JP2014205255A - 感熱記録材料 - Google Patents
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Abstract
【課題】熱に対する地肌かぶりが少なく、更に発色画像の保存安定性に優れた感熱記録材料を提供する。【解決手段】支持体上に通常無色ないし淡色の発色性化合物、該発色性化合物を熱時発色させうる顕色性化合物及び増感剤を主要成分として含有する感熱発色層を設けた感熱記録材料において、顕色性化合物としてα型の結晶型を有するビス(3−アリル−4−ヒドロキシフェニル)スルホンとジフェニルスルホン系化合物を含有する。【選択図】なし
Description
本発明は感熱記録材料に関する。更に詳しくは、発色記録した後の熱に対する、地肌かぶり及び発色画像の保存安定性に優れた感熱記録材料に関するものである。
感熱記録材料は、一般にロイコ染料とフェノール性物質等の顕色剤をそれぞれ別個に微粒子状に分散化後、両者を混合し、これに結合剤、増感剤、充填剤、滑剤等の添加剤を添加して塗液とし、紙、フィルム、合成紙等に塗布したもので、加熱によりロイコ染料と顕色剤の一方又は両者が溶融、接触して起こる化学反応により発色記録を得るものである。このような感熱記録材料の発色のためには、サーマルヘッドを内蔵したサーマルプリンター等が用いられる。この感熱記録法は他の記録法に比較して、(1)記録時に騒音がでない、(2)現像、定着等の必要がない、(3)メンテナンスフリーである、(4)機械が比較的安価である等の特徴により、ファクシミリ分野、コンピューターのアウトプット、電卓等のプリンター分野、医療計測用のレコーダー分野、自動券売機分野、感熱記録型ラベル分野等に広く用いられている。
近年、感熱記録材料の使用用途が拡大すると共に、より生産性を向上させるため高速記録に対する要求が一段と高くなり、高速記録に十分対応しうる感熱記録材料の開発が強く望まれているが、一般に感熱記録材料の感度を高めて熱応答性を良くすると、製造時、使用時あるいは保管時における地肌かぶりが起こるという欠点があらわれやすくなる。このように感熱記録材料の未記録部(未使用部)についても安定性の向上が望まれている。
このような高温の環境条件において地肌かぶりが少なく、各種画像保存性等の良好な感熱記録材料への試みが種々行われ、例えば文献1〜3等に2,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホンを顕色性化合物と使用して、白紙の耐熱性あるいは地肌かぶり、各種画像保存性等の向上効果が記載されているが、高品位あるいは長期間使用に要求される品質を満たすという点では未だ不十分である。
このような高温の環境条件において地肌かぶりが少なく、各種画像保存性等の良好な感熱記録材料への試みが種々行われ、例えば文献1〜3等に2,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホンを顕色性化合物と使用して、白紙の耐熱性あるいは地肌かぶり、各種画像保存性等の向上効果が記載されているが、高品位あるいは長期間使用に要求される品質を満たすという点では未だ不十分である。
本発明の目的は前記、従来技術の欠点を解決することにある。即ち、発色性に優れ、且つ発色記録した後の熱対する地肌かぶりが少なく、発色画像の保存安定性に優れた感熱記録材料を提供することにある。
本発明者は、前記目的を達成すべく種々の検討を重ねた結果、本発明を完成させたものである。
即ち本発明は、
(1)支持体上に通常無色ないし淡色の発色性化合物、及び該発色性化合物を熱時発色させうる顕色性化合物を含有する感熱発色層を設けた感熱記録材料において、該感熱発色層が顕色性化合物としてα型の結晶型を有するビス(3−アリル−4−ヒドロキシフェニル)スルホンと下記式(1)
(1)支持体上に通常無色ないし淡色の発色性化合物、及び該発色性化合物を熱時発色させうる顕色性化合物を含有する感熱発色層を設けた感熱記録材料において、該感熱発色層が顕色性化合物としてα型の結晶型を有するビス(3−アリル−4−ヒドロキシフェニル)スルホンと下記式(1)
発色記録した後の熱に対する地肌かぶりが少なく、発色画像の保存安定性に優れた感熱記録材料が得られた。
本発明においては通常無色ないし淡色の発色性化合物と、顕色性化合物としてα型の結晶型を有するビス(3−アリル−4−ヒドロキシフェニル)スルホンと式(1)で示される化合物を使用し、必要に応じてその他の顕色性化合物や増感剤、さらには以下に示すような結合剤及び必要に応じ充填剤、その他の添加物等を使用して感熱発色層が調製される。
