JP2011048886A - 磁気記録媒体及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】高密度記録領域における電磁変換特性が良好で、且つ生産性の高い磁気記録媒体及びその製造方法を提供する。
【解決手段】本発明の磁気記録媒体の製造方法は、支持体2の上に着色材料と放射線硬化性樹脂とを含む平滑化層20を形成する工程と、平滑化層20の上に磁性層を形成する工程とを含み、平滑化層20を形成する工程において、支持体2と平滑化層20とからなる磁気記録媒体前駆体5bの光透過率を測定することにより、平滑化層20の厚さを制御することを特徴とする。
【選択図】図4

Description

本発明は特に高密度記録分野における電磁変換特性が良好で、生産性に優れた磁気記録媒体及びその製造方法に関する。
磁気記録媒体のひとつである磁気テープには、オーディオテープ、ビデオテープ、コンピュータテープ等の種々の用途があるが、特にデータバックアップ用のコンピュータテープの分野では、バックアップ対象となるハードディスクの大容量化に伴い、1巻当たり数100GB以上の記憶容量のものが実用化されており、今後ハードディスクのさらなる高容量化に対応するため、バックアップテープの高容量化は不可欠である。また、バックアップテープは、高容量化のみならず、電磁変換特性の向上、特にC/N比の向上も重要な課題である。
一般に磁気テープのC/N比等の電磁変換特性を向上させるためには、磁気ヘッドと磁気テープとの間隔をできる限り近づけることが重要となる。しかし、磁気テープの支持体として使用されるベースフィルムは、巻き取りを容易にするために、ベースフィルム中に数種類のフィラーを添加して突起を形成することで、その表面を粗く設定している。
これらフィラーにより形成された突起は、磁性層の表面に凹凸を発生させ、磁気ヘッドと磁気テープとの近接を阻害し、電磁変換特性も低下することになる。また、粗大な突起においては、信号抜けを引き起こし、エラーレートの悪化を招くことになる。
一方、近年のコンピュータテープ用ベースフィルムにおいても、ベースフィルム自体の表面平滑化が行われてはいるが、更なる高記録密度化に向け、ベースフィルム上に設けられる磁性層、非磁性層の薄層化が進んでおり、もはや、ベースフィルムの巻き取り性と電磁変換特性の両立を図ることが非常に困難な状況になってきている。
また、磁性層の表面に発生した凹凸を除去するため、ベースフィルムの上に非磁性層と磁性層とを形成した後にカレンダ処理を行い、磁性層の表面を平滑化している。このカレンダ処理では、鏡面のカレンダロールで磁性層の表面に熱と圧力をかけて、磁性層の表面を平滑にする方法である。しかし、磁性層に与えられる圧力、熱の上限は機械的な制約を受けたり、条件を上げ過ぎるとカレンダロールに磁性層が付着してカレンダ処理が継続できなくなる問題があった。
この問題を解決する方法として、例えば、ベースフィルムの少なくとも一方の主面上に、平滑化塗布層又は中間層を設けた磁気記録媒体が提案されている(例えば、特許文献1、特許文献2参照。)。
特開2004−334988号公報 特開2006−31805号公報
しかし、特許文献1及び特許文献2の方法では、ベースフィルム上に平滑化塗布層又は中間層を塗布した後、そのまま硬化させているために、塗膜の硬化までの平滑化塗布層又は中間層のレベリングによってベースフィルムの平滑性が決定されることになる。レベリングに寄与する要因として塗料の表面張力、塗料粘度、塗料の降伏値、塗布から硬化までにかかる時間、塗布方式等があり、これらにより塗膜の平滑性が大きく左右され、レベリングだけで充分な平滑面を得るのが難しい。また、これらの方法では必要最低限の膜厚を維持することが技術的に困難である。
また、特許文献1及び特許文献2には、平滑化塗布層又は中間層を放射線硬化性樹脂を用いて形成することが記載されているが、その放射線硬化性樹脂を安価で扱いやすい紫外線で硬化させる場合においては、酸素濃度が充分低い環境下でないと、酸素により硬化反応が阻害を受け、反応性が低下してモノマーが低分子のまま残留したり、硬化が不十分になりやすい。そのため、通常の空気中で充分に硬化させるためには強い紫外線照射を長い時間にわたってベースフィルムに照射する必要があり、ベースフィルムにダメージを与えたり、生産速度が低下する問題がある。また、紫外線照射部において酸素を除去する場合には、そのための特別な装置が必要になり製造装置が複雑になるという問題がある。
本発明者らは、先の特開2008−279438号において、これらの問題に対応する技術を提案してきたが、鋭意検討の結果、本発明は、更に高精度での製造管理方法、並びにそれに適した媒体に関するものであり、高密度記録領域における電磁変換特性が良好で、且つ生産性の高い磁気記録媒体及びその製造方法を提供するものである。
本発明の磁気記録媒体は、支持体と、前記支持体の上に設けられた平滑化層と、前記平滑化層の上に設けられた磁性層とを含む磁気記録媒体であって、前記平滑化層は、着色材料と放射線硬化性樹脂とを含むことを特徴とする。
また、本発明の磁気記録媒体の製造方法は、支持体と、前記支持体の上に設けられた平滑化層と、前記平滑化層の上に設けられた磁性層とを含む磁気記録媒体の製造方法であって、支持体の上に着色材料と放射線硬化性樹脂とを含む平滑化層を形成する工程と、前記平滑化層の上に磁性層を形成する工程とを含み、前記平滑化層を形成する工程において、前記支持体と前記平滑化層とからなる磁気記録媒体前駆体の光透過率を測定することにより、前記平滑化層の厚さを制御することを特徴とする。
また、本発明の磁気記録媒体は、上記本発明の磁気記録媒体の製造方法により製造されたことを特徴とする。
