JP2011057778A - 水性保護層用インキ組成物及び感熱記録材料 - Google Patents
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Abstract
【課題】感熱発色層上に塗布される保護層塗布液の性状と加工性が改善され、それを使用して保存性及びヘッドマッチング性に優れた感熱記録材料を提供する。
【解決手段】カルボキシル基含有スチレン/アクリル系共重合体及び/又はそのアンモニウム塩を乳化剤として使用してスチレンと、(メタ)アクリル酸もしくは(メタ)アクリル酸エステルを重合して得られるスチレン/アクリル系共重合体エマルション、含水ケイ酸アルミニウム(モンモリロナイト)、コロイド性無定形シリカ及び高級脂肪酸金属塩を含有する水性保護層用インキ組成物及びそれを使用してなる感熱記録材料。
【選択図】なし
【解決手段】カルボキシル基含有スチレン/アクリル系共重合体及び/又はそのアンモニウム塩を乳化剤として使用してスチレンと、(メタ)アクリル酸もしくは(メタ)アクリル酸エステルを重合して得られるスチレン/アクリル系共重合体エマルション、含水ケイ酸アルミニウム(モンモリロナイト)、コロイド性無定形シリカ及び高級脂肪酸金属塩を含有する水性保護層用インキ組成物及びそれを使用してなる感熱記録材料。
【選択図】なし
Description
本発明は水性保護層用インキ組成物及びそれを使用した感熱記録材料に関する。
無色又は淡色の発色性物質と該発色性物質を熱時発色させることができる顕色性物質を利用した感熱記録材料は広く実用化されている。一般に感熱記録材料は、ロイコ染料とフェノール性物質等の顕色剤をそれぞれ別個に微粒子状に分散化した後、両者を混合し、これに結合剤、増感剤、充填剤、滑剤等の添加物を添加して塗液とし、紙、フィルム、合成紙等の支持体に塗布したもので加熱により、ロイコ染料と顕色剤の一方又は両者が溶融、接触して起る化学反応により発色記録を得るものであり、通常シート状の感熱記録材料が調製される。このような感熱記録材料の発色のためにはサーマルヘッドを内蔵したサーマルプリンター等が用いられる。この感熱記録方法は他の記録法に比較して、(1)記録時に騒音が出ない、(2)現像定着等の必要がない、(3)メンテナンスフリーである、(4)機械が比較的安価である等の特徴により、ファクシミリ分野、コンピューターのアウトプット、電卓等のプリンター分野、医療計測用のレコーダー分野、自動券売機分野、感熱記録型ラベル分野等に広く用いられている。
その利用分野として、小売店やスーパーマーケット等のPOSシステム化、及び交通機関の自動化システムに伴い、ラベル類や乗車券や回数券等への使用が増加しており、その他に宝くじ券等にも広く使用されている。これらの用途において、水、ラップ類、プラスチックシート類、油及び脂肪等に触れて生じる記録像(印字、画像、パターン)の消滅や宝くじ等においては、油性マーカーペン等の使用による地肌部の発色などに対する耐水性、耐可塑剤性、耐油性等の保存性及び地肌部の耐アルコール性等は必須条件である。また高速記録に対する要求が高まり、高速高密度化のためにプリンターの記録ヘッドに発生する高熱(高エネルギー)に耐える特性、例えば記録ヘッドのスティッキング(感熱記録材料の粘着、固着)及びカス付着の生じない等のヘッドマッチング性も同時に要求される特性であり、感熱記録材料用途の普及、拡大の現状において、これらの品質特性のさらなる改良が重要な課題となっている。
上記の課題である記録像の保存性を改良する方法として、例えば感熱記録層上に耐薬品性のある樹脂の水性エマルションを塗布する方法(特許文献1参照)、ポリビニルアルコール等の水溶性高分子化合物を塗布する方法(特許文献2参照)、特定の変性ポリビニルアルコールを塗布する方法(特許文献3、4参照)、ノボラックエポキシ樹脂を使用する方法(特許文献5参照)等が提案されている。またヘッドマッチング性を改良する方法として、例えば感熱発色層中に脂肪酸アミドと石油系ワックスを含有せしめて熱応答性、カス付着を改善する方法(特許文献6参照)、感熱発色層上に特定の組成からなる保護層を設ける方法(特許文献7参照)、疎水性高分子エマルションと水溶性高分子の二種類を用いることで、塗布液の性状と加工性を改善する方法(特許文献9参照)が提案されている。
しかしながら、これらの方法ではいずれも耐水性、耐可塑剤性及び耐油性等の保存性と、耐カス付着性及び耐スティッキング性等のヘッドマッチング性の両面が完全には満たされていない。また、このような保護層を設けるために調製、塗布される保護層塗布液は、その主要成分が高分子化合物であるため、高粘度あるいは低濃度状態となり、塗工、乾燥等の加工性に劣り、感熱記録材料の製造、使用条件を鑑みれば、保存性と耐ヘッドマッチング性の向上が感熱記録材料の開発課題であり、生産効率の面から製造過程における塗工性、乾燥性等の加工性の向上も大きな課題となっている。
本発明は上記の通り、感熱記録材料の品質とその生産性の要求に対応すべく、感熱発色層上に塗布される保護層用塗布液の性状と加工性を改善し、保存性及びヘッドマッチング性に優れた感熱記録材料を提供することを目的とする。
本発明者らは前記の課題を解決すべく、鋭意研究を行った結果、塗工性に優れた水性保護層用インキ組成物とそれを使用して得られるヘッドマッチング性及び保存性に優れた感熱記録材料を完成させるに至った。
即ち、本発明は、
(1)カルボキシル基含有スチレン/アクリル系共重合体及び/又はそのアンモニウム塩を乳化剤として使用してスチレンと、(メタ)アクリル酸もしくは(メタ)アクリル酸エステルを重合して得られるスチレン/アクリル系共重合体エマルション、含水ケイ酸アルミニウム(モンモリロナイト)、コロイド性無定形シリカ及び高級脂肪酸金属塩を含有する水性保護層用インキ組成物、
(2)(1)に記載の水性保護層用インキ組成物を感熱発色層上に塗布、乾燥してなる感熱記録材料、
に関する。
