JP2011044041A - 医療運用評価システム及び医療運用評価プログラム - Google Patents

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Abstract

【課題】医療に関する行為を実施するための複合的な資源の運用評価を行うことができる、医療運用評価システム及び医療運用評価プログラムを提供すること。
【解決手段】運用評価サーバ10は、医療に関する行為を実施するための資源の運用計画を特定するための運用計画情報を格納する運用計画DB11eと、資源の運用実績を特定するための運用実績情報を格納する運用実績DB11fと、運用計画情報と運用実績情報とを相互に対比することにより運用計画の評価を行う情報評価部12bを備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、医療に関する行為を実施するための資源の運用評価を行うための医療運用評価システム及び医療運用評価プログラムに関する。
病院等の医療機関において医療計画を実行するためには、病院等が保有する様々な資源(リソース)を利用することが必要になる。このような資源の代表的なものとしては、実施者(例えば医師や看護師の如き人)、物品(例えば医療機器や医療資材の如き物)、及び場所(例えば検査室や手術室)を挙げることができる。
ここで、近年では医療費の増大が社会的な問題となっており、医療行為を質だけではなく効率面からも向上させることが要望されているため、医療機関における限られた資源を、医療の行為の内容やタイムスケジュールに即して、適切に運用することが従来にも増して求められている。
特に、計画がほぼ予定通りに実行される他の分野(例えば、飛行機に搭乗する客の数が出発直前で急増や急減することは考え難いために、飛行機の運行計画がほぼ予定通りに実行される航空業や、授業に出席する生徒の数が授業直前に急増や急減することは考え難いために、授業の運行計画がほぼ予定通りに実行される教育業)とは異なり、医療の臨床現場では、医療行為を行うべき患者の種類や数がその日にならないと予測できない場合が多く、医療計画で予定されていた資源が過大になったり過小になることも多い。その一方、診療報酬は、医療計画に基づいて算定されるものではなく、実際に実行された医療行為に基づく出来高払いとして算定されるので、医療の計画と実施の差分が医療機関の経営に与える影響が大きく、各病院の実情に合わせて資源を最適化することが一層求められている。
このような点に鑑みて、従来、医療機関の資源を効率的に運用するためのシステムが提案されていた。例えば、特許文献1には、医療機関の各傷病用病棟エリアに必要となる病床数を決定するシステムであって、傷病毎の占有病床数を患者のデータから計算して各病棟エリアに割り振り、各病棟エリアに割り振った占有病床数と当該病棟エリアの最大収容病床数との差分を算定することで各病棟エリアでの病床数の過不足を求め、病床数の不足する病棟エリアに対しては振替テーブルに従って他の病棟エリアでの余剰病床を振り替えるシステムが開示されている。
特開2008−299392号
しかしながら、上記従来のシステムは、各医療機関における単一の傷病に関する「場所」の運用を一律に行う上では効果的であるが、「場所」以外の「実施者」や「物品」を含んだ複合的な資源を運用する上では問題があった。例えば、上記従来のシステムにより、過不足が生じないように病床を割り当てることができたとしても、相互に離れた病棟エリアに跨って病床を割り当てた場合には、看護師が全ての病床を回ることができない可能性があり、割り当てられた病床を現実的に採用することが困難になる可能性があった。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、医療に関する行為を実施するための複合的な資源の運用評価を行うことができる、医療運用評価システム及び医療運用評価プログラムを提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、請求項1に記載の医療運用評価システムは、医療に関する行為を実施するための資源の運用計画を特定するための運用計画情報を格納する運用計画情報格納手段と、前記資源の運用実績を特定するための運用実績情報を格納する運用実績情報格納手段と、前記運用計画情報格納手段にて格納された前記運用計画情報と前記運用実績情報格納手段にて格納された前記運用実績情報とを相互に対比することにより、前記運用計画の評価を行う運用計画評価手段とを備える。
請求項2に記載の医療運用評価システムは、請求項1に記載の医療運用評価システムにおいて、前記資源は、医療に関する行為を実施する実施者、医療に関する行為に使用する物品、又は医療に関する行為を行うために使用される場所を含み、前記運用計画情報は、前記運用計画における前記実施者、前記物品、又は前記場所と、これら実施者による実施、物品の使用、又は場所の使用が予定されていた日時とを含み、前記運用実績情報は、前記運用実績における前記実施者、前記物品、又は前記場所と、これら実施者による実施、物品の使用、又は場所の使用が行われた日時とを含み、前記運用計画評価手段は、前記運用計画における前記実施者、前記物品、又は前記場所と、前記運用実績における前記実施者、前記物品、又は前記場所とを、前記日時に基づいて対比することにより、前記運用計画の評価を行う。
請求項3に記載の医療運用評価システムは、請求項2に記載の医療運用評価システムにおいて、前記運用計画評価手段は、前記運用計画における前記実施者、前記物品、又は前記場所に対する、前記運用実績における前記実施者、前記物品、又は前記場所の差分又は稼働率を算定する。
請求項4に記載の医療運用評価システムは、請求項3に記載の医療運用評価システムにおいて、前記運用計画評価手段は、前記運用計画の前記実施者に対する前記運用実績の前記実施者の差分又は稼働率であって、これら実施者に関連付けて前記運用計画情報格納手段又は前記運用実績情報格納手段に格納された前記場所単位での差分又は稼働率、又は、前記運用計画の前記物品に対する前記運用実績の前記物品の差分又は稼働率であって、これら物品に関連付けて前記運用計画情報格納手段又は前記運用実績情報格納手段に格納された前記場所単位での差分又は稼働率を算定する。
請求項5に記載の医療運用評価システムは、請求項3又は4に記載の医療運用評価システムにおいて、前記実施者が所属する組織を特定する所属組織情報を格納する所属組織情報格納手段を備え、前記運用計画評価手段は、前記所属組織情報格納手段にて格納された前記所属組織情報を参照することにより、前記運用計画の前記実施者に対する前記運用実績の前記実施者の差分又は稼働率であって、当該実施者が所属する組織単位での差分又は稼働率、前記運用計画の前記物品に対する前記運用実績の前記物品の差分又は稼働率であって、当該物品に関連付けて前記運用計画情報格納手段又は前記運用実績情報格納手段に格納された前記実施者が所属する組織単位での差分又は稼働率、又は、前記運用計画の前記場所に対する前記運用実績の前記場所の差分又は稼働率であって、当該場所に関連付けて前記運用計画情報格納手段又は前記運用実績情報格納手段に格納された前記実施者が所属する組織単位での差分又は稼働率を算定する。
