JP2011058557A - 振動減衰装置、ロックアップ装置および流体式動力伝達装置 - Google Patents

振動減衰装置、ロックアップ装置および流体式動力伝達装置 Download PDF

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Abstract

【課題】振動減衰性能を高めることができる振動減衰装置を提供する。
【解決手段】ロックアップ装置6は、ピストン61と、出力プレート63と、第1コイルスプリング65と、イナーシャ部材64と、第2コイルスプリング66と、を有している。出力プレート63はタービンと一体回転可能なようにタービンに連結されている。第1コイルスプリング65はピストン61を出力プレート63に回転方向に弾性的に連結する。イナーシャ部材64は出力プレート63に対して相対回転可能に設けられている。第2コイルスプリング66はイナーシャ部材64を出力プレート63に回転方向に弾性的に連結し、両者でダイナミックダンパー82を構成しており、所望の回転速度領域でダイナミックダンパー82の作動を制限するロック機構を備えている。
【選択図】図2

Description

本発明は、ダイナミックダンパーを備えた振動減衰装置に関する。
従来から、ダイナミックダンパーを備えた振動減衰装置が知られている。例えば、振動減衰装置は、ダンパー機構およびダイナミックダンパーを備えている。ダイナミックダンパーを設けることで、ダンパー機構の持つ共振周波数付近で発生する共振ピークを低減できるので、ダンパー機構の振動減衰性能を高めることができる(例えば、特許文献1を参照)。
特開平11−82628号公報
しかしながら、ダイナミックダンパーの作動により1つの大きな共振ピークは2つの小さな共振ピークに分かれるが、それら2つの共振ピークをさらに低減することは、いわゆる定点理論により困難となっている。つまり、ダイナミックダンパーによる振動減衰性能の向上には限界がある。
一方で、車両の駆動系においては、さらなる振動減衰性能の向上が求められている。
本発明の課題は、振動減衰性能をさらに高めることができる振動減衰装置を提供することにある。
本発明に係る振動減衰装置は、ダンパー機構とダイナミックダンパーとロック機構とを備えている。ダンパー機構は、第1回転体と、第1回転体に対して回転可能に配置された第2回転体と、第1回転体および第2回転体を回転方向に弾性的に連結する少なくとも1つの第1弾性部材と、を有している。ダイナミックダンパーはダンパー機構に設けられている。ロック機構は所望の回転速度領域でダイナミックダンパーの作動を制限する。
この振動減衰装置では、所望の回転速度領域に達するまではダイナミックダンパーの作動により振動減衰性能が高まり、所望の回転速度領域に達すると、ロック機構によりダイナミックダンパーの作動が制限されるので、ダイナミックダンパーがイナーシャダンパーとして機能し、その結果、イナーシャダンパーの作動により振動減衰性能が高まる。
このように、この振動減衰装置では、ロック機構によりダイナミックダンパーをイナーシャダンパーに切り替えることができ、ダイナミックダンパーおよびイナーシャダンパーの振動減衰性能の有利な部分をそれぞれ生かすことができる。
また、この振動減衰装置を備えたロックアップ装置および流体式動力伝達装置でも、同様の効果を得ることができる。
したがって、上記の振動減衰性能、ロックアップ装置および流体式動力伝達装置では振動減衰性能をさらに高めることができる。
トルクコンバータの縦断面概略図 ロックアップ装置の縦断面概略図 ロック機構およびその周辺の断面図 ロック機構およびその周辺の断面図 一般的なダイナミックダンパーの正常応答曲線 振動減衰装置の応答曲線
<トルクコンバータの全体構成>
図1および図2を用いてトルクコンバータ1(流体式動力伝達装置の一例)について説明する。図1はトルクコンバータ1の縦断面概略図である。図2はロックアップ装置6の縦断面概略図である。図1の左側にはエンジン(図示せず)が配置され、図1の右側にトランスミッション(図示せず)が配置されている。図1に示す線O−Oは、トルクコンバータ1の回転軸線である。
