以下、本発明のインターホンシステムを適用した最良の実施の形態例について、図面を参照して説明する。
図1(A)は、本発明の第1の実施例によるインターホンシステムの全体構成を示すシステム構成図である。このインターホンシステムは、子機1aと、子機/親機ラインL1aを経由して子機1aに接続される親機2aと、個別のラインを経由して親機2aにスター配線で接続される複数の当該増設親機、ここでは、個別の親機/増設ライン(以下、第1、第2の各親機/増設ラインという。)L2a、L2bを経由して親機2aにスター配線で接続される2台の増設親機(以下、第1、第2の各増設親機という。)3a、3bとが設けられている。
ここで、子機1aは、3階建ての2世帯住宅やオフィス等の住戸外、例えば、住戸玄関に設置されるものであり、来訪者が住戸内に在室中の居住者を呼び出すために操作する例えば、呼出ボタンにて構成される子機操作部100と、呼出操作を行った来訪者や住戸外の周囲近傍の映像を撮像するための例えば、CCD、CMOS等の各種の映像撮像媒体にて構成されるカメラ101と、来訪者が居住者との間で通話を成立させるための音声信号を入出力する例えば、マイク、スピーカにて構成される子機通話部102とを有している。
また、親機2aは、3階建ての2世帯住宅やオフィス等の住戸内の例えば、2階部に設置されるものであり、子機1aのカメラ101にて撮像された映像(映像信号)を出画するための例えば、LCD、PDP、有機ELディスプレイ等の各種の出画表示媒体にて構成される親機モニタ200と、来訪者による子機1aからの呼び出しがあることを呼出報知するとともに、居住者が来訪者との間で通話を成立させるための音声信号を入出力する例えば、マイク、スピーカにて構成される親機通話部201と、来訪者による子機1aからの呼び出しがあることを確認した居住者が応答して親機通話部201の使用による通話を成立させるための応答操作、当該成立中の通話を終了するための終話操作、後述する第1、第2の各増設親機3a、3bにて設定される終端抵抗の設定状況を確認するための確認操作を行う例えば、通話ボタン、タッチパネルにて構成される親機操作部202と、第1、第2の各親機/増設ラインL2a、L2bを接続するための親機ライン接続端子(以下、第1、第2の各親機ライン接続端子という。)203a、203bとを有している。
さらに、第1、第2の各増設親機3a、3bは同様な構成であって、3階建ての2世帯住宅やオフィス等の住戸内において前述の親機2とは異なる例えば、1階部、3階部にそれぞれ設置されるものであり、子機1aのカメラ101にて撮像された映像(映像信号)を出画するための例えば、LCD、PDP、有機ELディスプレイ等の各種の出画表示媒体にて構成される増設モニタ300と、来訪者による子機1aからの呼び出しがあることを呼出報知するとともに、居住者が来訪者との間で通話を成立させるための音声信号を入出力する例えば、マイク、スピーカにて構成される増設通話部301と、来訪者による子機1aからの呼び出しがあることを確認した居住者が応答して増設通話部301の使用による通話を成立させるための応答操作、当該成立中の通話を終了するための終話操作、自増設親機に接続される第1、第2の各親機/増設ラインL2a、L2bのインピーダンス整合を行う終端抵抗を設定する設定操作のための例えば、通話ボタン、タッチパネル、トグルスイッチ(図示せず。)にて構成される増設操作部302と、第1、第2の各親機/増設ラインL2a、L2bを接続するための増設ライン接続端子303と、自増設親機(の下流側)に別途の当該増設親機を接続するための増設ライン接続端子304とを有している。
なお、本発明の第1の実施例及び後述する第2の実施例において、第1、第2の各増設親機3a、3bは最下流の終端機器であるとし、増設ライン接続端子304には、何らライン接続されていないものとする。
次に、図1(A)に示すインターホンシステムの具体的な構成について、図2のブロック図を参照して説明する。
図2に示す親機2aには、前述の親機モニタ200、親機通話部201、親機操作部202及び第1、第2の各親機ライン接続端子203a、203bと、親機映像復調回路204と、映像出力回路(以下、第1、第2の各映像出力回路という。)205a、205bと、親機データ送受信回路206と、親機ハイブリッド回路207と、親機フィルタ回路(以下、第1、第2の各親機フィルタ回路という。)208a、208bと、親機制御部209と、親機インターフェース回路(以下、親機I/Fという。)210とが備えられている。