本発明において用いられるα型の結晶型を有するビス(3−アリル−4−ヒドロキシフェニル)スルホンとは、特開平11−29549号で記載されているもので、その物性がCu−Kα線による粉末X線回折法において、少なくとも回折角(2θ)〔°〕7.2及び22.0にピークをもつX線回折図により特徴づけられる結晶型で、かつ示差走査熱量計(Differential Scanning Calorimeter)での補外融解開始温度(Te)が149℃以上の融点を有するビス(3−アリル−4−ヒドロキシフェニル)スルホンである。また、式(1)で示される化合物は市販品として入手できる。
本発明における感熱発色層を形成するにあたり、発色性化合物は通常1〜50重量%、好ましくは5〜30重量%、α型の結晶型を有するビス(3−アリル−4−ヒドロキシフェニル)スルホンと式(1)で示される化合物は総量で通常1〜70重量%、好ましくは10〜50重量%、増感剤は1〜80重量%、結合剤は通常1〜90重量%、充填剤は通常0〜80重量%、その他の滑剤、界面活性剤、消泡剤、紫外線吸収剤等は各々任意の割合で、例えば通常各々0〜30重量%、使用される(重量%は感熱発色層中に占める各成分の重量比)。更に好ましい態様としては、上記のような組成のうちで、各々の使用量が重量比で発色性化合物1に対してα型の結晶型を有するビス(3−アリル−4−ヒドロキシフェニル)スルホンと式(1)で示される化合物は総量で通常0.5〜20倍、より好ましくは1〜5倍の重量比の範囲でそれぞれ使用される。顕色性化合物の比率、即ちα型の結晶型を有するビス(3−アリル−4−ヒドロキシフェニル)スルホン:式(1)で示される化合物は9:1〜1:9、好ましくは9:1〜5:5、更に好ましくは8:2〜6:4の重量比の範囲でそれぞれ使用される。
本発明の感熱記録材料においては、前記成分以外の公知、公用の顕色性化合物、増感剤又はその他の添加物を併用しても構わない。
本発明の感熱記録材料においては、前記成分以外の公知、公用の顕色性化合物、増感剤又はその他の添加物を併用しても構わない。
本発明において用いられる発色性化合物は、一般に感圧記録紙や感熱記録紙に用いられるものであればよく、特に制限されない。用いられる発色性化合物の例としては、例えばフルオラン系化合物、トリアリールメタン系化合物、スピロ系化合物、ジフェニルメタン系化合物、チアジン系化合物、ラクタム系化合物、フルオレン系化合物等が挙げられる。
フルオラン系化合物の具体例としては、例えば3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−メチル−N−シクロヘキシルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−エチル−N−イソペンチルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−エチル−N−イソブチルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−[N−エチル−N−(3−エトキシプロピル)アミノ]−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−エチル−N−ヘキシルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジペンチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−メチル−N−プロピルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−エチル−N−テトラヒドロフリルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(p−クロロアニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(p−フルオロアニリノ)フルオラン、3−[N−エチル−N−(p−トリル)アミノ]−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(p−トルイジノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(o−クロロアニリノ)フルオラン、3−ジブチルアミノ−7−(o−クロロアニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(o−フルオロアニリノ)フルオラン、3−ジブチルアミノ−7−(o−フルオロアニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(3,4−ジクロロアニリノ)フルオラン