本発明は、平滑な磁性層を実現し、高密度記録領域における電磁変換特性が良好で、且つ生産性の高い磁気記録媒体及びその製造方法を提供できる。
本発明の磁気記録媒体の製造に用いる磁気テープの製造装置の一例を示す模式側面図である。 図1の位置Aにおける支持体のイメージ断面図である。 図1の位置Bにおける前駆体のイメージ断面図である。 図1の位置Cにおける前駆体のイメージ断面図である。 青系顔料を用いた磁気記録媒体前駆体の光透過率を測定した結果を示す図である。 平滑化層の厚さと光透過率との関係を示す図である。 赤系顔料を用いた磁気記録媒体前駆体の光透過率を測定した結果を示す図である。 黄系顔料を用いた磁気記録媒体前駆体の光透過率を測定した結果を示す図である。
本発明の磁気記録媒体の製造方法は、支持体と、上記支持体の上に設けられた平滑化層と、上記平滑化層の上に設けられた磁性層とを含む磁気記録媒体の製造方法であって、支持体の上に着色材料と紫外線硬化性樹脂とを含む平滑化層を形成する工程と、上記平滑化層の上に磁性層を形成する工程とを含み、上記平滑化層を形成する工程において、上記支持体と上記平滑化層とからなる磁気記録媒体前駆体の光透過率を測定することにより、上記平滑化層の厚さを制御することを特徴とする。
本発明の磁気記録媒体の製造方法では、支持体と平滑化層とからなる磁気記録媒体前駆体の光透過率を測定することにより、平滑化層の厚さを制御するので、平滑化層の厚さの制御が容易となり、生産性が向上する。また、このようにして得られた本発明の磁気記録媒体は、磁性層の表面が極めて平滑であるために電磁変換特性が良好で、特に磁性層を薄膜化した高密度記録領域のC/N比が格段に向上する。
以下、本発明の磁気記録媒体の製造方法の実施形態を図面に基づいて具体的に説明する。以下の実施形態では、磁気記録媒体のひとつである磁気テープの製造方法について説明する。
図1は、本発明の磁気記録媒体の製造に用いる磁気テープの製造装置の一例を示す模式側面図である。図1の磁気テープの製造装置は、支持体2を送り出すための送り出しロール1と、着色材料と放射線硬化性樹脂とを含む平滑化層用塗料を支持体2上に塗布するためのコータ3と、平滑化層用塗料に含まれる溶剤を除去するためのドライア4と、支持体2と塗布後の平滑化層とからなる前駆体5aの光透過率を測定する第1の光透過率測定装置6と、塗布後の平滑化層を押圧して平滑化するための表面が鏡面仕上げされた表面加工ロール7と、着色材料と放射線硬化性樹脂とを含む平滑化層に放射線を照射して硬化させるための放射線照射装置8と、表面加工ロール7と協働して平滑化層を押圧するバックアップロール9と、支持体2と硬化後の平滑化層とからなる前駆体5bの光透過率を測定する第2の光透過率測定装置10と、前駆体5bを巻き取るための巻き取りロール11とを備えている。
図1の製造装置を用いた磁気テープの製造方法では、先ず、支持体2が送り出しロール1より繰り出され、位置Aに達する。位置Aにおける支持体2のイメージ断面図を図2に示す。図2において、支持体2の表面2aには凹凸が形成され粗面化している。
次に、支持体2は、コータ3によって、支持体2の上に着色材料と放射線硬化性樹脂とを含む平滑化層用塗料が塗布される。
次に、支持体2の上に塗布された平滑化層用塗料は、ドライア4によって乾燥され、余分な溶剤が除去され、支持体2と塗布後の平滑化層とからなる前駆体5aは位置Bに達する。位置Bにおける前駆体5aのイメージ断面図を図3に示す。図3において、支持体2の表面2aには、平滑化層20が形成されている。この時点では、支持体2の表面2aの凹凸の影響が平滑化層20の表面にまで達し、平滑化層20の表面には凹凸が形成され粗面化している。
次に、前駆体5aは第1の光透過率測定装置6によりその光透過率が測定される。平滑化層20は、着色材料を含んでいるため、平滑化層20の厚さが大きくなれば、その光透過率が低下し、平滑化層20の厚さが小さくなれば、その光透過率が上昇する。即ち、平滑化層20の光透過率とその厚さには一定の関係があり、その関係を検量線として求めておけば、平滑化層20の光透過率を測定することにより、連続的に平滑化層20の厚さを測定できる。これにより、仮に平滑化層20の厚さが設計値より外れた場合には、コータ3からの平滑化層用塗料の塗布量を調整することにより、直ちに平滑化層20の厚さを制御できる。
次に、前駆体5aは、バックアップロール9により、平滑化層20を設けた前駆体5aの背面側から表面加工ロール7に押圧されて当接され、平滑化層20は平滑化されるとともに、この当接された状態で放射線照射装置8によって支持体2を介して平滑化層20に放射線照射が行われる。これにより、平滑化層20の平滑化と硬化とが行われ、支持体2の上に硬化した平滑化層20が形成された前駆体5bが得られる。
前駆体5bは、さらにバックアップロール9と表面加工ロール7との間を通って位置Cに達する。位置Cにおける前駆体5bのイメージ断面図を図4に示す。図4において、前駆体5bは、支持体2と、支持体2の表面2aに形成され硬化して平滑化された平滑化層20を備えている。
次に、前駆体5bは第2の光透過率測定装置10によりその光透過率が測定される。これにより、前述と同様にして平滑化層20の厚さが確認できる。これにより、仮に平滑化層20の厚さが設計値より外れた場合には、コータ3からの平滑化層用塗料の塗布量を調整することにより、平滑化層20の厚さを微調整できる。
本実施形態では、上記のように第1の光透過率測定装置6と第2の光透過率測定装置10の2台を用いて前駆体5a、5bの光透過率をそれぞれ測定したが、光透過率の測定は第1の光透過率測定装置6のみにより行ってもよい。
