JP2011060468A - 有機el素子、有機el素子の製造方法、および有機el表示パネル装置 - Google Patents

有機el素子、有機el素子の製造方法、および有機el表示パネル装置 Download PDF

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Abstract

【課題】下部電極にアルミニウム含有材料を用いて、しかも高い反射率および低い電気抵抗が維持される有機EL素子の製造方法を提供する。
【解決手段】基板に、アルミニウムまたはアルミニウム合金からなる金属膜を形成する第1工程(S2)と、前記金属膜上にレジストパターンを配置し、エッチングにより下部電極を形成する第2工程(S3、S4)と、前記レジストパターンを除去する第3工程(S5)と、前記下部電極の表面に形成されているアルミニウム酸化物を除去し、前記アルミニウム酸化物が除去された状態の前記下部電極の表面に、無電解メッキ液を用いたメッキ処理により、アルミニウム酸化物の形成を防止する保護膜を形成する第4工程(S6)と、前記下部電極の上方に有機材料を含む発光機能層を形成する第5工程(S11〜S14)と、前記発光機能層の上方に上部電極を形成する第6工程(S15)とを含む。
【選択図】図2

Description

本発明は、有機EL素子、有機EL素子の製造方法、および有機EL表示パネル装置に関する。
有機EL表示パネル装置は、有機化合物の電界発光現象を利用した発光表示パネル装置であり、携帯電話機などに用いられる小型の表示パネル装置として実用化されている。
有機EL表示パネル装置は、画素ごとに独立に発光制御可能な複数の有機EL素子を基板上に配置して構成される。典型的な有機EL表示パネル装置は、基板上に、駆動回路、下部電極、発光機能層、上部電極を、この順に積層することで作製される。発光機能層には、有機化合物からなる有機発光層とともに、電子注入層、電子輸送層、正孔輸送層、正孔注入層などの複数の機能層のうちの1つ以上が積層される。
このような構成において、下部電極および上部電極から正孔注入層や電子輸送層などを介して有機発光層へ電荷が注入され、注入された電荷が有機発光層内で再結合することによって、発光が生じる。
有機EL表示パネル装置において、上部電極を可視光透過性の導電材料にて形成し、有機発光層内で生じた光を、上部電極を通して取り出すトップエミッション型と呼ばれる構成が知られている。トップエミッション型の有機EL表示パネル装置では、光の取り出し効率を高めるため、下部電極を高い可視光反射性を持つ金属膜で構成することが一般的である。
下部電極は、1つの典型例においては、銀または銀合金からなる金属膜であり、ヒロック防止用のインジウムスズ酸化物膜で覆われる。また、価格が高い銀の代わりに、低価格のアルミニウム含有材料(本明細書においては、アルミニウムまたはアルミニウム合金を指す)を用いる構成もあり得る。アルミニウム含有材料からなる金属膜を画素ごとの下部電極に分離するために、例えば特許文献1に記載されているエッチング液を用いることができる。
特開平1−17077号公報
ところで、アルミニウムは、銀と比べて、材料コストを削減できる点で優れている反面、非常に酸化されやすいという問題がある。アルミニウム含有材料からなる金属膜の表面には、通常、自然酸化によるアルミニウム酸化物が存在していると考えてよい。例えば、製作途中の有機EL表示パネル装置を、金属膜の形成工程から金属膜を下部電極に分離するエッチング工程へ、大気中を移送するだけで、下部電極の表面にアルミニウム酸化物ができてしまう。
下部電極の表面にできたアルミニウム酸化物は、下部電極に要求される高い反射率、低い電気抵抗といった特性を劣化させる。そのため、下部電極にアルミニウム含有材料を用いる場合、表面の酸化防止対策が必須となる。