、3−ピロリジノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−クロロ−7−エトキシエチルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−クロロ−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−クロロフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−メチルフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−オクチルフルオラン、3−[N−エチル−N−(p−トリル)アミノ]−6−メチル−7−フェネチルフルオラン等が挙げられる。
トリアリールメタン系化合物の具体例としては、例えば3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−ジメチルアミノフタリド(別名:クリスタルバイオレットラクトン又はCVL)、3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)フタリド、3−(p−ジメチルアミノフェニル)−3−(1,2−ジメチルアミノインドール−3−イル)フタリド、3−(p−ジメチルアミノフェニル)−3−(2−メチルインドール−3−イル)フタリド、3−(p−ジメチルアミノフェニル)−3−(2−フェニルインドール−3−イル)フタリド、3,3−ビス(1,2−ジメチルインドール−3−イル)−5−ジメチルアミノフタリド、3,3−ビス(1,2−ジメチルインドール−3−イル)−6−ジメチルアミノフタリド、3,3−ビス(9−エチルカルバゾール−3−イル)−5−ジメチルアミノフタリド、3,3−(2−フェニルインドール−3−イル)−5−ジメチルアミノフタリド、3−p−ジメチルアミノフェニル−3−(1−メチルピロール−2−イル)−6−ジメチルアミノフタリド等が挙げられる。
スピロ系化合物の具体例としては、例えば3−メチルスピロジナフトピラン、3−エチルスピロジナフトピラン、3,3’−ジクロロスピロジナフトピラン、3−ベンジルスピロジナフトピラン、3−プロピルスピロベンゾピラン、3−メチルナフト−(3−メトキシベンゾ)スピロピラン、1,3,3−トリメチル−6−ニトロ−8’−メトキシスピロ(インドリン−2,2’−ベンゾピラン)等が、ジフェニルメタン系化合物の具体例としては、例えばN−ハロフェニル−ロイコオーラミン、4,4−ビス−ジメチルアミノフェニルベンズヒドリルベンジルエーテル、N−2,4,5−トリクロロフェニルロイコオーラミン等が、チアジン系化合物の具体例としては、例えばベンゾイルロイコメチレンブルー、p−ニトロベンゾイルロイコメチレンブルー等が、ラクタム系化合物の具体例としては、例えばローダミンBアニリノラクタム、ローダミンB−p−クロロアニリノラクタム等が、フルオレン系化合物の具体例としては、例えば3,6−ビス(ジメチルアミノ)フルオレンスピロ(9,3’)−6’−ジメチルアミノフタリド、3,6−ビス(ジメチルアミノ)フルオレンスピロ(9,3’)−6’−ピロリジノフタリド、3−ジメチルアミノ−6−ジエチルアミノフルオレンスピロ(9,3’)−6’−ピロリジノフタリド等が挙げられる。
これらの発色性化合物は単独もしくは混合して用いられる。
これらの発色性化合物は単独もしくは混合して用いられる。
本発明において併用可能な顕色性化合物としては、一般に感圧記録紙や感熱記録紙に用いられているものであればよく、特に制限されない。例えばα−ナフトール、β−ナフトール、p−オクチルフェノール、4−t−オクチルフェノール、p−t−ブチルフェノール、p−フェニルフェノール、1,1−ビス(p−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(p−ヒドロキシフェニル)プロパン(別名:ビスフェノールA又はBPA)、2,2−ビス(p−ヒドロキシフェニル)ブタン、1,1−ビス(p−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、4,4’−チオビスフェノール、4,4’−シクロ−ヘキシリデンジフェノール、2,2’−ビス(2,5−ジブロム−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、4,4’−イソプロピリデンビス(2−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−クロロフェノール)、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