その後、前駆体5bは、巻き取りロール11に巻き取られる。巻き取られた前駆体5bは、さらに、中間層形成工程(図示せず。)及び磁性層形成工程(図示せず。)を経て本実施形態の磁気テープが完成する。前駆体5bは、上記のように巻き取らずにその後連続的に中間層形成工程及び磁性層形成工程を行うこともできる。
以下、上記本実施形態の磁気記録媒体の製造方法についてさらに詳細に説明する。
<支持体>
支持体2としては特に限定されないが、一般的には各種合成樹脂からなる可撓性のフィルムが使用できる。具体的には例えば、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレンナフタレートフィルム、ポリアミドフィルム、アラミドフィルム、ポリイミドフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリフェニレンサルファイドフィルム、ポリスルフォンフィルム、ポリプロピレンフィルム等が挙げられる。なかでも機械的強度、寸法安定性、耐熱性、価格等の点からポリエチレンテレフタレートフィルムが好ましく、特に2軸延伸したポリエチレンテレフタレートフィルムが好ましい。
支持体2の厚さとしては特に制限はないが、用途に合わせて、通常3〜150μmのものが用いられる。
<平滑化層>
平滑化層20は、着色材料と放射線硬化性樹脂とを含有している。平滑化層20の厚さは、0.05μm以上1.0μm以下が好ましく、0.1μm以上0.5μm以下がより好ましい。0.05μmより薄いと酸素による硬化障害が大きくなり硬化しにくくなる傾向があり、1.0μmを超えると平滑化層20の硬化時に応力が支持体2に加わり、支持体2が変形する傾向がある。即ち、平滑化層20の厚さ制御は重要である。本実施形態では、前述のとおり第1の光透過率測定装置6及び第2の光透過率測定装置10を用いて平滑化層20の厚さを制御できるので、平滑化層20の厚さの制御が容易となり、生産性が向上する。
上記着色材料としては、顔料、染料等を用いることができるが、有機溶剤に不溶な顔料が好ましい。顔料としては、無機顔料及び有機顔料を使用できる。
上記無機顔料としては、例えば、酸化チタン、亜鉛華、酸化亜鉛、トリポン、酸化鉄、酸化アルミニウム、二酸化ケイ素、カオリナイト、モンモリロナイト、タルク、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、シリカ、アルミナ、カドミウムレッド、べんがら、モリブデンレッド、クロムバーミリオン、モリブデートオレンジ、黄鉛、クロムイエロー、カドミウムイエロー、黄色酸化鉄、チタンイエロー、酸化クロム、ピリジアン、コバルトグリーン、チタンコバルトグリーン、コバルトクロムグリーン、群青、ウルトラマリンブルー、紺青、コバルトブルー、セルリアンブルー、マンガンバイオレット、コバルトバイオレット、マイカ等を使用できる。
上記有機顔料としては、例えば、アゾ系、アゾメチン系、ポリアゾ系、フタロシアニン系、キナクリドン系、アンスラキノン系、インジゴ系、チオインジゴ系、キノフタロン系、ベンツイミダゾロン系、イソインドリン系、イソインドリノン系の顔料等を使用できる。また、有機顔料としては、酸性カーボン、中性カーボン又は塩基性カーボンからなるカーボンブラックも用いられる。また、架橋したアクリル樹脂の中空粒子等も顔料として使用することができる。
また、青系顔料としては、例えば、C.I.ピグメントブルー1、2、3、15:3、15:4、15:34、16、22、60等を使用できる。特に、耐候性、着色力等の点から、C.I.ピグメントブルー15:3、15:4から選択される1種又は2種以上の混合物が好ましい。
また、赤系顔料としては、例えば、C.I.ピグメントレッド5、7、12、48(Ca)、48(Mn)、57(Ca)、57:1、112、122、123、168、184、202、209、254、C.I.ピグメントバイオレット19等を使用できる。特に、耐候性、着色力等の点から、C.I.ピグメントレッド122、202、209、254、C.I.ピグメントバイオレット19から選択される1種又は2種以上の混合物が好ましい。
また、黄系顔料としては、例えば、C.I.ピグメントイエロー1、2、3、12、13、14C、16、17、73、74、75、83、93、95、97、98、109、110、114、120、128、129、130、138、139、147、150、151、154、155、180、185、213、214等を使用できる。特に、耐候性等の点から、C.I.ピグメントイエロー74、83、109、110、120、128、138、139、150、151、154、155、213、214から選択される1種又は2種以上の混合物が好ましい。
また、黒系顔料としては、例えば、三菱化学社製のHCF、MCF、RCF、LFF、SCF、キャボット社製のモナーク、リーガル、デグサ・ヒュルス社製のカラーブラック、スペシャルブラック、プリンテックス、東海カーボン社製のトーカブラック、コロンビア社製のラヴェン等を使用できる。
上記着色材料の含有量は、平滑化層の全重量に対して0.3重量%以上10.0重量%以下であることが好ましく、1.0重量%以上8.0重量%以下がより好ましい。0.3重量%未満では、発色が悪く、光透過率が高いため、膜厚の高感度での検出が困難となる傾向がある。また、10.0重量%を超えると、樹脂としての硬化に時間が掛り、生産性が低下する傾向がある。
また、上記着色材料の粒径は、平滑化層の厚さの大きさを超えない範囲が好ましい。平滑化層の厚さを超えると、表面平滑性が低下し、平滑化層の本来の目的を達成できない場合がある。本発明における粒径は、透過型電子顕微鏡(TEM)にて撮影した写真から各粒子の最大径を実測したものである。
