JP2011046591A - 光学ガラス、精密プレス成形用プリフォーム、光学素子とそれら製造方法、ならびに撮像装置 - Google Patents

光学ガラス、精密プレス成形用プリフォーム、光学素子とそれら製造方法、ならびに撮像装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 耐失透性と精密プレス成形性に優れた高屈折率高分散光学ガラスを提供する。
【解決手段】
酸化物ガラスであって、カチオン%表示にて、
Si4+、B3+を合計で20〜40%、
Nb5+、Ti4+、W6+およびZr4+を合計で15〜40%、
Zn2+、Ba2+、Sr2+およびCa2+を合計で0.2〜20%、
Li、NaおよびKを合計で15〜55%、
含み、
3+およびSi4+の合計含有量に対するB3+の含有量のカチオン比が0.01〜0.5、
Nb5+、Ti4+、W6+およびZr4+の合計含有量に対するZr4+の含有量のカチオン比が0.05以下、
Zn2+、Ba2+、Sr2+およびCa2+の合計含有量に対するZn2+およびBa2+の合計含有量のモル比が0.8〜1、
であり、屈折率ndが1.815以上、アッベ数νdが29以下である光学ガラスである。
【選択図】 なし

Description

本発明は、高屈折率高分散特性を備え、優れた精密プレス成形性を有する光学ガラス、および前記ガラスからなる精密プレス成形用プリフォームおよび光学素子、ならびにそれらの製造方法、さらに前記光学素子を搭載した撮像装置に関する。
高屈折率高分散光学ガラスは、需要が高く、特に高性能のデジタルスチルカメラ用レンズとして、上記ガラスからなる非球面レンズは不可欠になっている。
非球面レンズを量産する方法としては、精密プレス成形法(モールドオプティクスプレス法とも呼ばれる)が知られている。精密プレス成形法による成形が可能な高屈折率高分散光学ガラスとしてはリン酸塩系のガラスが知られている。リン酸塩系光学ガラスは、優れたガラスではあるが、精密プレス成形時にガラス表面に傷が入りやすいという問題がある。
非リン酸塩系の高屈折率高分散光学ガラスとしては、特許文献1〜5に開示されているガラスが知られている。これらのガラスは、いずれもシリカ系の組成となっている。
国際公開2004−110942号公報 特開2004−161598号公報 特開2002−87841号公報
高屈折率高分散光学ガラスを得るには、リン酸塩系、シリカ系を問わず、Nb、Tiなどの高屈折率高分散を付与する成分を導入する必要がある。
ところが、Nb、Tiなどを含むガラスを精密プレス成形すると、ガラスとプレス成形型との界面で酸化還元反応が生じ、その結果、レンズ表面で発泡が起こり、生産歩留まりを高水準に維持することが容易ではないという問題が発生する。こうした問題は、プレス成形温度が高温になると顕在化するが、シリカ系ガラスはリン酸塩系ガラスに比べ、ガラス転移温度が高く、プレス成形温度を高温にしなければならず、精密プレス成形時のガラスとプレス成形型との間の反応が助長されてしまう。
例えば、特許文献1に開示されているガラスは、ガラス転移温度が530℃以上であって、上記反応を抑制するガラス転移温度としては不十分である。また、ガラス安定性が低く、均質な光学ガラスを得るためにガラス融液を攪拌している間に結晶が析出したり、熔融ガラスを鋳型に鋳込んで成形する際に結晶が析出するなど、量産には不向きなガラスである。
特許文献2に開示されているガラスも、特許文献1と同様、ガラス安定性が低く、失透しやすいという問題がある。
特許文献3には、高屈折率高分散ガラスと中屈折率高分散ガラスが開示されているが、高屈折率高分散ガラスについては、ガラス転移温度の低下が十分にはなされていない。
このような状況下、失透しにくく、精密プレス成形によって高品質の光学素子を安定して生産することができる高屈折率高分散光学ガラスの実現が期待される。
本発明は、上記問題を解決し、耐失透性と精密プレス成形性に優れた高屈折率高分散光学ガラスと、前記光学ガラスからなる精密プレス成形用プリフォームおよび光学素子と、それらの製造方法、ならびに前記光学素子を備えた撮像装置を提供することを目的とする。
本発明における課題を解決するための手段は、
[1] 酸化物ガラスであって、カチオン%表示にて、
Si4+、B3+を合計で20〜40%、
Nb5+、Ti4+、W6+およびZr4+を合計で15〜40%、
Zn2+、Ba2+、Sr2+およびCa2+を合計で0.2〜20%、
Li、NaおよびKを合計で15〜55%、
含み、
3+およびSi4+の合計含有量に対するB3+の含有量のカチオン比が0.01〜0.5、
Nb5+、Ti4+、W6+およびZr4+の合計含有量に対するZr4+の含有量のカチオン比が0.05以下、
Zn2+、Ba2+、Sr2+およびCa2+の合計含有量に対するZn2+およびBa2+の合計含有量のモル比を0.8〜1、
であり、屈折率ndが1.815以上、アッベ数νdが29以下である光学ガラス、
[2] ガラス転移温度が530℃未満である上記[1]項に記載の光学ガラス、
[3] 液相温度が1080℃以下である上記[1]項または[2]項に記載の光学ガラス、
[4] Nb5+およびTi4+の合計含有量に対するNb5+の含有量のカチオン比(Nb5+/(Nb5++Ti4+))が0.65〜1である上記[1]項〜[3]項のいずれかに記載の光学ガラス、
[5] Si4+の含有量が15〜30%である上記[1]項〜[4]項のいずれかに記載の光学ガラス、
[6] B3+の含有量が15%以下である上記[1]項〜[5]項のいずれかに記載の光学ガラス、
[7] Nb5+の含有量が10〜30%である上記「1」項〜[6]項のいずれかに記載の光学ガラス、
[8] Ti4+の含有量が0〜15%である上記[1]項〜[7]項のいずれかに記載の光学ガラス、
[9] W6+の含有量が0〜4%である上記[1]項〜[8]項のいずれかに記載の光学ガラス、
[10] Zr4+の含有量が0〜4%である上記[1]項〜[9]項のいずれかに記載の光学ガラス、
[11] Zn2+の含有量が9%以下である上記[1]項〜[10]項のいずれかに記載の光学ガラス、
[12] Ba2+の含有量が6%以下である上記[1]項〜[11]項のいずれかに記載の光学ガラス、
[13] Sr2+の含有量が2%以下である上記[1]項〜[12]項のいずれかに記載の光学ガラス、
[14] Ca2+の含有量が3%以下である上記[1]項〜[13]項のいずれかに記載の光学ガラス、
[15] Liの含有量が25%以下である上記[1]項〜[14]項のいずれかに記載の光学ガラス、