(1)カルボキシル基含有スチレン/アクリル系共重合体及び/又はそのアンモニウム塩を乳化剤として使用してスチレンと、(メタ)アクリル酸もしくは(メタ)アクリル酸エステルを重合して得られるスチレン/アクリル系共重合体エマルション、含水ケイ酸アルミニウム(モンモリロナイト)、コロイド性無定形シリカ及び高級脂肪酸金属塩を含有する水性保護層用インキ組成物、
(2)(1)に記載の水性保護層用インキ組成物を感熱発色層上に塗布、乾燥してなる感熱記録材料、
に関する。
本発明の水性保護層用インキ組成物は、固形分濃度が20〜40質量%と高水準にありながら流動性、塗工性が良好で、それを使用して得られた感熱記録材料は、記録部の耐水性、耐可塑剤性、耐油性及び地肌部の耐アルコール性等の保存性と耐カス付着性、耐スティッキング性等のヘッドマッチング性に優れている。
本発明の水性保護層用インキ組成物には疎水性高分子エマルションであるカルボキシル基含有スチレン/アクリル系共重合体及び/又はそのアンモニウム塩を乳化剤として重合したスチレン/アクリル系共重合体エマルションと、少量の含水ケイ酸アルミニウム(モンモリロナイト)が用いられる。従来のインキ組成物には、耐熱性、耐可塑剤性、耐油性等の保存性の面から水溶性高分子(又は水溶性樹脂)が多用されているが、この方法はインキ組成物の粘度上昇の大きな原因となる。このため水溶性高分子の替わりに粘度上昇作用の少ない前記疎水性高分子エマルションと、少量の含水ケイ酸アルミニウム(モンモリロナイト)を使用して該組成物の有効成分濃度を高め、保存性及び流動性を保持する。本発明にかかる、疎水性高分子エマルションと含水ケイ酸アルミニウムの質量比は、通常100:1〜20:1であり、好ましくは70:1〜30:1である。
本発明において用いられるカルボキシル基含有スチレン/アクリル系共重合体及び/又はそのアンモニウム塩を乳化剤として重合したスチレン/アクリル系共重合体エマルションとは、モノマー成分がスチレンと(メタ)アクリル酸、乃至は(メタ)アクリル酸エステルからなり、分子量が通常10万〜100万、好ましくは20万〜80万の化合物が水に分散したエマルションである。モノマー成分比としては、例えば、スチレンが1〜95モル%、好ましくは20〜80モル%、(メタ)アクリル酸が1〜50モル%、好ましくは10〜40モル%、(メタ)アクリル酸エステルが1〜95モル%、好ましくは20〜80モル%の範囲である。(メタ)アクリル酸エステルとしては、例えばメチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、iso−プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、sec−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、ヘキサデシル(メタ)アクリレート等が挙げられ、特に好ましいものとして2−エチルヘキシルアクリレートが挙げられる。また、本発明において用いられる疎水性高分子エマルションは、市場より入手することも可能で、例えばサイデン化学製サイビノールEK−61等が挙げられる。
一方の含水ケイ酸アルミニウム(モンモリロナイト)も、市場より入手することができ、例えばクニミネ工業製クニピアG等が挙げられる。
本発明の水性保護層用インキ組成物に用いられるコロイド性無定形シリカとは負に帯電した無定形シリカ粒子を濃度20〜50質量%で水中に分散してコロイド状としたもので、粒子径が1〜100nm、好ましくは10〜50nmで、組成物の安定性と感熱記録層の地肌カブリを避けるために液性pH値が5〜11の範囲のものから選ばれる。これは市場から容易に入手でき、以下の実施例では日産化学工業製のコロイド性無定形シリカ膠質液を用いている。
更に本発明の水性保護層用インキ組成物に用いられる高級脂肪酸金属塩としては、鎖状モノカルボン酸、好ましくは鎖状飽和モノカルボン酸のアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、亜鉛、鉄、アルミニウム等の金属塩が挙げられる。鎖状飽和モノカルボン酸としてはアルキル基の炭素数6以上、好ましくは炭素数6〜31、より好ましくは炭素数16〜22の鎖状飽和モノカルボン酸であり、具体的には、例えばカプリン酸、ラウリル酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸及びベヘン酸等が挙げられる。アルカリ金属としては、例えばナトリウム及びカリウム等、アルカリ土類金属としては、例えばマグネシウム、カルシウム及びバリウム等が挙げられる。より好ましい鎖状飽和モノカルボン酸塩としては、例えばステアリン酸亜鉛、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸アルミニウム及びベヘン酸鉄等が挙げられる。
本発明の水性保護層用インキ組成物における疎水性高分子エマルション、含水ケイ酸アルミニウム(モンモリロナイト)、コロイド性無定形シリカ、高級脂肪酸金属塩の使用割合は四者の総量に対し、疎水性高分子エマルションが乾燥重量分で25〜70質量%、好ましくは35〜60質量%、含水ケイ酸アルミニウム(モンモリロナイト)が0.2〜5質量%、好ましくは0.5〜3質量%、コロイド性無定形シリカが5〜30質量%、好ましくは10〜20質量%、高級脂肪酸金属塩が10〜40質量%、好ましくは15〜30質量%の範囲で用いられ、水性保護層用インキ組成物の固形分は20〜40質量%に調製される。
更に本発明の水性保護層用インキ組成物においては、前記主要成分以外の公知の材料、例えば下記に例示した感熱発色層に使用される結合剤、充填剤、熱可融性化合物、界面活性剤、紫外線吸収剤等を併用しても構わない。
本発明の水性保護層用インキ組成物は、前記の疎水性高分子エマルション、含水ケイ酸アルミニウム(モンモリロナイト)、コロイド性無定形シリカ及び脂肪酸金属塩、その他必要に応じ添加剤等の成分を、固形分が20〜40質量%になるように水等の溶媒を加え、必要に応じて粉砕処理を行って調製することができる。
