JP2011041586A - 洗濯機 - Google Patents

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眞 大山
Toshihiko Yasui
利彦 安井
Koichi Kubo
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Abstract

【課題】洗濯液の汚れの度合いを検知する洗濯液状態検知手段の検知精度を高めること。
【解決手段】洗剤投入部31を経由して外槽24と内槽25との間に給水する給水経路32を備え、洗濯液状態検知手段40は、内槽25の最下点より下方に設けることで、洗剤投入部31を経由して洗剤とともに外槽24に供給される給水は、内槽25の裏側である外槽24と内槽25の間に供給され、内槽25内に入る前に洗濯液状態検知手段40に到達するため、衣類の汚れが溶け出したり、洗剤が衣類に吸収されてしまったりすることがなく、洗剤のみが溶けた洗浄液の状態を作り出すことができ、洗剤のみが溶けた洗浄液の状態を検知でき、検知精度アップが図れ、より早い段階で汚れ量の推定を行うことができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、洗濯中の洗濯液の状態に応じて洗濯運転を制御する洗濯機に関するものである。
従来、この種の洗濯機は、図13に示すような構成であった(例えば、特許文献1参照)。以下、その構成について説明する。
図13に示すように、筐体1と、筐体1の内部で支持された外槽2と、衣類等の洗濯物を収容し、外槽2の内部に回転自在に設けられ有底円筒状の内槽3と、内槽3の底部に回転可能な撹拌体4とを備え、内槽3は、その回転軸が鉛直方向となる向きに設置され、クラッチ5の切換えで内槽3と撹拌体4の両方または一方を回転させる駆動モータ6を設けている。内槽3への給水を制御する給水弁7が筐体1の上部に設けられ、給水弁7と接続した給水経路8が設置され、給水が内槽3の内部に直接給水されるように構成されていた。外槽2の底部には、排水弁9を介して機外に洗濯液を排出する排水経路10が設置され、この排水経路10に洗濯液の濁度を検知する濁度センサ11が取り付けられていた。濁度センサ11は、洗濯液を光が通過する際の透過度を測定することで、洗濯液の汚れを検知する。
洗い工程時には、給水経路8からの給水後、撹拌体4を回転させて衣類を撹拌して洗濯を行う。洗浄の進行に伴って変化する洗濯液の濁りを濁度センサ11で検知し、汚れが少ない場合には洗濯時間を短縮するなど洗濯時間を最適に制御することができるようになっていた。
特開平3−94795号公報
しかしながら、従来の洗濯機では、給水は衣類等を収容した内槽の中に直接給水されるようになっていた。洗剤も、手動または自動で投入されるが、給水と同様に内槽の中に投入される場合がほとんどであった。給水は、まず被洗浄物である衣類等を通過するため、汚れが一部溶け出した状態の洗濯水が、外槽に溜まり、さらに内槽内に投入された洗剤は、撹拌体の回転による洗濯の進行に伴って徐々に洗浄液中に溶け出してゆくため、汚れが溶け出す前の洗剤のみが溶けた洗濯液の状態を洗濯液状態検知手段で検知することはできなかった。このため、液体か粉末かの洗剤種類を精度よく判別することができなかった。また、洗濯液の汚れの変化を検知して、汚れが変化しなくなった時点で洗浄を終了させることはできるが、洗濯前の初期状態から汚れがどれだけ溶け出したかの汚れ量を検知することはできず、汚れの判定精度が悪くなったり、判定に時間がかかるなどの課題を有していた。
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、洗濯が進行する前の洗剤のみが溶けた洗濯液の初期状態を検出することで、洗濯液中に溶け出した汚れの量を検知し、判定精度を高め、より早い段階で汚れ量の推定を可能とすることを目的とする。
前記従来の課題を解決するために、本発明の洗濯機は、筐体と、前記筐体内に支持され洗濯液を貯める外槽と、衣類等の洗濯物を収容し前記外槽内に回転自在に設けられた内槽と、前記洗濯物を撹拌する撹拌手段と、洗剤を投入する洗剤投入部と、前記外槽への給水を制御する給水弁と、前記給水弁と接続され前記洗剤投入部を経由して前記外槽と前記内槽との間に給水する給水経路と、洗濯液の状態を検知する洗濯液状態検知手段とを備え、前記洗濯液状態検知手段は、前記内槽の最下点より下方に設けたものである。
これによって、洗剤投入部を経由して洗剤とともに外槽に供給される給水は、衣類等の被洗浄物衣類がある内槽内に供給されるのではなく、内槽の外側である外槽と内槽の間に供給され、この洗濯液が内槽内に入る前に洗濯液状態検知手段に到達するため、衣類の汚れが溶け出したり、洗剤が衣類に吸収されてしまったりすることがなく、洗剤のみが溶けた洗浄液の状態を作り出すことができる。また、給水量が増え、衣類に洗浄液が達した後でも、内槽内に直接給水する場合と比べれば、汚れの溶け出しを抑えることができ、極力汚れの溶け出しを抑えて、洗濯前の洗濯液の初期状態を、より精度よく検知することができる。
本発明の洗濯機は、洗剤のみが溶けた洗浄液の状態を検知でき、洗剤種類の判別などを精度よく行うことができる。また、洗濯液の初期値となる極力汚れが溶け出す前の状態を検知することができ、判定精度を高め、より早い段階で汚れ量の推定を行うことができる。