[16] Naの含有量が30%以下である上記[1]項〜[15]項のいずれかに記載の光学ガラス、
[17] Kの含有量が25%以下である上記[1]項〜[16]項のいずれかに記載の光学ガラス、
[18] Li、NaおよびKの合計含有量に対するLiの含有量のカチオン比が0.1〜1である上記[1]項〜[17]項のいずれかに記載の光学ガラス。
[19] ΔPg,Fが0.0130以下である上記[1]項〜[18]項のいずれかに記載の光学ガラス、
[20] 上記[1]項〜[19]項のいずれかに記載の光学ガラスからなる精密プレス成形用プリフォーム、
[21] ガラス原料を加熱、熔融して熔融ガラスを作製し、前記熔融ガラスを成形する工程を経て、上記[21]項に記載のプリフォームを作製する精密プレス成形用プリフォームの製造方法、
[22] 上記[1]項〜[19]項のいずれかに記載の光学ガラスからなる光学素子、
[23] 上記[20]項に記載の精密プレス成形用プリフォームを加熱し、プレス成形型を用いて精密プレス成形する工程を備える光学素子の製造方法、
[24] 精密プレス成形用プリフォームとプレス成形型を一緒に加熱して精密プレス成形する上記[23]項に記載の光学素子の製造方法、
[25] 精密プレス成形用プリフォームを加熱した後、予熱したプレス成形型に導入して精密プレス成形する上記[23]項に記載の光学素子の製造方法、
[26] 上記[22]項に記載の光学素子を備える撮像装置、
である。
本発明によれば、耐失透性と精密プレス成形性に優れた高屈折率高分散光学ガラスと、前記光学ガラスからなる精密プレス成形用プリフォームおよび光学素子と、それらの製造方法、ならびに前記光学素子を備えた撮像装置を提供することができる。
比較例2で得られたレンズの写真である。
[光学ガラス]
本発明の光学ガラスでは、シリカ系の組成を採用することにより、精密プレス成形時のガラス表面への加傷を防止するとともに、高屈折率高分散光学ガラスの精密プレス成形に固有の問題である高屈折率高分散付与成分とプレス成形型成形面との界面反応による光学素子表面の品質低下を防止するため、高屈折率を維持しつつ、ガラス転移温度を一層低下させ、精密プレス成形によって高品質の光学素子を安定して生産することができる高屈折率高分散光学ガラスを提供する。また、高屈折率ガラスでありながら、優れたガラス安定性を供え、製造が容易な光学ガラスを提供する。
さらに、高屈折率高分散特性を維持しつつ、部分分散比Pg,Fを小さく抑え、部分分散比Pg,F−アッベ数νd図における標準線(ノーマルライン)に一段と近い特性を付与し、低分散ガラスからなるレンズと組み合わせることによって、高次の色収差補正用として非常に有効な光学ガラス材料を提供する。こうした部分分散特性を実現する上からもシリカ系組成は好ましい。
このようなコンセプトに基づき完成した本発明の光学ガラスは、
酸化物ガラスであって、カチオン%表示にて、
Si4+、B3+を合計で20〜40%、
Nb5+、Ti4+、W6+およびZr4+を合計で15〜40%、
Zn2+、Ba2+、Sr2+およびCa2+を合計で0.2〜20%、
Li、NaおよびKを合計で15〜55%、
含み、
3+およびSi4+の合計含有量に対するB3+の含有量のカチオン比が0.01〜0.5、
Nb5+、Ti4+、W6+およびZr4+の合計含有量に対するZr4+の含有量のカチオン比が0.05以下、
Zn2+、Ba2+、Sr2+およびCa2+の合計含有量に対するZn2+およびBa2+の合計含有量のモル比を0.8〜1、
であり、屈折率ndが1.815以上、アッベ数νdが29以下である光学ガラスである。
以下、本発明の光学ガラスについて詳説するが、以下、各カチオン成分の含有量、合計含有量は特記しない限り、カチオン%表示とする。
Si4+、B3+は、ガラスの網目形成酸化物であり、ガラス安定性、熔融ガラスの成形性を維持する上で必要な成分であるが、これら成分を過剰に含有させると屈折率が低下するため、Si4+およびB3+の合計含有量を20〜40%とする。Si4+およびB3+の合計含有量の好ましい範囲は25〜35%、より好ましい範囲は25〜34%、さらに好ましい範囲は29〜33%、一層好ましい範囲は30〜33%である。
Si4+は、上記効果に加え、精密プレス成形時の分相を抑制する効果があるとともに、化学的耐久性を改善し、熔融ガラス成形時の粘性の低下を抑え、成形に適した状態に維持する働きがあるが、過剰の導入により、ガラス転移温度や液相温度が上昇し、熔融性や耐失透性が低下する。上記分相を抑制することにより、ガラスの白濁化による透過率低下を防止することができる。
3+は、上記効果に加え、熔融性を向上させるとともに、ガラス転移温度を低下させる働きを有するが、過剰に導入することにより化学的耐久性が低下する。熔融性を改善することにより、ガラス熔融温度を高温にしなくても均質なガラスを得ることができる。その結果、坩堝の侵蝕も抑制することができ、坩堝を構成する白金などの材料が溶け込むことによるガラスの着色を抑制することができる。
上記Si4+、B3+の効果を考慮し、B3+およびSi4+の合計含有量に対するB3+の含有量のカチオン比(B3+/(B3++Si4+))を0.01〜0.5とする。カチオン比(B3+/(B3++Si4+))を0.01以上とすることにより、ガラス転移温度を一段と低下させ、精密プレス成形時のガラスとプレス成形型の界面反応抑制効果を高めることができるとともに、熔融性、耐失透性を改善することができる。しかし、カチオン比(B3+/(B3++Si4+))が0.5より大きくなると、熔融ガラス成形時の粘性が低下して熔融ガラス成形性が悪化したり、精密プレス成形時の分相傾向が増大したり、化学的耐久性が低下する。カチオン比(B3+/(B3++Si4+))の好ましい範囲は0.05〜0.5、より好ましい範囲は0.08〜0.5、さらに好ましい範囲は0.1〜0.5、一層好ましい範囲は0.1〜0.45、より一層好ましい範囲は0.1〜0.4である。
なお、Si4+の含有量の好ましい範囲は15〜30%、より好ましい範囲は19〜26%、さらに好ましい範囲は19〜25.5%であり、B3+の含有量の好ましい範囲は15%以下、より好ましい範囲は0.3〜15%、さらに好ましい範囲は0.5〜15%、一層好ましい範囲は1〜15%、より一層好ましい範囲は3〜15%、なお一層好ましい範囲は6〜12.3%、さらになお一層好ましい範囲は7〜12%である。
