JP2011060854A - 増幅用光ファイバ、及び、それを用いたファイバレーザ装置 - Google Patents

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【課題】 増幅するレーザ光の透過損失を抑制することができる増幅用光ファイバ、及び、それを用いたファイバレーザ装置を提供する。
【解決手段】 増幅用光ファイバ110は、コア111と、クラッド112と、を備え、コア111は、Ybと、Pと、Alと、Bとが添加される石英から構成され、Ybの石英に対する濃度は、0.1〜0.7mol%であり、Pの石英に対する濃度は、1.0〜10.0mol%であり、PとAlのモル濃度比は、P/Alとした場合に0.8〜1.2であり、Bの石英に対する濃度は、0.8〜4.0mol%であり、コア111はクラッド112よりも屈折率が高いことを特徴とするものである。
【選択図】 図2

Description

本発明は、増幅用光ファイバ、及び、それを用いたファイバレーザ装置に関する。
増幅用光ファイバとして、コアに希土類元素の一つであるイッテルビウム(Yb)が添加された増幅用光ファイバが知られている。このようなコアに希土類元素が添加された増幅用光ファイバにおいては、励起光の入力・伝播が行われるに従い増幅用光ファイバのコア部分の透過損失が次第に増加して、出力されるレーザ光の強度が時間とともに低下するフォトダークニングという現象が生じることが知られている。このフォトダークニングの発生のメカニズムは正確には解明されていないが、フォトダークニングはアルミニウム(Al)をYbと共に添加することにより抑制できることが知られている。
しかし、AlをYbと共に添加してしまうと、屈折率を不要に上昇させてしまう。このため、下記特許文献1に記載の増幅用光ファイバにおいては、ほぼ同量のAlとリン(P)を共添加することにより屈折率の不要な上昇を抑制することとしている(特許文献1)
特許第3356692号公報
しかし、上記特許文献1に記載の増幅用光ファイバを製造するために、コアとなる部分にYbとAlとPが共添加された母材を作成すると、コアとなる部分が白く濁る失透という現象が起きてしまう場合がある。この失透が生じる原因については明らかとなっていないが、本発明者らは、Ybを含む結晶が生じるためであると考えている。このように失透が生じた母材を用いて増幅用光ファイバを製造すると光の透過損失が大きくなり、本来得ようとしている強度のレーザ光が得られないという問題がある。
そこで、本発明は、増幅するレーザ光の透過損失を抑制することができる増幅用光ファイバ、及び、それを用いたファイバレーザ装置を提供することを目的とする。
本発明者らは、まず、フォトダークニングを抑制するためにAlの代わりにPを添加する増幅用光ファイバを検討した。この結果、PはAlよりも少量の添加でフォトダークニングを抑制できることが分かった。しかし、Pを添加する場合においても、Alと同様に不要な屈折率の上昇が生じてしまう。従って、Pによる不要な屈折率の上昇を抑制するためにAlを共添加しなければならなく、結局失透が生じる場合があり、増幅用光ファイバにおける光の透過損失が生じてしまう。
本発明者らは検討を重ね、本発明をするに至った。
すなわち、本発明の増幅用光ファイバは、コアと、クラッドと、を備え、前記コアは、Ybと、Pと、Alと、Bとが添加される石英から構成され、前記Ybの石英に対する濃度は、0.1〜0.7mol%であり、前記Pの石英に対する濃度は、1.0〜10.0mol%であり、前記Pと前記Alのモル濃度比は、P/Alとした場合に0.8〜1.2であり、前記Bの石英に対する濃度は、0.8〜4.0mol%であり、前記コアは前記クラッドよりも屈折率が高いことを特徴とするものである。
このような増幅用光ファイバによれば、励起光が入力されるとコアに添加されるYbが励起される。この状態でコアをレーザ光が伝播すると、Ybが誘導放出を起こしてレーザ光が増幅される。さらに、コアには、Pが1.0〜10.0mol%添加されているためフォトダークニングを抑制することができる。そして、PとAlとのモル濃度比が、0.8〜1.2であるためコアの不要な屈折率の上昇を抑制することができる。さらに、コアにはBが0.8〜4.0mol%添加されているため、PとAlとのモル濃度比が0.8〜1.2であるにもかかわらず失透を抑制することができる。Bを添加することにより失透を抑制することができる理由は明らかではないが、本発明者らは、おそらくホウ素(B)によりYbを含む結晶が生じることが抑制されていると考えている。従って、このような増幅用光ファイバによれば、増幅されるレーザ光の透過損失を抑制することができる。
或いは、本発明の増幅用光ファイバは、コアと、クラッドと、を備え、前記クラッドには、前記コアと並行に形成されて、前記コアを取り囲む複数の空孔が形成され、前記コアは、Ybと、Pと、Alと、Bとが添加される石英から構成され、前記Ybの石英に対する濃度は、0.1〜0.7mol%であり、前記Pの石英に対する濃度は、1.0〜10.0mol%であり、前記Pと前記Alのモル濃度比は、P/Alとした場合に0.8〜1.2であり、前記Bの石英に対する濃度は、0.8〜8.0mol%であり、前記Bと前記Ybとのモル濃度比は、B/Ybとした場合に8.0〜12.0であることを特徴とするものである。
このような構成の増幅用光ファイバによれば、フォトダークニングを抑制することができる。また、コアにはBが0.8〜8.0mol%添加されているため、PとAlとのモル濃度比が0.8〜1.2であるにもかかわらず失透を抑制することができる。従って、レーザ光の透過損失を抑制することができる。さらに、BとYbとのモル濃度比は、B/Ybとした場合に8.0〜12.0であるため、Ybの屈折率を高くする効果とBの屈折率を低くする効果とが相殺して、コアとクラッドとの比屈折率差を小さくすることができる。従って、コアを伝播するレーザ光に対するコアの実効断面積を大きくすることができる。一方、コアとクラッドとの比屈折率差が小さくなる場合においても、クラッドには、コアと並行に形成されて、コアを取り囲む複数の空孔が形成されているため、レーザ光は、これらの空孔で囲まれた実質的にコアとみなせる領域を伝播する。このようにレーザ光に対するコアの実効断面積を大きくすることによって、レーザ光のパワー密度を低くすることができる。これにより非線形光学効果が抑制され、レーザ光の増幅効率向上に寄与する。
