JP2011041969A - プレス機及びプレス機の下死点位置補正方法 - Google Patents

プレス機及びプレス機の下死点位置補正方法 Download PDF

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Abstract

【課題】プレス機の衝撃の発生原因となるストッパを作動させることなく、始動直後の過渡運転状態でのスライド下死点位置の大きな変動を防止することにある。
【解決手段】ボルスタ上で上下方向にスライドを往復運動させる駆動機構に関連して前記スライドの下死点位置を下死点設定値に基づいて補正する下死点位置補正機構が設けられたプレス機の下死点位置補正方法。予め前記プレス機の始動直後の過渡運転状態から定常運転状態に至る間での前記下死点位置の最大落ち込み量(−δ)を求める。前記プレス機の始動に先立ち又は始動と同時に、前記下死点設定値を前記最大落ち込み量を相殺するように下死点位置補正機構を初期設定する。前記プレスの始動後、前記初期設定を解除し、前記補正機構は下死点基準設定値に基づいて定常運転状態での下死点位置を適正に補正する。
【選択図】図1

Description

本発明は、プレス機に関し、特に、プレス機の始動直後の過渡運転状態から安定した下死点位置を保持し得るプレス機に関する。
プレス機では、定常運転中の発熱や回転数の変更などが原因で、プレス型の上型が取り付けられたスライドの下死点が下方位置へ移動することがある。このような下死点の変化は、製品の精度に大きな影響を与える。このことから、プレス型の静的に保持される下型と、上下に往復運動する前記スライドに取り付けられた上型とにストッパ部を設け、両ストッパ部の当接によってスライドの下死点の下降を抑制することが試みられている(例えば、特許文献1参照。)。この両ストッパ部を有するストッパの機能により、下死点の下降が機械的に阻止されるので、下死点の下降による製品不良を防止することができる。
しかしながら、このストッパが設けられたプレス機では、そのストッパが機能する毎に、両ストッパ部の当接によって衝撃音を伴う振動が生じる。このため、騒音の発生源となり、またこの振動が製品精度に悪影響を及ぼす。しかも、ストッパにはプレス加工荷重が集中的にかかるため、その衝撃は大きく、この衝撃が金型の寿命低下の大きな因子になっている。
そこで、下死点位置を検出する位置センサと、該位置センサからの情報に基づいてスライドの下死点を補正する下死点位置補正手段を設けることが提案されている(例えば前記特許文献1参照。)。これによれば、位置センサからの情報に基づいてスライドの下死点位置を補正することができるので、ストッパを用いることなく、定常運転中での下死点位置の変化を検出し、これを修正することができる。したがって、前記下死点位置補正手段によれば、ストッパを用いることなく、プレス機の定常運転中の下死点位置の変化を防止することができる。
ところが、ストッパを無くすことにより、新たな問題が浮上した。図1は、ストッパを解除したプレス機の始動直後、すなわちプレス機のクラッチイン直後からのスライドの下死点位置の変化の一例を示すグラフである。その横軸(X軸)が時間(秒)を表し、その縦軸(Y軸)がプレス機のスライドの下死点位置(μm)の変化を示す。クラッチインが始動時として時間軸に零すなわちY軸で示されている。このグラフに示された特性線Aは、始動から過渡運転状態を経て定常運転状態に至るスライドの下死点位置の変化を示す。下死点位置補正手段による設定基準値に対応する下死点基準位置が漸近直線として横軸(X軸)に重ね合わせて示されている。
特性線Aから明らかなように、プレス機のクラッチイン直後すなわち始動直後では、下死点位置は、定常運転状態の位置よりも約10μmないし30μm低い位置(δ)から定常運転状態での下死点設定位置へ向けて急激に上昇し、この約1秒間(10〜20ショット分)の過渡運転状態を経て、定常運転状態に入ることが判明した。また、従来の下死点位置補正手段では、定常運転中での下死点基準位置からのずれを補正できるが、前記したようなクラッチイン直後の過渡的かつ急激な下死点位置の変化には対応できなかった。