本発明の実施の形態1の洗濯機の主要断面図 同洗濯機の吐出口近傍の要部断面図 同洗濯機の洗濯液状態検知手段の要部断面図 同洗濯機の吐出口近傍の要部断面図 同洗濯機の他の構成の吐出口近傍の要部断面図 同洗濯機の他の構成の主要断面図 同洗濯機の他の形態の主要断面図 本発明の実施の形態2の洗濯機の主要断面図 同洗濯機の他の構成の主要断面図 本発明の実施の形態3の洗濯機の主要断面図 同洗濯機の他の形態の主要断面図 本発明の実施の形態4の洗濯機の主要断面図 従来の洗濯機の主要断面図
第1の発明は、筐体と、前記筐体内に支持され洗濯液を貯める外槽と、衣類等の洗濯物を収容し前記外槽内に回転自在に設けられた内槽と、前記洗濯物を撹拌する撹拌手段と、洗剤を投入する洗剤投入部と、前記外槽への給水を制御する給水弁と、前記給水弁と接続され前記洗剤投入部を経由して前記外槽と前記内槽との間に給水する給水経路と、洗濯液の状態を検知する洗濯液状態検知手段とを備え、前記洗濯液状態検知手段は、前記内槽の最下点より下方に設けた洗濯機とすることにより、洗剤投入部を経由して洗剤とともに外槽に供給される給水は、衣類等の被洗浄物衣類がある内槽内に供給されるのではなく内槽の裏側である外槽と内槽の間に供給され、この洗濯液が内槽内に入る前に洗濯液状態検知手段に到達するため、衣類の汚れが溶け出したり、洗剤が衣類に吸収されてしまったりすることがなく、洗剤のみが溶けた洗浄液の状態を作り出すことができる。このため、洗剤種類の判別などを精度よく行うことができるため、洗剤の種類によって汚れ量の判定条件を変えるなど、より汚れ量の判定精度を高めることができる。また、洗濯液の初期値とな
る極力汚れが溶け出す前の状態を検知することができ、判定精度を高め、より早い段階で汚れ量の推定を行うことができる。洗濯工程の終了間際に汚れ量を判定できたとしても、すでに工程が進行しているため、汚れが少なかった場合でも、削減できる時間や水量、洗剤量などが目減りしてしまうという課題があったが、より早い段階で汚れ量を推定することで、汚れが少なかった場合に、削減できる時間や水量、洗剤量などを、より大きくとることができる。また、すすぎ工程の給水時には、衣類のある内槽内に給水されるのではなく、洗い工程と同様に、内槽の裏側である外槽と内槽の間に給水されるため、衣類に残存した汚れや洗剤分が溶け出さない水により近い状態を洗濯液状態検知手段で検知することができ、洗濯液状態検知手段の検知部に汚れが付着するなどの経時変化の補正を行うことができ、精度の高い判定を継続して行うことが可能となる。
第2の発明は、特に、第1の発明の洗剤液状態検知手段は、給水経路から外槽に給水された洗濯液が内槽の内部に入る前に前記洗濯液状態検知手段に到達する位置に設けた洗濯機とすることにより、衣類等の洗濯物から汚れが溶け出す前の状態を洗濯液状態検知手段で検知できるため、検知の精度アップを図ることができる。
第3の発明は、特に、第1または第2の発明において、外槽に溜まった洗濯液を吸い込んで再び前記外槽に戻す循環経路と、前記循環経路に洗濯液を強制的に循環させる循環ポンプとを備え、前記循環ポンプは、給水開始後に洗濯液状態検知手段に洗濯液が到達した後に、運転するようにした洗濯機とすることにより、循環ポンプを回す前に洗剤を含む洗剤液が洗濯液状態検知手段へ流入することで、泡立ちなどの影響を受けない状態で、初期検知ができ、センシング精度を向上させることができる。
第4の発明は、特に、第1〜3のいずれか1つの発明の撹拌手段は、給水開始後に洗濯液状態検知手段に洗濯液が到達した後に、運転するようにした洗濯機とすることにより、撹拌手段の運転による洗濯液の泡立ちなどの影響を受けない状態で、初期検知ができ、センシング精度を向上させることができる。
第5の発明は、特に、第1〜4のいずれか1つの発明の洗濯液状態検知手段は、洗濯液を機外に排出する排水経路に設けた洗濯機とすることにより、排水経路は外槽から細く絞った構成であるため、外槽に溜まった洗濯液の流動の影響を受けにくく、より安定した状態でセンシングでき、汚れ検知の精度を向上させることができる。
第6の発明は、特に、第1〜5のいずれか1つの発明の洗濯液状態検知手段は、内槽と対向しない位置に設けた洗濯機とすることにより、内槽の回転や、撹拌手段の影響を受けにくく、センシング精度が向上する。
第7の発明は、特に、第1〜5のいずれか1つの発明の内槽の内部に直接給水する第2の給水経路を備えた洗濯機とすることにより、衣類に直接給水を作用することができ、衣類の濡れる速さが早くなり、洗浄力の向上が図れるため、給水を給水経路から行うか、第2の給水経路から行うかを組みあわせることで、汚れ検知の精度アップと洗浄力アップの両立が図れる。
第8の発明は、特に、第1〜7のいずれか1つの発明の撹拌手段は、内槽の回転である洗濯機とすることにより、撹拌手段である内槽の回転によって衣類を持ち上げ、落下させることで洗濯物を洗浄するドラム式洗濯機で、洗濯液状態検知手段を設置した循環経路に十分な循環量を確保することで、外槽と循環経路の洗濯液の汚れ濃度の均一化を促進し、また、洗濯液状態検知手段の検知部分に汚れを付きにくくしたり、すすぎ工程で検知部分を洗浄したりすることで、検知部分が汚れることを抑制し、洗濯液状態検知手段による検知精度の低下を防ぐことができる。
