JP2011044399A - 燃料電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】金属板を成形加工したガス流路形成部材を備える燃料電池にあって、電解質膜のドライアップを防止する。
【解決手段】燃料電池セル10は、MEGA25と、セパレータ40と、MEGA25とセパレータ40との間に配置されるガス流路28とを備える。ガス流路28は、金属板のエキスパンド加工を経て酸化剤ガスを通す貫通孔Cが形成されたガス流路部材30により構成される。ガス流路形成部材30は、前記エキスパンド加工が施されていない平板部34を備え、セパレータ40に備えられる孔56と向かい合うように配置される。
【選択図】図5

Description

本発明は、燃料電池に関する。
従来、燃料電池として、膜電極接合体と、膜電極接合体の両側に配置されるセパレータとを備え、膜電極接合体とセパレータとの間に、導電性多孔体であるガス流路形成部材が設けられたものが知られている。ガス流路形成部材としては、金属製の薄板を成形加工したものが提案されている(特許文献1)。
特開2009−32561号公報
前記金属板を成形加工したガス流路形成部材は、膜電極接合体のガス拡散層よりも親水性に優れていることから、膜電極接合体で発生した生成水をガス拡散層から良好に排出させることができるという利点を備える。しかしながら、燃料電池の高温運転時においては、ガス拡散層からの排水性が良すぎて、電解質膜がドライアップし易いという問題があった。
本発明は、金属板を成形加工したガス流路形成部材を備える燃料電池にあって、電解質膜のドライアップを防止することを目的とする。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するために以下の形態または適用例として実現することが可能である。
[適用例1] 燃料電池であって、膜電極接合体と、前記膜電極接合体に向かい合って配置されるとともに、前記膜電極接合体の厚さ方向に開く反応ガス用の開口部を備えるセパレータと、前記膜電極接合体と前記セパレータとの間に配置され、金属板の所定の成形加工を経て前記反応ガスを通す網目が形成されたガス流路形成部材とを備え、前記ガス流路形成部材は、前記成形加工が施されていない平板部を備え、前記平板部が前記開口部と向かい合うように配置される、燃料電池。
適用例1に係る燃料電池によれば、ガス流路形成部材の平板部により、膜電極接合体と開口部の間が遮蔽されることから、前記膜電極接合体からの生成水の排出を抑制することができる。このため、膜電極接合体の一方のガス拡散層から他方のガス拡散層方向への逆拡散水量を増大させることができることから、電解質膜のドライアップを防止することができる。また、平板部が開口部と向かい合うように配置されることから、平板部は膜電極接合体の外周側に配置されることになる。このため、平板部により発電反応が阻害されることを抑制することができる。
[適用例2] 適用例1に記載の燃料電池であって、前記ガス流路形成部材は、前記反応ガスとしての酸化剤ガスを、燃料ガスに対して対向流で流通させる構成であり、前記ガス流路形成部材は、前記平板部が、前記開口部としての酸化剤ガス出口と向かい合うように配置される、燃料電池。
適用例2に係る燃料電池によれば、平板部が酸化剤ガス出口と向かい合うように配置されることで、燃料ガス入口付近が加湿されることなる。このため、電解質膜の加湿効果を膜全体に効率的に伝えることができる。
[適用例3] 適用例1または2に記載の燃料電池であって、前記ガス流路形成部材の前記平板部は、前記膜電極接合体の表面に前記酸化剤ガスを供給するための溝部を設けた構成である、燃料電池。
適用例3に係る燃料電池によれば、溝部に反応ガスが流れることで、平板部により覆われた膜電極接合体の表面部分に酸化剤ガスを供給することが可能となる。したがって、平板部により発電反応が阻害されることを抑制することができる。
[適用例4] 適用例1ないし3のいずれかに記載の燃料電池であって、前記所定の成形加工は、前記金属板に刃型を用いて千鳥配列の切れ目を入れ、同時に前記切れ目を押し広げながら網目を形成する成形加工である、燃料電池。
適用例4に係る燃料電池によれば、ガス流路形成部材の製造が容易である。
