JP2011052563A - 内燃機関の制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】機関始動時において、カムシャフトに駆動連結された第2回転体を速やかに中間ロック位相にまで自立的に相対回転させることのできる内燃機関の制御装置を提供する。
【解決手段】内燃機関のクランキング時に、吸気カムのバルブ駆動に伴って吸気カムシャフトに生じるトルクを互いに打ち消し合う吸気バルブの一方の作動を停止することで、吸気カムシャフト全体としての交番トルクを増大させる。その結果、交番トルクに伴う第2回転体の相対回転量が増大して、第2回転体が中間ロック位相に向けて速やかに自立的に位相変化するようになる。
【選択図】図6

Description

本発明は、中間ロック機構付きのバルブタイミング可変装置を備えた内燃機関の制御装置に関する。
周知のように、車載等の内燃機関に適用される装置として、クランクシャフトに対するカムシャフトの回転位相を可変とすることで、吸気バルブや排気バルブといった機関バルブのバルブタイミングを変更するバルブタイミング可変装置が実用化されている。
このバルブタイミング可変装置は、クランクシャフトに駆動連結された第1回転体とカムシャフトに駆動連結された第2回転体とを有するバルブタイミング可変機構が備えられている。そして、油圧などを利用して第1回転体と第2回転体とを相対回転させることによりクランクシャフトに対するカムシャフトの相対回転位相を変更し、これによりバルブタイミングが変更されるようになっている。
また、こうしたバルブタイミング可変装置の多くには、クランクシャフトに対するカムシャフトの相対回転位相を、すなわちバルブタイミングを機関始動時において所定のロック位相に固定するロック機構が設けられている。ここで近年では、相対回転位相の可変領域内(最遅角位相から最進角位相までの間の領域内)における中間位相が機関始動時に適したバルブタイミングとなるバルブタイミング可変装置も提案されており、このようなバルブタイミング可変装置では、ロック位相として上記中間位相が設定されたロック機構(以下、中間ロック機構という)が採用されている。
この中間ロック機構付のバルブタイミング可変装置を備える内燃機関では、機関の停止条件が成立すると、機関停止の実行に先立ってまずバルブタイミングがロック位相として設定された中間位相(以下、中間ロック位相という)となるようにバルブタイミング可変機構が作動される。そして、中間ロック位相へのバルブタイミングの変更が完了すると、中間ロック機構によるバルブタイミングの固定が行われ、このバルブタイミングの固定が行われた後に機関停止が実際に行われる。
ここで、機関停止条件が成立していないにもかかわらず機関が停止してしまうような場合、例えばエンジンストール等が生じた場合には、中間ロック位相へのバルブタイミングの変更が行われないために、バルブタイミングが中間ロック位相に固定されることなく内燃機関は停止してしまう。このようなときには、次回の機関始動時におけるバルブタイミングが機関始動に適したタイミングになっていないため、機関始動性が低下してしまうおそれがある。
そこで、特許文献1には、機関のクランキング時においてカムシャフトに生じる交番トルクを利用し、回転体が中間ロック位相まで自立的に相対回転して固定されるように構成されたバルブタイミング可変装置が提案されている。このバルブタイミング可変装置では、上記ロック機構を構成するロックピンが第1回転体から第2回転体に向けて付勢されており、このロックピンが第2回転体に設けられた噛み合い部に噛み合うことによって、バルブタイミングが中間ロック位相に固定されるようになっている。
そしてこの特許文献1に記載のバルブタイミング可変装置では、バルブタイミングが中間ロック位相よりも遅角側の状態のときに機関の始動が開始された場合、次のように動作する。まず、クランキングがなされて機関始動が開始されると、カムシャフトには進角側及び遅角側への交番トルクが発生する。この交番トルクにより、相対回転位相が未固定状態になっている第2回転体は、第1回転体に対して進角側及び遅角側に揺動される。すると、第1回転体から第2回転体に付勢されたロックピンは、第2回転体が進角側に揺れたときに、上記噛み合い部に隣接して設けられたラチェット溝にいったん入るようになる。そして、この状態で再度交番トルクが作用すると、第2回転体はラチェット溝とロックピンとの噛み合いにより遅角方向への回転が制限されているため、進角側にのみさらに回転されて、最終的にはロックピンが噛み合い部に噛み合うようになる。このようにして引用文献1に記載のバルブタイミング可変装置では、機関停止時においてバルブタイミングが中間ロック位置に固定できなかった場合でも、機関始動時にはバルブタイミングが中間ロック位置に固定されるようになっている。
特開2009−24659号公報
上記のように、カムシャフトに作用する交番トルクを利用して回転体を自立的に相対回転させるためには、一定以上の交番トルクが必要である。しかし、複数のカムが設けられたカムシャフトにあって、個々のカムからカムシャフトに作用するトルクが互いに打ち消しあう場合には、そうでない場合と比較してカムシャフト全体としての交番トルクは減少してしまうようになる。以下、このような交番トルクの減少について直列4気筒型の内燃機関を一例に挙げて説明する。
図8に、直列4気筒型の内燃機関において、各気筒の吸気バルブに対応する個々のカムに作用する回転トルクと、それらカムの形成されたカムシャフトに対して作用する回転トルク、すなわち個々のカムに作用する回転トルクの合成回転トルクとを示している。なお、以下では、カムの回転方向に対して逆方向に作用する回転トルク、いわばカムの回転を阻害する方向に作用する回転トルクを正トルクとし、カムの回転方向と同方向に作用する回転トルク、いわばカムの回転を補助する方向に作用する回転トルクを負トルクと定義している。
第1気筒(#1で示す)においては、ピストンがTDC(上死点)に位置するときをクランクシャフトの回転角0°CAとしたとき、吸気バルブの開弁期間は、同回転角に対して0°CA〜240°CAとなるように設定されている。そして、クランクシャフトの回転角が0°CAを超えた時点からカムの凸部による吸気バルブの押し下げが開始される。このように吸気バルブの押し下げが開始されると、吸気バルブからの反力(より厳密には吸気バルブを閉弁方向に付勢するバルブスプリングからの反力)によってカムには正トルクが生じ始め、この正トルクはカムシャフトにも伝わる。次に、カムの凸部の頂点がバルブを最大限押し下げたときには、カムに作用する回転トルクは一時的にゼロとなる。そして、吸気バルブが上昇し始めると、バルブからの反力によりカムには負トルクが作用し始め、この負トルクはカムシャフトにも伝わる。カムの凸部によるバルブの押し下げが終わり、吸気バルブが閉弁状態となっている期間では、吸気バルブの反力による回転トルクは生じない。このように、吸気弁の開弁期間中には、カムに対して正トルクと負トルクとが順に生じ、これが交番トルクとなる。以下、同様に、第3気筒、第4気筒、第2気筒と、各気筒の点火順にカムが吸気バルブを押し下げ、カム及びカムシャフトには交番トルクが生じる。
ところで、直列4気筒型の内燃機関における点火は、クランクシャフト2回転(吸気カムシャフトの1回転に相当)中に、各気筒で一度ずつ、等間隔になされるようになっており、各気筒における吸気バルブの開弁開始時期は、点火順毎に180°CAずつずらされている。従って、カムによる吸気バルブの押し下げは、クランクシャフトが180°CA回転するごとに開始される。
一方、燃費や排気性状の向上、あるいは機関出力の確保等といった目的で吸気バルブの開弁期間が180°CAよりも大きく設定されることがある。この場合には、カムシャフトに形成されるカムの作用角が180°CAよりも大きくされているため、ある気筒に対応したカムの作用角と、次に点火が行われる気筒に対応したカムの作用角とが一部オーバーラップするようになる。すなわち、ある気筒に対応した吸気バルブの開弁期間と、次に点火が行われる気筒に対応した吸気バルブの開弁期間とは一部が重なるようになり、ある気筒の吸気バルブについてその閉弁が完了する前に、次に点火される気筒の吸気バルブの開弁が開始されるようになる。