、ビス(3−アリル−4−ヒドロキシフェニル)スルホン、4−ヒドロキシ−4’−メトキシジフェニルスルホン、2,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4’−イソプロポキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4’−エトキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4’−ブトキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4’−ベンジルオキシジフェニルスルホン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)酢酸メチル、ビス(4−ヒドロキシフェニル)酢酸ブチル、ビス(4−ヒドロキシフェニル)酢酸ベンジル、2,4−ジヒドロキシ−2’−メトキシベンズアニリド等のフェノール性化合物、p−ヒドロキシ安息香酸ベンジル、p−ヒドロキシ安息香酸エチル、4−ヒドロキシフタル酸ジベンジル、4−ヒドロキシフタル酸ジメチル、5−ヒドロキシイソフタル酸エチル、3,5−ジ−t−ブチルサリチル酸、3,5−ジ−α−メチルベンジルサリチル酸等の芳香族カルボン酸誘導体、芳香族カルボン酸又はその多価金属塩等が挙げられる。
本発明において用いられる増感剤(熱可融性化合物)の具体例としては、例えば動植物性ワックス、合成ワックスなどのワックス類や高級脂肪酸、高級脂肪酸アミド、高級脂肪酸アニリド、芳香族アミンのアセチル化物、ナフタレン誘導体、芳香族エーテル、芳香族カルボン酸誘導体、芳香族スルホン酸エステル誘導体、炭酸又はシュウ酸ジエステル誘導体、ビフェニル誘導体、ターフェニル誘導体、スルホン誘導体等、常温で固体、より好ましくは約60℃以上の融点を有するものを使用することができる。
ワックス類の具体例としては、例えば木ろう、カルナウバろう、シェラック、パラフィン、モンタンろう、酸化パラフィン、ポリエチレンワックス、酸化ポリエチレン等が、高級脂肪酸としては、例えばステアリン酸、ベヘン酸等が、高級脂肪酸アミドとしては、例えばステアリン酸アミド、オレイン酸アミド、N−メチルステアリン酸アミド、エルカ酸アミド、メチロールベヘン酸アミド、メチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスステアリン酸アミド等が、高級脂肪酸アニリドとしては、例えばステアリン酸アニリド、リノール酸アニリド等が、芳香族アミンのアセチル化物としては、例えばアセトトルイジド等が、ナフタレン誘導体としては、例えば1−ベンジルオキシナフタレン、2−ベンジルオキシナフタレン、1−ヒドロキシナフトエ酸フェニルエステル等が、芳香族エーテルとしては、例えば1,2−ジフェノキシエタン、1,4−ジフェノキシブタン、1,2−ビス(3−メチルフェノキシ)エタン、1,2−ビス(4−メトキシフェノキシ)エタン、1,2−ビス(3,4−ジメチルフェニル)エタン、1−フェノキシ−2−(4−クロロフェノキシ)エタン、1−フェノキシ−2−(4−メトキシフェノキシ)エタン、1,2−ジフェノキシメチルベンゼン等が、芳香族カルボン酸誘導体としては、例えばp−ヒドロキシ安息香酸ベンジルエステル、p−ベンジルオキシ安息香酸ベンジルエステル、テレフタル酸ジベンジルエステル等が、芳香族スルホン酸エステル誘導体としては、例えばp−トルエンスルホン酸フェニルエステル、フェニルメシチレンスルホナート、4−メチルフェニルメシチレンスルホナート等が、炭酸又はシュウ酸ジエステル誘導体としては、例えば炭酸ジフェニル、シュウ酸ジベンジルエステル、シュウ酸ジ(4−クロロベンジル)エステル、シュウ酸ジ(4−メチルベンジル)エステル類が、ビフェニル誘導体としては、例えばp−ベンジルビフェニル、p−アリルオキシビフェニル等が、ターフェニル誘導体としては、例えばm−ターフェニル等が、スルホン誘導体としては、例えばジフェニルスルホン等が、それぞれ例示される。
