JP2011039169A - Tnモード液晶表示装置 - Google Patents

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【課題】高温環境下の耐熱性に優れ、画面横方向の視野角が広く、正面コントラストが高く、黒表示時の画面上下斜め方向の光漏れが小さく、表示品位に優れたTNモード液晶表示装置を提供する。
【解決手段】TNモード液晶セルと、その両面に配置された一対の複合偏光板と、一方の複合偏光板の外側に配置されたバックライトユニットとを備え、前記一対の複合偏光板はそれぞれ、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムに二色性色素が吸着配向している偏光子の片面に透明保護層が積層され、他面にオレフィン系樹脂からなる二軸性の位相差フィルムが積層されたものであり、その位相差フィルム側が前記液晶セルに向き合うように配置されており、前記バックライトユニットは、前記液晶セルに向き合う側を光出射面とする面光源と、その面光源の前記光出射面上に配置された2枚のプリズムシートとを備え、それら2枚のプリズムシートは、それぞれのプリズム方向が交差するように配置されているTNモード液晶表示装置。
【選択図】図2

Description

本発明は、TN(Twisted Nematic)モードの液晶セルを備え、視野角特性に優れるTNモード液晶表示装置に関する。
TNモードの液晶セルは、2枚の透明基板の間にネマチック液晶が封入され、電圧無印加状態では、そのネマチック液晶が2枚の透明基板の間で90°ねじれて配向しているものである。2枚の透明基板間に電圧を印加した状態では、そのネマチック液晶が基板法線方向に配向する。TNモードの液晶セルを備える液晶表示装置(以下、「TNモード液晶表示装置」と呼ぶこともある)では、このような電圧無印加時と電圧印加時の液晶の配向状態の変化を利用して、2枚の透明基板の外側に1対の偏光板を配置することにより光の透過と遮断を制御し、画像を表示するようにしている。このようにTNモードの液晶セルは構造が比較的単純であり、容易に製造できることから、TNモード液晶表示装置は、パーソナルコンピュータのモニターやテレビなどを中心に広く用いられている。
ところが、このTNモード液晶表示装置は、たとえば、斜め方向から画面を見ると、コントラストが急激に低下したり、輝度や色調の階調反転が生じたりするといった斜め方向の視野角特性に劣る欠点を有している。
そこで、このようなTNモード液晶表示装置の欠点を改善するための方策として、ディスコティック液晶を特定条件で配向させてなる光学補償フィルムを用いることが知られている。たとえば、特開平7−191217号公報(特許文献1)には、透明支持体上、具体的にはトリアセチルセルロースフィルム上に、ディスコティック液晶のような円盤状化合物を配向させることにより、光学的に負の一軸性でその光軸がフィルムの法線方向から5〜50°傾斜している光学異方素子(光学補償フィルム)とし、これを偏光素子と組み合わせて楕円偏光板とすることが開示されている。近年、このような種類の光学補償フィルムがTNモード液晶表示装置に多く用いられている。
一方、TNモード液晶表示装置では、画面法線方向の輝度を向上させ、画像を鮮明にするために、通常、バックライトユニットの光出射側に1枚または2枚のプリズムシートが用いられている。
たとえば、カランタル カリル監修,「液晶ディスプレイ用バックライト技術−液晶照明システムと部材料−」,株式会社シーエムシー出版,2006年8月31日 第1刷発行(非特許文献1)の「第6編 導光板材料と光学フィルム」「第2章 輝度向上フィルム」中、「3.1 レンズフィルム」の項(第204〜206頁)には、輝度上昇フィルム(プリズムシート)(この文献ではレンズフィルムとも呼ばれている)の代表例であるBEF(Brightness Enhancement Film)は、透明性に優れたポリエステルの表面にアクリル樹脂のプリズムパターンを均一に精密成形した光学フィルムであって、これをバックライト前面に直交2枚使用する例が示されている。
また、非特許文献1の「第6編 導光板材料と光学フィルム」「第3章 集光フィルム」中、「3 上向きプリズムシートを使用した従来方式エッジライト型バックライト」の項(第216〜218頁)にも、プリズムシートを2枚直交で配置する例が示され、「第7編 ディスプレイ用バックライト市場」「第2章 LCDバックライトユニット」中、「4 拡散・プリズム・反射フィルム」の項(第257〜258頁)にも、プリズムシートは一般に2枚を組み合わせて使われる旨記載されている。
