JP2011057568A - セルロース系原料糖化液の濃縮方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】安価で簡便なカルシウム除去方法を提供する。
【解決手段】セルロース系バイオマス原料を糖化処理することにより得られる糖化液をNF膜またはRO膜を用いて濃縮する方法において、NF膜またはRO膜へ糖化液を供給する前に、糖化液に炭酸ナトリウムを添加することにより糖化液中にカルシウムイオンとして存在するカルシウムを炭酸カルシウムとして析出させ、生じた析出物を糖化液から除去しておく。
【選択図】図1

Description

本発明は、リグノセルロース系バイオマスを酵素で糖化し、エタノールや生分解性プラスチック原料である乳酸の発酵原料となるグルコース等を製造する技術に関する。特に本発明は、リグノセルロース原料の中でも、表面の滑らかさや白さを出すための填料として炭酸カルシウムが添加してある紙由来の酵素糖化液の効率的な濃縮法に関する。
本明細書において、ナノろ過膜(Nanofiltration Membrane)はNF膜、逆浸透膜(Reverse Osmosis Membrane)はRO膜、限外ろ過膜(Ultrafiltration Membrane)はUF膜と表記する。また、%は重量基準である。
セルロースを構成糖であるグルコースに加水分解する方法として、酵素セルラーゼやそれを生産する微生物を用いる酵素糖化法がある。この方法は、硫酸を加水分解触媒として用いる酸糖化法と比べて生成糖の過分解もなく、過分解物による後工程の発酵阻害もないため、セルロース系原料の糖化手段として近年、有望視されている。しかしながら、例えば水に不溶だが吸水して膨張する紙の場合、5%程度のスラリー(乾燥重量比)が流動限界である。このため、5%紙スラリーを酵素糖化して得られる糖液中のグルコース濃度は、最大でも4%程度、リーズナブルな酵素添加量の場合ではそれ以下である。なお、酵素の作用によって紙は可溶化されて流動性は向上するため、紙を追加添加して最終的なグルコース濃度を高めることは可能ではあるが、セルラーゼの特徴として、生成されたグルコースの蓄積に伴って酵素活性が阻害されて糖化効率が低下するため、酵素量あたりのグルコース生成効率は低くなってしまう。
一方、例えばグルコース1kgを酵母によってエタノール発酵させた場合、以下に示す反応理論式の通り、グルコースの約半分がエタノールに、残りは二酸化炭素に変換される。
Figure 2011057568
この理論式に基づくと、例えばグルコース濃度4%の糖液から得られる発酵液中のエタノール濃度は2%弱となる。しかしながら、バイオエタノールの製造に必要な熱量の大半は蒸留工程が占めるうえ、蒸留にかかる熱量を考慮すると、一般的にはエタノール濃度4%からの蒸留が不可欠であるとされる。この濃度を下回ると蒸留熱量は大幅に増大し、エネルギー収支上、リーズナブルな製造システムの構築は難しくなる(非特許文献1)。つまり、発酵が終了した時点の発酵液中のエタノール濃度下限は4%であり、それ以上のエタノール濃度が蒸留にはより望ましいことは言うまでもない。
サトウキビの搾汁やトウモロコシデンプン糖化液は糖濃度が高いため、酵母に適した濃度(グルコース15%)になるよう希釈して供給するケースが通常だが、紙をはじめとするセルロース原料の場合、濃いスラリーにできない、そして酵素の特性にも起因してグルコース濃度の高い糖液が得られないのは前述した通りである。このため、発酵セルロース系原料の酵素糖化液の場合、酵母による発酵に適用する前にグルコース濃度を少なくとも9%程度まで高めるような工夫が必要である。