請求項6に記載の医療運用評価プログラムは、コンピュータを、医療に関する行為を実施するための資源の運用計画を特定するための運用計画情報を格納する運用計画情報格納手段と、前記資源の運用実績を特定するための運用実績情報を格納する運用実績情報格納手段と、前記運用計画情報格納手段にて格納された前記運用計画情報と前記運用実績情報格納手段にて格納された前記運用実績情報とを相互に対比することにより、前記運用計画の評価を行う運用計画評価手段として機能させる。
請求項1に記載の医療運用評価システム又は請求項6に記載の医療運用評価プログラムによれば、運用計画情報と運用実績情報とを相互に対比することにより運用計画の評価を行うので、医療に関する行為を実施するための資源が適切に運用されているか否かを容易かつ客観的に把握することが可能となり、必要に応じて資源運用の見直し等を容易かつ正確に行うことが可能となる。
請求項2に記載の医療運用評価システムによれば、運用計画と運用実績とを、日時に関して相互に対応する実施者、物品、又は場所の観点から評価するので、医療に関する行為を実施するための複合的な資源が適切に運用されているか否かを様々な観点から評価することが可能となり、ニーズや実情に合致した観点から運用評価を行うことが可能となる。
請求項3に記載の本発明によれば、実施者、物品、又は場所の差分又は稼働率を算定するので、この差分又は稼働率を参照することで、運用計画に対する運用実績の乖離の程度を容易かつ正確に把握することが可能となる。
請求項4に記載の本発明によれば、実施者の場所単位での差分又は稼働率又は物品の場所単位での差分又は稼働率を算定するので、この差分又は稼働率を参照することで、差分又は稼働率が大きい場所や差分又は稼働率が小さい場所を容易かつ正確に把握することが可能となり、場所単位での運用改善を容易に行うことが可能となる。
請求項5に記載の本発明によれば、実施者の組織単位での差分又は稼働率、物品の組織単位での差分又は稼働率、又は場所の組織単位での差分又は稼働率を算定するので、この差分又は稼働率を参照することで、差分又は稼働率が大きい組織や差分又は稼働率が小さい組織を容易かつ正確に把握することが可能となり、組織単位での運用改善を容易に行うことが可能となる。
本発明の実施の形態に係る医療運用評価システムの全体構成を概念的に示す構成図である。 職員基本情報の構成例を示す図である。 業務基本情報の構成例を示す図である。 場所基本情報の構成例を示す図である。 物品基本情報の構成例を示す図である。 運用計画情報の構成例を示す図である。 運用実績情報の構成例を示す図である。 運用計画情報入力画面の例を示す図である。 情報評価処理のフローチャートである。 評価対象入力画面の例を示す図である。 評価結果出力画面の例を示す図である。
以下に添付図面を参照して、この発明に係る医療運用評価システム及び医療運用評価プログラムを実施するための形態について詳細に説明する。まず、〔I〕本実施の形態の基本概念を説明した後、〔II〕本実施の形態の具体的内容について説明し、〔III〕最後に、本実施の形態に対する変形例について説明する。ただし、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
〔I〕本実施の形態の基本概念
まず、本実施の形態の基本概念について説明する。本実施の形態に係る医療運用評価システム(以下「本システム」)及び医療運用評価プログラム(以下「本プログラム」)は、医療に関する行為を実施するための資源の運用評価を行うためのものである。
(定義)
ここで、「医療に関する行為」とは、医師法の如き法律によって医師や看護師等に認められている行為のみならず、病院の内部で行われ得るあらゆる行為を含み、また、人間に対する行為のみならず、動物病院における医療運用評価を行う場合には、人間以外の動物に対する行為も含めることができる。
「資源」とは、医療に関する行為を実施する実施者(例えば、医師、看護師、放射線技師等の医療スタッフ。以下「職員」)、医療に関する行為に使用する物品(例えば、X線撮影装置やMRI装置の如き固定的に設置される各種の医療機器や、薬や手術用具の如き移動可能な医療資材。以下「物品」)、又は医療に関する行為を行うために使用される場所(例えば、病室、診療室、手術室、レントゲン撮影室やMRIルーム等の各種検査室の如き医療施設。以下「場所」)を含み、その他にも医療に関する行為に必要になり得る任意のリソースを含むことができる。
本実施の形態に係る本システム及び本プログラムの特徴の一つは、医療に関する行為を実施するための資源の運用計画を特定するための情報(以下「運用計画情報」)と、資源の運用実績を特定するための情報(以下「運用実績情報」)とを相互に対比することにより、運用計画の妥当性の評価を行う点にある。ここで、「運用計画」とは、国際公開第2006/057336号パンフレットに全部又は一部が開示された「患者状態適応型パスシステム(PCAPS:Patient Condition Adaptive Path System)(登録商標)」によって生成された計画の他、その他の任意の手法で立案された計画を含む。また、「運用実績」とは、「患者状態適応型パスシステム(登録商標)」によって運用された計画の履歴や結果の他、その他の任意の手法で立案された計画の履歴や結果を含む。また、「評価」とは、運用計画情報と運用実績情報に基づいて取得可能なあらゆる情報を意味し、統計的手法によって導出や算定された数値や傾向を含む。
(医療運用評価システムの全体構成)
図1は、本実施の形態に係る医療運用評価システムの全体構成を概念的に示す説明図である。この図1に示すように、運用評価センター1に設定された運用評価サーバ10と、複数の病院2の各々に設置された運用管理サーバ20とが、WAN(Wide Area Network)やインターネットの如きネットワーク30を介して相互に通信可能に接続されている。運用評価センター1の内部では、運用評価サーバ10に対して、複数の運用端末40がLAN(Local Area Network)の如きネットワーク31を介して相互に通信可能に接続されている。各病院2の内部では、運用管理サーバ20に対して、複数の運用端末50がLANの如きネットワーク32を介して相互に通信可能に接続されている。
本実施形態では上述の「患者状態適応型パスシステム(登録商標)」を利用する。このシステムは、患者の初期状態から最終目標状態に至る臨床経路を示す俯瞰的なモデルであり、この臨床経路を、「患者状態」を基軸とする複数の「目標状態」を相互にリンクして視覚化したものであって、具体的には「プロセスチャート(臨床プロセスチャート)」と「ユニットシート」の2つのツールを用いて構成される。プロセスチャートとは、患者の目標状態毎に形成された医療行為単位(医療の質を管理するために適切な大きさに設定された単位)である「ユニット(プロセス)」を連結することで構成される臨床経路の俯瞰図であり、疾患毎に構成され、当該疾患を有する患者の初期状態から最終目標状態に至る間に想定されるすべての臨床状態を包含する。各ユニットは「実行エレメント」と「判断エレメント」とから構成されている。実行エレメントは、患者状態を当該ユニットの目標状態に達するように組み込まれた医療業務を実行していく行為を示し、判断エレメントは、患者状態が当該ユニットの目標状態に達したか否かを判断する行為を示す。そして、各実行エレメントと、当該各実行エレメントの直後の判断エレメントとを、視覚的に表示する手段として「ユニットシート」が構成される。