或いは、本発明の増幅用光ファイバは、コアと、クラッドと、を備え、前記クラッドには、前記コアと並行に形成されて、前記コアを取り囲み周期的に配列される高屈折率部が形成され、前記コアは、Ybと、Pと、Alと、Bとが添加される石英から構成され、前記Ybの石英に対する濃度は、0.1〜0.7mol%であり、前記Pの石英に対する濃度は、1.0〜10.0mol%であり、前記Pと前記Alのモル濃度比は、P/Alとした場合に0.8〜1.2であり、前記Bの石英に対する濃度は、0.8〜8.0mol%であり、前記Bと前記Ybとのモル濃度比は、B/Ybとした場合に8.0〜12.0であることを特徴とするものである。
このような構成の増幅用光ファイバによれば、フォトダークニングを抑制することができ、かつ、失透を抑制することができるため、レーザ光の透過損失を抑制することができる。さらにコアとクラッドとの比屈折率差を小さくすることができるため、コアを伝播するレーザ光に対するコアの実効断面積を大きくすることができる。一方、コアとクラッドとの比屈折率差が小さくなる場合においても、クラッドには、コアと並行に形成されて、コアを取り囲み周期的に配列される複数の高屈折率部が形成されているため、レーザ光は、これらの高屈折率部で囲まれた実質的にコアとみなせる領域を伝播する。このようにレーザ光に対するコアの実効断面積を大きくすることによって、レーザ光のパワー密度を低くすることができる。これにより非線形光学効果が抑制され、レーザ光の増幅効率向上に寄与する。
さらに上記増幅用光ファイバにおいて、前記クラッドにおける前記空孔または高屈折率部が形成されていない領域と、前記コアとの比屈折率差が−0.05〜0.05%であることが好ましい。
このような比屈折率差の範囲であれば、レーザ光の透過損失を抑制できるとともによりレーザ光に対するコアの実効断面積を増やすことができ、より非線形光学効果を抑制して、増幅効率を向上させることができる。
また、本発明のファイバレーザ装置は、上記の増幅用光ファイバと、前記増幅用光ファイバに入力される励起光を出力する励起光源と、を備えることを特徴とするものである。
このようなファイバレーザ装置によれば、増幅用光ファイバにおいてフォトダークニングが抑制されつつ、失透が抑制されているので、増幅するレーザ光の透過損失を抑制することができる。
本発明によれば、増幅するレーザ光の透過損失を抑制することができる増幅用光ファイバ、及び、それを用いたファイバレーザ装置が提供される。
本発明の第1実施形態に係るファイバレーザ装置を示す図である。 図1に示す増幅用光ファイバの長さ方向に垂直な方向における断面の様子を模式的に示す図である。 本発明の第2実施形態に係るファイバレーザ装置に用いる増幅用光ファイバの長さ方向に垂直な方向における断面の様子を模式的に示す図である。 本発明の第3実施形態に係るファイバレーザ装置に用いる増幅用光ファイバの長さ方向に垂直な方向における断面の様子を模式的に示す図である。
以下、本発明に係る増幅用光ファイバ、及び、それを用いたファイバレーザ装置の好適な実施形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態に係るファイバレーザ装置を示す図である。
図1に示すように、ファイバレーザ装置200は、励起光を出力する励起光源10と、励起光源10から出力される励起光が入力するダブルクラッドファイバ30と、ダブルクラッドファイバ30に励起光を入力するポンプコンバイナ40と、ダブルクラッドファイバ30と接続される増幅用光ファイバ110と、増幅用光ファイバ110に接続される出力用のダブルクラッドファイバ35と、ダブルクラッドファイバ30に設けられる第1FBG(Fiber Bragg Grating)50と、ダブルクラッドファイバ35に設けられる第2FBG55とを主な構成要素として備える。
励起光源10は、複数の励起光出力用のレーザダイオード(LD)から構成され、それぞれのLDは励起光を出力する。これら複数のLDは、それぞれマルチモードファイバ15と接続されている。それぞれのLDと接続されるマルチモードファイバ15は、それぞれコアがクラッドで被覆される構成とされ、LDから出力される励起光をマルチモード光として伝播する。マルチモードファイバ15は、例えば、コアの直径が100μmとされ、クラッドの外径が125μmとされる。
ダブルクラッドファイバ30は、コアがクラッドで被覆され、クラッドが樹脂クラッドで被覆される構成とされ、クラッドの屈折率はコアの屈折率よりも低く、樹脂クラッドの屈折率はクラッドの屈折率よりも大幅に低くされる。また、ダブルクラッドファイバ30のクラッドの外径と内径の差は、マルチモードファイバ15のコアの直径よりも大きくされている。このような、ダブルクラッドファイバ30は、例えば、上述のようにマルチモードファイバ15のコアの直径が100μmとされる場合、コアの直径が20μmとされ、クラッドの外径が400μmとされ、樹脂クラッドの外径が470μmとされる。また、ダブルクラッドファイバ30のコアを構成する材料としては、例えば、ゲルマニウム(Ge)が添加された石英が挙げられ、クラッドを構成する材料としては、例えば、ドーパントが添加されない純粋石英が挙げられ、樹脂クラッドを構成する材料としては、例えば、ポリマー樹脂が挙げられる。
ダブルクラッドファイバ30の一端は、ポンプコンバイナ40において、励起光源10と接続される各マルチモードファイバ15の端部と接続されている。具体的には、それぞれのマルチモードファイバ15におけるポンプコンバイナ40側の端部は、クラッドが剥離されている。そして、マルチモードファイバ15のコアの端面がダブルクラッドファイバ30のクラッドの端面と接続されている。こうして、マルチモードファイバ15により伝播される励起光は、マルチモード光としてダブルクラッドファイバ30に入力可能とされている。