フィリップ・ダブリュー・マッドソン(Philip W.Madson)およびデイビッド・ビー・ロココ(David B.Lococo)著、「リカバリー・オフ・ボラタイル・プロダクツ・フロム・ダイルート・ハイ−フォウリング・プロセス・ストリームズ(Recovery of Volatile Products from Dilute High-Fouling Process Streams)」、「アプライド・バイオケミストリー・アンド・バイオテクノロジー(Applied Biochemistry and Biotechnology)」、2000年、第84−86巻、p.1049−1061
前述の通り、反応効率を重視した酵素糖化の場合、糖化終了時の糖液中のグルコースは希薄である。効率的な発酵とその後の蒸留のためには、これを少なくとも9%程度まで濃縮することが必要であり、その手段として膜濃縮、具体的にはグルコースを捕捉できるNF膜あるいはRO膜による濃縮が挙げられる。そこで5%OA紙スラリーを72時間酵素糖化して得られた糖液(グルコース濃度3%弱)を供試し、高出力のポンプ圧下において、NFおよびRO膜による濃縮試験を実施したところ、NF膜表面に大量の析出物(後述)が認められたものの、濃縮液中のグルコース濃度はいずれも約11%に達した。しかしながら、実機適用を考慮したリーズナブルなポンプ圧(40kg/cm程度)の場合、2倍濃縮程度(グルコース濃度6%弱)で膜が閉塞し、満足な結果が得られなかった。
一方、酵素糖化時の最適条件は温度50℃、pH4.0〜5.0付近であり、pH調整の手段としては酢酸および酢酸ナトリウムを添加することによる50mM酢酸緩衝液化が実験規模では用いられている。しかし、有機酸である酢酸は高価であり、大規模な酵素糖化への適用には問題がある。そこで、酢酸よりも酸強度が高く、かつ安価な硫酸によるpH調整でも酢酸緩衝液化による酵素糖化率と同等の値が得られることを確認し、これを酵素糖化時のpH調整剤として適用していた。しかしながら、この場合、硫酸と紙の填料である炭酸カルシウムが糖化液中に存在することで、硫酸カルシウム(=石膏)が生成される要因が揃うことになる。そして、NF膜の特徴として、糖などの有機物以外にカルシウムイオン(Ca++)などの二価の陽イオン等を捕捉するため糖化液中のイオンバランスが崩れ、その結果として硫酸カルシウムが析出する。つまり前述したNF膜表面の析出物はこの硫酸カルシウムである。硫酸カルシウムの析出濃度は高いが、一旦析出した場合はpHや温度等に関係なく溶解することがないため、膜表面がそれによって物理的に閉塞されることに加え、このような析出物の周辺には溶液中に溶離した無機イオンが集まり易い。そして、グルコースだけでなく、この無機イオン濃度の上昇によっても浸透圧が上昇するため、高浸透圧下では機能が損なわれるNF膜やRO膜の閉塞に更に拍車がかかる。
実際に5%OA紙スラリー由来の酵素糖化液中の無機塩類濃度を分析したところ、表1に示す通り、カルシウムは460mg/Lと高濃度であり、これが膜閉塞の最大因子であることは明確である。このカルシウムを予め除去することで、より効率的な膜濃縮処理が可能となるが、イオン交換樹脂による除去では高コストなため、より安価で簡便なカルシウム除去方法が必要である。
請求項1に係る発明は、セルロース系バイオマス原料を糖化処理することにより得られる糖化液をNF膜またはRO膜を用いて濃縮する方法において、NF膜またはRO膜へ糖化液を供給する前に、糖化液に炭酸ナトリウムを添加することにより糖化液中にカルシウムイオンとして存在するカルシウムを炭酸カルシウムとして析出させ、生じた析出物を糖化液から除去しておくことを特徴とするものである。
請求項2に係る発明は、請求項1に係る方法において、前記炭酸ナトリウムの添加前に前記糖化液のpHを10以上にするものである。