例えば、上記直列4気筒型の内燃機関に設けられたカムシャフトには、先の図8に示すように、作用角が240°CAに形成されたカムが設けられている。したがって、第1気筒のカムに負トルクが生じている間に、次に点火される第3気筒のカムにはすでに正トルクが生じ始めるようになる。その結果、第1気筒のカムの負トルクと第3気筒のカムの正トルクとがカムシャフトを通じて打ち消しあうため、カムシャフトに作用する交番トルクは、上述したようなオーバーラップが存在しない場合と比較して減少してしまう。同様な現象は、第3気筒及び第4気筒、第4気筒及び第2気筒、第2気筒及び第1気筒でも起こるため、図8に示すように、カムシャフトに生じる交番トルク(実線で示す)は、個々のカム単体に生じる交番トルク(点線で示す)よりも小さくなってしまう。
このようにカムシャフト全体としてみたときの交番トルクが小さくなっている場合には、交番トルクによる上記第2回転体の揺動量も少なくなるため、第2回転体が自立的に中間ロック位相にまで相対回転するのに要する時間は長くなってしまう。
本発明は、こうした実状に鑑みてなされたものであって、その解決しようとする課題は、機関始動時において、カムシャフトに駆動連結された第2回転体を速やかに中間ロック位相にまで自立的に相対回転させることのできる内燃機関の制御装置を提供することにある。
以下、上記目的を達成するための手段及びその作用効果について記載する。
請求項1に記載の発明は、クランクシャフトに駆動連結される第1回転体と機関バルブを開閉動作させるカムシャフトに駆動連結される第2回転体との相対回転位相を変更することにより前記機関バルブのバルブタイミングを変更するバルブタイミング可変機構と、前記第1回転体及び前記第2回転体の一方に形成された挿通穴を移動する係止部材が前記第1回転体及び前記第2回転体の他方に形成された係止穴に嵌入されることによって前記第1回転体と前記第2回転体との相対回転位相を最遅角位相から最進角位相までの間の中間に設定された中間ロック位相に固定する中間ロック機構と、前記係止穴の底部が最深となるように前記係止穴の側方に設けられたラチェット溝とを備えたバルブタイミング可変装置を有する内燃機関の制御装置であって、前記内燃機関は、前記第2回転体が駆動連結された前記カムシャフトの回転によって開閉動作される複数の機関バルブと、それら複数の機関バルブのうちで開弁期間の一部が重なる機関バルブの少なくとも1つについてその開閉動作を停止させるバルブ停止機構とを備えており、前記内燃機関の前記制御装置は、前記内燃機関がクランキングされているときには前記バルブ停止機構の作動を通じて前記機関バルブの開閉動作を停止させる弁停止処理を実行することを要旨とする。
同構成によれば、クランキングがなされて機関始動が開始されると、カムシャフトには進角側及び遅角側への交番トルクが発生する。この交番トルクにより、カムシャフトに駆動連結された第2回転体は、クランクシャフトに駆動連結された第1回転体に対して進角側及び遅角側に揺動される。このように第2回転体が揺動されると、第1回転体及び第2回転体のいずれか一方に設けられた係止部材がラチェット溝に嵌り、第2回転体が揺動される毎に係止部材が設けられた回転体は係止穴に向かう方向にのみ相対回転されていく。そして、最終的にはラチェット溝の最深部、すなわち係止穴に係止部材が嵌入され、これにより第1回転体と第2回転体との相対回転位相(バルブタイミング)は中間ロック位相に固定される。
ここで、同構成では、内燃機関がクランキングされるときに、開弁期間の一部が重なる機関バルブの少なくとも1つについてその開閉動作を停止するようにしている。このように、カムのバルブ駆動に伴ってカムシャフトに生じる回転トルクを互いに打ち消し合う機関バルブの少なくとも1つについてその開閉動作が停止されるために回転トルクの打ち消しが抑制されて、その分、カムシャフト全体としての交番トルクが増大するようになる。従って、交番トルクに伴う上記回転体の揺動量が増大して、上記回転体が中間ロック位相に向けて速やかに自立的に相対回転するようになる。したがって、上記構成によれば、機関始動時に、より詳細にはクランキング時に、カムシャフトに駆動連結された第2回転体をより速やかに中間ロック位相にまで自立的に相対回転させることができるようになる。
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の内燃機関において、前記中間ロック機構による前記相対回転位相の固定が行われているときには前記弁停止処理の実行を禁止することを要旨とする。
第1回転体及び第2回転体といった両回転体が中間ロック位相に固定されているときに、すなわち係止部材が係止穴に嵌入されているときに、回転体が大きく相対回転すると、係止部材が係止穴の壁面に強く押しつけられてしまい、係止部材や係止穴が損傷してしまうといった不都合の発生が懸念される。その点、上記構成では、両回転体が中間ロック位相に固定されているときには上述した弁停止処理の実行を禁止するようにしている。従って、上述したような不具合の発生を抑制することができる。また、係止部材が係止穴に嵌入されていないときには上記弁停止処理が実行されるため、速やかに且つ確実に第2回転体を中間ロック位相にまで自立回転させて固定することができる。
また、請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の発明において、前記中間ロック機構による前記相対回転位相の固定が行われていることを前記クランキングの開始前までに判定し、前記相対回転位相の固定が行われている旨判定されるときには前記弁停止処理の実行を禁止することを要旨とする。
同構成では、中間ロック機構による相対回転位相の固定が行われていることをクランクキングの開始前までに判定し、その結果、相対回転位相の固定が行われている旨判定されるときには弁停止処理の実行を禁止するようにしている。そのため、例えば前回の機関停止時や、機関始動要求がなされて実際にクランキングが開始されるまでの間などにおいて、相対回転位相が中間ロック位相に固定されていることが確認されれば、クランキングの開始時点から弁停止処理の実行を禁止することが可能となる。従って、請求項2に記載の作用効果をクランキングの初期段階から得ることができる。なお、判定手段により相対回転位相の固定が行われている旨の判定がなされていないときには、弁停止処理の実行が禁止されない。そのため、クランキングの初期段階から弁停止処理が実行されるようになり、早期にバルブタイミングを中間ロック位相に固定することが可能になる。
また、請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか1項に記載の発明において、前記相対回転位相が前記中間ロック位相になっているときには前記弁停止処理の実行を禁止することを要旨とする。
第2回転体の相対回転位相が中間ロック位相になっているときに、上記弁停止処理が実行されて一部の機関バルブの開閉動作が停止されると、クランキング時において第2回転体が大きく揺動されてしまい、上記係止穴への上記係止部材の嵌入が困難になるといった不都合の発生が懸念される。その点、同構成では、第1回転体と第2回転体との相対回転位相が中間ロック位相になっているときには、上述した弁停止処理の実行を禁止するようにしている。したがって、上述したような不具合の発生を抑制することができる、また、始動時において上記相対回転位相が中間ロック位相にないときには弁停止処理が実行されるため、カムシャフトの交番トルクを大きくなり、クランキング中に速やかに且つ確実に第2回転体を中間ロック位相にまで自立回転させて固定することができる。
また、請求項5に記載の発明は、請求項1〜4のいずれか1項に記載の内燃機関において、前記バルブタイミング可変機構は、前記第1回転体及び前記第2回転体のうちの一方の回転体の内部に形成されて他方の回転体に油圧を作用させる進角圧力室及び遅角圧力室を備えており、前記進角圧力室及び前記遅角圧力室への作動油の供給を制御して前記第1回転体に対する前記第2回転体の相対位相を変化させることにより前記バルブタイミングを変更する機構であり、前記作動油の温度が所定の温度以下であるときに前記弁停止処理を実行することを要旨とする。
