JP2011043628A - 位相差フィルム、タッチパネル用透明導電性積層体の製造方法およびタッチパネル - Google Patents

位相差フィルム、タッチパネル用透明導電性積層体の製造方法およびタッチパネル Download PDF

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良典 石井
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Abstract

【課題】タッチパネル用の位相差フィルムを提供することを主要な目的とする。
【解決手段】表面に透明導電膜が形成された2つの基板110、120を透明導電膜112、122が対向するように所定の間隔をあけて配置してなるタッチパネル100において、少なくとも一方の基板111が、ノルボルネンとエチレンとの共重合比率が80:20〜90:10、MVR(メルトボリュームレート)が0.8〜2.0cm3/10分である、ガラス転移温度が170〜200℃の環状オレフィンの付加(共)重合体よりなるリタデーション100〜150nmの位相差フィルムである。
【選択図】図2

Description

本発明は一般に位相差フィルムに関し、より特定的には透明導電膜の耐久性が高い位相差フィルム電極が得られるように改良された位相差フィルムに関する。この発明はまたそのような位相差フィルムを用いたタッチパネル用透明導電性積層体の製造方法に関する。この発明はさらにそのような位相差フィルムを用いた耐久性の高くなるように改良されたタッチパネルに関する。
図1に示すタッチパネルは、PDAなど携帯装置、銀行のATMやPOSなど多くの装置で用いられている。タッチパネル100は画面表示を邪魔せずに、どこをタッチしたかを検出するセンサであり、いろいろな方式が考案され、実用化されている。通常、タッチパネルとLCDやCRTなどの表示装置は別々の部品であり、2つのモジュール部品を組み合わせ(貼り合わせ)、1つのケースに収められて使用する。
代表的な透明導電膜式タッチパネルは、特許文献1に示されているように、透明なベースフィルムの片面にITO等の透明電極(透明導電膜)が形成されたものが、互いに透明導電膜を一定間隔をおいて対向配置された構成を持つものであって、LCD(液晶ディスプレイ)などのディスプレイ表面に配設されて用いられる。タッチパネルは、繰り返してタッチされるものであり、これにより、蒸着や塗布された導電面の劣化が発生するため、それが機器寿命につながるという特質を有する。
図2は、タッチパネルの断面図である。タッチパネル100は、上側電極フィルム110と下側電極基板120を備え、その隙間にドットスペーサ103が入れられている。上側電極フィルム110は位相差フィルム111とITO電極112とからなる。下側電極基板120はガラス基板121とITO電極122とからなる。位相差フィルム111と偏光板101は粘着層102で貼り合わされている。ガラス基板121と位相差フィルム105は、粘着層104で貼り合わされている。
タッチパネル100において、偏光板101と位相差フィルム111、105を組み合わせて用いるのは、外光反射を抑制して視認性を向上させた表面低反射タッチパネルが得られるからである(例えば特許文献2参照)。
従来、位相差フィルム111は、ポリカーボネート、環状オレフィンフィルム等で形成されている。
特開2000−89914号公報 特開平10−48625号公報
しかしながら、ポリカーボネート等の、ガラス転移温度(Tg)が150℃以下の素材からなる位相差フィルムは、フィルム111上にITO(酸化インジウムスズ)を製膜する際に、例えばTg=150℃のフィルムでは、フィルム温度を140℃以上に設定することができず、製膜されるITOの結晶が低いものしか得られない、ひいては、機械的、熱的負荷がかかった際に、抵抗値が大きく変化してしまい、それによって耐久性の低い膜質のITOしか得られないという課題があった。
また、環状オレフィン素材はTg=180℃程度の耐熱性が高いものも製造可能であり、フィルム上にITOを製膜する際にフィルム温度を150℃に設定することができ、製膜されるITOの結晶性もある程度高いものを得ることが可能である。またフィルム上に100℃以下等の低温でITOを製膜したのち、150℃以上の温度で熱処理をすることにより結晶性もある程度高いITO膜を得ることも可能である。