この親機2aにおいて、親機映像復調回路204は、図1(A)に示す子機1aのカメラ101にて撮像・変調された後、子機/親機ラインL1a、親機I/F210を順次経由して伝送されてくる映像信号を復調し、親機モニタ200に出画させるためのものである。また、第1、第2の各映像出力回路205a、205bは、第1、第2の各親機ライン接続端子203a、203bの端子数、すなわち、2個に対応して設けられ、図1(A)に示す子機1aのカメラ101にて撮像・変調された後、子機/親機ラインL1a、親機I/F210を順次経由して伝送されてくる映像信号を、第1、第2の各親機ライン接続端子203a、203bに送出するためのものである。
親機データ送受信回路206は、図1(A)に示す子機1aにて生成・変調された後、子機/親機ラインL1a、親機I/F210を順次経由して伝送されてくるデータ信号、又は親機ハイブリッド回路207を経由して受信された第1、第2の各増設親機3a、3bからのデータ信号を復調し、親機制御部209に送出するとともに、親機制御部209にて生成されるデータ信号を変調し、親機ハイブリッド回路207又は親機I/F210に送出するためのものである。
親機ハイブリッド回路207は、親機通話部201及び親機I/F210の間で送受信される音声信号の信号伝送路と、第1、第2の各親機フィルタ回路208a、208b及び親機I/F210の間で送受信される音声信号の信号伝送路と、親機データ送受信回路206及び第1、第2の各親機フィルタ回路208a、208bの間で送受信されるデータ信号の信号伝送路とをそれぞれ形成するにあたり、送受信される音声信号及びデータ信号を2線−4線(4線−2線)変換や増幅し、その送受信の動作をハイ・インピーダンスで行うものである。また、第1、第2の各親機フィルタ回路208a、208bは、前述の第1、第2の各映像出力回路205a、205bと同様、第1、第2の各親機ライン接続端子203a、203bの端子数、すなわち、2個に対応して設けられ、第1、第2の各映像出力回路205a、205bからの映像信号の相互干渉を抑えるとともに、第1、第2の各親機/増設ラインL2a、L2bとの間で送受信される音声信号及びデータ信号をバス形式で行うにあたり、これら音声信号及びデータ信号を通過させるものである。
親機制御部209は、当該親機の構成各部を制御するためのものである。また、親機I/F210は、子機/親機ラインL1aから映像復調回路204及び第1、第2の各映像出力回路205a、205bにそれぞれ送出される映像信号の信号伝送路と、親機データ送受信回路206及び子機/親機ラインL1aの間で送受信されるデータ信号の信号伝送路と、親機ハイブリッド回路207及び子機/親機ラインL1a間で送受信される音声信号の信号伝送路とをそれぞれ形成するためのものである。
また、図2に示す第1、第2の各増設親機3a、3bには、前述の増設モニタ300、増設通話部301、増設操作部302及び増設ライン接続端子303、304と、映像受信回路305と、増設映像復調回路306と、増設データ送受信回路307と、増設ハイブリッド回路308と、増設フィルタ回路309と、終端抵抗設定部310と、増設制御部311とが備えられている。
この第1、第2の各増設親機3a、3bにおいて、映像受信回路305は、第1、第2の各親機/増設ラインL2a、L2bを経由して親機2aから伝送されてくる図1(A)に示す子機1aのカメラ101にて撮像・変調された映像信号を受信するためのものである。また、増設映像復調回路306は、映像受信回路305にて受信された映像信号を復調して増設モニタ300に出画させるためのものである。
増設データ送受信回路307は、増設ハイブリッド回路308を経由して受信される子機1a又は親機2からのデータ信号を復調し、増設制御部311に送出するとともに、増設制御部311にて生成されるデータ信号を変調し、増設ハイブリッド回路308に送出するためのものである。
増設ハイブリッド回路308は、増設通話部301及び増設フィルタ回路309の間で送受信される音声信号の信号伝送路と、増設フィルタ回路309及び増設制御部311の間で送受信されるデータ信号の信号伝送路とをそれぞれ形成するにあたり、送受信される音声信号及びデータ信号を2線−4線(4線−2線)変換や増幅し、その送受信の動作をハイ・インピーダンスで行うものである。また、増設フィルタ回路309は、増設ライン接続端子303に接続された第1、第2の各親機/増設ラインL2a、L2bと増設ハイブリッド回路308との間でバス形式による音声信号及びデータ信号の送受信を行うにあたり、これら音声信号及びデータ信号を通過させるためのものである。