トルクコンバータ1は、エンジンのクランクシャフト(図示せず)からトランスミッションの入力シャフトに動力を伝達するための装置であり、主に、動力が入力されるフロントカバー2と、インペラ3と、タービン4と、ステータ5と、ロックアップ装置6と、を備えている。
フロントカバー2にはインペラ3が固定されており、フロントカバー2とインペラ3とにより流体室が形成されている。タービン4は流体室内でインペラ3に対向するように配置されている。タービン4は、タービンシェル41と、タービンシェル41に固定された複数のタービンブレード42と、リベット44によりタービンシェル41に固定されたタービンハブ43と、を有している。タービンハブ43は、図示しないトランスミッションの入力シャフトに連結されている。ステータ5は、タービン4からインペラ3への作動油の流れを調節するための機構であり、インペラ3とタービン4との間に配置されている。
<ロックアップ装置の全体構成>
ロックアップ装置6は、必要に応じてフロントカバー2とタービン4とを機械的に連結するための装置であり、図1に示すようにフロントカバー2とタービン4と間に配置されている。図2に示すように、ロックアップ装置6は主に、ピストン61と、振動減衰装置8と、を有している。
<ピストン>
ピストン61は、フロントカバー2とタービン4との連結を切り換えるための部材であり、油圧の作用によりフロントカバー2に押し付けられるように設けられている。具体的には、ピストン61はタービン4のタービンハブ43により軸方向に移動可能にかつ相対回転可能に支持されている。
<振動減衰装置>
図1〜図3に示すように、振動減衰装置8は、フロントカバー2とタービン4とを回転方向に弾性的に連結する機構であり、ダンパー機構81と、ダイナミックダンパー82と、ロック機構83(図3参照)と、を有している。
(1)ダンパー機構
図2に示すように、ダンパー機構81は、ピストン61をタービン4に対して回転方向に弾性的に連結する機構であり、支持プレート62(第1回転体の一例)と、出力プレート63(第2回転体の一例)と、複数の第1コイルスプリング65(第1弾性部材の一例)と、サポートリング74と、を有している。
(1−1)支持プレート
支持プレート62は、第1コイルスプリング65の端部(より詳細には、第1コイルスプリング65の端部に装着されたシート部材65a)を回転方向に支持するための部材であり、ピストン61に固定されている。具体的には、支持プレート62は、支持プレート本体62aと、複数の入力爪部62bと、複数の保持部62cと、を有している。
支持プレート本体62aは複数のリベット69によりピストン61に固定されている。入力爪部62bは、支持プレート本体62aの外周部から半径方向外側に延びる部分である。この入力爪部62bは、第1コイルスプリング65の端部同士の間に配置されており、第1コイルスプリング65の端部を回転方向に支持可能である。保持部62cは、第1コイルスプリング65を半径方向および軸方向に支持するための部分であり、入力爪部62bの回転方向間に形成されている。保持部62cの回転方向長さは入力爪部62b間の寸法よりも短く設定されており、保持部62cは第1出力プレート67の出力爪部67b(後述)と回転方向に当接可能となっている。このため、ピストン61および出力プレート63の相対回転は所定角度の範囲内に制限されている。つまり、出力爪部67bおよび保持部62cによりピストン61および出力プレート63の相対回転を所定角度に制限する第1ストッパ機構S1が実現されている。
(1−2)出力プレート
出力プレート63は、タービン4と一体回転可能なようにタービン4に連結された部材である。出力プレート63は、第1出力プレート67と、第2出力プレート68と、を有している。第1出力プレート67および第2出力プレート68は、複数のストッパピン70により軸方向に一定の間隔を保った状態で固定されている。
