JP2010257303A - 病院情報システム、ベッドコントロール表示方法およびベッドコントロール用プログラム - Google Patents

Abstract

【課題】空きベッドに対するベッド待ち患者との条件が一目して判断することができ、もってスムーズに空きベッドの割り当て作業を行うことが可能な病院情報システムを提供する。
【解決手段】本システムは、病室の属性が登録される病室属性設定情報５７２と、病床の属性が登録される病床属性設定情報５７４と、入院患者及び入院予定患者の病床決定の条件として考慮すべき事項が登録される病床条件設定情報５７６と、前記病室属性設定情報５７２と、前記病床属性設定情報５７４と、前記病床条件設定情報５７６とを用いて院内の病棟・病室・病床の状況を作成して一覧で表示するベッドコントロール制御手段４３０とを備える。
【選択図】 図２

Description

本発明はベッドコントロールに関し、特に病院の入院患者を受け入れ可能か否かを容易に判断することができる病院情報システム、ベッドコントロール表示方法およびベッドコントロール用プログラムに関する。

医療現場、特に病棟看護にあっては入院患者のベッドコントロールは重要な業務の一つとなっている。患者の希望、病状、治療計画を考慮し、効率よくヘッドを配置することが重要である。これまで、電子カルテ等の診察・診療・治療等にはコンピュータ技術が導入され大幅な業務改善が行われているが、入院患者のベッドコントロールは、現場の経験則（一部の機能者の経験により）で処理されているケースが殆どである。

例えば、空きベッドが発生した際にベッド待ち患者に対してスムーズに割り当て作業を行うことが可能なナースコールシステムを提供するものとして、患者のＩＤにベッド待ち情報を関連付けたベッド待ち患者情報を記憶するベッド待ち患者情報記憶部と、空きベッド情報を記憶した空きベッド情報記憶部と、双方の一覧を表示するディスプレイとをナースコール親機に設け、ナースコール親機の操作により、ベッド待ち患者に空きベッドを割り当てできるようにしたものが発明されている（例えば、特許文献１参照）。

特開２００６−２５５１０４号公報

しかしながら、医療現場では入院患者の容態が日々刻々と変化するため、空きベッドの予定状況が日々刻々と変化する。一方、入院患者の立場で考えると、治療・療養上、入院のヘッド環境条件として、どうしても欠かせない必要条件を持っている入院患者がいる。また、患者自身からも入院に際し、ベッドの条件を要望されることがある。更に、看護師側から考えると、看護・ケアの実施の関係で必要な条件を考えなればならない。それらを考えながら、例えば、院内では４００名、病棟でも５０名以上の患者の状態を適切に把握することは困難である。また、患者の希望と治療上の必要性は必ずしも一致せず、どちらを優先させるべきかの基準が存在しない。また、一人でも多くの患者を入院させたいが、看護必要度や入院基本料等の届出基準など、入院決定に関して考慮すべき事項が多く、入院可能な空床が瞬時に判断できない。

特許文献１を含む従来技術には、そのような配慮や要望に応えられるものではなく、医療現場ではベッドコントロールを支援する装置の開発が要望されている。

本発明は、上記要望を満足させて、空きベッドに対するベッド待ち患者との条件が一目して判断することができ、もってスムーズに空きベッドの割り当て作業を行うことが可能な病院情報システム、ベッドコントロール表示方法およびベッドコントロール用プログラムを提供することを目的とする。

上記目的を達成するために、本発明の病院情報システムは、病室の属性が登録される病室属性設定情報と、病床の属性が登録される病床属性設定情報と、入院患者及び入院予定患者の病床決定の条件として考慮すべき事項が登録される病床条件設定情報と、前記病室属性設定情報と、前記病床属性設定情報と、前記病床条件設定情報とを用いて院内の病棟・病室・病床の状況を作成して一覧で表示するベッドコントロール制御手段と、を有することを特徴とする。