さらに、本発明は、上記適用例1ないし4以外の種々の形態で実現可能であり、例えば、本発明の燃料電池を備える燃料電池システムなどの形態で実現することが可能である。
本発明の一実施例における燃料電池100の全体構成を示す説明図である。 燃料電池100を構成する燃料電池セル10の断面図である。 ガス流路形成部材30を示す斜視図である。 ガス流路形成部材30の製造方法を示す説明図である。 ガス流路28の上流側を拡大して示す断面図である。 第1変形例の燃料電池における平板部234の断面図である。 第2変形例の燃料電池における平板部334の断面図である。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら、実施例に基づき説明する。
A.燃料電池の全体構成:
図1は、本発明の一実施例における燃料電池100の全体構成を示す説明図である。図2は、燃料電池100を構成する燃料電池セル10の断面図である。本実施例の燃料電池100は、水素を含有する燃料ガスと酸素を含有する酸化剤ガスとの供給を受け、燃料ガスと酸化剤ガス(以下、必要に応じてまとめて反応ガスと呼ぶ)との電気化学反応により発電する固体高分子型の燃料電池である。
図1に示すように、燃料電池100は、燃料電池セル10が複数積層され、その両端からエンドプレート85,86により狭持されている。エンドプレート85,86には、反応ガス等を供給あるいは排出する貫通孔が形成されており、この貫通孔を介して図示しない外部の水素タンクやコンプレッサ等から、燃料電池100の内部に反応ガスが滞りなく供給されている。
図2に示すように、燃料電池セル10は、MEA24(Membrane Electrode Assembly)、ガス拡散層23a、23b、ガス流路28、29、シールガスケット26、およびセパレータ40を備える。ガス拡散層23a、23bはMEA24の両面に配置されている。MEA24、ガス拡散層23aおよびガス拡散層23bから構成される部材をMEGA25と呼ぶ。このMEGA25が、適用例1に記載の「膜電極接合体」に相当する。
ガス流路28、29は、MEGA25とセパレータ40との間に配置されている。MEGA25およびガス流路28、29は、外周をシールガスケット26で囲われるように、シールガスケット26と一体に形成されている。セパレータ40は、一体に形成されているMEGA25、ガス流路28、29およびシールガスケット26の両側に配置されている。
MEA24は、電解質膜21の表面上に、カソード電極触媒層22a,アノード電極触媒層22bを備える。電解質膜21は、プロトン伝導性を備え、湿潤状態で良好な電気伝導性を示す固体高分子材料の薄膜であり、セパレータ40の外形よりも小さくガス流路の外形よりも大きい長方形に形成されている。電解質膜21は、例えば、ナフィオンである。電解質膜21の表面上に形成されたカソード電極触媒層22a,アノード電極触媒層22bは、電気化学反応を促進する触媒、例えば、白金が担持されている。
ガス拡散層23a,23bは、気孔率が約20%程度のカーボン製の多孔体であり、例えば、カーボンクロスやカーボンペーパーによって形成されている。ガス拡散層23a,23bは、接合によりMEA24と一体化されてMEGA25となる。なお、ガス拡散層23aはMEA24のカソード側に、ガス拡散層23bはアノード側に、それぞれ配置される。ガス拡散層23aは、カソードガスをその厚み方向に拡散して、カソード電極触媒層22aの全面に供給する。ガス拡散層23bは、アノードガスをその厚み方向に拡散して、アノード電極触媒層22bの全面に供給する。ガス拡散層23a,23bは、厚み方向へのガスの拡散を主目的とするため、比較的小さい気孔率を有する。
ガス流路28、29は、導電性のある金属を加工して製造したガス流路形成部材により構成されている。ガス流路形成部材の構造については後ほど詳述する。ガス流路28は、MEGA25のカソード側(MEA24のカソード側)とセパレータ40との間に配設される。ガス流路29は、MEGA25のアノード側(MEA24のアノード側)とセパレータ40との間に配設される。ガス流路28,29を流れる反応ガスは、流れの過程でMEGA25に供給され、MEGA25のガス拡散層23a,23bにより、カソード電極触媒層22a,アノード電極触媒層22bに拡散され、電気化学反応に供される。