例えば、下部電極の表面を、下部電極とは別種の金属からなる保護膜で覆うことは、下部電極の表面の酸化を防止するための対策になり得る。ただし、この対策を有効に機能させるためには、下部電極の表面を、アルミニウム酸化物が除去された状態にして、保護膜で覆う必要がある。
しかしながら、下部電極の表面にできているアルミニウム酸化物を除去し、アルミニウム酸化物が再形成されない状態を保ったまま、下部電極上に保護膜を形成する方法は従来知られていない。そのため、アルミニウム含有材料からなる下部電極上にアルミニウム酸化物を介在せずに保護膜を形成した構成の有機EL素子は、未だ実現されていない。
本発明は、そのような事情に鑑みてなされたものであり、アルミニウム含有材料を用いて、しかも高い反射率および低い電気抵抗が維持される下部電極を備える有機EL素子、および、そのような有機EL素子の製造方法を提供することを目的とする。
上述した課題を解決するために、本発明の1つの態様に係る有機EL素子の製造方法は、基板に、アルミニウムまたはアルミニウム合金からなる金属膜を形成する第1工程と、前記金属膜上にレジストパターンを配置し、エッチングにより下部電極を形成する第2工程と、前記レジストパターンを除去する第3工程と、前記下部電極の表面に形成されているアルミニウム酸化物を除去し、前記アルミニウム酸化物が除去された状態の前記下部電極の表面に、無電解メッキ液を用いたメッキ処理により、アルミニウム酸化物の形成を防止する保護膜を形成する第4工程と、前記下部電極の上方に有機発光層を含む発光機能層を形成する第5工程と、前記発光機能層の上方に上部電極を形成する第6工程とを含む。
この態様によると、前記下部電極を覆い、前記下部電極に酸化層が形成されるのを防止する保護膜を設けることにより、アルミニウム含有材料により下部電極を形成した場合であっても、前記下部電極と前記保護膜との間にはアルミニウム酸化物が形成されないので、前記下部電極による光の反射を阻害する層が形成されず、前記発光機能層から照射される光が前記下部電極に反射する場合の反射率の低下を防止できる。
また、前記下部電極の酸化により前記下部電極が絶縁層になるのを防止し、前記上部電極と前記下部電極との間の電気抵抗が上がるのを防止できる。その結果、前記発光機能層による発光効率が低下するのを防止できる。
また、本発明の1つの態様に係る有機EL素子の製造方法は、前記第4工程において、前記下部電極の表面に、アルミニウム酸化物を溶かす除去液をスプレーし、前記下部電極の表面のアルミニウム酸化物が完全に溶解したとき、前記下部電極の表面が前記除去液にて湿潤状態のまま、前記基板を前記無電解メッキ液へ浸漬する。
この態様によると、前記下部電極の表面のアルミニウム酸化物が完全に溶解してから、前記基板が前記無電解メッキ液へ浸漬されるまで、前記下部電極の表面が前記除去液にて大気と遮断されるため、前記下部電極の表面に、アルミニウム酸化物が形成されていない状態で、前記保護膜の形成を開始できる。
また、本発明の1つの態様に係る有機EL素子の製造方法は、前記第4工程において、ニッケルまたはニッケル合金からなる前記保護膜を形成する。
この態様によると、ニッケルまたはニッケル合金は、例えば厚みを数nm〜十数nmと薄く形成することにより、前記下部電極による光の反射を阻害せず、前記発光機能層から照射される光が前記下部電極に反射する場合の反射率の低下を起こさない。
さらには、ニッケルまたはニッケル合金はアルミニウム含有材料と比較して、酸化されにくい性質を有しており、酸化した場合であっても、アルミニウム含有材料が酸化した場合に比較して、導電性を確保できる。そのため、前記保護膜をニッケルまたはニッケル合金により形成した場合、前記上部電極と前記下部電極との間の電気抵抗が上がるのを防止できる。
また、本発明の1つの態様に係る有機EL素子の製造方法は、前記第5工程において、電界発光機能を有する有機材料からなる有機発光層を含む前記発光機能層を形成する。
この態様によると、前記発光機能層は、少なくとも有機発光層を含むものである。