第1出力プレート67は、概ね環状の第1出力プレート本体67aと、第1出力プレート本体67aの外周部から概ね半径方向外側に延びる複数の出力爪部67bと、第1出力プレート本体67aの内周部から半径方向内側に延びる概ね環状の第1固定部67cと、を有している。第1出力プレート本体67aは、第2コイルスプリング66の端部を回転方向に支持可能な第1支持部67dを有している。出力爪部67bは、第1コイルスプリング65の端部同士の間に配置されており、第1コイルスプリング65の端部を回転方向に支持可能である。第1固定部67cはリベット44によりタービンハブ43に固定されている。第1固定部67cは後述するようにイナーシャ部材64を半径方向に支持している。
第2出力プレート68は、概ね環状の第2出力プレート本体68aと、第2出力プレート本体68aの内周部から半径方向内側に延びる概ね環状の第2固定部68cと、を有している。第2出力プレート本体68aは、第2コイルスプリング66の端部を回転方向に支持可能な第2支持部68dを有している。第2固定部68cは第1固定部67cとともにリベット44によりタービンハブ43に固定されている。
第1出力プレート本体67aは複数の第1突出部67eを有している。第2出力プレート本体68aは複数の第2突出部68eを有している。第1突出部67eおよび第2突出部68eは、例えばプレス加工により形成されている。第1突出部67eおよび第2突出部68eの軸方向間にプレート部材64aが挟み込まれている。つまり、出力プレート63によりイナーシャ部材64が軸方向に支持されている。
(1−3)第1コイルスプリング
第1コイルスプリング65は、ピストン61と出力プレート63とを回転方向に弾性的に連結するための部材であり、ピストン61、保持部62cおよびサポートリング74により回転方向に弾性変形可能に支持されている。第1コイルスプリング65の軸方向の移動は、ピストン61、保持部62cおよびサポートリング74により所定の範囲内に制限されている。第1コイルスプリング65の半径方向外側への移動はサポートリング74により制限されている。第1コイルスプリング65の端部には1対のシート部材65aが装着されている。
(1−4)サポートリング
サポートリング74は、第1コイルスプリング65を半径方向に支持するための環状の部材であり、第1コイルスプリング65の半径方向外側に配置されている。サポートリング74は支持プレート62に対して回転可能なように設けられている。サポートリング74のトランスミッション側への移動は、支持プレート62の保持部62cにより所定の範囲に制限されている。サポートリング74により第1コイルスプリング65の動作が安定する。
(2)ダイナミックダンパー
図2に示すように、ダイナミックダンパー82は、イナーシャ部材64と、複数の第2コイルスプリング66(第2弾性部材の一例)と、摩擦発生機構71と、を有している。
(2−1)イナーシャ部材
イナーシャ部材64は、概ね環状のプレート部材64aと、概ね環状のイナーシャ部材本体64bと、リベット64cと、を有している。このリベット64cにより、イナーシャ部材本体64bはプレート部材64aの外周部に固定されており、これにより、イナーシャ部材本体64bのイナーシャがイナーシャ部材64全体のイナーシャに大きく影響している。イナーシャ部材64のイナーシャの調整はイナーシャ部材本体64bの寸法を変えることで行われる。本実施形態では、イナーシャ部材本体64bは第1コイルスプリング65と概ね同じ半径方向位置に配置されている。
プレート部材64aは、複数の窓孔64eと、窓孔64eよりも半径方向外側に配置された複数の長孔64dと、を有している。窓孔64eには第2コイルスプリング66が配置されている。長孔64dは回転方向に延びるように形成されている。ストッパピン70は長孔64dに挿入されている。長孔64dによりプレート部材64aと出力プレート63との回転方向の相対回転が所定角度の範囲内で可能となっている。言い換えると、ストッパピン70および長孔64dにより第2ストッパ機構S2が実現されている。
