JP2011055762A - 発酵キャベツ粉末及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 整腸に効果のある食物繊維と植物性乳酸菌とを容易に大量に摂取できる食品を開発すること。
【解決手段】 キャベツの含塩乳酸発酵物の粉末、塩化ナトリウム、乳酸カルシウム、及びラクトバチルス属のホモ乳酸菌を含み、その水溶液(2質量%)のpHが5.0以上であることを特徴とする発酵キャベツ粉末を摂取する。この発酵キャベツ粉末は、キャベツを塩化ナトリウムの存在下でラクトバチルス属のホモ乳酸菌で乳酸発酵させる工程、発酵産物中の乳酸をカルシウムで中和する工程、前記中和後の乾燥工程、及び粉末化工程を含む方法で製造することができる。
【選択図】 なし

Description

本発明は、ラクトバチルス属の乳酸菌で発酵させたキャベツを含有してなる発酵キャベツ粉末及びその製造方法に関する。
我が国においては、乳酸菌を利用して発酵させた、野菜を原料とする含塩発酵漬物類が多数知られている。このような漬物類の製造に使用される乳酸菌は、植物由来乳酸菌であり、原料や製造環境に生息する乳酸菌が使用される例が多かった。しかし、野菜を原料とする漬物を工業的に生産する場合には、安定した品質が求められる。そこで、最近では、適切な乳酸菌をスターターとして添加する、漬物の製造方法が採用されるようになってきた。
例えば特許文献1には、野菜を原料とする漬物の製造方法であって、ラクトバチルス・サケHS1をスターターとして添加させて発酵させる方法が開示されている。また、特許文献2には、同じくラクトバチルス・サケイ株であるが、特許文献1に記載のものとは異なる株(KLB3138aC株)を用いて、含塩発酵食品を製造する方法が開示されている。
一方、野菜を原料とする含塩発酵漬物類の製造に際し、海産物を併用することも知られている。例えば特許文献3には、糠類の発酵成分およびこんぶ抽出物の発酵成分を主要成分とする発酵調味料が開示されている。特許文献3には、こんぶの抽出物は、糠類の発酵に関わる乳酸菌および酵母の増殖促進作用を有すると記載されている(段落番号[0006])。また、特許文献4には、乳酸菌と海産物(昆布、牡蠣、オキアミ)を併用してキムチを製造することが開示されている。この発明において、昆布は、ヨード分の提供源として使用されており(段落番号[0067])、牡蠣はその高い栄養価が期待されて使用されており(段落番号[0068])、また、オキアミは、リン脂質とオメガ3系脂肪酸と抗酸化物質を豊富に併せ持つ食材として使用されている(段落番号[0069])。
漬物ではないが、特許文献5には、キャベツ発酵エキス末、食物繊維及び乳酸菌を含有し、さらに、オリゴ糖及びコラーゲンを含有する健康食品が開示されている。ここで、「キャベツ発酵エキス末」とは、キャベツを乳酸菌の一種であるラクトバチルス・プランタムで発酵させた後、遠心分離して上清を回収し、加熱、濃縮し、さらに加熱殺菌し、デキストリンを加えたペースト状乃至液状のものと、それをスプレードライしたものをいう(段落番号[0009]及び[0010])。また、特許文献6には、キャベツ発酵エキス、水溶性食物繊維及び乳酸菌を含有し、さらにスピルリナを含有する健康食品が開示されている。ここで、「キャベツ発酵エキス」とは、キャベツを乳酸菌(例えばラクトバチルス・プランタルム)で発酵させて得られる発酵物そのまま、発酵物を遠心分離して上清を回収し、濃縮したもの、濃縮後に乾燥したものをいう(段落番号[0012])。これらは漬物ではないので、発酵の際に塩は使用していない。
また、特許文献7には、乳発酵産物であるヨーグルト又はケフィアと、カルシウム塩、オリゴ糖および蜂蜜類を有効成分として含む健康食品が開示されている。カルシウム塩は好ましくは乳酸カルシウムであり、最も好ましくは発酵によって製造されるL−乳酸カルシウムである。L−乳酸カルシウムは水溶性であり、また、体内ではL型乳酸のみが代謝されるためである(段落番号[0009])。