また、本発明の1つの態様に係る有機EL素子は、上部電極と、前記上部電極の下方に形成され、有機材料を含む発光機能層と、前記発光機能層の下方に形成され、アルミニウムまたはアルミニウム合金からなり、前記発光機能層からの光を前記上部電極側に反射する下部電極と、前記下部電極の上面を覆い、前記下部電極の上面にアルミニウム酸化物が形成されるのを防止する保護膜と、を具備し、前記下部電極と前記保護膜との間にはアルミニウム酸化物が形成されていない。
この態様によると、前記下部電極を覆い、前記下部電極に酸化層が形成されるのを防止する保護膜を設けることにより、アルミニウム含有材料により下部電極を形成した場合であっても、前記下部電極と前記保護膜との間にはアルミニウム酸化物が形成されないので、前記下部電極による光の反射を阻害する層が形成されず、前記発光機能層から照射される光が前記下部電極に反射する場合の反射率の低下を防止できる。
また、前記下部電極の酸化により前記下部電極が絶縁層になるのを防止し、前記上部電極と前記下部電極との間の電気抵抗が上がるのを防止できる。その結果、前記発光機能層による発光効率が低下するのを防止できる。
また、本発明の1つの態様に係る有機EL素子は、前記保護膜は、ニッケルまたはニッケル合金からなる。
この態様によると、ニッケルまたはニッケル合金は、例えば厚みを数nm〜十数nmと薄く形成することにより、前記下部電極による光の反射を阻害せず、前記発光機能層から照射される光が前記下部電極に反射する場合の反射率の低下を起こさない。
さらには、ニッケルまたはニッケル合金はアルミニウム含有材料と比較して、酸化されにくい性質を有しており、酸化した場合であっても、アルミニウム含有材料が酸化した場合に比較して、導電性を確保できる。そのため、前記保護膜をニッケルまたはニッケル合金により形成した場合、前記上部電極と前記下部電極との間の電気抵抗が上がるのを防止できる。
また、本発明の1つの態様に係る有機EL素子は、前記発光機能層は、電界発光機能を有する有機材料からなる有機発光層を含む。
この態様によると、前記発光機能層は、少なくとも有機発光層を含むものである。
また、本発明の1つの態様に係る有機EL素子は、前記上部電極は陰極であり、前記下部電極は陽極であり、前記発光機能層は、さらに、前記下部電極から前記有機発光層に正孔を注入する正孔注入層を、前記下部電極と前記有機発光層との間に含む。
この態様によると、前記発光機能層は、さらに、前記下部電極から前記有機発光層に正孔を注入する正孔注入層を、前記下部電極と前記有機発光層との間に含んでもよい。
また、本発明の1つの態様に係る有機EL素子は、前記上部電極は陰極であり、前記下部電極は陽極であり、前記発光機能層は、さらに、前記上部電極から前記有機発光層に電子を輸送する電子輸送層を、前記上部電極と前記有機発光層との間に含む。
この態様によると、前記発光機能層は、さらに、前記上部電極から前記有機発光層に電子を輸送する電子輸送層を、前記上部電極と前記有機発光層との間に含んでもよい。
本発明は、このような有機EL素子およびその製造方法として実現できるだけでなく、このような有機EL素子を複数配列してなる有機EL表示パネル装置として実現することもできる。
本発明に係る有機EL素子の製造方法によれば、前記下部電極を覆い、前記下部電極に酸化層が形成されるのを防止する保護膜を設けることにより、アルミニウム含有材料により下部電極を形成した場合であっても、前記下部電極と前記保護膜との間にはアルミニウム酸化物が形成されないので、下部電極に要求される高い反射率、低い電気抵抗といった特性が維持される。
実施の形態に係る有機EL素子の構造の一例を示す断面図 実施の形態に係る有機EL素子の製造方法の一例を示すフローチャート 実施の形態に係る有機EL素子の製造方法の主要部を示すフローチャート 実施の形態に係る有機EL素子の製造工程の一例を説明する断面図 実施の形態に係る有機EL素子の製造工程の主要部の一例を説明する断面図 実施の形態に係る有機EL素子の製造工程の一例を説明する断面図 実施の形態に係る有機EL素子の製造工程の一例を説明する断面図 実施の形態に係る有機EL素子を製造するための製造装置の一例を示す図