なお、マルチモードファイバ15と接続されるダブルクラッドファイバ30の端部は、シングルモードファイバ20の端部とも接続されている。このシングルモードファイバ20は、ダブルクラッドファイバ30のコアと同じ直径のコアが、クラッドで被覆される構成とされている。そして、シングルモードファイバ20のコアと、ダブルクラッドファイバ30のコアとが同軸上に並ぶように配置され、ダブルクラッドファイバ30の端面とシングルモードファイバ20の端面とが接続されている。つまり、シングルモードファイバ20がそれぞれのマルチモードファイバ15により囲まれるようにして、シングルモードファイバ20及びマルチモードファイバ15は、ダブルクラッドファイバ30と端面接続されている。
なお、シングルモードファイバ20のポンプコンバイナ40側とは反対側の端部には、無反射終端21が形成されている。
このようにマルチモードファイバ15と接続されるダブルクラッドファイバ30は、ポンプコンバイナ40側と反対側の端部が増幅用光ファイバ110に接続されている。
図2は、図1に示す増幅用光ファイバ110の長さ方向に垂直な方向における断面の様子を模式的に示す図である。具体的には、図2の(A)は、断面における構造を模式的に示す図であり、図2の(B)は、図2の(A)におけるII−II線での屈折率の様子を模式的に示す図である。図2の(A)に示すように、増幅用光ファイバ110は、Ybが添加されるコア111と、コア111を被覆するクラッド112と、クラッド112を被覆する内側樹脂クラッド113と、内側樹脂クラッド113を被覆する保護層としての外側樹脂クラッド114から構成される。また、図2の(B)に示すように、クラッド112の屈折率は、コア111の屈折率よりも低くされ、内側樹脂クラッド113の屈折率は、クラッド112の屈折率よりも大幅に低くされ、外側樹脂クラッド114の屈折率は、コア11よりも高くされる。
この増幅用光ファイバ110は、例えば、コア111の直径、及び、クラッド112の外径、及び、外側樹脂クラッド114の外径が、上述のダブルクラッドファイバ30のコアの直径、及び、クラッドの外径、及び、樹脂クラッドの外径と同様とされる。
ここで増幅用光ファイバ110を構成するコア111、クラッド112、内側樹脂クラッド113、外側樹脂クラッド114の各材料について説明する。
コア111を構成する材料は、Ybと、Pと、Alと、Bとが添加される石英とされる。そして、Ybの石英に対する濃度は、0.1〜0.7mol%とされる。このようにYbが添加されることで増幅用光ファイバに励起光が入力するとき、レーザ光の増幅が十分に行われる。また、Pの石英に対する濃度は、1.0〜10.0mol%とされる。このようにPが添加されることで、フォトダークニングを十分に抑制できる。なお、Pの濃度が1.0mol%未満では、フォトダークニングの抑制が不十分であり、10.0mol%より多く添加されると、レーリー散乱の増加により却ってレーザ光の透過損失が増加してしまう。さらに、PとAlのモル濃度比は、P/Alとした場合に0.8〜1.2とされる。このようなモル濃度比とされることで、Pによる不要な屈折率の増加を抑制することができる。なお、PとAlのモル濃度比は、P/Alとした場合に0.9〜1.1とされることがより好ましい。また、Bの石英に対する濃度は、0.8〜4.0mol%とされる。このようにBが添加されることで、失透が抑制される。
また、クラッド112を構成する材料としては、例えば、何もドーパントが添加されない純粋石英が挙げられる。
さらに、内側樹脂クラッド113を構成する材料としては、例えば、ポリマー樹脂が挙げられ、外側樹脂クラッド114を構成する材料としては、例えば、紫外線硬化樹脂が挙げられる。
このような増幅用光ファイバ110のコア111において、例えば、Ybの石英に対する濃度が0.5mol%とされ、P及びAlの石英に対する濃度がそれぞれ3.0mol%とされ、Bの石英に対する濃度が1.0mol%とされると、コア111の純粋石英からなるクラッド112に対する比屈折率差は、0.4%となる。そして、屈折率分布が図2の(B)に示す様なプロファイルとなる。
増幅用光ファイバ110におけるダブルクラッドファイバ30と接続される側と反対側の端部は、レーザ光出力用のダブルクラッドファイバ35と接続されている。このダブルクラッドファイバ35は、ダブルクラッドファイバ30と同様の構成とされている。そして、ダブルクラッドファイバ35における増幅用光ファイバ110と接続される側と反対側の端部は、レーザ光の出力端とされている。
なお、ダブルクラッドファイバ30、及び、ダブルクラッドファイバ35のそれぞれにおける増幅用光ファイバ110側には、第1FBG50、及び、第2FBG55が形成されている。第1FBG50は、ダブルクラッドファイバ30のコアにおいて、コアの長手方向に沿って一定の周期で屈折率が高くなる高屈折率部が形成されている。そして、励起光源から出力される励起光が増幅用光ファイバ110に入力するときに、増幅用光ファイバ110のYbが放出する自然放出光の一部の波長の光を99%以上反射するように構成されている。また、第2FBG55は、第1FBG50と同様の構成とされるが、第1FBG50が反射する波長の光を50%以下の反射率で反射するように構成されている。
次にファイバレーザ装置200のレーザ光の出力について説明する。
