JP2011053133A - ガスサンプリングバック及びフィルム - Google Patents

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【課題】バッグ内部を洗浄する準備処理を簡単にでき、容易に廃棄処理できる、非ハロゲン型の新たなガスサンプリングバックを提供する。
【解決手段】サンプリングガスと接触する側から順次、ポリアクリロニトリル(PAN)樹脂層、接着層、シリカ層及び基材フィルム層を積層してなる構成を備えた積層フィルムからなるガスサンプリングバックを提案する。
【選択図】なし

Description

本発明は、成分分析するガスを捕集し密封することができるガスサンプリングバック、中でもプラスチック等から揮発する極めて微量成分の分析用として特に適したガスサンプリングバック、及びその材料としてのフィルムに関する。
自動車や建築物などに使用されているプラスチック材料からは、ごく微量ではあるものの、有機化合物等の化学物質成分が空気中に放散されている。住宅、自動車の車内などでは、密閉空間となるため、極微量の成分であっても、揮発した化学物質成分(VOC)が何らかの影響を生じる可能性があり、厚生 労働省からもVOC問題に関するガイドライン出され、例えばシックハウスに影響する物質とその濃度が規定されている。そのため、どの材料からどのような化学物質成分が空気中に放散されるのか正確に分析することが重要である。
この種のガスサンプリング検査としては、予め内部を清浄化処理したサンプリングバックやチャンバー内にサンプル(例えばプラスチック材料)を入れ、サンプルを所定の温度で加熱して放散ガス放出を促進させ、サンプリングバッグ内のガスをガスクロマト分析などで検査する方法が知られている。
この種の用途に用いるサンプリングバックには、1)捕集したガスを逃がさない性質、2)袋自体からガスを発生しない性質、3)捕集したガスの成分を吸着しない性質(非吸着特性)などが必要とされる。
そして、この種の用途に用いるサンプリングバックとしては、従来、テドラーバッグTedlar Bag(Tedlarはデュポン社の登録商標、成分:フッ化ビニル)、テフロンバッグ(テフロンは登録商標、主成分:4フッ化エチレン・6フッ化プロピレン共重合体)、エバール(株式会社クラレの登録商標)バッグ(主成分:エチレン酢酸ビニル共重合体ケン化物)などが用いられている(非特許文献1)。中でも、非吸着特性、バリア性に優れ、アウトガスが比較的少ないテドラーバッグ(主成分:フッ化ビニル)が圧倒的シェアで使われている。
小野村恵子ら著「自動車排出ガス捕集バッグの検討」.JARI Research Journal Vol.23 No.3.2001年3月
ところが、“フッ化ビニル樹脂フィルム”からなるサンプリングバッグの場合、サンプリングバッグ自身からの化学物質成分の揮発を防ぐために行うバック内部の清浄作業として、サンプリングバッグをオーブンに入れて数時間加熱する必要があり、たいへん面倒であるという課題を抱えていた。そればかりか、フッ素を含んでいるため、可燃物として廃棄することができず、不燃物として廃棄処理しなければならないという問題を抱えていた。
そこで本発明は、バッグ内部を洗浄する準備処理を、フッ化ビニル樹脂フィルムなどに比べて簡単に済ませることができ、しかも、容易に廃棄処理することができる、非ハロゲン型の新たなガスサンプリングバック、及びその材料としてのフィルムを提供せんとするものである。
本発明は、サンプリングガスと接触する側から順次、ポリアクリロニトリル(PAN)樹脂層、接着層、シリカ層及び基材フィルム層を積層してなる構成を備えた積層フィルムからなるガスサンプリングバックを提案するものである。
本発明のガスサンプリングバックは、1)捕集したガスを逃がさない性質、2)袋自体からガスを発生しない性質、3)捕集したガスの成分を吸着しない性質など、ガスサンプリングバックとして必要な性質を備えているほか、低温での熱処理によりバッグから発生するアウトガス成分を除去することができる。よって、フッ化ビニル樹脂フィルムからなるガスサンプリングバックに比べて、格別簡単に準備作業を済ませることができる。さらに、フッ化ビニル樹脂フィルムなどのようにフッ素などのハロゲンを含まないため、可燃物として廃棄処理することができるばかりか、手でバックを容易に引き裂くことができるので、容易に廃棄処理することができる。
以下、本発明の実施形態の例について説明する。但し、本発明の範囲が以下に説明する実施形態に限定されるものではない。