本発明に係る有機EL素子は、トップエミッション型の有機EL表示パネル装置に配列される複数の画素部にそれぞれ用いられ、独立に発光制御される有機EL素子であって、アルミニウム含有材料(本明細書においては、アルミニウムまたはアルミニウム合金を指す)からなり画素ごとに分離された下部電極と、下部電極とは別種の金属材料からなり下部電極を覆う保護膜とを有し、下部電極と保護膜との間にアルミニウム酸化物が介在していないことを特徴とする。
また、本発明に係る有機EL素子の製造方法は、アルミニウム含有材料からなる金属膜を形成し、画素ごとの下部電極に分離した後、下部電極の表面にアルミニウム酸化物を介在せずに別種の金属材料からなる保護膜を形成する工程を含むことを特徴とする。
そのような工程は、一例として、画素ごとに分離された後の金属膜に、アルミニウム酸化物を溶かす除去液をスプレーし、除去液にて表面湿潤状態のまま前記別種の金属を含んだ無電解メッキ液に浸漬することにより実現される。
以下、本発明の実施の形態に係る有機EL素子およびその製造方法について、図面を参照しながら詳細に説明する。
(有機EL素子の構成)
図1は、本発明の実施の形態に係る有機EL素子1の構造の一例を示す断面図である。図1には、3つの有機EL素子1が示されている。これらの有機EL素子1は、有機EL表示パネル装置100に配列される複数の画素部のうちの3つを構成するものであってもよい。なお、図1は説明のための模式図であり、各部の大きさの比は不同に描かれている。
有機EL素子1は、トップエミッション型の有機EL素子の一例であり、図1に示されるように、下部基板11、アルミニウム含有材料からなり画素ごとに分離された可視光反射性の下部電極15、ニッケルまたはニッケル合金からなる保護膜17、インジウムスズ酸化物からなるITO膜18、正孔注入性を持つ有機材料からなる正孔注入層20、感光性樹脂からなり画素を区画するバンク21、電界発光機能を有する有機材料からなる有機発光層22、電子輸送性を持つ有機材料からなる電子輸送層23、および可視光透過性の導電性材料からなる上部電極24を有し、これらの層は可視光透過性の絶縁材料からなる上部基板25にて封止されている。
有機EL素子1は、このような構成において、下部電極15と保護膜17との間に、アルミニウム酸化物が介在していないことによって特徴付けられる。
(有機EL素子を製造する方法)
次に、上記のように構成される有機EL素子を製造するための方法について説明する。
図2は、有機EL素子1の製造方法の一例を示すフローチャートである。
図3は、有機EL素子1の製造方法の主要部の一例を示すフローチャートである。
図4は、有機EL素子1の製造工程の一例を説明する断面図である。
図5は、有機EL素子1の製造工程の主要部の一例を説明する断面図である。
図6は、有機EL素子1の製造工程の一例を説明する断面図である。
図7は、有機EL素子1の製造工程の一例を説明する断面図である。
以下、図2および図3のフローチャートに従って、図4〜図7の断面図を参照しながら、有機EL素子1の製造方法を説明する。
なお、以下で説明する各工程は周知のプロセス技術を用いて実施できるため、プロセス条件などの詳細な説明は適宜省略する。また、以下で示す材料およびプロセスは1つの典型例であって、本発明の有機EL素子およびその製造方法を限定するものではない。適性が知られている他の材料およびプロセスを代用した場合も本発明に含まれる。
まず、図2および図4を参照して、ステップS1からステップS5までのプロセスを説明する。
下部基板11にポリイミド樹脂などの絶縁性の有機材料を塗布し焼成することで平坦化膜を形成する(S1)。平坦化膜によって、図示しない駆動回路などが形成されることで下部基板11の上面にできた凹凸が平坦化される。