用いられる結合剤の具体例としては、例えばメチルセルロース、メトキシセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ナトリウムカルボキシメチルセルロース、セルロース、ポリビニルアルコール(PVA)、カルボキシル基変性ポリビニルアルコール、スルホン酸基変性ポリビニルアルコール、シリル基変性ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリルアミド、ポリアクリル酸、デンプン及びその誘導体、カゼイン、ゼラチン、水溶性イソプレンゴム、スチレン/無水マレイン酸共重合体のアルカリ塩、イソ(又はジイソ)ブチレン/無水マレイン酸共重合体のアルカリ塩等の水溶性のもの或は(メタ)アクリル酸エステル共重合体、スチレン/(メタ)アクリル酸エステル共重合体、ポリウレタン、ポリエステル系ポリウレタン、ポリエーテル系ポリウレタン、ポリ酢酸ビニル、エチレン/酢酸ビニル共重合体、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、スチレン/ブタジエン(SB)共重合体、カルボキシル化スチレン/ブタジエン(SB)共重合体、スチレン/ブタジエン/アクリル酸系共重合体、アクリロニトリル/ブタジエン(NB)共重合体、カルボキシル化アクリロニトリル/ブタジエン(NB)共重合体、コロイダルシリカと(メタ)アクリル樹脂の複合体粒子等の疎水性高分子エマルジョン等が挙げられる。
用いられる充填剤の具体例としては、例えば炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、シリカ、ホワイトカーボン、タルク、クレー、アルミナ、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、酸化アルミニウム、硫酸バリウム、ポリスチレン樹脂、尿素−ホルマリン樹脂等が挙げられる。
更に本発明においては上記以外の種々の添加剤を使用することが出来るが、用いられるその他の添加物の例としては、例えばサーマルヘッド磨耗防止、スティッキング防止等の目的でのステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム等の高級脂肪酸金属塩、酸化防止あるいは老化防止効果を付与する為のフェノール誘導体、ベンゾフェノン系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物等の紫外線吸収剤、各種の界面活性剤、消泡剤等がそれぞれ挙げられる。
前記材料を用いて、例えば次のような方法によって本発明の感熱記録材料が調製される。即ち、常法によりまず発色性化合物、α型の結晶型を有するビス(3−アリル−4−ヒドロキシフェニル)スルホン、式(1)で示される化合物をそれぞれ別々に結合剤あるいは必要に応じてその他の添加剤等と共にボールミル、アトライター、サンドミルなどの分散機にて粉砕、分散化した後(粉砕、分散を湿式で行うときは通常水を媒体として用いる)、混合して感熱発色層塗布液を調製し、紙(普通紙、上質紙、コート紙等が使用出来る)、プラスチックシート、合成紙等の支持体上に通常乾燥重量で1〜20g/m2になるようにバーコーター、ブレードコーター等により塗布、乾燥して本発明の感熱記録材料を得る。また、必要に応じて感熱発色層と支持体の間に中間層を設けたり感熱発色層上にオーバーコート層(保護層)を設けても良い。
中間層、オーバーコート層(保護層)は、例えば前記したような結合剤あるいは必要に応じてその他の添加物と共に、感熱発色層用塗布液調製におけるのと同様に必要に応じて粉砕、分散して中間層用塗布液又はオーバーコート層(保護層)用塗布液とした後、乾燥時の重量で通常0.1〜10g/m2程度となるように塗布し、乾燥することにより設けられる。
中間層、オーバーコート層(保護層)は、例えば前記したような結合剤あるいは必要に応じてその他の添加物と共に、感熱発色層用塗布液調製におけるのと同様に必要に応じて粉砕、分散して中間層用塗布液又はオーバーコート層(保護層)用塗布液とした後、乾燥時の重量で通常0.1〜10g/m2程度となるように塗布し、乾燥することにより設けられる。
通常無色ないし淡色の発色性化合物、α型の結晶型を有するビス(3−アリル−4−ヒドロキシフェニル)スルホン、式(1)で示される化合物を含有する本発明の感熱記録材料は、従来公知のものに比べて発色性に優れ、且つ発色記録した後の乾熱及び湿熱に対する地肌かぶりが少なく、発色画像の保存安定性に優れている。
本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発明がこれらに限定されるものではない。実施例中「部」は重量部、溶液の説明における「%」は重量%であり媒体は水であることを示す。
実施例1
(感熱発色層の形成)
下記組成の混合物をサンドグラインダーを用いて平均粒径が1μm以下になるように粉砕、分散化してそれぞれ[A]液、[B]液、[C]液を調製した。
[A]液:3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン 35部
15%PVA水溶液 40部
水 25部
[B]液:α型結晶型のビス(3−アリル−4−ヒドロキシフェニル)スルホン