第1出力プレート67の第1固定部67cにより、イナーシャ部材64のプレート部材64aが半径方向に支持されている。さらに、出力プレート63によりイナーシャ部材64は軸方向に支持されている。
このように、イナーシャ部材64は出力プレート63により半径方向および軸方向に支持されている。
(2−2)第2コイルスプリング
第2コイルスプリング66は、イナーシャ部材64を出力プレート63に弾性的に連結するための部材であり、出力プレート63により回転方向に弾性変形可能に支持されている。本実施形態では、第2コイルスプリング66は第1コイルスプリング65よりも半径方向内側に配置されている。
第2コイルスプリング66はプレート部材64aの窓孔64e内に設けられている。出力プレート63とイナーシャ部材64とが相対回転すると、第2コイルスプリング66は回転方向に圧縮される。
(2−3)摩擦発生機構
摩擦発生機構71は、出力プレート63とイナーシャ部材64との間に回転方向の摩擦抵抗を発生させるための機構であり、環状の第1摩擦部材72と、環状の第2摩擦部材73と、を有している。第1摩擦部材72は、第2出力プレート68とプレート部材64aとの軸方向間に配置されている。第2摩擦部材73は、第2出力プレート68とプレート部材64aとの軸方向間に配置されている。第1摩擦部材72および第2摩擦部材73は第2コイルスプリング66の半径方向内側に配置されている。第1摩擦部材72、プレート部材64aおよび第2摩擦部材73は、第1出力プレート67および第2出力プレート68の軸方向間に挟み込まれている。つまり、出力プレート63によりイナーシャ部材64が軸方向に支持されている。
(3)ロック機構
図3に示すように、ロック機構83は、所望の回転速度領域でダイナミックダンパー82の作動を制限する機構であり、第2出力プレート本体68aの折り曲げ部68gに固定されている。ロック機構83は、ストッパピン70とは異なる回転方向位置に配置されており、イナーシャ部材本体64bの半径方向内側に配置されている。ロック機構83は、収容部材87と、ロック部材84と、蓋部材88(第1ストッパーの一例)と、1対の第3コイルスプリング85(第3弾性部材の一例)と、を有している。
(3−1)収容部材
収容部材87は、ロック部材84および第3コイルスプリング85を収容する凹部87dを有している。具体的には、収容部材87は、ロック部材84の回転方向の両側方に配置された1対の案内部87aと、底部87b(第2ストッパーの一例)と、を有している。案内部87aおよび底部87bにより凹部87dが形成されている。
1対の案内部87aは、ロック部材84と回転方向に当接可能であり、ロック部材84を半径方向に案内する。ロック部材84に遠心力が作用すると、ロック部材84は1対の案内部87aにより半径方向外側に移動可能となっている。また、一方の案内部87aは、ロック機構83が作動する際にロック部材84と回転方向に当接する。
底部87cは、収容部材87に対するロック部材84の半径方向内側(イナーシャ部材本体64bと反対側)への移動を規制しており、第3コイルスプリング85の弾性力によりロック部材84と半径方向に当接している。
(3−2)蓋部材
蓋部材88は、凹部87dを覆うように収容部材87に固定されており、ロック部材84が脱落するのを防止している。蓋部材88は、ロック部材84のプレート部材64a側への移動を制限しており、蓋部材88とロック部材84との間に第3コイルスプリング85が圧縮された状態で配置されている。蓋部材88は、突出部84b(後述)が挿入された貫通孔88aを有している。
(3−3)ロック部材
ロック部材84は、収容部材87の凹部87dに収容されており、本体部84aと、本体部84aから半径方向外側(イナーシャ部材本体64b側)に突出する突出部84bと、を有している。本体部84aには、突出部84bの回転方向の両側に配置された1対の収容穴84cが形成されている。収容穴84cには第3コイルスプリング85が挿入されている。