また、本発明のベッドコントロール表示方法は、病室の属性が登録される病室属性設定情報と、病床の属性が登録される病床属性設定情報と、入院患者及び入院予定患者の病床決定の条件として考慮すべき事項が登録される病床条件設定情報と、を用いて院内の病棟・病室・病床の状況を作成して一覧で表示すると共に、選択された前記入院予定患者の病床決定の条件と前記病室属性設定情報および前記病床属性設定情報を比較し、空き病床の一致度合いを色表示することを特徴とする。

また、本発明のベッドコントロール用プログラムは、病室の属性が登録される病室属性設定情報と、病床の属性が登録される病床属性設定情報と、入院患者及び入院予定患者の病床決定の条件として考慮すべき事項が登録される病床条件設定情報と、前記病室属性設定情報と、前記病床属性設定情報と、前記病床条件設定情報とを用いて院内の病棟・病室・病床の状況を作成して一覧で表示し、選択した前記入院予定患者の病床決定の条件と前記病室属性設定情報および前記病床属性設定情報を比較し、空き病床の一致度合いを色表示するベッドコントロール制御機能と、を有することを特徴とする。

本発明によれば、空きベッドに対するベッド待ち患者との条件が一目して判断することができ、もってスムーズに空きベッドの割り当て作業を行うことできる。

本発明が適用される病院情報システムの全体構成の一例を示すブロック図。 本発明に係るベッドコントロールを実施する看護師端末の構成を示すブロック図。 本発明の実施例に係るベッドコントロールマスタ管理情報の一例を示す図。 本発明の実施例に係る病室属性設定情報の入力画面の一例を示す図。 本発明の実施例に係る病床属性設定情報の入力画面の一例を示す図。 本発明の実施例に係る病床条件設定情報の入力画面の一例を示す図。 本発明の実施例に係るベッド使用・空き情報の表示画面の一例を示す図。 本発明の実施例に係るベッドコントロール表示を実行するフローチャート。 本発明の実施例に係る病棟毎の患者の入院・退院・移動、医師・看護師の勤務情報、受入患者、看護必要度の表示画面の一例を示す図。

以下、図面を参照しながら本発明の実施形態を説明する。

（実施例）
図１は、本発明が適用される病院情報システムの全体構成の一例を示すブロック図である。病院情報システムはローカルエリアネットワーク１０に、複数の医師用端末２０、複数の看護師用端末４０、複数の薬剤用端末６０、各種のデータベースが接続されて構成されている。データベースＤＢとしては、患者情報ＤＢ５１、電子カルテ情報ＤＢ５３、医師・看護師等の勤務情報ＤＢ５５、ベッドコントロール情報ＤＢ５７、薬剤情報ＤＢ５９等が接続されている。

図２は、本発明に係るベッドコントロールを実施する看護師用端末４０とベッドコントロール情報ＤＢの詳細な構成を示すブロック図である。なお、図２では、ローカルエリアネットワークは省略されている。看護師用端末４０には、入力部４０１と表示部４０５が接続されている。また、看護師端末４０には、本発明のベッドコントロールを実行するものとして、病室属性・病床属性の登録手段４１０、病床条件設定手段４２０、およびベッドコントロール制御手段４３０を含んでいる。これらの装置は、ソフトウェア又はハードウェアのいずれによってでも構成することができる。

また、ベッドコントロール情報ＤＢ５７には、ベッドコントロールマスタ管理情報５７０と、病室属性・病床属性の登録手段４１０によって作成される病室属性設定情報５７２および病床属性設定情報５７４と、病床条件設定手段４２０によって作成される病床条件設定情報５７６と、ベッドコントロール制御手段４３０によって作成されるベッド使用・空き情報５７８とが格納される。