上記放射線硬化性樹脂としては特に限定されないが、硬化性が良好な2官能以上の放射線硬化性樹脂が好ましい。具体的には例えば、アクリル酸、アクリル酸エステル、アクリルアミド類、メタクリル酸エステル、メタクリル酸アミド類、アリル化合物、ビニルエーテル、ビニルエステル類等を使用できる。これらの樹脂は、単独でも使用できるが、複数を組み合わせて使用することもできる。
上記放射線硬化性樹脂の含有量は、平滑化層の全重量に対して70重量%以上99.2重量%以下であることが好ましく、80重量%以上99.2重量%以下がより好ましい。この範囲内であれば、平滑化がより確実に充分に行われるからである。本発明において放射線硬化性樹脂とは、放射線照射によって反応し、重合あるいは架橋して高分子量化する樹脂をいう。
本発明において放射線とは、電子線、紫外線、可視光等の樹脂硬化能を有する粒子線及び電磁波をいい、なかでもエネルギーの高い紫外線、電子線を使用するのが好ましい。特に、紫外線照射機は放射線硬化性樹脂を硬化させるエネルギー源としては安価であり、扱いやすい。一般的には紫外線光源としては高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、発光ダイオード(LED)等が用いられる。硬化に必要なエネルギー量は、ランプの種類、開始剤の種類、塗膜に含まれるフィラー、支持体の紫外線領域の透過率等によっても異なるが、一般的には10〜1000mJ/cm2で使用される。
上記放射線硬化性樹脂を特に紫外線、可視光をエネルギー源として硬化させる場合には、平滑化層用塗料には光ラジカル重合剤を添加する必要がある。光ラジカル重合剤としては特に限定されず、例えば、ベンジル、ジアセチル等のα−ジケトン類;ベンゾイン等のアシロイン類;ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル等のアシロインエーテル類;チオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、チオキサントン−4−スルホン酸等のチオキサントン類;ベンゾフェノン、4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン等のベンゾフェノン類;ミヒラーケトン類;アセトフェノン、2−(4−トルエンスルホニルオキシ)−2−フェニルアセトフェノン、p−ジメチルアミノアセトフェノン、α,α’−ジメトキシアセトキシベンゾフェノン、2,2’−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、p−メトキシアセトフェノン、2−メチル[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノ−1−プロパノン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オン等のアセトフェノン類;アントラキノン、1,4−ナフトキノン等のキノン類;フェナシルクロライド、トリハロメチルフェニルスルホン、トリス(トリハロメチル)−s−トリアジン等のハロゲン化合物、アシルホスフィンオキシド類、ジ−t−ブチルパーオキサイド等の過酸化物等が使用できる。また、各種光イオン重合剤等も用いることができる。紫外線照射をベースフィルムである支持体2側から行う場合には、透過する波長に応じた開始剤を選ぶことが好ましく、例えば支持体2の材質がポリエチレンテレフタレートやポリエチレンナフタレートの場合には、支持体2の吸収波長と重ならないような波長領域で且つ照射紫外線の波長領域に吸収を持つ光ラジカル重合剤を選択することが好ましい。
上記光ラジカル重合剤の含有量は、放射線硬化性樹脂100重量部に対して0.5重量部以上10.0重量部以下が好ましい。この範囲内であれば他の成分の含有量に大きな影響を与えずに放射線硬化性樹脂の硬化が可能だからである。
本発明では、上記放射線硬化性樹脂は、上記着色材料とともに用いるので、放射線硬化性樹脂として例えば紫外線硬化性樹脂を用いる場合には着色材料が、紫外線の吸収効率を向上させる光吸収補助剤として機能するので、紫外線硬化性樹脂の硬化性が向上し、さらに紫外線照射量も減らせるので、支持体フィルムの熱変形、熱収縮等を防止することもできる。
上記平滑化層用塗料は、上記着色材料、放射線硬化性樹脂、光ラジカル重合剤等を有機溶剤とともに混合することにより作製すればよい。
上記有機溶剤としては、例えば、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶剤、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル系溶剤、酢酸エチル、酢酸ブチル等の酢酸エステル系溶剤等が使用できる。これらの溶剤は、単独で又は混合して使用され、さらにトルエン等と混合して使用される。
上記平滑化層用塗料の塗布方法としては特に限定されず、エクストルージョンダイコート、スライドコート、カーテンコート等の塗布方法を用いることができる。
次に、上記平滑化層の厚さを制御する方法について詳述する。前述のとおり、本発明の磁気記録媒体の製造方法では、支持体と平滑化層とからなる磁気記録媒体前駆体の光透過率を測定することにより、平滑化層の厚さを制御する。より具体的には、平滑化層は、着色材料を含んでいるため、平滑化層の厚さが大きくなれば、その光透過率が低下し、平滑化層の厚さが小さくなれば、その光透過率が上昇する。これにより、平滑化層の光透過率を測定することにより、平滑化層の厚さを測定できる。