同構成によれば、バルブタイミング可変機構を駆動する作動油の温度が低いときに上記弁停止処理が実行されることにより、クランキング時において一部の機関バルブの開閉動作が停止される。
作動油は温度が低いと粘度が上昇するようになる。粘度の高い作動油が遅角圧力室や進角圧力室に残存していると、第2回転体の自立回転が妨げられるため、クランキング時における第2回転体の中間ロック位相への自立回転に長い時間を要したり、自立回転そのものが困難になったりする虞がある。この点、同構成では、作動油の温度が低いときに上記弁停止処理が実行されるため、作動油の粘度によって第2回転体の自立回転が妨げられる状況下において、カムシャフトの交番トルクが大きくなる。従って、高粘度の作動油が上記圧力室に残存しているようなときであっても、クランキング中に速やかに第2回転体を中間ロック位相にまで自立回転させることができ、低温環境下での機関始動を向上させることができる。
また、請求項6に記載の発明は、請求項1〜5のいずれか1項に記載の内燃機関の制御装置において、前記弁停止処理は、前記中間ロック機構による前記相対回転位相の固定が行われた後に終了されることを要旨とする。
同構成によれば、バルブタイミングが中間ロック位相に固定されると弁停止処理が終了される。これによりバルブ停止機構によって停止されていた機関バルブの開閉動作が開始するようになり、機関バルブの開閉動作が停止されていた気筒の始動性を確保することができる。
本発明にかかる内燃機関の制御装置の第1実施形態について、これが適用される直列4気筒型の内燃機関を上方から見たときの構成を示す模式図。 同実施形態における内燃機関の各気筒の構成を示す模式図。 (a)は、同実施形態におけるバルブタイミング可変装置の断面構造を示す断面図。(b)は、同バルブタイミング可変装置について、図3(a)のX−X線に沿う断面図。(c)は、同バルブタイミング可変装置について、図3(a)のY−Y線に沿う断面図。 同実施形態におけるバルブタイミング可変装置の油圧制御系を示す模式図。 同実施形態における内燃機関のバルブ停止制御の処理手順を示すフローチャート。 同実施形態において各気筒のカム及びカムシャフトに生じる回転トルクを示す図。 第2実施形態における内燃機関のバルブ停止制御の処理手順を示すフローチャート。 直列4気筒型の内燃機関において各気筒のカム及びカムシャフトに生じる回転トルクを示す図。
(第1実施形態)
以下、この発明にかかる内燃機関の制御装置を具体化した第1実施形態について、図1〜図6を参照して説明する。
図1に、第1実施形態における内燃機関1のシリンダヘッド部を上方から見たときの模式図を示す。この図1に示すように、内燃機関1は、4つの気筒(第1気筒#1〜第4気筒#4)が直列に配設された直列4気筒型の内燃機関であり、第1気筒#1、第3気筒#3、第4気筒#4、第2気筒#2の順に点火動作が行われる。
各気筒上方の気筒配列方向には吸気カムシャフト41及び排気カムシャフト47が配設されており、これら各カムシャフト41,47には、気筒ごとにそれぞれ吸気カム42及び排気カム48が形成されている。なお、本実施形態では、吸気カム42の作用角が180°CAよりも大きな値(例えば240°CA等)に設定されている。また、吸気カムシャフト41の一端部にはバルブタイミング可変装置50が備えられており、このバルブタイミング可変装置50と、クランクシャフト18の端部と、排気カムシャフト47の端部とは、タイミングチェーン30によって駆動連結されている。ちなみ、図1においては、各カムシャフト41,47に、気筒ごとにそれぞれ一つずつの吸気カム42及び排気カム48が形成されているが、これらのカムは複数であってもよい。
図2に、内燃機関1の各気筒における構成を示す。この図2に示すように、内燃機関1のシリンダブロック12に設けられた各気筒にはピストン13が往復運動可能に設けられている。ピストン13の往復運動はコネクティングロッド19を介してクランクシャフト18の回転運動へと変換される。
シリンダブロック12の上部には、シリンダヘッド11が設けられ、シリンダヘッド11の底面とピストン13の上端面とシリンダブロック12内のシリンダの内壁とによって囲まれた空間により燃焼室14が形成されている。シリンダヘッド11には、吸気通路16及び排気通路17が、燃焼室14に連通するよう形成されている。また、シリンダヘッド11には、吸気通路16に燃料を噴射する燃料噴射弁20や、燃焼室14内に突出する点火プラグ15等が設けられている。
内燃機関1には、その機関運転状態を検出するための各種センサが設けられている。例えば、クランクポジションセンサ91によってクランクシャフト18の回転位相が検出される。また、カムポジションセンサ93によって、クランクシャフト18に対する吸気カムシャフト41の相対回転位相が検出される。また、油温センサ94によって後述のバルブタイミング可変装置50に供給される作動油の温度(作動油温T)が検出される。その他、図示しないエアフロメータにより、内燃機関1に吸入される空気の量(吸入空気量GA)が検出され、また、図示しない水温センサにより、内燃機関1の冷却水の温度(冷却水温THW)が検出される。
内燃機関1の各種制御は電子制御装置90によって行われる。電子制御装置90には各センサの検出信号がそれぞれ取り込まれる。そして、電子制御装置90は、それらの検出信号に基づいて演算処理を行い、その演算結果に基づいて各種制御を行う。例えば、上記各センサ等により検出される機関運転状態に基づいて、上記点火プラグ15や上記燃料噴射弁20の駆動、後述するバルブ停止機構の作動が制御される。また、機関運転状態に応じて後述するバルブタイミング可変装置50が制御され、吸気バルブ40のバルブタイミングは所望の特性となるように可変設定される。
ここで、シリンダヘッド11には、吸気ポート及び排気ポートをそれぞれ開閉するための吸気バルブ40及び排気バルブ46が開閉可能に設けられており、同シリンダヘッド11に設けられた吸気ロッカーアーム44I及び排気ロッカーアーム44Eの一端部にはそれぞれ吸気バルブ40及び排気バルブ46の末端部が当接されている。また、吸気ロッカーアーム44I及び排気ロッカーアーム44Eの他端部にはそれぞれ吸気ピボット43a及び排気ピボット45aが当接されている。これら吸気ピボット43a及び排気ピボット45aは、各ロッカーアーム44I及び44Eが揺動する際の支点になる。シリンダヘッド11の上部には、吸気カム42の形成された吸気カムシャフト41及び排気カム48の形成された排気カムシャフト47が配設されている。そして、これら吸気カムシャフト41や排気カムシャフト47の回転運動が、吸気カム42や排気カム48を通じて吸気ロッカーアーム44I、排気ロッカーアーム44Eに伝達されることによって、吸気バルブ40及び排気バルブ46が開閉動作される。
具体的には、吸気カム42が回転して、吸気カム42に形成された凸部が吸気ロッカーアーム44Iに当接すると、吸気ロッカーアーム44Iは吸気ピボット43aを支点として揺動運動を行い、吸気バルブ40を吸気側スプリング31の弾性力に抗して開弁させる。そして、吸気カム42の凸部について吸気ロッカーアーム44Iへの当接が終了すると、吸気バルブ40は吸気側スプリング31の弾性力によって閉弁される。同様に、排気カム48が回転して、排気カム48に形成された凸部が排気ロッカーアーム44Eに当接すると、排気ロッカーアーム44Eは、排気ピボット45aを支点として揺動運動を行い、排気バルブ46を排気側スプリング32の弾性力に抗して開弁させる。そして、排気カム48の凸部について排気ロッカーアーム44Eへの当接が終了すると、排気バルブ46は排気側スプリング32の弾性力によって閉弁される。
ここで、本実施形態の内燃機関1には、第2気筒及び第3気筒に設けられた吸気バルブ40の開閉動作を停止させる吸気バルブ停止機構43と、第2気筒及び第3気筒に設けられた排気バルブ46の開閉動作を停止させる排気バルブ停止機構45とが備えられている。