得られた本発明の水性保護層用インキ組成物を、乾燥時の質量で好ましくは0.2〜10g/m2、より好ましくは1〜5g/m2になるようにバーコーター、ブレンコーター等により感熱発色層上に塗布し、乾燥して本発明の感熱記録材料を得る。
本発明における感熱発色層は発色性化合物、顕色性化合物、結合剤を含有し、その他必要に応じて充填剤、熱可融性化合物、界面活性剤、紫外線吸収剤等が用いられる。
感熱発色層に用いられる発色性化合物の例としては、一般に感圧記録紙や感熱記録紙に用いられるものであれば特に制限されず、例えばフルオラン系化合物、トリアリールメタン系化合物、スピロ系化合物、ジフェニルメタン系化合物、チアジン系化合物、ラクタム系化合物、フルオレン系化合物等が挙げられる。
フルオラン系化合物としては、例えば3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−メチル−N−シクロヘキシルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−エチル−N−イソペンチルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−イソブチルエチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−[N−エチル−N−(3−エトキシプロピル)アミノ]−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−エチル−N−ヘキシルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジペンチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−メチル−N−プロピルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−エチル−N−テトラヒドロフリルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(p−クロロアニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(p−フルオロアニリノ)フルオラン、3−(p−トルイジノエチルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(p−トルイジノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(o−クロロアニリノ)フルオラン、3−ジブチルアミノ−7−(o−クロロアニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(o−フルオロアニリノ)フルオラン、3−ジブチルアミノ−7−(o−フルオロアニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(3,4−ジクロロアニリノ)フルオラン、3−ピロリジノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−クロロ−7−エトキシエチルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−クロロ−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−クロロフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−クロロ−7−メチルフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−メチルフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−オクチルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−フェニルフルオラン、3−(p−トルイジノエチルアミノ)−6−メチル−7−フェネチルフルオラン等が挙げられる。
トリアリールメタン系化合物としては、例えば3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−ジメチルアミノフタリド(別名:クリスタルバイオレットラクトン又はCVL)、3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)フタリド3−(p−ジメチルアミノフェニル)−3−(1,2−ジメチルアミノインドール−3−イル)フタリド、3−(p−ジメチルアミノフェニル)−3−(2−メチルインドール−3−イル)フタリド、3−(p−ジメチルアミノフェニル)−3−(2−フェニルインドール−3−イル)フタリド、3,3−ビス(1,2−ジメチルインドール−3−イル)−5−ジメチルアミノフタリド、3,3−ビス(1,2−ジメチルインドール−3−イル)−6−ジメチルアミノフタリド、3,3−ビス(9−エチルカルバゾール−3−イル)−5−ジメチルアミノフタリド、3,3−(2−フェニルインドール−3−イル)−5−ジメチルアミノフタリド、3−p−ジメチルアミノフェニル−3−(1−メチルピロール−2−イル)−6−ジメチルアミノフタリド等挙げられる。
スピロ系化合物としては、例えば3−メチルスピロジナフトピラン、3−エチルスピロジナフトピラン、3,3’−ジクロロスピロジナフトピラン、3−ベンジルスピロジナフトピラン、3−プロピルスピロベンゾピラン、3−メチルナフト−(3−メトキシベンゾ)スピロピラン、1,3,3−トリメチル−6−ニトロ−8’−メトキシスピロ(インドリン−2,2’−ベンゾピラン)等;ジフェニルメタン系化合物としては、例えばN−ハロフェニル−ロイコオーラミン、4,4−ビス−ジメチルアミノフェニルベンズヒドリルベンジルエーテル、N−2,4,5−トリクロロフェニルロイコオーラミン等;チアジン系化合物としては、例えばベンゾイルロイコメチレンブルー、p−ニトロベンゾイルロイコメチレンブルー等;ラクタム系化合物としては、例えばローダミンBアニリノラクタム、ローダミンB−p−クロロアニリノラクタム等;フルオレン系化合物としては、例えば3,6−ビス(ジメチルアミノ)フルオレンスピロ(9,3’)−6’−ジメチルアミノフタリド、3,6−ビス(ジメチルアミノ)フルオレンスピロ(9,3’)−6’−ピロリジノフタリド、3−ジメチルアミノ−6−ジエチルアミノフルオレンスピロ(9,3’)−6’−ピロリジノフタリド等、が挙げられる。これらの発色性化合物は単独又は混合して用いられる。