<本サンプリングバック>
本実施形態に係るガスサンプリングバック(「本サンプリングバック」と称する)は、フィルムを袋状に形成し、その一部に採取口を設け、そこに開閉コックを装着してなる構成を備えたものである。但し、このような構成に限定するものではなく、任意に構成可能である。
<フィルム>
本サンプリングバックを形成するために用いるフィルム(「本フィルム」と称する)は、サンプリングガスと接触する側、すなわちバッグの内側から外側に向かって順次、ポリアクリロニトリル(PAN)樹脂層、接着層、シリカ層、及び、基材フィルム層を積層してなる構成を備えた積層フィルムである。但し、必要に応じて、各層間に他の層を介在させてもよい。例えば、必要に応じてシリカ層と基材フィルム層との間にプライマー層を介在させることは好ましい一例である。
以下、このプライマー層を含めて各層について順次説明する。
(ポリアクリロニトリル(PAN)樹脂層)
ポリアクリロニトリル(PAN)樹脂層は、ポリアクリロニトリル(PAN)を主成分とする層である。
ガスバリヤ性を有する熱可塑性樹脂としては、ポリアクリロニトリル(PAN)のほかにも、エチレンービニルアルコール共重合体、ポリアミド、ポリビニルアルコール、フッ化ビニルなどの樹脂が知られているが、これらの中で、ポリアクリロニトリル(PAN)をバッグ内側の層の主成分として用いると、優れたガスバリヤ性を発揮するばかりか、袋自体からガスを発生しない性質並びに捕集したガスの成分を吸着しない性質等に優れており好ましい。
例えば、テトラデカンを吸着しない点で優れている。
テトラデカンは、自動車のシートなどから揮発する可能性があり、所謂新車の臭い成分の一つであり、厚生労働省に指定された特定VOC(揮発性有機化合物)の一種である。このテトラデカンは、沸点が高く一度何かに付着すると揮発させるのが難しいために、分析が難しい成分として知られているが、ポリアクリロニトリル(PAN)はこのテトラデカンの非吸着性に優れており、この面からも自動車の部品から生じるガスの分析に適している。
ポリアクリロニトリル(PAN)樹脂層の厚みは、特に限定するものではないが、0.1μm〜500μm、特に10μm〜200μmの範囲が好ましい範囲である。
(接着層)
接着層の構成成分は、ポリアクリロニトリル(PAN)樹脂層とシリカ層とを接着することができれば特に限定するものではない。特にドライラミネートに使用し得る接着剤成分であるのが好ましい。例えばアルキド樹脂、メラミン樹脂、アクリル樹脂、硝化綿、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、アミノ樹脂、フッ素樹脂、エポキシ樹脂等の樹脂を含む接着性樹脂である。これらの中でも、シリカ層とポリアクリロニトリル層との接着性の観点から、ポリウレタン樹脂或いはポリエステル樹脂、中でもポリウレタン樹脂を主成分とする接着性樹脂が好ましい。
接着層の厚さは、特に限定するものではないが、0.05μm〜1μmが好ましく、特に0.07μm〜0.5μmであるのがさらに好ましい。
接着層は、上記の接着性樹脂を塗工して形成することができる。塗工方法は、特に限定するものではなく、公知の方法を用いればよい。例えばキャスト法、ディッピング法、ロールコーティング法、グラビアコート法、スクリーン印刷法、リバースコート法、スプレーコート法、キットコート法、ダイコート法、メタリングバーコート法、チャンバードクター併用コート法、カーテンコート法などを挙げることができる。
(シリカ層)
シリカ層は、シリカ(酸化珪素)を主成分とする層である。
シリカ層の形成手段としては、蒸着法、コーティング法などの方法を採用することができるが、ガスバリヤ性が高く、かつ余分な成分が入らずアウトガスの発生を抑制できる点で蒸着法を採用するのが好ましい。
但し、蒸着法は、真空蒸着、イオンプレーティング、スパッタリングなどのPVD(物理的気相蒸着)、CVD(化学的気相蒸着)等の方法を含むことができる。
このシリカ層には、シリカ(酸化珪素)以外に他の金属成分を含有させることも可能である。
そのような金属成分としては、例えば、アルミニウム、マグネシウム、カリウム、リチウム、カルシウム、ナトリウム、チタン、鉛、スズ等の金属及びそれらの酸化物、炭化物、窒化物等が挙げられる。
シリカ層は、単層でも多層でもよい。