終端抵抗設定回路310は、増設ライン接続端子303に接続された第1、第2の各親機/増設ラインL2a、L2bのインピーダンス整合を行う終端抵抗を設定するためのものである。また、増設制御部311は、当該増設親機の構成各部を制御するためのものであって、例えば、終端抵抗設定回路310の設定状況を検出することができる。なお、終端抵抗設定回路310の設定状況を検出する機能は、増設制御部311から独立させ、別途の回路として設けることもできる。
このように構成された本発明の第1の実施例によるインターホンシステムにおいて、以下、具体的な動作について説明する。
図1(A)、図2にそれぞれ示すように、第1、第2の各親機/増設ラインL2a、L2bを経由して親機2aにスター配線で接続される第1、第2の各増設親機3a、3bの計2台の当該増設親機を適用し、これら増設親機3a、3bが最下流の終端機器である場合、当該システムの施工業者は、その施工時において、増設ライン接続端子303に接続された第1、第2の各親機/増設ラインL2a、L2bのインピーダンス整合を行う終端抵抗を設定する必要がある。具体的には、施工業者が増設操作部302を使用して所定の設定操作を行い、この操作を検出した増設制御部311の制御により、終端抵抗設定回路310に記憶されることになる。
この後、当該システムの施工業者は、第1、第2の各増設親機3a、3bの終端抵抗設定回路310の設定状況を確認するにあたって、親機2aの親機操作部211を使用して所定の確認操作を行う。この操作を検出した親機制御部209は、確認用データ信号を生成し、親機データ送受信回路206、親機ハイブリッド回路207を経由して第1、第2の各親機フィルタ回路208a、208bに送出する。ここで、第1、第2の各親機フィルタ回路208a、208bは、親機制御部209からの確認用データ信号を通過させ、第1、第2の各親機ライン接続端子203a、203b、第1、第2の各親機/増設ラインL2a、L2b、第1、第2の各増設親機3a、3bの増設ライン接続端子303、増設フィルタ回路309、増設ハイブリッド回路308を経由して増設制御部311にそれぞれ、バス形式で送出する。
第1、第2の各増設親機3a、3bの増設制御部311は、親機2aの親機制御部209からの確認用データ信号を受信すると、終端抵抗設定回路310の設定状況を読み出し、読み出された設定状況データ信号を前述の確認用データ信号と逆の信号伝送路を経由して親機2aの親機制御部209に送出する。
親機2aの親機制御部209は、第1、第2の各増設親機3a、3bの増設制御部311からの設定状況データ信号を受信し、その解析結果に基づき例えば、終端抵抗が未設定の当該増設親機が存在している場合や終端抵抗が設定された当該増設親機の台数が第1、第2の各親機ライン接続端子203a、203bの端子数よりも多い場合には、終端抵抗の設定時における異常であると判断し、その旨の警報発報を例えば、親機モニタ200及び親機通話部201を使用して行うことができる。具体的には、親機モニタ200に表示させる警報メッセージや、親機通話部201を構成するスピーカから出力させる警報音や音声メッセージが該当する。
前述までの説明から明らかなように、本発明の第1の実施例において当該システムの施工業者は、第1、第2の各増設親機3a、3bに接続される個別のラインである第1、第2の各親機/増設ラインL2a、L2bのインピーダンス整合を行う終端抵抗の設定を親機2aにて確認するにあたり、その確認が容易となるばかりでなく、異常を確認した場合には、再設定等の迅速な対応が可能となる。
次に、当該システムの施工が正常に終了した後、3建ての2世帯住宅やオフィス等の住戸玄関に居る来訪者が、住戸内に在室中の居住者を呼び出すにあたり、図1(A)に示す子機1aの子機操作部100を使用して所定の呼出操作を行うと、この子機1aから子機/親機ラインL1a、親機2aの親機I/F210、親機データ送受信回路206を経由して親機制御部209に呼出用データ信号が送出され、この呼出用データ信号を受信した親機制御部209の制御により、来訪者による子機1aからの呼び出しがある旨の呼出報知が親機モニタ200及び親機通話部201を使用して行われる。具体的には、親機モニタ200に表示させる呼出メッセージや、親機通話部200を構成するスピーカから出力させる呼出音や音声メッセージが該当する。また、親機制御部209は、受信した呼出用データ信号を、前述の確認用データ信号と同様な信号伝送路を経由し、バス形式で第1、第2の各増設親機3a、3bの増設制御部311に送出する。
