JP2011054243A - 光ディスク原盤からの光透過膜の除去方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 紫外線の照射により固化し、固化すると光透過膜RE11と一体化する剥離膜用レジン液RE2を光ディスクの原盤ODK上の光透過膜RE11上に滴下する。次に、原盤ODKを回転させて剥離膜用レジン液RE2を光透過膜RE11上にて原盤ODKの外周側に移動させるとともに原盤ODKの外周端から外側に飛散させながら、滴下した剥離膜用レジン液RE2に紫外線光を照射して、原盤ODKの外周端から外側に張出した張出し部分A11,A12を有するように剥離膜用レジン液RE2を固化させて光透過膜RE11上に剥離膜RE21を形成する。そして、張出し部分A11,A12を摘んで剥離膜RE21を原盤ODKから剥がし取ることにより、剥離膜RE21と共に光透過膜RE11を原盤ODKから剥離する。
【選択図】 図8
Description
スピンコータは、図1に示すように、回転装置10、滴下装置20、紫外線照射装置30及びコンピュータ装置40を備えている。回転装置10は、円形の光ディスクの原盤ODKが載置されて固定されるターンテーブル11を有する。ターンテーブル11は、電動モータ12の出力軸12aに固定されている。電動モータ12は、駆動回路13によって駆動されて、出力軸12aを軸線周りに回転させてターンテーブル11を垂直軸周りに回転させる。電動モータ12には、ターンテーブル11及び出力軸12aの回転を検出するためのエンコーダ12bが内蔵されている。エンコーダ12bは、ターンテーブル11の回転位置が基準回転位置に来るごとに発生される基準信号φoと、所定の微小な回転角度ずつハイレベルとローレベルとを繰返すパルス列信号からなる回転信号φA,φBとをコンピュータ装置40と駆動回路13に出力する。なお、これらの回転信号φA,φBの位相は、互いにπ/2だけずれている。以降の説明では、これらの基準信号φo及び回転信号φA,φBをまとめて、電動モータ12の回転検出信号という。
次に、図3を参照して、工程ST11〜ST14からなる光ディスクの原盤ODKの検査方法について説明する。
(工程ST11)
まず、作業者は、原盤ODKをスピンコータのターンテーブル11にセットする。
次に、作業者は、入力装置41を操作して、スピンコータによる検査用光透過膜コーティングのシーケンス制御を実行させる。この検査用光透過膜コーティングのシーケンス制御は、コンピュータ装置40により図4に示すシーケンス制御プログラムに従って実行される。このシーケンス制御プログラムは、光透過膜検査工程に入る前に用意されているものであり、コンピュータ装置40内のRAM又はその他の記憶装置に記憶されている。このシーケンス制御プログラムに含まれる各シーケンスの制御時間及び制御内容に関しては、予め用意しておくか、作業者が図示しないプログラムの実行により入力装置41を用いて入力する。以下、このシーケンス制御プログラムによる検査用光透過膜コーティングのシーケンス制御について説明する。
まず、コンピュータ装置40は、駆動回路25を介して電動モータ24の回転を制御することにより、アーム23を回転させてボンベ21を水平に移動してノズル22を、図5(A)に示すように、原盤ODKの所定半径位置まで移動する。この場合、コンピュータ装置40は、電動モータ24の回転検出信号をエンコーダ24aから入力して、入力した回転検出信号を用いて電動モータ24の原点回転位置からの回転角を検出しながら、電動モータ24を、その原点回転位置から、前記ノズル22が移動される所定半径位置に対応した回転角まで回転させる。なお、電動モータ24の原点回転位置とは、ノズル22の原点位置(図2の実線参照)に対応した回転位置である。また、前記所定半径位置は、原盤ODKの内径よりも僅かに外側の半径位置である。例えば、原盤ODKの内径が11mmであり、外径が70mmである場合、原盤ODKの中心から12mmの位置である。なお、この原盤ODKには、半径24mmから半径58mmまでの環状部分にデータが記録されている。