第9の発明は、特に、第1〜7のいずれか1つの発明の内槽の内底部に回転自在に撹拌体を備え、撹拌手段が、前記撹拌体の回転である洗濯機とすることにより、内槽内でパルセータ等の撹拌手段を回転させて洗濯する縦型のパルセータ式洗濯機で、洗濯液状態検知手段を設置した循環経路に十分な循環量を確保することで、外槽と循環経路の洗濯液の汚れ濃度の均一化を促進し、また、洗濯液状態検知手段の検知部分に汚れを付きにくくしたり、すすぎ工程で検知部分を洗浄したりすることで、検知部分が汚れることを抑制し、洗濯液状態検知手段による検知精度の低下を防ぐことができる。
(実施の形態1)
図1は、本発明の第1の実施の形態の洗濯機の主要断面図、図2は、同洗濯機の吐出口近傍の要部断面図、図3は、同洗濯機の洗濯液状態検知手段の要部断面図、図4は、同洗濯機の吐出口近傍の要部断面図である。
図1に示すように、筐体21の内部には、ばね22や減衰手段23等の支持手段で支持された外槽24があり、外槽24の内部には、内槽25が回転自在に設けられ、外槽24の背面には内槽25を回転駆動するための駆動モータ26が設置されている。内槽25の回転軸は、水平または水平よりも前方が高くなるように傾斜させた状態で設置されているいわゆるドラム式洗濯機である。筐体21に設けた扉体27は、水封パッキン28を介して外槽24の前面開口を開閉自在に設けられている。内槽25の筒状部の内面には、複数の突起体29が設けられ、内槽25を低速で回転させた時は、洗濯物を突起体29で上方に持ち上げるようになっている。
筐体21の上部には一端が水道栓に接続された給水ホースの他端を接続する給水弁30と、使用者が洗剤をあらかじめ投入する洗剤投入部31があり、給水弁30から洗剤投入部31を介して外槽24に接続された給水経路32が設けられている。
外槽25の最下部には、取水口33が設けられており、排水フィルタ34と排水弁35を介して、洗濯液を機外へ排出する排水経路36に接続されている。また、取水口33と排水弁35との間から分岐して、取水口33から取り込んだ洗濯液を再び外槽へ戻す循環経路37が設けられ、循環経路37の出口である吐出口38は内槽25の内部へ直接洗濯液を噴射するように外槽24に設けられている。取水口33から吐出口38までの経路を循環経路37とし、この循環経路37の途中には、循環経路37に強制的に洗濯液を循環させる循環ポンプ39が設けられるとともに、洗濯液の状態を検知する洗濯液状態検知手段40が設置されている。なお、本実施の形態1では、循環経路37は、取水口33と排水弁35との間から分岐したが、排水経路の取水口とは別に設けた取水口からとってもよい。
図2に示すように、外槽24と内槽25の間に吐出口38を設け、噴射(B)は、外槽24と内槽25の隙間を通って、内槽25の内部に洗濯液を噴射するように構成されている。
図3に示すように、洗濯液状態検知手段40は、洗濯液の濁度を検出する光センサ41と、洗濯液の導電率を検出する電極センサ42で構成されている。光センサ41は、発光素子であるLED43と、受光素子であるフォトトランジスタ44で構成され、循環経路37を挟んで左右の略水平位置に対峙して設置されている。電極センサ42は、循環経路37の側壁の片側に1対の電極45(45aおよび45b)で構成されている。
制御手段46は、駆動モータ26や給水弁30、排水弁35、循環ポンプ39などの運転制御のほか、洗濯液状態検知手段40の出力を読み込み、演算等行うことで洗濯液の汚
れ度合いの推定を行う。
以上のように構成された洗濯機の動作および洗濯液の状態を検出する洗濯液状態検知手段40の動作について説明する。
使用者は、扉体27を開放して内槽25に衣類等の洗濯物を投入して、扉体27を閉じ、スタートボタンをおして、運転を開始する。駆動モータ26を駆動して、モータ負荷などから衣類の量を推定し、それに応じて必要な洗剤を表示し、使用者は、洗剤投入部31を引き出して、洗剤を投入し、再度もとの位置に押し戻す。所定時間後、給水弁が開かれ、洗剤を投入した洗剤投入部31を経由して設けられた給水経路32を通って、外槽24に洗剤を含む洗濯液が給水される。給水開始とほぼ同時に駆動モータ26は駆動され、内槽25が回転する。所定水量に到達すると給水弁30は閉じられ、内槽25の回転は継続される。内面に3個の突起体29を備えた内槽25が回転すれば、衣類は持ち上げられ、内槽25の上方部分で被洗浄物は内槽25の内面から離れ、落下することで洗濯物の洗浄は促進される。この叩き洗いを行うのに適した最適回転数があり、その回転数より高くても低くても洗浄性能は低下してしまう。所定時間洗浄後、排水弁35を開いて排水経路36から洗濯液は機外に排水される。その後内槽25を高速で回転させ、被洗浄物に残った洗濯液を減少させる脱水工程を行い、停止後、再び給水弁30を開いて所定水位まで給水し、内槽25を回転させてすすぎ工程を行う。この脱水工程とすすぎ工程を2回程度繰り返し、最後は脱水した状態で運転を終了する。