次に、ベッドコントロール情報ＤＢ５７のベッドコントロールマスタ管理情報５７０に登録されているベッドコントロールのマスタ管理情報について説明する。

図３には、ベッドコントロールのマスタ管理情報の一例を示している。

（１）病棟の特性マスタ
病棟の特性を定義するための要素をマスタと管理する。即ち、病棟区分には、例えば「一般」、「ハイケア」、「リハビリ」の３種類に分けられている。届出区分には、例えば「１５」、「１３」、「１０」、「７」の４種類に分類されている。

（２）病室の特性マスタ
病室の特性を定義するための要素をマスタと管理する。即ち、性別としては、例えば「男性部屋」、「女性部屋」、「混合部屋」の３つに分けられている。病院によっては「混合部屋」がないものもある。病床数としては、例えば「個室」、「２床」、「４床」、「６床」の４つに分けられている。これも、病院によっては病床数が異なる。室料としては、例えば「室料差別区分あり」、「室料差別区分なし」の２つに分けられている。ナースステーションとの距離としては、例えば「近い」、「中程度」、「遠い」の３つに分けられている。トイレとの距離としては、例えば「近い」、「中程度」、「遠い」の３つに分けられている。静かさとしては、例えば「静か」、「中程度」、「対象外」の３つに分けられている。これらは、更に細かく区分しても良い。その他、入院中にリハビリを行う人のための、例えば「設備との距離」や「設備状況」についての設定を用意してもよい。

（３）病床の特性マスタ
病床の特性を定義するための要素をマスタと管理する。即ち、ベッド位置としては、例えば「窓側」、「通路側」、「真中」の３つに分けられている。枕位置としては、例えば「右」、「左」の２つに分けられている。歩行機具設置としては、例えば「不可」、「右側」、「左側」の３つに分けられている。この他には、「設備」や「使用可能機器」についての設定を用意してもよい。

（４）病床決定の条件
患者の病床決定の条件として考慮すべき事項をマスタと管理する。即ち、治療・治療上の必要条件としては、例えば「右手使用不可」、「面会制限」、「暗室治療」の３つに分けられている。患者の希望としては、例えば「個室」、「窓側」、「給湯室に近い」の３つに分けられている。看護・ケア実施上の要件としては、例えば「車椅子使用」、「ベッドバス」、「痴呆あり」の３つに分けられている。

（５）病床決定の条件に対し必要な要素
患者の病床決定条件として考慮すべき事項に対し、必要な病室・病床の条件をマスタと管理する。例えば、上記「右手使用不可」の患者に対しては、例えば「ベッド位置−窓側」、「枕位置−右」の２つの条件を設定する必要がある。上記「暗室治療」の患者に対しては、例えば「病床数−個室」、「静かさ−中程度」の２つの条件を設定する必要がある。また、上記「痴呆あり」の患者に対しては、ナースステーションとの距離−近い」、「ベッド位置−通路側」の２つの条件を設定する必要がある。これらの条件に強度（例えば、△○でなければならない。可能なら△○の方が良い）がある場合には、点数として定義してもよい。

これらのマスタ情報は一例であって、各病院又は療養所において最適なもの又は適切なものに設定されるものである。

次に、図４を用いて「病室属性情報」の設定について説明する。

この病室属性情報の登録は、看護師用端末４０からの入力操作により病室属性・病床属性の登録手段４１０が実行する。入力部４０１から病室属性情報の登録指示が実行されると、病室属性・病床属性の登録手段４１０はベッドコントロール情報ＤＢ５７から病室属性設定情報５７２を読み出す。それにより、表示部４０５には図４の病室属性設定画面１００が表示される。

図４では、６階南病棟６１２号室の設定を例示している。病室を選択するダウンボタン１００ａをダウンすると、予め登録されている病室が表示されるようになっている。病室属性としては、図３の「（２）病室の特性マスタ」の選択したい項目が設定される。病室属性設定画面１００のダウンボタン１００ｂ乃至１００ｉを押下することにより、各項目の登録内容が選択することができるようになっている。病室属性の設定が完了すると登録ボタン１００ｊをクリックすると、病室属性・病床属性の登録手段４１０はベッドコントロール情報ＤＢ５７の病室属性設定情報５７２に設定内容を登録する。