請求項3に係る発明は、請求項2に係る方法において、前記糖化液中のカルシウムイオンを除去した後に同液をpH6に中和し、その後に前記濃縮を行うものである。
請求項4に係る発明は、請求項3に係る方法において、前記中和は、エタノール発酵時に発生する二酸化炭素を糖化液に曝気することにより行うものである。
請求項5に係る発明は、請求項1〜4のいずれか1つに係る方法において、前記濃縮はRO膜により行い、該RO膜のろ過液を糖化工程に再利用するものである。
請求項6に係る発明は、請求項1〜5のいずれか1つに係る方法において、カルシウムイオンを除去する前に前記糖化液から、グルコースよりも高分子である酵素または多糖類を、UF膜を用いて分離しておくものである。
多量のカルシウムを含有するOA紙糖化液から、石灰ソーダ軟化法に基づいて簡易的かつ迅速にこれを除去する具体的手段の例を以下の順に示す。
(1)5%OA紙スラリー由来の糖化液(pH4.0)から可溶化、あるいは糖化せずに残った紙などの未反応残渣を沈殿、ろ過等で除去し、清浄な上澄を得る。
(2)この上澄をろ過物最大分子量30000程度のUF膜でろ過し、濃縮液中の酵素(分子量45000前後)は再利用し、ろ液は、後工程(糖濃縮)へ送る。
(3)UF膜ろ過液を容器に取り、ここに水酸化ナトリウムを加えてpHを10以上にする。これによって液は高アルカリとなって殺菌効果が得られ、後工程の発酵における雑菌汚染を防止できる。次いでこの溶液中のカルシウム量に対応した炭酸ナトリウム(石灰ソーダ)を加えると、直ちに析出濃度が数十ppmと低い炭酸カルシウムが生成、析出して溶液が白濁する(硫酸カルシウムの析出濃度は炭酸カルシウムの10倍)。析出した炭酸カルシウムは数時間程度で容器の底に沈殿するため、容易に固液分離できる。
(4)沈殿物(=カルシウム分)を除去した上澄をNF膜あるいはRO膜により濃縮する。pH10のままでの濃縮も可能だが、膜の物性上、中性(pH6.0)付近で最も性能が発揮されるほか、析出限界付近の炭酸カルシウムやその他の無機塩類は中性付近で溶解しやすいため、中性付近での濃縮がより望ましい。なお、pHを再び中性付近に下げる手段としては、発酵工程で発生する二酸化炭素を溶液中に曝気することが望ましい。これにより生成副産物の有効利用が図れる。そして、カルシウムを除去しなかった場合は、ポンプ圧40kg/cmで2倍濃縮(グルコース濃度実測値:3%→6%)程度でNF膜が閉塞したが、カルシウムを除去した場合には、同ポンプ圧下で5倍濃縮(グルコース濃度実測値:3%→13.4%)まで向上し、酵母発酵に供することができる濃度に達した。
(5)上記膜濃縮工程で発生する大量のろ過液(100Lの希薄な糖化液を5倍濃縮する場合、濃縮液20Lに対し、ろ過液80Lが発生)は、バイオエタノール製造の各工程に再利用可能である。特にRO膜のろ過液は無機塩類もほとんど含まないことから、そのまま酵素糖化工程に戻して再利用でき、ひいては廃水量の削減と水の節約にも繋がる。一方、NF膜による濃縮の場合、ろ過液側にも無機塩類が漏れるためRO膜のそれよりは用途が限られるが、洗浄水等への再利用には何ら問題がない。
一方、膜濃縮効率を向上させる目的以外にも、予め糖液中のカルシウムを除去しておくことで、蒸留工程で問題となる蒸留釜内部へのカルシウムのスケーリングを防止できるという効果も期待される。
以上の通り、簡易的にカルシウムを除去できる石灰ソーダ軟化法の応用によって、上記(4)と(5)の具体的な効果が得られ、セルロース系原料からのバイオエタノール製造に有用な手段となり得る。