光センサ41は、洗濯液の濁度を検出するものである。LED43とフォトトランジスタ44にはさまれた部分の循環経路37は透光性の樹脂材料でできており、発光素子43から発光した光を循環経路37中の洗濯液を通過して受光素子44で受光して、受光素子44の出力の取り込みはマイコン等の制御手段46によって行われ、電圧に変換して出力する。洗濯液の濁りに応じて光は減衰するため、受光素子44の受光量が少なければ濁りがきつく洗濯液は汚れており、受光量が大きい場合には、減衰が少なく洗濯液はきれいことを示す。この受光量の程度から、洗濯液の濁りを定量的に検出することができる。そして、洗濯液の濁りが多ければ、洗濯物に付着した汚れ量が大きかったと推定できる。また、洗剤の濁りによっても洗濯液の濁りは変化するため、給水直後など検知するタイミングによっては洗剤の種類や量を見分けることも可能である。
電極センサ42は、洗濯液の導電率を測定するものである。導電率の測定は、例えば、電極45aと電極45bの間の洗濯液のインピーダンスと制御回路上のコンデンサでRC発振回路を構成し、洗濯液のインピーダンスの変化を周波数変化として出力し、さらにこれを電圧値に変換すればよい。洗濯液中に汗などの電解質成分が多ければ、導電率は高くなり、出力の程度から、洗濯液の導電率を定量的に検出することができる。また、洗剤中に含まれる成分も導電率を増加させるものがあり、光センサ41と同様に、検知のタイミングによっては、洗剤の種類や量を見分けることも可能である。
光センサ41と電極センサ42の各々の出力の時間変化を検知し、ある期間の差分を取るなど演算を行ったり、光センサ41と電極センサ42の両者結果を組み合わせるなどの方法で、衣類等の被洗浄物の汚れの程度を推定することができ、この推定した被洗浄物の汚れの程度に応じて、洗濯工程やすすぎ工程の運転制御を行う。汚れが少ない場合には、洗い工程の時間を短縮したり、洗浄やすすぎ工程の水量を低減するなど、よりエコで、より短時間に運転を終了するといった無駄のない運転を行うことができる。
洗濯液状態検知手段40で検知するのは、洗濯液の濁りなど汚れの状態であり、測定値の絶対値はもちろん、その変化率など判定アルゴリズムの工夫をこなして衣類に付着している汚れ量との相関を高める必要があるが、本発明のように、検知部への汚れの付着を防
止したり、撹拌手段の影響を受けにくい構成とすることで、いかなる判定アルゴリズムであっても、その検知精度の向上に寄与することができ、本発明は、判定アルゴリズムを限定するものではない。たとえば、洗濯液の汚れの程度を、そのまま被洗浄物の汚れの程度と仮定して判定することもでき、この場合は、洗濯液の汚れ度合いに応じて、運転時間や水量を可変することとなる。
なお、洗濯液状態検知手段40として、光センサ41と電極センサ42の2つも用いたが、どちらか一方であっても、洗濯液の汚れ状態を検知することは可能であり、両者を使用することに限定するものではなく、いずれか一方のセンサのみを用いてもかまわない。また、濁度や導電率を測定する手段として、光センサ41と電極センサ42以外の別の手段で用いた場合であっても、洗濯液の別の状態を検出するものであっても、用いることができる。
光センサ41の受光素子44は外部からの光の影響を受けないように、遮光構成とすることが望ましいが、赤外線の発光波長を用いることで、特別な遮蔽構造を用いずに、部品構成を簡素化することもできる。また、発光素子43と受光素子44は、循環経路37の左右両側に略水平に設置されており、洗濯液とともに循環する泡と粒子の影響がもっとも少なくなるように考えられている。泡等の水より軽いものは管の上方に集まり、砂等の重たいものは管の下方に集まることから、中央部付近で検知することが望ましいが、特にこの構造を限定するものではなく、上下方向であっても、斜め方向であっても、あるいは循環経路37の片側に発光素子43と受光素子44の両方を配置した場合でもあって、検知可能である。
電極センサ42も同様に、電極45aおよび電極45bを循環経路37の上下中央部付近に設置することで、経路内の気泡の影響をできるだけ小さくでき、より精度の高い導電率の検知を行うことができるが、この構成に限定するものではなく、循環経路37の左右両側に対向して設置したり、上下方向や斜め方向であっても、検知は可能である。
循環ポンプ39を駆動することで、外槽24に溜まった洗濯液を取水口33から吸い込んで、洗濯液状態検知手段40と排水フィルタを経由して、吐出口38から内槽25の内部の被洗浄物に向けて洗濯液を噴射する。外槽24に溜まった洗濯液を循環させることで、洗濯液の汚れ濃度が、より均一になり、洗濯液状態検知手段40と外槽24の洗濯液の汚れ度合いは、ほぼ同じになる。このため、循環経路37に洗濯液状態検知手段40を設置すれば、洗濯液の汚れ度合いをより高い精度で、しかも素早く検知することができる。また、循環した洗濯液を衣類に噴射することで、洗浄開始後に衣類の濡れる早さを早くしたり、噴射による機械力が作用することなどにより、洗浄力を高める作用もあり、より早期に汚れを判定することが可能となる。
この循環は循環ポンプ39により強制的に行われることから、衣類を撹拌する撹拌手段である内槽25の回転とは無関係に行うことができる。このため、循環流量や運転のタイミングなどを任意に設定することができ、撹拌手段の運転に影響を与えないため、洗浄力を損なうことはなく、検知精度を高めるような動作をさせることを考えた制御を行うことができる。多い循環量を確保することで、洗濯液状態検知手段40の検知部に汚れが付着することを防止できる。