ところで、前記特許文献1に記載されるような従来の光学補償フィルムは、トリアセチルセルロースフィルムを基材としているため、高温環境下の耐熱性が必ずしも十分でなかった。また、この光学補償フィルムとともに前記プリズムシートを用いたTNモードの液晶表示装置も、その輝度やコントラストなどの表示品位が、高度化する市場要求に十分対応できない場合があった。
特開平7−191217号公報
カランタル カリル監修,「液晶ディスプレイ用バックライト技術−液晶照明システムと部材料−」,株式会社シーエムシー出版,2006年8月31日 第1刷発行,第204〜206頁,第216〜218頁,第257〜258頁
本発明の課題は、高温環境下の耐熱性に優れ、画面横方向の視野角が広く、正面コントラストが高く、黒表示時の画面上下斜め方向の光漏れが小さく、表示品位に優れたTNモード液晶表示装置を提供することにある。
本発明者らは、かかる課題を解決するために鋭意研究を行った結果、偏光子と位相差フィルムを組み合わせた複合偏光板をTNモード液晶セルの両面に配置した液晶表示装置において、複合偏光板を、偏光子の片面に透明保護層が積層され、偏光子の他面にはオレフィン系樹脂からなる二軸性の位相差フィルムが積層された構成とすることで、薄型軽量化を図り、耐熱性を向上させるとともに画面横方向の視野角を改善し、さらにバックライトユニットを構成する面光源の光出射面上に2枚のプリズムシートをそのプリズム方向が交差するように配置することで、正面のコントラストを高めるとともに画面上下方向の光漏れも抑制できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明によれば、TNモード液晶セルと、その両面に配置された一対の複合偏光板と、一方の複合偏光板の外側に配置されたバックライトユニットとを備え、前記一対の複合偏光板はそれぞれ、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムに二色性色素が吸着配向している偏光子の片面に透明保護層が積層され、他面にオレフィン系樹脂からなる二軸性の位相差フィルムが積層されたものであり、その位相差フィルム側が前記液晶セルに向き合うように配置されており、前記バックライトユニットは、前記液晶セルに向き合う側を光出射面とする面光源と、その面光源の前記光出射面上に配置された2枚のプリズムシートとを備え、それら2枚のプリズムシートは、それぞれのプリズム方向が交差するように配置されているTNモード液晶表示装置が提供される。
このTNモード液晶表示装置において、2枚のプリズムシートは、それぞれのプリズム方向がほぼ直交するように配置されていることが好ましく、とりわけ、液晶セルをバックライトユニットとは反対側から見たときの長辺右側を0°として、一方のプリズムシートのプリズム方向がほぼ45°、そして他方のプリズムシートのプリズム方向がほぼ135°となるように配置されていることが好ましい。
また、このTNモード液晶表示装置は、複合偏光板を構成するオレフィン系樹脂からなる二軸性の位相差フィルムの面内位相差値をR0、厚み方向位相差値をRth、そして前記液晶セルの面内位相差値をRcとしたときに、次式(1)および(2)を満たすことが好ましい。
0.13<R0/Rc≦0.34 (1)
0.17≦Rth/Rc<0.54 (2)
本発明のTNモード液晶表示装置は、TNモード液晶セルの両面に配置される複合偏光板が薄型軽量化されるとともに、耐熱性に優れ、また画面横方向の視野角が改善されたものとなる。さらに、バックライトユニット中に2枚のプリズムシートをそれぞれのプリズム方向が交差するように配置することにより、高い正面コントラストを与え、かつ黒表示時に画面の上下斜め方向から見たときの輝度が低くなる、すなわち「黒が沈む」と表現されるような優れた表示品位を有するものとなる。