顕色性化合物も一般に感圧記録紙や感熱記録紙に用いられているものであれば特に制限されず、例えばα−ナフトール、β−ナフトール、p−オクチルフェノール、4−t−オクチルフェノール、p−t−ブチルフェノール、p−フェニルフェノール、1,1−ビス(p−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(p−ヒドロキシフェニル)プロパン(別名:ビスフェノールA又はBPA)、2,2−ビス(p−ヒドロキシフェニル)ブタン、1,1−ビス(p−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、4,4’−チオビスフェノール、4,4’−シクロヘキシリデンジフェノール、2,2’−(2,5−ジブロム−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、4,4−イソプロピリデンビス(2−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−クロロェノール)、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、2,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、ビス(3−アリル−4−ヒドロキシフェニル)スルホン、4−ヒドロキシ−4’−メトキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4’−エトキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4’−イソプロポキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4’−ブトキシジフェニルスルホン、ビス−(4−ヒドロキシフェニル)酢酸メチル、ビス−(4−ヒドロキシフェニル)酢酸ブチルビス−(4−ヒドロキシフェニル)酢酸ベンジル、2,4−ジヒドロキシ−2’−メトキシベンズアニリド等のフェノール性化合物、p−ヒドロキシ安息香酸ベンジル、p−ヒドロキシ安息香酸エチル、4−ヒドロキシフタル酸ジベンジル、4−ヒドロキシフタル酸ジメチル、5−ヒドロキシイソフタル酸エチル、3,5−ジ−t−ブチルサリチル酸、3,5−ジ−α−メチルベンジルサリチル酸等の芳香族カルボン酸誘導体、芳香族カルボン酸又はその金属塩等が挙げられる。
用いられる結合剤としては、例えばメチルセルロース、メトキシセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ナトリウムカルボキシメチルセルロース、セルロース、ポリビニルアルコール(PVA)、カルボキシル基変性ポリビニルアルコール、スルホン酸基変性ポリビニルアルコール、シリル基変性ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリルアミド、ポリアクリル酸、デンプン及びその誘導体、カゼイン、ゼラチン、水溶性イソプレンゴム、スチレン/無水マレイン酸共重合体のアルカリ塩、イソ(又はジイソ)ブチレン/無水マレイン酸共重合体のアルカリ塩等の水溶性のものあるいは、(メタ)アクリル酸エステル共重合体、スチレン/(メタ)アクリル酸エステル共重合体、ポリウレタン、ポリエステル系ポリウレタン、ポリエーテル系ポリウレタン、ポリ酢酸ビニル、エチレン/酢酸ビニル共重合体、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、スチレン/ブタジエン(SB)共重合体、スチレン/ブタジエン/アクリル酸系共重合体、アクリロニトリル/ブタジエン(NB)共重合体、スチレン/ブタジエン(SB)共重合体、アクリロニトリル/ブタジエン(NB)共重合体、カルボキシル化スチレン/ブタジエン(SB)共重合体、カルボキシル化アクリロニトリル/ブタジエン(NB)共重合体、コロイダルシリカ−(メタ)アクリル酸エステル共重合体の複合体等の疎水性高分子エマルション等が挙げられる。
用いられる熱可融性化合物の例としては、動植物性ワックス、合成ワックスなどのワックス類や高級脂肪酸、高級脂肪酸アミド、高級脂肪酸アニリド、芳香族アミンのアセチル化物、ナフタレン誘導体、芳香族エーテル、芳香族カルボン酸誘導体、芳香族スルホン酸エステル誘導体、炭酸又はシュウ酸ジエステル誘導体、ビフェニル誘導体、ターフェニル誘導体等、常温で固体であり約70℃以上の融点を有するものが挙げられる。
上記のワックス類としては、例えば木ろう、カルナウバろう、シェラック、パラフィン、モンタンろう、酸化パラフィン、ポリエチレンワックス、酸化ポリエチレン等;高級脂肪酸としては、例えばステアリン酸、ベヘン酸等;高級脂肪酸アミドとしては、例えばステアリン酸アミド、オレイン酸アミド、N−メチルステアリン酸アミド、エルカ酸アミド、メチロールベヘン酸アミド、メチロールステアリン酸アミド、メチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスステアリン酸アミド等;高級脂肪酸アニリドとしては、例えばステアリン酸アニリド、リノール酸アニリド等;芳香族アミンのアセチル化物としては、例えばアセトトルイジド等;ナフタレン誘導体としては、例えば1−ベンジルオキシナフタレン、2−ベンジルオキシナフタレン、1−ヒドロキシナフトエ酸フェニルエステル等;芳香族エーテルとしては、例えば1,2−ジフェノキシエタン