このように構成される「プロセスチャート」及び「ユニットシート」は、例えば、遠隔地に配置され運用管理サーバ20とネットワーク30で接続された図示しない作成サーバによるASP(Application Service Provider)サービスを用いて、各病院2の医師等が作成することができる。すなわち、作成サーバには、このように構成される「プロセスチャート」及び「ユニットシート」を特定するための情報と、これら「プロセスチャート」及び「ユニットシート」の作成を支援するための機能とが設けられており、各病院2の医師等は、これら情報及び機能に対して運用端末50を介してネットワーク30を通じてアクセスし、プロセスチャート及びユニットシートの作成を行うことができる。
このように作成された「プロセスチャート」及び「ユニットシート」の実施は、運用管理サーバ20によって管理される。すなわち、作成された「プロセスチャート」及び「ユニットシート」に関する情報は、運用管理サーバ20に格納され、運用管理サーバ20は、この内容を運用端末50を介して医師に対して表示出力する。そして、医師が、当該提示されたユニットシートに含まれる医療行為を行い、その後の患者状態を運用端末50に入力すると、この患者状態が運用端末50を介して運用管理サーバ20に送信される。次いで、運用管理サーバ20は、患者状態が当該ユニットの目標状態に達したか否かを判断する。目標状態に達したと判断した場合には、当該最初のユニットの次順のユニットをプロセスチャートに基づいて特定し、当該次順のユニットに対応するユニットシートを運用端末50を介して医師に対して表示出力する。以降同様に、プロセスチャートにて定義された実施順序に従ったユニットに対応するユニットシートの提示処理と、医師による患者状態の入力を受け付ける処理と、目標状態に達したか否かを判断する判断処理とが繰り返し行われ、プロセスチャートにおける最後のユニットの医療行為が終了することで、一連の処理が終了する。
〔II〕本実施の形態の具体的内容
次に、本実施の形態の具体的内容について説明する。以下では、図1に示した医療運用評価システムの各部の構成について説明し、次いで、医療運用評価システムを用いて実行される医療運用評価プログラムの処理内容について説明する。ただし、上述の「プロセスチャート」及び「ユニットシート」の実施に関する構成については、上述の特許文献1に記載の構成と同じものを適用することができるので、以下ではその説明を省略する。
(構成−運用評価サーバ)
最初に、運用評価サーバ10の構成を説明する。この運用評価サーバ10は、各病院2における医療に関する行為を実施するための資源の運用評価を行うための医療運用評価システムであり、機能概念的に、記憶部11、制御部12、及びネットワークインターフェース(以下「ネットワークIF」)13を、バスにて相互に通信可能に接続して構成されている。
記憶部11は、運用評価サーバ10における各種処理に必要な情報やパラメータを不揮発的に格納する格納手段であり、例えば、HD(Hard Disk)にて構成される(後述する記憶部21において同じ)。この記憶部11は、機能概念的に、職員基本情報テーブル11a、業務基本情報テーブル11b、場所基本情報テーブル11c、物品基本情報テーブル11d、運用計画データベース(以下、データベースを「DB」と称する)11e、及び運用実績DB11fを備える。これら各テーブルや各DBに格納される情報の具体的内容については後述する。
制御部12は、運用評価サーバ10の各部を制御する制御手段であり、機能概念的に、情報取得部12a及び情報評価部12bを備える。情報取得部12aは、運用計画情報と運用実績情報を取得する情報取得手段である。情報評価部12bは、運用計画情報と運用実績情報とを相互に対比することにより運用計画の評価を行う運用計画評価手段である。これら各部の機能の詳細については後述する。この制御部12は、具体的には、CPU(Central Processing Unit)や、このCPU上で解釈実行される各種のプログラム(OSなどの制御プログラムや、各種の処理手順などを規定したプログラム)、及び、所要プログラムや所要データを格納するためのキャッシュメモリを備えて構成される(後述する制御部22において同じ)。本プログラムは、例えば、CD−ROMやDVDを含む任意の記憶媒体に記憶された後、運用評価サーバ10にインストールされて記憶部11に不揮発的に記憶され、CPUにて解釈実行されることで制御部12の各部の実質的機能を構成する。
ネットワークIF13は、ネットワーク30、31を介した通信を行うための通信手段であり、各種情報の入力手段又は出力手段として機能するもので、例えばネットワークボードとして構成される。
(構成−運用管理サーバ)
次に、図1の運用管理サーバ20の構成を説明する。この運用管理サーバ20は、各病院2における医療計画の実施を個別的に管理する運用管理手段である。機能概念的には、運用管理サーバ20は、記憶部21、制御部22、及びネットワークIF23を、バスにて相互に通信可能に接続して構成されている。
記憶部21は、運用管理サーバ20における各種処理に必要な情報やパラメータを不揮発的に格納する格納手段であり、機能概念的に、職員基本情報テーブル21a、業務基本情報テーブル21b、場所基本情報テーブル21c、物品基本情報テーブル21d、運用計画DB21e、及び運用実績DB21fを備える。これら各テーブルや各DBに格納される情報の具体的内容は、例えば、運用評価サーバ10の記憶部11における同一名称のテーブルやDBに格納される情報と同様に構成することができるので、その詳細な説明は省略する。
制御部22は、運用管理サーバ20の各部を制御する制御手段であり、機能概念的に、運用計画情報取得部22a、運用計画実施部22b、及び運用実績情報取得部22cを備える。運用計画情報取得部22aは、運用計画情報を取得する運用計画情報取得手段である。運用計画実施部22bは、運用計画情報取得部22aにて取得された運用計画情報に基づいて運用計画を実施する運用計画実施手段である。運用実績情報取得部22cは、運用実績情報を取得する運用実績情報取得である。これら各部の具体的処理内容については後述する。
ネットワークIF23は、ネットワーク30、32を介した通信を行うための通信手段であり、各種情報の入力手段又は出力手段として機能するもので、例えばネットワークボードとして構成される。
(構成−運用端末)
各運用端末40、50は、システム管理者や医療従事者(以下「担当者」)が、運用評価サーバ10や運用管理サーバ20に対して入出力を行うための端末装置である。運用評価センター1に配置された運用端末40は、少なくとも、運用評価の指示の入力を受け付ける入力機能と、運用評価の出力を行う出力機能と、運用評価サーバ10との間で通信を行う通信機能を有する。病院2に配置された運用端末50は、少なくとも、患者状態の入力を受け付ける入力機能と、プロセスチャート及びユニットシートの出力を行う出力機能と、運用管理サーバ20との間で通信を行う通信機能を有する。これら運用端末40、50は、上記各機能を有する限りにおいて、公知のパーソナルコンピュータと同様に構成できるために、その詳細な説明は省略する。