そのため、位置センサからの情報に基づいてスライドの下死点位置を補正する従来の下死点位置補正手段を備えるプレス機では、前記したようなストッパの当接部の当接による欠点を排除できるものの、始動直後の過渡的な運転状態での下死点位置の急激な変動による不良品の排出を確実に防止することはできなかった。そのため、プレス機の約1秒の過渡運転での作動中に十数個以上の不良品が生産されることがある。この不良品を確実に良品から排除することは容易ではなく、ロット毎の廃棄を強いられることがあり、生産効率の著しい低下を招く。このような始動直後の過渡運転状態における下死点位置の一時的かつ急激な落ち込みは、クランクシャフト、リンク及びコネクティングロッド等の各可動部における間隙の偏りや該間隙での均一な油膜の欠如が原因の一部と考えられる。
特開平9−277100号公報
そこで、本発明の目的は、衝撃の発生原因となるストッパを作動させることなく、始動直後の過渡運転状態でのスライド下死点位置の大きな変動を防止することにある。
ために、本発明は、ボルスタ上で上下方向にスライドを往復運動させる駆動機構の作動に関連して前記スライドの下死点位置を下死点基準設定値に基づいて補正するための下死点位置補正機構によってプレス機の下死点位置を補正する方法であって、前記プレス機の始動直後の過渡運転状態から定常運転状態に至る間での下死点位置について、前記下死点基準設定値に対応する下死点基準位置からの最大変化量を予め求め、前記最大変化量を相殺すべく前記下死点位置補正機構を初期設定した後、前記プレス機を始動することを特徴とする。
例えば、プレス機の過渡運転状態で、そのスライドの下死点位置の変化が例えば図1のグラフの特性線Aで示されるような最大変化量(−δ)の特性変化を示す場合を仮定する。この場合、始動開始時に、前記下死点位置補正機構の作動によりスライドの下死点位置を定常運転状態での下死点基準位置(X軸上)よりも高い下死点位置(δ)に初期設定した状態で前記プレス機を始動することにより、X軸に関して特性線Aに対称的な特性線Bに沿った下死点変化特性を得ることができる。これら両特性線A及びBの相殺により、特性線Aの変化を補償して両特性線の漸近直線であるX軸上すなわち下死点基準位置に下死点位置を保持することができる。
したがって、従来の前記したようなストッパを作動させることなく、プレス機の始動から過渡運転状態の間に従来のような下死点位置の例えば急激な落ち込みを防止し、始動直後の過渡的な運転状態での下死点位置の急激な変動による不良品の排出を確実に防止することができる。
前記下死点位置補正機構の前記初期設定の値は、前記下死点基準位置よりも高い下死点位置に対応する設定値とすることができる。すなわち、図1に示す例では、前記最大変化量(−δ)を相殺すべく前記下死点位置補正機構は、下死点基準位置よりもδ分、高い下死点位置を初期設定する。前記プレス機の始動後、前記下死点位置補正機構は定常運転状態での下死点基準値に基づいて下死点位置を調整すべく作動の制御を受けることができる。
本発明に係るプレス機は、プレス型の下型が保持されるボルスタと、該ボルスタの上方で上下運動可能に保持され、前記ボルスタに対向する面に前記プレス型の上型が取り付けられるスライドと、前記スライドを上下方向に往復運動させる駆動機構と、前記駆動機構に関連して前記スライドの下死点位置を下死点基準設定値に基づいて補正するための下死点位置補正機構と、前記プレス機の始動直後の過渡運転状態における前記スライドの下死点位置の変化についての実測データが格納されるメモリと、前記駆動機構及び前記下死点位置補正機構の作動を制御するための制御回路とを含む。前記制御回路は、前記プレス機の始動に先立ち又は始動と同時に、前記下死点基準設定値に対応する下死点基準位置からの前記過渡運転状態での最大変化量が相殺されるように前記下死点補正機構を初期設定し、前記プレスの始動後、前記補正機構の下死点設定値を前記下死点基準設定値に設定すべく動作する。
本発明に係る前記プレス機によれば、前記下死点位置補正機構が前記メモリ内のデータに基づいて前記駆動機構の始動直後の過渡運転状態での下死点位置の前記変化を相殺すべく、前記プレスの始動時における下死点位置を初期設定するので、従来のような過渡運転時での下死点位置の急激な変動による製品不良の排出を確実に防止することができる。