第1、第2の各増設親機3a、3bの増設制御部311は、親機2aを経由した子機1aからの呼出用データ信号を受信すると、来訪者による子機1aからの呼び出しがある旨の呼出報知を増設モニタ300及び増設通話部301を使用して行うことができる。具体的には、増設モニタ300に表示させる呼出メッセージや、増設通話部301を構成するスピーカから出力させる呼出音や音声メッセージが該当する。
また、親機2aの親機制御部209の制御により能動となる子機1aのカメラ101は、呼出操作を行った来訪者や住戸玄関の周囲近傍の映像の撮像を開始し、変調された映像信号を生成する。この映像信号は、子機1aから子機/親機ラインL1a、親機2aの親機I/F210を経由して親機映像復調回路204に伝送され復調した後、親機モニタ200に出画されるとともに、同親機I/F210から第1、第2の各映像出力回路205a、205b、第1、第2の各親機ライン接続端子203a、203b、第1、第2の各親機/増設ラインL2a、L2b、第1、第2の各増設親機3a、3bの増設ライン接続端子303、映像受信回路305を経由して増設映像復調回路306にて受信され復調した後、増設モニタ300に出画される。
次に、前述のような呼出報知及び映像のモニタ出画の各動作をもとに、来訪者による子機1aからの呼び出しがあることを当該来訪者の判別と併せて確認できた居住者は、親機2、第1、第2の各増設親機3a、3bのうち何れか1の当該機器を使用して所定の応答操作を行い、来訪者との間で通話を成立させることができる。
具体的に、例えば、3階建ての2世帯住宅やオフィス等の住戸内の2階部に居る居住者が、親機2aの親機操作部202を使用して所定の応答操作を行うと、この操作を検出した親機制御部209の制御により、居住者が使用する親機通話部201から親機ハイブリッド回路207、親機I/F210、子機/親機ラインL1aを順次経由して図1(A)に示す子機1aの子機通話部102までの通話路が形成され、形成された通話路を経由して音声信号を送受信することにより、親機2aを使用して所定の応答操作を行った居住者にとっては、親機モニタ200に出画されている来訪者の映像を確認しながら通話を成立させることができる。
また、例えば、3階建ての2世帯住宅やオフィス等の住戸内の1階部に居る居住者が、第1の増設親機3aの増設操作部302を使用して所定の応答操作を行うと、この操作を検出した第1の増設親機3aの増設制御部311(及び親機2aの親機制御部209)の制御により、居住者が使用する増設通話部301から増設ハイブリッド回路308、増設フィルタ回路309、増設ライン接続端子303、第1の親機/増設ラインL2a、親機2aの親機ライン接続端子203a、第1の親機フィルタ回路208a、親機ハイブリッド回路207、親機I/F210、子機/親機ラインL1aを順次経由して図1(A)に示す子機1aの子機通話部102までの通話路が形成され、形成された通話路を経由して音声信号を送受信することにより、第1の増設親機3aを使用して所定の応答操作を行った居住者にとっては、増設モニタ300に出画されている来訪者の映像を確認しながら通話を成立させることができる。
さらに、例えば、3階建ての2世帯住宅やオフィス等の住戸内の3階部に居る居住者が、第2の増設親機3bの増設操作部302を使用して所定の応答操作を行うと、この操作を検出した第2の増設親機3bの増設制御部311(及び親機2aの親機制御部209)の制御により、居住者が使用する増設通話部301から増設ハイブリッド回路308、増設フィルタ回路309、増設ライン接続端子303、第2の親機/増設ラインL2b、親機2aの親機ライン接続端子203b、第2の親機フィルタ回路208b、親機ハイブリッド回路207、親機I/F210、子機/親機ラインL1aを順次経由して図1(A)に示す子機1aの子機通話部102までの通話路が形成され、形成された通話路を経由して音声信号を送受信することにより、第2の増設親機3bを使用して所定の応答操作を行った居住者にとっては、増設モニタ300に出画されている来訪者の映像を確認しながら通話を成立させることができる。
なお、親機2aの親機ハイブリッド回路207及び第1、第2の各増設親機3a、3bの増設ハイブリッド回路308はそれぞれ、前述の各種データ信号(確認用データ信号/設定状況データ信号/呼出用データ信号)の送受信をハイ・インピーダンスで行うため、前述のようなバス形式の信号伝送を正常に動作させることができる。また、親機2aにおいて、第1、第2の各映像出力回路205a、205bから第1、第2の各親機ライン接続端子203a、203bに映像信号を送出するにあたり、この映像信号は第1、第2の各親機フィルタ回路208a、208bの制御により相互干渉で親機ハイブリッド回路207にフィードバックされることはなく、前述の各種データ信号(確認用データ信号/設定状況データ信号/呼出用データ信号)や音声信号の送受信を行う動作に何ら影響を与えず、正常な動作が可能となる。