本発明によると、セルロース系バイオマス原料を糖化処理することにより得られる糖化液をNF膜またはRO膜を用いて濃縮する方法において、NF膜またはRO膜へ糖化液を供給する前に、糖化液に炭酸ナトリウムを添加することにより糖化液中のカルシウムを炭酸カルシウムとして析出させ、生じた析出物を糖化液から除去しておくことで前記膜を閉塞させることなく、簡便かつ迅速に糖化液を濃縮することができる。
5%OA紙スラリー由来の糖化液の濃縮試験結果を示す。
以下、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明は、これらの例に何等限定されるものではない。また、本実施例においては、セルロース原料を酵素法により糖化しているが、硫酸などの鉱酸による酸糖化法、および亜〜超臨界水や加圧熱水による水熱糖化法により糖化してもよい。いずれの糖化法を用いた場合であっても、本発明の方法によりセルロースの物性に起因して糖化液中のグルコース濃度が希薄な場合に有効にこれを濃縮することが可能である。
(実施例)
(糖化液調製)
市販の化学パルプ由来の上質OA紙(コピー用紙)の同ロットをまとめて購入し、シュレッダーで細断した後、乾燥機中で絶乾させたものを供試した。これを蒸留水中、5%濃度になるよう計量して懸濁させ、5L容量のスラリーとして酵素糖化した(5L×2系列で計10Lを処理)。なお、使用した酵素製剤はGenencor社製のTrichoderma reesei由来のセルラーゼGC220(液状)であり、力価はCMC(カルボキシメチルセルロース)糖化活性として6500単位/g、比重は1.1〜1.2の表示であった。この酵素を適量添加し、50℃、pH4.0、200rpmの条件下で48時間処理し、グルコース濃度3.09%、キシロース濃度0.49%の糖化液が得られた。これを8℃設定の冷蔵庫に24時間静置し、次いでその上澄を回収して更にろ紙で懸濁物を取り除いて計8Lの清浄な糖化液を得た。
なお、酵素糖化時のpH調整には、50mM酢酸緩衝液化することが報告されているが、実用を考慮して単価の低い硫酸のみでpH調整した(酢酸と硫酸の違いによる糖化率の差は認められなかった)。
(酵素回収およびカルシウム除去)
上記サンプル8Lのうち7LをUF膜でろ過し、糖化液中に溶解している酵素を除去し、ろ過液6.3L、濃縮液0.7Lを得た。同膜のろ過最大分子量は30000程度であり、分子量45000前後のセルラーゼは充分、捕捉できたと思われる。濃縮液側に回収された酵素は次回分の酵素糖化に再利用できることは言うまでもない。
次いで、石灰ソーダ軟化法に準じて、ろ過液1Lに対して適量の水酸化ナトリウムを加えてpHを10以上にした。表1に示す通り、5%OA紙スラリー由来の糖化液中のカルシウムイオン濃度は460mg/Lにつき、これを炭酸カルシウムとして析出させるために必要な炭酸ナトリウム量を試算した。すなわち、NaCOとCaのモル質量は、それぞれ、106g/molおよび40g/molであるので、必要な炭酸ナトリウムは、460×106/40=1220mg/Lである。ただし、反応効率をも考慮して約1.2倍である1500mg/Lとした。
そして、炭酸ナトリウム1500mgを加えると糖化液は直ちに白濁し、炭酸カルシウムの生成、析出が認められた。2時間程度でほぼ全てが沈殿し、8時間程度で沈殿物の見た目の容積は小さくなり、容器底面で固まった。この上澄だけを回収し、膜濃縮実験に供した。
Figure 2011057568
(石灰ソーダ軟化法のカルシウム除去効果)
UF膜ろ過液およびそれに石灰ソーダ軟化法を施して析出物を除去した上澄の分析の結果、前者のカルシウムイオン濃度は460mg/L、後者のそれは91mg/Lと、同法の効果が示された。
(濃縮膜)