吸気バルブ停止機構43は、上記吸気ピボット43aの固定及び固定解除を行う機構であり、同吸気ピボット43aを収納可能な本体部43bを備えている。そして、電子制御装置90から吸気バルブ40の開閉動作を停止させる指令が出されると、吸気ピボット43aの固定が解除されて同吸気ピボット43aは本体部43bに対して出入り自由な状態になる。このようにして吸気ピボット43aの固定が解除されると、吸気カム42が回転してその凸部が吸気ロッカーアーム44Iに当接したとき、吸気ロッカーアーム44Iは吸気バルブ40との当接部を支点として揺動運動を行い、吸気ピボット43aは本体部43bに対して出入りするようになる。このように吸気ピボット43aの固定が解除されると、吸気ロッカーアーム44Iと吸気バルブ40との当接部が支点となるため、吸気バルブ40の揺動運動は停止されて吸気バルブ40の開閉動作は停止され、同吸気バルブ40は吸気カム42の回転にかかわらず閉弁状態に維持される。
同様に、排気バルブ停止機構45は、上記排気ピボット45aの固定及び固定解除を行う機構であり、同排気ピボット45aを収納可能な本体部45bを備えている。そして、電子制御装置90から排気バルブ46の開閉動作を停止させる指令が出されると、排気ピボット45aの固定が解除されて同排気ピボット45aは本体部45bに対して出入り自由な状態になる。このようにして排気ピボット45aの固定が解除されると、排気カム48が回転してその凸部が排気ロッカーアーム44Eに当接したとき、排気ロッカーアーム44Eは排気バルブ46との当接部を支点として揺動運動を行い、排気ピボット45aは本体部45bに対して出入りするようになる。このように排気ピボット45aの固定が解除されると、排気ロッカーアーム44Eと排気バルブ46との当接部が支点となるため、排気バルブ46の揺動運動は停止されて排気バルブ46の開閉動作は停止され、同排気バルブ46は排気カム48の回転にかかわらず閉弁状態に維持される。
さて、次に、バルブタイミング可変装置50について説明する。吸気カムシャフト41にはバルブタイミング可変装置50が設けられている。バルブタイミング可変装置50はクランクシャフト18の回転位相に対する吸気カムシャフト41の相対的な回転位相を調節して、吸気バルブ40のバルブタイミングを可変設定するものであり、同バルブタイミング可変装置50により、吸気バルブ40の開弁時期及び閉弁時期は進角側又は遅角側に変更される。なお、内燃機関1の運転状態がアイドル運転状態のときには、吸気バルブ40のバルブタイミングは、後述する中間ロック位相に設定される。
また、このバルブタイミング可変装置50は、基本的には電子制御装置90からの指令を受けて駆動される油圧制御弁85による作動油の油圧制御によって駆動される。
図3(a)に、バルブタイミング可変装置50の断面構造を示す。また、図3(b)に、図3(a)のX−X線に沿う面で切断した断面図を示す。そして、図3(c)に、図3(a)のY−Y線に沿う面で切断した切断面を示す。
図3(a)に示されるように、バルブタイミング可変装置50は、スプロケット60と、吸気カムシャフト41と同軸に設けられてスプロケット60に対して相対回転可能に設けられた内部ロータ61と、内部ロータ61を収容するハウジング51とを備えている。スプロケット60は、上記タイミングチェーン30を介してクランクシャフト18と駆動連結されており、クランクシャフト18と同期して回転するようになっている。なお、これらハウジング51及び内部ロータ61は、それぞれ上記第1回転体及び第2回転体を構成しており、ハウジング51及び内部ロータ61等によって上記バルブタイミング可変機構が構成されている。
内部ロータ61は、ロータ本体63と、このロータ本体63から径方向に突出して形成された3つのベーン62とから構成されている。また、ロータ本体63と吸気カムシャフト41の回転軸が同軸となるように、内部ロータ61は吸気カムシャフト41の先端にセンタボルトによって固定され、吸気カムシャフト41と一体に回転するように構成されている。さらに、吸気カムシャフト41及び内部ロータ61の回転軸は、スプロケット60の軸と同軸とされ、このスプロケット60に対して相対的に回動するとともに、スプロケット60に対して所定の角度で保持されてスプロケット60とともに回転するように構成されている。そして、電子制御装置90の指令に基づき、スプロケット60に対して内部ロータ61を相対回転させることによって、クランクシャフト18に対する吸気カムシャフト41の相対回転位相を進角側又は遅角側に変更するようにしている。
また、内部ロータ61のベーン62の一つには、挿通孔68が設けられており、挿通孔68内には、最遅角位相から最進角位相までの間の中間に設定された中間ロック位相に内部ロータ61を固定するロックピン69が突き出し可能に設けられている。上記中間ロック位相としては、機関始動に適した吸気バルブ40のタイミングが設定されている。なお、ロックピン69は上記係止部材を構成する。
ハウジング51は、ハウジング本体52及びカバー53により構成され、ハウジング本体52は複数の取付ボルトによりスプロケット60に固定され、スプロケット60と一体に回転するように構成されている。
ハウジング本体52の内周面には、内部ロータ61のベーン62のそれぞれが収容される3つの区画室54が設けられている。これら各区画室54は隔壁55によって隔てられている。また、各区画室54はベーン62により遅角圧力室64と進角圧力室65に分割されている。具体的には、ベーン62の端面62aは区画室54の内周面54cと摺接する一方、隔壁55の端面55aは、ロータ本体63の外周面63aと摺接している。また、内部ロータ61が最遅角に相当する位置にまで相対回転するとベーン62の最遅角側の側面62rが区画室54の最遅角側の側面54rに当接するように構成されている。一方、内部ロータ61が最進角に相当する位置にまで相対回転するとベーン62の最進角側の側面62fが区画室54の最進角側の側面54fに当接するように構成されている。
なお、本実施形態では、図3(a)に矢印Aにて示す方向にスプロケット60は回転する。従って、遅角圧力室64や進角圧力室65が作動油で満たされていない場合には、スプロケット60に対して内部ロータ61が遅角側に相対回転する。
図4に、バルブタイミング可変装置50の油圧制御系を示す。同油圧制御系によって内部ロータ61及びロックピン69の作動が制御される。
内燃機関1のオイルパン86に貯留される作動油は、吸込油路80を介してオイルポンプ87に汲み上げられる。そして、オイルポンプ87から吐出された作動油は、バルブタイミング可変装置50を含む各部位に対して供給される。
より詳細には、オイルパン86とオイルポンプ87とは上記吸込油路80にて接続されており、オイルポンプ87とオイルコントロールバルブ85は第1供給油路83にて接続されている。また、オイルコントロールバルブ85とオイルパン86とは第1排出油路84にて接続されており、オイルコントロールバルブ85と進角圧力室65とは進角油路82にて接続されており、オイルコントロールバルブ85と遅角圧力室64とは遅角油路81にて接続されている。そして、オイルコントロールバルブ85とロックピン作動室とはロック油路88にて接続されている。
上記オイルコントロールバルブ85は、複数のポートが設けられた単一のハウジングと、このハウジング内に設けられた単一のスプールとにより構成されている。そして、このスプールがハウジングに対して移動することにより、遅角圧力室64及び進角圧力室65及びロックピン作動室に対する作動油の給排状態が以下の各モードA1〜モードA4に変更される。
(モードA1)進角圧力室65に作動油を供給し且つ遅角圧力室64から作動油を排出し且つロックピン作動室から作動油を排出するモード。
(モードA2)進角圧力室65に作動油を供給し且つ遅角圧力室64から作動油を排出し且つロックピン作動室に作動油を供給するモード。
(モードA3)進角圧力室65への作動油の供給及び同進角圧力室65からの作動油の排出をともに停止し、且つ遅角圧力室64への作動油の供給及び同遅角圧力室64からの作動油の排出をともに停止し、且つロックピン作動室に作動油を供給するモード。
(モードA4)進角圧力室65から作動油を排出し且つ遅角圧力室64に作動油を供給し且つロックピン作動室に作動油を供給するモード。