次に、コンピュータ装置40は、前記シーケンスSQ11による原盤ODKの回転を保ったまま、駆動回路27を介してポンプ26を所定時間だけ作動させることにより、チューブ28を介して高圧空気をボンベ21に供給して、図5(A)に示すように、ボンベ21内に予め収容されている光透過膜用の液状物質としての光透過膜用レジン液RE1をノズル22から滴下させる。これにより、原盤ODKは所定の低速(20rpm)で回転しながら、その記録面の所定半径位置(12mm)に光透過膜用レジン液RE1が滴下される。このシーケンスSQ12の制御時間は、原盤ODKの所定半径位置(12mm)の少なくとも全周にわたって光透過膜用レジン液RE1が滴下される時間であり、例えば5秒である。
次に、コンピュータ装置40は、前記シーケンスSQ12による原盤ODKの回転を保つとともに、光透過膜用レジン液RE1の滴下を保ったまま、駆動回路25を介して電動モータ24の回転を制御することにより、アーム23を回転させてボンベ21を水平に移動してノズル22を、図5(B)に示すように、原盤ODKの径方向外側に所定の低速で所定時間だけ移動する。この場合、コンピュータ装置40は、電動モータ24の回転検出信号をエンコーダ24aから入力して、入力した回転検出信号を用いて電動モータ24の回転角度を検出しながら、ノズル22が前記所定半径位置(12mm)から原盤ODKの径方向外側の所定半径位置(例えば、22mm)に所定の低速で所定時間で移動するように、駆動回路25に回転速度を指示しながら電動モータ24を回転させる。前記所定の低速は例えば1mm/秒であり、前記所定時間は例えば10秒である。これによれば、光透過膜用レジン液RE1は、原盤ODKの半径12mmから半径22mmまでの環状部分に滴下されるとともに、原盤ODKの回転により、半径22mmの外側部分にも光透過膜用レジン液RE1は広げられる。
次に、コンピュータ装置40は、前記シーケンスSQ13によるポンプ26の作動を停止させて光透過膜用レジン液の滴下を停止させた後、前記シーケンスSQ13による原盤ODKの回転を保ったまま、駆動回路25を介して電動モータ24の回転を制御することにより、アーム23を回転させてボンベ21を水平に移動してノズル22を原点位置すなわち原盤ODKの外側位置に戻す。この場合、コンピュータ装置40は、電動モータ24の回転検出信号をエンコーダ24aから入力して、入力した回転検出信号を用いて電動モータ24の原点回転位置からの回転角を検出しながら、電動モータ24を、その原点回転位置まで回転させて停止させる。このシーケンスSQ14の制御時間は、ノズル22を原点位置まで戻すために必要な十分な時間であり、例えば5秒である。
次に、コンピュータ装置40は、駆動回路13を介して電動モータ12の回転を制御することにより、図5(C)に示すように、ターンテーブル11すなわち原盤ODKを所定の高速(例えば、1200rpm)で所定時間(例えば、0.1秒)だけ回転させる。
その後、コンピュータ装置40は、駆動回路13を介して電動モータ12の回転速度を徐々に減少制御することにより、図5(C)に示すように、ターンテーブル11すなわち原盤ODKの回転速度を所定時間(例えば、5秒)の間に所定回転速度(例えば、1000rpm)まで減少させる。
その後、コンピュータ装置40は、駆動回路13を介して電動モータ12の回転を制御することにより、図5(C)に示すように、ターンテーブル11すなわち原盤ODKを所定の低速(例えば、20rpm)で所定時間(例えば、5秒)だけ回転させる。
次に、コンピュータ装置40は、前記シーケンスSQ17による原盤ODKの回転を保ったまま、駆動回路31を介して紫外線照射装置30を作動させて、図5(D)に示すように、所定時間(例えば、40秒)だけ、原盤ODKの記録面上に広げられた光透過膜用レジン液RE1に紫外線(UV)を照射して、光透過膜用レジン液RE1を固化させる。これにより、原盤ODKの記録面上に、原盤ODKの内側端(半径11mm位置)の近傍位置(半径12mm位置)から外側端(半径70mm)までの全体にわたって、ほぼ均一に光透過膜RE11が形成される。この光透過膜RE11は、光ディスクに設けられた光透過性樹脂層と屈折率がほぼ等しい。すなわち、この光透過膜RE11の形成により、光透過膜RE11を介してレーザ光を原盤ODKの記録面に集光することによって原盤ODKから得られる反射光は、光ディスクにレーザ光を集光したときの光ディスクからの反射光とほぼ同等となる。ただし、この光透過膜RE11は、固化後にも柔軟性(すなわち弾性)を有している。