まず、励起光源10の各LDから励起光が出力される。出力される励起光は、例えば、915nmの波長である。励起光源10から出力される励起光は、上述のようにマルチモードファイバ15を伝播する。そして、励起光は、マルチモードファイバ15からポンプコンバイナ40を介してダブルクラッドファイバ30に入力され、ダブルクラッドファイバ30のコア及びクラッドをマルチモード光として伝播する。そして、励起光は、ダブルクラッドファイバ30に形成されている第1FBG50を介して増幅用光ファイバ110に入力される。増幅用光ファイバ110において、励起光は、増幅用光ファイバ110のコア111に添加されているYbに吸収される。このため、Ybは励起状態となる。そして、励起状態となったYbは、特定の波長の自然放出光を放出する。このときの自然放出光は、例えば、上述のように励起光の波長が915nmである場合、中心波長が1064nmの光である。この自然放出光は、増幅用光ファイバ110のコア111を伝播して、ダブルクラッドファイバ35の端部に形成されている第2FBG55に入力される。第2FBG55は、上述のようにYbが放出する自然放出光の一部の波長の光を50%以下の反射率で反射するように構成されているため、第2FBG55に入力される光の一部が反射される。そして、第2FBG55で反射される光は、再び増幅用光ファイバ110に入力され、Ybの誘導放出により増幅される。その後、増幅された光は、第1FBG50に到達する。第1FBG50は、上述のように第2FBG55が反射する波長の光を高い反射率で反射するため、第1FBG50に入力される光のほとんどが反射される。こうして第1FBG50で反射される光は、再び増幅用光ファイバ110において増幅される。その後、増幅用光ファイバ110で増幅された光は、再び第2FBG55に入力されて、一部の光が反射される。このようにして第1FBG50と第2FBG55との間で光が発振して、この光は、レーザ光として増幅される。そして、一部のレーザ光が第2FBG55を透過する。
この第2FBG55を透過する光は、ダブルクラッドファイバ35のコアをシングルモード光として伝播し、ダブルクラッドファイバ35の出力端からレーザ光として出力される。こうして、ファイバレーザ装置200からレーザ光が出力される。
なお、第1FBG50を透過する光は、シングルモードファイバ20を伝播して、無反射終端21において熱に変換される。
本実施形態のファイバレーザ装置200によれば、増幅用光ファイバ110のコア111には、Ybが石英に対して0.1〜0.7mol%添加されているため十分なレーザ光の増幅ができる。また、Pが石英に対して1.0〜10.0mol%添加されているため、フォトダークニングが生じることを抑制することができる。そして、PとAlとのモル濃度比が、P/Alとした場合に0.8〜1.2であるためコア111の不要な屈折率の上昇を抑制することができる。さらに、コア111にはBが0.8〜4.0mol%添加されているため、PとAlとのモル濃度比が0.8〜1.2であるにもかかわらず失透を抑制することができる。従って、このような増幅用光ファイバ110を用いたファイバレーザ装置200によれば、増幅されるレーザ光の透過損失を抑制することができる。なお、コア111にBを添加することにより失透を抑制することができる理由は明らかではないが、本発明者らは、おそらくBによりYbを含む結晶が生じることが抑制されているためであると考えている。
次に増幅用光ファイバ110の製造方法について説明する。
増幅用光ファイバ110の製造においては、まず、MCVD(Modified Chemical Vapor Deposition)法により増幅用光ファイバ110の母材におけるコア111となるプリフォームロッドを作成する。MCVD法によるプリフォームロッドの製造は、堆積工程と、液浸工程と、焼結工程と、中実化工程とからなる。次に、プリフォームロッドを用いて母材を作成するためのジャケット工程を行う。そして次に、母材から増幅用光ファイバにするための線引工程を行う。
(堆積工程)
まず、石英ガラス微粒子(スート)の堆積を行う。スートの堆積は、四塩化ケイ素(SiCl)と酸素(O)とが含まれる混合ガスを原料ガスとして石英管内に供給しながら、酸水素バーナにより石英管を加熱することにより行う。こうして、石英管の内壁面にスートが堆積される。このとき、オキシ塩化リン(POCl)を原料ガスに混合して供給することにより、スートの堆積と共にPを添加する。なお、Pの添加濃度が1.0〜10.0mol%となるように調整をする。
(液浸工程)
次にスートを堆積した石英管内に塩化イッテルビウム(YbCl)及び塩化アルミニウム(AlCl)を溶解した水溶液を充填し、スート中にYb及びAlを分散させて添加する。このとき、YbCl及びAlClが溶解した水溶液の濃度を調整することにより、Ybの添加濃度が0.1〜0.7mol%となるように調整すると共に、Alの添加濃度が1.0〜10.0mol%となるように調整する。なお、このときPとAlとのモル濃度比がP/Alとした場合に0.8〜1.2となるように調整をする。
(焼結工程)
次に三臭化ホウ素(BBr)を石英管内に供給しながら酸水素バーナにより石英管を加熱し、スートを焼結すると共にBを添加する。Bの添加濃度は、Bの石英に対する濃度が0.8〜4.0mol%となるように調整する。
(中実化工程)
次に酸水素バーナの温度をさらに上げてスートの透明化を行う。こうして、増幅用光ファイバ110の母材におけるコア111となるプリフォームロッドが得られる。
(ジャケット工程)
次に、増幅用光ファイバ110のクラッド112となる石英管を準備し、この貫通孔の中に先に得られたプリフォームロッドを挿入して、加熱し一体化をする。こうして、増幅用光ファイバ110の母材が得られる。
(線引工程)
次に得られた母材を加熱して線引する。この線引に続いて、内側樹脂クラッド113となるポリマー樹脂を塗布すると共に紫外線を照射して内側樹脂クラッド113を形成し、さらに、外側樹脂クラッド114となる紫外線硬化性樹脂を塗布すると共に紫外線を照射して外側樹脂クラッド114を形成する。こうして増幅用光ファイバ110が得られる。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態について図3を参照して詳細に説明する。なお、第1実施形態と同一又は同等の構成要素については、重複する説明は省略する。図3は、本実施形態に係るファイバレーザ装置に用いる増幅用光ファイバの長さ方向に垂直な方向における断面の様子を模式的に示す図である。具体的には、図3の(A)は、増幅用光ファイバの断面における構造を模式的に示す図であり、図2の(B)は、図2の(A)におけるIII−III線での屈折率の様子を模式的に示す図である。