また、突出部84bは、静止状態においてイナーシャ部材本体64bに設けられた凹部86に対応する位置に配置されている。凹部86は、突出部84bよりも一回り大きく形成されている。ロック部材84が遠心力で半径方向外側へ移動すると、突出部84bが凹部86に挿入される。凹部86の回転方向両側には1対の当接部86aが設けられており、突出部84bが凹部86に挿入された状態でイナーシャ部材本体64bと第2出力プレート68とが相対回転すると、突出部84bが一方の当接部86aに当接する。このように、ロック部材84により第2出力プレート68とイナーシャ部材64との相対回転が制限される。
(3−3)第3コイルスプリング
第3コイルスプリング85は、ロック部材84を収容部材87に対して半径方向内側に押圧しており、圧縮された状態でロック部材84および蓋部材88の間に配置されている。回転速度が高くなり、ロック部材84に作用する遠心力が第3コイルスプリング85の弾性力を超えると、ロック部材84は第3コイルスプリング85の弾性力に逆らって半径方向外側へ移動する。第3コイルスプリング85のバネ係数は、所望の回転速度でロック部材84が第2出力プレート68およびイナーシャ部材64の相対回転を制限する大きさに設定されている。
<ロック機構の技術的意義>
前述のように、ロックアップ装置6の振動減衰装置8は、所望の回転速度領域で第2出力プレート68およびイナーシャ部材64の相対回転を制限して、ダイナミックダンパー82の作動を制限するようになっている。
ここで、このロック機構83の技術的意義について説明する。
一般的に、ダイナミックダンパーがある場合とない場合とで、図5に示すように、振動減衰系の定常応答曲線が異なってくる。具体的には図5の曲線D1で示すように、ダイナミックダンパーが搭載されていない振動減衰系では、共振周波数(ω/ω0=1.0)周辺の領域で振動の振れ幅がピークとなり振動減衰性能が悪化する。
一方、図5の曲線D2で示すように、ダイナミックダンパーが搭載されている駆動系では、共振周波数周辺の領域に存在するはずの共振ピークが低減され、その代わりに共振周波数から離れた2つの領域に小さな共振ピークが出現する。
このように、ダイナミックダンパーを設けることで、共振周波数領域での振動減衰性能を高めることができる。
ここで、いわゆる定点理論により、上記2つの応答曲線D1およびD2の交点である点Pおよび点Qの位置は、ダイナミックダンパーのいずれのパラメータ(例えば、ヒステリシストルクおよび剛性)を変えたとしても変化しない。このため、曲線D2では必ず2つの山が点Pおよび点Qの付近で発生してしまう。
しかしながら、トルクコンバータのような流体式動力伝達装置では、燃費の向上を考慮して、より低回転速度領域でロックアップ装置を作動させることが求められている。低回転速度領域でのロックアップを実現するためには、点Q付近の振動減衰性能をさらに高める必要がある。
そこで、振動減衰装置8はダイナミックダンパー82の作動を制限するロック機構83を備えている。
具体的には図6では、曲線D0はダイナミックダンパー82が搭載されていない場合の応答曲線、曲線DDはダイナミックダンパー82が搭載されている場合の応答曲線、そして、曲線IDはダイナミックダンパー82が搭載されているがダイナミックダンパー82が作動していない場合(つまり、ロック機構83が作動している場合)の応答曲線を示している。
前述の曲線D1およびD2と同様に、曲線D0では共振回転速度付近に共振ピークが存在しているが、ダイナミックダンパー82が搭載された場合を示す曲線DDでは、共振回転速度付近の共振ピークが大幅に低減され、曲線D0の共振ピークが点P1および点Q1付近の2つの小さな共振ピークに分散される。
点Q1よりも低回転数領域でロックアップ装置6を作動させると、点Q1付近の回転速度領域で振動減衰性能が低下してしまうため、この振動減衰装置8では、曲線IDと曲線DDとの交点である点R付近の回転速度でダイナミックダンパー82の作動をロック機構83により制限するようになっている。