下部基板11上に、スパッタリングなどにより、アルミニウム含有材料からなる金属膜12を全面に形成する。金属膜12の表面に、自然酸化によるアルミニウム酸化物13が形成される(S2)。
金属膜12の全面にアルミニウム酸化物13を介在してレジスト材料を塗布し、下部電極15に対応する形状のマスクを用いて露光し、現像することで、レジストパターン14を形成する(S3)。
金属膜12を、レジストパターン14をマスクとしてエッチングし、水洗、乾燥することで、個々の下部電極15に分離する(S4)。このとき、下部電極15の頂部の輪郭は、サイドエッチが入るために、レジストパターン14の底部およびアルミニウム酸化物13の輪郭よりも内側へ後退する。
レジストパターン14を剥離し、水洗、乾燥する。下部電極15の頂部の輪郭から外側へ張り出したアルミニウム酸化物13が庇部16となる(S5)。
アルミニウム酸化物13を、庇部16を含めて全て除去し、アルミニウム酸化物が再形成されない状態で、下部電極15上に保護膜を形成する(S6)。
ここで、図3および図5を参照して、ステップS6を実現するための詳細なプロセスを説明する。
下部基板11の上面全体に、少なくともアルミニウム酸化物13が完全に浸かるように、アルミニウム酸化物13を溶かす除去液31をスプレーする(S6−1)。
ここで、除去液31には、アルミニウム酸化物を溶解する周知の薬液を用いる。除去液31は、一例として、フッ化アンモニウム(NH4F)の純水による希釈液であってもよい。除去液が酸素を含まないように、NH4Fの希釈用の純水には、脱気水、または窒素飽和水を用いることが好ましい。また、除去液が、アルミニウム含有材料からなる下部電極15にダメージを与えないように、除去液中のフッ化水素(HF)濃度を0.5wt%以下でpHを7程度に保つことが好ましい。
なお、除去液として、アルミニウムをエッチングせずアルミニウム酸化物だけを除去できるフッ化カリウム(KF)−HF水溶液も好適である。
アルミニウム酸化物13が除去液31に完全に溶解したとき、除去液31にて上面湿潤状態のまま、下部基板11を無電解メッキ液32に浸漬する(S6−2)。このとき、除去液31による上面湿潤状態を保つため、下部基板11の水洗、乾燥は行わない。
無電解メッキ液32には、周知の無電解メッキ液を用いる。無電解メッキ液32は、ニッケルメッキを施す際の薬液の一例として、次亜燐酸ニッケル2.7%、ホウ酸1.2%、酢酸ナトリウム0.5%、および硫酸アンモニウム0.3%の水溶液であってもよく、25℃程度の常温で使用される。
下部基板11を除去液31による上面湿潤状態のまま無電解メッキ液32に浸漬するため、無電解メッキ液32中にNH4Fが混入する。そのため無電解メッキ液32は循環させず、パドル処理の使い捨てで用いることが好ましい。
無電解メッキ液32中で保護膜17を所定の時間成長させた後、下部基板11を水洗および乾燥して、保護膜17の形成を完了する(S6−3)。なお、保護膜17には、ニッケルまたはニッケル合金以外に、クロムまたはクロム合金を用いることができる。
このような製造方法によると、下部電極15の表面のアルミニウム酸化物13が完全に溶解してから、下部基板11が無電解メッキ液32へ浸漬されるまで、下部電極15の表面が除去液31にて大気と遮断されるため、下部電極15の表面に、アルミニウム酸化物が形成されていない状態で、保護膜17の形成を開始できる。
次に、図2および図6を参照して、ステップS7からステップS11までのプロセスを説明する。
インジウムスズ酸化物からなるITO膜18を下部基板11の全面に形成する(S7)。ITO膜18は、ヒロック防止用に設けられる。
ITO膜18の全面にレジスト材料を塗布し、個々の有機EL素子に対応する形状のマスクを用いて露光し、現像することで、レジストパターン19を形成する(S8)。
ITO膜18を、レジストパターン19をマスクとしてエッチングすることで、ITO膜18の隣接画素の間の部分を除去する(S9)。
レジストパターン19を剥離する(S10)。