図3の(A)に示すように、本実施形態のファイバレーザ装置は、図1に示すファイバレーザ装置200における増幅用光ファイバ110の代わりに、増幅用光ファイバとしてのホーリーファイバ120を用いる点で第1の実施形態と異なる。
ホーリーファイバ120は、Ybが添加されるコア121、コア121を被覆するクラッド122と、クラッド122を被覆する内側樹脂クラッド126と、内側樹脂クラッド126を被覆する外側樹脂クラッド127から構成される。そして、クラッド122には、コア121を取り囲む複数の空孔124が形成されている。
このホーリーファイバ120としては、例えば、コア111の直径が10μmであり、クラッド122の外径が125μmであり、外側樹脂クラッド127の外径が250μmとされ、空孔124の直径が8μmとされ、コア121の中心から空孔124の中心までの距離が15μmとされる。
ここでホーリーファイバ120を構成するコア121、クラッド122における空孔124が形成されていない領域123、125、内側樹脂クラッド126、外側樹脂クラッド127の各材料について説明する。
コア121を構成する材料は、Ybと、Pと、Alと、Bとが添加される石英とされる。そして、Ybの石英に対する濃度は、0.1〜0.7mol%とされる。このようにYbが添加されることで増幅用光ファイバに励起光が入力するとき、レーザ光の増幅が十分に行われる。また、Pの石英に対する濃度は、1.0〜10.0mol%とされる。このようにPが添加されることで、フォトダークニングを十分に抑制できる。なお、Pの濃度が1.0mol%未満では、フォトダークニングの抑制が不十分であり、10.0mol%より多く添加されると、却ってレーザ光の透過損失が増加してしまう。さらに、PとAlのモル濃度比は、P/Alとした場合に0.8〜1.2とされる。このようなモル濃度比とされることで、Pによる不要な屈折率の増加を抑制することができる。なお、PとAlのモル濃度比は、P/Alとした場合に0.9〜1.1とされることがより好ましい。また、Bの石英に対する濃度は、0.8〜8.0mol%とされる。このようにBが添加されることで、失透が抑制される。さらに、BとYbとのモル濃度比がB/Ybとした場合に8.0〜12.0とされる。このようなモル濃度比とすることでYbの屈折率を高くする効果とBの屈折率を低くする効果とが相殺して、コア121とクラッド122との屈折率差を小さくすることができる。なお、BとYbとのモル濃度比がB/Ybとした場合に9.0〜11.0とされることがより好ましい。
また、クラッド122における空孔124が形成されていない領域123、125を構成する材料は、第1実施形態における増幅用光ファイバ110のクラッド112の材料と同様とされる。
さらに、内側樹脂クラッド126、外側樹脂クラッド127を構成する材料は、第1実施形態における増幅用光ファイバ110の内側樹脂クラッド113、外側樹脂クラッド114の材料と同様とされる。
なお、クラッド122の空孔124が形成されていない領域123、125とコア121との比屈折率差が−0.05〜0.05%とされることが、ホーリーファイバ120を伝播するレーザ光が、コア121とクラッド122におけるコア周辺の領域123を伝播して、レーザ光の実効断面積を増やすことができる観点から好ましい。なお、図3の(B)においては、クラッド122の空孔124が形成されていない領域123、125の屈折率とコア111の屈折率とが同等である様子を示している。また、内側樹脂クラッド126の屈折率は、クラッド122の空孔124が形成されていない領域123、125の屈折率よりも大幅に低くされ、外側樹脂クラッド127の屈折率は、コア121の屈折率よりも高くされる。
このようなホーリーファイバ120のコア121において、例えば、Ybの石英に対する濃度が0.5mol%とされ、P及びAlの石英に対する濃度がそれぞれ3.0mol%とされ、Bの石英に対する濃度が5.0mol%とされると、コア121の屈折率と石英からなるクラッド122の屈折率が同等となり、屈折率分布が図3の(B)に示す様なプロファイルとなる。
本実施形態におけるファイバレーザ装置によれば、ホーリーファイバ120においてフォトダークニングを抑制することができる。また、コア121にはBが0.8〜8.0mol%添加されているため、PとAlとのモル濃度比が0.8〜1.2であるにもかかわらず失透を抑制することができる。従って、レーザ光の透過損失を抑制することができる。さらに、ホーリーファイバ120のコア121におけるBとYbとのモル濃度比は、B/Ybとした場合に8.0〜12.0であるため、Ybの屈折率を高くする効果とBの屈折率を低くする効果とが相殺して、コア121とクラッド122との屈折率差を小さくすることができる。従って、ホーリーファイバ120のコア121とクラッド122におけるコア121の周囲の領域123を伝播するレーザ光の実効断面積を大きくすることができる。一方、コア121とクラッド122との屈折率差が小さくなる場合においても、クラッド122には、コア121と並行に形成されて、コア121を取り囲む複数の空孔が形成されているため、レーザ光は、コア121とクラッド122における空孔で囲まれた内側の領域123とを伝播する。このようにレーザ光の実効断面積を大きくすることによってレーザ光のパワー密度を低くすることができる。これにより非線形光学効果によるレーザ光の損失を抑制することができる。
次にホーリーファイバ120の製造方法について説明する。
ホーリーファイバ120は、ホーリーファイバ120の母材におけるコア121となるプリフォームロッドを作成するための堆積工程と、液浸工程と、焼結工程と、中実化工程と、プリフォームロッドを用いて母材となるガラスロッドを作成するジャケット工程と、ガラスロッドに貫通孔をあけて母材を作成する孔あけ工程と、母材から増幅用光ファイバにするための線引工程とにより製造される。