シリカ層の厚さは、特に限定するものではないが、0.1nm〜500nmであるのが好ましく、0.5nm〜40nmであるのがさらに好ましい。薄過ぎると十分なガスバリヤ性が得られ難く、また、逆に厚すぎても蒸着膜に亀裂や剥離が発生しやすくなったり、透明性が悪くなったりする可能性がある。
(プライマー層)
基材フィルム層とシリカ層との密着性向上のため、基材フィルム層とシリカ層との間にプライマー層を設けるのが好ましい。
プライマー層(アンカーコート層)の形成法としては、基材フィルム層の表面にプライマーコート剤を塗布する方法を挙げることができる。但し、この方法に限定するものではない。
プライマーコート剤としては、溶剤溶解性又は水溶性のポリエステル樹脂、イソシアネート樹脂、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、ビニルアルコール樹脂、エチレンビニルアルコール樹脂、ビニル変性樹脂、エポキシ樹脂、オキサゾリン基含有樹脂、変性スチレン樹脂、変性シリコン樹脂及びアルキルチタネート等を単独、あるいは2種以上併せて使用することができる。
中でも、密着性、耐熱水性の点から、ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、オキサゾリン基含有樹脂、カルボジイミド基含有樹脂、エポキシ基含有樹脂、イソシアネート含有樹脂及びこれらの共重合体から選ばれる少なくとも1種を用いることが好ましく、更には、ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂、アクリル樹脂の1種類以上と、オキサゾリン基含有樹脂、カルボジイミド基含有樹脂、エポキシ基含有樹脂、イソシアネート基含有樹脂の1種類以上を組み合わせたものが好ましい。
プライマー層の厚さは、特に制限するものではないが、0.005μm〜5μm、特に0.01μm〜1μmであるのが好ましい。5μm以下であれば、滑り性を良好に保ちつつ、プライマー層の内部応力によって剥離しやすくなるようなことを無くすことができる。一方、0.005μm以上であれば、均一な膜厚とすることができ、プライマー層の機能を得ることができる。
(基材フィルム層)
基材フィルム層は、通常の包装材料の主原料となり得る樹脂を主成分として形成することができる。例えば、エチレン、プロピレン、ブテン等の単独重合体または共重合体などのポリオレフィン、環状ポリオレフィン等の非晶質ポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレート等のポリエステル、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン12、共重合ナイロン等のポリアミド、エチレン−酢酸ビニル共重合体部分加水分解物(EVOH)、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリサルホン、ポリエーテルサルホン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリカーボネート(PC)、ポリビニルブチラール、ポリアリレート、アクリレート樹脂、及びポリ乳酸、コハク酸、澱粉等の生分解性樹脂などを挙げることができる。
中でも、フィルム物性の観点から、ポリアミド、ポリビニルアルコール、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートなどが好ましい。
なお、以上挙げた樹脂のうちの一種を単独で基材フィルム層の主成分として用いることもできるが、以上挙げた樹脂のうちから二種類以上を選択して主成分として併用することもできる
基材フィルム層は、薄膜形成生産性の点でフィルム化されたものを用いて形成するのが好ましい。この際に用いるフィルムは、未延伸フィルムでも、一軸又は二軸延伸フィルムでもよい。また、積層フィルムであってもよい。
フィルムの形成方法は従来公知の一般的な製造方法であればよい。例えば、原料樹脂を押し出し機により溶融し、環状ダイやTダイにより押し出して、急冷することにより実質的に無定型で配向していない未延伸フィルムを製造することができる。この未延伸フィルムを一軸延伸、テンター式逐次二軸延伸、テンター式同時二軸延伸、チューブラー式同時二軸延伸などの従来公知の一般的な方法により、フィルムの流れ(縦軸)方向又はフィルムの流れ方向とそれに直角な(横軸)方向に延伸することにより、少なくとも一軸方向に延伸したフィルムを製造することができる。
基材フィルムの厚さは、特に限定するものではないが、可撓性や透明性等の観点から、5μm〜500μm、特に10μm〜200μmの範囲が好ましい範囲である。