次に、図５を用いて「病床属性情報」の設定について説明する。

この病床属性情報の登録も、看護師用端末４０からの入力操作により病室属性・病床属性の登録手段４１０が実行する。入力部４０１から病床属性情報の登録指示が実行されると、病室属性・病床属性の登録手段４１０はベッドコントロール情報ＤＢ５７から病床属性設定情報５７４を読み出す。それにより、表示部４０５には図５の病床属性設定画面２００が表示される。

図５では、６階南病棟６１２号室の２床の設定を例示している。病床を選択するダウンボタン２００ａをダウンすると、予め登録されている病床が表示されるようになっている。病床属性としては、図３の「（３）病床の特性マスタ」の選択したい項目が設定される。病室属性設定画面２００のダウンボタン２００ｂ乃至２００ｉを押下することにより、各項目の登録内容が選択することができるようになっている。病床属性の設定が完了すると登録ボタン２００ｊをクリックすると、病室属性・病床属性の登録手段４１０はベッドコントロール情報ＤＢ５７の病床属性設定情報５７４に設定内容を登録する。なお、各病床は、所属する病室の属性を引き継ぐものとし、病室の再設定は不要とする。

次に、図６を用いて患者毎の病床割り当て条件を示す「病床条件情報」の設定について説明する。

この病床条件情報の設定は、次の事項を配慮に入れるものとする。（イ）患者毎の割当条件は、入院毎に定義するものとする。（ロ）定義は入院前であっても構わない。（ハ）患者の情報、入院目的は当該ＤＢを参照することができる。（ニ）病院情報システム側で保持している治療計画も同時に参照することができる。（ホ）前回入院時の情報は今回の入院時に再利用することができる。（ヘ）定義は入院中であっても随時変更を可能とする。

この病床条件情報の登録は、看護師用端末４０からの入力操作により病床条件設定手段４２０が実行する。入力部４０１から病床条件情報の登録指示が実行されると、病床条件設定手段４２０はベッドコントロール情報ＤＢ５７から病床条件設定情報５７６を読み出す。それにより、表示部４０５には図６の病床条件設定画面３００が表示される。

図６では、患者名「さくら」を例示している。入院患者の病状・症状に応じて絶対的な「治療・療養上の考慮」、患者の要望としての「患者様の希望」、看護師の看護作業のための「看護上の考慮」等が表示されるようになっている。病床条件としては、図３の「（４）病床決定の条件」で定めた項目が設定される。病床条件設定画面３００のダウンボタン３００ａ乃至３００ｉを押下することにより、各項目の登録内容が選択することができるようになっている。病床条件の設定が完了すると登録ボタン３００ｊをクリックすると、病床条件設定手段４２０はベッドコントロール情報ＤＢ５７の病床条件設定情報５７６に設定内容を登録する。

こうして、入院患者および入院予定患者の病床割り当て条件を示す「病床条件情報」を登録することで、ベッドコントロールが容易に実施することができるようになる。そして、入院患者のベッドを決める場合に、ダウンボタン３００ａ乃至３００ｃで設定される「治療・療養上の考慮事項１」乃至「治療・療養上の考慮事項３」は、決定条件の最も重要な要素としてチェックされる。また、ダウンボタン３００ｄ乃至３００ｆで設定される患者の要望としての「患者様の希望１」乃至「患者様の希望３」は、その次に重要な要素（可能ならば）としてチェックされる。また、ダウンボタン３００ｇ乃至３００ｉで設定される看護師側からの要望としての「看護上の考慮事項１」乃至「看護上の考慮事項３」は、最も低い要素（出来れば）としてチェックされる。

そして、看護師用端末４０のベッドコントロール制御手段４３０は、ベッドコントロール情報ＤＢ５７の病室属性設定情報５７２、病床属性設定情報５７４、病床条件設定情報５７６に登録された情報を参照することによって、図７に示すベッドコントロール情報４００を作成して表示部４０５に表示する。