Nb5+、Ti4+、W6+およびZr4+はいずれも高屈折率高分散化に大きな効果がある成分である。これら成分の合計含有量が15%未満であると所要の屈折率を得ることが困難になり、40%を超えると耐失透性が低下し、液相温度が上昇する。したがって、Nb5+、Ti4+、W6+およびZr4+の合計含有量を15〜40%とする。前記合計含有量の好ましい範囲は25〜35%、より好ましい範囲は26〜33%、さらに好ましい範囲は28〜31%、一層好ましい範囲は28〜30%である。
Nb5+は、上記効果に加え、耐失透性を改善し、液相温度を低下させる働きがある。また、部分分散特性をノーマルラインに近づける、即ち、ΔPg,Fをゼロに近づける働きをするが、過剰に含有させると耐失透性が低下し、液相温度が上昇する。
Ti4+は、上記効果に加え、耐失透性を改善し、化学的耐久性を改善する働きをするが、過剰に含有させると精密プレス成形時の分相傾向が増大する。
6+は、上記効果に加え、耐失透性を改善し、液相温度の上昇を抑制するはたらきをするが、過剰に含有させると耐失透性が悪化し、液相温度が上昇する。また、着色も強まる傾向を示す。
Zr4+の上記効果に加え、精密プレス成形時の分相を抑制するとともに、化学的耐久性、耐失透性を改善する働きをするが、過剰に含有させると、耐失透性が低下し、液相温度が上昇する。Zr4+の過剰導入は、ガラス転移温度を上昇させ、精密プレス成形時のガラスとプレス成形型の界面反応を助長することになるため、Nb5+、Ti4+、W6+およびZr4+の合計含有量に対するZr4+の含有量のカチオン比(Zr4+/(Nb5++Ti4++W6++Zr4+))を0.05以下とする。Zr4+の含有による上記効果を得る上から、カチオン比(Zr4+/(Nb5++Ti4++W6++Zr4+))の範囲を0.005〜0.05とすることが好ましく、0.008〜0.03とすることがより好ましく、0.009〜0.025とすることがさらに好ましい。
Nb5+、Ti4+、W6+、Zr4+の中でNb5+、Ti4+は、多量に導入しても耐失透性が悪化しにくい成分であるため、Nb5+およびTi4+の合計含有量を20〜35%の範囲にすることが好ましく、26〜29.5%の範囲にすることがより好ましく、26〜28.5%の範囲にすることがさらに好ましい。また、Nb5+およびTi4+を必須成分とすることが耐失透性を一層改善する上から好ましい。
さらに、Nb5+、Ti4+のうち、Nb5+のほうが部分分散比を低く抑え、部分分散特性をノーマルラインに近づける働きが大きいため、Nb5+およびTi4+の合計含有量に対するNb5+の含有量のカチオン比(Nb5+/(Nb5++Ti4+))を0.65〜1の範囲にすることが好ましい。ただし、ガラス成分としてNb5+およびTi4+を共存させることにより耐失透性が改善するので、カチオン比(Nb5+/(Nb5++Ti4+))を0.65〜0.9の範囲にすることがより好ましく、0.7〜0.8の範囲にすることがさらに好ましい。
Nb5+、Ti4+、W6+、Zr4+の各効果を考慮し、前記各成分量の好ましい範囲は次のとおりである。
Nb5+の含有量の好ましい上限は30%、より好ましい上限は23%、さらに好ましい上限は22%、一層好ましい上限は21%であり、Nb5+の含有量の好ましい下限は10%、より好ましい下限は16%、さらに好ましい下限は18%、一層好ましい下限は19%である。上記好ましい上限と下限の組合せは任意である。具体例としては、Nb5+の含有量の好ましい範囲は10〜30%、より好ましい範囲は16〜23%、さらに好ましい範囲は18〜22%、一層好ましい範囲は19〜21%である。
Ti4+の含有量の好ましい上限は15%、より好ましい上限は12%、さらに好ましい上限は10%、一層好ましい上限は9.5%、より一層好ましい上限は9%、さらに一層好ましい上限は8.5%、なお一層好ましい上限は8.0であり、Ti4+の含有量の好ましい下限は1%、より好ましい下限は2%、さらに好ましい下限は3%、一層好ましい下限は4%、より一層好ましい下限は5%、さらに一層好ましい下限は5.5%である。上記好ましい上限と下限の組合せは任意である。具体例としては、Ti4+の含有量の好ましい範囲は0〜15%、より好ましい範囲は0〜12%、さらに好ましい範囲は0〜10%、一層好ましい範囲は1〜10%、より一層好ましい範囲は2〜10%、さらに一層好ましくは3〜9%、なお一層好ましくは4〜9%、さらになお一層好ましい範囲は5〜8.5%、特に好ましい範囲は5.5〜8.0%である。
6+の含有量の好ましい上限は4%、より好ましい上限は3%、さらに好ましい上限は2.5%、一層好ましい上限は2.0%、より一層好ましい上限は1.5%であり、W6+の含有量の好ましい下限は0.5%である。上記好ましい上限と下限の組合せは任意である。具体例としては、W6+の含有量の好ましい範囲は0〜3%、より好ましい範囲は0〜2.5%、さらに好ましい範囲は0.5〜2.0%、一層好ましい範囲は0.5〜1.5%である。
Zr4+の含有量の好ましい上限は4%、より好ましい上限は3%、さらに好ましい上限は2%、一層好ましい上限は1.5%、より一層好ましい上限は1.2%、さらに好ましい上限は1%、一層好ましい上限は0.6%であり、Zr4+の含有量の好ましい下限は0.2%、より好ましい下限は0.5%である。上記好ましい上限と下限の組合せは任意である。具体例としては、Zr4+の含有量の好ましい範囲は0〜4%、より好ましい範囲は0〜3%、さらに好ましい範囲は0〜2%、一層好ましい範囲は0〜1.5%、より一層好ましい範囲は0.1〜1.5%、さらに一層好ましい範囲は0.2〜1.2%、なお一層好ましい範囲は0.2〜1%、さらになお一層好ましい範囲は0.4〜0.6%である。
Zn2+、Ba2+、Sr2+、Ca2+は、光学恒数の調整に有用であり、耐失透性、熔融性、光線透過率を高め、炭酸塩、硝酸塩としてガラス原料に加えることにより清澄効果を高めることができる成分である。Zn2+、Ba2+、Sr2+およびCa2+の合計含有量が0.5%未満であると上記効果を得ることが難しく、20%を超えると耐失透性が低下し、液相温度が上昇するとともに、化学的耐久性が低下する。したがって、Zn2+、Ba2+、Sr2+およびCa2+の合計含有量を0.2〜20%とする。Zn2+、Ba2+、Sr2+およびCa2+の合計含有量の好ましい上限は15%、より好ましい上限は10%、さらに好ましい上限は8.5%であり、Zn2+、Ba2+、Sr2+およびCa2+の合計含有量の好ましい下限は0.3%、より好ましい下限は0.4%、さらに好ましい下限は0.5%、一層好ましい下限は1%、より一層好ましい下限は3%、さらに一層好ましい下限は5%、なお一層好ましい下限は6.5%、さらになお一層好ましい上限は7%である。上記好ましい上限と下限の組合せは任意である。具体例としては、Zn2+、Ba2+、Sr2+およびCa2+の合計含有量の好ましい範囲は1〜20%、より好ましい範囲は3〜20%、さらに好ましい範囲は3〜15%、一層好ましい範囲は5〜10%、より好ましい範囲は6.5〜10%、さらに好ましい範囲は7〜8.5%である。