次に、図3(a)〜図3(c)を参照してロックピン69について説明する。ロックピン69は、機関のアイドル運転状態等において内部ロータ61の相対回転位相が中間ロック位相となっているときに、同内部ロータ61を中間ロック位相に固定するためのピンである。このロックピン69は、所定のベーン62の挿通孔68に、内部ロータ61の回転軸に沿う方向に突出可能に設けられており、図示しない付勢バネによって常にベーン62から突出する方向に付勢されている。また、ロックピン69の先端部には、作動油の油圧を作用させてロックピン69を引き込んでロックを解除するための、図示しないロックピン作動室が形成されている。このロックピン作動室にはロック油路88から作動油が給排される。
一方、図3(b)や図3(c)に示すように、スプロケット60には、内部ロータ61が中間ロック位相にまで回転したときのロックピン69の位置に対向する部分に、ロックピン69が挿入される係止穴70が形成されている。また、図3(c)に示すように、係止穴70の側方には、同係止穴70の底部が最深となる形成されたラチェット溝72が設けられている。このラチェット溝72は、係止穴70の開口部を遅角側に拡大するために設けられている。なお、上記ロックピン69や係止穴70等によって上記中間ロック機構は構成されている。
このような構成において、通常の機関アイドル運転時にはロックピン69は次のように動作する。まず、機関の運転状態がアイドル運転領域であると判定されると、オイルコントロールバルブ85は一時的にモードA4が選択され、内部ロータ61はいったん中間ロック位相よりも遅角側に回転される。
そして、内部ロータ61の相対回転位相が中間ロック位相よりも遅角側になると、オイルコントロールバルブ85はモードA1が選択され、進角圧力室65に作動油が供給されるとともに、ロックピン作動室からは作動油が排出される。
このモードA1では、内部ロータ61が中間ロック位相よりも遅角側の位置から同中間ロック位相の方向に向かって進角側に回転するとともに、ロックピン作動室の油圧が低下するためにロックピン69は付勢バネの付勢力によって挿通孔68から突出される。ここで、係止穴70の開口部はラチェット溝72によって遅角側に拡大されている。従って、モードA1では、挿通孔68から突出されたロックピン69がまずラチェット溝72に嵌る。そして、内部ロータ61の進角方向への回転に伴ってロックピン69はラチェット溝72を進角方向に進み、内部ロータ61の相対回転位相が中間ロック位相に到達すると、ロックピン69が係止穴70に嵌合して、内部ロータ61は中間ロック位相に固定され、吸気バルブ40のバルブタイミングは中間ロック位相に固定される。通常は、機関の運転が停止される前には、機関の運転状態はアイドル運転状態であるため、このようにアイドル運転状態において中間ロック機構が作動することにより、内部ロータ61は中間ロック位相に固定された状態で機関は停止される。
一方、機関がアイドル運転状態から正常に停止するのではなく、エンジンストール等によって急激に停止したときには、ロックピン69を係止穴70に嵌合させるための上述した一連の動作についてこれを機関停止までに完了させることができないことがある。この場合には、次のようにして係止穴70へのロックピン69の嵌合が行われる。
まず、機関始動が行われてクランクキングが開始されると、スプロケット60の固定されたハウジング51は図3(a)に示した矢印Aの方向に回転される。また、このときには遅角圧力室64や進角圧力室65の油圧が低下しているために、内部ロータ61はハウジング51に対して相対回転されて最遅角位相の位置にまで回転される。このようにして内部ロータ61が最遅角位相にまで相対回転すると、ハウジング51の回転が内部ロータ61にも伝達されて、吸気カムシャフト41の回転が開始される。吸気カムシャフト41の回転が開始されると、上述したように同吸気カムシャフト41には進角側及び遅角側への交番トルクが発生する。この交番トルクにより、内部ロータ61は、ハウジング51に対して進角側及び遅角側に揺動される。そして、この内部ロータ61が進角側に揺動されたときにロックピン69はラチェット溝72に嵌る。この状態で吸気カムシャフト41に対して再度交番トルクが作用すると、内部ロータ61はラチェット溝とロックピンとの噛み合いにより遅角方向への回転が制限されているため、進角側にのみさらに回転されて、最終的にはロックピン69が係止穴70に嵌合される。このようにしてバルブタイミング可変装置50では、機関停止時においてバルブタイミングを中間ロック位相に固定できなかった場合でも、クランキング時における吸気カムシャフト41の交番トルクを利用した内部ロータ61の自立的な相対回転によって、機関始動時にはバルブタイミングが中間ロック位相に固定されるようになっている。
ここで、上述したように本実施形態における直列4気筒型の内燃機関1では、各吸気カム42の作用角が180°CAよりも大きな値に設定されているため、ある気筒に対応した吸気カム42の作用角と、次に点火が行われる気筒に対応した吸気カム42の作用角とが一部オーバーラップする。すなわち、ある気筒に対応した吸気バルブ40の開弁期間と、次に点火が行われる気筒に対応した吸気バルブ40の開弁期間とは一部が重なるようになっており、ある気筒の吸気バルブ40についてその閉弁が完了する前に、次に点火される気筒の吸気バルブ40の開弁が開始されるようになっている。そのため、ある気筒に対応した吸気カム42の回転トルクと次に点火が行われる気筒に対応した吸気カム42の回転トルクとが吸気カムシャフト41を通じて打ち消し合い、吸気カムシャフト41に作用する交番トルクは、上述したようなオーバーラップが存在しない場合と比較して減少してしまう。従って、吸気カムシャフト41の交番トルクによる内部ロータ61の揺動量も少なくなり、同内部ロータ61が自立的に中間ロック位相にまで相対回転するのに要する時間も長くなってしまう。
そこで、本実施形態では、内部ロータ61の揺動量を増大させるために以下の制御を行い、より速やかに内部ロータ61を自立的に中間ロック位相にまで相対回転させるようにしている。図5に、その制御の処理手順を示す。なお、本処理は、電子制御装置90によって所定周期毎に繰り返し実行される。
本処理が開始されるとまず、機関が現在クランキング中であるか否かが判定される(S100)。そして、現在クランキング中であると判定される場合には(S100:YES)、内部ロータ61の相対回転位相が検出されて(S110)、その検出された相対回転位相が中間ロック位相であるか否かが判定される(S120)。
そして、内部ロータ61の相対回転位相が中間ロック位相ではないと判定される場合には(S120:NO)、現在、内部ロータ61の相対回転位相が中間ロック位相になっていない状態で機関始動が行われていると判断される。内燃機関1の始動条件は、内部ロータ61の相対回転位相が中間ロック位相となっているときのバルブタイミングに適合されているため、その他のバルブタイミングで始動される場合には燃焼状態が悪化する虞がある。
また、内部ロータ61の相対回転位相が中間ロック位相ではないと判定される場合には、前回の機関停止時に内部ロータ61が中間ロック位相に固定されていなかったと考えられる。この状態では、遅角圧力室64や進角圧力室65における作動油圧の低下に伴って、内部ロータ61が最遅角位相にまで位相変化している可能性があり、始動時のクランキングに伴って内部ロータ61が最遅角位相にて揺動されると、ベーン62の最遅角側の側面62rと区画室54の最遅角側の側面54rとが衝突して異音が生じてしまう虞がある。
そこで、上記ステップS120にて、内部ロータ61の相対回転位相が中間ロック位相ではないと判定されると、続いて、バルブタイミング可変装置50に供給される作動油の温度である作動油温Tが検出されて(S130)、その作動油温Tが判定油温T1以下であるか否かが判定される(S140)。この判定油温T1としては、機関のクランキング中に内部ロータ61が速やかに中間ロック位相まで自立回転するために最低限必要な作動油温が設定されている。より詳細には、次のような値が設定されている。