堆積工程、焼結工程、液浸工程は、第1実施形態と同様に行えばよい。焼結工程は、Bの添加濃度が、BとYbとのモル濃度比がB/Ybとした場合に8.0〜12.0となるように調整し、他は第1実施形態の焼結工程と同様に行えばよい。また、中実化工程とジャケット工程は、第1実施形態と同様に行えばよい。
次にジャケット工程により得られたホーリーファイバ120の母材となるガラスロッドに貫通孔をあける(孔あけ工程)。貫通孔は、ガラスロッドにおけるホーリーファイバ120の空孔となる位置に機械的にあける。こうして、ホーリーファイバ120の母材を得る。
線引工程は、第1実施形態の線引工程と同様に行えばよい。こうして、ホーリーファイバ120を得る。
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態について図4を参照して詳細に説明する。なお、第1実施形態、第2実施形態と同一又は同等の構成要素については、重複する説明は省略する。図4は、本実施形態に係るファイバレーザ装置に用いる増幅用光ファイバの長さ方向に垂直な方向における断面の様子を模式的に示す図である。具体的には、図4の(A)は、増幅用光ファイバの断面における構造を模式的に示す図であり、図4の(B)は、図4の(A)におけるIV−IV線での屈折率の様子を模式的に示す図である。
図4の(A)に示すように、本実施形態のファイバレーザ装置は、図1に示すファイバレーザ装置における増幅用光ファイバ110の代わりに、増幅用光ファイバとしてのフォトニック結晶ファイバ130を用いる点で第1の実施形態と異なる。
フォトニック結晶ファイバ130は、Ybが添加されるコア131、コア131を被覆するクラッド132と、クラッド132を被覆する内側樹脂クラッド136と、内側樹脂クラッド136を被覆する外側樹脂クラッド137とから構成される。クラッド132には、コア131を取り囲む複数の高屈折率部134が形成されている。そして、この高屈折率部134は、最も内側の高屈折率部134がコア131の周囲に六角形を描くように配列され、その六角形を描く複数の高屈折率部134を基準として、他の高屈折率部134が三角格子状に配列される。こうして、複数の高屈折率部134が全体として周期的に配列されている。
このフォトニック結晶ファイバ130としては、例えば、コア131の直径が10μmであり、クラッド132の外径が125μmであり、外側樹脂クラッド137の外径が250μmとされ、高屈折率部134の直径が4μmとされ、高屈折率部134の中心間距離が8μmとされ、コア131の中心から最も近い高屈折率部までの距離が14μmとされる。
次にフォトニック結晶ファイバ130を構成するコア131、クラッド132における高屈折率部134が形成されていない領域133、135、高屈折率部134、内側樹脂クラッド136、外側樹脂クラッド137の各材料について説明する。
コア131を構成する材料は、第2実施形態におけるホーリーファイバ120のコア121と同様とされる。
また、クラッド132における高屈折率部134が形成されていない領域133、135を構成する材料は、第2実施形態におけるホーリーファイバ120のクラッド122と同様とされる。また、高屈折率部134を構成する材料としては、例えばGeが添加された石英が挙げられる。
さらに、内側樹脂クラッド136、外側樹脂クラッド137を構成する材料は、第2実施形態におけるホーリーファイバ120の内側樹脂クラッド126、外側樹脂クラッド127と同様とされる。
なお、クラッド132の高屈折率部134が形成されていない領域133、135とコア131との比屈折率差が−0.05〜0.05%とされることが、フォトニック結晶ファイバ130を伝播するレーザ光が、コア131とクラッド132におけるコア131周辺の領域133を伝播して、レーザ光の実効断面積を増やすことができる観点から好ましい。図4の(B)においては、クラッド132の高屈折率部134が形成されていない領域133、135の屈折率とコア131の屈折率とが同等である様子を示している。また、内側樹脂クラッド136の屈折率は、クラッド132の高屈折率部134が形成されていない領域133、135の屈折率よりも大幅に低くされ、外側樹脂クラッド137の屈折率は、コア131の屈折率よりも高くされる。
このようなフォトニック結晶ファイバ130のコア131において、例えば、Ybの石英に対する濃度が0.5mol%とされ、P及びAlの石英に対する濃度がそれぞれ3.0mol%とされ、Bの石英に対する濃度が5.0mol%とされると、石英と同様の屈折率となる。従って、コア131の屈折率とクラッド132の高屈折率が設けられていない領域133、135の屈折率とが同等となり、屈折率分布が図4の(B)に示す様なプロファイルとなる。
本実施形態におけるファイバレーザ装置によれば、フォトニック結晶ファイバ130においてフォトダークニングを抑制することができ、かつ、失透を抑制することができるため、レーザ光の透過損失を抑制することができる。さらに、フォトニック結晶ファイバ130のコア131におけるBとYbとのモル濃度比は、B/Ybとした場合に8.0〜12.0であるため、Ybの屈折率を高くする効果とBの屈折率を低くする効果とが相殺して、コアとクラッドとの比屈折率差を小さくすることができる。従って、フォトニック結晶ファイバ130のコア131とクラッド132におけるコア131の周囲の領域133を伝播するレーザ光の実効断面積を大きくすることができる。一方、レーザ光の実効断面積が大きくなる場合においても、クラッド132には、コア131と並行に形成されて、コア121を取り囲み周期的に配列される複数の高屈折率部134が形成されているため、レーザ光は、コア131とクラッド132における高屈折率部134で囲まれた内側の領域133とを伝播する。このようにレーザ光の実効断面積を大きくすることによってレーザ光のパワー密度を低くすることができる。これにより非線形光学効果によるレーザ光の損失を抑制することができる。