図5は、支持体として厚さ6.0μmのポリエチレンテレフタレート製のシートを用い、その上にそれぞれ厚さ0.5μm、0.3μm、0.1μmの平滑化層を形成した磁気記録媒体前駆体の光透過率を測定した結果を示す図である。平滑化層は、青系顔料と放射線硬化性樹脂とから形成した。上記青色顔料としては、C.I.ピグメントブルー15:3を用いた。青色顔料の含有量は、平滑化層の全重量に対して3.0重量%とした。上記放射線硬化性樹脂としては、日本化薬社製のアクリレートモノマー“TMPTA”と、チバガイギー社製の光ラジカル重合剤“イルガキュア819”とを用いて、波長が約400nmのLED光源にて硬化させたものを用いた。
図5より、波長500nm〜800nmの範囲で光透過率が90%以下に低下することが分かる。これらの光透過率の低下量は、顔料の含有量を一定にすると平滑化層の厚さに比例して増加する。従って、平滑化層の光透過率とその厚さとの関係を検量線として求めておけば、平滑化層の光透過率を測定することにより、平滑化層の厚さを測定できる。図5及び後述する図7、図8において、Clear(Ref)は、支持体のみの光透過率を示す。
上記光透過率の測定に用いる透過光としては、波長500nm〜800nmでの光透過率が90%以下となる青系顔料を用いる場合には、波長650nm〜780nmの赤色レーザー光を用いることができる。例えば、波長633nmのHeNeレーザー光、波長680nmの半導体レーザー光等を用いることができる。
図6は、上記平滑化層に波長633nmのHeNeレーザー光を照射した場合の平滑化層の厚さと光透過率との関係を示す図である。図6に示したグラフを検量線として用いることにより、平滑化層の光透過率からその厚さを測定できる。
また、図7は、上記青系顔料に代えて、赤系顔料であるC.I.ピグメントレッド122を用いた以外は、図5の場合と同様にして測定した磁気記録媒体前駆体の光透過率の測定結果を示したものである。図7より、波長450nm〜650nmの範囲で光透過率が90%以下に低下することが分かる。従って、上記青系顔料の場合と同様に検量線を作成することにより、平滑化層の光透過率を測定することにより、平滑化層の厚さを測定できる。
上記光透過率の測定に用いる透過光としては、波長450nm〜650nmでの光透過率が90%以下となる赤系顔料を用いる場合には、波長500nm〜600nmのグリーンブルーレーザー光を用いることができる。例えば、波長515nmのArレーザー光、波長544nmのHeNeレーザー光等を用いることができる。
さらに、図8は、上記顔料に代えて、黄系顔料であるC.I.ピグメントイエロー74を用いた以外は、図5の場合と同様にして測定した磁気記録媒体前駆体の光透過率の測定結果を示したものである。図8より、波長350nm〜500nmの範囲で光透過率が90%以下に低下することが分かる。従って、上記顔料の場合と同様に検量線を作成することにより、平滑化層の光透過率を測定することにより、平滑化層の厚さを測定できる。
上記光透過率の測定に用いる透過光としては、波長350nm〜500nmでの光透過率が90%以下となる黄系顔料を用いる場合には、波長400nm〜500nmのブルーレーザー光を用いることができる。例えば、波長488nmのArレーザー光、波長413nmのKrレーザー光、波長405nmの半導体レーザー光等を用いることができる。
<中間層>
中間層は、高密度記録化のために薄膜化された磁性層を安定して得るために設けられるが、前述の平滑化層20に中間層の機能を付与することもできる。その場合は、中間層を形成しなくてもよい。中間層の厚さは、0.3μm以上1.6μm以下が好ましく、0.6μm以上1.3μm以下がより好ましい。この範囲内であれば、磁性層の厚さむら低減効果及び耐久性向上効果を維持しつつ、磁気テープの全厚が厚くなり過ぎず、テープ1巻当たりの記録容量が低下しないからである。また、中間層は、放射線硬化性樹脂を含有してもよい。
また、中間層には、通常、上記放射線硬化性樹脂を用いる場合、他の樹脂としてバインダ樹脂を含んでもよい。バインダ樹脂としては、例えば熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂、その他の反応性樹脂を用いることができる。具体的には、後述する磁性層に用いるバインダ樹脂と同様の樹脂が使用できる。また、中間層用塗料には、後述する磁性層用塗料で用いる架橋剤と同様の架橋剤を添加することもできる。
中間層用塗料は、例えば、上記放射線硬化性樹脂、光ラジカル重合剤及びその他を有機溶剤とともに混合することにより作製すればよい。上記有機溶剤としては、平滑化層用塗料で用いたものと同様の有機溶剤を使用できる。また、上記中間層用塗料の塗布方法としては特に限定されず、エクストルージョンダイコート、スライドコート、カーテンコート等の塗布方法を用いることができる。さらに、中間層形成工程でも、前述の平滑化層形成工程と同様にして乾燥工程及び平滑化工程を行えばよい。
<磁性層>
磁性層の厚さは、10〜300nm以下が好ましい。磁性層の厚さが10nm未満では得られる出力が小さく、また均一な磁性層を塗布するのが困難となり、300nmを超えると短波長信号の解像度が悪くなる場合や、所望の平滑性が得られなくなる場合があるからである。短波長記録特性をさらに向上させるためには、磁性層の厚さは10〜150nmであることがより好ましく、20〜100nmが最も好ましい。
磁性層の保磁力は、80〜320kA/mが好ましく、100〜300kA/mがより好ましく、120〜280kA/mがさらに好ましい。磁性層の保磁力が80kA/m未満では記録波長を短くすると反磁界減磁で出力低下が起こり、320kA/mを越えると磁気ヘッドによる記録が困難になるからである。