次に、コンピュータ装置40は、電動モータ12の回転を停止させて原盤ODKの回転を停止させ、かつ紫外線照射装置30の作動を停止させて光透過膜RE11への紫外線の照射を停止させる。そして、この検査用光透過膜コーティングのシーケンス制御を終了する。
前記シーケンス制御の終了後、作業者は、図3の原盤ODKの検査工程を続ける。図3のシーケンス制御工程ST12の後、作業者は、検査用の光透過膜R11がコーティングされた原盤ODKを、スピンコータのターンテーブル11から取外す。
次に、作業者は、前記取外した原盤ODKを光ディスク検査装置を用いて検査する。すなわち、前記取り外した原盤ODKを光ディスクを検査するための図示しない光ディスク検査装置にセットして、光透過膜RE11を介してレーザ光を原盤ODKの記録面に集光させるとともに、原盤ODKから得られる反射光を用いて、光ディスクと同様な方法により、原盤ODKを検査する。この原盤ODKの検査に関しては、本発明に直接関係しないとともに、従来から知られた技術であるので、これ以上の説明は省略する。
次に、図6を参照して、光ディスクの原盤ODKに形成された検査用光透過膜の除去工程について説明する。
(工程ST21)
まず、作業者は、上述した検査用光透過膜がコーティングされた検査後の原盤ODKをスピンコータのターンテーブル11にセットする。
(工程ST22)
次に、作業者は、入力装置41を操作して、スピンコータによる剥離膜コーティングのシーケンス制御を実行させる。この剥離膜コーティングのシーケンス制御は、コンピュータ装置40により図7に示すシーケンス制御プログラムに従って実行される。このシーケンス制御プログラムは、検査用光透過膜の除去工程に入る前に用意されているものであり、コンピュータ装置40内のRAM又はその他の記憶装置に記憶されている。このシーケンス制御プログラムに含まれる各シーケンスの制御時間及び制御内容に関しても、予め用意しておくか、作業者が図示しないプログラムの実行により入力装置41を用いて入力する。以下、このシーケンス制御プログラムによる剥離膜コーティングのシーケンス制御について説明する。
まず、コンピュータ装置40は、上述した図4のシーケンスSQ11と同様に、電動モータ24の回転を制御することにより、アーム23を回転させてボンベ21を水平に移動してノズル22を、図8(A)に示すように、原盤ODKの所定半径位置まで移動する。この場合、前記所定半径位置は、上述した検査用光透過膜RE1の形成のために光透過膜用レジン液RE1を滴下した半径位置(12mm)よりも僅かに外側の半径位置であり、例えば原盤ODKの中心から13mmの位置である。また、上述した図4のシーケンスSQ11と同様に、前記ノズル22の所定半径位置への移動と同時に、コンピュータ装置40は、電動モータ12の回転を制御することにより、図8(A)に示すように、ターンテーブル11すなわち原盤ODKを所定の低速(20rpm)で回転させる。また、このシーケンスSQ21の制御時間は、図4のシーケンスSQ11と同様に、例えば3秒である。