前記駆動機構は、スライドを上下方向に往復運動させるためのリンク機構を有し、前記下死点位置補正機構は、前記駆動機構のリンク機構に関連して移動可能のスライダを有することができる。前記スライダの移動位置に応じて前記スライドの下死点位置が変化し、前記プレス機の始動に先立ち又は始動と同時に、前記スライダは前記初期設定により、前記下死点基準設定値に対応する位置よりも前記最大変化量を相殺する値だけ移動され、前記プレス機の始動後、前記下死点基準設定値に対応する位置へ向けて移動される。
前記下死点位置補正機構は、前記スライド又は前記上型の下死点位置を検出するための検出器を有することができる。前記プレス機の試運転で前記検出器から得られた前記過渡運転状態での下死点位置の変化を示すデータを前記実測データとして前記メモリに格納することができる。このような検出器として、従来よく知られた磁気式、光学式あるいは渦電流式の各種センサを用いることができる。この場合、前記センサの検出部及びスケール部がスライド及びボスルタの各側に設置される。前記センサにより、計測された始動時から過渡運転を経て定常状態に至る間の下死点位置の変化を実測し、その実測値から最大落ち込み量(−δ)を求めることができる。そのデータ、特に、始動直後の下死点位置の前記最大落ち込み量(−δ)を前記メモリに格納することができる。このデータ(−δ)は、プレス機の所望のSPM(ストローク/分)毎(δ1…δn)に求めることが望ましい。
前記下死点位置補正機構は、該補正機構の駆動源となるサーボモータを有することができ、前記制御回路は、前記メモリ内の前記実測データに基づいて前記サーボモータとの作動を制御することができる。
また、前記駆動機構は、クラッチを有し、該クラッチを経て駆動源からの駆動力を受けることができる。この場合、前記クラッチのクラッチイン動作によって、前記駆動機構が始動し、この駆動機構の始動と同時に前記下死点位置補正機構を作動させることができる。
本発明によれば、前記したように、従来のストッパを機能させることなく、プレス機の始動直後の過渡運転状態で、該過渡運転状態で生じていた一時的な下死点位置の急激な変化を防止することができる。したがって、従来のストッパの作動による異音やそれによる振動を発生させることなく、過渡運転状態で生じていた下死点位置の一時的な大きな落ち込みを防止することができる。
プレス機の始動直後の過渡運転状態で生じていたスライドの下死点位置の変化を相殺する本発明の基本原理を説明するグラフである。 本発明に係るプレス機の縦断面図である。 図2に示したプレス機の一部を拡大して示す図面である。 図2に示した線IV-IVに沿って得られた断面図である。 図2に示した線V-Vに沿って得られた断面図である。 図2に示した線VI-VIに沿って得られた断面図である。 図2に示した線VII-VIIに沿って得られた断面図である。 図2に示した線VIII-VIIIに沿って得られた断面図である。 図2に示した本発明に係るプレス機の制御システムを示すブロック図である。 本発明に係るプレス機の下死点位置補正方法を示すフローチャートである。
図2を参照するに、本発明に係るプレス機10は、図示しないプレス型の下型を載置するボルスタ12と、該ボルスタ上に支柱部14aで支持されたフレーム14とを含む。クランク軸16は、図2の一部を拡大して示す図3に示されているように、水平方向へ伸びる軸線の周りに回転可能にフレーム14に支持されている。
クランク軸16には、図3に示されているように、従来よく知られたクラッチ18aを経て、図4に示す主電動モータM1からの駆動回転力を受けるフライホィール18bが設けられている。プレス機10は、クラッチ18aのクラッチインにより、クランク軸16が回転し、これにより始動する。
図2及び3を参照するに、前記プレス型の上型(図示せず)を支持するスライド20が、フレーム14の下端部を上下方向へ移動可能に貫通する一対のロッド22の下端に取り付けられている。両ロッド22は、スライド20の両端部から上方へ平行に伸びており、またクランク軸16の回転運動を上下方向の往復運動に変換する動力伝達装置である駆動機構30により上下方向へ往復移動される。これにより、スライド20は上下方向へ往復移動される。