(構成−記憶部)
次に、運用評価サーバ10の記憶部11に格納される情報の具体的内容について説明する。ただし、以下の構成例では本実施の形態に係る情報のみを格納する例を示し、実際には以下に説明する情報以外の任意の情報も格納することができ、あるいは一部の情報については適宜省略することも可能である。また、記憶部11に格納される情報のうち、同一名称の情報については、特記する場合を除いて相互に同一の内容であるものとし、重複説明は行わないものとする。なお、ここでは、更新頻度が少ない情報を格納する手段をテーブルと称し、更新頻度が多い情報を格納する手段をDBと称しているが、任意の名称を使用することができる。
(構成−記憶部−職員基本情報テーブル)
図1の職員基本情報テーブル11aは、職員に関する基本的な情報(以下「職員基本情報」)を格納する職員基本情報格納手段である。この職員基本情報は、図2に例示するように、項目「職員ID」、項目「職員名」、項目「職種」、項目「所属」、項目「配属」、及び項目「経験年数」の各項目と、これら各項目に対応する情報を相互に関連付けて構成されている。項目「職員ID」に対応する情報は、各職員を一意に特定するための職員特定情報である。項目「職員名」に対応する情報は、各職員の氏名である。項目「職種」に対応する情報は、各職員の職種である。項目「所属」に対応する情報は、各職員の所属である。項目「配属」に対応する情報は、各職員の配属である。項目「経験年数」に対応する情報は、各職員の自己の職種を経験した年数である。特に、医療関係者は、所属と配属が異なることが多いため、所属と配属の両方を格納しておくことで、後述する組織単位での評価等が可能となる。
(構成−記憶部−業務基本情報テーブル)
図1の業務基本情報テーブル11bは、職員が行う業務に関する基本的な情報(以下「業務基本情報」)を格納する業務基本情報格納手段である。この業務基本情報は、図3に例示するように、項目「業務ID」及び項目「業務名」の各項目と、これら各項目に対応する情報を相互に関連付けて構成されている。項目「業務ID」に対応する情報は、各業務を一意に特定するための業務特定情報である。項目「業務名」に対応する情報は、各業務の名称である。
(構成−記憶部−場所基本情報テーブル)
図1の場所基本情報テーブル11cは、場所に関する基本的な情報(以下「場所基本情報」)を格納する場所基本情報格納手段である。この場所基本情報は、図4に例示するように、項目「場所ID」、項目「場所名」、項目「棟」、及び項目「階数」の各項目と、これら各項目に対応する情報を相互に関連付けて構成されている。項目「場所ID」に対応する情報は、各場所を一意に特定するための場所特定情報である。項目「場所名」に対応する情報は、各場所の名称である。項目「棟」に対応する情報と項目「階数」に対応する情報は、各場所の病院2内における位置を特定するための場所位置特定情報であって、項目「棟」に対応する情報は各場所の棟名、項目「階数」に対応する情報は各場所の階数である。
(構成−記憶部−物品基本情報テーブル)
図1の物品基本情報テーブル11dは、物品に関する基本的な情報(以下「物品基本情報」)を格納する物品基本情報格納手段である。この物品基本情報は、図5に例示するように、項目「物品ID」、項目「物品名」、項目「場所ID」、及び項目「仕様」の各項目と、これら各項目に対応する情報を相互に関連付けて構成されている。項目「物品ID」に対応する情報は、各物品を一意に特定するための物品特定情報である。項目「物品名」に対応する情報は、各物品の名称である。項目「場所ID」に対応する情報は、各物品の病院2内における位置を特定するための物品位置特定情報であって、ここでは、各物品が配置された場所の場所IDである。項目「仕様」に対応する情報は、各物品の仕様(能力、諸元、薬効、服用上の注意等を含む)である。
(構成−記憶部−運用計画DB)
図1の運用計画DB11eは、運用計画情報を格納する運用計画情報格納手段である。この運用計画情報は、図6に例示するように、項目「職員ID」と、0時から24時までの24時間を所定単位時間毎に区分した項目「時間帯」(ここでは、所定単位時間を5分としており、最初の項目が「00:00〜00:05」、次の項目が「00:05〜00:10」、以降同様に、項目「23:55〜00:00」まで)と、これら各項目に対応する情報を相互に関連付けて構成されている。項目「職員ID」に対応する情報は、図2の項目「職員ID」に対応する情報と同じである。項目「時間帯」に対応する情報としては、各時間帯において、職員IDにて特定される職員が勤務すべき場所の「場所ID」、当該職員が行うべき業務の「業務ID」、及び当該職員が使用すべき物品の「物品ID」が格納されている。すなわち、この運用計画情報により、24時間の中で(1日の中で)、各職員の勤務すべき「時間」、勤務すべき「場所」、行うべき「業務」、及び使用すべき「物品」が特定され相互に関連付けられる。例えば、図6の一番上のレコードは、職員ID=S0001の職員は、時間帯=00:00〜00:05と00:05〜00:10において、場所ID=B0010の場所で、業務ID=G0056の業務を行うために、物品ID=P0003の物品を使用する予定であることを示している。同一の時間帯において複数の業務を行う場合や複数の物品を使用する場合には、一つの時間帯に、複数の業務IDや複数の物品IDが関連付けて格納される。例えば、図6の上から2番目のレコードは、職員ID=S0002の職員は、時間帯=00:00〜00:05と00:05〜00:10において、場所ID=B0012の場所で、業務ID=G0023の業務を行うために、物品ID=P0098と物品ID=P0099の2つの物品を使用する予定であることを示している。一方、使用する物品がない場合には、物品IDは省略される。例えば、図6の上から3番目のレコードは、職員ID=S0003の職員は、時間帯=00:00〜00:05と00:05〜00:10において、物品を使用することなく業務を行う予定であることを示している。この運用計画情報は、各日毎に作成され運用計画DB11eに格納されており(図6には「2009年8月6日の運用計画情報のみを示している)、例えば、1年間分の運用計画情報としては、図6と同様の運用計画情報が365組、運用計画DB11eに格納されることになる。
(構成−記憶部−運用実績DB)
図1の運用実績DB11fは、運用実績情報を格納する運用実績情報格納手段である。この運用実績情報は、図7に例示するように、図6の運用計画情報と同様に構成することができる。ただし、運用実績情報は、運用計画情報とは異なり、実際の運用実績に基づく情報により構成される。例えば、図6の一番上のレコードにおける時間帯=00:05〜00:10には「P0003」が格納されているのに対して、図7の一番上のレコードにおける時間帯=00:05〜00:10には「P0003」が格納されていないが、これは、物品ID=P0003の物品を使用する予定であったが、実際には使用しなかったことを示している。また、図6の上から3番目のレコードにおける時間帯=00:05〜00:10には「B0036」が格納されているのに対して、図7の上から3番目のレコードにおける時間帯=00:05〜00:10には「B0037」が格納されているが、これは、場所ID=B0036の場所で業務を行う予定であったが、実際には場所ID=B0037の場所で業務を行ったことを示している。この運用実績情報も、運用計画情報と同様に、各日毎に作成され運用実績DB11fに格納されており(図7には「2009年8月6日の運用実績情報のみを示している)、例えば、1年間分の運用実績情報としては、図7と同様の運用実績情報が365組、運用実績DB11fに格納されることになる。