本実施形態では、ロック機構83が作動してダイナミックダンパー82の作動が制限される回転速度をNe0としている。この切替回転速度Ne0以上の回転速度領域(所望の回転速度領域の一例)では、曲線DDではなく曲線IDが応答曲線となる。つまり、この振動減衰装置8あれば、図6に示す太線DXを応答曲線とすることができ、点Q1付近の振動減衰性能を図6に示す斜線部の分だけ高めることができる。
<トルクコンバータの動作>
それでは、ダイナミックダンパー82およびロック機構83の動作も含めて、トルクコンバータ1の動作について説明する。
フロントカバー2およびインペラ3が回転している状態では、インペラ3からタービン4へ作動油が流れ、作動油を介してインペラ3からタービン4へ動力が伝達される。タービン4に伝達された動力はタービンハブ43を介して入力シャフト(図示せず)に伝達される。
エンジンの回転速度が徐々に高くなると、フロントカバー2の回転速度も高くなるが、流体を介して動力が伝達されている状態であれば、エンジンからフロントカバー2に入力された回転変動はタービン4に直接伝わることはない。このため、例えば図6に示す点P付近の共振ピークの影響はほとんどない。
一方、エンジン回転速度がさらに高くなり切替回転速度Ne0以上になると、ロック部材84に作用する遠心力が第3コイルスプリング85の弾性力に打ち勝って、ロック部材84が第2出力プレート68およびイナーシャ部材64に対して半径方向外側に移動する。この結果、ロック部材84の突出部84bが、凹部86に入り込み、当接部86aと回転方向に当接する。この状態では、イナーシャ部材64および第2出力プレート68の相対回転が制限されるので、ダイナミックダンパー82の作動が制限される。これにより、切替回転速度Ne0以上の回転速度領域では、ダイナミックダンパー82がいわゆるイナーシャダンパー(マスダンパーともいう)の機能を持つようになる。
そうすると、図6に示すように、点Rよりも回転速度が高い領域は応答曲線IDの特性を振動減衰装置8が備えることになり、この結果、切替回転速度Ne0以上の回転速度領域で振動減衰性能が高まる。したがって、切替回転速度Ne0付近でロックアップ装置6を介した動力伝達を行っても、エンジンからフロントカバー2に伝達される回転変動を効果的に減衰することができる。
以上に説明したように、所望の回転速度領域に達するまではダイナミックダンパー82により振動減衰性能が高まる。さらに、所望の回転速度領域に達すると、ロック機構83によりダイナミックダンパー82の作動が制限されるので、ダイナミックダンパー82がイナーシャダンパーとして機能するようになり、比較的高い回転速度領域では、ダイナミックダンパー82が作動する場合よりも、振動減衰性能を高めることができる。
このように、この振動減衰装置8であれば、ロック機構83によりダイナミックダンパー82をイナーシャダンパーに切り替えることができ、ダイナミックダンパー82およびイナーシャダンパーそれぞれの振動減衰性能として有利な部分をそれぞれ生かすことができ、振動減衰性能を高めることができる。
<他の実施形態>
本発明の具体的な構成は、前述の実施形態に限られるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の修正および変更が可能である。
(1)
前述の実施形態では、流体式動力伝達装置としてトルクコンバータ1を例に説明しているが、流体式動力伝達装置は、ステータ5を有していないフルードカップリングであってもよい。
また、トルクコンバータ1およびロックアップ装置6を例に振動減衰装置8について説明しているが、振動減衰装置8が搭載される装置は、これらの装置に限定されず、振動減衰装置8は他の装置に適用可能である。
(2)
ロック機構83の構成は前述の実施形態に限定されない。例えば、ロック機構83が第2出力プレート68側ではなくイナーシャ部材64側に設けられていてもよい。また、収容部材87が第2出力プレート68と一体形成されていてもよい。ロック機構83がイナーシャ部材64側に設けられている場合は、例えば収容部材87はイナーシャ部材本体64bと一体形成されていてもよい。
(3)