すなわち、作動油温Tが高いときは作動油の粘度が低いため、遅角圧力室64や進角圧力室65に作動油が残存していたとしても、内部ロータ61は吸気カムシャフト41に生じる交番トルクによって揺動されて、自立的に中間ロック位相にまで相対回転することができる。さらに、油圧制御系による作動油の供給・排出といった制御も比較的迅速に行うことができるため、油圧によって内部ロータ61を中間ロック位相にまで迅速に相対回転させることも可能である。しかし、作動油温Tが低いときには作動油の粘度が高いため、油圧によって内部ロータ61を中間ロック位相にまで相対回転させるには時間がかかる。また、遅角圧力室64や進角圧力室65に残存する作動油が障害となって内部ロータ61の揺動が抑えられてしまうため、同内部ロータ61が自立的に中間ロック位相まで相対回転するのに要する時間が長くなる。またそのような内部ロータ61の自立回転そのものが困難になる虞もある。したがって、作動油温Tが低いときには、内部ロータ61の揺動による相対回転量をより大きなものとするために、吸気カムシャフト41に生じる交番トルクを大きくする制御を行うことが望ましい。そこで、そのような交番トルクを大きくする制御が必要となる作動油温のうちの最高油温が予め実験等を通じて求められており、そうして求められた最高油温が上記判定油温T1として設定されている。
そして、作動油温Tが判定油温T1以下の場合には(S140:YES)、吸気カムシャフト41に生じる交番トルクを大きくするために弁停止処理が実行されて(S150)、本処理は一旦終了される。この弁停止処理では吸気バルブ停止機構43及び排気バルブ停止機構45の作動を通じて第3気筒#3及び第2気筒#2の吸気バルブ40及び排気バルブ46の開閉動作は停止されて閉弁状態に維持される。
他方、上記ステップS100、ステップS120、ステップS140にて否定判定される場合には、吸気カムシャフト41に生じる交番トルクを大きくするための上記弁停止処理の実行が禁止されて(S160)、本処理は一旦終了される。このステップS160の処理では、弁停止処理がすでに実行されている場合にはその実行が禁止されて弁停止処理の実行が終了される。また、弁停止処理が実行されていない場合には、弁停止処理の非実行が維持される。
ちなみに、上記弁停止処理の実行は、中間ロック機構によって内部ロータ61の相対回転位相が中間ロック位相に固定された後に終了される。これにより吸気バルブ停止機構43及び排気バルブ停止機構45の作動によって停止されていた吸気バルブ40及び排気バルブ46の開閉動作が開始されるようになり、吸気バルブ40及び排気バルブ46の開閉動作が停止されていた第3気筒#3及び第2気筒#2の始動性が確保される。
図6に、本実施形態における直列4気筒型の内燃機関1において、各気筒の吸気カム42に作用する回転トルクと、それら吸気カム42の形成された吸気カムシャフト41に対して作用する回転トルクとを示している。同図6において下方に点線にて示す波状線は、第1気筒#1〜第4気筒#4の全ての気筒で吸気バルブ40が作動している場合に吸気カムシャフト41に生じる交番トルクを示している。そして、同図6において下方に実線にて示す波状線は、第3気筒及び第2気筒の吸気バルブ40の開閉動作を停止させた場合に吸気カムシャフト41に生じる交番トルクを示している。なお、この図6においても、吸気カム42の回転方向に対して逆方向に作用する回転トルク、いわば吸気カム42の回転を阻害する方向に作用する回転トルクを正トルクとし、吸気カム42の回転方向と同方向に作用する回転トルク、いわば吸気カム42の回転を補助する方向に作用する回転トルクを負トルクと定義している。
本実施形態に係る直列4気筒型の内燃機関1では、各吸気カム42の作用角が180°CAよりも大きな値に設定されており、ある気筒に対応した吸気バルブ40の開弁期間と、次に点火が行われる気筒に対応した吸気バルブ40の開弁期間とは一部が重なるようになっている。
従って、例えば第4気筒#4において吸気カム42が吸気バルブ40を押し下げ始めてその吸気カム42に正トルクが生じているときに、第3気筒の吸気カム42には上昇中の吸気バルブ40、すなわち閉弁方向に向かって動いている吸気バルブ40からの反力によって負トルクが生じている。また、第4気筒の吸気カム42に対して上昇中の吸気バルブ40によって負トルクが生じているときには、第2気筒で吸気バルブ40を押し下げる吸気カム42に正トルクが生じている。これらの正トルク及び負トルクは吸気カムシャフト41を通じて互いに打ち消しあうため、吸気カムシャフト41全体に生じる交番トルクは減少してしまうようになる。
他方、上記弁停止処理が実行されると、図6において破線にて示される第3気筒及び第2気筒の吸気バルブ40の開閉動作が停止されることにより、両気筒に対応する吸気カム42には交番トルクが生じないようになる。その結果、第1気筒及び第3気筒で吸気カム42に生じた交番トルクの振幅幅はほとんど減少することなく吸気カムシャフト41に伝わるようになる。このように第3気筒及び第2気筒の吸気バルブ40についてその開閉動作が停止されることにより、全気筒で吸気バルブ40が開閉動作されるときよりも吸気カムシャフト41に生じる交番トルクが増大するため、内燃機関1のクランキング中における内部ロータ61の揺動量が増大して同内部ロータ61の相対回転量が増すようになる。その結果、ロックピン69がラチェット溝72及び係止穴70に速やかに嵌入されるようになり、内部ロータ61がより速やかに中間ロック位相にまで自立的に相対回転するようになる。
以上説明した本実施形態に係る内燃機関1の制御装置によれば、以下の作用効果を得ることができる。
(1)クランキング時において吸気カムシャフト41に作用する交番トルクによって揺動される内部ロータ61がその揺動を利用して自立的に中間ロック位相にまで相対回転するように構成されたバルブタイミング可変装置50を内燃機関1に設けるようにしている。そして、内燃機関1がクランキングされるときには、開弁期間の一部が重なる吸気バルブ40について一部の吸気バルブ40の開閉動作を停止する弁停止処理を実行するようにしている。このように、吸気カム42のバルブ駆動に伴って吸気カムシャフト41に生じる回転トルクを互いに打ち消し合う吸気バルブ40について一部の吸気バルブ40の開閉動作が停止されるために回転トルクの打ち消しが抑制され、その分、吸気カムシャフト41全体としての交番トルクが増大するようになる。従って、交番トルクに伴う内部ロータ61の揺動量が増大して、同内部ロータ61が中間ロック位相に向けて速やかに自立的に相対回転するようになる。したがって、機関始動時に、より詳細にはクランキング時に、吸気カムシャフト41に駆動連結された内部ロータ61をより速やかに中間ロック位相にまで自立的に相対回転させることができるようになる。
なお、上記弁停止処理が実行されることによりクランキング時の交番トルクに伴う内部ロータ61の相対回転量が増大して、内部ロータ61の中間ロック位相への自立回転が容易となる。そのため、自立回転を補助するラチェット溝によって構成されるラチェット機構をある程度簡素化しても、機関始動時における中間ロック位相でのバルブタイミングの固定を十分に保証することができるようになる。従って、例えばラチェット溝72の幅を大きくして、その段数を少なくするといったようなラチェット機構の簡易化を図ることができるようにもなる。
(2)バルブタイミング可変機構を駆動する作動油の作動油温Tが判定値T1以下のときに、弁停止処理を実行するようにしている。そのため、作動油の粘度によって内部ロータ61の自立回転が妨げられる状況下において、吸気カムシャフト41の交番トルクが大きくなる。従って、交番トルクによる内部ロータ61の揺動量を、遅角圧力室64や進角圧力室65に残存する粘度の高い作動油の抵抗に打ち勝つような大きな揺動量にすることができる。従って、高粘度の作動油が遅角圧力室64や進角圧力室65に残存しているようなときであっても、クランキング中に速やかに内部ロータ61を中間ロック位相にまで自立回転させることができ、低温環境下での機関始動を向上させることができる。