シールガスケット26は、シリコンゴム、ブチルゴム、フッ素ゴムなど、弾性を有するゴム製の絶縁性樹脂材料からなり、MEGA25およびガス流路28,29の外周に射出成形することでMEGA25と一体的に形成されている。シールガスケット26は、セパレータ40と同様の大きさの略長方形に形成されている。図1に示すように、シールガスケット26の4辺に沿って、反応ガスおよび冷却水のマニホールドを形成する貫通孔が設けられている。このマニホールド用の貫通孔は、セパレータ40に設けられた貫通孔と同一であるため、セパレータ40の構造とともに、後述する。
こうしたマニホールド用の貫通孔の周囲には、各連通孔を囲み、シールガスケット26の厚み方向に凸の部位が形成されている。この凸の部位は、シールガスケット26を挟むセパレータ40に実質的に当接し、積層方向の所定の締結力を受け、潰れて変形する。その結果、凸の部位は、マニホールド内を流れる流体(水素,酸化剤ガス,冷却水)の漏れを抑制するシールラインSLを形成する。この凸の部位が、シールラインSLのリップ部分となる(図2参照)。
次に電気化学反応により生ずる電気を集電するセパレータ40について説明する。セパレータ40は、三つの金属の薄板を積層して形成される三層積層型のセパレータである。具体的には、酸化剤ガスの流路であるガス流路28と接触するカソードプレート41と、燃料ガスの流路であるガス流路29と接触するアノードプレート43と、両プレートの中間に挟まれ、主に冷却水の流路となる中間プレート42とから構成されている。
三つのプレートは、その厚み方向に、流路用の凹凸形状のない平坦な表面を有し(つまり、ガス流路28,29との接触面が平坦であり)、ステンレス鋼やチタン,チタン合金など、導電性の金属材料から構成されている。
三つのプレートには、上述の各種マニホールドを構成する貫通孔が設けられている。具体的には、図1に示すように、略長方形形状のセパレータ40の長辺に酸化剤ガス供給用の貫通孔41a、酸化剤ガス排出用の貫通孔41bが設けられている。また、セパレータ40の短辺に、燃料ガス供給用の貫通孔41c、燃料ガス排出用の貫通孔41dが設けられている。セパレータ40の短辺には、また、冷却水供給用の貫通孔41eおよび冷却水排出用の貫通孔41fが、それぞれ設けられている。
カソードプレート41には、こうしたマニホールド用の貫通孔に加え、ガス流路28への酸化剤ガスの出入口となる孔部45,46が複数形成されている。同様に、アノードプレート43には、マニホールド用の貫通孔に加え、ガス流路29への燃料ガスの出入口となる孔部(図示なし)が複数形成されている。
中間プレート42に設けられた複数のマニホールド用の貫通孔のうち、酸化剤ガスの流れるマニホールド用の貫通孔42aは、カソードプレート41の孔部45と連通するように形成されている。また、燃料ガスの流れるマニホールド用の貫通孔42bは、アノードプレート43の孔部(図示なし)と連通するように形成されている。なお、中間プレート42には、略長方形外形の長辺方向に沿って複数の切欠が形成され、その切欠の両端はそれぞれ、冷却水の流れるマニホールド用の貫通孔と連通している。
こうした構造の三つのプレートを積層して接合することで、セパレータ40の内部には各種流体の流路が形成される。
図2に示すように、セパレータ40およびシールガスケット26の積層により形成されるマニホールド内を流れる酸化剤ガスの一部は、セパレータ40の内部(中間プレート42の部分)を通って、孔部55からガス流路28へ供給される。そして、反応に供された後の酸化剤ガス、あるいは、供されない酸化剤ガスは、ガス流路28を図中右方から左方(x方向)へ流れて、孔部56からセパレータ40内部を経て、マニホールドへ流れる。なお、図1においても、ガス流路28により、酸化剤ガスは矢印に示すようにx方向へ流れることになる。
一方、セパレータ40およびシールガスケット26の積層により形成されるマニホールド内を流れる燃料ガスの一部は、セパレータ40の内部(中間プレート42の部分)を通って、孔部57からガス流路29へ供給される。そして、反応に供された後の燃料ガス、あるいは、供されない燃料ガスは、ガス流路29を図中左方から右方(−x方向)へ流れて、孔部58からセパレータ40内部を経て、マニホールドへ流れる。なお、図1においても、ガス流路29により、燃料ガスは矢印に示すように−x方向へ流れることになる。すなわち、本実施例の燃料電池100では、燃料電池セル10内を流れる燃料ガスと酸化剤ガスは、他方のガスに対して対向流で流通させる構成となっている。