次に、コンピュータ装置40は、上述した図4のシーケンスSQ12と同様に、前記シーケンスSQ21による原盤ODKの回転を保ったまま、ポンプ26を所定時間だけ作動させることにより、図8(A)に示すように、ボンベ21内に予め収容されている剥離膜用の液状物質としての剥離膜用レジン液RE2をノズル22から滴下させる。この剥離膜用レジン液RE2は、本実施形態の場合には、光透過膜用レジン液RE1と同じである。しかし、剥離膜用レジン液RE2としては、固化したときに光透過膜RE11と一体化して光透過膜RE11を剥離することが可能な柔軟性(弾性)を有する液状物質である限り、種々の液状物質を利用することができる。このシーケンスSQ21の処理により、原盤ODKは所定の低速(20rpm)で回転しながら、その光透過膜RE1上の所定半径位置(13mm)の全周にわたって、剥離膜用レジン液RE2が滴下される。このシーケンスSQ22の制御時間は、光透過膜RE1上に滴下された剥離膜用レジン液RE2が後述する高速回転により原盤ODKの外周から外側へ飛散するように、十分な量の剥離膜用レジン液RE2が光透過膜RE1上に滴下される時間(例えば、7.5秒)に設定されている。
次に、コンピュータ装置40は、上述した図4のシーケンスSQ14と同様に、前記シーケンスSQ22によるポンプ26の作動を停止させて剥離膜用レジン液RE2の滴下を停止させた後、前記シーケンスSQ22による原盤ODKの回転を保ったまま、駆動回路25を介して電動モータ24の回転を制御することにより、アーム23を回転させてボンベ21を水平に移動してノズル22を原点位置すなわち原盤ODKの外側位置に戻す。ただし、このシーケンスSQ23の制御時間は、ノズル22を原点位置まで戻すために必要な十分な時間であり、例えば8秒である。
次に、コンピュータ装置40は、駆動回路13に指示して、電動モータ12の回転速度すなわち原盤ODKの回転速度を高速(例えば、1000rpm)に上昇させる。これと同時に、駆動回路31を介して紫外線照射装置30を作動させて、図8(B)に示すように、原盤ODKの光透過膜RE11上の剥離膜用レジン液RE2に紫外線(UV)を照射して、前記剥離膜用レジン液RE2を固化させる。このシーケンスSQ24の制御時間は、剥離膜用レジン液RE2をある程度固化するために必要な時間であり、例えば5秒である。
次に、コンピュータ装置40は、前記シーケンスSQ24による紫外線の照射を維持したまま、駆動回路13に指示して、電動モータ12の回転速度すなわち原盤ODKの回転速度を低速(例えば、20rpm)に下降させる。このシーケンスSQ25の制御時間は、比較的長い時間(例えば、35秒)である。これにより、図8(C)に示すように、剥離膜RE21は、光透過膜RE11と一体化して完全に固化する。この状態では、光透過膜RE11上に、例えば厚さ100〜300μmの剥離膜RE21が形成される。なお、この剥離膜RE21は、光透過膜R11と一体化するとともに、柔軟性(すなわち弾性)を有している。図9は、この原盤ODKの光透過膜RE11上に形成された剥離膜RE21を平面図により示している。また、図10は、この剥離膜RE21の形成された原盤ODKを撮影した写真である。
次に、コンピュータ装置40は、図4のシーケンスSQ19と同様に、電動モータ12の回転を停止させて原盤ODKの回転を停止させ、かつ紫外線照射装置30の作動を停止させて剥離膜RE21への紫外線の照射を停止させる。そして、この剥離膜コーティングのシーケンス制御を終了する。
前記シーケンス制御の終了後、作業者は、図6の検査用光透過膜の除去工程を続ける。図6のシーケンス制御工程ST22の後、作業者は、剥離膜R21のコーティングされた原盤ODKを、スピンコータのターンテーブル11から取外す。
次に、作業者は、剥離膜R21がコーティングされた原盤ODKを一方の手で持って、他方の手で剥離膜R21の張出し部分A11,A12(特に、ひげ状に張出した張出し部分A12)を他方の手で摘んで、剥離膜R21を光透過膜R11と共に剥がし取る。図11は、この剥離膜R21を光透過膜R11と共に剥がし取っている状態を示す写真である。この工程ST24においては、剥離膜R21の張出し部分A11,A12を手で摘むようにしたが、治具を用いて張出し部分A11,A12を摘んでもよい。