(3)内部ロータ61の相対回転位相が中間ロック位相になっているときに、仮に上記弁停止処理が実行されて一部の吸気バルブ40の開閉動作が停止されると、クランキング時において内部ロータ61が大きく揺動されてしまい、係止穴70へのロックピン69の嵌入が困難になったり、嵌入に要する時間が長くなる等の不都合の発生が懸念される。この点、本実施形態では、上記ステップS120にて否定判定される場合、すなわち内部ロータ61の相対回転位相が中間ロック位相になっている場合には、弁停止処理の実行を禁止するようにしている。従って、内部ロータ61が中間ロック位相に位置するときには内部ロータ61の揺動が増大されないようになり、ロックピン69が係止穴70に嵌入されやすくなるといった効果が得られる。
(4)内部ロータ61の相対回転位相が中間ロック位相になっているときには、中間ロック機構による内部ロータ61の相対回転位相の固定が行われているとみなすことができる。このようにハウジング51及び内部ロータ61といった両回転体の相対回転が中間ロック機構にて固定されているときに、即ちロックピン69が係止穴70に嵌入されているときに内部ロータ61が大きく揺動されて相対回転すると、ロックピン69が係止穴70の壁面に強く押しつけられてしまい、ロックピン69や係止穴70が損傷してしまうといった不都合の発生が懸念される。この点、本実施形態では、内部ロータ61の相対回転位相が中間ロック位相になっているときには、上記弁停止処理の実行を禁止するようにしている。従って、中間ロック機構による内部ロータ61の相対回転位相の固定が行われている状態では、上記弁停止処理の実行が禁止される。そのため、上述したようなロックピン69や係止穴70が損傷といった不具合の発生を抑制することができる。また、逆に、内部ロータ61の相対回転位相が中間ロック位相になっていないとき、すなわちロックピン69が係止穴70に嵌入されていないときには上記弁停止処理が実行されるため、速やかに且つ確実に内部ロータ61を中間ロック位相にまで自立回転させて固定することができる。
(5)上記弁停止処理を、中間ロック機構による内部ロータ61の相対回転位相の固定が行われた後に終了させるようにしている。従って、吸気バルブ40及び排気バルブ46の開閉動作が停止されていた第3気筒#3及び第2気筒#2の始動性を確保することができる。
(第2実施形態)
次に、本発明を具体化した第2実施形態について、上記第1実施形態との相違点を中心に説明する。
本実施形態では、第1実施形態の図5に示した一連の処理のうち、内部ロータ61の相対回転位相が中間ロック位相になっているか否かを判定するための処理(S110,S120)、及び作動油温Tの判定処理(S130、S140)を省略するようにしている。そして、中間ロック機構による内部ロータ61の相対回転位相の固定が行われていることをクランクキングの開始前までに判定し、その判定結果に基づいて弁停止処理の実行可否を判定するようにしている。
図7に、内部ロータ61の揺動量を増大させるための制御について本実施形態での処理手順を示す。なお、本処理は機関の始動時に電子制御装置90によって行われる。
この図7に示すように、本処理が開始されると、まず機関が現在クランキング中であるか否かが判定される(S200)。現在クランキング中であると判定される場合には(S200:YES)、続いて、前回の機関停止時にロックピン69が係止穴70に嵌入されていたか否か、すなわち前回の機関停止時に中間ロック機構による内部ロータ61の相対回転位相の固定が行われていたか否かが判定される(S210)。このステップS210での判定は以下のようにして行われる。
まず、機関の停止時においてロックピン69の作動状態を監視しておき、ロックピン69が係止穴70に嵌入されているか否かを判定しておくようにしている。そして、その判定結果を機関始動時において行われる上記ステップS210の処理が完了するまで電子制御装置90内の記憶装置に保持するようにしている。そして、ステップS210の処理では、記憶装置に保持された上記判定結果が読み込まれて、その読み込まれた判定結果に基づき、前回の機関停止時にロックピン69が係止穴70に嵌入されていたか否かが判定される。ちなみに、機関の停止時におけるロックピン69の作動状態は、ロックピン69の作動状態に応じて信号が変化するセンサやスイッチを設けたり、機関停止時において内部ロータ61の相対回転位相が中間ロック位相になっていることを判定する処理を行う等により監視することができる。
ステップS210にて、前回の機関停止時にロックピン69が係止穴70に嵌入されていないと判定される場合には(S210:NO)、現在のクランキング中に内部ロータ61を、自立回転によって速やかに中間ロック位相にまで位相変化させて固定する必要がある。そこで、第1実施形態で説明した上記弁停止処理が実行されて(S220)、本処理は一旦終了される。
他方、上記ステップS200、ステップS210にて否定判定される場合には、吸気カムシャフト41に生じる交番トルクを大きくするための上記弁停止処理の実行が禁止されて(S230)、本処理は一旦終了される。このステップS230の処理では、弁停止処理がすでに実行されている場合にはその実行が禁止されて弁停止処理の実行が終了される。また、弁停止処理が実行されていない場合には、弁停止処理の非実行が維持される。
以上説明した本実施形態によれば、第1実施形態による上記(1)、(4)及び(5)に記載の効果に加えて、以下の効果を得ることができる。
(6)中間ロック機構による内部ロータ61の相対回転位相の固定が行われていることをクランクキングの開始前までに判定するようにしている。より詳細には、前回の機関停止時において、ロックピン69が係止穴70に嵌入されているか否かを確認してその確認結果を電子制御装置90に記憶するようにしている。そして、ステップS210の処理にて否定判定される場合、すなわち前回の機関停止時にロックピン69が係止穴70に嵌入されていると判定される場合には、ステップS230の処理にて弁停止処理の実行を禁止するようにしている。そのため、前回の機関停止時において相対回転位相が中間ロック位相に固定されていることが確認されれば、クランキングの初期段階から弁停止処理の実行を禁止することが可能となる。従って、第1実施形態の(4)に記載の作用効果をクランキングの初期段階から得ることができる。なお、ステップS210にて肯定判定される場合には、弁停止処理の実行が禁止されることなく実行される。そのため、クランキングの初期段階から弁停止処理が実行されるようになり、早期にバルブタイミングを中間ロック位相に固定することが可能になる。
なお、上記各実施形態は以下のように変更して実施することもできる。
・弁停止処理において吸気バルブ停止機構43のみを作動させて吸気バルブ40の開閉動作のみを停止させるようにしてもよい。
・第1実施形態では、内部ロータ61の相対回転位相が中間ロック位相になっているか否かを判定するようにしたが、これに代えて内部ロータ61が中間ロック位相に固定されているか否かを判定するようにしてもよい。この場合でも、上記(1)、(2)、(4)、及び(5)に記載の効果を得ることができる。
・第1実施形態では、内部ロータ61の相対回転位相が中間ロック位相になっているか否かを判定するようにしたが、これに代えて、前回の機関停止時に記憶した内部ロータ61の中間ロック位相での固定の成否を読み込むようにしてもよい。この場合にも、上記(1)、(2)、及び(4)〜(6)に記載の効果を得ることができる。また、第2実施形態では、内部ロータ61の中間ロック位相での固定の成否を読み込むようにしていたが、これに代えて、内部ロータ61の相対回転位相が中間ロック位相に固定されているか否かを始動時に検出して判定してもよい。この場合には、上記(1)、及び(3)〜(5)に記載の効果を得ることができる。
・第1実施形態では、内部ロータ61の相対回転位相が中間ロック位相になっているか否かを判定するようにしていたが、内部ロータ61の相対回転位相を検出することが困難な場合には、そのような判定処理を省略してもよい。この場合でも、上記(1)、(2)、及び(5)に記載の効果を得ることができる。
・先の図7に示したステップS200では、機関が現在クランキング中であるか否かを判定するようにした。この他、ステップS200にて、クランキングの開始要求があるか否かを判定する。そして、クランキングの開始要求がある場合にはステップS210の処理を行い、クランキングの開始要求がない場合にはステップS230の処理を行うようにしてもよい。この場合には、クランキングが実際に開始される前にステップS200やステップS210の処理を行うことが可能になり、クランキングの開始時点から弁停止することが可能になる。なお、クランキングの開始要求があるか否かの判定は、運転者によるイグニションスイッチの操作状態や、制御装置からのクランキング開始信号の有無などに基づいて行うことできる。