なお、基材フィルム層の片面又は両面には、コロナ処理、プラズマ処理、紫外線処理等の物理的処理が施されていてもよい
(その他)
本発明の積層フィルムの各層には、本発明の目的を損ねない範囲で各種添加剤を配合することができる。基材フィルム層には、主成分のほかに各種添加剤を配合することも可能である、例えば有機系の滑剤、ワックス、帯電防止剤、紫外線吸収剤、衝撃改良剤、シート製造時にトリミングロス等から発生するリサイクル樹脂などを配合してもよい。
(本フィルムの製法)
基材フィルム層を構成するフィルムを用意しておき、必要に応じてプライマー層を塗布し、シリカを蒸着する。
他方、ポリアクリロニトリル(PAN)樹脂層を構成するPAN樹脂フィルムを用意しておき、このフィルム面に接着剤を塗布し、上記基材フィルムの蒸着層と当該接着剤を介してPAN樹脂フィルムとをラミネートすればよい。
但し、ラミネート法(積層方法)としては、ドライラミネート法や押出ラミネート法を使用することができる。
(本フィルムの特徴)
本フィルムは、サンプリングバックに求められる性質、すなわち、1)捕集したガスを逃がさない性質、2)袋自体からガスを発生しない性質、3)捕集したガスの成分を吸着しない性質(非吸着特性)などを備えている。それに加えて、ハロゲンなどを含まない可燃物であり、しかも、手で引き裂くことができるので、使用後は手で引き裂いて可燃物として廃棄することができる。
<本サンプリングバックの製法>
本サンプリングバックは、本フィルムを長方形状にカットし、2枚の周縁部を、一部を残して熱融着し、その熱融着しない一部に開閉コックを装着して採取口とすることで形成することができる。
<用語の説明>
本発明において「主成分」とは、特に記載しない限り、当該主成分の機能を妨げない範囲で他の成分を含有することを許容する意を包含する。この際、当該主成分の含有割合を特定するものではないが、主成分(2成分以上が主成分である場合には、これらの合計量)がバインダー中の50質量%以上、特に70質量%以上、中でも特に90質量%以上(100%含む)を占めるのが好ましい。
また、一般的に「シート」とは、JISにおける定義上、薄く、一般にその厚さが長さと幅のわりには小さく平らな製品をいい、一般的に「フィルム」とは、長さ及び幅に比べて厚さが極めて小さく、最大厚さが任意に限定されている薄い平らな製品で、通常、ロールの形で供給されるものをいう(日本工業規格JISK6900)。例えば厚さに関して言えば、狭義では100μm以上のものをシートと称し、100μm未満のものをフィルムと称すことがある。しかし、シートとフィルムの境界は定かでなく、本発明において文言上両者を区別する必要がないので、本発明においては、「フィルム」と称する場合でも「シート」を含むものとし、「シート」と称する場合でも「フィルム」を含むものとする。
本発明において、「X〜Y」(X,Yは任意の数字)と表現した場合、特にことわらない限り「X以上Y以下」の意と共に、「好ましくはXより大きい」及び「好ましくはYより小さい」の意を包含するものとする。
また、本発明において、「X以上」(Xは任意の数字)と表現した場合、特にことわらない限り、「好ましくはXより大きい」の意を包含し、「Y以下」(Yは任意の数字)と表現した場合、特にことわらない限り、「好ましくはYより小さい」の意を包含するものとする。
以下、実施例と比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。
<実施例1>
厚さ170μmの未延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムを二軸延伸処理(延伸倍率:縦3.5倍×横4.0倍)した後、その上に、オキサゾリン基含有ポリマー(日本触媒社製「エポクロスWS−500」)60重量%、水性アクリル樹脂(以下に示す樹脂A)20重量%、水性ウレタン樹脂(以下に示す樹脂B)20重量%からなる混合樹脂を、インラインコーティング法によりコートし、該混合樹脂層より成る0.1μmの プライマー層を有する厚さ12μmの二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムを得た。次に、プライマー層上に、真空蒸着装置を使用して珪素酸化物(SiO)を 高周波加熱方式で蒸着させ、シリカ層(SiOx)の厚さが約15nmである蒸着プラスチックフィルムを得た。
(樹脂A(水性アクリル樹脂)の製造条件)