(構成−記憶部−病院の区別)
なお、本実施の形態においては、図1に示すように、運用評価センター1は複数の病院2に対する運用評価を行うこととなっており、これら複数の病院2の各々の運用計画情報や運用実績情報等を運用評価サーバ10の記憶部11に格納している。すなわち、上述した職員基本情報、業務基本情報、場所基本情報、物品基本情報、運用計画情報、及び運用実績情報は、対応するテーブルやDBにおいて病院2毎に区別可能に格納されている。この格納形態は任意であるが、例えば、病院2を一意に識別する病院IDに関連付けて格納することができる。
(処理)
次に、医療運用評価システムによって行われる各処理について説明する。なお、以下の説明において、制御主体を特記しない処理については、運用評価サーバ10の制御部12又は運用管理サーバ20の制御部22にて実行されるものとし、情報の取得元や取得経路を特記しない場合については、公知のタイミング及び公知の方法にて、運用評価サーバ10の記憶部11又は運用管理サーバ20の記憶部21に予め格納されており、あるいは、運用端末40、50を介して担当者によって手入力されたものとする。
特に、職員基本情報テーブル11aにおける職員基本情報、業務基本情報テーブル11bにおける業務基本情報、場所基本情報テーブル11cにおける場所基本情報は、予め格納されているものとする。すなわち、病院2の担当者は、運用端末50を介して、職員の採用や移動がある毎に、職員基本情報テーブル21aに対する職員基本情報の格納や更新を行い、業務の追加や変更がある毎に、業務基本情報テーブル21bに対する業務基本情報の格納や更新を行い、場所の増改築や使用目的変更がある毎に、場所基本情報テーブル21cに対する場所基本情報の格納や更新を行い、物品の購入や設置を行う毎に、物品基本情報テーブル21dに対する物品基本情報の格納や更新を行う。
(運用管理サーバの処理)
最初に、運用管理サーバ20において行われる処理について説明する。この処理は、運用計画情報取得処理と、運用計画実施処理と、運用実績情報取得処理に大別される。
(運用管理サーバの処理−運用計画情報取得処理)
運用計画情報取得処理は、例えば、各病院2の担当者が運用端末50を介して所定方法で運用計画情報取得処理の起動を指示することで起動される。運用計画情報取得部22aは、運用計画情報を入力するための所定の運用計画情報入力画面60を運用端末50に表示させる。この運用計画情報入力画面60は、例えば、図8に例示するように、職員名を選択する選択欄61、勤務時間を入力する入力欄62、業務名を選択する選択欄63、場所名を選択する選択欄64、及び物品名を選択する選択欄65、及び入力終了を指示する入力終了ボタン66を含んで構成されている。選択欄61、63、64、及び65は、職員名を職員基本情報テーブル21a、業務名を業務基本情報テーブル21b、場所名を場所基本情報テーブル21c、物品名を物品基本情報テーブル21dからそれぞれ取得し、当該取得した情報を選択可能にリスト形式で表示することで構成されている。
そして、担当者が運用端末50を介して各選択欄61、63、64、及び65や入力欄62において情報の選択や入力を行った後、入力終了ボタン66を選択すると、運用計画情報取得部22aは、これら選択や入力された情報に基づいて、運用計画DB21eに運用計画情報のレコードを一つ追加する。すなわち、選択された職員名に対応する職員IDを職員基本情報テーブル21a、選択された業務名に対応する業務IDを業務基本情報テーブル21b、選択された場所に対応する場所IDを場所基本情報テーブル21c、選択された物品に対応する物品IDを物品基本情報テーブル21dからそれぞれ取得し、これら取得した職員ID、業務ID、場所ID、及び物品IDを、入力された勤務時間に対応する時間帯に対して関連付けることで、新たなレコードを作成して、運用計画情報に追加する。これにて運用計画情報取得処理が終了する。
なお、職員名、業務名、場所名、若しくは物品名に代えて職員ID、業務ID、場所ID、若しくは物品IDを担当者に選択してもらい、当該選択された職員ID、業務ID、場所ID、若しくは物品IDをそのまま使用して運用計画情報のレコードを作成してもよい。また、職員の職種や所属については、選択された職員IDに基づいて職員基本情報テーブル21aを参照することで特定できるので、図8の運用計画情報入力画面では入力や選択を求めていないが、これら職種や所属についても入力や選択を求めるようにしてもよい。また、職員の職員IDや勤務時間を特定する勤務シフトデータが存在する場合には、勤務シフトデータからこれら職員IDや時間帯を取得するようにしてもよい。あるいは、
上述の「患者状態適応型パスシステム(登録商標)」においてこれら職員ID、業務ID、場所ID、若しくは物品IDが特定される場合には、当該システムからこれらの情報を取得して、運用計画情報に追加してもよい。
(運用管理サーバの処理−運用計画実施処理)
次に、運用計画実施処理として、運用計画実施部22bは、運用管理サーバ20の運用計画情報取得処理にて取得された運用計画情報に基づいて、運用計画の実施支援を行う。例えば、運用計画実施部22bは、各病院2の担当者が運用端末50を介して所定方法で要求を行った時に、あるいは所定タイミングで自動的に、運用計画DB21eから運用計画情報を呼び出し、この運用計画情報を運用端末50に表示させる。この際、例えば、運用計画情報の職員IDに対応する職員名、業務IDに対応する業務名、場所IDに対応する場所名、及び物品IDに対応する物品名を、それぞれ職員基本情報テーブル21a、業務基本情報テーブル21b、場所基本情報テーブル21c、物品基本情報テーブル21dから取得し、これら取得した職員名、業務名、場所名、及び物品名と、時間帯を、リスト形式等の所定形式で表示する。病院2の職員は、この表示を見ることで、自己の担当すべき業務の内容等を確認し、業務を行うことができる。また、これらの情報の表示や、医療計画の実施は、上述の「患者状態適応型パスシステム(登録商標)」と連動して行うようにしてもよく、例えば、運用計画情報から抽出した情報を、「患者状態適応型パスシステム(登録商標)」のユニットシート等で表示してもよい。
(運用管理サーバの処理−運用実績情報取得処理)
その後、運用実績情報取得処理は、例えば、各病院2の担当者が運用端末50を介して所定方法で運用実績情報取得処理の起動を指示することで起動される。運用実績情報取得部22cは、運用実績情報を入力するための所定の運用実績情報入力画面を運用端末50に表示させる。この運用実績情報入力画面は、例えば、図8に例示したものと同様に構成することができる。