さらに、すすぎ工程時にも循環ポンプ39を運転すれば、汚れ成分の少ない洗濯液で洗濯液状態検知手段の検知部を循環洗浄することができ、洗い工程で付着した洗剤成分や汚れを除去することができ、検知部の汚れによる検知性能の低下を抑制できる。
本実施の形態1では、循環ポンプ39は、洗浄およびすすぎ工程時に、運転と停止を繰
り返す間欠運転行うようにしている。循環ポンプ39の運転時は、泡や汚れの粒子が洗濯液に混じって循環されていることから濁度の値が高く、しかもバラツキが大きくなってしまう。このため、洗濯液状態検知手段40は、循環ポンプ39を停止した状態で、洗濯液の状態を検知するようすることで、安定した、精度の高い検知ができ、汚れの推定精度も向上する。循環ポンプ39の停止後も、泡の影響などでしばらくは安定しないため、所定時間停止後に検知したり、濁度の変化幅が所定以下になったときに検知するなどの種々の精度アップ方法が考えられる。また、複数の点のデータを平均化するなどの演算を行えば、さらに誤差を排除した精度の高い検知ができることは言うまでもない。また、洗濯液状態検知手段40としては1秒間隔など常にデータを計測しておき、必要な情報のみを使用すればいい。
また、光センサ41だけでなく、電極センサ42に関しても同様であり、循環ポンプ39の停止時に計測することで、測定の精度アップが図れる。なお、濁度と導電率とは、同じタイミングで検知する必要はなく、各々の特徴に応じたタイミングで検知すればよい。また、精度に問題がなければ、循環ポンプ39の運転中に洗濯液の状態を検知し、被洗浄物の汚れの程度を推定しても、もちろん構わない。
循環経路37への洗濯液の循環は、撹拌手段(内槽24の回転)で行うのではなく、循環ポンプ39で行うため、洗浄を行う撹拌手段の運転を停止することなく循環を停止できるため、洗浄力は確保しつつ、高い検知精度を得ることができる。また、循環ポンプ39の回転数も工程の進行に応じて変化させることで、衣類への洗濯液の浸透や、泡立ち度合いなどを勘案して、より検知精度を高めることが可能である。
また、循環ポンプ39の運転、停止と、内槽25を回転させる駆動モータ26の運転、停止、反転などのシーケンスとは同期するようにしている。たとえば、循環ポンプ39を1分間運転して1分間停止を繰り返す、この2分間を1サイクルとして、このサイクル中に駆動モータ26は、30秒正転、30秒反転を2回繰り返すなど、両者の運転を同期させることで、循環ポンプ39の運転のタイミングのみではなく、内槽25の運転のタイミングも一定となる条件で、洗濯液状態検知手段40による検知を行うことができる。内槽25の回転によって外槽24内の洗濯液が撹拌されるなど、多少は洗濯液状態検知手段40に検知に影響を与える可能性があるが、この周期を合わせることで、この誤差も最小に抑えることができる。なお、このタイミングは、洗い工程中で、すべて同じである必要はなく、途中で運転停止の周期を変えるなど、任意に設定すればよい。また、運転と停止の時限が同じである必要もなし、循環ポンプ39の回転数を途中で変更してもかまわない。
循環ポンプ39を所定時間停止後に駆動モータ26を停止して内槽25の回転を止めるようにすると、両方の駆動手段39、26が停止した状態となり、その両者が停止したタイミングあるいはその近傍の検知データを用いることで、より誤差の少ない検知が行える。駆動モータの停止は、正転と反転の間にわずかに停止期間を設けるだけでも効果を得ることができる。
前述のように、循環経路37の吐出口38は、図2の位置に設置されており、外槽24と内槽25の前縁の隙間から内槽25の内部に洗濯水を吐出することで、衣類等の被洗浄物に循環した洗濯液を当てることができ、被洗浄物の濡れを促進するなど、洗浄力アップを図ることができる。この構成では、循環ポンプ39の回転数が、所定回転数以上であれば、図のように吐出した洗濯液は、内槽25の内部へ噴射(記号B)されるが、所定回転数以下であれば、図4のように、噴射(記号D)は、外槽24と内槽25の間で循環し、外槽24の内部で循環するようになる。回転数によっては、内槽25の内部へ内直接入らない状態か、内槽25の内外に両方噴射する状態となる。必要に応じてこのモードを切り換えて運転することで、検知精度を高めることができる。
運転開始後、給水弁30が開かれ、給水とともに洗剤投入部31に投入された洗剤は外槽24に流入するが、この給水の段階で、循環ポンプ39を高速で運転すると濃い洗剤濃度の洗濯液を一気に吐出口38から噴射してしまう。この噴射が内槽25の内部に直接に噴射されれば、高濃度の洗濯液が衣類等に吸収されてしまい、外槽24にたまった洗濯液の洗剤濃度が低下する。給水開始直後は、ほぼ洗剤のみが溶けた洗濯液の状態であり、この状態を測定することで、洗剤の種類が粉末洗剤か液体洗剤かを見分けたり、洗浄開始前の洗濯液の初期値として利用できるが、内槽25内部に大量の洗浄水を噴射してしまうと、この検知精度が悪くなってしまう。そこで、洗濯開始後の給水中は、循環ポンプ39の回転数を所定回転数以下に低下させ、吐出口38からの噴射が内槽25内部へ噴射しないようにすることで、この問題を解決し、洗剤の種類や、洗浄開始前の初期状態の検知精度が向上する。また、循環を止めてしまえば、衣類へ噴射させないようにはできるが、この場合は、洗濯液状態検知手段40の検知部分と外槽24に溜まった洗濯液の均一化が図れず、検知精度を悪化させてしまう。