(特開平11−29549の実施例1に記載された方法に基づいて合
成した。Cu−Kα線による粉末X線回折角(2θ)〔°〕7.2、
14.5、16.3、18.0、20.0、21.0、22.0、
24.7及び29.0に比較的強いピークを有する。
DSC(Te)153.0=℃) 25部
25%PVA水溶液 20部
水 55部
[C]液:式(1)で示される化合物 25部
25%PVA水溶液 20部
水 55部
(感熱発色層の形成)
下記組成の混合物をサンドグラインダーを用いて平均粒径が1μm以下になるように粉砕、分散化してそれぞれ[A]液、[B]液、[C]液を調製した。
[A]液:3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン 35部
15%PVA水溶液 40部
水 25部
[B]液:α型結晶型のビス(3−アリル−4−ヒドロキシフェニル)スルホン
(特開平11−29549の実施例1に記載された方法に基づいて合
成した。Cu−Kα線による粉末X線回折角(2θ)〔°〕7.2、
14.5、16.3、18.0、20.0、21.0、22.0、
24.7及び29.0に比較的強いピークを有する。
DSC(Te)153.0=℃) 25部
25%PVA水溶液 20部
水 55部
[C]液:式(1)で示される化合物 25部
25%PVA水溶液 20部
水 55部
次いで、上記で得た各液及び下記する薬剤を下記の割合で混合して感熱発色層塗布液を調製し、坪量50g/m2の上質紙上に乾燥時の重量が5g/m2となるように塗布、乾燥して感熱発色層を形成した。
[A]液 8.6部
[B]液 19.2部
[C]液 4.8部
67%炭酸カルシウム水分散液 9.0部
48%変性スチレン・ブタジエン共重合体ラテックス 6.3部
水 52.1部
[A]液 8.6部
[B]液 19.2部
[C]液 4.8部
67%炭酸カルシウム水分散液 9.0部
48%変性スチレン・ブタジエン共重合体ラテックス 6.3部
水 52.1部
(保護層の形成)
次に下記割合からなる保護層塗布液を前記の感熱発色層上に乾燥時の重量が2g/m2となるように塗布、乾燥して保護層付きの本発明の感熱記録材料を得た。
40%スチレン/アクリル酸エステル共重合体エマルジョン 115部
5%ベントナイト水分散液 17部
45%スチレン・アクリル共重合体水性エマルジョン 44部
39%ステアリン酸亜鉛水分散液 103部
67%炭酸カルシウム水分散液 15部
水 726部
次に下記割合からなる保護層塗布液を前記の感熱発色層上に乾燥時の重量が2g/m2となるように塗布、乾燥して保護層付きの本発明の感熱記録材料を得た。
40%スチレン/アクリル酸エステル共重合体エマルジョン 115部
5%ベントナイト水分散液 17部
45%スチレン・アクリル共重合体水性エマルジョン 44部
39%ステアリン酸亜鉛水分散液 103部
67%炭酸カルシウム水分散液 15部
水 726部
実施例2
実施例1の感熱発色層塗布液の[B]液及び[C]液の組成を以下のように変更した以外は実施例1と同様にして本発明の感熱記録材料を得た。
[A]液 8.6部
[B]液 16.8部
[C]液 7.2部
67%炭酸カルシウム水分散液 9.0部
48%変性スチレン・ブタジエン共重合体ラテックス 6.3部
水 52.1部
実施例1の感熱発色層塗布液の[B]液及び[C]液の組成を以下のように変更した以外は実施例1と同様にして本発明の感熱記録材料を得た。
[A]液 8.6部
[B]液 16.8部
[C]液 7.2部
67%炭酸カルシウム水分散液 9.0部
48%変性スチレン・ブタジエン共重合体ラテックス 6.3部
水 52.1部
実施例3
実施例1の感熱発色層塗布液の[B]液及び[C]液の組成を以下のように変更した以外は実施例1と同様にして本発明の感熱記録材料を得た。
[A]液 8.6部
[B]液 14.4部
[C]液 9.6部
67%炭酸カルシウム水分散液 9.0部
48%変性スチレン・ブタジエン共重合体ラテックス 6.3部
水 52.1部
実施例1の感熱発色層塗布液の[B]液及び[C]液の組成を以下のように変更した以外は実施例1と同様にして本発明の感熱記録材料を得た。
[A]液 8.6部
[B]液 14.4部
[C]液 9.6部
67%炭酸カルシウム水分散液 9.0部
48%変性スチレン・ブタジエン共重合体ラテックス 6.3部
水 52.1部
比較例1
実施例1の[B]液のα型結晶型のビス(3−アリル−4−ヒドロキシフェニル)スルホンの代わりに特開昭61−89090号記載の実施例1に従って得られるα型の結晶型とは異なる結晶型のビス(3−アリル−4−ヒドロキシフェニル)スルホン(Cu−Kα線による粉末X線回折角(2θ)〔°〕7.04、10.85、14.14、15.78、17.51、及び22.98に比較的強いピークを有する。DSC(Te)=148.2℃)を使用する以外は実施例1と同様にして比較用の感熱記録材料を得た。