Zn2+は、上記効果に加え、ガラス転移温度を低下させる働きに優れ、屈折率を高い状態に維持する働きもある。しかし、過剰に含有させると耐失透性が低下し、液相温度が上昇したり、化学的耐久性が低下する傾向を示す。
Ba2+は、上記効果に加え、屈折率を高めるとともに、精密プレス成形時の分相を抑制する働きを有する。しかし、過剰に含有させると耐失透性が低下し、液相温度が上昇したり、化学的耐久性が低下する傾向を示す。
Sr2+は、上記効果に加え、Ba2+よりその効果を小さいものの屈折率を高める働きをする。また、精密プレス成形時の分相を抑制する働きを有する。しかし、過剰に含有させると耐失透性が低下し、液相温度が上昇したり、化学的耐久性が低下する傾向を示す。
Ca2+は、上記効果に加え、精密プレス成形時の分相を抑制する働きを有する。しかし、過剰に含有させると耐失透性が低下し、液相温度が上昇したり、ガラス転移温度が上昇したり、化学的耐久性が低下する傾向を示す。
Zn2+、Ba2+、Sr2+、Ca2+のうち、Zn2+は高屈折率を維持しつつガラス転移温度を低下させる効果が大きい成分であり、Ba2+は屈折率を高める働きが大きい成分であることから、高屈折率化と低ガラス転移温度化を両立させるため、Zn2+、Ba2+、Sr2+およびCa2+の合計含有量に対するZn2+およびBa2+の合計含有量のカチオン比((Zn2++Ba2+)/(Zn2++Ba2++Sr2++Ca2+))を0.8〜1とする。
カチオン比((Zn2++Ba2+)/(Zn2++Ba2++Sr2++Ca2+))の好ましい範囲は0.82〜1、より好ましい範囲は0.85〜1、さらに好ましい範囲は0.9〜1である。
Zn2+、Ba2+、Sr2+、Ca2+の各効果を考慮し、前記各成分量の好ましい範囲は次のとおりである。
Zn2+の含有量の好ましい範囲は9%以下、より好ましい範囲は1〜9%、さらに好ましい範囲は3〜9%、一層好ましい範囲は3〜8%、より一層好ましい範囲は4.5〜6.5%、さらに一層好ましい範囲は5.0〜6.0%であり、Ba2+の含有量の好ましい範囲は6%以下、より好ましい範囲は0.5〜6%、さらに好ましい範囲は0.5〜4%、一層好ましい範囲は0.8〜3%、より一層好ましい範囲は1.0〜2.0%であり、Sr2+の含有量の好ましい範囲は0〜2%、より好ましい範囲は0〜1.5%、さらに好ましい範囲は0〜1%であり、Ca2+の含有量の好ましい範囲は0〜3%、より好ましい範囲は0〜2%、さらに好ましい範囲は0〜1.5%、一層好ましい範囲は0.1〜0.9%、より一層好ましい範囲は0.32〜0.45%である。
Li、Na、Kは、熔融性を改善し、ガラス転移温度を低下させる効果のある成分である。これら成分の合計含有量が15%未満であると、上記効果を得ることが困難になり、55%を超えるとガラス安定性が低下し、液相温度が上昇する。したがって、Li、NaおよびKの合計含有量を15〜55%とする。Li、NaおよびKの合計含有量の好ましい範囲は20〜50%、より好ましい範囲は25〜40%、さらに好ましい範囲は28〜40%、一層好ましい範囲は30〜35%である。
Liは、アルカリ金属成分中、高屈折率を維持しつつ、ガラス転移温度を低下させる効果が最も大きい成分であるが、過剰に含有させると、ガラス安定性が低下し、液相温度が上昇する。
Na、Kは、上記効果に加え、Liと共存させることにより、混合アルカリ効果によってガラス安定性を一段と高める働きをする。
高屈折率化と低ガラス転移温度化を両立させるため、本発明では、Li、NaおよびKの合計含有量に対するLiの含有量のカチオン比(Li/(Li+Na+K))を0.1〜1とすることが好ましい。上記観点からカチオン比(Li/(Li+Na+K))のより好ましい範囲は0.2〜1、さらに好ましい範囲は0.3〜0.8、一層好ましい範囲は0.4〜0.5である。
Li、Na、Kの各効果を考慮し、前記各成分量の好ましい範囲は次のとおりである。
Liの含有量の好ましい範囲は25%以下、より好ましい範囲は10〜20%、さらに好ましい範囲は13〜17%、一層好ましい範囲は14〜16%であり、Naの含有量の好ましい範囲は30%以下、より好ましい範囲は10〜20%、さらに好ましい範囲は13〜17%、一層好ましい範囲は14〜16%であり、Kの含有量の好ましい範囲は0〜25%、より好ましい範囲は0〜20%、さらに好ましい範囲は0〜15%、一層好ましくは0〜9%、より一層好ましい範囲は0〜5%、さらに一層好ましい範囲は2〜4%である。
La3+、Gd3+、Y3+、Yb3+は、屈折率を高め、化学的耐久性を向上させる働きをするが、それぞれ6%を超えて導入すると液相温度が上昇し、耐失透性が低下する。したがって、La3+、Gd3+、Y3+、Yb3+の各含有量を0〜6%とする。La3+、Gd3+、Y3+、Yb3+の含有量の好ましい範囲はいずれも0〜3%、さらに好ましい範囲は0〜2%であり、一層好ましい範囲は0〜1%であり、より一層好ましくはLa3+、Gd3+、Y3+、Yb3+とも導入しない。
Ta5+も屈折率を高め、化学的耐久性を向上させる働きをするが、3%を超えて導入すると液相温度が上昇し、耐失透性が低下する。したがって、Ta5+の含有量を0〜3%とする。Ta5+の含有量の好ましい範囲は0〜2%、より好ましい範囲は0〜1%である。
Ge4+は、網目形成酸化物であり、屈折率を高める働きもする。しかし、極めて高価な成分であるため、Ge4+の含有量は0〜2%、好ましくは0〜1%とする。Ge4+を導入しないことがより好ましい。
Bi3+は、屈折率を高めるとともに、ガラス安定性を改善する働きをするが、2%を超えて導入するとガラスの着色が強まるため、Bi3+の含有量は0〜2%、好ましくは0〜1%、さらに好ましくは含有させない。
Al3+は、少量であればガラス安定性および化学的耐久性を改善する働きをするが、1%を超えて導入すると液相温度が上昇し、耐失透性が低下する。したがって、Al3+の含有量は0〜1%、好ましくは0〜0.5%、より好ましくは0〜0.2%、さらに好ましくは含有させない。