しかしながら、環状オレフィンフィルムは、耐熱性を向上させるとフィルムの靭性が損なわれるため、実質的にタッチパネルの入力動作に耐えうるフィルムが得られず、形成された耐久性の高いITOの特性が活かされる以前にフィルムが破壊する等の課題があった。
本発明は、このような課題を解決するためになされたもので、耐熱性が高く、吸水率、寸法安定性に優れ、かつフィルム状にした際に十分な強度を保持した位相差フィルムを提供することを目的とする。
この発明の他の目的は、そのような位相差フィルムを用いて、耐久性の高いタッチパネル用透明導電性積層体の製造方法を提供することにある。
この発明の他の目的は、耐久性の高いITO透明電極膜を得ることができ、機械的、熱的負荷、入力動作に対しても耐久性の高いタッチパネルを提供することにある。
本発明に係る位相差フィルムは、ノルボルネンとエチレンとの共重合比率が80:20〜90:10、MVR(メルトボリュームレート)が0.8〜2.0cm3/10分である、ガラス転移温度が170〜200℃の環状オレフィンの付加(共)重合体よりなるリタデーション100〜150nmの位相差フィルムに係る。
このように数値を選ぶことにより、耐久性の高いITO透明電極膜を得ることができ、機械的、熱的負荷、入力動作に対しても耐久性の高いタッチパネルが得られる。
160℃で30分の熱処理による収縮率がMD(流れ方向)、TD(垂直方向)ともに、0.5%以下であるのが好ましい。収縮率が0.5%を超えると、高結晶のITO膜を形成するために例えば150℃のような高温でスパッタ加工する際に、フィルムのフラット性が維持できずに変形したり、さらには表面に形成したITO膜にクラックが発生する不具合が生じる。収縮率を0.5%以下に抑えるための手段は特に制限はないが、ノルボルネンとエチレンとの共重合比率が80:20〜90:10、MVR(メルトボリュームレート)が0.8〜2.0cm3/10分である、ガラス転移温度が170〜200℃の環状オレフィンの付加(共)重合体を使用し、例えば180℃以上で延伸加工を行うことによって得られる。
本発明の他の局面に従うタッチパネル用透明導電性積層体の製造方法は、上記特徴を有する位相差フィルム上に、該フィルムの温度を150 ℃ 以上に保って抵抗値100〜1000Ω/□の透明導電膜を形成することを特徴とする。
本発明のさらに他の局面に従うタッチパネル用透明導電性積層体の製造方法は、上記特徴を有する位相差フィルム上に、該フィルムの温度を −10℃〜150℃に保って透明導電膜を形成した後、140〜180℃の温度で熱処理を行い抵抗値100〜1000Ω/□の透明導電膜を形成することを特徴とする。
本発明の他の局面に従うタッチパネルは、表面に透明導電膜が形成された2つの基板を前記透明導電膜が対向するように所定の間隔をあけて配置してなるタッチパネルにおいて、少なくとも一方の前記基板が、上記特徴を有する記載の位相差フィルムシートであることを特徴とする。
本発明のさらに他の局面に従うタッチパネルは、上記特徴を有する位相差フィルムシートと、前記位相差フィルムシートの少なくとも片面に形成されたITO透明導電膜と、を備えた静電容量方式のタッチパネルに係る。
静電容量方式のタッチパネルは、図3に示すように、センサの四隅に均一な電圧をかけ、センサの表面に均一の電界を作る。タッチ動作(押下)により、指が触れると、センサの四隅から指までの距離に比例した、容量の変化が生じる。コントローラが、四隅の容量変化に基づき指の座標位置を計算する。
本発明によれば、耐熱性が高く、吸水率、寸法安定性に優れ、かつフィルム状にした際に十分な強度を保持した位相差フィルムが得られ、耐久性の高いITO透明電極膜を得ることができ、機械的、熱的負荷、入力動作に対しても耐久性の高いタッチパネルが得られる。
タッチパネルの斜視図である。 タッチパネルの断面図である。 静電容量方式のタッチパネルの動作を説明する図である。 実施例1−2で得られたITO膜の結晶化度の測定結果を示す図である。 実施例1−4で得られたITO膜の結晶化度の測定結果を示す図である。 実施例2−2で得られたITO膜の結晶化度の測定結果を示す図である。 比較例1−3で得られたITO膜の結晶化度の測定結果を示す図である。 比較例2−3で得られたITO膜の結晶化度の測定結果を示す図である。 比較例3−3で得られたITO膜の結晶化度の測定結果を示す図である。 実施例1−3で得られたタッチパネルの摺動試験結果を示す図である。 実施例1−5で得られたタッチパネルの摺動試験結果を示す図である。 実施例2−3で得られたタッチパネルの摺動試験結果を示す図である。 比較例1−4で得られたタッチパネルの摺動試験結果を示す図である。 比較例3−4で得られたタッチパネルの摺動試験結果を示す図である。