次に、上記検査用光透過膜の除去方法中の工程ST22で実行される剥離膜R21のシーケンス制御の変形例について説明する。この変形例に係る第2の剥離膜コーティングのシーケンス制御は、コンピュータ装置40により、図7の第1のシーケンス制御プログラムに代わる、図12に示す第2のシーケンス制御プログラムに従って実行される。この第2のシーケンス制御プログラムも、検査用光透過膜の除去工程に入る前に用意されているものであり、コンピュータ装置40内のRAM又はその他の記憶装置に記憶されている。この第2のシーケンス制御プログラムに含まれる各シーケンスの制御時間及び制御内容に関しても、予め用意しておくか、作業者が図示しないプログラムの実行により入力装置41を用いて入力する。以下、この第2のシーケンス制御プログラムによる剥離膜コーティングのシーケンス制御について説明する。
まず、コンピュータ装置40は、上述した図7のシーケンスSQ21と同様に、電動モータ24の回転を制御することにより、アーム23を回転させてボンベ21を水平に移動してノズル22を、図13(A)に示すように、原盤ODKの所定半径位置(例えば、13mmの半径位置)まで移動する。また、上述した図7のシーケンスSQ21と同様に、前記ノズル22の所定半径位置への移動と同時に、コンピュータ装置40は、電動モータ12の回転を制御することにより、図13(A)に示すように、ターンテーブル11すなわち原盤ODKを所定の中低速(80rpm)で回転させる。また、このシーケンスSQ31の制御時間は、図7のシーケンスSQ21と同様に、例えば3秒である。
次に、コンピュータ装置40は、上述した図7のシーケンスSQ22と同様に、前記シーケンスSQ31による原盤ODKの回転を保ったまま、ポンプ26を所定時間だけ作動させることにより、図13(A)に示すように、ボンベ21内に予め収容されている剥離膜用の液状物質としての上述した剥離膜用レジン液RE2をノズル22から滴下させる。このシーケンスSQ32の処理により、原盤ODKは所定の中低速(80rpm)で回転しながら、その光透過膜RE1上の所定半径位置(13mm)の少なくとも全周にわたって、剥離膜用レジン液RE2が滴下される。このシーケンスSQ32の制御時間は、後述する剥離膜R21を原盤ODKから剥がす際に、光透過膜R11が破壊されないように、剥離膜R21及び光透過膜R11の強度を向上させるために必要な量の剥離膜用レジン液RE2が光透過膜RE1上に滴下される所定の短い時間(例えば、1.0秒)に設定されている。
次に、コンピュータ装置40は、駆動回路13に指示して、電動モータ12の回転速度すなわち原盤ODKの回転速度を中速(例えば、150rpm)に上昇させて、原盤ODKを所定時間(例えば、5秒)だけ回転させる。なお、このシーケンスSQ33では、剥離膜用レジン液RE2の滴下は停止している。これにより、図13(B)に示すように、前記シーケンスSQ32で滴下した剥離膜用レジン液RE2が径方向外側に若干広げられる。
次に、コンピュータ装置40は、電動モータ24の回転を制御することにより、アーム23を回転させてボンベ21を水平に移動してノズル22を、図13(C)に示すように、原盤ODKの外周近傍の所定半径位置(例えば、62mmの半径位置)まで移動する。また、このノズル22の移動と同時に、コンピュータ装置40は、駆動回路13に指示して、図13(C)に示すように、電動モータ12の回転速度すなわち原盤ODKの回転速度を所定の低速(例えば、20rpm)まで下降させる。また、このシーケンスSQ21の制御時間は、ノズル22の移動が確保される所定の時間(例えば、3秒)である。
次に、コンピュータ装置40は、前記シーケンスSQ34による原盤ODKの回転を保ったまま、ポンプ26を所定時間だけ作動させることにより、図13(C)に示すように、ボンベ21内に予め収容されている剥離膜用レジン液RE2をノズル22から滴下させる。このシーケンスSQ35の処理により、原盤ODKは所定の低速(20rpm)で回転しながら、その光透過膜RE1上の所定半径位置(62mm)の全周にわたって、剥離膜用レジン液RE2が滴下される。このシーケンスSQ35の制御時間は、原盤ODK上の光透過膜RE11の外側に上記第2のシーケンス制御と同様なひげ状の張出し部分A12を形成するのに十分な量の剥離膜用レジン液RE2が光透過膜RE1上に滴下される比較的長い所定の時間(例えば、8.0秒)に設定されている。