磁性層はバインダ樹脂を含有している。バインダ樹脂としては、一般的な熱硬化性樹脂、又は塩化ビニル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−ビニルアルコール共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−ビニルアルコール共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸共重合体、塩化ビニル−水酸基含有アルキルアクリレート共重合体、ニトロセルロース等のセルロース系樹脂、ポリウレタン樹脂等の熱可塑性樹脂を組み合わせたものなどが使用できる。また、前述の平滑化層や中間層に用いる紫外線硬化性樹脂と光ラジカル重合剤とを組み合わせて用いることもできる。
上記バインダ樹脂は、官能基として、−COOH、−SO3M、−OSO3M、−P=O(OM)3、−O−P=O(OM)2〔これらの式中、Mは水素原子、アルカリ金属塩基又はアミン塩を示す。〕、−OH、−NR12、−N+345〔これらの式中、R1、R2、R3、R4、R5は水素又は炭化水素基を示す。〕、エポキシ基等を有しているものが好ましく用いられる。このようなバインダ樹脂を使用すると、磁性粉末等の分散性が向上するからである。2種以上の樹脂を併用する場合には、官能基の極性を一致させるのが好ましく、中でも、−SO3M基同士の組み合わせが好ましい。
磁性層への放射線硬化性樹脂の添加は必ずしも必要ではないが、磁場配向後の磁性粉末の配向を乱さない範囲で放射線硬化性樹脂を添加してもよい。磁性層にも放射線硬化性樹脂を添加することにより、より平滑な磁性層を得ることができる。
磁性層における樹脂の含有量は、磁性粉末100重量部に対して、7〜50重量部、好ましくは10〜35重量部の範囲である。
磁性層用塗料中には、上記樹脂中に含まれる官能基等と結合させて架橋する熱硬化性の架橋剤を添加することが好ましい。この架橋剤としては、トリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート等や、これらのイソシアネート類とトリメチロールプロパン等の水酸基を複数個有するものとの反応生成物、上記イソシアネート類の縮合生成物等の各種のポリイソシアネートが好ましい。これらの架橋剤は、樹脂100重量部に対して、通常1〜30重量部の割合で用いられる。より好ましくは5〜20重量部である。
磁性層の中に含ませる磁性粉末の平均粒子径は、5nm以上150nm未満の範囲にあるのが好ましい。この範囲が好ましいのは、平均粒子径が5nm未満では、粒子の表面エネルギーが大きくなって分散が困難になり、平均粒子径が150nm以上になるとノイズが大きくなるためである。
磁性粉末としては、強磁性鉄系金属磁性粉末、窒化鉄磁性粉末、板状の六方晶Ba−フェライト磁性粉末等が好ましい。
上記強磁性鉄系金属磁性粉末としては特に限定されないが、Mn、Zn、Ni、Cu、Co等の遷移金属を合金成分として含ませてもよい。その中でも、Co、Niが好ましく、特にCoは飽和磁化を最も向上できるので好ましい。上記遷移金属元素の含有量としては、鉄に対して、5〜50原子%とするのが好ましく、10〜30原子%とするのがより好ましい。また、磁性粉末の分散性を高めるための焼結防止剤として、イットリウム(Y)、セリウム(Ce)、イッテルビウム(Yb)、セシウム(Cs)、プラセオジウム(Pr)、サマリウム(Sm)、ランタン(La)、ユウロピウム(Eu)、ネオジム(Nd)、テルビウム(Tb)等から選ばれる少なくとも1種の希土類元素を磁性粉末に混合してもよい。その中でも、セリウム、ネオジムとサマリウム、テルビウム、イットリウムを用いたときに、形状が良好に保持され、磁性粉末表面に均一なセラミック層が形成されるので好ましい。希土類元素の添加量は、鉄に対して、0.2〜25原子%、好ましくは0.3〜20原子%、より好ましくは0.5〜15原子%である。
また、上記窒化鉄磁性粉末としても特に限定されず、形状は針状の他に球状や立方体形状等の不定形のものを用いることができる。粒子径や比表面積については磁気記録用の磁性粉末としての要求特性をクリアするためには、限定した磁性粉末の製造条件とすることが必要である(例えば、特開2000−277311号公報参照。)。
上記強磁性鉄系金属磁性粉末及び上記窒化鉄磁性粉末の保磁力は、80〜320kA/mが好ましく、飽和磁化量は、80〜200A・m2/kg(80〜200emu/g)が好ましく、100〜180A・m2/kg(100〜180emu/g)がより好ましい。
上記強磁性鉄系金属磁性粉末及び上記窒化鉄磁性粉末の平均粒子径としては、5nm以上60nm未満が好ましく、8〜40nmがより好ましい。この範囲が好ましいのは、平均粒子径が5nm未満となると、保磁力が低下したり、粒子の表面エネルギーが増大するため塗料中での分散が困難になり、平均粒子径が60nm以上であると、粒子の大きさに基づく粒子ノイズが大きくなるためである。また、これらの磁性粉末のBET比表面積は、35m2/g以上が好ましく、40m2/g以上がより好ましく、50m2/g以上が最も好ましい。上記磁性粉末のBET比表面積の上限は、通常100m2/g以下である。
また、上記強磁性鉄系金属磁性粉末、窒化鉄磁性粉末をAl、Si、P、Y、Zr又はこれらの酸化物で表面処理して使用してもかまわない。
上記板状の六方晶Ba−フェライト磁性粉末の保磁力は、120〜320kA/mが好ましく、飽和磁化量は、40〜70A・m2/kg(40〜70emu/g)が好ましい。また、平均粒子径(板面方向の大きさ)は10〜50nmが好ましく、10〜30nmがより好ましく、10〜20nmがさらに好ましい。平均粒子径が10nm未満となると、粒子の表面エネルギーが増大するため塗料中への分散が困難になり、50nmを越えると、粒子の大きさに基づく粒子ノイズが大きくなる。また、板状比(板径/板厚)は2〜10が好ましく、2〜5がより好ましく、2〜4がさらに好ましい。また、上記六方晶Ba−フェライト磁性粉末のBET比表面積は、1〜100m2/gが好ましく用いられる。