前述までの説明から明らかなように、本発明の第1の実施例において親機2a及び第1、第2の各増設親機3a、3bの間の配線は、個別のラインである第1、第2の各親機/増設ラインL2a、L2bのように渡り配線と比較して線路長が短く当該配線の自由度が高められ、その施工性も向上するばかりでなく、各種のデータ信号(確認用データ信号/設定状況データ信号/呼出用データ信号)や音声信号の送受信動作のみならず、映像信号の送信動作に何ら影響を与えずに対ノイズ性が高められる。
次に、前述までの第1の実施例と同様な効果を奏する別途の実施例である本発明の第2の実施例によるインターホンシステムについて、図面を参照して説明する。
図1(B)は、本発明の第2の実施例によるインターホンシステムの全体構成を示すシステム構成図であり、複数の子機(以下、第1、第2の各子機という。)1a、1bと、個別の子機/親機ライン(以下、第1、第2の各子機/親機ラインという。)L1a、L1bを経由して第1、第2の各子機1a、1bに接続される親機2bと、個別のラインを経由して親機2bにスター配線で接続される複数の当該増設親機、ここでは、前述の第1の実施例と同様、第1、第2の各親機/増設ラインL2a、L2bを経由して親機2bにスター配線で接続される第1、第2の各増設親機3a、3bとが設けられている。
なお、第1、第2の各子機1a、1bは、3階建ての2世帯住宅やオフィス等の住戸において複数の異なる住戸玄関毎に設置されるものであり、前述の第1の実施例に適用された子機1aと同様、子機操作部100、カメラ101及び子機通話部102を有している。また、第1、第2の各増設親機3a、3bは、前述の第1の実施例で適用された当該増設親機と同様な構成であり、図3のブロック図に示すように、増設モニタ300、増設通話部301、増設操作部302、増設ライン接続端子303、304、映像受信回路305、増設映像復調回路306、増設データ送受信回路307、増設ハイブリッド回路308、増設フィルタ回路309、終端抵抗設定回路310及び増設制御部311が備えられている。
図3に示す親機2bには、前述の第1の実施例で適用された親機2aを構成する親機モニタ200、親機通話部201、親機操作部202、第1、第2の各親機ライン接続端子203a、203b、映像復調回路204、第1、第2の各映像出力回路205a、205b、親機データ送受信回路206、親機ハイブリッド回路207、第1、第2の各親機フィルタ回路208a、208b、親機制御部209及び親機I/F210と、映像切換回路211とが備えられている。
この親機2bにおいて、映像切換回路210は、親機制御部209により制御され、第1、第2の各子機1a、1bのカメラ101にて撮像・変調され、第1、第2の各子機/親機ラインL1a、L1b、親機I/F210を順次経由して伝送されてくる映像信号のうち何れか1の映像信号を選択して第1、第2の各映像出力回路205a、205bへの信号伝送路を形成するためのものである。
このように構成された本発明の第2の実施例によるインターホンシステムにおいて、以下、具体的な動作について説明する。なお、第2の実施例において、第1、第2の各増設親機3a、3bに接続される第1、第2の各親機/増設ラインL2a、L2bのインピーダンス整合を行う終端抵抗の設定について、親機2bにて確認する動作は、前述の第1の実施例と同様であるため、その説明は省略するものとする。
前述の第1の実施例と同様、当該システムの施工が正常に終了した後、住戸玄関に居る来訪者が住戸内に在室中の居住者を呼び出すにあたり、例えば、前述の第1の実施例と同様、図1(B)、図3に示す第1の子機1aの子機操作部100を使用して所定の呼出操作が行われ、これを検出した親機2bの親機制御部209及び第1、第2の各増設親機3a、3bの増設制御部310の制御により、来訪者による第1の子機1aからの呼び出しがある旨の呼出報知が親機モニタ200及び親機通話部201、増設モニタ300及び増設通話部301を使用して行われた呼出時において、別途の当該子機である第2の子機1bの子機操作部100を使用して所定の呼出操作が行われると、これを検出した親機2bの親機制御部209及び第1、第2の各増設親機3a、3bの増設制御部310の制御により、来訪者による子機1bからの呼び出しがある旨の呼出報知が親機モニタ200及び親機通話部201、増設モニタ300及び増設通話部301を使用して行われる。具体的には、親機モニタ200、増設モニタ300にそれぞれ表示させる呼出メッセージや、親機通話部200、増設通話部300をそれぞれ構成するスピーカから出力させる呼出音や音声メッセージが該当する。