特許第3091196号 特開2007−236344 特開平6−225721 特開2006−223115 特開2000−245393 特開2003−9814 特開平9−37711
上記のように、乳酸発酵を利用した漬物やキャベツの発酵物を原料とする健康食品は公知である。しかし、キャベツの含塩乳酸発酵物(キャベツ由来の食物繊維を含むものである)と乳酸菌とを含有する粉末は知られていない。キャベツの含塩乳酸発酵物には乳酸が含有されているため、十分に乾燥することが困難であったからである。
本発明者等は、整腸に効果のある食物繊維と植物性乳酸菌とを容易に大量に摂取できる食品を開発すべく、鋭意検討を重ねてきた。本発明者らは、先ず、植物由来乳酸菌を大量に摂取させるために、発酵対象食品としてキャベツを選択した。そして、キャベツの含塩乳酸発酵物を得た後、その中に含有されている乳酸菌の生存を維持する方法及び食品の保存性を高めるための粉末化について鋭意検討した。その結果、発酵物の中和にカルシウムを使用することで、乳酸菌の生存が維持され且つ十分に乾燥した粉末が得られることを知見し、本発明を完成させた。
即ち、本発明は、キャベツの含塩乳酸発酵物の粉末、塩化ナトリウム、乳酸カルシウム、及びラクトバチルス(Lactobacillus)属のホモ乳酸菌を含み、その水溶液(2質量%)のpHが5.0以上であることを特徴とする発酵キャベツ粉末に関する。この発酵キャベツ粉末は、前記成分に加え、キャベツの含塩乳酸発酵物に由来しない食物繊維をも含有していてよい。
また、本発明は、キャベツを塩化ナトリウムの存在下でラクトバチルス属のホモ乳酸菌で乳酸発酵させる工程、発酵産物中の乳酸をカルシウムで中和する工程、前記中和後の乾燥工程、及び粉末化工程を含む、発酵キャベツ粉末の製造方法に関する。
本発明により、整腸に効果のある植物性乳酸菌を、容易に大量に摂取することが可能となる。また、本発明の発酵キャベツ粉末の摂取により、腸内において、ラクトバチルス属のホモ乳酸菌のみならず、ビフィズス菌の数も増えるため、優れた整腸効果が得られる。本発明の発酵キャベツ粉末が、別途添加された食物繊維をも含有するものである場合には、その摂取によって示される整腸効果はさらに高い。また、本発明の発酵キャベツ粉末を摂取することにより、ダイエット効果や体調改善効果も期待できる。さらに、本発明の製造方法では、乾燥効率がよいので、生産に係るエネルギー・コストが小さい。
初めに、本発明の発酵キャベツ粉末について説明する。本発明の発酵キャベツ粉末の必須構成成分は、キャベツの含塩乳酸発酵物の粉末、塩化ナトリウム、乳酸カルシウム、及びラクトバチルス属のホモ乳酸菌である。
キャベツの含塩乳酸発酵物とは、キャベツを塩化ナトリウムの存在下においてラクトバチルス属のホモ乳酸菌で発酵させて得られる発酵したキャベツである。この発酵したキャベツには、塩化ナトリウム、乳酸、及びラクトバチルス属のホモ乳酸菌が共存している。
キャベツは、アブラナ科の野菜であり、その種類には、結球キャベツ、グリーンボール、紫キャベツ、ちりめんキャベツ、芽キャベツ、ケール、コールラビ、カイラン等がある。本発明では、いずれも使用することができる。また、キャベツは、葉部のみならず、芯部も使用することができる。
キャベツの含塩乳酸発酵物の製造方法及びその粉末化については、発酵キャベツ粉末の製造方法において説明する。
塩化ナトリウムは、キャベツの含塩乳酸発酵物、即ち漬物の製造の際に使用されたものである。但し、漬物の製造後に添加された塩化ナトリウムも含有していてよい。