ベッドコントロール制御手段４３０はベッドコントロール情報４００を作成するに当たって、次の事項に従って作成処理を行う。（ａ）院内の病棟・病室・病床の状況を一覧で表示する。（ｂ）病室情報行には病室の属性を略式で表示している。（ｃ）病床情報行には、病床属性を略式で表示している。（ｄ）歴日に患者の在床状況を表示する。

図７では、６階南病棟「６２１号室」、「６２２号室」、「６２３号室」を例示している。例えば、「６２１号室」は「個・Ａ・Ｎｓ近」の表示により、「個室」で、「室料差額区分あり‥Ａ」で、「ナースステーションに近い」の病床であることが一目して理解することができる。そして、入院患者「患者０１」さんが居ること、及びその患者の入院予定期間が表示されている。

「６２２号室」は「４床・Ｎｓ近・静」の表示により、「４床」で、「ナースステーションが近い」、「静か」な病床であることが一目して理解することができる。そこには、入院されている４名の患者の氏名（「患者０２」さん、「患者０３」さん、「患者０４」さん、「患者０５」さん）と病床属性（ベッド位置通路側：「通」、ベッド位置窓側：「窓」、枕位置：「右」、枕位置：「左」）が表示され、各入院患者の入院予定期間が表示されている。

「６２３号室」は「４床・Ｎｓ遠」の表示により、「４床」で、「ナースステーションから遠い」病床であることが一目して理解することができる。そこには、入院されている４名の患者の氏名（「患者０６」さん、「患者０７」さん、「患者０８」さん、「患者０９」さん）と病床属性（ベッド位置通路側：「通」、ベッド位置窓側：「窓」、枕位置：「右」、枕位置：「左」）が表示され、各入院患者の入院予定期間が表示されている。なお、病床の特性を略称で表示しているが、その他にマークで表示しても良い。

次に、ベッドコントロール制御手段４３０によるベッドコントロールの割当制御について説明する。ベッドコントロール情報４００の最下段４００ａには入院予定患者が表示されている。表示される入院予定患者の１人（例えば、患者Ａさん）を指定してベッドコントロールの割当制御を実行させた時の、ベッドコントロール制御手段４３０の動作を図８のフローチャートに示す。

先ず、空きベッドが有るか否かがチェックされ（ステップＳ１０）、なければ処理を終了する。空きベッドが有った場合、全ての空きベッドについて、患者Ａさんの全部の条件に該当するベッドであるか否かをチェックする（ステップＳ２０）。ここで言う全部の条件とは、図６で定めた「治療・療養上の考慮事項」、「患者様の希望」、「看護上の考慮事項」の条件に全て一致するものを言う。そして、全て一致するものでれば、その病床（ベッド）を「白」表示して、当該ベッドの処理を終了する（ステップＳ３０）。

残りの空きベッド又はステップＳ２０に該当しないヘッドについて、患者Ａさんの第２の条件に該当するベッドであるか否かをチェックする（ステップＳ４０）。ここで言う第２の条件とは、図６で定めた「治療・療養上の考慮事項」は全部一致するが、「患者様の希望」又は「看護上の考慮事項」の一部が不一致であるものを言う。そのようなベッドでれば、その病床（ベッド）を「青」表示して、当該ベッドの処理を終了する（ステップＳ５０）。

残りの空きベッド又はステップＳ４０に該当しないヘッドについて、患者Ａさんの第３の条件に該当するベッドであるか否かをチェックする（ステップＳ６０）。ここで言う第３の条件とは、図６で定めた「治療・療養上の考慮事項」は全部一致するが、「患者様の希望」および「看護上の考慮事項」の一部が不一致するものを言う。そのようなベッドでれば、その病床（ベッド）を「黄色」表示して、当該ベッドの処理を終了する（ステップＳ７０）。