本発明において好ましく用いられる一例の複合偏光板1を模式的に示す断面図である。 本発明の好ましい一例のTNモード液晶表示装置11における基本的な層構成および好ましい軸角度の関係を模式的に示す分解斜視図である。 本発明に好適に用いられ得る、三角プリズムが形成されたプリズムシート21の一例を模式的に示す斜視図である。 図4(a)は、2枚のプリズムシート22,23と面光源24の関係を、各層を離間して模式的に示す斜視図であり、図4(b)は、2枚のプリズムシート22,23の好ましいプリズム方向の関係を表す、バックライトユニットとは反対側(視認者側)から見た正面図である。 エッジライト型面光源32を用いたバックライトユニットを備える例のTNモード液晶表示装置31を模式的に示す断面図である。 直下型面光源42を用いたバックライトユニットを備える例のTNモード液晶表示装置41を模式的に示す断面図である。 実施例において測定した横方向のコントラスト視野角を説明するための液晶パネルの断面模式図である。
以下、本発明の実施の形態を詳しく説明する。本発明の液晶表示装置は、TNモード液晶セルと、その両面に配置された一対の複合偏光板と、一方の複合偏光板の外側に配置されたバックライトユニットとを備え、このバックライトユニットは、その中にそれぞれのプリズム方向が交差するように配置された2枚のプリズムシートを備えるものである。
[TNモード液晶セル]
本発明では、TNモードの液晶セルを対象とする。TNモード液晶セルとは、先にも述べたとおり、2枚の透明基板の間にネマチック液晶が封入され、電圧無印加状態では、そのネマチック液晶が2枚の透明基板の間で90°ねじれて配向しているものである。2枚の基板間に電圧を印加した状態では、そのネマチック液晶が基板法線方向に配向する。このような電圧無印加時と電圧印加時の液晶の配向状態の変化を利用して、2枚の透明基板の外側に配置された1対の偏光板により光の透過と遮断を制御し、画像を表示するようになっている。液晶セルの両面に偏光板ないし複合偏光板が配置されたものは、液晶パネルと呼ばれる。本発明において、液晶セルの面内位相差値(Rc)は、基板間に電圧を印加しない状態で、300〜600nmの範囲にあることが好ましく、400〜500nm、さらには400〜470nmの範囲にあることが一層好ましい。
[複合偏光板]
TNモード液晶セルの両面には、複合偏光板が配置される。図1は、本発明において好ましく用いられる一例の複合偏光板1を模式的に示す断面図である。本発明において好ましく用いられる複合偏光板1は、図1に示すように、偏光子2の片面に透明保護層3が積層され、偏光子2の他面には二軸性の位相差フィルム4が積層されて、複合偏光板1が構成されている。図1に示す例の複合偏光板1の場合、その位相差フィルム4側が前記液晶セルに向き合うように配置される。
偏光子2は、互いに面内で直交する吸収軸と透過軸を有し、また位相差フィルム4は、やはり互いに面内で直交する遅相軸(面内で屈折率が最大の方向)と進相軸(面内で屈折率が最小の方向)を有する。偏光子2と位相差フィルム4とは、偏光子2の吸収軸と位相差フィルム4の遅相軸とがほぼ平行またはほぼ直交となるように積層されるが、後述のように位相差フィルムを横延伸倍率が大きい二軸延伸で作製する場合は、ロール・ツー・ロール貼合が可能であることから、偏光子2の吸収軸と位相差フィルム4の遅相軸とがほぼ直交するように配置することが好ましい。ここで、ほぼ直交とかほぼ平行とかいうときの「ほぼ」は、そこに記載の関係(直交または平行)が最も好ましいが、±10°程度までのずれは許容されることを意味する。この角度のずれは、±5°以内、さらには±2°以内であることがより好ましい。
(偏光子)
偏光子2は、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムに二色性色素が吸着配向しているものである。これにより、ある方向の振動面を有する直線偏光を吸収し、それと直交する方向の振動面を有する直線偏光を透過する機能が付与される。偏光子2を構成するポリビニルアルコール系樹脂は、ポリ酢酸ビニルのケン化物であることが好ましいが、そのほか、酢酸ビニルとこれに共重合可能な単量体との共重合体のケン化物であってもよい。また二色性色素としては、ヨウ素や二色性有機染料が用いられる。通常、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムの一軸延伸、二色性色素による染色、および染色後のホウ酸処理により、このような偏光子を得ることができる。このようにして作製される偏光子では、その延伸方向に二色性色素の分子が配向し、したがってその方向が吸収軸となる。
(透明保護層)