ホモ乳酸菌を使用した乳酸発酵では、乳酸が生成される。本発明の発酵キャベツ粉末に含有されている乳酸カルシウムは、発酵で生成された乳酸をカルシウム含有素材で中和することによって得られたものである。但し、別途添加された乳酸カルシウムも含有していてよい。なお、乳酸発酵で生成される乳酸はL型乳酸であるから、それに由来する乳酸カルシウムもL型乳酸カルシウムである。L型乳酸カルシウムは、溶解性に優れ、身体への吸収性も高い。別途添加された乳酸カルシウムは、L型に限定されないが、L型であることが好ましい。
中和に使用されるカルシウム含有素材は、人体が摂取しても安全なものであればいずれでもよい。例を挙げると、ライム(石灰乳)、炭酸カルシウム、海藻ミネラル、サンゴカルシウム、カキ殻カルシウム、植物灰化ミネラル等である。中でも海藻ミネラルが好ましい。海藻ミネラルは、海藻類、例えば昆布から抽出したミネラル混合物である。海藻ミネラルに含まれるミネラルとしては、カルシウムの他に、マグネシウム、カリウム、ヨード等があり、海藻ミネラルを使用して乳酸の中和を行えば、本発明の発酵キャベツ粉末を摂取することにより、これらのミネラル類も同時に摂取することができる。なお、昆布等の海藻類からのミネラルの抽出は、例えば水抽出、熱水抽出等の方法によればよく、また、抽出に使用する水は、酸性とすることが好ましい。抽出効率が高まるからである。抽出後は、必要に応じて濃縮や粉末化を行ってもよい。
本発明の発酵キャベツ粉末は、ラクトバチルス属のホモ乳酸菌を含有する。この乳酸菌は、キャベツを餌に増殖するものであるから、植物由来乳酸菌である。従って、酸に強く、生きたまま腸まで届くといわれている。また、ホモ乳酸菌であるから、発酵の際に糖類から乳酸のみを生成する。
本発明では、植物由来の、ラクトバチルス属のホモ乳酸菌であれば、いずれも使用することができるが、ラクトバチルス・サケ(Lactobacillus sakei)が好ましく、ラクトバチルス・サケHS−1株が特に好ましい。ラクトバチルス・サケHS−1株は、茨城県工業技術センターにて発酵キムチから分離された乳酸菌であり、漬物用スターターとしての用途が、特許第3091196号に記載されている。また、ラクトバチルス・サケに属する乳酸菌として、HS−1株の他に、生モト酒母より分離されたNBRC3541株や、温帯落葉広葉樹林鯛の腐葉土から分離されたKLB3138aC株も知られており(特開2007−236344を参照のこと)、これらも使用することができる。
本発明の発酵キャベツ粉末は、ラクトバチルス属のホモ乳酸菌を、10乃至1010cfu/gの量で含有するものであることが好ましく、10乃至10cfu/gの量で含有するものであることがさらに好ましい。乳酸菌の量が少なすぎると、摂取する個体によっては、十分な整腸効果が見込めないこともあり得る。
本発明の発酵キャベツ粉末に含まれている発酵したキャベツの粉末には、キャベツ由来の食物繊維が含まれているが、本発明の発酵キャベツ粉末は、さらに、発酵キャベツに由来しない食物繊維をも含むものであってもよい。本発明において使用する食物繊維は、食物繊維であれば特に限定されないが、例を挙げると次の通りである。
(水溶性食物繊維)難消化性デキストリン、アルギン酸又はその塩、グアガム、ローカストビーンガム、タラガントガム、ペクチン、グアガム酵素分解物、グルコマンナン、ガラクトマンナン、キシログルカン、コンドロイチン硫酸、ポリデキストロース、プルラン等。
(不溶性食物繊維)セルロース、小麦ふすま、大豆繊維、コーンブラン、ふのり等。
発酵キャベツに由来しない食物繊維は、本発明の発酵キャベツ粉末において賦形剤としての役割も果たす。その量は特に限定されないが、例えば、本発明の発酵キャベツ粉末全量中の10乃至95質量%程度である。