本発明のガラスは、Ga3+、Lu3+、Hf4+といった成分を含有させることを必要としない。Ga3+、Lu3+、Hf4+も高価な成分であるので、Ga3+、Lu3+、Hf4+の含有量をそれぞれ0〜1%に抑えることが好ましく、それぞれ0〜0.5%に抑えることがより好ましく、それぞれ0〜0.1%に抑えることがより好ましく、Ga3+を導入しないこと、Lu3+を導入しないこと、Hf4+を導入しないことがそれぞれ特に好ましい。
また、環境影響に配慮し、As、Pb、U、Th、Te、Cdも導入しないことが好ましい。
さらに、ガラスの優れた光線透過性を活かす上から、Cu、Cr、V、Fe、Ni、Coなどの着色の要因となる物質を導入しない、すなわち、ガラス作製時、これら物質をガラス原料としないことが好ましい。本発明の目的を達成する上から、Si4+、B3+、Nb5+、Ti4+、W6+、Zr4+、Zn2+、Ba2+、Sr2+、Ca2+、Li、NaおよびKの合計含有量を95〜100%とすることが好ましく、98〜100%とすることがより好ましく、99〜100%とすることがさらに好ましい。
本発明の光学ガラスには、酸化物に換算して外割りでSbを0〜2質量%、SnOを0〜2質量%添加することができる。これらの添加剤は清澄剤として機能するほか、SbはFeなどの不純物混入によるガラスの着色を抑制することができる。Sb、SnOの好ましい添加量はそれぞれ外割りで0〜1質量%、より好ましくは0〜0.5質量%である。
本発明の光学ガラスは酸化物ガラスであって、アニオン成分のうち、50アニオン%以上がO2−である。その他、少量のF、Cl、I、Brを導入してもよい。O2−の含有量の好ましい範囲は50〜100アニオン%、より好ましい範囲は80〜100アニオン%、さらに好ましくは85〜100アニオン%、一層好ましくは90〜100アニオン%、より一層好ましくは95〜100%、さらに一層好ましくは98〜100アニオン%、なお一層好ましくは99〜100アニオン%、特に好ましくは100アニオン%である。
[屈折率、アッベ数]
本発明の光学ガラスの屈折率ndは1.83以上、アッベ数νdは29以下である。屈折率ndを上記範囲にすることにより、高機能、コンパクトな光学系を構成する光学素子の材料に好適な光学ガラスを得ることができる。なお、高屈折率ガラスを用いることにより、同じ集光パワーを有するレンズを作る際にレンズ面の曲率を緩くすることができる。その結果、レンズを精密プレス成形する際の成形性を改善することもできる。
アッベ数νdを上記範囲にすることにより、低分散ガラスからなるレンズと組合わせることにより優れた色収差補正ができるレンズの材料に好適な光学ガラスを得ることができる。
屈折率ndの好ましい範囲は1.83〜1.90、より好ましい範囲は1.83〜1.88、さらに好ましい範囲は1.84〜1.855であり、アッベ数νdの好ましい範囲は23〜29、より好ましい範囲は24〜25.5、さらに好ましい範囲は24.5〜25.25である。
屈折率を過剰に高めると、あるいはアッベ数νdを過剰に小さくすると、ガラス安定性が低下したり、ガラス転移温度が上昇する傾向を示すようになる。
[ガラス転移温度]
本発明の光学ガラスのガラス転移温度は530℃未満、好ましくは520℃以下、より好ましくは515℃以下、さらに好ましくは510℃以下である。ガラス転移温度の低下に伴い、プレス成形温度をより低く設定することができる。精密プレス成形時のガラスとプレス成形型の界面反応の進行速度は、プレス成形温度の高低によって大きな影響を受ける。したがって、ガラス転移温度を数℃、あるいは数十℃低下させるだけでも、界面反応を大幅に抑制することができる。
一般に屈折率を高めるとガラス転移温度が上昇傾向を示すが、本発明によれば、高屈折率ガラスでありながら精密プレス成形に好適な低ガラス転移温度のガラスを得ることができる。
[液相温度]
本発明の光学ガラスの液相温度は1080℃以下、好ましくは1060℃以下、より好ましくは1020℃以下、さらに好ましくは1015℃以下である。
液相温度を低く維持することにより、熔融ガラスを成形する際の温度を低くすることができる。上記成形温度を低く抑えることにより、熔融ガラスの表面からホウ酸やアルカリ金属などの揮発しやすい成分の揮発を抑制し、光学特性の変動や表面脈理の発生を抑制することができる。
一般に屈折率を高めると液相温度が上昇傾向を示すが、本発明によれば、高屈折率ガラスでありながら量産性に優れた低液相温度のガラスを得ることができる。
一般に高屈折率化、低ガラス転移温度化、低液相温度化を同時に行うことは困難とされているが、本発明によれば、これら3つの特性を同時に実現することができる。
[部分分散性]
撮像光学系、投射光学系などで、高次の色消しを行うには、低分散ガラス製レンズと高分散ガラス製レンズを組み合わせて使用するのが効果的である。しかし、低分散側のガラスは部分分散比が大きいものが多いため、より高次の色収差を補正する場合、高分散特性に加えて、部分分散比が小さいガラスを使用したレンズと組み合わせることがより有効である。
本発明は、高屈折率高分散光学ガラスであり、部分分散比が小さい高次の色収差補正に好適なガラスを提供する。
部分分散比Pg,Fは、g線、F線、c線における各屈折率ng、nF、ncを用いて、(ng−nF)/(nF−nc)と表される。
部分分散比Pg,F−アッベ数νd図において正常部分分散ガラスの基準となるノーマルライン上の部分分散比をPg,F(0)と表すと、Pg,F(0)はアッベ数νdを用いて次式で表される。
Pg,F(0)=0.6483−(0.0018×νd)
ΔPg,Fは、上記ノーマルラインからの部分分散比Pg,Fの偏差であり、次式で表される。
ΔPg,F=Pg,F−Pg,F(0)
=Pg,F+(0.0018×νd)−0.6483
本発明の光学ガラスは、部分分散比Pg,Fの偏差ΔPg,Fが0.014以下、好ましくは0.013以下、より好ましくは0.012以下であって、良好な高次の色収差補正に好適なガラスとなっている。なお、本発明の光学ガラスの部分分散比Pg,Fは0.610〜0.620、好ましくは0.611〜0.618である。
[光学ガラスの製造]
本発明の光学ガラスは、目的のガラス組成が得られるように、原料である酸化物、炭酸塩、硫酸塩、硝酸塩、水酸化物などを秤量、調合し、十分に混合して混合バッチとし、熔融容器内で加熱、熔融し、脱泡、攪拌を行い均質かつ泡を含まない熔融ガラスを作り、これを成形することによって得ることができる。具体的には公知の熔融法を用いて作ることができる。
[精密プレス成形用プリフォーム]
次に本発明の精密プレス成形用プリフォームについて説明する。
本発明の精密プレス成形用プリフォームは、上記した本発明の光学ガラスからなることを特徴とするものである。