偏光子2の片面に配置される透明保護層3は、たとえば、従来から偏光子の保護層として一般的に用いられているトリアセチルセルロースやジアセチルセルロースに代表されるアセチルセルロース系樹脂のフィルムで構成するのが有利であるが、その他、ノルボルネン系樹脂に代表される環状オレフィン系樹脂のフィルムや、ポリプロピレン系樹脂のフィルム、アクリル系樹脂のフィルム、ポリエチレンテレフタレート系樹脂のフィルムなどで構成してもよい。ポリエチレンテレフタレート系樹脂フィルムを透明保護層3として用いれば、液晶パネルの薄肉化に対応することができる。
ポリエチレンテレフタレートとは、繰り返し単位の80モル%以上がエチレンテレフタレートで構成される樹脂である。他の共重合成分として、たとえば、イソフタル酸、4,4’−ジカルボキシジフェニル、4,4’−ジカルボキシベンゾフェノン、ビス(4−カルボキシフェニル)エタン、アジピン酸、セバシン酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、1,4−ジカルボキシシクロヘキサンなどのジカルボン酸成分、またたとえば、プロピレングリコール、ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコール、シクロヘキサンジオール、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコールなどのジオール成分が挙げられる。これらのジカルボン酸成分やジオール成分は、必要により2種以上を組み合わせて用いることができる。また、p−ヒドロキシ安息香酸やp−β−ヒドロキシエトキシ安息香酸などのヒドロキシカルボン酸を併用することも可能である。このような他の共重合成分は、少量のアミド結合、ウレタン結合、エーテル結合、カーボネート結合などを含有する化合物を含んでいてもよい。
ポリエチレンテレフタレートフィルムを透明保護層3とする場合、一軸延伸なり二軸延伸なりの延伸が施されているものが好ましく、中でも、生産性や強度の面から二軸延伸品が好ましく用いられる。
ポリエチレンテレフタレートフィルムには、易接着層が付与されていてもよい。易接着層を構成する成分は、たとえば、極性基を骨格に有し、比較的低分子量で、ガラス転移温度も比較的低い、ポリエステル系樹脂、ウレタン系樹脂、アクリル系樹脂などであることができる。また必要に応じて、架橋剤、有機または無機のフィラー、界面活性剤、滑剤などを含有することもできる。ポリエチレンテレフタレートフィルムに易接着層を形成するには、たとえば、すべての延伸工程が終了したフィルムに易接着層を形成する方法、ポリエチレンテレフタレートフィルムを延伸している工程中、すなわち縦延伸工程と横延伸工程との間に易接着層を形成する方法、偏光子に接着される直前または接着された後に易接着層を形成する方法などが採用できる。二軸延伸フィルムとする場合は、生産性の観点から、ポリエチレンテレフタレートフィルムを縦延伸した後に易接着層を形成し、引き続き横延伸する方法が好ましく採用される。易接着層は、ポリエチレンテレフタレートフィルムの両面に形成することもできるし、接着剤を介してポリビニルアルコール系樹脂からなる偏光子と接着される片面にのみ形成することもできる。
透明保護層3における偏光子2と貼着する面と反対側の面には、防眩処理、ハードコート処理、帯電防止処理のような表面処理が施されていてもよい。また、液晶性化合物やその高分子量体などからなるコート層が形成されていてもよい。透明保護層3は、その厚さを20〜100μm程度とすることができる。
(位相差フィルム)
偏光子2の透明保護層3が形成される面と反対側の面には、オレフィン系樹脂からなる二軸性の位相差フィルム4が貼合される。この位相差フィルム4は、オレフィン系樹脂フィルムの延伸により得ることができる。オレフィン系樹脂フィルムとは、たとえば、エチレンやプロピレンのような鎖状オレフィンモノマー、あるいはノルボルネンやテトラシクロドデセン(別名:ジメタノオクタヒドロナフタレン)、それらの誘導体のような環状オレフィンモノマーを、重合用触媒を用いて重合して得られる樹脂からなるフィルムである。本発明で特に好ましく用いられるものは環状オレフィン系樹脂である。ここでいう環状オレフィン系樹脂とは、一般に、非晶性ポリオレフィン系樹脂、脂環式ポリオレフィン系樹脂、ノルボルネン系樹脂などとも称されるものである。本明細書では、環状オレフィン系樹脂という語で統一する。