以下、本発明の実施の形態を説明する。
(ノルボルネンとエチレンとの共重合体)
本発明の、ノルボルネンとエチレンとの共重合体とは例えば市販品を使用することができる。市販品としては、TOPAS Advanced Polymers社製、商品名「TOPAS」等を挙げることができる。
本発明で使用するノルボルネンとエチレンとの共重合体の吸水率(23℃/24時間)は、通常、0.005〜0.1%程度であるのが好ましい。吸水率が、0.1%を超えると、得られる基板の寸法安定性が低下する傾向にある。
本発明で使用するノルボルネンとエチレンとの共重合体の屈折率は、通常、1.49〜1.55程度であり、光線透過率は、93.0〜90.8%程度である。
ノルボルネンとエチレンとの共重合体には紫外線吸収剤、無機や有機のアンチブロッキング剤、滑剤、静電気防止剤、安定剤等各種公知の添加剤を合目的に添加してもよい。
MVRは温度260℃、荷重2.16kgの条件での10分当たりの吐出体積(cm3)が0.8〜2.0cm3/10分であることが好ましく、0.8cm3/10分以下では、原料製造時あるいはフィルム製造時に成形機内の圧力が高くなりすぎ製造できない。また2.0cm3/10分以上では得られる位相差フィルムの強度が弱すぎてタッチパネル等に必要な加工(ハードコート、スパッタリング等)工程に耐えることができない。
(製造方法)
ノルボルネンとエチレンとの共重合体からフィルムを得る方法は特に限定はなく、例えば溶液流延法、押出し法、カレンダー法等が例示できる。
(フィルム厚み)
ノルボルネンとエチレンとの共重合体からフィルムは、20〜300μmが好ましく、さらに好ましくは、40〜200μmである。薄すぎるとフィルム強度が不足する傾向にあり、フィルム強度が十分であれば必要以上に厚くする必要はない。
(表面処理)
ノルボルネンとエチレンとの共重合体フィルム表面の濡れ性及び接着性を向上させるために、フレーム処理、紫外線照射処理、コロナ放電処理、プラズマ処理、イトロ処理、プライマー処理、化学薬品処理などの表面改質処理を行ってもよい。コロナ放電処理及び紫外線照射処理は、空気中、窒素ガス中、希ガス中等で行うことができる。このような表面改質処理によって、環状オレフィン系樹脂フィルム表面の濡れ張力を、450μN/cm(23℃)以上とすることが好ましく、500μN/cm(23℃)以上とすることがより好ましい。
(ハードコート)
本発明のノルボルネンとエチレンとの共重合体から得られる位相差フィルムの片面または両面に、フィルム表面の鉛筆硬度を高くする目的、ITO膜との密着強度を向上させる目的等で、ハードコート層を設けても良い。ハードコートに使用する塗料の種類に特に制限はないが、タッチパネルの光学特性を損なわない性能を有したアクリル系、ウレタン系、シリコン系等の熱硬化型あるいは紫外線硬化型のハードコート用塗料が適している。
またハードコート層には、屋外で使用するタッチパネルでの外光の映り込みを防止する目的等で必要に応じてアンチグレア性能を付与させることができる。アンチグレア性能を付与させる手段に特に制限はなく、例えばシリカ粒子または有機系微粒子等を前述の塗料に適量混合させハードコート層を形成する方法や、ハードコート層の表面に凹凸形状を転写する方式などが使用できる。
(収縮率)
収縮率の測定は、100×100mmのサイズに切り出したフィルムの4辺の長さを速長機を用い、0.001mm単位で測定し、次いで測定したフィルムを160℃に設定したオーブンに30分間投入した後取りだし、再度フィルムの4辺の長さを速長機を用い、0.001mm単位で測定し、4辺の長さのそれぞれの変化量を求めた。2枚ずつ測定し、MD方向、TD方向それぞれについて平均値を求め収縮率とした。値がマイナスの場合は収縮を意味し、プラスの場合は膨張を意味する。
(延伸)