なお、前記孔部55、56、57、58は、燃料電池セル10の積層方向、すなわちMEGA25の厚さ方向(図中y方向)に向いて開いており、マニホールドのスリットを構成する。
B.ガス流路形成部材の構成:
ガス流路28、29を構成するガス流路形成部材について、以下に説明する。ガス流路形成部材は、酸化剤ガスのガス流路28用、燃料ガスのガス流路29用ともに似通った構成を備えていることから、ここでは酸化剤ガスのガス流路28用としてまず説明する。
図3は、ガス流路形成部材30を示す斜視図である。図示するように、ガス流路形成部材30は、山部32aと谷部32bが交互に連続する波板部32を基本構造としており、この波板部32を複数、連結した構成である。複数の波板部32は、同一の形状であり、横幅Wも同一のサイズである。なお、山部32a、谷部32bは、開口部が上辺(底辺)よりも開いた、すなわち、側辺が縦方向に対して傾斜した形状となっている。
図3中の破線は、隣接する2つの波板部32の間を区分けするために便宜的に付けたものである。図3において、波板部32は、連結数が6つであるものとして例示している。
複数の波板部32の連結は、詳細には次のようなものである。山部32aと谷部32bの振幅の方向をu軸方向、山部32aと谷部32bが連続する方向をv軸方向(u軸方向に対して垂直方向)とすると、複数の波板部32は、u軸方向、v軸方向の双方に垂直なw軸方向に向かって順に連結される。この連結は、互いに隣接する2つの波板部32、32の間が、図3に示すように、一方側の波板部32の谷部32bが他方側の波板部32の山部32aと連なるようにしたものである。詳細には、上記他方側の波板部32を、上記一方側の波板部32に対して表裏を反転させたものとして、谷部32bを山部32aに、山部32aを谷部32bにそれぞれ変換した上で、その山部32aを、上記一方側の波板部32の谷部32bに連なるようにする。
上記連結の結果、正面方向から見たとき、互いに隣接する2つの波板部32、32は、v軸方向に山部32aと谷部32bの周期Tの2分の1分だけずれ、u軸方向に山部32aと谷部32bの振幅Hだけずれた位置関係となる。上記谷部32bと山部32aの連結部分は、一平面(以下、この平面を「連結面」と呼ぶ)Sを形成することから、図示からわかるように、一つの連結面S1と、次の谷部32bと山部32aで形成された連結面S2との間に六角形の貫通孔Cが形成される。六角形の貫通孔Cは網目状かつ階段状に配列されることになり、正面方向から見たとき、いわゆるハニカム形状となる。なお、この実施例では、上記六角形は、各辺の長さが等しく、角も120度と一定な正六角形である。この実施例の変形例として、正六角形以外の六角形とすることもできる。さらに、六角形に換えて四角形等の他の多角形とすることもできる。
図3の例示では、山部32aと谷部32bの繰り返しの回数(以下、単に「山谷の周波数」と呼ぶ)は3であり、波板部32の連結数は6であることから、六角形の貫通孔Cの数は13個となっているが、これは図示の簡略化のためであり、実際は、多数(例えば1万〜10万個程度)を備える構成となっている。なお、こうした形状のガス流路形成部材30は、いわゆるエキスパンドメタルと呼ばれるものである。
さらに、本実施例では、w軸方向において最も前側の波板部32(32f)には、平板部34が連結されている。詳しくは、平板部34の長辺34aが波板部32(32f)の山部32aに連結されており、平板部34の短辺34bは、各波板部32の山部32aを結ぶ方向(図中、1点鎖線方向j)に向いている。
上記ガス流路形成部材30は、前述したように、酸化剤ガスのガス流路28用である。これに対して、燃料ガスのガス流路29用のガス流路形成部材は、上記ガス流路形成部材30と比較して、平板部34を備えないもので、周知のエキスパンドメタルである。