本発明の発酵キャベツ粉末は、その水溶液(粉末の含有量:2質量%)がpH5.0以上であり、好ましくはpH6.0以下であり、さらに好ましくはpH5.3乃至5.9であり、さらにより好ましくはpH5.4乃至5.8である。キャベツの含塩乳酸発酵物の製造の際には、乳酸が生成されるために系のpHは徐々に低下し、最終的にはpH 4.0程度となる。植物由来乳酸菌は動物由来乳酸菌と比べて耐酸性に優れるが、それでも、低pH状況下に長時間さらされると死滅してしまう。そこで、生成した乳酸を主としてカルシウムで中和することにより、キャベツの含塩乳酸発酵物の系が、5.0以上(且つ好ましくは6.0以下)のpHを示すように調整するのである。このようなpHを示すキャベツの含塩乳酸発酵物の系から取り出された発酵キャベツに由来する最終製品である発酵キャベツ粉末は、その水溶液(粉末の含有量:2質量%)が、pH5.0以上を、好ましくはpH5.0乃至6.0を、さらに好ましくはpH5.3乃至5.9を、さらにより好ましくはpH5.4乃至5.8を示すものである。なお、カルシウム含有素材として例えば海藻ミネラルを使用した場合には、他のミネラルも乳酸の中和に寄与し得るので、本発明の発酵キャベツ粉末には、乳酸カルシウム以外の乳酸中和物も含有されていてよい。
本発明の発酵キャベツ粉末は、上記成分以外の成分をも含有していてもよい。そのような成分は、乳酸菌の生存に悪影響を与えず、食用にできるものであれば、特に限定されない。例を挙げると、小麦粉、米粉、とうもろこし粉等の穀物粉、糖類、コーン、甘藷や馬鈴薯等の澱粉等である。
次に、本発明の発酵キャベツ粉末の製造方法について説明する。本発明の方法は、キャベツを塩化ナトリウムの存在下でラクトバチルス属のホモ乳酸菌で乳酸発酵させる工程、発酵産物中の乳酸をカルシウムで中和する工程、前記中和後の乾燥工程、及び粉末化工程を含む。
(乳酸発酵工程)
洗浄したキャベツを適宜切断し、これに食塩とラクトバチルス属のホモ乳酸菌の培養液(漬物スターター)とを添加し、発酵に適する温度に保存して乳酸発酵を行わせる。
食塩の量は、キャベツの量を基準として、好ましくは0.5乃至3.0質量%、さらに好ましくは0.9乃至2.0質量%である。漬込み用食塩水の塩濃度としては、好ましくは0.5乃至8.0質量%、さらに好ましくは1.0乃至6.0質量%、さらにより好ましくは1.5乃至5.0質量%である。また、乳酸菌は、その培養液(すなわち、漬物のスターター)の量で、キャベツの量を基準として、好ましくは0.05乃至2質量%、さらに好ましくは0.1乃至1質量%を使用する。なお、乳酸菌の培養液(スターター)中の乳酸菌数は、通常は10乃至1010cfu/g程度である。発酵温度は、5乃至35℃が好ましく、10乃至30℃がさらに好ましい。また、発酵時間は、通常は1乃至7日間、好ましくは2乃至5日間である。
乳酸菌は、適切な保存用培地で継代培養しておき、漬物スターターとして使用する際には、調製用培地で培養してから使用する。保存用培地としては、標準寒天培地の他、一般的な乳酸菌培養に用いるBCP寒天、GYP寒天、TYG寒天培地を用いることが出来る。また、調製用培地としては、例えば、清酒、酵母エキス、グルコース等を含有する液体培地、グルコース、酵母エキス、ペプトン、肉エキス、フィッシュミール等を含有する液体培地等が挙げられる。調製用培地で培養した乳酸菌を保存する場合には、食品添加用炭酸カルシウムを0.1乃至1.0質量%程度添加し、冷蔵庫で保存する。
(中和工程)
乳酸発酵で生成される乳酸を中和し、カルシウム塩とする。この工程は、発酵終了後に行ってもよいし、発酵途中から断続的に行ってもよい。中和に使用するのは、前記したように、ライム(石灰乳)、炭酸カルシウム、海藻ミネラル等のカルシウム含有素材であって、人体が摂取しても安全なものである。カルシウム含有素材の使用量は、製造されるキャベツ発酵物の系(発酵したキャベツの濃度:1乃至10質量%程度)が、pH5.0以上、好ましくはpH5.0乃至6.0、さらに好ましくはpH5.3乃至5.9、さらにより好ましくはpH5.4乃至5.8となる量である。このようなpHとするために必要なカルシウム含有素材の量は、炭酸カルシウムの量に換算して、原料キャベツの量を基準として0.5乃至2.0質量%程度である。