PEDOT(ポリエチレンジオキシチオフェン)などの正孔注入性の有機材料からなる正孔注入層20を、スピンコート、ノズルコートなどの方法で全面に形成する(S11)。
次に、図2および図7を参照して、ステップS12からステップS16までのプロセスを説明する。
感光性のポリイミド樹脂をスピンコート、ノズルコートなどの方法で全面に塗布し、バンク21の設置領域に対応する形状のマスクを用いて露光し、現像し、焼成することで、バンク21を形成する(S12)。
Alq3(アルミキノリノール錯体)などの電界発光機能を有する有機材料を含む機能液を、インクジェット法により、バンク21で仕切られた領域に塗布し、硬化させることで、有機発光層22を形成する(S13)。なお、図7に示される3つの有機EL素子が、それぞれ赤、緑、青で発光するサブ画素に対応する場合、それぞれの発光色に応じた異なる有機材料からなる有機発光層22が形成される。
オキサジアゾール誘導体などの電子輸送性を有する有機材料を含む機能液を、インクジェット法により、隣接するバンク21で仕切られた領域の有機発光層22の上に塗布し、硬化させることで、電子輸送層23を形成する(S14)。
インジウムスズ酸化物などの可視光透過性の導電性材料からなる上部電極24を全面に形成する(S15)。
可視光透過性の絶縁材料からなる上部基板25にて封止をして完成する(S16)。
(有機EL素子を製造する装置)
本発明は、上述した製造方法を実施するための製造装置を限定しないが、一例を示すために、上述した製造方法の主要部であるステップS6に含まれる処理を実施することができる製造装置について説明する。
図8は、製造装置80に設けられ、下部電極の表面のアルミニウム酸化物を除去し、アルミニウム酸化物が再形成されない状態で、下部電極上に保護膜を形成するための処理室の構成の一例を示す構成図である。
図8には、処理室の構成とともに、製造装置80の全体構成が示されている。製造装置80は、ローダ、コンベア、処理室、水洗室、乾燥室、コンベア、およびアンローダから構成される。
処理室には、処理槽81、シャワーライン82a、82b、排気ライン83、バッファタンク84a、84b、搬送ローラ85a、85b、薬液タンク86a、86b、廃液ライン87a、87b、供給ポンプ88a、88b、およびディップ槽89が設けられる。
処理室には、アルミニウム含有材料からなる金属膜がエッチングにより個々の下部電極に分離された状態の基板が、ワークとして搬入される。このとき、ワークである基板の下部電極の表面にはアルミニウム酸化物が形成されている。
薬液タンク86aには、前述した除去液31が貯蔵されている。除去液31は、供給ポンプ88aにより、バッファタンク84aを介してシャワーライン82aへ圧送される。搬送ローラ85aにて搬入されてきたワークは、シャワーライン82aから除去液31をスプレーされる。
ワークは、下部電極の表面のアルミニウム酸化物が除去液31によって完全に溶解したとき、除去液31にて表面湿潤状態のまま、搬送ローラ85bにてディップ槽89へ移送される。
アルミニウム酸化物が完全に溶解したことは、センサによる表面観察にて判断してもよく、溶解速度から予定された時間が経過したことで判断してもよい。
薬液タンク86bには、前述した無電解メッキ液32が貯蔵されている。無電解メッキ液32は、供給ポンプ88bにより、バッファタンク84bを介してシャワーライン82bおよびディップ槽89へ圧送される。搬送ローラ85aにて搬入されてきたワークは、ディップ槽89にて無電解メッキ液32に浸漬され、また、シャワーライン82bから無電解メッキ液32をスプレーされる。
処理室において無電解メッキ液32中で保護膜を所定の時間成長させた後、水洗室および乾燥室にてワークを水洗および乾燥して保護膜の形成を完了する。
以上、本発明の有機EL表示装置について、実施の形態に基づいて説明したが、本発明は、この実施の形態に限定されるものではない。本発明の趣旨を逸脱しない限り、当業者が思いつく各種変形を本実施の形態に施したものも本発明の範囲内に含まれる。