糖化液300mLを各種平膜をセットできる専用ユニットで濃縮処理した。用いた平膜は糖濃縮が可能な仕様のRO膜およびNF膜であり、膜の有効表面積は36.5cm、ポンプ圧は40kg/cm(定圧)とした。これらの結果は図1に示す通りであり、カルシウム除去の好影響が認められた。
(1)対照区としてカルシウムを除去しない糖化液をNF膜で処理し、3時間20分を要して4.29倍濃縮(ろ液230mL:濃縮液70mL)された。後半は閉塞気味となり、5倍濃縮未満でポンプを停止した。
(2)カルシウム除去した糖化液をpH10以上のままでNF膜処理し、2時間50分で5倍濃縮(ろ液240mL:濃縮液60mL)できた。
(3)カルシウム除去した糖化液のpHを中性の6に戻してNF膜処理し、(2)と同様の結果が得られた。
(4)カルシウム除去した糖化液のpHを中性の6に戻してRO膜処理し、4時間30分を要して4倍濃縮(ろ液225mL:濃縮液75mL)したところでポンプを停止させた。カルシウムを除去してもNF膜に比べると濃縮倍率の点で劣る結果だった。
NF膜の場合、若干の糖の漏れがあるため、(1)〜(3)のろ過液にはいずれも0.05〜0.63%のグルコースが検出された。なお、(2)と(3)の間にはグルコース濃度など数値的に顕著な優位差は認められなかったが、処理終了後のNF平膜を回収して表面を観察したところ、前者には析出物が捕捉されていたのに対し、後者には析出物はほとんど認められなかった。糖化液のpHを中性付近に下げたことでpH10付近では析出/溶解限界付近の無機塩類が溶解したことに起因すると思われる。本実施例では優位差は認められなかったが、硬い析出物による物理的な膜表面の破損、それに伴う膜の寿命など、実機レベルを考慮すると膜性能を最大限に発揮できるpH条件には、充分、留意すべきである。
この結果を受け、RO膜処理も糖化液のpHを中性に下げて実施した結果は上記(4)で述べた通りだが、ろ過液にはグルコースは全く検出されず、無機塩類の存在を示す電気伝導度も低かった。グルコース濃度は原液の3.09%から11.38%まで濃縮されていることから若干量のグルコースがろ過液側に漏れるNF膜よりも濃縮効率自体は良好な結果だった。
なお、図1には示していないが、カルシウムを除去しない場合、同じRO膜が30分程度で閉塞し、ポンプを停止させた事例があることから、カルシウムの除去効果はあったものと考える。

Claims (6)

  1. セルロース系バイオマス原料を糖化処理することにより得られる糖化液をナノろ過膜(以下、「NF膜」と称する)または逆浸透膜(以下、「RO膜」と称する)を用いて濃縮する方法において、
    NF膜またはRO膜へ糖化液を供給する前に、糖化液に炭酸ナトリウムを添加することにより糖化液中にカルシウムイオンとして存在するカルシウムを炭酸カルシウムとして析出させ、生じた析出物を糖化液から除去しておくことを特徴とする糖化液の濃縮方法。
  2. 前記炭酸ナトリウムの添加前に前記糖化液のpHを10以上にする、請求項1に記載の糖化液の濃縮方法。
  3. 前記糖化液中のカルシウムイオンを除去した後に同液をpH6に中和し、その後に前記濃縮を行う、請求項2に記載の糖化液の濃縮方法。
  4. 前記中和は、エタノール発酵時に発生する二酸化炭素を糖化液に曝気することにより行う、請求項3に記載の糖化液の濃縮方法。
  5. 前記濃縮はRO膜により行い、該RO膜のろ過液を糖化工程に再利用する、請求項1〜4のいずれか1つに記載の糖化液の濃縮方法。
  6. カルシウムイオンを除去する前に前記糖化液から、グルコースよりも高分子である酵素または多糖類を、UF膜を用いて分離しておく、請求項1〜5のいずれか1つに記載の糖化液の濃縮方法。
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