(乾燥工程)
中和後、発酵したキャベツを取り出し(これには、塩化ナトリウム、乳酸カルシウム及びラクトバチルス属のホモ乳酸菌が共存している)、乾燥する。乳酸が含有されていると、乾燥が困難であるが、本発明においては、前工程で乳酸は乳酸カルシウムに変換されているので、十分に乾燥することができる。乾燥方法は、乳酸菌が死滅しない方法である限り、特に限定されないが、例を挙げると、凍結乾燥、噴霧乾燥、温風乾燥等である。凍結乾燥が好ましい。この工程の終了時点において、100gの原料キャベツが約6乃至8g程度となる。
(粉末化工程)
乾燥後の発酵したキャベツを粉砕し、粉末化する。粉末化は、通常この分野で使用される高速ミキサーやロールミル、カッターミル、ヤリヤ型ミル、ボールミル、ジェットミル
等を使用して行えばよい。
本発明の発酵キャベツ粉末として、発酵したキャベツに由来しない食物繊維をも含むものを製造する場合には、食物繊維は、中和工程の後、乾燥工程の後又は粉末化工程の後に添加する。食物繊維添加後の工程は、食物繊維を添加しない場合と同様である。
本発明の発酵キャベツ粉末の摂取量は特に限定されないが、例えば、成人1日当たり0.5乃至10g程度である。1日1回の摂取でもよいし、1日あたり2乃至5回程度の摂取であってもよい。
その摂取方法は、50℃以上の高温のものと接触しない限り、特に限定されない。例えば、水と共に摂取してもよいし、米飯に振りかけてもよいし、塩の代わりに(但し、加熱したり、高温のものと接触させてはならない)使用してもよい。
本発明の発酵キャベツ粉末を、少なくとも1週間、好ましくは2週間程度継続して摂取することにより、腸内フローラが変化し、植物性ホモ乳酸菌やビフィズス菌が存在する良好な状態となる。
以下に、実施例により、本発明を具体的に説明する。
(実施例1)乳酸菌の保存培養及び調製培養
(1)使用した乳酸菌
(有)那須バイオファームにて調製したラクトバチルス・サケ(Lactobacillus sakei)HS−1株を使用した。その特徴、規格及び分析方法は、次の通りである。
(1−1)特徴及び規格
(特徴)ホモ乳酸菌であり、刺激臭やガス生成を認めない。製品は淡黄色液状である。低温(10乃至15℃)でも増殖可能である。食塩耐性は8質量%である。本菌による発酵物のpH低下は、pH4程度までである。
(製品(スターター)の規格値)乳酸菌数は10cfu/g以上、一般生菌数は1,000cfu/g以下、カビ・酵母は1,000cfu/g以下、大腸菌群陰性。
(1−2)分析方法
(乳酸菌数)BCP培地又は標準寒天培地で培養して計測する。
(一般生菌数)標準寒天培地で培養して計測する。
(カビ・酵母)PDA培地で培養して計測する。
(大腸菌群)DESO培地で培養して計測する。
(2)保存培養
保存用培地として、標準寒天培地(栄研化学株式会社製)を使用した。培養は、高層標準培地に培養すべき乳酸菌を含有する試料を穿刺し、20乃至25℃で培養した。これを3ヶ月毎に継代培養して実験に使用した。
(3)調製培養
調製用の液体培地組成は、次の通りであった。液体培地は、121℃で20分間殺菌した。保存用培地の菌体の一部を取り、液体培地に接種した。培養は20℃にて120時間行った。このようにして調製した乳酸菌培養物に、食品添加物用炭酸カルシウムを1.0%添加し、スターターとした。これをポリスタンド袋に充填して7℃以下とし、その後10℃の冷蔵庫内で保管した。なお、使用期限は、未開封において製造後3ヶ月とした。
(液体培地組成)
清酒 5.00%
酵母エキス 1.25%
グルコース 1.00%