図4は、酸化剤ガス流路用のガス流路形成部材30の製造方法を示す説明図である。図示するように、金属板Mを送りローラ(図示せず)によって矢印a方向に進めて、金属板Mを上刃D1および下刃D2からなる刃型に送る。金属板Mは、例えばステンレス板である。上刃D1は山形に形成されている。上刃D1を所定位置まで下げて、その後、上げることで、金属板Mに切れ目を入れ、同時に切れ目を押し拡げる。その後、金属板Mを送りローラによって第1の距離だけ新たに送る。この第1の距離は、波板部32の横幅W(図3)と一致する。その後、上刃D1を横方向(図中b方向)に第2の距離だけ移動して、上刃D1を上記と同様に上下する。上記第2の距離は、波板部32における山部32aと谷部32bの周期T(図3)の2分の1に一致する。
続いて、上刃D1を移動前の位置に戻して、同様の成形加工(以下、この成形加工を「エキスパンド加工」と呼ぶ)を繰り返す。この繰り返しにより、金属板Mに直線状の切れ目を千鳥状に入れながら押し拡げることができ、金属板Mに網目状かつ階段状の貫通孔C(図3)が形成される。
なお、本実施例のガス流路形成部材30では、金属板Mに最初に切れ目を入れる位置が、金属板Mの先端Mtから所定の距離Eだけ離れた位置となっている。すなわち、製造の際に、金属板Mを、その先端Mtが刃型を通過してから所定の距離Eだけ予め進めるようにし、その後に、貫通孔Cの成形を行うようにする。上記所定の距離は、平板部34の短辺34b(図3)の長さと一致する。この結果、網目状かつ階段状の貫通孔を備えた部分と平板部とが連結された成形物を得ることができる。換言すれば、エキスパンド加工が施された部分とエキスパンド加工が施されていない平板部とが連結された成型物を得ることができる。
その後、上記成形物における平板部を、上記貫通孔を備えた部分との連結部回り(図4のr方向)に所定の角度だけ折り曲げる。こうして、図3を用いて前述した酸化剤ガス流路用のガス流路形成部材30が完成する。
一方、燃料ガスのガス流路29を構成するガス流路形成部材は、周知のエキスパンドメタルであり、前記ガス流路形成部材30と比較して、平板部を有しない点が相違するだけである。
C.ガス流路形成部材の配設の態様:
以上のように構成されたガス流路形成部材30により構成されるガス流路28は、前述したように、MEGA25のカソード側(MEA24のカソード側)の面とセパレータ40との間に配設される(図1,図2参照)が、その配設の態様について、次に説明する。
図5は、ガス流路28の上流側を拡大して示す断面図であり、図2の一部を拡大したものである。図示するように、ガス流路28を構成するガス流路形成部材30は、貫通孔Cの方向がMEGA25のカソード側の面に向かい、かつ、前側(平板部34を備える側)がガス流路28の上流側に位置するように、MEGA25とセパレータ40との間に配設される。この結果、平板部34の先端部34cはシールガスケット26の内側端面に当接し、平板部34の一方側の面34dは、MEGA25のカソード側の表面に接触している。酸化剤ガスの流れ方向(図中x方向)でみたときに、平板部34の上記接触している部分は、セパレータ40の排出側の孔部56を含むように位置する。すなわち、平板部34は、孔部56と向かい合うように位置する。
一方、燃料ガスのガス流路29を構成するガス流路形成部材は、貫通孔の方向がMEGA25のアノード側の面に向かうように、MEGA25とセパレータ40との間に配設される。
D.作用・効果:
以上のように構成した本実施例の燃料電池100によれば、ガス流路形成部材30の平板部34により、MEGA25とマニホールドのスリットである孔部56との間が遮蔽されることから、MEGA25の表面からの生成水の排出を抑制することができる。さらにこの実施例では、平板部34がMEGA25の表面に接触することから、MEGA25の一部表面が覆われることから、より生成水の排出が抑制される。したがって、ガス拡散層23a内の残水量が多くなることから、ガス拡散層23aから他方のガス拡散層23a方向への逆拡散水量を増大させることができ、電解質膜21のドライアップを防止することができる。特に、高温時における電池特性が改善し、高温時におけるドライアップを防止することができる。
また、燃料電池100によれば、ガス流路形成部材30の平板部34は、セパレータ40に備えられる酸化剤ガスの出口としての孔部56と向かい合い、MEGA25の外周側に配置されることから、平板部34によりMEGA25の表面が覆われてその部分の発電反応が阻害されたとしても、主要な発電部である内側部分の発電反応が阻害されることもない。したがって、全体的な電池性能に与える影響は小さくて済む。