つまり、内槽25の内部には洗濯液を噴射せず、かつ外槽24の内部で循環させえることで、洗剤の溶解を促進したり、洗濯液状態検知手段40の検知部の洗濯液と外槽24に溜まった洗濯液の状態をより均一化できるなど、洗剤の種類や、洗浄開始前の初期状態の検知精度が向上する。この結果、洗濯水の汚れの程度の検知精度が向上する。そして、洗浄工程の途中からは、循環水を内槽25内の洗濯物に対して噴射することで、より洗浄力を高めるとともに、衣類等からの汚れの溶け出しを早め、より早い段階で汚れ量を推定できるなどの効果が得られる。このように、1個の循環ポンプ39および循環経路37でありながら、ポンプの回転数を制御するだけで、より精度の高い汚れ判定が行えるようになる。
なお、ポンプの回転数を低下させることで、内槽25内部には全く噴射されない状態を作ることが望ましいが、水しぶきや壁面を流れ落ちる流れが、内槽25の穴や隙間から入り込む程度では問題ない。また、少なくとも内槽25の内部に噴射される洗濯液の量を減らせば、検知精度アップの効果はあり、少なくとも内槽25の内部に入らず外槽25内部で循環する流れを作れば、効果が得られる。内槽25内部に全く噴射しない場合だけに効果があるのではなく、循環の一部は内槽25内部に噴射した場合でも、一部の循環は外槽24と内槽25の間に噴射し、外槽24の内部で循環するようにすることで、洗剤の種類や、洗浄開始前の初期状態の検知精度が向上し、洗濯水の汚れの程度の検知精度を高めることができる。
また、内槽25へ噴射しない状態、あるいは内槽25の内外両方に噴射する状態が有効なのは、給水開始初期だけに限定するものではない。たとえば、後半、泡立ちが多い場合、内槽25内への噴射はさらに泡立ちを増加させるため、洗浄力低下や泡残りが発生するなど好ましくないが、後半は内槽25内へ噴射しないことで、この泡立ちを抑制できるなどの効果があり、泡による検知精度の低下を抑制できる。
循環ポンプ39の回転数を低下させることで、洗濯液の噴射を切り換える本構成は、特別な構造を必要とせず、容易に実現し、効果を得ることができる。
外槽24に接続された給水経路32は、外槽24と内槽25の間に給水するように構成され、洗濯液状態検知手段40は、内槽25の内側の最下点(図1のA)より下方に設けられており、給水された水は内槽25の中に入る前に洗濯液状態検知手段40に到達するようになっている。
すすぎ時には、汚れや洗剤を含む衣類等の被洗浄物を通過することなく洗濯液状態検知手段40に水道水からの給水が直接供給され、極力汚れを含まないこの状態を検知することで、洗濯液状態検知手段の検知部への汚れ付着などによる経年変化を検知することがで
き、この値を基に測定値の補正を行うなど経年変化に対応でき、検知精度を維持することができる。
洗い工程の給水時には、給水経路32の途中にある洗剤投入部31に投入された洗剤と同時に給水されるが、この洗剤を含む洗濯液は、内槽25の内部に入ることなく洗濯液状態検知手段40に到達する。このため、給水中に衣類等に洗剤成分が付着したり吸収されてしまったり、衣類から汚れ成分が溶け出したりする前に、ほぼ洗剤のみが溶けた状態の洗濯液が洗濯液状態検知手段40に到達するため、この状態を検知することで、洗剤が粉末洗剤か液体洗剤かなど洗剤の種類判別の精度を高めたり、洗浄工程の洗濯液の初期値としての精度を高めるなどの効果があり、検知の精度を高めることができる。これにより、より精度の高い汚れ度合いの判定ができ、汚れが少ない場合は洗濯時間を短くしたり、使用水量を少なくするなど、より無駄の少ない洗濯ができる。
また、給水が進行すると、給水量が増え、洗剤を含む洗濯液が内槽25の内部に入ってくるが、給水経路32は、外槽24と内槽25の間に給水する構成をすることで、内槽25の内部に直接給水する場合と比べると、洗剤が衣類に付着したり吸着したりする量は格段に少なくでき、給水量が増え、内槽内に給水された後でも、洗浄工程の洗濯液の初期値としての精度を高めるなどの効果が得られる。
循環ポンプ39を運転することで、洗剤を早く溶かしたり、衣類に素早く洗濯液なじませるなど洗浄力を高める効果があるが、同時に洗濯液を泡立ててしまう。この泡は、洗濯液状態検知手段40の検知精度を低下させる恐れがある。このため、循環ポンプ39を運転する前に洗剤を含む洗濯液が洗濯液状態検知手段40に到達することで、泡発生前に洗濯液の初期状態を精度よく検出し、汚れ判定の精度向上が図れる。
なお、循環ポンプ39を運転するとは、循環経路37に洗浄液が循環する状態を指し、循環ポンプ39は駆動したとしても、循環しなければ循環ポンプ39は運転していないのと同様であり、これは運転していない状態とみなす。
また、洗浄性能向上のためには撹拌手段である内槽25を早い時期から運転させたいが、同時に洗濯液を泡立ててしまう。この泡は、洗濯液状態検知手段40の検知精度を低下させる恐れがある。このため、撹拌手段を運転する前に洗剤を含む洗濯液が洗濯液状態検知手段40に到達することで、泡発生前の洗濯液の初期状態を精度よく検出し、汚れ判定の精度向上が図れる。