上記精密プレス成形用プリフォーム(以下、プリフォームという)は、精密プレス成形に供されるガラス塊を意味し、精密プレス成形品の質量に相当するガラス成形体である。
以下、プリフォームについて詳説する。
プリフォームは、加熱して精密プレス成形に供されるガラス予備成形体を意味するが、ここで精密プレス成形とは、周知のようにモールドオプティクス成形とも呼ばれ、光学素子の光学機能面をプレス成形型の成形面を転写することにより形成する方法である。なお、光学機能面とは光学素子において、制御対象の光を屈折したり、反射したり、回折したり、入出射させる面を意味し、レンズにおけるレンズ面などがこの光学機能面に相当する。
精密プレス成形時にガラスとプレス成形型成形面との反応、融着を防止しつつ、成形面に沿ってガラスの延びが良好になるようにするため、プリフォームの表面に離型膜を被覆することが好ましい。離型膜の種類としては、
貴金属(白金、白金合金)
酸化物(Si、Al、Zr、La、Yの酸化物など)
窒化物(B、Si、Alの窒化物など)
炭素含有膜
があげられる。炭素含有膜としては、炭素を主成分とするもの(膜中の元素含有量を原子%で表したとき、炭素の含有量が他の元素の含有量よりも多いもの)が望ましい。具体的には、炭素膜や炭化水素膜などを例示することができる。炭素含有膜の成膜法としては、炭素原料を使用した真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法等の公知の方法や、炭化水素などの材料ガスを使用した熱分解などの公知の方法を用いればよい。その他の膜については、蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、ゾルゲル法等を用いて成膜することが可能である。
プリフォームは、ガラス原料を加熱、熔融して熔融ガラスを作製し、前記熔融ガラスを成形する工程を経て作製される。
プリフォームの第1の作製例は、熔融ガラスから所定重量の熔融ガラス塊を分離、冷却して、当該熔融ガラス塊と等しい質量を有するプリフォームを成形する方法である。例えば、ガラス原料を熔融、清澄、均質化して均質な熔融ガラスを用意し、温度調整された白金または白金合金製の流出ノズルあるいは流出パイプから流出する。小型のプリフォームや球状のプリフォームを成形する場合は、熔融ガラスを流出ノズルから所望質量の熔融ガラス滴として滴下し、それをプリフォーム成形型によって受けてプリフォームに成形する。あるいは、同じく所望質量の熔融ガラス滴を流出ノズルより液体窒素などに滴下してプリフォームを成形する。中大型のプリフォームを作製する場合は、流出パイプより熔融ガラス流を流下させ、熔融ガラス流の先端部をプリフォーム成形型で受け、熔融ガラス流のノズルとプリフォーム成形型の間にくびれ部を形成した後、プリフォーム成形型を真下に急降下して、熔融ガラスの表面張力によってくびれ部にて熔融ガラス流を分離し、受け部材に所望質量の熔融ガラス塊を受けてプリフォームに成形する。
キズ、汚れ、シワ、表面の変質などがない滑らかな表面、例えば自由表面を有するプリフォームを製造するためには、プリフォーム成形型などの上で熔融ガラス塊に風圧を加えて浮上させながらプリフォームに成形したり、液体窒素などの常温、常圧下では気体の物質を冷却して液体にした媒体中に熔融ガラス滴を入れてプリフォームに成形する方法などが用いられる。
熔融ガラス塊を浮上させながらプリフォームに成形する場合、熔融ガラス塊にはガス(浮上ガスという)が吹きつけられ上向きの風圧が加えられることになる。この際、熔融ガラス塊の粘度が低すぎると浮上ガスがガラス中に入り込み、プリフォーム中に泡となって残ってしまう。しかし、熔融ガラス塊の粘度を3〜60dPa・sにすることにより、浮上ガスがガラス中に入り込むことなく、ガラス塊を浮上させることができる。
プリフォームに浮上ガスが吹き付けられる際に用いられるガスとしては、空気、Nガス、Oガス、Arガス、Heガス、水蒸気等が挙げられる。また、風圧は、プリフォームが成形型表面等の固体と接することなく浮上できれば特に制限はない。
プリフォームより製造される精密プレス成形品(例えば、光学素子)は、レンズのように回転対称軸を有するものが多いため、プリフォームの形状も回転対称軸を有する形状が望ましい。具体例としては、球あるいは回転対称軸を一つ備えるものを示すことができる。回転対称軸を一つ備える形状としては、前記回転対称軸を含む断面において角や窪みがない滑らかな輪郭線をもつもの、例えば上記断面において短軸が回転対称軸に一致する楕円を輪郭線とするものなどがあり、球を扁平にした形状(球の中心を通る軸を一つ定め前記軸方向に寸法を縮めた形状)、表面と回転対称軸との2つの交点のうち、一方の交点を含む面が凹面、他方の交点を含む面が凸面である形状、前記2つ交点を含む各々の面がともに凹面である形状など挙げることもできる。
プリフォームの第2の作製例は均質な熔融ガラスを鋳型に鋳込んで成形した後、成形体の歪をアニールによって除去し、切断または割断して、所定の寸法、形状に分割し、複数個のガラス片を作製し、ガラス片を研磨して表面を滑らかにするとともに、所定の質量のガラスからなるプリフォームとする。このようにして作製したプリフォームの表面にも炭素含有膜を被覆して使用することが好ましい。
[光学素子]
次に本発明の光学素子について説明する。本発明の光学素子は、上記した本発明の光学ガラスからなることを特徴とする。具体的には、非球面レンズ、球面レンズ、あるいは平凹レンズ、平凸レンズ、両凹レンズ、両凸レンズ、凸メニスカスレンズ、凹メニスカスレンズなどのレンズ、マイクロレンズ、レンズアレイ、回折格子付きレンズ、プリズム、レンズ機能付きプリズムなどを例示することができる。表面には必要に応じて反射防止膜や波長選択性のある部分反射膜などを設けてもよい。
本発明の光学素子は、高分散特性を有するガラスにあって部分分散比が小さいガラスからなるので、他のガラスからなる光学素子と組合せることにより、高次の色収差補正を行うことができる。また、本発明の光学素子は屈折率が高いガラスからなるので、撮像光学系、投射光学系などに使用することで光学系をコンパクト化することができる。
[光学素子の製造方法]
次に本発明の光学素子の製造方法について説明する。
本発明の光学素子の製造方法は、上記した本発明の精密プレス成形用プリフォームを加熱し、プレス成形型を用いて精密プレス成形する工程を備えることを特徴とする。