さらに、平板部34が酸化剤ガスの出口としての孔部56と向かい合うように配置されることで、孔部56付近に対応したMEGA25表面からの生成水の排出が抑制され、この部分の湿潤状態が良好に保たれる。この結果、燃料ガスと酸化剤ガスとが対向流で流通することから、燃料ガス入口である孔部58付近が加湿されることなる。この水分は燃料ガス出口側に次第に送られる。したがって、電解質膜21の加湿効果を膜全体に効率的に伝えることができる。
E.他の実施形態:
なお、この発明は前記の実施例やその変形例に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。
・第1変形例:
図6は、第1変形例の燃料電池における平板部234の断面図である。この第1変形例は、前記実施例と比較して、ガス流路形成部材230に備えられる平板部234の一方側の面に撥水層236が設けられている点が相違するだけであり、その他の構成は同一である。上記撥水層236が設けられる面は、MEGA25のカソード側の表面に接触する側の面である。上記撥水層236は、撥水加工(例えばテフロン(登録商標)加工)により付設されたものである。
上記構成の第1変形例の燃料電池では、平板部234の親水度を、ガス拡散層に比べて小さくすることができることから、平板部234で覆われたガス拡散層表面からの生成水の排出をより確実に抑制することができる。したがって、電解質膜のドライアップをより防止することができる。なお、セパレータ側に撥水加工された金属材料が位置した場合、排水不良が発生するが、この第1変形例では、ガス拡散層との接触面のみに撥水加工が施されることから、排水不良が発生することがない。
・第2変形例:
図7は、第2変形例の燃料電池における平板部334の断面図である。この第2変形例は、前記第1変形例と比較して、ガス流路形成部材330に備えられる平板部334の一方側の面に線条の複数の溝338が設けられている点が相違するだけであり、その他の構成は同一である。各溝338は、図中のx方向に真っ直ぐ延びる凹状の溝である。なお、凹凸の表面には、第1変形例と同様に、各溝338は図中のx、y、z軸方向は、前記実施例における図1、図2、図5におけるx、y、z軸方向と同じ方向を示す。
上記構成の第2変形例の燃料電池では、各溝338に酸化剤ガスが流れることで、平板部334により覆われたガス拡散層の表面部分に酸化剤ガスを供給することが可能となる。したがって、平板部334により発電反応が阻害されることを抑制することができる。
なお、この第2変形例は、第1変形例をさらに変形したものとして、凹凸面に撥水加工が施されていたが、これに換えて、凹凸面に撥水加工が施されていない構成とすることもできる。すなわち、前記実施例において平板部34の表面34dに線条の複数の溝を設けた構成とすることもできる。
・第3変形例:
前記第2変形例では、平板部の表面に溝を加工していたが、これに換えて、平板部と接触するガス拡散層に溝加工をして、その溝から反応ガスを供給するこうせいとしてもよい。
・第4変形例:
前記実施例では、ガス流路形成部材30は、貫通孔が網目状かつ階段状となったエキスパンドメタルにより構成したが、これに換えて、金属板に刃型を用いて千鳥配列の切れ目を入れ、同時に前記切れ目を押し広げながら網目を形成し(ここまではエキスパンドメタルと同一)、さらに、圧延加工して、略平板状とされた成形物により構成してもよい。なお、本明細書では、金属板に刃型を用いて千鳥配列の切れ目を入れ、同時に前記切れ目を押し広げながら網目を形成したものを「エキスパンドメタル」と呼んだが、他の文献等によれば、この第3変形例のもの、すなわち、圧延加工して略平板状とされた成形物を「エキスパンドメタル」と呼び、金属板に刃型を用いて千鳥配列の切れ目を入れ、同時に前記切れ目を押し広げながら網目を形成したものを「ラスカットメタル」と呼ぶこともある。呼び方はいずれにしろ、本発明は、双方の成形物に適用することができる。
さらに、ガス流路形成部材30は、金属板をパンチングプレスの金型で穴を開けて加工したパンチングメタル等、他の金属板の成形加工物により構成することができる。
・第5変形例:
前記実施例では、ガス流路形成部材30の平板部34は、MEGA25の表面に接触する構成としたが、これに換えて、MEGA25の表面から離間する構成としてもよい。要は、ガス流路形成部材の平板部が孔部56(開口部)と向かい合うように配置されていれば、どのような構成としてもよい。