そして、担当者が運用端末50を介して、運用計画を実際に運用した結果としての情報を、運用実績情報入力画面に選択や入力して入力終了ボタンを選択すると、運用実績情報取得部22cは、これら選択や入力された情報に基づいて、運用実績DB21fに運用実績情報のレコードを一つ追加する。この追加の詳細は、運用管理サーバ20の運用計画情報取得処理と同様に行うことができる。これにて運用実績情報取得処理が終了する。
(運用評価サーバの処理)
次に、運用評価サーバ10において行われる処理について説明する。この処理は、情報取得処理と情報評価処理に大別される。
(運用評価サーバの処理−情報取得処理)
情報取得処理は、情報取得処理が終了した後の任意のタイミングで(例えば、各病院2の営業時間終了後、週末、月末等におけるバッチ処理として)実行される。具体的には、情報取得部12aは、ネットワーク30を介して各病院2の運用管理サーバ20に接続し、当該運用管理サーバ20の記憶部21の各テーブルや各DBに格納されている情報を取得して、当該取得した情報を、記憶部11における対応する各テーブルや各DBにそれぞれ格納する。
すなわち、情報取得部12aは、職員基本情報テーブル21aから取得した職員基本情報を職員基本情報テーブル11a、業務基本情報テーブル21bから取得した業務基本情報を業務基本情報テーブル11b、場所基本情報テーブル21cから取得した場所基本情報を場所基本情報テーブル11c、物品基本情報テーブル21dから取得した物品基本情報を物品基本情報テーブル11d、運用計画DB21eから取得した運用計画情報を運用計画DB11e、運用実績DB21fから取得した運用実績情報を運用実績DB11fにそれぞれ格納する。この際、情報取得処理は、上述したように、各情報を病院2毎に区別可能に格納する。これにて情報取得処理が終了する。
(処理−運用評価サーバ−情報評価処理)
次に、情報評価処理について説明する。図9は、情報評価処理のフローチャートである。この情報評価処理は、運用評価サーバ10の情報取得処理が終了した後の任意のタイミングで実行され、例えば、担当者が運用端末40を介して所定方法で情報評価処理の起動を指示することで起動される。
例えば、情報評価部12bは、評価対象を担当者に問い合わせるための評価対象入力画面70を運用端末40の表示部に表示させる。この評価対象入力画面70は、例えば、図10に例示するように、運用評価を行う期間(以下「評価対象期間」)を入力するための入力欄71と、運用評価を行う種別(以下「評価対象種別」)を選択するための選択欄72と、入力終了を指示するための入力終了ボタン73を含んで構成されている。ここで、評価対象種別としては、「職員稼働率」、「場所稼働率」、及び「物品稼働率」を表示する。「職員稼働率」とは、各職員の稼働率であって、各職員の運用計画上の勤務時間に対する運用実績上の勤務時間の百分率として算定される。「場所稼働率」とは、各場所の稼働率であって、各場所の運用計画上の使用時間(又は単に評価対象期間に相当する時間)に対する運用実績上の使用時間の百分率として算定される。「物品稼働率」とは、各物品の稼働率であって、各物品の運用計画上の使用時間に対する運用実績上の使用時間の百分率として算定される。そして、担当者が運用端末40を介して所要の情報の入力や選択後に入力終了ボタン73を選択すると、情報評価部12bは、入力や選択された情報に基づいて、情報評価を行う。
具体的には、情報評価部12bは、運用計画DB11eに格納された運用計画情報から、評価対象期間に合致する年月日及び時間帯に対応する運用計画情報を抽出し(SA1)、運用実績DB11fに格納された運用実績情報から、評価対象期間に合致する年月日及び時間帯に対応する運用実績情報を抽出する(SA2)。そして、情報評価部12bは、これら抽出した運用計画情報と運用実績情報に基づいて、評価対象種別として選択された種別に応じた勤務時間又は使用時間を積算する(SA3)。
例えば、評価対象種別として「職員稼働率」が選択された場合には、各職員ID毎に、運用計画上の勤務時間と運用実績上の勤務時間をそれぞれ積算する。運用計画上の勤務時間は、運用計画情報において各職員の職員IDに対して場所IDや業務IDが格納されている時間帯に応じた時間を積算することで算定する。運用実績上の勤務時間は、運用実績情報において各職員の職員IDに対して場所IDや業務IDが格納されている時間帯に応じた時間を積算することで算定する。また、評価対象種別として「場所稼働率」が選択された場合には、各場所ID毎に、運用計画上の使用時間と運用実績上の使用時間をそれぞれ積算する。運用計画上の使用時間は、運用計画情報において各場所の場所IDが格納されている時間帯に応じた時間を積算することで算定する。運用実績上の使用時間は、運用実績情報において各場所の場所IDが格納されている時間帯に応じた時間を積算することで算定する。あるいは、評価対象種別として「物品稼働率」が選択された場合には、各物品ID毎に、運用計画上の使用時間と運用実績上の使用時間をそれぞれ積算する。運用計画上の使用時間は、運用計画情報において各物品の物品IDが格納されている時間帯に応じた時間を積算することで算定する。運用実績上の使用時間は、運用実績情報において各物品の物品IDが格納されている時間帯に応じた時間を積算することで算定する。
次いで、情報評価部12bは、積算された運用計画上の勤務時間や使用時間から、積算された運用実績上の勤務時間や使用時間を減算することで、運用計画情報と運用実績情報の「差分」を算定する(SA4)。また、情報評価部12bは、積算された運用計画上の勤務時間や使用時間に対する、積算された運用実績上の勤務時間や使用時間の百分率を算定することで、「職員稼働率」、「場所稼働率」、又は「物品稼働率」を算定する(SA5)。
ここで、これら評価は、「場所の評価単位」を変えて行うことができる。例えば、図10の評価対象入力画面において評価対象種別として「場所稼働率」が選択された場合、情報評価部12bは、評価対象とすべき場所の評価単位を指定するための指定欄を運用端末40の表示部に表示させる。この指定欄では、場所の評価単位として「棟」又は「棟及び階数」を指定することができる。「棟」が指定された場合、情報評価部12bは、SA3にて積算された運用計画上の使用時間と運用実績上の使用時間を、棟単位でさらに積算する。すなわち、情報評価部12bは、場所基本情報テーブル11cの場所基本情報を参照することで、各場所IDに対応付けられた「棟」を特定し、各「棟」に対応する場所IDの使用時間を積算する。例えば、図4の例では、場所ID=B0001と、場所ID=B0002と、場所ID=B0003は、いずれも棟=1号棟に対応付けられているので、これら場所IDの使用時間を積算して、1号棟の使用時間とする。また、場所の評価単位として「棟及び階数」が指定された場合、情報評価部12bは、場所基本情報テーブル11cの場所基本情報を参照することで、各場所IDに対応付けられた「棟」及び「階数」を特定し、各「棟」及び「階数」に対応する場所IDの使用時間を積算する。例えば、図4の例では、場所ID=B0001と、場所ID=B0002は、いずれも棟=1号棟かつ階数=3に対応付けられているので、これら場所IDの使用時間を積算して、1号棟の3階の使用時間とする。そして、情報評価部12bは、このように「棟」又は「棟及び階数」の評価単位で積算された運用計画上の使用時間と運用実績上の使用時間に基づいて、SA4と同様に差分を算定し、さらにSA5と同様に「場所稼働率」を算定して、SA6と同様に運用端末40の表示部に表示させる。このような表示を見ることで、担当者は、「棟」単位や「棟及び階数」単位で差分や稼働率を把握できる。