プレス成形型ならびにプリフォームの加熱およびプレス工程は、プレス成形型の成形面あるいは前記成形面に設けられた離型膜の酸化を防止するため、窒素ガス、あるいは窒素ガスと水素ガスの混合ガスなどのような非酸化性ガス雰囲気中で行うことが好ましい。非酸化性ガス雰囲気中ではプリフォーム表面を被覆する炭素含有膜も酸化されずに、精密プレス成形された成形品の表面に前記膜が残存することになる。この膜は、最終的には除去するべきものであるが、炭素含有膜を比較的容易にしかも完全に除去するには、精密プレス成形品を酸化性雰囲気、例えば大気中において加熱すればよい。炭素含有膜の酸化、除去は、精密プレス成形品が加熱により変形しないような温度で行うべきである。具体的には、ガラスの転移温度未満の温度範囲において行うことが好ましい。
精密プレス成形では、予め成形面を所望の形状に高精度に加工されたプレス成形型を用いるが、成形面には、プレス時のガラスの融着を防止するため、離型膜を形成してもよい。離型膜としては、炭素含有膜や窒化物膜、貴金属膜が挙げられ、炭素含有膜としては水素化カーボン膜、炭素膜などが好ましい。精密プレス成形では、成形面が精密に形状加工された対向した一対の上型と下型との間にプリフォームを供給した後、ガラスの粘度が10〜10dPa・s相当の温度まで成形型とプリフォームの両者を加熱してプリフォームを軟化し、これを加圧成形することによって、成形型の成形面をガラスに精密に転写する。
また、成形面が精密に形状加工された対向した一対の上型と下型との間に、予めガラスの粘度で10〜10dPa・sに相当する温度に昇温したプリフォームを供給し、これを加圧成形することによって、成形型の成形面をガラスに精密に転写することができる。
加圧時の圧力及び時間は、ガラスの粘度などを考慮して適宜決定することができ、例えば、プレス圧力は約5〜15MPa、プレス時間は10〜300秒とすることができる。
プレス時間、プレス圧力などのプレス条件は成形品の形状、寸法に合わせて周知の範囲で適宜設定すればよい。
この後、成形型と精密プレス成形品を冷却し、好ましくは歪点以下の温度となったところで、離型し、精密プレス成形品を取出す。なお、光学特性を精密に所望の値に合わせるため、冷却時における成形品のアニール処理条件、例えばアニール速度等を適宜調整してもよい。
上記の光学素子の製造方法は以下の2つの方法に大別できる。第1の方法は、プレス成形型にプリフォームを導入し、該成形型とガラス素材を一緒に加熱する光学素子の製造方法であり、面精度、偏心精度など成形精度の向上を重視した場合、推奨される方法である。第2の方法は、プリフォームを加熱し、予熱したプレス成形型に導入して精密プレス成形する光学素子の製造方法であり、生産性向上を重視した場合に推奨される方法である。
なお、本発明の光学素子は、プレス成形工程を経なくても作製することはできる。例えば、均質な熔融ガラスを鋳型に鋳込んでガラスブロックを成形し、アニールして歪を除去するとともに、ガラスの屈折率が所望の値になるようにアニール条件を調整して光学特性の調整を行ったのち、次にガラスブロックを切断または割断してガラス片を作り、さらに研削、研磨して光学素子に仕上げることにより得ることができる。
以下、本発明を実施例によりさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
表1〜表7に示すガラス組成になるように、各成分を導入するための原料としてそれぞれ相当する酸化物、炭酸塩、硫酸塩、硝酸塩、水酸化物などを用い、原料を秤量し、十分に混合して調合原料とし、これを白金坩堝に入れ、加熱、熔融した。熔融後、熔融ガラスを鋳型に流し込み、ガラス転移温度付近まで放冷してから直ちにアニール炉に入れ、ガラスの転移温度範囲で約1時間アニール処理した後、炉内で室温まで放冷することにより、ガラスNo.1〜No.47の光学ガラスを得た。
得られた光学ガラス中には、顕微鏡で観察できる結晶は析出しなかった。
このようにして得られた光学ガラスの請特性を表1〜表7に示す。
なお、光学ガラスの諸特性は、以下に示す方法により測定した。
(1)屈折率nd、ng、nF、ncおよびアッベ数νd
降温速度−30℃/時間で降温して得られたガラスについて、日本光学硝子工業会規格の屈折率測定法により、屈折率nd、ng、nF、nc、アッベ数νdを測定した。
(2)液相温度LT
ガラスを所定温度に加熱された炉内に入れて2時間保持し、冷却後、ガラス内部を100倍の光学顕微鏡で観察し、結晶の有無から液相温度を決定した。
(3)ガラス転移温度Tg
示差走査熱量計(DSC)により、昇温速度10℃/分として測定した。
(4)部分分散比Pg,F
屈折率ng、nF、ncから算出した。
(5)部分分散比のノーマルラインからの偏差ΔPg,F
部分分散比Pg,Fおよびアッベ数νdから算出されるノーマルライン上の部分分散比Pg,F(0)から算出した。
(比較例1)
特許文献2の実施例1〜13の組成になるように同文献に記載されている方法でガラスを熔解したところ、実施例1、2については熔融物を撹拌中に失透し、実施例4〜13についてはガラス化しなかった。実施例3は熔融物を鋳型にキャストしてガラスが得られたものの、内部に結晶の析出が認められた。
(実施例2)
実施例1で作製した各光学ガラスが得られるように調合したガラス原料を熔融、清澄、均質化して熔融ガラスを作り、白金製のノズルから熔融ガラス滴を滴下してプリフォーム成形型で受け、風圧を加えて浮上させながら上記各種ガラスからなる球状のプリフォームに成形した。
また、上記熔融ガラスを白金製パイプから連続的に流出し、その下端部をプリフォーム成形型で受け、熔融ガラス流にくびれ部を作った後、プリフォーム成形型を真下に急降下して熔融ガラス流をくびれ部で切断し、プリフォーム成形型上に分離した熔融ガラス塊を受け、風圧を加えて浮上させながら上記各種ガラスからなるプリフォームに成形した。
得られたプリフォームは光学的に均質な高品質のものであった。
(実施例3)
実施例2で用意した熔融ガラスを連続的に流出して鋳型に鋳込み、ガラスブロックに成形した後、アニールし、切断して複数個のガラス片を得た。これらガラス片を研削、研磨して上記各種ガラスからなるプリフォームを作製した。
得られたプリフォームは光学的に均質な高品質のものであった。
(実施例4)
実施例2、3で作製したプリフォームの表面に炭素含有膜をコートし、成形面に炭素系離型膜を設けたSiC製の上下型および胴型を含むプレス成形型内に導入し、窒素雰囲気中で成形型とプリフォームを一緒に加熱してプリフォームを軟化し、精密プレス成形して上記各種ガラスからなる非球面凸メニスカスレンズ、非球面凹メニスカスレンズ、非球面両凸レンズ、非球面両凹レンズの各種レンズを作製した。なお、精密プレス成形の各条件は前述の範囲で調整した。