、1,4−ジフェノキシエタン、1,2−ビス(3−メチルフェノキシ)エタン、1,2−ビス(4−メトキシフェノキシ)エタン、1,2−ビス(3,4−ジメチルフェニル)エタン、1−フェノキシ−2−(4−クロロフェノキシ)エタン、1−フェノキシ−2−(4−メトキシフェノキシ)エタン等;芳香族カルボン酸誘導体としては、例えばp−ヒドロキシ安息香酸ベンジルエステル、p−ベンジルオキシ安息香酸ベンジルエステル、テレフタル酸ジベンジルエステル等;芳香族スルホン酸エステル誘導体としては、例えばp−トルエンスルホン酸フェニルエステル、フェニルメシチレンスルホナート、4−メチルフェニルメシチレンスルホナート等;炭酸又はシュウ酸ジエステル誘導体としては、例えば炭酸ジフェニル、シュウ酸ジベンジルエステル、シュウ酸ジ(4−メチルベンジル)エステル、シュウ酸ジ(4−クロロベンジル)エステル等;ビフェニル誘導体としては、例えばp−ベンジルビフェニル、p−アリルオキシビフェニル等;ターフェニル誘導体としては、例えばm−ターフェニル等、が挙げられる。
用いられる充填剤の具体例としては、例えば炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、シリカ、ホワイトカーボン、タルク、クレー、アルミナ、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、酸化アルミニウム、硫酸バリウム、ポリスチレン樹脂、尿素−ホルマリン樹脂等が挙げられる。
更に、本発明において、感熱発色層には上記以外の各種の滑剤、界面活性剤、消泡剤、紫外線吸収剤等を必要に応じて使用することができる。
前記材料を用いて例えば、次のような方法によって本発明の感熱記録材料が調製される。即ち、常法により先ず発色性化合物、顕色性化合物をそれぞれ別々に結合剤、水あるいは必要に応じてその他の添加剤等と共にボールミル、アトライター、サンドミル等の分散機にて粉砕、分散した後(粉砕、分散を湿式で行うときは通常水を媒体として用いる)、混合して感熱発色層塗布液を調製し、紙、プラスチックシート、合成紙等の支持体上に通常、乾燥時の質量で1〜20g/m2になるようにバーコーター、ブレンコーター等により塗布(発色性化合物と顕色性化合物の比は、通常質量乾燥比で1:1〜1:10である)を行う。次いで乾燥を行ったのち感熱発色層上に疎水性高分子エマルション、含水ケイ酸アルミニウム(モンモリロナイト)、コロイド性無定形シリカ及び高級脂肪酸金属塩、その他必要に応じ添加剤等の成分を、固形分が20〜40質量%になるように水等の溶媒を加え、必要に応じて粉砕処理を行って調製された保護層用塗布液を乾燥時の質量で好ましくは0.2〜10g/m2、より好ましくは1〜5g/m2になるようにバーコーター、ブレンコーター等により塗布、乾燥を行って本発明の感熱記録材料を得る。
また、必要に応じて感熱発色層と支持体の間に下塗り層を設けたり、感熱発色層と本発明の保護層の間に中間層を設けてもよい。下塗り層、中間層は例えば前記したような結合剤あるいは必要に応じその他の添加物と共に感熱発色層、保護層の塗布液調製におけるのと同様に粉砕、分散して下塗り層塗布液又は中間層塗布液とした後、各々任意に塗布、乾燥することにより設けられる。
本発明の水性保護層用インキ組成物は塗布液濃度が20〜40質量%と高水準にありながら塗工性が良好で加工性に優れ、それを使用して得られた感熱記録材料は、記録部の耐水性、耐可塑剤性、耐油性等の保存性及び地肌部の耐アルコール性と耐カス付着性、耐スティッキング性等のヘッドマッチング性に優れている。
本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明がこれらに限定されるものではない。尚、実施例中「部」は質量部を示す。実施例にて得られた組成物の平均粒子径は、レーザー回折式粒度分布計SALD2000J(島津製作所)を用いて測定された体積積算値の粒子径である。
実施例1
下記組成の混合物をサンドグラインダーを用いて平均粒子径が1μm以下になるように粉砕、分散化を行って[A]液、[B]液、[C]液を調製した。
[A]液
3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン 25部
ポリビニルアルコール(20質量%水溶液) 20部
水 55部
[B]液
ビス(3−アリル−4−ヒドロキシフェニル)スルホン 20部
ポリビニルアルコール(20質量%水溶液) 20部
水 60部
[C]液
1,2−ビス(3−メチルフェノキシ)エタン 20部
ポリビニルアルコール(20質量%水溶液) 20部
水 60部
下記組成の混合物をサンドグラインダーを用いて平均粒子径が1μm以下になるように粉砕、分散化を行って[A]液、[B]液、[C]液を調製した。
[A]液
3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン 25部
ポリビニルアルコール(20質量%水溶液) 20部
水 55部
[B]液
ビス(3−アリル−4−ヒドロキシフェニル)スルホン 20部
ポリビニルアルコール(20質量%水溶液) 20部
水 60部
[C]液
1,2−ビス(3−メチルフェノキシ)エタン 20部
ポリビニルアルコール(20質量%水溶液) 20部
水 60部
次いで各調製液を下記の割合で混合して感熱発色層塗布液を調製し、坪量50g/m2の上質紙上に乾燥時の質量が9g/m2となるように塗布、乾燥して感熱発色層を形成した。
[A]液 16部
[B]液 40部
[C]液 40部
67質量%炭酸カルシウム水分散液 12部
50質量%カルボキシル化SB共重合ラテックス 8部
[A]液 16部
[B]液 40部
[C]液 40部
67質量%炭酸カルシウム水分散液 12部
50質量%カルボキシル化SB共重合ラテックス 8部
次に下記組成からなる固形分35質量%の水性保護層用インキ組成物を調製し、前記感熱発色層上に乾燥時の質量が3g/m2となるように塗布、乾燥を行って本発明の感熱記録材料を得た。