あるいは、これら評価は、「組織の評価単位」を変えて行うこともできる。例えば、図10の評価対象入力画面において評価対象種別として「職員稼働率」が選択された場合、情報評価部12bは、評価対象とすべき組織の評価単位を指定するための指定欄を運用端末40の表示部に表示させる。この指定欄では、組織の評価単位として「所属」又は「配属」を指定することができる。「所属」が指定された場合、情報評価部12bは、SA3にて積算された運用計画上の勤務時間と運用実績上の勤務時間を、所属単位でさらに積算する。すなわち、情報評価部12bは、職員基本情報テーブル11aの職員基本情報を参照することで、各職員IDに対応付けられた「所属」を特定し、各「所属」に対応する職員IDの勤務時間を積算する。例えば、図2の例では、職員ID=S0001と、職員ID=S0003は、いずれも所属=医局内科に対応付けられているので、これら職員IDの勤務時間を積算して、医局内科の勤務時間とする。また、組織の評価単位として「配属」が指定された場合、情報評価部12bは、職員基本情報テーブル11aの職員基本情報を参照することで、各職員IDに対応付けられた「配属」を特定し、各「配属」に対応する職員IDの勤務時間を積算する。例えば、職員ID=S0001と、職員ID=S0003は、いずれも配属=内科外来、1号棟に対応付けられているので、これら職員IDの勤務時間を積算して、内科外来、1号棟の勤務時間とする。そして、情報評価部12bは、このように「所属」又は「配属」の評価単位で積算された運用計画上の勤務時間と運用実績上の勤務時間に基づいて、SA4と同様に差分を算定し、さらにSA5と同様に「職員稼働率」を算定して、SA6と同様に運用端末40の表示部に表示させる。このような表示を見ることで、担当者は、「所属」単位や「配属」単位で差分や稼働率を把握できる。
そして、情報評価部12bは、当該算定した「差分」と、「職員稼働率」、「場所稼働率」、又は「物品稼働率」を、運用端末40の表示部に表示させる(SA6)。この表示形式は任意であるが、例えば、各数値を大きい順又は小さい順にソートした上で、これら各数値と、各数値の算定の前提となった職員名(職員稼働率の表示の場合)、場所名(場所稼働率の表示の場合)、又は物品名(物品稼働率の表示の場合)とを、対応させて表示する。この際、職員名、場所名、又は物品名は、運用計画情報や運用実績情報に格納された職員ID、場所ID、又は物品IDに基づいて職員基本情報テーブル11a、場所基本情報テーブル11c、又は物品基本情報テーブル11dから取得する。このような表示を見ることで、担当者は、運用計画情報や運用実績情報の差分(乖離)が大きい又は小さい職員、場所、又は物品や、稼働率が大きい又は小さい職員、場所、又は物品を容易かつ正確に把握することが可能となる。
あるいは、運用計画情報や運用実績情報、若しくは上記算定された評価結果は、「可視化」することもできる。図11は、評価結果出力画面80の例を示す図である。この評価結果出力画面80は、横軸を場所(ここでは、内科外来第1診察室から内科外来第5診察室までの5箇所)、縦軸を時間(ここでは、8:00から12:00、12:00から18:00、18:00から翌日の8:00までの3つの時間帯)で区画した5×3=計15個の表示区画を有し、各表示区画には、当該表示区画に対応する職員名と職員稼働率を文字81で表示し、当該表示区画に対応する運用計画上の勤務時間(上記SA3で算定したもの)を棒グラフ82で表示し、かつ、当該表示区画に対応する運用実績上の勤務時間(上記SA3で算定したもの)を棒グラフ83で表示している。特に、これら棒グラフ82と棒グラフ83は、縦軸に表示した時間に対応して表示されているので、これらを見ることで、運用計画上の勤務時間や運用実績上の勤務時間をそれぞれ視覚的に容易に把握できると共に、これら2種類の勤務時間の差異を視覚的に容易に把握できる。ここでは、職員稼働率や勤務時間のみを示しているが、同様に、場所や物品に関する表示を行ってもよく、差分、場所稼働率、又は物品稼働率を表示してもよく、その他にも、担当者が参照することで有益であると思われるその他の情報を表示することができる。これにて情報評価処理が終了する。
(効果)
このように本実施の形態によれば、運用計画情報と運用実績情報とを相互に対比することにより運用計画の評価を行うので、医療に関する行為を実施するための資源が適切に運用されているか否かを容易かつ客観的に把握することが可能となり、必要に応じて資源運用の見直し等を容易かつ正確に行うことが可能となる。
また、運用計画と運用実績とを、日時に関して相互に対応する実施者、物品、又は場所の観点から評価するので、医療に関する行為を実施するための資源が適切に運用されているか否かを様々な観点から評価することが可能となり、ニーズや実情に合致した観点から運用評価を行うことが可能となる。
また、実施者、物品、又は場所の差分又は稼働率を算定するので、この差分又は稼働率を参照することで、運用計画に対する運用実績の乖離の程度を容易かつ正確に把握することが可能となる。
また、実施者の場所単位での差分又は稼働率又は物品の場所単位での差分又は稼働率を算定するので、この差分又は稼働率を参照することで、差分又は稼働率が大きい場所や差分又は稼働率が小さい場所を容易かつ正確に把握することが可能となり、場所単位での運用改善を容易に行うことが可能となる。
また、実施者の組織単位での差分又は稼働率、物品の組織単位での差分又は稼働率、又は場所の組織単位での差分又は稼働率を算定するので、この差分又は稼働率を参照することで、差分又は稼働率が大きい組織や差分又は稼働率が小さい組織を容易かつ正確に把握することが可能となり、組織単位での運用改善を容易に行うことが可能となる
〔III〕各実施の形態に対する変形例
以上、本発明に係る各実施の形態について説明したが、本発明の具体的な構成及び手段は、特許請求の範囲に記載した各発明の技術的思想の範囲内において、任意に改変及び改良できる。以下、このような変形例について説明する。
(解決しようとする課題や発明の効果について)
まず、発明が解決しようとする課題や発明の効果は、前記した内容に限定されるものではなく、本発明によって、前記に記載されていない課題を解決したり、前記に記載されていない効果を奏することもでき、また、記載されている課題の一部のみを解決したり、記載されている効果の一部のみを奏することがある。
(構成及び制御について)
また、上記各実施の形態で自動的に行われるものとして説明した制御の全部または任意の一部を手動で行っても良く、逆に、手動で行われるものとして説明した制御の全部または任意の一部を公知技術または上述した思想に基づいて自動化しても良い。また、上記実施の形態において示した各構成要素の各機能ブロックの一部又は全部を、ハードワイヤードロジックにて構成しても良い。
(分散や統合について)