本発明における平均粒子径は、透過型電子顕微鏡(TEM)にて撮影した写真から各粒子の最大径(針状粉では長軸径、板状粉では板径)を実測し、100個の平均値により求めたものである。また、本発明における磁性粉末の磁気特性は、いずれも試料振動形磁束計で外部磁場1273.3kA/m(16kOe)での測定値をいうものである。
磁性層用塗料は、上記磁性粉末、バインダ樹脂及びその他を有機溶剤とともに混合することにより作製すればよい。上記有機溶剤としては、平滑化層用塗料で用いたものと同様の有機溶剤を使用できる。また、上記磁性層用塗料の塗布方法としては特に限定されず、エクストルージョンダイコート、スライドコート、カーテンコート等の塗布方法を用いることができる。さらに、磁性層形成工程でも、前述の平滑化層形成工程と同様にして乾燥工程及び平滑化工程を行えばよい。
以下、実施例により本発明を詳しく説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
(実施例1)
<平滑化層用塗料の作製>
平滑化層用塗料の原料として下記成分を準備し、高速ディスパにて攪拌し、0.3mmのジルコニアビーズを用いたサンドミルで滞留時間60分として分散処理を行い、ロキテクノ社製の濾過機“LPS−MPX−045”を用いて濾過した後、平滑化層用塗料とした。
・顔料粉末“C.I.ピグメントブルー15:3”(商品名):0.16重量部
・放射線硬化性樹脂“TMPTA”(商品名):7.44重量部
(アクリレートモノマー、日本化薬社製)
・シクロヘキサノン:46重量部
・トルエン:46重量部
・光ラジカル重合剤“イルガキュア819”(商品名):0.4重量部
(チバガイギー社製)
<磁性層用塗料の作製>
磁性層用塗料の原料として下記成分(1)〜(3)を準備し、第1成分を予め高速混合しておき、その混合粉末を連続式2軸混練機で混練した後、第2成分を加えて連続式2軸混練機で少なくとも2段階以上に分けて希釈を行い、0.3mmのジルコニアビーズを用いたサンドミルで滞留時間を45分として分散処理を行い、これに第3成分を加えて攪拌・濾過した後、磁性層用塗料とした。
(1)第1成分
・磁性粉末(組成:Co−Fe−Al−Y):100重量部
〔Co/Fe:24原子%、Al/(Fe+Co):4.7重量%、Y/(Fe+Co):7.9原子%、σs:131A・m2/kg(131emu/g)、Hc:197.4kA/m(2480Oe)、平均粒子径:60nm、軸比:5〕
・塩化ビニル−ヒドロキシプロピルアクリレート共重合体:13重量部
(−SO3Na基含有:0.7×10-4当量/g)
・ポリエステルポリウレタン樹脂:4.5重量部
(−SO3Na基含有:1.0×10-4当量/g)
・粒状アルミナ粉末(平均粒子径:40nm):10重量部
・メチルアシッドホスフェート:2重量部
・カーボンブラック:3重量部
(平均粒子径:75nm、吸油量:72ml/100g)
・テトラヒドロフラン:20重量部
・メチルエチルケトン/シクロヘキサノン:9重量部
(2)第2成分
・パルミチン酸アミド:1.5重量部
・ステアリン酸n−ブチル:1重量部
・メチルエチルケトン/シクロヘキサノン:350重量部
(3)第3成分
・ポリイソシアネート:1.5重量部
・メチルエチルケトン/シクロヘキサノン:29重量部
<磁気テープ前駆体の作製>
図1に示した装置を用いて支持体上に上記平滑化層用塗料をエクストルージョン型コータにて塗布し、乾燥させた後、第1の光透過率測定装置による平滑化層の厚さの測定、平滑化処理及び硬化処理を行って評価用の磁気テープ前駆体を作製した。但し、本実施例では、第2の光透過率測定装置による平滑化層の厚さ測定は行わなかった。
支持体としては東レ社製のポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム“ルミラー”(商品名、厚さ:6μm)を使用し、このPETフィルムの上に上記平滑化層用塗料を乾燥、平滑化処理の後の平滑化層の厚さが0.3μmとなるように塗布した。平滑化層の厚さの調整は、第1の光透過率測定装置による平滑化層の厚さの測定結果に基づき、平滑化層の厚さが0.3μm±0.05μmとなるように平滑化層用塗料の塗布量を連続的に制御するように行った。
また、平滑化処理に用いる表面加工ロールの表面の中心線平均粗さRaは0.7nmとし、バックアップロールによる押圧は、常温にて96kPaの圧力にて行った。放射線の照射は、240Wのメタルハライドランプを2列備えたフュージョン社製の紫外線照射機を用いて行った。
本実施例における着色材料の含有量は、平滑化層の全重量に対して2.0重量%である。
<磁気テープの作製>
次に、上記磁気テープ前駆体の上に上記磁性層用塗料をエクストルージョン型コータにて塗布し、乾燥させた後、平滑化処理、硬化処理及びカレンダ処理を行って評価用の磁気テープを作製した。
上記磁性層用塗料は、磁場配向処理、乾燥、平滑化処理、硬化処理及びカレンダ処理後の磁性層の厚さが100nmとなるように塗布して磁気シートを作製した。平滑化処理に用いる表面加工ロールの表面の中心線平均粗さRaは0.7nmとし、バックアップロールによる押圧は、常温にて96kPaの圧力にて行った。放射線の照射は、240Wのメタルハライドランプを2列備えたフュージョン社製の紫外線照射機を用いて行った。
このようにして得られた磁気シートを金属ロールからなる7段カレンダで、温度90℃、線圧196kPaの条件でカレンダ処理し、磁気シートをコアに巻いた状態で60℃にて48時間エージングして、磁気シートを得た。この磁気シートをスリットマシンにより12.7mm幅に裁断し、評価用の磁気テープを作製した。
(実施例2)