実施例1の[B]液のα型結晶型のビス(3−アリル−4−ヒドロキシフェニル)スルホンの代わりに特開昭61−89090号記載の実施例1に従って得られるα型の結晶型とは異なる結晶型のビス(3−アリル−4−ヒドロキシフェニル)スルホン(Cu−Kα線による粉末X線回折角(2θ)〔°〕7.04、10.85、14.14、15.78、17.51、及び22.98に比較的強いピークを有する。DSC(Te)=148.2℃)を使用する以外は実施例1と同様にして比較用の感熱記録材料を得た。
比較例2
実施例2の[B]液のα型結晶型のビス(3−アリル−4−ヒドロキシフェニル)スルホンの代わりに比較例1と同じ結晶型のビス(3−アリル−4−ヒドロキシフェニル)スルホンを使用する以外は実施例2と同様にして比較用の感熱記録材料を得た。
実施例2の[B]液のα型結晶型のビス(3−アリル−4−ヒドロキシフェニル)スルホンの代わりに比較例1と同じ結晶型のビス(3−アリル−4−ヒドロキシフェニル)スルホンを使用する以外は実施例2と同様にして比較用の感熱記録材料を得た。
比較例3
実施例3の[B]液のα型結晶型のビス(3−アリル−4−ヒドロキシフェニル)スルホンの代わりに比較例1と同じ結晶型のビス(3−アリル−4−ヒドロキシフェニル)スルホンを使用する以外は実施例3と同様にして比較用の感熱記録材料を得た。
実施例3の[B]液のα型結晶型のビス(3−アリル−4−ヒドロキシフェニル)スルホンの代わりに比較例1と同じ結晶型のビス(3−アリル−4−ヒドロキシフェニル)スルホンを使用する以外は実施例3と同様にして比較用の感熱記録材料を得た。
耐熱性試験
上記実施例で得られた感熱記録材料を、市販のサーマルプリンター(イシダL−2000)で印字し、試料を70℃の恒温器中に24時間放置した。試験前後の試料の未発色部のマクベス反射濃度をマクベス反射濃度計(RD−914型、マクベス社製)で測定した。結果を表1に示す。
尚、試験前後の試料の未発色部のマクベス反射濃度の変化量が少ない程、地肌かぶりが少なく耐熱性に優れていることがわかる。変化量は以下の計算式で求めた。
変化量=試験後の試料の未発色部のマクベス反射濃度−試験前の試料の未発色部のマクベス反射濃度
上記実施例で得られた感熱記録材料を、市販のサーマルプリンター(イシダL−2000)で印字し、試料を70℃の恒温器中に24時間放置した。試験前後の試料の未発色部のマクベス反射濃度をマクベス反射濃度計(RD−914型、マクベス社製)で測定した。結果を表1に示す。
尚、試験前後の試料の未発色部のマクベス反射濃度の変化量が少ない程、地肌かぶりが少なく耐熱性に優れていることがわかる。変化量は以下の計算式で求めた。
変化量=試験後の試料の未発色部のマクベス反射濃度−試験前の試料の未発色部のマクベス反射濃度
表1の結果から耐熱性において、実施例1〜3は比較例1〜3と比べ極めて優れる結果を示した。
Claims (1)
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2013082571A JP2014205255A (ja) | 2013-04-11 | 2013-04-11 | 感熱記録材料 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2013082571A JP2014205255A (ja) | 2013-04-11 | 2013-04-11 | 感熱記録材料 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2014205255A true JP2014205255A (ja) | 2014-10-30 |
Family
ID=52119246
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2013082571A Pending JP2014205255A (ja) | 2013-04-11 | 2013-04-11 | 感熱記録材料 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2014205255A (ja) |
-
2013
- 2013-04-11 JP JP2013082571A patent/JP2014205255A/ja active Pending
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