食品添加物用酢酸ナトリウム 0.10%
硫酸マグネシウム 0.02%
NaOH水溶液 pH調製に必要な量
水道水 バランス
pH 7.0
(実施例2)発酵キャベツ粉末の製造
(1)発酵キャベツの製造
洗浄した結球キャベツを、約4〜5cm角に切断した。1.5質量%濃度の食塩水を調製し、これに、実施例1で調製したスターターを、キャベツ1kg当たり1gの量で添加した。スターターを含む食塩水に切断したキャベツを漬け込み、冷蔵庫中で一晩発酵させた。翌朝、海藻ミネラルを添加し、発酵液、すなわちキャベツ発酵物の系、のpHを5.5とした。
(2)発酵キャベツ粉末の製造
発酵したキャベツを取り出し、凍結乾燥を行った。得られた乾燥品には、発酵したキャベツ、塩化ナトリウム、乳酸カルシウム、ラクトバチルス・サケHS−1株が含まれている。これに、難消化性デキストリンを前記乾燥品の9倍(質量単位)で加えた。得られた混合物を高速ミキサーで粉砕し、キャベツの含塩乳酸発酵物を10質量%含有する発酵キャベツ粉末を得た。この粉末を2質量%含有する水溶液のpHは、5.4であった。
(実施例3)塩漬けキャベツ粉末の製造
実施例1で調製したスターターを用いないこと以外は、実施例2と同様の方法で、塩漬けキャベツ粉末を製造した。
(実施例4)官能試験
17名の被験者により、実施例2で調製した発酵キャベツ粉末と、実施例3で調製した塩漬けキャベツ粉末との官能応評価を行った。評価は5点法の絶対評価とし、最もよい場合を5点とした。結果(平均値)を表1に示す。表1から明らかなように、発酵キャベツ粉末は、塩漬けキャベツ粉末よりも高い評価を得た。
Figure 2011055762
(実施例5)摂食試験(その1)
実施例2で調製した発酵キャベツ粉末と、実施例3で調製した塩漬けキャベツ粉末との摂食試験を行った。被験者には、いずれかの粉末を一日当たり2g摂取させた。摂取期間は21日とした。便通と体重の変動についてアンケートを行った。なお、体重の変動は、摂食前3日間の平均体重と、摂食期間の最後の3日間の平均体重とを比較することによって評価した。結果は次の通りであった。
(便通の改善) 発酵キャベツ粉末摂食区では、16名中6名(37.5%)が、便通が改善したと報告した。塩漬けキャベツ粉末摂食区では、14名中4名(28.6%)が、便通が改善したと報告した。
(体重の変動) 有効回答は、発酵キャベツ粉末摂食区では7名、塩漬けキャベツ粉末摂食区では6名であった。発酵キャベツ粉末摂食区の体重の低下(平均値)は0.13kgであり、塩漬けキャベツ粉末摂食区の体重の低下(平均値)は0.08kgであった。
この試験では、被験者は添加された発酵キャベツに由来しない食物繊維(難消化性デキストリン)も摂取したので、塩漬けキャベツ粉末摂食区でも、便通の改善と体重の低下の効果が得られた。しかし、それらの効果は、本発明の発酵キャベツ粉末摂食区において、より高いものであった。
(実施例6)摂食試験(その2)
実施例2で調製した発酵キャベツ粉末の摂食試験を行った。被験者には、発酵キャベツ粉末を一日当たり2g摂取させた。摂取方法は、朝食、昼食及び夕食の前又は後に、水と共に摂取するか、又は米飯に振りかけて食するというものであった。摂取期間は2週間とした。以下の要領で検便を行い、腸内細菌の変遷について検討した。
(1)検便の日程
1回目: 摂食試験開始前
2回目: 1週間摂取後
3回目: 2週間摂取後
4回目: 摂取終了の1カ月後
(2)検便実施要領
(2−1)検査対象菌類、検出用培地及び培養条件
寒天培地は、均一の平板とするために、専用のNEW BRUNSWICK SCIENTIFIC EDISON社製のPOURMATIC―MP−1000を用いて調製した。寒天平板培地は、37℃で24時間、その表面を乾燥させ、また、その他の菌が存在しないことを確認した後に用いた。検査対象菌類、検出用培地及び培養条件を、表2に示す。