次にフォトニック結晶ファイバ130の製造方法について説明する。
フォトニック結晶ファイバ130は、フォトニック結晶ファイバ130の母材におけるコア131となるプリフォームロッドを作成するための堆積工程と、液浸工程と、焼結工程と、中実化工程と、プリフォームロッドを用いて母材を作成するジャケット工程と、母材から増幅用光ファイバにするための線引工程とにより製造される。
まず、堆積工程、焼結工程、液浸工程、焼結工程、中実化工程を第2実施形態と同様に行い、フォトニック結晶ファイバ130の母材におけるコア131となるプリフォームロッドを得る。
次にジャケット工程において、プリフォームロッドと2層石英ガラスロッドとを準備する。この2層ガラスロッドは、高屈折率部134となるゲルマニウムが添加される石英からなる中心部と、中心部の周りに設けられる石英からなる外層部とを有するガラスロッドである。そして、プリフォームロッドの周囲に2層ガラスロッドが最密充填されるようにを配置して、これらを石英管の貫通孔に挿入する。このとき石英管の貫通孔にちょうど全ての2層石英ガラスロッドが配置されるように、石英管の貫通孔の大きさは予め調整される。石英管の貫通孔にプリフォームロッド及び2層ガラスロッドを挿入した後は、第1実施形態のジャケット工程を同様に行えばよい。こうして、フォトニック結晶ファイバ130の母材を得る。
線引工程は、第1実施形態の線引工程と同様に行えばよい。こうして、フォトニック結晶ファイバ130を得る。
以上、本発明について、第1〜第3実施形態を例に説明したが、本発明はこれらに限定されるものではない。
たとえば、第1〜第3実施形態におけるファイバレーザ装置は、ファブリペロー型のファイバレーザ装置とされたが、本発明はこれに限らず、ファイバリング型のファイバレーザ装置とされても良い。あるいは、本発明のファイバレーザ装置は、増幅用光ファイバに種レーザ光及び励起光が入力されて、種レーザ光が増幅され、レーザ光として出力するものであっても良い。
また、第1〜第3実施形態において、レーザ光は増幅用光ファイバをシングルモード光として伝播したが、本発明はこれに限らずレーザ光は数モードの光として伝播しても良い。
以下、実施例及び比較例を挙げて本発明の内容をより具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものでは無い。
(実施例1)
第2実施形態と同様にして増幅用光ファイバのコアとなるプリフォームロッドを作成した。このとき、EPMA(Electron Probe Micro Analyzer)により評価したコアとなる部分におけるYb、P、Al、Bの石英に対する添加濃度は、それぞれ0.1mol%、2.1mol%、2.1mol%、0.8mol%であった。次に第2実施形態のジャケット工程と同様の工程を行い、その後、1300℃で30分間アニールを行いホーリーファイバの母材を作成した。
次にこの母材を目視に観察をした。その結果、この母材は透明であり失透は確認されなかった。なお、コアとなる部分とクラッドとなる部分との比屈折率差は、0.01%であった。
次に、この母材を線引してホーリーファイバを作成した。このときホーリーファイバのコアの直径は10μmとし、クラッドの外径は125μmとし、内側樹脂クラッドの外径は200μmとし、外側樹脂クラッドの外径は250μmとし、空孔の直径は8μmとし、コアの中心から空孔の中心までの距離が15μmとした。
(実施例2)
堆積工程におけるPOClの流量と、液浸工程におけるYbClとAlの水溶液濃度と、焼結工程におけるBBrの流量が異なること以外は、実施例1と同様にして増幅用光ファイバのコアとなるプリフォームロッドを作成した。このとき、EPMAにより評価したコアとなる部分におけるYb、P、Al、Bの石英に対する添加濃度は、それぞれ0.7mol%、4.3mol%、4.1mol%、8.0mol%であった。次に、実施例1と同様にしてホーリーファイバの母材を作成した。
次にこの母材を目視に観察をした。その結果、この母材は透明であり失透は確認されなかった。なお、コアとなる部分とクラッドとなる部分との屈折率差は、−0.04%であった。
次に、実施例1と同様にして、この母材を線引して実施例1と同じサイズのホーリーファイバを作成した。
(実施例3)
堆積工程におけるPOClの流量と、液浸工程におけるYbClとAlの水溶液濃度と、焼結工程におけるBBrの流量が異なること以外は、実施例1と同様にして増幅用光ファイバのコアとなるプリフォームロッドを作成した。このとき、EPMAにより評価したコアとなる部分におけるYb、P、Al、Bの石英に対する添加濃度は、それぞれ0.3mol%、3.7mol%、3.6mol%、2.9mol%であった。次に第3実施形態のジャケット工程と同様の工程を行い、その後、1300℃で30分間アニールを行いフォトニック結晶ファイバの母材を作成した。
次にこの母材を目視に観察をした。その結果、この母材は透明であり失透は確認されなかった。なお、コアとクラッドにおける高屈折率部以外の領域との屈折率差は0.01%であった。また、クラッドにおける高屈折率部と高屈折率部以外の領域との比屈折率差は2.5%であった。
次に、この母材を線引してフォトニック結晶ファイバを作成した。このときフォトニック結晶ファイバのコアの直径は10μmとし、クラッドの外径は125μmとし、内側樹脂クラッドの外径は200μmとし、外側樹脂クラッドの外径は250μmとし、高屈折率部の直径は4μmとし、高屈折率部の中心間距離は8μmとし、コアの中心から最も近い高屈折率部の中心までの距離が14μmとした。
(実施例4)
堆積工程におけるPOClの流量と、液浸工程におけるYbClとAlの水溶液濃度と、焼結工程におけるBBrの流量が異なること以外は、実施例1と同様にして増幅用光ファイバのコアとなるプリフォームロッドを作成した。このとき、EPMAにより評価したコアとなる部分におけるYb、P、Al、Bの石英に対する添加濃度は、それぞれ0.7mol%、6.8mol%、7.0mol%、7.1mol%であった。次に、実施例3と同様にしてフォトニック結晶ファイバの母材を作成した。