ノルボルネンとエチレンとの共重合体フィルムを延伸することによって、リタデーションを制御する手法は特に限定はなく、例えばロール延伸法、テンタークリップ延伸法、圧延法等が例示できる。
(リタデーションの測定)
異方性物質に入射する光が互いに垂直な振動方向を持つ2つの光(常光線と異常光線)に分離する現象を複屈折といい、リタデーション(Retardation)とは常光線と異常光線の位相差をいう。位相遅れともいう。本発明では、フィルム面内のMD方向の屈折率をnx、TD方向の屈折率をnyとし、フィルムの厚みをdとすると、リタデーション(Re)は、MD方向の屈折率(nx)とTD方向の屈折率(ny)の差(Δn)と、フィルムの厚み(d)から式(1)で表され、王子計測機器製自動複屈折計 KOBRA 21-ADHで測定可能である。ノルボルネンとエチレンとの共重合体フィルムの延伸によって、リタデーションは制御されるが、その延伸手法に特に限定はない。外部応力が強いほど複屈折が大きくなり、リタデーションも大きくなる。
Figure 2011043628
(タッチパネルのペン摺動試験)
タッチパネルの入力面側のほぼ中心位置に、先端R=0.8mmの入力用ペン(ポリアセタール樹脂製)に2.45Nの荷重をかけ1秒間に3往復の速度で、35mm長の直線間を摺動させ、その際の上下面の端子間抵抗を測定した。
(実施例1−1:位相差フィルムの作製)
ノルボルネンとエチレンとの共重合比率が、82:18であり、ガラス転移温度180℃、MVR=1.5の共重合体を溶融押出法にて樹脂温度300℃、引取りロール温度130℃で、厚みが100μmになるようにフィルムを作製した。
次いでロール周速が7.0m/minとロール周速が14.0m/minの2本の異なる周速の金属ロール間を、フィルム温度を190℃に保った状態で走行させることにより、延伸倍率2.0倍、リタデーション138nm、Nz係数=1.0、フィルム厚み86μmの位相差フィルムを得た。Nz係数は、屈折率成分nx,ny,nzの大小関係を表す指標の1つで、式(2)で定義される。ここで、nx及びnyはフィルム面内の屈折率、nzはフィルム面に垂直な方向の屈折率である。
Figure 2011043628
得られた位相差フィルムの160℃で30分での寸法変化率はMD=−0.46%、TD=0.22%であった。得られた位相差フィルムの強度は十分使用できるものであった。
(実施例1−2:タッチパネル用透明導電性積層体の作製)
得られた位相差フィルムの両面に、紫外線硬化型のアクリル系塗料を用い、厚みが表裏それぞれ6μmになるようにハードコート層を設けた。得られたフィルムの表面の鉛筆硬度はHBであった。
上記で得られたフィルムの片面に、フィルム温度を150℃に保った状態で、抵抗値256Ω/□のITO透明導電膜をスパッタリング法により形成した。得られたITO膜の結晶化度の測定結果を図4に示す。
(実施例1−3:タッチパネルの作製)
図2に示すタッチパネル100において、実施例1−2にて得られたITO電極フィルムを上側電極フィルム110として用い、該上側電極フィルムの透明導電膜と反対側の面に粘着層102を介して、偏光板101をその偏光軸が、位相差フィルム111の遅相軸(遅相軸の向き:延伸方向)と45度の角度をなすように貼合し、パネルサイズが63×82mm(4インチ)のタッチパネルを製造した。なお下側電極基板120に、ITO電極122付きの厚さ0.7mmのガラス基板121を用い、その下側に粘着層104を介して、位相差フィルム105をその遅相軸が、位相差フィルム111の遅相軸と直交する角度で貼合した。得られたタッチパネルの摺動試験結果を図10に記載する。
(実施例1−4)
実施例1−1にて得られた位相差フィルムの両面に、紫外線硬化型のアクリル系塗料を用い、厚みが表裏それぞれ6μmになるようにハードコート層を設けた。得られたフィルムの表面の鉛筆硬度はHBであった。
上記で得られたフィルムの片面に、フィルム温度を90℃に保った状態で、抵抗値450Ω/□のITO透明導電膜をスパッタリング法により形成した。さらに165℃で1時間熱処理を行うことによって抵抗値240Ω/□のITO透明導電膜を形成した。得られたITO膜の結晶化度の測定結果を図5に示す。
(実施例1−5)
実施例1−4にて得られたITO電極フィルムを上側電極フィルム110として用い、実施例1−3と同様にタッチパネルを製造した。得られたタッチパネルの摺動試験結果を図11に記載する。
