貫通させ、上記ブームの外周に圧力を加えてブームを上下方向に圧縮して変形させることにより、上記ブームに対してアンテナ素子を固着するようにしたアンテナの製造方法において、
上記ブームの管壁における左右の壁部の内面の夫々には、上下方向に相互間に間隙を形成する状態でブームの軸心方向に長い二条のリブを並設させ、
上記左右の壁部内面に夫々配した二条のリブの断面形状は、夫々管内部に向けて突出させて膨出状に形成し、
上記の上下方向相互間に間隙を隔てた状態で配設されている二条のリブの間には上記二個一対の管壁孔を備えさせると共に、その管壁孔の直径は、上記左右の各二条のリブの相互間の間隙よりも大きく設定してあって、
上記左右の各二条のリブにあっては、上記二個一対の管壁孔が形成された部分の対向面に、アンテナ素子軸心方向には平坦になっている円弧状の添付面を夫々形成し、かつ、上記二個一対の管壁孔が形成された部分おいて対向面の側を部分的に遮断し、その遮断部 分の両側には各リブにつき2個の尖頭部を形成し、
上記左右の壁部内面において夫々上下方向に相対向する各二条のリブの相互間にある間隙の外周側に位置する壁部の厚みは、上記ブームを上下方向から加圧することにより、左右の壁部は相互に遠く離れ、かつ、上記上下方向に相対向するリブの間の間隙は小さくなるように外周に向けて湾曲して張り出すように形成しておいて、
上記中空管状のブームに対するアンテナ素子の固着は、上記ブームを上下方向から圧縮して、上記上下方向の各二条のリブに備えさせてある上記添付面を、添付面相互間の間隙が小さくなる方向で、かつ、上記左の壁部内面に配した二条のリブに係わる添付面と、上記右の壁部内面に配した二条のリブに係わる添付面との相互間が遠くなる方向に、夫々上記4個の添付面を斜め方向に移動させて、夫々上記4個の添付面を、夫々対応するアンテナ素子の周壁における両側の壁部に夫々斜め方向から食い込む状態にすると共に、
上記上下方向の各二条のリブに夫々形成してある各2個の尖頭部を、上下方向の相互間の間隙が小さくなる方向で、かつ、上記左の壁部内面に配した二条のリブに係わる4個の尖頭部と、上記右の壁部内面に配した二条のリブに係わる4個の尖頭部との相互間が遠くなる方向に、夫々上記8個の尖頭部を斜め方向に移動させて、夫々上記尖頭部を、夫々対応するアンテナ素子の周壁における両側の壁部に夫々斜め方向から食い込む状態にして、アンテナ素子の回動と軸線方向の移動を阻止するようしたことを特徴とするアンテナの製造方法。 - 中空管状のブームの管壁には、中空管状のアンテナ素子をブームの左右方向に向けて貫通させる為の二個一対の管壁孔を設け、
上記二個一対の管壁孔には中空管状のアンテナ素子を貫通させて上記ブームに対してアンテナ素子を固着しているアンテナにおいて、
上記ブームの管壁における左右の壁部の内面の夫々には、上記各管壁孔の上下位置において、上下方向の相互間に間隙を形成する状態でブームの軸心方向に長い二条のリブを夫々並設させ、
上記左右の壁部内面に夫々配した各二条のリブの断面形状は、夫々管内部に向けて膨出状に形成してあり、
上記中空管状のブームに対するアンテナ素子の固着は、アンテナ素子が軸線方向へ移動するのを阻止するように、
夫々上記左右の壁部内面に配した各二条のリブにおける対向面の側を、先部が相互に近づくような斜めの状態で、夫々アンテナ素子の対応する外周面に圧接させると共に、各リブにおける先部は、夫々対応アンテナ素子の外周面における上下の壁部に夫々形成される凹状の係部に夫々斜め方向から夫々係合させ、
一方、アンテナ素子の外周面における上下の壁部にあては、夫々左右の側に、上記リブにおける先部に係合させた凹状の係部を備える共に、その各凹状の係部を備える個所のアンテナ素子の断面の形状は、アンテナ素子が回動しないように上下方向の寸法に比較して左右方向の寸法が大きくなる形状にして、アンテナ素子の回動と、軸線方向の移動を阻止するようしてあることを特徴とするアンテナ。 - 請求項1から請求項4のいずれか1項に記載したアンテナの製造方法によって製造されたアンテナ。
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