次にこの母材を目視に観察をした。その結果、この母材は透明であり失透は確認されなかった。なお、コアとクラッドにおける高屈折率部以外の領域との屈折率差0.02%であった。また、クラッドにおける高屈折率部と高屈折率部以外の領域との屈折率差は実施例3と同様であった。
次に、実施例3と同様にして、この母材を線引して実施例3と同じサイズのフォトニック結晶ファイバを作成した。
(比較例1)
焼結工程において三臭化ホウ素(BBr)を石英管内に供給しなかったこと以外は、実施例1と同様にして、ホーリーファイバの母材を作成した。
次に、この母材を目視に観察をした。その結果、この母材のコアとなる部分が白く濁っており、失透が生じていることが確認できた。なお、コアとなる部分とクラッドとなる部分との屈折率差は、0.05%であった。
次に、この母材を線引してホーリーファイバを作成した。このときホーリーファイバのコアの直径、クラッドの外径、内側樹脂クラッドの外径、外側樹脂クラッドの外径、空孔の直径、コアの中心から空孔の中心までの距離は、それぞれ実施例1と同様にした。
(比較例2)
焼結工程において三臭化ホウ素(BBr)を石英管内に供給しなかったこと以外は、実施例3と同様にして、フォトニック結晶ファイバの母材を作成した。
次に、この母材を目視に観察をした。その結果、この母材のコアとなる部分が白く濁っており、失透が生じていることが確認できた。なお、コアとなる部分とクラッドとなる部分との屈折率差は、0.15%であった。
次に、この母材を線引してフォトニック結晶ファイバを作成した。このときフォトニック結晶ファイバのコアの直径、クラッドの外径、内側樹脂クラッドの外径、外側樹脂クラッドの外径、高屈折率部の直径、高屈折率部の中心間距離、コアの中心から最も近い高屈折率部の中心までの距離は、それぞれ実施例3と同様にした。
実施例1、2のホーリーファイバ、実施例3、4のフォトニック結晶ファイバは、線引する前の母材において、失透が確認されず良好な状態であったため、これらのホーリーファイバ及びフォトニック結晶ファイバは、失透による透過損失を抑制できる。これに対し、比較例1のホーリーファイバ及び比較例2のフォトニック結晶ファイバは、線引する前の母材において、失透が確認されたため、これらのホーリーファイバ及びフォトニック結晶ファイバは、失透による透過損失が生じる。
以上より、本発明の増幅用光ファイバによれば、増幅するレーザ光の透過損失を抑制することができることが分かった。
本発明によれば、増幅するレーザ光の透過損失を抑制することができる増幅用光ファイバ、及び、それを用いたファイバレーザ装置が提供される。
10・・・励起光源
11・・・励起光源
30、35・・・ダブルクラッドファイバ
40・・・ポンプコンバイナ
50・・・第1FBG
55・・・第2FBG
110・・・増幅用光ファイバ
111・・・コア
112・・・クラッド
113・・・内側樹脂クラッド
114・・・外側樹脂クラッド
120・・・ホーリーファイバ
121・・・コア
122・・・クラッド
124・・・空孔
126・・・内側樹脂クラッド
127・・・外側樹脂クラッド
130・・・フォトニック結晶ファイバ
131・・・コア
132・・・クラッド
134・・・高屈折率部
136・・・内側樹脂クラッド
137・・・外側樹脂クラッド
200・・・ファイバレーザ装置

Claims (5)

  1. コアと、
    クラッドと、
    を備え、
    前記コアは、Ybと、Pと、Alと、Bとが添加される石英から構成され、
    前記Ybの石英に対する濃度は、0.1〜0.7mol%であり、
    前記Pの石英に対する濃度は、1.0〜10.0mol%であり、
    前記Pと前記Alのモル濃度比は、P/Alとした場合に0.8〜1.2であり、
    前記Bの石英に対する濃度は、0.8〜4.0mol%であり、
    前記コアは前記クラッドよりも屈折率が高い
    ことを特徴とする増幅用光ファイバ。
  2. コアと、
    クラッドと、
    を備え、
    前記クラッドには、前記コアと並行に形成されて、前記コアを取り囲む複数の空孔が形成され、
    前記コアは、Ybと、Pと、Alと、Bとが添加される石英から構成され、
    前記Ybの石英に対する濃度は、0.1〜0.7mol%であり、
    前記Pの石英に対する濃度は、1.0〜10.0mol%であり、
    前記Pと前記Alのモル濃度比は、P/Alとした場合に0.8〜1.2であり、
    前記Bの石英に対する濃度は、0.8〜8.0mol%であり、
    前記Bと前記Ybとのモル濃度比は、B/Ybとした場合に8.0〜12.0であることを特徴とする増幅用光ファイバ。
  3. コアと、
    クラッドと、
    を備え、
    前記クラッドには、前記コアと並行に形成されて、前記コアを取り囲み周期的に配列される高屈折率部が形成され、
    前記コアは、Ybと、Pと、Alと、Bとが添加される石英から構成され、
    前記Ybの石英に対する濃度は、0.1〜0.7mol%であり、
    前記Pの石英に対する濃度は、1.0〜10.0mol%であり、
    前記Pと前記Alのモル濃度比は、P/Alとした場合に0.8〜1.2であり、
    前記Bの石英に対する濃度は、0.8〜8.0mol%であり、
    前記Bと前記Ybとのモル濃度比は、B/Ybとした場合に8.0〜12.0である
    ことを特徴とする増幅用光ファイバ。
  4. 前記クラッドにおける前記空孔または高屈折率部が形成されていない領域と、前記コアとの屈折率差が−0.05〜0.05%であることを特徴とする請求項2または3に記載の増幅用光ファイバ。
  5. 請求項1〜4に記載の増幅用光ファイバと、
    前記増幅用光ファイバに入力される励起光を出力する励起光源と、
    を備えることを特徴とするファイバレーザ装置。
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