前述の実施形態では、イナーシャ部材64のプレート部材64aが第1出力プレート67および第2出力プレート68に挟み込まれているが、出力プレート63が1枚のプレートであってもよい。この場合、イナーシャ部材64のプレート部材64aが一対のプレートであり、これらのプレートの間に出力プレートが挟み込まれる。
(4)
イナーシャ部材本体64bがリベット64cによりプレート部材64aに固定されているが、イナーシャ部材本体64bがプレート部材64aと一体で形成されていてもよい。
1 トルクコンバータ(流体式動力伝達装置)
2 フロントカバー
3 インペラ
4 タービン
5 ステータ
6 ロックアップ装置
61 ピストン(第1回転体の一例)
62 支持プレート(第1回転体の一例)
63 出力プレート
64 イナーシャ部材
65 第1コイルスプリング(第1弾性部材の一例)
66 第2コイルスプリング(第2弾性部材の一例)
67 第1出力プレート
68 第2出力プレート(第2回転体の一例)
8 振動減衰装置
81 ダンパー機構
82 ダイナミックダンパー
83 ロック機構
84 ロック部材
85 第3コイルスプリング(第3弾性部材の一例)
86 凹部
86a 当接部
87 収容部材
87a 案内部
87b 底部(第2ストッパーの一例)
88 蓋部材(第1ストッパーの一例)

Claims (8)

  1. 第1回転体と、前記第1回転体に対して回転可能に配置された第2回転体と、前記第1回転体および前記第2回転体を回転方向に弾性的に連結する少なくとも1つの第1弾性部材と、を有するダンパー機構と、
    前記ダンパー機構に設けられたダイナミックダンパーと、
    所望の回転速度領域で前記ダイナミックダンパーの作動を制限するロック機構と、
    を備えた振動減衰装置。
  2. 前記ダイナミックダンパーは、前記第2回転体に対して回転可能に設けられたイナーシャ部材と、前記イナーシャ部材を前記第2回転体に対して回転方向に弾性的に連結する第2弾性部材と、を有しており、
    前記ロック機構は、前記第1回転体および前記イナーシャ部材の相対回転を前記所望の回転速度領域で制限する、
    請求項1に記載の振動減衰装置。
  3. 前記ロック機構は、前記第2回転体および前記イナーシャ部材のうち一方である第1部材に対して一体回転可能かつ半径方向に移動可能に配置され前記第2回転体および前記イナーシャ部材のうち他方である第2部材と噛み合い可能に設けられたロック部材と、前記ロック部材に対して半径方向内側に弾性力を付与する第3弾性部材と、を有している、
    請求項2に記載の振動減衰装置。
  4. 前記第2部材は、前記ロック部材を半径方向に案内する案内部と、前記ロック部材の前記第1部材側への移動を制限する第1ストッパーと、前記ロック部材の前記第1部材と反対側への移動を制限する第2ストッパーと、を有している、
    請求項3に記載の振動減衰装置。
  5. 前記第3弾性部材は、前記ロック部材と前記第1ストッパーとの間に圧縮された状態で配置されており、前記ロック部材を前記第2ストッパーに押し付けている、
    請求項4に記載の振動減衰装置。
  6. 前記第1部材は、前記所望の回転速度領域において前記ロック部材と回転方向に当接可能な当接部を有している、
    請求項3から5のいずれかに記載の振動減衰装置。
  7. フロントカバーおよびタービンを機械的に連結するロックアップ装置であって、
    前記フロントカバーに対して軸方向に移動可能に設けられたピストンと、
    前記ピストンと前記タービンとを回転方向に弾性的に連結する請求項1から6のいずれかに記載の振動減衰装置と、
    を備えたロックアップ装置。
  8. エンジンから動力が入力されるフロントカバーと、
    前記フロントカバーとともに流体室を形成するインペラと、
    前記インペラと対向するように配置されたタービンと、
    前記フロントカバーおよび前記タービンの軸方向間に配置された請求項7に記載のロックアップ装置と、
    を備えた流体式動力伝達装置。
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