次に、コンピュータ装置40は、上述した図7のシーケンスSQ23と同様に、前記シーケンスSQ35によるポンプ26の作動を停止させて剥離膜用レジン液RE2の滴下を停止させた後、前記シーケンスSQ35による原盤ODKの回転を保ったまま、駆動回路25を介して電動モータ24の回転を制御することにより、アーム23を回転させてボンベ21を水平に移動してノズル22を原点位置すなわち原盤ODKの外側位置に戻す。ただし、このシーケンスSQ36の制御時間も、ノズル22を原点位置まで戻すために必要な十分な時間であり、例えば8秒である。
次に、コンピュータ装置40は、前記シーケンスSQ36による原盤ODKの回転を保ったまま、駆動回路31を介して紫外線照射装置30を作動させて、図13(D)に示すように、所定の短時間だけ、原盤ODKの光透過膜RE11上の剥離膜用レジン液RE2に紫外線(UV)を照射する。この場合、前記所定の短時間は、剥離膜用レジン液RE2が固化しない短い時間であり、例えば1秒である。このシーケンスSQ37の処理により、光透過膜RE11上の剥離膜用レジン液RE2の固化が開始されて、剥離膜用レジン液RE2の強度が若干向上する。
次に、コンピュータ装置40は、前記シーケンスSQ37による紫外線の照射を保ったまま、駆動回路13に指示して、電動モータ12の回転速度すなわち原盤ODKの回転速度を高速(例えば、1000rpm)に上昇させる。このシーケンスSQ24の制御時間は、剥離膜用レジン液RE2を固化するために必要な時間であり、例えば5秒である。
次に、コンピュータ装置40は、図7のシーケンスSQ25と同様に、前記シーケンスSQ38による紫外線の照射を維持したまま、駆動回路13に指示して、電動モータ12の回転速度すなわち原盤ODKの回転速度を低速(例えば、20rpm)に下降させて、比較的長い時間(例えば、35秒)だけ電動モータ12を回転させ続ける。これにより、図13(F)に示すように、剥離膜RE21は、光透過膜RE11と一体化して完全に固化する。この場合も、光透過膜RE11上に、例えば厚さ100〜300μmの剥離膜RE21が形成される。また、この場合も、剥離膜RE21は、光透過膜R11と一体化するとともに、柔軟性(すなわち弾性)を有している。図14は、この原盤ODKの光透過膜RE11上に形成された剥離膜RE21を平面図により示している。
次に、コンピュータ装置40は、図7のシーケンスSQ26と同様に、電動モータ12の回転を停止させて原盤ODKの回転を停止させ、かつ紫外線照射装置30の作動を停止させて剥離膜RE21への紫外線の照射を停止させる。そして、この第2の剥離膜コーティングのシーケンス制御を終了する。
次に、上記検査用光透過膜の除去方法中の工程ST22で実行される剥離膜R21のシーケンス制御の他の変形例について説明する。この変形例に係る第3の剥離膜コーティングのシーケンス制御は、コンピュータ装置40により、図7の第1のシーケンス制御プログラムに代わる、図15に示す第3のシーケンス制御プログラムに従って実行される。この第3のシーケンス制御プログラムも、検査用光透過膜の除去工程に入る前に用意されているものであり、コンピュータ装置40内のRAM又はその他の記憶装置に記憶されている。この第3のシーケンス制御プログラムに含まれる各シーケンスの制御時間及び制御内容に関しても、予め用意しておくか、作業者が図示しないプログラムの実行により入力装置41を用いて入力する。以下、この第3のシーケンス制御プログラムによる剥離膜コーティングのシーケンス制御について説明する。
上記第2のシーケンス制御における図12のシーケンスSQ31〜S34の処理と全く同じである。なお、この第3のシーケンス制御の状態を説明するための図16(A)(B)は、図13(A)(B)と同じである。
コンピュータ装置40は、電動モータ12の回転を停止させて、ポンプ26を所定の短時間(0.1秒)だけ作動させることにより、図16(C)に示すように、原盤ODKの回転を停止させた状態で、ボンベ21内に予め収容されている剥離膜用の液状物質としての上述した剥離膜用レジン液RE2をノズル22から滴下させる。このシーケンスSQ45の処理により、原盤ODK上の光透過膜RE1の外周近傍位置(62mm)の位置であって、周方向の一部の位置のみに剥離膜用レジン液RE2が滴下される。