・第2実施形態では、ロックピン69が係止穴70に嵌入されているか否かを前回の機関停止時において確認するようにした。この他、機関始動要求がなされて実際にクランキングが開始されるまでの間などにおいて、ロックピン69が係止穴70に嵌入されているか否かを確認するようにしてもよい。すなわち中間ロック機構による内部ロータ61の相対回転位相の固定が行われていることの確認は、クランクキングの開始前まで行えばよい。
・第2実施形態において図7に示したステップS200の処理の前に、ステップS210の処理を行うようにしてもよい。
・上記第1実施形態において、ステップS130、ステップS140の処理を省略してもよい。この場合でも、上記(2)以外の効果については得ることができる。
・上記第1実施形態において、ステップS110〜ステップS140の処理を省略し、機関がクランキング中であるときには速やかに弁停止処理を行うようにしてもよい。この場合でも、上記(1)に記載の効果が得られる。
・上記弁停止処理の実行を、中間ロック機構によって内部ロータ61の相対回転位相が中間ロック位相に固定された後に終了させるようにしたが、この他のタイミングで終了させるようにしてもよい。この場合でも、上記(5)以外の作用効果を得ることができる。
・吸気バルブ停止機構43や排気バルブ停止機構45によって第1気筒#1及び第4気筒#4に設けられた吸気バルブ40及び排気バルブ46の開閉動作を停止させるようにしてもよい。また、吸気バルブ40及び排気バルブ46の開閉動作が停止される気筒が、全気筒のうちのいずれか1つやいずれか3つの気筒でもよい。すなわち複数の吸気バルブ40のうちで開弁期間の一部が重なる吸気バルブの少なくとも1つについてその開閉動作をバルブ停止機構にて停止させるようにすれば、開弁期間の一部が重なる吸気バルブの存在による交番トルクの減少が抑えられるため、クランキング中における内部ロータ61の揺動量を増大させることができる。
・上記各実施形態では、バルブタイミング可変装置50は吸気カムシャフト41に設けられていたが、エンジンスペースの制限により取り付けが困難であるときなどは、クランクシャフト18に設けるようにしてもよい。また、上記バルブタイミング可変装置50が排気カムシャフト47に設けられる場合でも、本発明は同様に適用することができる。
・ロックピン69をハウジング51側に、係止穴70及びラチェット溝72を内部ロータ61側に設けるようにしてもよい。
・クランクシャフト18に上記第1回転体として内部ロータ61を駆動連結し、吸気カムシャフト41に上記第2回転体としてハウジング51を駆動連結するようにしてもよい。
・上記各実施形態では、内燃機関1は直列4気筒型の内燃機関であったが、各カムに生じる交番トルクがカムシャフトにおいて互いに打ち消しあうのであれば、気筒数や気筒の配列形式が異なる内燃機関であってもよい。
・吸気バルブ停止機構43や排気バルブ停止機構45は、ロッカーアームに当接するピボットの固定及び固定解除を行うことにより、吸気バルブや排気バルブの開閉動作を停止させる機構であったが、この他の態様で吸気バルブや排気バルブといった機関バルブの開閉動作を停止させる機構であってもよい。例えば、ロッカーアームの揺動を停止させることにより機関バルブの開閉動作を停止させる機構や、機関バルブのリフト量を「0」にすることで機関バルブの開閉動作を停止させる機構であってもよい。
・排気バルブ停止機構45を備えていない内燃機関にも本発明は適用することができる。
1…内燃機関、11…シリンダヘッド、12…シリンダブロック、13…ピストン、14…燃焼室、15…点火プラグ、16…吸気通路、17…排気通路、18…クランクシャフト、19…コネクティングロッド、20…燃料噴射弁、30…タイミングチェーン、31…吸気側スプリング、32…排気側スプリング、40…吸気バルブ、41…吸気カムシャフト、42…吸気カム、43…吸気バルブ停止機構、43a…吸気ピボット、43b…本体部、44E…排気ロッカーアーム、44I…吸気ロッカーアーム、45…排気バルブ停止機構、45a…排気ピボット、45b…本体部、46…排気バルブ、47…排気カムシャフト、48…排気カム、50…バルブタイミング可変装置、51…ハウジング、52…ハウジング本体、53…カバー、54…区画室、54c…内周面、54f…側面、54r…側面、55…隔壁、55a…端面、60…スプロケット、61…内部ロータ、62…ベーン、62a…端面、62f…側面、62r…側面、63…ロータ本体、63a…外周面、64…遅角圧力室、65…進角圧力室、68…挿通孔、69…ロックピン、70…係止穴、72…ラチェット溝、80…吸込油路、81…遅角油路、82…進角油路、83…第1供給油路、84…第1排出油路、85…油圧制御弁(オイルコントロールバルブ)、86…オイルパン、87…オイルポンプ、88…ロック油路、90…電子制御装置、91…クランクポジションセンサ、93…カムポジションセンサ、94…油温センサ、#1…第1気筒、#2…第2気筒、#3…第3気筒、#4…第4気筒。

Claims (6)

  1. クランクシャフトに駆動連結される第1回転体と機関バルブを開閉動作させるカムシャフトに駆動連結される第2回転体との相対回転位相を変更することにより前記機関バルブのバルブタイミングを変更するバルブタイミング可変機構と、前記第1回転体及び前記第2回転体の一方に形成された挿通穴を移動する係止部材が前記第1回転体及び前記第2回転体の他方に形成された係止穴に嵌入されることによって前記第1回転体と前記第2回転体との相対回転位相を最遅角位相から最進角位相までの間の中間に設定された中間ロック位相に固定する中間ロック機構と、前記係止穴の底部が最深となるように前記係止穴の側方に設けられたラチェット溝とを備えたバルブタイミング可変装置を有する内燃機関の制御装置であって、
    前記内燃機関は、前記第2回転体が駆動連結された前記カムシャフトの回転によって開閉動作される複数の機関バルブと、それら複数の機関バルブのうちで開弁期間の一部が重なる機関バルブの少なくとも1つについてその開閉動作を停止させるバルブ停止機構とを備えており、
    前記内燃機関の前記制御装置は、前記内燃機関がクランキングされているときには前記バルブ停止機構の作動を通じて前記機関バルブの開閉動作を停止させる弁停止処理を実行する
    ことを特徴とする内燃機関の制御装置。
  2. 前記中間ロック機構による前記相対回転位相の固定が行われているときには前記弁停止処理の実行を禁止する
    請求項1に記載の内燃機関の制御装置。
  3. 前記中間ロック機構による前記相対回転位相の固定が行われていることを前記クランキングの開始前までに判定し、前記相対回転位相の固定が行われている旨判定されるときには前記弁停止処理の実行を禁止する
    請求項2に記載の内燃機関の制御装置。
  4. 前記相対回転位相が前記中間ロック位相になっているときには前記弁停止処理の実行を禁止する
    請求項1〜3のいずれか1項に記載の内燃機関の制御装置。
  5. 前記バルブタイミング可変機構は、前記第1回転体及び前記第2回転体のうちの一方の回転体の内部に形成されて他方の回転体に油圧を作用させる進角圧力室及び遅角圧力室を備えており、前記進角圧力室及び前記遅角圧力室への作動油の供給を制御して前記第1回転体に対する前記第2回転体の相対位相を変化させることにより前記バルブタイミングを変更する機構であり、
    前記作動油の温度が所定の温度以下であるときに前記弁停止処理を実行する
    請求項1〜4のいずれか1項に記載の内燃機関の制御装置。
  6. 前記弁停止処理は、前記中間ロック機構による前記相対回転位相の固定が行われた後に終了される
    請求項1〜5のいずれか1項に記載の内燃機関の制御装置。
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