含水ケイ酸アルミニウム(モンモリロナイト)5質量%水溶液 86部
40質量%コロイド性無定形シリカ膠質液(日産化学工業製、粒子径10〜20nm) 100部
40質量%カルボキシル基含有スチレン/アクリル系共重合体アンモニウム塩を乳化剤として重合したスチレン/アクリル系共重合体(スチレン/2−エチルヘキシルアクリレート比=50:50、平均分子量約50万)エマルション 475部
67質量%炭酸カルシウム水分散液 7部
37質量%ステアリン酸亜鉛水分散液 300部
水 32部
含水ケイ酸アルミニウム(モンモリロナイト)5質量%水溶液 86部
40質量%コロイド性無定形シリカ膠質液(日産化学工業製、粒子径10〜20nm) 100部
40質量%カルボキシル基含有スチレン/アクリル系共重合体アンモニウム塩を乳化剤として重合したスチレン/アクリル系共重合体(スチレン/2−エチルヘキシルアクリレート比=50:50、平均分子量約50万)エマルション 475部
67質量%炭酸カルシウム水分散液 7部
37質量%ステアリン酸亜鉛水分散液 300部
水 32部
実施例2
上記実施例1の40質量%カルボキシル基含有スチレン/アクリル系共重合体アンモニウム塩を乳化剤として重合したスチレン/アクリル系共重合体エマルションの代わりにスチレン/2−エチルヘキシルアクリレート比=70:30、平均分子量約30万のカルボキシル基含有スチレン/アクリル系共重合体アンモニウム塩を乳化剤として重合したスチレン/アクリル系共重合体エマルションを使用して、上記実施例1と同様にして本発明の感熱記録材料を得た。
上記実施例1の40質量%カルボキシル基含有スチレン/アクリル系共重合体アンモニウム塩を乳化剤として重合したスチレン/アクリル系共重合体エマルションの代わりにスチレン/2−エチルヘキシルアクリレート比=70:30、平均分子量約30万のカルボキシル基含有スチレン/アクリル系共重合体アンモニウム塩を乳化剤として重合したスチレン/アクリル系共重合体エマルションを使用して、上記実施例1と同様にして本発明の感熱記録材料を得た。
実施例3
上記実施例1の40質量%コロイド性無定形シリカ膠質液の代わりに粒子径40〜50nmの40質量%コロイド性無定形シリカ膠質液を使用して、上記実施例1と同様にして本発明の感熱記録材料を得た。
上記実施例1の40質量%コロイド性無定形シリカ膠質液の代わりに粒子径40〜50nmの40質量%コロイド性無定形シリカ膠質液を使用して、上記実施例1と同様にして本発明の感熱記録材料を得た。
実施例4
次に下記組成からなる固形分30質量%の水性保護層用インキ組成物を調製し、前記感熱発色層上に乾燥時の質量が3g/m2となるように塗布、乾燥を行って本発明の感熱記録材料を得た。
含水ケイ酸アルミニウム(モンモリロナイト)5質量%水溶液 120部
40質量%コロイド性無定形シリカ膠質液(日産化学工業製、粒子径10〜20nm) 100部
40質量%カルボキシル基含有スチレン/アクリル系共重合体アンモニウム塩を乳化剤として重合したスチレン/アクリル系共重合体(スチレン/2−エチルヘキシルアクリレート比=50:50、平均分子量約30万)エマルション 425部
67質量%炭酸カルシウム水分散液 6部
37質量%ステアリン酸亜鉛水分散液 216部
水 133部
次に下記組成からなる固形分30質量%の水性保護層用インキ組成物を調製し、前記感熱発色層上に乾燥時の質量が3g/m2となるように塗布、乾燥を行って本発明の感熱記録材料を得た。
含水ケイ酸アルミニウム(モンモリロナイト)5質量%水溶液 120部
40質量%コロイド性無定形シリカ膠質液(日産化学工業製、粒子径10〜20nm) 100部
40質量%カルボキシル基含有スチレン/アクリル系共重合体アンモニウム塩を乳化剤として重合したスチレン/アクリル系共重合体(スチレン/2−エチルヘキシルアクリレート比=50:50、平均分子量約30万)エマルション 425部
67質量%炭酸カルシウム水分散液 6部
37質量%ステアリン酸亜鉛水分散液 216部
水 133部
実施例5
次に下記組成からなる固形分30質量%の水性保護層用インキ組成物を調製し、前記感熱発色層上に乾燥時の質量が3g/m2となるように塗布、乾燥を行って本発明の感熱記録材料を得た。
含水ケイ酸アルミニウム(モンモリロナイト)5質量%水溶液 150部
40質量%コロイド性無定形シリカ膠質液(日産化学工業製、粒子径10〜20nm) 125部
40質量%カルボキシル基含有スチレン/アクリル系共重合体アンモニウム塩を乳化剤として重合したスチレン/アクリル系共重合体(スチレン/2−エチルヘキシルアクリレート比=70:30、平均分子量約30万)エマルション 450部
37質量%ステアリン酸亜鉛水分散液 169部
水 106部
次に下記組成からなる固形分30質量%の水性保護層用インキ組成物を調製し、前記感熱発色層上に乾燥時の質量が3g/m2となるように塗布、乾燥を行って本発明の感熱記録材料を得た。
含水ケイ酸アルミニウム(モンモリロナイト)5質量%水溶液 150部
40質量%コロイド性無定形シリカ膠質液(日産化学工業製、粒子径10〜20nm) 125部
40質量%カルボキシル基含有スチレン/アクリル系共重合体アンモニウム塩を乳化剤として重合したスチレン/アクリル系共重合体(スチレン/2−エチルヘキシルアクリレート比=70:30、平均分子量約30万)エマルション 450部
37質量%ステアリン酸亜鉛水分散液 169部
水 106部
実施例6
上記実施例1の感熱発色層の3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオランの代わりに3−ジペンチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオランを使用して、上記実施例1と同様にして本発明の感熱記録材料を得た。
上記実施例1の感熱発色層の3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオランの代わりに3−ジペンチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオランを使用して、上記実施例1と同様にして本発明の感熱記録材料を得た。