(実施例2−1)
ノルボルネンとエチレンとの共重合比率が、82:18であり、ガラス転移温度180℃、MVR=1.5の共重合体を溶融押出法にて樹脂温度300℃、引取りロール温度130℃で、厚みが200μmになるようにフィルムを作製した。
次いでテンタークリップ方式の延伸機にて、速度1.0m/min、延伸倍率2.0倍、フィルム温度を185.5℃にて横延伸することにより、リタデーション138nm、Nz係数=1.5、フィルム厚み95μmの位相差フィルムを得た。得られた位相差フィルムの160℃で30分での寸法変化率はMD=−0.06%、TD=−0.12%であった。得られた位相差フィルムの強度は十分使用できるものであった。
(実施例2−2)
得られた位相差フィルムの両面に、紫外線硬化型のアクリル系塗料を用い、厚みが表裏それぞれ6μmになるようにハードコート層を設けた。得られたフィルムの表面の鉛筆硬度はHBであった。
上記で得られたフィルムの片面に、フィルム温度を150℃に保った状態で抵抗値236Ω/□のITO透明導電膜をスパッタリング法により形成した。得られたITO膜の結晶化度の測定結果を図6に示す。
(実施例2−3)
実施例2−2にて得られたITO電極フィルムを上側電極フィルム110として用い、実施例1−3と同様にタッチパネルを製造した。得られたタッチパネルの摺動試験結果を図12に記載する。
[比較例1]
(比較例1−1)
開環重合によって製造されたガラス転移温度が160℃の環状オレフィン樹脂よりなるフィルムを延伸加工することによって得られた、フィルム厚み91μm、リタデーション138nm、Nz係数=1.0の位相差フィルムの160℃で30分での寸法変化率はMD=−0.12%、TD=−0.30%であった。得られた位相差フィルムの強度は十分使用できるものであった。
(比較例1−2)
比較例1−1の位相差フィルムの両面に、紫外線硬化型のアクリル系塗料を用い、厚みが表裏それぞれ6μmになるようにハードコート層を設けた。得られたフィルムの表面の鉛筆硬度はHBであった。
上記で得られたフィルムの片面に、フィルム温度を150℃に保った状態でスパッタリング加工を試みたがフィルムが溶融変形してしまい均一なITO膜を形成することが不可能であった。
(比較例1−3)
比較例1−1の位相差フィルムの両面に、紫外線硬化型のアクリル系塗料を用い、厚みが表裏それぞれ6μmになるようにハードコート層を設けた。得られたフィルムの表面の鉛筆硬度はHBであった。
上記で得られたフィルムの片面に、フィルム温度を120℃に保った状態で、抵抗値255Ω/□のITO透明導電膜をスパッタリング法により形成した。得られたITO膜の結晶化度の測定結果を図7に示す。
(比較例1−4)
比較例1−3にて得られたITO電極フィルムを上側電極フィルム110として用い、実施例1−3と同様にタッチパネルを製造した。得られたタッチパネルの摺動試験結果を図13に記載する。
[比較例2]
(比較例2−1)
開環重合によって製造されたガラス転移温度が171℃の環状オレフィン樹脂よりなるフィルムを延伸加工することによって得られた、フィルム厚み85μm、リタデーション138nm、Nz係数=1.0の位相差フィルムの160℃で30分での寸法変化率はMD=−0.79%、TD=−0.64%であった得られた位相差フィルムの強度は十分使用できるものであった。
(比較例2−2)
比較例2−1の位相差フィルムの両面に、紫外線硬化型のアクリル系塗料を用い、厚みが表裏それぞれ6μmになるようにハードコート層を設けた。得られたフィルムの表面の鉛筆硬度はHBであった。
上記で得られたフィルムの片面に、フィルム温度を150℃に保った状態でスパッタリング加工を試みたがフィルムが溶融変形してしまい均一なITO膜を形成することが不可能であった。
(比較例2−3)
比較例2−1の位相差フィルムの両面に、紫外線硬化型のアクリル系塗料を用い、厚みが表裏それぞれ6μmになるようにハードコート層を設けた。得られたフィルムの表面の鉛筆硬度はHBであった。
上記で得られたフィルムの片面に、フィルム温度を120℃に保った状態で、抵抗値247Ω/□のITO透明導電膜をスパッタリング法により形成した。得られたITO膜の結晶化度の測定結果を図8に示す。
[比較例3]
(比較例3−1)