このようにして作製した各種レンズを観察したところ、分相による白濁等は認められず、レンズ表面に傷、クモリ、破損は全く認められなかった。
こうしたプロセスを繰り返し行い、各種レンズの量産テストを行ったが、ガラスとプレス成形型の融着などの不具合は発生せず、表面および内部ともに高品質のレンズを高精度に生産することができた。このようにして得たレンズの表面には反射防止膜をコートしてもよい。
次いで、上記炭素含有膜をコートしたプリフォームを加熱、軟化し、別途、予熱したプレス成形型に導入し、精密プレス成形して上記各種ガラスからなる非球面凸メニスカスレンズ、非球面凹メニスカスレンズ、非球面両凸レンズ、非球面両凹レンズの各種レンズを作製した。なお、精密プレス成形の各条件は前述の範囲で調整した。
このようにして作製した各種レンズを観察したところ、分相による白濁等は認められず、レンズ表面に傷、クモリ、破損は全く認められなかった。
こうしたプロセスを繰り返し行い、各種レンズの量産テストを行ったが、ガラスとプレス成形型の融着などの不具合は発生せず、表面および内部ともに高品質のレンズを高精度に生産することができた。このようにして得たレンズの表面には反射防止膜をコートしてもよい。
プレス成形型の成形面の形状を適宜、変更し、プリズム、マイクロレンズ、レンズアレイなどの各種光学素子を作製することもできる。
(比較例2)
次に表8に示す光学ガラスを作製し、このガラスを用いて精密プレス成形用プリフォームを作製した。そして、このプリフォームを実施例4と同様、精密プレス成形してレンズを作製したところ、レンズ表面に多数の発泡が認められた。レンズ表面を拡大撮影した写真を図1の(a)および(b)に示す。
(実施例5)
実施例4で作製した各レンズを用いて、各レンズを内蔵する一眼レフカメラ用の交換レンズ各種を作製した。
さらに実施例4で作製した各レンズを用いて、コンパクトデジタルカメラの光学系各種を作製し、モジュール化した。さらにこれら光学系にCCDあるいはCMOSなどのイメージセンサーを取り付けモジュール化した。
このように実施例4において作製した各種レンズを用いることにより、高機能、コンパクトな光学系、交換レンズ、レンズモジュール、撮像装置を得ることができる。実施例4で作製したレンズと高屈折率低分散光学ガラス製のレンズとを組み合わせることにより、高次の色収差補正がなされる各種光学系とこの光学系を備える撮像装置を得ることができる。
本発明の光学ガラスは、高屈折得率高分散特性、優れた耐失透性を有し、ガラス転移温度が低く、精密プレス成形に好適な光学ガラスである。また、高次の色収差補正に好適な光学ガラスであて、精密プレス成形用プリフォーム、光学素子を作製するのに好適に用いられる。

Claims (26)

  1. 酸化物ガラスであって、カチオン%表示にて、
    Si4+、B3+を合計で20〜40%、
    Nb5+、Ti4+、W6+およびZr4+を合計で15〜40%、
    Zn2+、Ba2+、Sr2+およびCa2+を合計で0.2〜20%、
    Li、NaおよびKを合計で15〜55%、
    含み、
    3+およびSi4+の合計含有量に対するB3+の含有量のカチオン比が0.01〜0.5、
    Nb5+、Ti4+、W6+およびZr4+の合計含有量に対するZr4+の含有量のカチオン比が0.05以下、
    Zn2+、Ba2+、Sr2+およびCa2+の合計含有量に対するZn2+およびBa2+の合計含有量のモル比が0.8〜1、
    であり、屈折率ndが1.815以上、アッベ数νdが29以下である光学ガラス。
  2. ガラス転移温度が530℃未満である請求項1に記載の光学ガラス。
  3. 液相温度が1080℃以下である請求項1または2に記載の光学ガラス。
  4. Nb5+およびTi4+の合計含有量に対するNb5+の含有量のカチオン比(Nb5+/(Nb5++Ti4+))が0.65〜1である請求項1〜3のいずれかに記載の光学ガラス。
  5. Si4+の含有量が15〜30%である請求項1〜4のいずれかに記載の光学ガラス。
  6. 3+の含有量が15%以下である請求項1〜5のいずれかに記載の光学ガラス。
  7. Nb5+の含有量が10〜30%である請求項1〜6のいずれかに記載の光学ガラス。
  8. Ti4+の含有量が0〜15%である請求項1〜7のいずれかに記載の光学ガラス。
  9. 6+の含有量が0〜4%である請求項1〜8のいずれかに記載の光学ガラス。
  10. Zr4+の含有量が0〜4%である請求項1〜9のいずれかに記載の光学ガラス。
  11. Zn2+の含有量が9%以下である請求項1〜10のいずれかに記載の光学ガラス。
  12. Ba2+の含有量が6%以下である請求項1〜11のいずれかに記載の光学ガラス。
  13. Sr2+の含有量が2%以下である請求項1〜12のいずれかに記載の光学ガラス。
  14. Ca2+の含有量が3%以下である請求項1〜13のいずれかに記載の光学ガラス。
  15. Liの含有量が25%以下である請求項1〜14のいずれかに記載の光学ガラス。
  16. Naの含有量30%以下である請求項1〜15のいずれかに記載の光学ガラス。
  17. の含有量が25%以下である請求項1〜16のいずれかに記載の光学ガラス。
  18. Li、NaおよびKの合計含有量に対するLiの含有量のカチオン比が0.1〜1である請求項1〜17のいずれかに記載の光学ガラス。
  19. ΔPg,Fが0.0130以下である請求項1〜18のいずれかに記載の光学ガラス。
  20. 請求項1〜19のいずれかに記載の光学ガラスからなる精密プレス成形用プリフォーム。
  21. ガラス原料を加熱、熔融して熔融ガラスを作製し、前記熔融ガラスを成形する工程を経て、請求項20に記載のプリフォームを作製する精密プレス成形用プリフォームの製造方法。
  22. 請求項1〜19のいずれかに記載の光学ガラスからなる光学素子。
  23. 請求項20に記載の精密プレス成形用プリフォームを加熱し、プレス成形型を用いて精密プレス成形する工程を備える光学素子の製造方法。
  24. 精密プレス成形用プリフォームとプレス成形型を一緒に加熱して精密プレス成形する請求項23に記載の光学素子の製造方法。
  25. 精密プレス成形用プリフォームを加熱した後、予熱したプレス成形型に導入して精密プレス成形する請求項23に記載の光学素子の製造方法。
  26. 請求項22に記載の光学素子を備える撮像装置。
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