・第6変形例:
前記実施例では、アノード側のガス流路29を構成するガス流路形成部材を、カソード側のガス流路28のガス流路形成部材30と比較して、平板部34を備えないことが相違するだけの構成としたが、これに換えて、多孔質体を用いた構成等、エキスパンドメタルではない他のタイプのガス流路形成部材としてもよい。
・第7変形例:
前記実施例では、平板部34を備えるガス流路形成部材30を酸化剤ガスのガス流路28用としたが、これに換えて、燃料ガスのガス流路29用としてもよい。
・第8変形例:
前記実施例では、ガス流路形成部材30の平板部34を、長方形の薄版としたが、必ずしも長方形である必要はなく、正方形であってもよく、また、矩形以上の形状の薄板としてもよい。
・第9変形例:
前記実施例では、燃料電池セル内の酸化剤ガスと燃料ガスとが向かい合う対向流の構成としたが、これに換えて、酸化剤ガスと燃料ガスとが平行となる平行流の構成としてもよい。この場合には、酸化剤ガスの入口側にガス流路形成部材の平板部が位置する構成とすることにより、燃料ガスの入口側の加湿を容易とすることができる。
・第10変形例:
前記実施例では、セパレータ40は、三層積層型のものとして表面のフラット化が容易であるものとしたが、これに換えて、表面が平坦な他の板状部材としてもよい。また、必ずしも表面が平坦なセパレータに限る必要もない。
・第11変形例:
また、前記実施例および変形例とは異なる種類の燃料電池に本発明を適用することとしてもよい。例えば、ダイレクトメタノール型燃料電池に適用することができる。あるいは、固体高分子以外の電解質層を有する燃料電池であってもよく、本発明を適用することで同様の効果が得られる。
なお、前述した実施例および各変形例における構成要素の中の、独立請求項で記載された要素以外の要素は、付加的な要素であり、適宜省略可能である。また、本発明はこれらの実施例および各変形例になんら限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲内において種々の態様での実施が可能である。
10…燃料電池セル
21…電解質膜
22a…カソード電極触媒層
22b…アノード電極触媒層
23a…ガス拡散層
23b…ガス拡散層
25…MEGA
26…シールガスケット
28…ガス流路
29…ガス流路
30…ガス流路形成部材
32…波板部
32a…山部
32b…谷部
34…平板部
40…セパレータ
41…カソードプレート
42…中間プレート
43…アノードプレート
85…エンドプレート
100…燃料電池
230…ガス流路形成部材
234…平板部
236…撥水層
330…ガス流路形成部材
334…平板部
338…溝

Claims (4)

  1. 燃料電池であって、
    膜電極接合体と、
    前記膜電極接合体に向かい合って配置されるとともに、前記膜電極接合体の厚さ方向に開く反応ガス用の開口部を備えるセパレータと、
    前記膜電極接合体と前記セパレータとの間に配置され、金属板の所定の成形加工を経て前記反応ガスを通す網目が形成されたガス流路形成部材と
    を備え、
    前記ガス流路形成部材は、
    前記成形加工が施されていない平板部を備え、前記平板部が前記開口部と向かい合うように配置される、燃料電池。
  2. 請求項1に記載の燃料電池であって、
    前記ガス流路形成部材は、
    前記反応ガスとしての酸化剤ガスを、燃料ガスに対して対向流で流通させる構成であり、
    前記ガス流路形成部材は、
    前記平板部が、前記開口部としての酸化剤ガス出口と向かい合うように配置される、燃料電池。
  3. 請求項1または2に記載の燃料電池であって、
    前記ガス流路形成部材の前記平板部は、
    前記膜電極接合体の表面に前記酸化剤ガスを供給するための溝部を設けた構成である、燃料電池。
  4. 請求項1ないし3のいずれかに記載の燃料電池であって、
    前記所定の成形加工は、前記金属板に刃型を用いて千鳥配列の切れ目を入れ、同時に前記切れ目を押し広げながら網目を形成する成形加工である、燃料電池。
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