ガラス転移温度が135℃のポリカーボネートフィルムを縦延伸加工することによって得られた、フィルム厚み100μm、リタデーション138nm、Nz係数=1.0の位相差フィルムの160℃で30分での寸法変化率はMD=−0.12%、TD=0.08%であった。得られた位相差フィルムの強度は十分使用できるものであった。
(比較例3−2)
比較例3−1の位相差フィルムの両面に、紫外線硬化型のアクリル系塗料を用い、厚みが表裏それぞれ6μmになるようにハードコート層を設けた。得られたフィルムの表面の鉛筆硬度はHBであった。
上記で得られたフィルムの片面に、フィルム温度を150℃に保った状態でスパッタリング加工を試みたがフィルムが溶融変形してしまい均一なITO膜を形成することが不可能であった。
(比較例3−3)
比較例3−1の位相差フィルムの両面に、紫外線硬化型のアクリル系塗料を用い、厚みが表裏それぞれ6μmになるようにハードコート層を設けた。得られたフィルムの表面の鉛筆硬度はHBであった。
上記で得られたフィルムの片面に、フィルム温度を120℃に保った状態で、抵抗値250Ω/□のITO透明導電膜をスパッタリング法により形成した。得られたITO膜の結晶化度の測定結果を図9に示す。
(比較例3−4)
比較例3−3にて得られたITO電極フィルムを上側電極フィルム110として用い、実施例1−3と同様にタッチパネルを製造した。得られたタッチパネルの摺動試験結果を図14に記載する。
実施例および比較例の内容を、表1および表2にまとめた。
Figure 2011043628
Figure 2011043628
本発明によれば、X線によるITO膜の結晶化度の測定結果から、実施例は比較例に比べ、2θ=約30°付近のITO特有の(222)配向によるX線強度ピークが強く、得られた膜質の結晶化度が高いことが確認された。
さらにタッチパネルのペン摺動試験結果から、実施例は比較例に比べ、摺動開始から約10,000往復回あたりにかけての上下端子間抵抗値の上昇による性能劣化が低く抑えられている。また、摺動開始から50,000往復回に至っても、上下端子間抵抗値は3kΩ以下を維持しており、比較例と比べても耐久性に優れていることが確認できた。
以上の説明から明らかなように、本発明によれば、透明導電膜の耐久性が高い位相差フィルム電極、およびそれを用いた耐久性の高いタッチパネルを提供することができる。
本発明は、耐久性の高いITO透明電極膜を得ることができ、機械的、熱的負荷、入力動作に対しても耐久性の高いタッチパネルを与える。
100 タッチパネル
101 偏向版
102 粘着層
110 上側電極フィルム
111 位相差フィルム
112 ITO電極
103 ドットスペーサ
120 下側電極基板
121 ガラス基板
122 ITO電極
104 粘着層
105 位相差フィルム

Claims (6)

  1. ノルボルネンとエチレンとの共重合比率が80:20〜90:10、MVR(メルトボリュームレート)が0.8〜2.0cm3/10分である、ガラス転移温度が170〜200℃の環状オレフィンの付加(共)重合体よりなるリタデーション100〜150nmの位相差フィルム。
  2. 160℃で30分の熱処理による収縮率がMD(流れ方向)、TD(垂直方向)ともに、0.5%以下である請求項1に記載の位相差フィルム。
  3. 請求項1〜2に記載の位相差フィルム上に、該フィルムの温度を150 ℃ 以上に保って抵抗値100〜1000Ω/□の透明導電膜を形成することを特徴とするタッチパネル用透明導電性積層体の製造方法。
  4. 請求項1〜2に記載の位相差フィルム上に、該フィルムの温度を −10℃〜150℃に保って透明導電膜を形成した後、140〜180℃の温度で熱処理を行い抵抗値100〜1000Ω/□の透明導電膜を形成することを特徴とするタッチパネル用透明導電性積層体の製造方法。
  5. 表面に透明導電膜が形成された2つの基板を前記透明導電膜が対向するように所定の間隔をあけて配置してなるタッチパネルにおいて、少なくとも一方の前記基板が、請求1〜2に記載の位相差フィルムシートであるタッチパネル。
  6. 請求1〜2に記載の位相差フィルムシートと、
    前記位相差フィルムシートの少なくとも片面に形成されたITO透明導電膜と、を備えた静電容量方式のタッチパネル。
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