駆動機構30は、図3及び4に示されているように、クランク軸16に連結された連結リンク32と、フレーム14に上下方向へ往復移動可能に配置されかつ連結リンク32に枢軸的に連結された一対の第1のスライダ34と、該第1のスライダの往復移動に追従しておよび互いに同期して屈伸される一対のリンク機構36(図2及び3)と、各リンク機構36に対応して設けられ、対応するリンク機構36の屈伸運動に追従して屈伸される一対のリンク機構38と、上下方向へ変位可能にフレーム14に配置されかつ両リンク機構36に枢軸的に連結された一対の第2のスライダ40(図4参照)と、上下方向における第2のスライダ40の位置を調整する位置調整機構42とを含む。
図3ないし図8を参照するに、連結リンク32は、クランク軸16の偏心部に連結されており、またクランク軸16の回転にともなって上下方向へ往復運動する。第1および第2のスライダ34,40は、フレーム14に形成されたガイド部44に上下方向へ移動可能に受けられている。第1のスライダ34は、連結リンク32の往復移動に追従して上下方向へ往復運動する。第2のスライダ40は、両リンク機構36の屈伸運動に追従して上下方向へ往復運動する。
図3、4及び6に示すように、各リンク機構36は、枢軸46(図6参照)により互いに屈曲可能に連結された一対のリンク36a,36bを備える。両リンク機構36の一方のリンク36aは共通の枢軸48により連結リンク32および第1のスライダ34に水平方向へ伸びる軸線の周りに回転可能に連結されており、他方のリンク36bは共通の枢軸50により第2のスライダ40に水平方向へ伸びる軸線の周りに回転可能に連結されている。
図示の例では、枢軸48,50は、それらの枢軸点がクランク軸16の回転中心を経て上下方向へ伸びる軸線52(図3参照)と一致するように設けられている。
また、図示の例では、各リンク機構36のリンク36aは連結リンク32および第1のスライダ34の両者に直接連結されているが、各リンク機構36のリンク36aを連結リンク32および第1のスライダ34の一方にのみ連結してもよい。
図3,6に示すように、各リンク機構38も、枢軸54(図5及び図6参照)により互いに屈曲可能に連結された一対のリンク38a,38bを備える。各リンク機構38の一方のリンク38aはフレーム14に取り付けられたブラケット56に枢軸58により水平方向へ伸びる軸線の周りに回転可能に連結されており、他方のリンク38bは枢軸60によりロッド22に水平方向へ伸びる軸線の周りに回転可能に連結されている。
各リンク機構38は、対応するリンク機構36の屈伸に追従して屈伸するように、対応するリンク機構36に枢軸54、リンク62および枢軸64により枢軸的に連結されている。図示の例では、枢軸58,60は、それらの枢軸点がロッド22の軸線を経て上下方向へ伸びる軸線66(図3参照)と一致するように設けられている。
図示の例では、各リンク機構38は、リンク36aに連結されているが、リンク62をリンク36bに連結してもよいし、両リンク36a,36bに連結してもよく、またリンク62を用いることなくリンク機構38をリンク機構36に直接連結してもよいし、リンク38a,38bの一方をリンク機構36に連結してもよい。
図3、4、7及び8に示すように、位置調整機構42は、枢軸50により両リンク36bおよび両第2のスライダ40に枢軸的に連結された二股状のブラケット70と、該ブラケットから下方へ伸びる雄ねじ72と、該雄ねじに螺合するウォームホィール74と、該ウォームホィールと歯合するウォームねじ76とを備える。ブラケット70を用いる代わりに、雄ねじ72を枢軸50により両リンク36bおよび両第2のスライダ40に枢軸的に連結してもよい。
雄ねじ72は、軸線52の周りの回転が不能にブラケット70に連結されている。ウォームホィール74は、軸線の周りに回転可能におよび上下方向への移動不能にフレーム14の支持部78,80に支持されている。ウォームねじ76の軸部は、フレーム14を回転可能に貫通しており、また端部にスプロケット82を備える。スプロケット82は、図7及び8に示すように、調整用サーボ電動モータM2により回転される。