着色材料の含有量を平滑化層の全重量に対して10重量%とし、平滑化層の厚さを1.0μm±0.05μmとした以外は、実施例1と同様にして、磁気テープ前駆体と磁気テープを作製した。
(実施例3)
着色材料の含有量を平滑化層の全重量に対して10重量%とし、平滑化層の厚さを0.1μm±0.05μmとした以外は、実施例1と同様にして、磁気テープ前駆体と磁気テープを作製した。
(実施例4)
着色材料の含有量を平滑化層の全重量に対して0.3重量%とし、平滑化層の厚さを1.0μm±0.05μmとした以外は、実施例1と同様にして、磁気テープ前駆体と磁気テープを作製した。
(実施例5)
着色材料の含有量を平滑化層の全重量に対して0.3重量%とし、平滑化層の厚さを0.1μm±0.05μmとした以外は、実施例1と同様にして、磁気テープ前駆体と磁気テープを作製した。
(比較例1)
平滑化層用塗料に着色材料を添加せず、第1の光透過率測定装置による平滑化層の厚さの制御を全く行わず、平滑化層の設定厚さを0.05μmとした以外は、実施例1と同様にして、磁気テープ前駆体と磁気テープを作製した。
(比較例2)
平滑化層用塗料に着色材料を添加せず、第1の光透過率測定装置による平滑化層の厚さの制御を全く行わず、平滑化層の設定厚さを1.0μmとした以外は、実施例1と同様にして、磁気テープ前駆体と磁気テープを作製した。
(比較例3)
平滑化層を形成せず、支持体の上に直接磁性層用塗料を塗布した以外は、実施例1と同様にして、磁気テープを作製した。本比較例では、支持体自体が磁気テープ前駆体となる。
実施例1〜5及び比較例1〜3の磁気テープ前駆体と磁気テープとを用いて下記のように特性を評価した。その結果を表1に示す。
<磁気テープ前駆体の表面性>
Zygo社製の非接触三次元表面粗さ計を用いて、対物レンズの倍率:50倍、イメージズームの倍率:2倍として、磁気テープ前駆体の平滑化層側の表面粗さを測定した。測定サンプル数は5として、その平均値を表面粗さとした。
<磁気テープ前駆体の変形量>
磁気テープ前駆体を長さ60cm、幅12.7mmに裁断し、温度20℃、相対湿度50%の環境にてテープを光学顕微鏡で観察し、テープの幅方向における変形頂部とテープ端部とのz軸方向の高さを測定し、変形量とした。
<磁気テープのエラー数>
磁気テープに、ライト幅20.0μm、波長0.3μmで信号を記録し、リード幅10.0μmで再生し、AGC(Automatic Gain Control)処理後の再生信号を、Shibasoku社製のドロップアウトカウンターに取り込み、平均エンベロープ出力の8.0dB落ちで且つ約1.8μmの信号抜けをカウントしてエラー数とした。
Figure 2011048886
表1から、本発明の実施例1〜5では、磁気テープ前駆体の表面性に優れ、その変形量が小さく、さらに、磁気テープのエラー数も少ないことが分かる。
一方、平滑化層の厚さ制御を行わず、平滑化層の設定厚さを0.05μmとした比較例1では、磁気テープ前駆体の表面性が低下し、エラー数も増加した。また、平滑化層の厚さ制御を行わず、平滑化層の設定厚さを1.0μmとした比較例2では、磁気テープ前駆体の変形量が増加した。さらに、平滑化層を設けなかった比較例3では、エラー数が増加した。なお、比較例3の表面粗さは、支持体そのものの表面粗さを表す。
本発明は、平滑な磁性層を実現し、高密度記録領域における電磁変換特性が良好で、且つ生産性の高い磁気記録媒体及びその製造方法を提供できる。
1 送り出しロール
2 支持体
3 コータ
4 ドライア
5a、5b 前駆体
6 第1の光透過率測定装置
7 表面加工ロール
8 放射線照射装置
9 バックアップロール
10 第2の光透過率測定装置
11 巻き取りロール
20 平滑化層

Claims (9)

  1. 支持体と、前記支持体の上に設けられた平滑化層と、前記平滑化層の上に設けられた磁性層とを含む磁気記録媒体であって、
    前記平滑化層は、着色材料と放射線硬化性樹脂とを含むことを特徴とする磁気記録媒体。
  2. 前記着色材料の含有量が、前記平滑化層の全重量に対して0.3重量%以上10.0重量%以下である請求項1に記載の磁気記録媒体。
  3. 前記平滑化層の厚さが、0.05μm以上1.0μm以下である請求項1又は2に記載の磁気記録媒体。
  4. 前記平滑化層と前記磁性層との間に中間層をさらに含む請求項1〜3のいずれか1項に記載の磁気記録媒体。
  5. 支持体と、前記支持体の上に設けられた平滑化層と、前記平滑化層の上に設けられた磁性層とを含む磁気記録媒体の製造方法であって、
    支持体の上に着色材料と放射線硬化性樹脂とを含む平滑化層を形成する工程と、
    前記平滑化層の上に磁性層を形成する工程とを含み、
    前記平滑化層を形成する工程において、前記支持体と前記平滑化層とからなる磁気記録媒体前駆体の光透過率を測定することにより、前記平滑化層の厚さを制御することを特徴とする磁気記録媒体の製造方法。
  6. 前記着色材料の含有量が、前記平滑化層の全重量に対して0.3重量%以上10.0重量%以下である請求項5に記載の磁気記録媒体の製造方法。
  7. 前記平滑化層の厚さを、0.05μm以上1.0μm以下の範囲内に制御する請求項5又は6に記載の磁気記録媒体の製造方法。
  8. 前記平滑化層の上に磁性層を形成する工程に代えて、前記平滑化層の上に中間層を形成する工程と、前記中間層の上に磁性層を形成する工程とを含む請求項5〜7のいずれか1項に記載の磁気記録媒体の製造方法。
  9. 請求項5〜8のいずれか1項に記載の磁気記録媒体の製造方法により製造されたことを特徴とする磁気記録媒体。
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