残りの空きベッド又はステップＳ６０に該当しないヘッドについて、患者Ａさんの第４の条件に該当するベッドであるか否かをチェックする（ステップＳ８０）。ここで言う第４の条件とは、図６で定めた「治療・療養上の考慮事項」の一部が不一致でありるが、「患者様の希望」と「看護上の考慮事項」は一致するものを言う。そのようなベッドでれば、その病床（ベッド）を「緑色」表示して、当該ベッドの処理を終了する（ステップＳ９０）。それ以外のもの（患者Ａさんに適した空きベッドなし）を「灰色」表示して、当該ベッドの処理を終了する（ステップＳ１００）。

なお、ここで示した一致度合いの色表示は一例であって、それぞれの病院情報システムの運用に応じた最適な色表示に設定して構わない。

次に図９を用いて「病棟状況情報」の表示について説明する。

看護師用端末４０のベッドコントロール制御手段４３０は、緊急入院の連絡受け時に、対象患者の状態を確認して、受け入れ可否、受入病棟を瞬時に的確に判断するために、病院情報システム内で保持している情報を集約して病棟状況情報を表示する。

ベッドコントロール制御手段４３０は病棟状況情報５００を作成するに当たって、次の事項に従って作成処理を行う。（ｆ）院内の病棟の情報をリアルタイムに一覧で表示する。（ｇ）病院情報システムが保持している患者の移動に関する状況を集約して表示する。（ｈ）病院情報システム内の職員勤務情報を管理しているＤＢ５５から勤務職員の状況を表示する。（ｉ）上記２種類の情報とマスタで管理している病棟の区分・看護師の配置基準から、入院基本料等の届出基準に合わせて看護師配置人数を算出して、基準に適合しているか否かを判断し、適合する場合は○、非適合である場合は×で表示する。（ｊ）病院情報システムが保持している患者の看護必要度に関する情報を集約して表示し、基準に達しているかどうかも合わせて表示する（基準に達している場合は○、基準に達していない場合は×）。（ｋ）上記情報は性別に表示可能とする。

病棟では、病床のベッド数に応じた入院患者の数に対して看護師の数が入院基本料等の届出基準として設定されている。この入院基本料等の届出基準は、本来、入院ベッドの運営評価として、毎月の集計時の判断基準として利用されるものである。本実施形態では、この入院基本料等の届出基準を使用して、病棟状況情報５００の表示要求を受けた時点の病床ベッドの利用状況から判断結果を○（適合）、×（非適合）にて表示するようにしている。同様にして、看護必要度に関する情報（各病床での重症患者の数）も入院基本料等の届出基準を使用して病棟状況情報５００の表示要求を受けた時点の病床ベッドの利用状況から判断結果を○（適合）、×（非適合）にて表示するようにしている。これを実現するために、病棟毎の入院基本料等の届出基準が例えばベッドコントロール情報ＤＢ５７の中に格納されている。

以上、本発明によれば、入院患者の治療・療養上、入院のヘッド環境条件としてどうしても欠かせない必要条件、入院に際し患者自身のベッド希望、看護師側からの看護・ケアの実施の関係で必要な条件を考慮したベッドコントロールを行うことができる。また、空きベッドに対するベッド待ち患者との条件が一目して判断することができ、もってスムーズに空きベッドの割り当て作業を行うことできる。

本発明は、上記した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において適宜設計変更可能である。また、各実施形態を適宜組み合わせても良い。

１０‥ローカルエリアネットワーク、２０‥医師用端末、４０‥看護師用端末、６０‥薬剤師用端末、５１‥患者情報ＤＢ、５３‥電子カルテ情報ＤＢ、５５‥勤務情報ＤＢ、５７‥ベッドコントロール情報ＤＢ、５９‥薬剤情報ＤＢ、４０１‥入力部、４０５‥表示部、４１０‥病室属性・病床属性の登録手段、４２０‥病床条件設定手段、４３０‥ベッドコントロール制御手段、５７０‥ベッドコントロールマスタ管理情報、５７２‥病室属性設定情報、５７４‥病床属性設定情報、５７６‥病床条件設定情報、５７８‥ヘッド使用・空き情報