コンピュータ装置40は、図12のシーケンスSQ35と同様に、原盤ODKを所定の低速(20rpm)で回転させながら、剥離膜用レジン液RE2を所定の短時間だけ滴下する。なお、この第3のシーケンス制御の状態を説明するための図16(D)は、図13(C)と同じである。この所定の短時間は、剥離膜用レジン液RE2が原盤ODKの少なくとも全周にわたって滴下される時間で、前記シーケンスSQ35の制御時間(8秒)よりも少ない時間(例えば、4秒)である。前記シーケンスSQ45及びこのシーケンスSQ46により、原盤ODKの外周近傍位置には、全周にわたって比較的少量の剥離膜用レジン液RE2が滴下されるとともに、周方向一部においてのみ多量の剥離膜用レジン液RE2が滴下される。
上記第2のシーケンス制御における図12のシーケンスSQ36〜SQ40の処理と全く同じである。なお、この第3のシーケンス制御の状態を説明するための図16(E)〜(G)は、図13(D)〜(F)と同じである。
Claims (4)
- 光ディスクの原盤の記録面にレーザ光を集光して光ディスクの原盤を検査するために、光ディスクの原盤の記録面に形成した光透過膜を除去する光ディスク原盤からの光透過膜の除去方法であって、
光の照射により固化し、固化すると前記光透過膜と一体化する液状物質を、前記光ディスクの原盤上の光透過膜上に滴下する滴下工程と、
前記光ディスクの原盤を回転させて前記液状物質を前記光透過膜上にて前記光ディスクの原盤の外周側に移動させるとともに前記光ディスクの原盤の外周から外側に飛散させながら、前記滴下した液状物質に光を照射して、前記光ディスクの原盤の外周から外側に張出した張出し部分を有するように前記液状物質を固化させて前記光透過膜上に剥離膜を形成する固化工程と、
前記張出し部分を摘まんで前記剥離膜を前記光ディスクの原盤から剥がし取ることにより、前記剥離膜と共に前記光透過膜を前記光ディスクの原盤から剥離する剥離工程と
を含むことを特徴とする光ディスク原盤からの光透過膜の除去方法。 - 前記滴下工程において、前記光ディスクの原盤を回転させながら、前記光ディスクの原盤の外周近傍位置の前記光透過膜上に前記液状物質を滴下し、かつ
前記固化工程において、前記光ディスクの原盤の外周近傍位置から外側に前記液状物質を固化させるようにした
ことを特徴とする請求項1に記載した光ディスク原盤からの光透過膜の除去方法。 - 前記滴下工程において、前記光ディスクの原盤の外周近傍位置の前記光透過膜上に前記液状物質を滴下する際、周方向の一部のみに他の部分に比べて多量の液状物質を滴下し、かつ
前記固化工程において形成される張出し部分を、前記光ディスクの原盤の周方向の一部のみにおいて大きくするようにした
ことを特徴とする請求項2に記載した光ディスク原盤からの光透過膜の除去方法。 - 前記滴下工程において、前記光ディスクの原盤の外周近傍位置の前記光透過膜上に加えて、前記光ディスクの原盤の内周近傍位置の前記光透過膜上に前記液状物質を滴下し、かつ
前記固化工程において、前記光ディスクの原盤の外周近傍位置から外側に前記液状物質を固化させるのに加えて、前記外周近傍位置から外側の部分とは径方向に離れていて前記光ディスクの原盤の内周近傍位置から外側の光透過膜上にも前記液状物質を固化させるようにした
ことを特徴とする請求項2又は3に記載した光ディスク原盤からの光透過膜の除去方法。
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JP2003303453A (ja) * | 2002-04-08 | 2003-10-24 | Fuji Photo Film Co Ltd | 光情報記録媒体およびその製造方法 |
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