調整用サーボ電動モータM2の作動によってスプロケット82が回転されると、ウォームねじ76が回転され、ウォームねじ76と歯合するウォームホィール74が回転され、ウォームホィール74と螺合する雄ねじ72が上方または下方へ移動し、最終的に第2のスライダ40が上方または下方へ移動する。
プレス機10において、主電動モータM1からの駆動力によってクランク軸16が回転すると、このクランク軸16の回転に伴って連結リンク32が上下方向へ往復運動し、これに伴い第1のスライダ34は同方向へ往復運動する。しかし、第2のスライダ40は、ウォームホィール74が回転されない限り移動しない。このため、枢軸48はリンク機構36の可動側支点として作用し、枢軸50はリンク機構36の固定側支点として作用する。
また、リンク38aがフレーム14に固定されたブラケット56に連結されているのに対し、リンク38bが上下方向へ移動可能のロッド22に連結されている。このため、枢軸58はリンク機構38の固定側支点として作用するのに対し、枢軸60はリンク機構38の可動側支点として作用する。
したがって、主電動モータM1の作動中にクラッチ18aのクラッチインによってフライホィール18bの回転がクランク軸16に伝達されると、クランク軸16の回転に伴って連結リンク32と第1のスライダ34とが往復移動されることから、両リンク機構36が同期して屈伸される。これにより、両リンク機構38が同期して屈曲され、その結果スライド20が上下に往復運動する。このことから、リンク機構38は、ナックル機構またはトグル機構として作用する。また、リンク機構36及び38は、スライド20の駆動機構として機能する。
第2のスライダ40が上方へ移動すると、リンク機構36の屈曲角度が小さくなり、それによりリンク機構38の屈曲角度が大きくなるから、スライド20は下方へ移動される。これに対し、第2のスライダ40が下方へ移動すると、リンク機構36の屈曲角度が大きくなり、それによりリンク機構38の屈曲角度が小さくなるから、スライド20は上方へ移動される。
第2のスライダ40が上方または下方へ移動するとき、第1のスライダ34の位置は上下方向に変化しないから、リンク機構36の屈曲角度は変化するが、屈伸範囲は上下方向に平行移動しない。このため、スプロケット82を回転させることにより、スライド20の下死点位置およびストローク長さを調整することができる。したがって、位置調整機構42は、リンク機構36及びスライダ40と共に、スライド20の下死点位置補正機構として機構する。
スライド20の下死点位置を検出するために、図3に示すような検出器84(84a、84b)が設けられている。検出器84は、例えばスライド20の、フレーム14の一方の支柱部14aに対向する面に設けられたスケール84aと、該スケールに対向して前記一方の支柱部14aに設けられ、スケール84aを読み取り可能なセンサ84bとを備える。このような検出器として、磁気式、光学式及び渦電流のような種々の方式の検出器を採用することができる。
図9は、本発明に係るプレス機10の制御システム100を示すブロック図である。制御システム100は、主電動モータM1及び調整用サーボ電動モータM2の作動を制御するための演算処理部102a及びメモリ102bを有する制御回路102を含む。制御回路102には、前記検出器84、行程指示スイッチ104、SPM設定器106からの情報が入力される。この制御回路102の演算処理部102aは、検出器84、行程指示スイッチ104及びSPM設定器106からの情報と、メモリ102bに予め格納された情報を用いて、各駆動回路108a、108bを経て主電動モータM1及び調整用サーボ電動モータM2の作動を制御する。
すなわち、行程指示スイッチ104の操作により、従来よく知られているように、プレス機10の連続運転指示、一行程指示及び寸動指示等の指示が制御回路102に選択的に入力されると、該指示に沿ってプレス機10が作動するように、駆動回路108aを経て主電動モータM1の作動が制御される。また、SPM設定器106の操作により、プレス機10のストローク/分についての指示が制御回路102に入力されると、メモリ102bに格納されたSPM情報に基づいて、主電動モータM1の作動が駆動回路108aを経て制御される。