撹拌手段(内槽25の回転)の運転時は、この撹拌手段によって外槽24に溜まった洗濯水をかき混ぜたり、泡立てたりしてしまうが、洗濯液状態検知手段40は循環経路37の途中の取水口から離れた位置に設けており、内槽25に直接対向しない位置に検知部を設置することで、内槽25の回転が洗濯液状態検知手段40の検知に及ぼす悪影響を少なく抑えることができ、より検知の精度を高めることができる。図1のように屈曲した位置に洗濯液状態検知手段40を設ける他、内槽25との間に仕切り壁を設けることなどでも直接対向しない状態とすることができる。
なお、循環経路37の吐出口38は、下方1箇所から内槽25に噴射する構成としたが、2箇所または複数個所に分岐して、同時に内槽25の噴射する構成であってもよい。また、複数に分岐した一部は、内槽25と外槽24の間に噴射する構成であってもよい。
また、吐出口38は図2、4の構成に限定するものではなく、図5の本発明の実施の形態1の洗濯機の他の構成の吐出口近傍の要部断面図に示すように、吐出口38を外槽24の露出した部分に設けて内槽25の内部へ直接噴射(記号C)する構成であってもよい。
また、図6の本発明の実施の形態1の洗濯機の他の構成の主要断面図に示すように、外槽24と内槽25の間に吐出口38を設け、内槽25の内部には噴射せず、外槽24と内槽25の間に洗濯液を噴射する構成であっても構わない。
また、本実施の形態1では、内槽25の回転軸が略水平方向を向いたドラム式洗濯機の構成を示したが、図7の本発明の実施の形態1の洗濯機の他の形態の主要断面図に示すように、内槽25の回転軸を鉛直方向とした縦型の洗濯機に洗濯液状態検知手段40を搭載した場合でも、上記と同様の作用、効果が得られる。撹拌手段は、内槽25の底面に設けた撹拌体47の回転としているが、撹拌手段の構成を限定するものではない。
また、給水経路32は、内槽25と外槽24の間に給水する構成とすることで上記と同様の作用効果が得られるが、給水経路32を内槽25の内部に直接給水する構成とした場合であっても、循環ポンプ39による循環経路37に洗濯液状態検知手段40を設置した効果は得ることができる。
また、乾燥機能の付いた洗濯乾燥機に設置しても洗濯時に効果を発揮することは言うまでもない。
(実施の形態2)
図8は、本発明の第2の実施の形態の洗濯機の主要断面図である。実施の形態1と同じ構成のものは同一符号を付し、説明を省略する。
図8に示すように、循環経路37に切換弁48を設け、内槽循環経路49と外槽循環経路50に分岐して構成している。
これにより、実施の形態1と同様の作用、効果が得られるが、特に、切換弁48で循環経路37を任意に切り換え可能としたことで、給水開始直後は、外槽循環経路50に経路を切換えることで、循環水が内槽25内部に直接入らない状態が得られ、洗剤のみの初期状態をより精度よく検知することができる。また、循環ポンプ39の回転を下げ、循環量を少なくする必要がなく、循環量は維持することができ、洗剤の溶解速度をより高めることで浄性性能の向上が図れ、センサの検知精度と洗浄性能の両立を図ることができる。
なお、図8では、切換弁48を設けた構成としたが、図9の本発明の実施の形態2の洗濯機の他の構成の主要断面図に示すように、循環ポンプ39の正転と逆転でポンプの出力経路を切換え可能な構成とすることで、内槽循環経路49と外槽循環経路50のそれぞれに洗濯液を供給することが可能となり、図8の場合と同様の作用効果が得られる。
(実施の形態3)
図10は、本発明の第3の実施の形態の洗濯機の主要断面図である。実施の形態1と同じ構成のものは同一符号を付し、説明を省略する。
図10において、実施の形態1に示す循環経路37は設置せず、洗濯液状態検知手段40は内槽25の最下点より下方である取水口33に設置している。給水経路32は、洗剤投入部31を経由して内槽25と外槽24の間に給水するように構成している。
この構成により、給水経路32より供給された給水は内槽25の中に入る前に洗濯液状態検知手段40に到達する。すすぎ時には、汚れや洗剤を含む衣類等の被洗浄物を通過することなく洗濯液状態検知手段40に水道水からの給水が直接供給され、極力汚れを含まないこの状態を検知することで、洗濯液状態検知手段の検知部への汚れ付着などによる経年変化を検知することができ、この値を基に測定値の補正を行うなど経年変化に対応でき
、検知精度を維持することができる。
洗い工程の給水時には、給水経路32の途中にある洗剤投入部31に投入された洗剤と同時に給水されるが、この洗剤を含む洗濯液は、内槽25の内部に入ることなく洗濯液状態検知手段40に到達する。このため、給水中に衣類等に洗剤成分が付着したり吸収されてしまったり、衣類から汚れ成分が溶け出したりする前に、ほぼ洗剤のみが溶けた状態の洗濯液が洗濯液状態検知手段40に到達するため、この状態を検知することで、洗剤が粉末洗剤か液体洗剤かなど洗剤の種類判別の精度を高めたり、洗浄工程の洗濯液の初期値としての精度を高めるなどの効果があり、検知の精度を高めることができる。これにより、より精度の高い汚れの判定ができ、汚れが少ない場合は洗濯時間を短くしたり、使用水量を少なくするなど、より無駄の少ない洗濯ができる。
なお、給水は、内槽25の内部に入ることなく洗濯液状態検知手段40に到達するとしたが、わずかに内槽25内に入り込む程度なら性能的に問題はない。内槽と外槽との隙間や内槽に設けた脱水穴などから、給水の飛沫や内槽25の外壁を流れた給水の一部が、内槽25内部にわずかに入り込む程度なら、問題ない。実質的には、内槽内に入った水が衣類等の洗濯物に保持され、滴らない程度なら効果が得られる。