アクリル酸エチル40重量部、メタクリル酸メチル30重量部、メタクリル酸20重量部及びグリシジルメタクリレート10重量部からなる混合物をエチルアルコール中で溶液重合し、重合後水を加えつつ加熱しエチルアルコールを除去した。アンモニア水でpH7.5に調節し、水性アクリル系樹脂水性塗料(樹脂A)を得た。
(樹脂B(水性ポリウレタン樹脂)の製造条件)
テレフタル酸664重量部、イソフタル酸631重量部、1,4−ブタンジオール472重量部およびネオペンチルグリコール447重量部から成るポリエステルポリオールを得た。次いで、得られたポリエステルポリオールに、アジピン酸321重量部、ジメチロールプロピオン酸268重量部を加え、ペンダントカルボキシル基含有ポリエステルポリオールAを得た。更に、該ポリエステルポリオールA1880重量部にヘキサメチレンジイソシアネート160重量部を加えて水性ポリウレタン系樹脂水性塗料(樹脂B)を得た。
次に、ウレタン系接着剤(東洋モートン社製接着剤「AD−900」と「CAT−RT85」を10:1.5の割合で配合)をシリカ層に塗布後、乾燥し、厚さ4μmの接着層を形成した。更に該接着層を介してポリアクリロニトリル(PAN)樹脂フィルム(ハイトロンBX タマポリ(株) 未延伸、厚さ30μm)をシリカ層にドライラミネートして、ポリアクリロニトリル層/接着層/シリカ層/プライマー層/基材フィルム層の積層構成を備えた厚さ44μmの積層フィルムを得た。
そして、形成した積層フィルムを長方形状にカットし、2枚の周縁部を、一部を残して熱融着し、その熱融着しない一部に開閉コックを装着して、容量10Lのサンプリングバッグを形成した(300mm×500mm)。
サンプリングバッグ法(JASO M 902法)に準じて、VOC及びアルデヒド類の回収測定を次のように行った。
準備作業として、25℃で5Lの窒素を充填し、窒素を抜く作業を3回繰り返し、バッグ内の置換洗浄を行った。ここで、各ガス成分量を測定した(表にはブランク値として示した)。
次に、このように置換洗浄を行ったサンプリングバッグに純窒素(G2グレード)5Lを充填し、この中にVOC+アルデヒド類混合標準溶液(1000μg/mL)を1μL注入し、恒温槽(65℃)に入庫して2時間加熱した。次いで、開閉コックに捕集管を取り付け、ポンプを使用してバッグ内ガスを一定流量で一定時間吸引し(アルデヒド類検出用の空気捕集流速:1.0L/min、VOC検出用の空気捕集流速:0.1L/min)、アルデヒド類検出用として3L、VOC検出用として1Lのガス捕集を行い、各ガス成分量を測定した(表には「回収量」として示した)。
なお、アルデヒド類は、DNPHカートリッジを用いて溶媒抽出−HPLC法により分析した。他方、VOCは、Tenax−TA捕集管を用いて加熱脱着−GC/MS法により分析した。
Figure 2011053133
<比較例1>
実施例1において、ポリアクリロニトリル(PAN)樹脂フィルムの替わりに、ポリエチレンフィルム((株)東セロ製 TUX FCS 30μm)を使用した以外は、実施例1と同様に積層フィルム及びサンプリングバッグを作製した。
<引き裂き試験>
実施例1及び比較例1で作製したサンプリングバッグのヒートシール部分を手で引き裂いてみたところ、実施例1で作製したサンプリングバッグは容易に引き裂くことができたが、比較例1で作製したサンプリングバッグは引き裂くことができなかった。
ポリアクリロニトリル(PAN)樹脂フィルムが引き裂き易いことはある程度予想できたものの、シリカ蒸着層及びPETフィルムなどの基材フィルムと積層しても、このように手で引き裂き易いことは、積層フィルムを作成し引き裂き試験をして初めて分かったことである。また、基材フィルムは延伸、未延伸を問わず、引き裂き易いことも分かった。これは、ポリアクリロニトリル(PAN)樹脂フィルムの引き裂き易さが、シリカ蒸着層及びPETフィルムなどに伝搬しやすいためであると推察される。

Claims (2)

  1. サンプリングガスと接触する側から順次、ポリアクリロニトリル(PAN)樹脂層、接着層、シリカ層及び基材フィルム層を積層してなる構成を備えた積層フィルムからなるガスサンプリングバック。
  2. ポリアクリロニトリル(PAN)樹脂層、接着層、シリカ層及び基材フィルム層を順次積層してなる構成を備えた、ガスサンプリングバック形成用積層フィルム。
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