また、プレス機10の定常運転状態では、演算処理部102aは、従来よく知られているように、検出器84からのスライド20の高さ位置情報に基づいてスライド20の下死点位置を算出する。また、この算出値と、メモリ102bに格納された所定の下死点基準設定値と比較し、検出値が前記基準設定値となるように、演算処理部102aは、駆動回路108bを経て調整用サーボ電動モータM2の作動を制御する。この調整用サーボ電動モータM2の作動によって、スライド20の下死点位置が定常運転状態で所定の下死点位置にあるように、第2のスライダ40の上下位置が調整される。したがって、プレス機10の定常運転状態では、スライド20の下死点位置が好適に前記設定基準値(X軸上)に保持される。
しかしながら、この定常運転状態の制御形態では、前記したプレス機10の始動時における図1に沿って説明したような下死点位置の落ち込み(−δ)を阻止することはできない。そこで、この落ち込み(−δ)を防止するために、図10に示すフローチャートに沿った下死点位置補正手順が行われる。
先ず、プレス機10の試運転を行い、検出器84から得られる下死点位置データからプレス機10のクラッチイン直後の下死点位置の最大変動値(−δ)が求められ、この変動を相殺するための補正値(δ)がメモリ102bに格納される(ステップS1)。この変動を補正するための補正値(δ)は所望のSPM毎に求めておくことが望ましく、SPM毎の補正値は次表1のような対応関係でメモリ102bに記憶することができる。
Figure 2011041969
表1は、SPM毎の変動が下死点位置設定基準値からの落ち込みとして現れた場合の補正値(δ1〜δ6)の一例であり、プレス機毎あるいはその機種毎で補正値は異なる。前記変動が下死点位置設定基準値からの上昇として現れた場合には、これらの補正値(δ1〜δ6)は負の値で示される。
プレス機10の始動に先立ち、SPM設定器106でSPMが選択されると、SPM設定器106からの情報にしたがって、表1の対応する補正値が選択され、選択されたSPMの対応補正値に基づいて制御回路102が調整用サーボ電動モータM2を作動する。この調整用サーボ電動モータM2の作動により、第2のスライダ40が、下死点基準位置に対応する基準位置から前記した下死点位置の落ち込み量(−δ)を相殺する位置へ向けて、δに対応した分、上昇する。これにより、下死点位置補正機構(42)は、落ち込み量(−δ)を相殺するように初期設定される(ステップS2)。
行程指示スイッチ104の操作によって連続運転指示が前記制御回路102に入力されると、クラッチ18aのクラッチインとほぼ同時、あるいはその直前に調整用サーボ電動モータM2の作動により、第2のスライダ40が下死点基準位置に対応する前記基準位置へ向けて移動する(ステップS3)。これにより、下死点位置補正機構の初期設定は解除されるが、クラッチイン直後の数ショットにわたる過渡運転状態では、図1の特性線Aで示された特性を相殺すべく特性線Bの特性が与えられるので、従来のような下死点位置の急激かつ大きな変動が防止される。
過渡運転後の定常運転状態に移行すると、下死点位置補正機構42が、制御回路102の制御下で前記したように、前記下死点基準設定値に基づき、従来におけると同様に、下死点位置を適正に制御する(ステップS4)。
従って、本発明に係るプレス機10によれば、ストッパを用いることなく、プレス機の定常運転中の下死点位置の急激かつ大きな変化を防止することができるので、プレス機の約1秒の過渡運転での作動中での不良品の生成を確実に防止することができる。
下死点位置補正機構がウオームギヤ74及びウオームねじ76を有する位置調整機構42で構成される例を示したが、レバー機構等を用いてスライダ40の位置を調整する下死点位置補正機構を用いることができる。また、本発明を例えば特開平10−100000号公報、特開2002-205198号公報及び特開平1−299798号公報等に記載の各種の下死点位置補正機構に適用することができる。