実施例7
上記実施例1の感熱発色層のビス(3−アリル−4−ヒドロキシフェニル)スルホンの代わりに4−ヒドロキシ−4’−イソプロポキシジフェニルスルホンを使用して、上記実施例1と同様にして本発明の感熱記録材料を得た。
上記実施例1の感熱発色層のビス(3−アリル−4−ヒドロキシフェニル)スルホンの代わりに4−ヒドロキシ−4’−イソプロポキシジフェニルスルホンを使用して、上記実施例1と同様にして本発明の感熱記録材料を得た。
比較例1
特許文献1の実施例1に記載の保護層材料と同様の45質量%スチレン−アクリロニトリル−ブチルアクリレート共重合体エマルションを上記の実施例1の水性保護層用インキ組成物の代わりに使用して、上記実施例1と同様にして感熱記録材料を得た。
特許文献1の実施例1に記載の保護層材料と同様の45質量%スチレン−アクリロニトリル−ブチルアクリレート共重合体エマルションを上記の実施例1の水性保護層用インキ組成物の代わりに使用して、上記実施例1と同様にして感熱記録材料を得た。
比較例2
特許文献4の実施例1に記載の10質量%アセトアセチル化PVA/ジメチロール尿素/炭酸カルシウム樹脂塗液組成物を上記の実施例1の水性保護層用インキ組成物の代わりに使用して、上記実施例1と同様にして感熱記録材料を得た。
特許文献4の実施例1に記載の10質量%アセトアセチル化PVA/ジメチロール尿素/炭酸カルシウム樹脂塗液組成物を上記の実施例1の水性保護層用インキ組成物の代わりに使用して、上記実施例1と同様にして感熱記録材料を得た。
比較例3
特許文献9の実施例1に記載の水性保護層用インキ組成物を上記の実施例1の水性保護層用インキ組成物の代わりに使用して、上記実施例1と同様にして感熱記録材料を得た。
特許文献9の実施例1に記載の水性保護層用インキ組成物を上記の実施例1の水性保護層用インキ組成物の代わりに使用して、上記実施例1と同様にして感熱記録材料を得た。
比較例4
上記実施例1の水性保護層用インキ組成物の代わりに25質量%アセトアセチル化ポリビニルアルコール(平均重合度600、アセトアセチル化度1〜2モル%)水溶液を使用して、上記実施例1と同様にして感熱記録材料を得た。
上記実施例1の水性保護層用インキ組成物の代わりに25質量%アセトアセチル化ポリビニルアルコール(平均重合度600、アセトアセチル化度1〜2モル%)水溶液を使用して、上記実施例1と同様にして感熱記録材料を得た。
以上の様にして得られた実施例及び比較例の感熱記録材料の品質性能試験結果を表1〜表3に示す。尚、表1は流動性及び塗工性、表2は発色濃度、耐水性、耐可塑剤、耐油性及び耐アルコール性、表3は耐カス付着性及び耐スティッキング性に関する。
表1 品質性能試験結果
1)流動性 2)塗工性
実施例1 ○ ○
実施例2 ○ ○
実施例3 ○ ○
実施例4 ○ ○
実施例5 ○ ○
実施例6 ○ ○
実施例7 ○ ○
比較例1 ○ ○
比較例2 ○ ○
比較例3 ○ ○
比較例4 × ×
1)流動性 2)塗工性
実施例1 ○ ○
実施例2 ○ ○
実施例3 ○ ○
実施例4 ○ ○
実施例5 ○ ○
実施例6 ○ ○
実施例7 ○ ○
比較例1 ○ ○
比較例2 ○ ○
比較例3 ○ ○
比較例4 × ×
表2 品質性能試験結果
3)発色濃度 4)耐水性 5)耐可塑剤性 6)耐油性 7)耐アルコール性
実施例1 1.45 1.31 1.45 1.45 ○
実施例2 1.47 1.30 1.46 1.47 ○
実施例3 1.46 1.31 1.45 1.46 ○
実施例4 1.45 1.31 1.45 1.45 ○
実施例5 1.45 1.30 1.43 1.44 ○
実施例6 1.46 1.29 1.42 1.44 ○
実施例7 1.47 1.31 1.46 1.45 ○
比較例1 1.40 1.12 0.35 0.48 ×
比較例2 1.45 1.28 1.06 1.15 △
比較例3 1.46 1.30 1.46 1.46 ×
比較例4 試料状態不良につき品質試験中止。
3)発色濃度 4)耐水性 5)耐可塑剤性 6)耐油性 7)耐アルコール性
実施例1 1.45 1.31 1.45 1.45 ○
実施例2 1.47 1.30 1.46 1.47 ○
実施例3 1.46 1.31 1.45 1.46 ○
実施例4 1.45 1.31 1.45 1.45 ○
実施例5 1.45 1.30 1.43 1.44 ○
実施例6 1.46 1.29 1.42 1.44 ○
実施例7 1.47 1.31 1.46 1.45 ○
比較例1 1.40 1.12 0.35 0.48 ×
比較例2 1.45 1.28 1.06 1.15 △
比較例3 1.46 1.30 1.46 1.46 ×
比較例4 試料状態不良につき品質試験中止。
表3 品質性能試験結果
8)耐カス付着性 9)耐スティッキング性
実施例1 ○ ○
実施例2 ○ ○
実施例3 ○ ○
実施例4 ○ ○
実施例5 ○ ○
実施例6 ○ ○
実施例7 ○ ○
比較例1 × ○
比較例2 × ××
比較例3 ○ ○
比較例4 試料状態不良につき品質試験中止。
8)耐カス付着性 9)耐スティッキング性
実施例1 ○ ○
実施例2 ○ ○
実施例3 ○ ○
実施例4 ○ ○
実施例5 ○ ○
実施例6 ○ ○
実施例7 ○ ○
比較例1 × ○
比較例2 × ××
比較例3 ○ ○
比較例4 試料状態不良につき品質試験中止。
上記の表1中の流動性及び塗工性の判定基準を以下に示す。
1)流動性
水性保護層用インキ組成物をザーンカップNo.3(50ml、オリフィス径3mmφ)を使用して液温25℃で測定した流出時間(秒)で判定した。
○:30秒以内
×:60秒をこえる時間
2)塗工性
水性保護層用インキ組成物をバーコーターを使用して感熱発色層上に塗布した時の塗工面状態を目視判定した。
○:均一、問題なし
×:スジ、ムラが著しい、塗工不良
1)流動性