また、上述した各電気的構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各部の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成できる。例えば、運用評価サーバ10と運用管理サーバ20を統合したり、運用評価サーバ10の機能の一部を運用端末40に持たせることができる。
(評価結果の算定について)
上記実施の形態では、運用計画情報と運用実績情報に基づいて算定される評価結果として、差分と稼働率のみを説明しているが、この他にも、任意の統計的手法を用いて、各種の数値の算定や出力を行うことが可能である。例えば、稼働率の平均値や、稼働率の平均値に対する各稼働率の偏差、所定の閾値を超えた又は下回った差分や稼働率の有無等を算定してもよい。あるいは、各業務に投下された資源を算定して出力してもよく、このリソースは、例えば、運用計画DB11eに格納された運用計画情報に基づいて、業務IDにて特定される業務毎に、各職員の勤務時間、各物品の使用時間、及び各場所の使用時間を積算する。そして、別途に記憶部11に記憶させた各職員、各物品、及び各場所の時間単価を、上記積算した各職員の勤務時間、各物品の使用時間、及び各場所の使用時間に乗じることで、各業務に投下された運用計画上の資源を金額に換算する。同様に、運用実績DB11fに格納された運用実績情報に基づいて、各業務に投下された運用実績上の資源を金額に換算する。これら運用計画上の資源と運用実績上の資源に基づいて、各業務のコストを把握したり、運用計画上のコストと運用実績上のコストの差異等を把握することができる。
あるいは、上述のように取得した評価結果に基づいて、運用計画情報を自動的に変更してもよい。例えば、上記のように実施者単位、物品単位、又は場所単位での差分又は稼働率を取得した後、当該差分が一番大きい実施者、物品、又は場所を特定し、あるいは、当該稼働率が一番小さい実施者、物品、又は場所を特定し、当該特定した実施者、物品、又は場所に関して、差分が小さくなるように、又は稼働率が大きくなるように、運用計画情報を変更してもよい。例えば、稼働率が一番小さい実施者が特定された場合、当該稼働率を所定の目標稼働率(例えば90%)とするために必要な運用計画情報上の勤務時間の削減分を算定し、運用計画情報における当該実施者の職員IDが格納されている各日の時間帯の中で、最も遅い時間帯から順に上記削減分に相当するだけ、職員IDを削除してもよい。ただし、運用計画情報を勝手に変更した場合には不都合が生じることも想定されるので、このような運用計画情報の変更を、提案情報として出力し、管理担当者がこの提案情報を参考にして、運用計画情報を実際に変更するようにしてもよい。
1 運用評価センター
2 病院
10 運用評価サーバ
11、21 記憶部
11a、21a 職員基本情報テーブル
11b、21b 業務基本情報テーブル
11c、21c 場所基本情報テーブル
11d、21d 物品基本情報テーブル
11e、21e 運用計画DB
11f、21f 運用実績DB
12、22 制御部
12a 情報取得部
12b 情報評価部
13、23 ネットワークIF
20 運用管理サーバ
22a 運用計画情報取得部
22b 運用計画実施部
22c 運用実績情報取得部
30〜32 ネットワーク
40、50 運用端末
60 運用計画情報入力画面
70 評価対象入力画面
80 評価結果出力画面
81 文字
82、83 棒グラフ

Claims (6)

  1. 医療に関する行為を実施するための資源の運用計画を特定するための運用計画情報を格納する運用計画情報格納手段と、
    前記資源の運用実績を特定するための運用実績情報を格納する運用実績情報格納手段と、
    前記運用計画情報格納手段にて格納された前記運用計画情報と前記運用実績情報格納手段にて格納された前記運用実績情報とを相互に対比することにより、前記運用計画の評価を行う運用計画評価手段と、
    を備える医療運用評価システム。
  2. 前記資源は、医療に関する行為を実施する実施者、医療に関する行為に使用する物品、又は医療に関する行為を行うために使用される場所を含み、
    前記運用計画情報は、前記運用計画における前記実施者、前記物品、又は前記場所と、これら実施者による実施、物品の使用、又は場所の使用が予定されていた日時とを含み、
    前記運用実績情報は、前記運用実績における前記実施者、前記物品、又は前記場所と、これら実施者による実施、物品の使用、又は場所の使用が行われた日時とを含み、
    前記運用計画評価手段は、前記運用計画における前記実施者、前記物品、又は前記場所と、前記運用実績における前記実施者、前記物品、又は前記場所とを、前記日時に基づいて対比することにより、前記運用計画の評価を行う、
    請求項1に記載の医療運用評価システム。
  3. 前記運用計画評価手段は、前記運用計画における前記実施者、前記物品、又は前記場所に対する、前記運用実績における前記実施者、前記物品、又は前記場所の差分又は稼働率を算定する、
    請求項2に記載の医療運用評価システム。
  4. 前記運用計画評価手段は、
    前記運用計画の前記実施者に対する前記運用実績の前記実施者の差分又は稼働率であって、これら実施者に関連付けて前記運用計画情報格納手段又は前記運用実績情報格納手段に格納された前記場所単位での差分又は稼働率、又は、
    前記運用計画の前記物品に対する前記運用実績の前記物品の差分又は稼働率であって、これら物品に関連付けて前記運用計画情報格納手段又は前記運用実績情報格納手段に格納された前記場所単位での差分又は稼働率を算定する、
    請求項3に記載の医療運用評価システム。
  5. 前記実施者が所属する組織を特定する所属組織情報を格納する所属組織情報格納手段を備え、
    前記運用計画評価手段は、
    前記所属組織情報格納手段にて格納された前記所属組織情報を参照することにより、
    前記運用計画の前記実施者に対する前記運用実績の前記実施者の差分又は稼働率であって、当該実施者が所属する組織単位での差分又は稼働率、
    前記運用計画の前記物品に対する前記運用実績の前記物品の差分又は稼働率であって、当該物品に関連付けて前記運用計画情報格納手段又は前記運用実績情報格納手段に格納された前記実施者が所属する組織単位での差分又は稼働率、又は、
    前記運用計画の前記場所に対する前記運用実績の前記場所の差分又は稼働率であって、当該場所に関連付けて前記運用計画情報格納手段又は前記運用実績情報格納手段に格納された前記実施者が所属する組織単位での差分又は稼働率を算定する、
    請求項3又は4に記載の医療運用評価システム。
  6. コンピュータを、
    医療に関する行為を実施するための資源の運用計画を特定するための運用計画情報を格納する運用計画情報格納手段と、
    前記資源の運用実績を特定するための運用実績情報を格納する運用実績情報格納手段と、
    前記運用計画情報格納手段にて格納された前記運用計画情報と前記運用実績情報格納手段にて格納された前記運用実績情報とを相互に対比することにより、前記運用計画の評価を行う運用計画評価手段と、
    して機能させる医療運用評価プログラム。
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