また、洗濯液状態検知手段40は、取水口33に設置せず、排水経路36に設置した場合でも、内槽25の中に洗濯液が入る前に洗濯液の状態を検知することは可能であり、衣類からの汚れが溶け出す前の洗濯液の初期状態を精度よく検知することができる。
そして、洗濯液状態検知手段40を排水経路36に設置した場合は、外槽24内に溜まった洗濯液は、撹拌手段である内槽25の回転によって撹拌されるため、流動したり、波打ったり、泡が発生したりするが、洗濯液状態検知手段40は排水経路36の途中に設置することで、内槽25の回転が洗濯液状態検知手段40の検知に与える悪影響を少なくすることができる。排水経路36は、外槽24の取水部33からから経路の細く絞った形状であり、外槽24の洗濯液の流動の影響を受けにくく、排水経路36は流動の少ない状態となり、粒子や洗剤の泡等が入り込みにくく、検知精度の向上を図ることができる。
また、ドラム式洗濯機の例を示したが、図11の本発明の実施の形態3の洗濯機の他の形態の主要断面図に示すような縦型の洗濯機であっても、排水経路に洗濯液状態検知手段40を設け、内槽25と外槽24の間に洗剤投入部31を経由した給水経路32を接続することで、給水された水は内槽25の中に入る前に洗濯液状態検知手段40に到達するようになり、上記ドラム式洗濯機と同様の効果が得られる。
(実施の形態4)
図12は、本発明の第4の実施の形態の洗濯機の主要断面図である。基本的な構成は、図7および図11と同様の縦型の洗濯機であるが、内槽25と外槽24の間に給水する給水経路32に加え、内槽25の内部に直接給水する第2の給水経路51を備えている。
図12に示すように、第2の給水経路51を備えることで、洗濯液状態検知手段40の検知精度に影響しない給水時には、第2の給水経路51から衣類に対して給水を直接作用させることができる。洗浄時に衣類に直接給水すれば、衣類の濡れる速度を速めることができ洗浄性能の向上に寄与する。また、すすぎ時に衣類に直接給水した場合も、きれいな水が衣類に浸透する速度を速めることができ、すすぎ性能の向上に寄与する。このように、本発明の実施の形態1に示した検知精度をさらに高める効果と洗浄性能やすすぎ性能の両立を図ることができる。
また、すすぎ時に内槽25内部に直接給水できれば、内槽25に衣類を貼り付けて回転
させながら直接衣類に給水を当て、給水した水を衣類を通過させてすすぎを行う効率的なすすぎを行うことも可能となる。
なお、図12では循環ポンプ39なしの例を示したが、循環ポンプ39を設置した構造で第2の給水経路32を設けた場合でも、効果が得られることは言うまでもない。また、実施の形態1、2および3に示したドラム式洗濯機に、第2の給水経路32を設けた場合も同様の効果が得られる。
以上のように、本発明にかかる洗濯機は、洗濯液の汚れを精度よく検知することで、汚れに応じた最適な運転制御を行うことができ、衣類等を洗濯する洗濯機以外の洗浄機等にも適用できる。
21 筐体
24 外槽
25 内槽
30 給水弁
31 洗剤投入部
32 給水経路
36 排水経路
37 循環経路
39 制御手段
40 洗濯液状態検知手段
41 光センサ(洗濯液状態検知手段)
42 電極センサ(洗濯液状態検知手段)
46 制御手段
47 撹拌体
48 切換弁
51 第2の給水経路

Claims (9)

  1. 筐体と、前記筐体内に支持され洗濯液を貯める外槽と、衣類等の洗濯物を収容し前記外槽内に回転自在に設けられた内槽と、前記洗濯物を撹拌する撹拌手段と、洗剤を投入する洗剤投入部と、前記外槽への給水を制御する給水弁と、前記給水弁と接続され前記洗剤投入部を経由して前記外槽と前記内槽との間に給水する給水経路と、洗濯液の状態を検知する洗濯液状態検知手段とを備え、前記洗濯液状態検知手段は、前記内槽の最下点より下方に設けた洗濯機。
  2. 洗剤液状態検知手段は、給水経路から外槽に給水された洗濯液が内槽の内部に入る前に前記洗濯液状態検知手段に到達する位置に設けた請求項1記載の洗濯機。
  3. 外槽に溜まった洗濯液を吸い込んで再び前記外槽に戻す循環経路と、前記循環経路に洗濯液を強制的に循環させる循環ポンプとを備え、前記循環ポンプは、給水開始後に洗濯液状態検知手段に洗濯液が到達した後に、運転するようにした請求項1または2に記載の洗濯機。
  4. 撹拌手段は、給水開始後に洗濯液状態検知手段に洗濯液が到達した後に、運転するようにした請求項1〜3のいずれか1項に記載の洗濯機。
  5. 洗濯液状態検知手段は、洗濯液を機外に排出する排水経路に設けた請求項1〜4のいずれか1項に記載の洗濯機。
  6. 洗濯液状態検知手段は、内槽と対向しない位置に設けた請求項1〜5のいずれか1項に記載の洗濯機。
  7. 内槽の内部に直接給水する第2の給水経路を備えた請求項1〜6のいずれか1項に記載の洗濯機。
  8. 撹拌手段は、内槽の回転である請求項1〜7のいずれか1項に記載の洗濯機。
  9. 内槽の内底部に回転自在に撹拌体を備え、撹拌手段は、前記撹拌体の回転である請求項1〜7のいずれか1項に記載の洗濯機。
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