水性保護層用インキ組成物をザーンカップNo.3(50ml、オリフィス径3mmφ)を使用して液温25℃で測定した流出時間(秒)で判定した。
○:30秒以内
×:60秒をこえる時間
2)塗工性
水性保護層用インキ組成物をバーコーターを使用して感熱発色層上に塗布した時の塗工面状態を目視判定した。
○:均一、問題なし
×:スジ、ムラが著しい、塗工不良
上記の表2中の発色濃度、耐水性、耐可塑剤性、耐油性及び耐アルコール性の判定基準を以下に示す。
3)発色濃度
イシダ(株)製サーマルプリンター(L−2000)で印字した発色部をマクベス反射濃度計RD−914型で測定した反射濃度。
4)耐水性
上記プリンターで発色させた試料を室温で水道水に浸漬、24時間後の試料のマクベス反射濃度。
5)耐可塑剤性
上記プリンターで発色させた試料の両面をPVCラツプフィルムで合わせて300g/m2の荷重下、25℃で24時間放置した後の発色部のマクベス反射濃度。
6)耐油性
上記プリンターで発色させた試料の上にサラダ油を塗布し25℃で24時間放置した後の発色部のマクベス反射濃度。
7)耐アルコール性
試料の地肌部表面をエタノールを含浸させた筆でなぞり、地発色の状態を判定した。
○:地発色なし(良い)
△:僅か地発色あり(やや悪い)
×:著しく地発色あり(著しく悪い)
3)発色濃度
イシダ(株)製サーマルプリンター(L−2000)で印字した発色部をマクベス反射濃度計RD−914型で測定した反射濃度。
4)耐水性
上記プリンターで発色させた試料を室温で水道水に浸漬、24時間後の試料のマクベス反射濃度。
5)耐可塑剤性
上記プリンターで発色させた試料の両面をPVCラツプフィルムで合わせて300g/m2の荷重下、25℃で24時間放置した後の発色部のマクベス反射濃度。
6)耐油性
上記プリンターで発色させた試料の上にサラダ油を塗布し25℃で24時間放置した後の発色部のマクベス反射濃度。
7)耐アルコール性
試料の地肌部表面をエタノールを含浸させた筆でなぞり、地発色の状態を判定した。
○:地発色なし(良い)
△:僅か地発色あり(やや悪い)
×:著しく地発色あり(著しく悪い)
上記の表3中の耐カス付着性及び耐スティッキング性の判定基準を以下に示す。
8)耐カス付着性
上記プリンターで試料を印字した際、サーマルヘッドへのカス付着の状態を判定した。
○ :カス付着なし(良い)
× :カス付着あり(悪い)
9)耐スティッキング性
上記プリンターで試料を印字した際、印字破壊、サーマルヘッドへの試料の粘着状態を判定した。
○ :印字破壊、粘着なし(良い)
××:印字破壊、粘着あり(著しく悪い)
8)耐カス付着性
上記プリンターで試料を印字した際、サーマルヘッドへのカス付着の状態を判定した。
○ :カス付着なし(良い)
× :カス付着あり(悪い)
9)耐スティッキング性
上記プリンターで試料を印字した際、印字破壊、サーマルヘッドへの試料の粘着状態を判定した。
○ :印字破壊、粘着なし(良い)
××:印字破壊、粘着あり(著しく悪い)
以上の品質性能試験結果から明らかなように本発明の水性保護層用インキ組成物は十分な塗布濃度を有しながら流動性、塗工性が良好であり、それを使用した感熱記録材料は、上記の比較例に記載の感熱記録材料に比べて、耐水性、耐可塑剤性、耐油性、耐アルコール性等の保存性、及び耐カス付着性、耐スティッキング性等のヘッドマッチング性、いずれの性能にも優れていることが明らかである。
Claims (2)
- カルボキシル基含有スチレン/アクリル系共重合体及び/又はそのアンモニウム塩を乳化剤として使用してスチレンと、(メタ)アクリル酸もしくは(メタ)アクリル酸エステルを重合して得られるスチレン/アクリル系共重合体エマルション、含水ケイ酸アルミニウム(モンモリロナイト)、コロイド性無定形シリカ及び高級脂肪酸金属塩を含有する水性保護層用インキ組成物。
- 請求項1に記載の水性保護層用インキ組成物を感熱発色層上に塗布、乾燥してなる感熱記録材料。
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Citations (4)
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JP2000025335A (ja) * | 1998-07-09 | 2000-01-25 | Nippon Kayaku Co Ltd | 感熱記録体 |
JP2003089268A (ja) * | 2001-09-17 | 2003-03-25 | Nippon Kayaku Co Ltd | 透明感熱記録体 |
JP2005014213A (ja) * | 2003-06-23 | 2005-01-20 | Nippon Kayaku Co Ltd | 水性保護層用インキ組成物及び感熱記録材料 |
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2009
- 2009-09-08 JP JP2009206808A patent/JP2011057778A/ja active Pending
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JPH0747765A (ja) * | 1994-07-25 | 1995-02-21 | Nippon Kayaku Co Ltd | 感熱記録シートの製造方法 |
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JP2003089268A (ja) * | 2001-09-17 | 2003-03-25 | Nippon Kayaku Co Ltd | 透明感熱記録体 |
JP2005014213A (ja) * | 2003-06-23 | 2005-01-20 | Nippon Kayaku Co Ltd | 水性保護層用インキ組成物及び感熱記録材料 |
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