また、親機2bの親機制御部209の制御により能動となる第1、第2の各玄関子機1a、1bのカメラ101は、呼出操作を行った来訪者や住戸玄関の周囲近傍の映像の撮像を開始し、変調された映像信号を生成する。この映像信号は、第1、第2の各子機1a、1bから第1、第2の各子機/親機ラインL1a、L1b、親機2bの親機I/F210を経由して親機映像復調回路204に伝送され復調した後、親機モニタ200に出画、例えば、分割表示されるとともに、同親機I/F210から映像切換回路211に送出される。
ここで、親機2bの映像切換回路211は、例えば、親機2bのユーザー(である居住者)による親機操作部201を使用した所定の選択操作、或いは第1、第2の各増設親機3a、3bのユーザー(である居住者)による増設操作部302を使用した所定の選択操作を検出した親機制御部209により制御され、親機I/F210から第1、第2の各映像出力回路205a、205bへの信号伝送路を切り換えることができる。
具体的に、図1(B)に示す第1の子機1aからの映像信号を第1の増設親機3aにのみ伝送させる一方、第2の子機1bからの映像信号を第2の増設親機3bにのみ伝送させる制御が行われた場合には、第1の子機1aのカメラ101にて撮像・変調された映像信号は、第1の子機/親機ラインL1a、親機2bの親機I/F210、映像切換回路211、第1の映像出力回路205a、第1の親機ライン接続端子203a、第1の親機/増設ラインL2a、第1の増設親機3aの増設ライン接続端子303、映像受信回路305を経由して増設映像復調回路306にて受信され復調した後、増設モニタ300に出画されることになる。一方、第2の玄関子機1bのカメラ101にて撮像・変調された映像信号は、第2の子機/親機ラインL1b、親機2bの親機I/F210、映像切換回路211、第2の映像出力回路205b、第2の親機ライン接続端子203b、第2の親機/増設ラインL2b、第2の増設親機3bの増設ライン接続端子303、映像受信回路305を経由して増設映像復調回路306にて受信され復調した後、増設モニタ300に出画されることになる。
前述までの説明から明らかなように、本発明の第2の実施例によれば、第1、第2の各子機1a、1bのカメラ101にて撮像され、第1、第2の各増設親機3a、3bの増設モニタ300に出画される映像信号の選択が可能となり、その映像信号に基づき来訪者を判別する居住者にとっての利便性が高められる。
本発明のインターホンシステムにおいては、特定の実施の形態をもって説明してきたが、この形態に限定されるものでなく、本発明の効果を奏する限り、これまで知られた如何なる構成のインターホンシステムであっても採用できるということはいうまでもないことである。
具体的に、本発明の第1、第2の各実施例によれば、親機2a、2bに個別のラインを経由してスター配線で接続される複数の増設親機として、2台の増設親機3a、3bを適用したが、この台数に限定されるものではなく、より複数台の当該増設親機を適用することもでき、また増設親機3a、3bの下流側には、終端機器としての当該増設親機をライン接続することもでき、多種・多様な住宅の形態に対応することが可能となる。
また、本発明の第1(、第2)の実施例によれば、複数の機器間で音声信号を送受信して通話を成立させる動作として、来訪者による子機1aからの呼び出しがあることを当該来訪者の判別と併せて確認できた居住者が親機2、第1、第2の各増設親機3a、3bのうち何れか1の当該機器を使用して所定の応答操作を行い、来訪者との間で通話を成立させる場合について説明したが、この通話の形態に限定されるものではない。
例えば、第1、第2の各親機2a、2b及び第1、第2の各増設親機3a、3bには内線呼び出し・通話機能を備えることもできる。この態様において、特定の親機及び増設親機間で各種のデータ信号や音声信号の送受信動作を行うにあたっても、対ノイズ性が高められることになる。
さらに、本発明の第2の実施例によれば、第1、第2の各子機1a、1bのカメラ101にて映像を撮像するタイミングを、来訪者による呼出時として説明したが、これに限定されるものではない。例えば、住戸内に在室中の居住者が住戸外の様子を映像でモニタ監視する監視時のような任意のタイミングであってもよい。