本発明の有機EL素子は、テレビジョンセット、携帯電話機、パーソナルコンピュータなどに用いられる有機EL表示パネル装置に利用できる。
1 有機EL素子
11 下部基板
12 金属膜
13 アルミニウム酸化物
14 レジストパターン
15 下部電極
16 庇部
17 保護膜
18 ITO膜
19 レジストパターン
20 正孔注入層
21 バンク
22 有機発光層
23 電子輸送層
24 上部電極
25 上部基板
31 除去液
32 無電解メッキ液
80 製造装置
81 処理槽
82a、82b シャワーライン
83 排気ライン
84a、84b バッファタンク
85a、85b 搬送ローラ
86a、86b 薬液タンク
87a 廃液ライン
88a、88b 供給ポンプ
89 ディップ槽
100 有機EL表示パネル装置

Claims (10)

  1. 基板に、アルミニウムまたはアルミニウム合金からなる金属膜を形成する第1工程と、
    前記金属膜上にレジストパターンを配置し、エッチングにより下部電極を形成する第2工程と、
    前記レジストパターンを除去する第3工程と、
    前記下部電極の表面に形成されているアルミニウム酸化物を除去し、前記アルミニウム酸化物が除去された状態の前記下部電極の表面に、無電解メッキ液を用いたメッキ処理により、アルミニウム酸化物の形成を防止する保護膜を形成する第4工程と、
    前記下部電極の上方に有機材料を含む発光機能層を形成する第5工程と、
    前記発光機能層の上方に上部電極を形成する第6工程と、を含む、
    有機EL素子の製造方法。
  2. 前記第4工程において、
    前記下部電極の表面に、アルミニウム酸化物を溶かす除去液をスプレーし、
    前記下部電極の表面のアルミニウム酸化物が完全に溶解したとき、前記下部電極の表面が前記除去液にて湿潤状態のまま、前記基板を前記無電解メッキ液へ浸漬する
    請求項1に記載の有機EL素子の製造方法。
  3. 前記第4工程において、
    ニッケルまたはニッケル合金からなる前記保護膜を形成する
    請求項1に記載の有機EL素子の製造方法。
  4. 前記第5工程において、
    電界発光機能を有する有機材料からなる有機発光層を含む前記発光機能層を形成する
    請求項1に記載の有機EL素子の製造方法。
  5. 上部電極と、
    前記上部電極の下方に形成され、有機材料を含む発光機能層と、
    前記発光機能層の下方に形成され、アルミニウムまたはアルミニウム合金からなり、前記発光機能層からの光を前記上部電極側に反射する下部電極と、
    前記下部電極の上面を覆い、前記下部電極の上面にアルミニウム酸化物が形成されるのを防止する保護膜と、を具備し、
    前記下部電極と前記保護膜との間にはアルミニウム酸化物が形成されていない
    有機EL素子。
  6. 前記保護膜は、ニッケルまたはニッケル合金からなる
    請求項5に記載の有機EL素子。
  7. 前記発光機能層は、電界発光機能を有する有機材料からなる有機発光層を含む
    請求項5に記載の有機EL素子。
  8. 前記上部電極は陰極であり、前記下部電極は陽極であり、
    前記発光機能層は、さらに、前記下部電極から前記有機発光層に正孔を注入する正孔注入層を、前記下部電極と前記有機発光層との間に含む、
    請求項7に記載の有機EL素子。
  9. 前記上部電極は陰極であり、前記下部電極は陽極であり、
    前記発光機能層は、さらに、前記上部電極から前記有機発光層に電子を輸送する電子輸送層を、前記上部電極と前記有機発光層との間に含む、
    請求項7に記載の有機EL素子。
  10. 請求項5から請求項9のいずれか1項に記載の有機EL素子を複数配列してなる有機EL表示パネル装置。
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