本発明は、上記実施例に限定されず、その趣旨を逸脱しない限り、種々に変更することができる。前記した例では、過渡運転時の下死点位置の変動が下死点位置の落ち込みについて説明したが、本願は、過渡運転時の下死点位置の変動が下死点位置の基準位置からの上昇として現れた場合には、これを補正すべく適用することができる。
10 プレス機
12 ボルスタ
20 スライド
30 駆動機構
42 スライドの下死点位置補正機構(位置調整機構)
120 制御回路
120a メモリ
M2 調整用サーボモータ

Claims (9)

  1. ボルスタ上で上下方向にスライドを往復運動させる駆動機構の作動に関連して前記スライドの下死点位置を下死点基準設定値に基づいて補正するための下死点位置補正機構によってプレス機の下死点位置を補正する方法であって、
    前記プレス機の始動直後の過渡運転状態から定常運転状態に至る間での下死点位置について、前記下死点基準設定値に対応する下死点基準位置からの最大変化量を予め求めること、
    前記最大変化量を相殺すべく前記下死点補正機構を初期設定した後、前記プレス機を始動する、プレス機の下死点位置補正方法。
  2. 前記下死点位置補正機構の前記初期設定の値は、前記下死点基準位置よりも高い下死点位置に対応する設定値である、請求項1に記載の下死点位置補正方法。
  3. プレス型の下型が保持されるボルスタと、
    該ボルスタの上方で上下運動可能に保持され、前記ボルスタに対向する面に前記プレス型の上型が取り付けられるスライドと、
    前記スライドを上下方向に往復運動させる駆動機構と、
    前記駆動機構に関連して前記スライドの下死点位置を下死点基準設定値に基づいて補正するための下死点位置補正機構と、
    前記プレス機の始動直後の過渡運転状態における前記スライドの下死点位置の変化に関するデータが予め格納されるメモリと、
    前記駆動機構及び前記下死点位置補正機構の作動を制御するための制御回路とを含み、
    前記制御回路は、前記プレス機の始動に先立ち又は始動と同時に、前記下死点基準設定値に対応する下死点基準位置からの前記過渡運転状態での最大変化量が相殺されるように、前記下死点補正機構を初期設定し、前記プレス機の始動後、前記下死点補正機構の下死点設定値を前記下死点基準設定値に設定する、プレス機。
  4. 前記駆動機構は、スライドを上下方向に往復運動させるためのリンク機構を有し、前記下死点位置補正機構は、前記駆動機構のリンク機構に関連して移動可能のスライダを有し、該スライダの移動位置に応じて前記スライドの下死点位置が変化し、前記プレス機の始動に先立ち又は始動と同時に、前記スライダは前記初期設定により、前記下死点基準設定値に対応する位置よりも前記最大変化量を相殺する値だけ移動され、前記プレス機の始動後、前記下死点基準設定値に対応する位置へ向けて移動される、請求項3に記載のプレス機。
  5. 前記下死点位置補正機構は、前記制御回路の制御下で、前記プレス機の始動に先立ち又は始動と同時に、前記最大変化量(−δ)を相殺する値(δ)に基づいて、前記下死点位置を前記過渡状態における前記スライドの最大変化量を相殺する下死点位置に初期設定し、前記プレス機の始動後、前記下死点基準設定値に基づいて、前記下死点位置を定常運転状態での所定の下死点位置に補正すべく動作する、請求項3に記載のプレス機。
  6. 前記下死点位置補正機構は、前記スライド又は前記上型の下死点位置を検出するための検出器を備え、前記プレス機の試運転で前記検出器から得られた始動直後の下死点位置の最大落ち込み量(−δ)を相殺するデータ(δ)が前記データとして前記メモリに格納される、請求項5に記載のプレス機。
  7. 前記下死点位置補正機構は、該補正機構の駆動源となるサーボモータを有し、前記制御回路は、前記メモリ内の前記データ(δ)に基づいて前記サーボモータの作動を制御する、請求項6に記載のプレス機。
  8. 前記メモリには、SPM毎の前記データ(δ1…δn)が格納されている、請求項5に記載のプレス機。
  9. 前記駆動機構は、クラッチを有し、該クラッチを経て駆動源からの駆動力を受け、前記クラッチのクラッチイン動作によって前記プレス機が始動する、請求項3に記載のプレス機。
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