Figure 2011055762
(2−2)採便方法及び検体の調製方法
以下の通りであった。
専用のスプーン付き採便容器(以下の組成の輸送用培地9ml入りの25ml容ポリ容器)の重量を計測し、被験者に渡した。被験者には約1gの便を採取させ、その後採便重量を計測した。
(輸送用培地組成)
ブレイン・ハート・インフュージョン 37.0g
レザズリン(0.1%溶液) 0.5ml
寒天 1.0g
L−システイン塩酸塩一水和物 0.5g
炭酸ナトリウム 4.0g
精製水 全量が1,000mlとなる量
採便試料を、以下の組成の希釈用培地を用いて希釈した。希釈倍率は8剰程度までとした。
(希釈用培地組成)
リン酸二水素カリウム 4.5g
リン酸一水素ナトリウム 6.0g
L−システイン塩酸塩一水和物 0.5g
トゥイーン80 0.5g
寒天 1.0g
精製水 全量が1,000mlとなる量
目標とした希釈程度の前後の希釈倍率の3検体を、専用の分散装置(IUL INSTRUMENTS BARCELONA社製、EDDY JET)により分散させ、シャーレ培養供試検体として、寒天培地に接種した。培養し、出現コロニー数を数えた。その際、1プレート当たりのコロニー数が100個以下のものをについて、計測を行った。
結果を表3及び表4に示す。なお、表3は、全被験者(15名)についてのデータをまとめたものであり(但し、摂取終了の1カ月後については、被験者3名は検体を提出しなかった)、表4は、摂食試験開始前の検体について、乳酸桿菌及び乳酸球菌が検出されなかった被験者6名についてのデータをまとめたものである。
Figure 2011055762
Figure 2011055762
表3より、植物性乳酸菌ラクトバチルス・サケHS−1株の摂取が、乳酸球菌の増殖を促し、ビフィズス菌の定着に寄与する傾向にあることが判明した。また、表4(摂食試験開始前の検体について、乳酸桿菌及び乳酸球菌が検出されなかった被験のデータ)より、植物性乳酸菌ラクトバチルス・サケHS−1株の摂取が、乳酸球菌を常在化させる傾向にあること及びビフィズス菌の定着に寄与する傾向にあること、そして、当該HS−1株自体が常在化する傾向にあることが判明した。

Claims (8)

  1. キャベツの含塩乳酸発酵物の粉末、塩化ナトリウム、乳酸カルシウム、及びラクトバチルス属のホモ乳酸菌を含み、その水溶液(2質量%)のpHが5.0以上であることを特徴とする発酵キャベツ粉末。
  2. さらに、キャベツの含塩乳酸発酵物に由来しない食物繊維をも含む、請求項1に記載の発酵キャベツ粉末。
  3. ラクトバチルス属のホモ乳酸菌を、10乃至1010cfu/gの量で含有する、請求項1又は2に記載の発酵キャベツ粉末。
  4. ラクトバチルス属のホモ乳酸菌が、ラクトバチルス・サケである、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の発酵キャベツ粉末
  5. キャベツを塩化ナトリウムの存在下でラクトバチルス属のホモ乳酸菌で乳酸発酵させる工程、発酵産物中の乳酸をカルシウムで中和する工程、前記中和後の乾燥工程、及び粉末化工程を含む、発酵キャベツ粉末の製造方法。
  6. 中和工程の後、乾燥工程の後又は粉末化工程の後に、食物繊維を添加する工程を含む、請求項5に記載の発酵キャベツ粉末の製造方法。
  7. ラクトバチルス属のホモ乳酸菌が、ラクトバチルス・サケである、請求項5又は6に記載の発酵キャベツ粉末の製造方法。
  8. 生成した乳酸をカルシウムで中和するに際し、海藻ミネラルを使用する、請求項5乃至7のいずれか一項に記載の発酵キャベツ粉末の製造方法。
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