Claims (9)

1. 病室の属性が登録される病室属性設定情報と、
   病床の属性が登録される病床属性設定情報と、
   入院患者及び入院予定患者の病床決定の条件として考慮すべき事項が登録される病床条件設定情報と、
   前記病室属性設定情報と、前記病床属性設定情報と、前記病床条件設定情報とを用いて院内の病棟・病室・病床の状況を作成して一覧で表示するベッドコントロール制御手段と、
   を有することを特徴とする病院情報システム。
2. 病床条件設定情報には、治療・療養上の考慮事項、患者の希望、及び看護上の考慮事項が含まれていることを特徴とする請求項１に記載の病院情報システム。
3. 前記治療・療養上の考慮事項及び看護上の考慮事項には、前記入院患者及び入院予定患者の病床決定条件として考慮すべき事項に対し必要な病室・病床の条件が合わせて設定されることを特徴とする請求項２に記載の病院情報システム。
4. 前記一覧表示の前記病室情報行には病室属性が略式で表示され、前記病床情報行には病床属性が略式で表示され、歴日に前記入院患者及び入院予定患者の在床状況が表示されることを特徴とする請求項１に記載の病院情報システム。
5. ベッドコントロール制御手段は、緊急入院の連絡受け時における対象患者の状態を確認して、受け入れ可否、受入病棟を瞬時に的確に判断するために、病院情報システム内で保持している情報を集約した病棟状況情報を表示することを特徴とする請求項１に記載の病院情報システム。
6. 病室の属性が登録される病室属性設定情報と、
   病床の属性が登録される病床属性設定情報と、
   入院患者及び入院予定患者の病床決定の条件として考慮すべき事項が登録される病床条件設定情報と、
   前記病室属性設定情報と、前記病床属性設定情報と、前記病床条件設定情報とを用いて院内の病棟・病室・病床の状況を作成して一覧で表示するベッドコントロール制御手段と、を備え、
   前記ベッドコントロール制御手段は更に、選択した前記入院予定患者の病床決定の条件と前記病室属性設定情報および前記病床属性設定情報を比較し、空き病床の一致度合いを色表示することを特徴とする病院情報システム。
7. 病室の属性が登録される病室属性設定情報と、病床の属性が登録される病床属性設定情報と、入院患者及び入院予定患者の病床決定の条件として考慮すべき事項が登録される病床条件設定情報と、を用いて院内の病棟・病室・病床の状況を作成して一覧で表示すると共に、
   選択された前記入院予定患者の病床決定の条件と前記病室属性設定情報および前記病床属性設定情報を比較し、空き病床の一致度合いを色表示することを特徴とするベッドコントロール表示方法。
8. 病室の属性が登録される病室属性設定情報と、
   病床の属性が登録される病床属性設定情報と、
   入院患者及び入院予定患者の病床決定の条件として考慮すべき事項が登録される病床条件設定情報と、
   前記病室属性設定情報と、前記病床属性設定情報と、前記病床条件設定情報とを用いて院内の病棟・病室・病床の状況を作成して一覧で表示し、選択した前記入院予定患者の病床決定の条件と前記病室属性設定情報および前記病床属性設定情報を比較し、空き病床の一致度合いを色表示するベッドコントロール制御機能と
   を有することを特徴とするベッドコントロール用プログラム。
9. ベッドコントロール制御機能は、緊急入院の連絡受け時における対象患者の状態を確認して、受け入れ可否、受入病棟を瞬時に的確に判断するために、病院情報システム内で保持している情報を集約した病棟状況情報を表示する機能を更に有することを特徴とする請求項８に記載のベッドコントロール用プログラム。

Images