環状オレフィン系樹脂としては、たとえば、上述のとおり、ノルボルネンまたはその誘導体をモノマーとして開環メタセシス重合を行い、それに続く水添によって得られる樹脂;テトラシクロドデセン(別名:ジメタノオクタヒドロナフタレン)またはその誘導体をモノマーとして開環メタセシス重合を行い、それに続く水添によって得られる樹脂;ノルボルネン、テトラシクロドデセン、それらの誘導体などからなる環状オレフィンモノマーを2種類以上用いて同様に開環メタセシス共重合を行い、それに続く水添によって得られる共重合樹脂;上記の如き環状オレフィンモノマーとビニル基を有する脂肪族または芳香族化合物を付加重合により共重合させて得られる樹脂などが挙げられる。
このような環状オレフィン系樹脂は、市販品を容易に入手することが可能であり、たとえば、それぞれ商品名で、Topas(Topas Advanced Polymers GmbH製)、アートン(JSR(株)製)、ゼオノア(日本ゼオン(株)製)、ゼオネックス(日本ゼオン(株)製)、アペル(三井化学(株)製)などが挙げられる。
環状オレフィン系樹脂フィルムは、環状オレフィン系樹脂をフィルム状に成形することにより得ることができる。樹脂をフィルム状に成形する方法は特に制約されず、公知の成形法、たとえば、加熱溶融成形法、溶液流延法のいずれも採用することができるが、フィルム中に残存する揮発性成分を低減させる観点から、加熱溶融成形法、中でも、溶融押出成形法が好ましく採用される。
溶融押出成形の条件は、用いる樹脂の性状や製造装置に応じて適宜選択されるものであり、特に制限されないが、たとえば、シリンダー温度を100〜600℃とするのが好ましく、150〜350℃とするのがより好ましい。
オレフィン系樹脂フィルムを製造する際には、本発明の目的を阻害しない範囲で、添加剤を配合することができる。配合しうる添加剤として、たとえば、可塑剤や劣化防止剤などが挙げられる。可塑剤は、フィルムの機械的物性を改良するため、または乾燥速度を向上させるために添加される。具体的な可塑剤の例には、リン酸エステルやカルボン酸エステルなどがある。
可塑剤となるリン酸エステルとしては、たとえば、トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェートなどが挙げられる。また可塑剤となるカルボン酸エステルとしては、たとえば、ジメチルフタレート、ジエチルフタレート、ジブチルフタレート、ジオクチルフタレート、ジフェニルフタレートのようなフタル酸エステル;o−アセチルクエン酸トリエチル、o−アセチルクエン酸トリブチルのようなクエン酸エステル;オレイン酸ブチル、リシノール酸メチルアセチル、セバシン酸ジブチルのような高級脂肪酸エステル;トリメリット酸エステルなどが挙げられる。
劣化防止剤としては、たとえば、酸化防止剤、過酸化物分解剤、ラジカル重合禁止剤、金属不活性化剤、酸捕獲剤、アミン類などが挙げられる。具体的な劣化防止剤には、特開平3−199201号公報、特開平5−1907073号公報、特開平5−194789号公報、特開平5−271471号公報、特開平6−107854号公報などに記載されるものがある。
これら添加剤の配合量は、オレフィン系樹脂に対して、通常、0〜20重量%であり、0〜10重量%が好ましく、0〜5重量%がより好ましい。
オレフィン系樹脂を用いて作製した未延伸フィルムは、その縦方向(MD)および幅方向(TD)への延伸を逐次または同時に行うことにより、二軸性の位相差フィルムとすることができる。この際の延伸主軸、すなわち延伸倍率が大きくなる方向は、縦方向としても幅方向としてもよいが、延伸主軸を幅方向とすれば、長尺でありながら広幅の位相差フィルムを得ることができる。
未延伸フィルムを延伸するときの温度は、オレフィン系樹脂のガラス転移温度をTgとして、好ましくはTg−30℃からTg+60℃の範囲、より好ましくはTg−10℃からTg+50℃の範囲である。また延伸倍率は、たとえば、縦方向および幅方向のそれぞれについて、1.01〜30倍、好ましくは1.01〜10倍、より好ましくは1.01〜5倍の範囲から選択し、かつ延伸主軸(好ましくは上述のとおり幅方向)の延伸倍率がそれと直交する方向の延伸倍率よりも大きくなるようにすればよい。
オレフィン系樹脂フィルムからなる位相差フィルムは、市販品を容易に入手することが可能であり、環状オレフィン系樹脂フィルムの例で示せば、それぞれ商品名で、ゼオノアフィルム(日本ゼオン(株)製)、アートンフィルム(JSR(株)製)、エスシーナ位相差フィルム(積水化学工業(株)製)などが挙げられる。
位相差フィルム4の位相差値について説明する。フィルムの面内遅相軸方向の屈折率をnx、面内進相軸方向(面内で遅相軸と直交する方向)の屈折率をny、厚み方向の屈折率をnz、そして厚みをdとしたとき、面内位相差値R0、厚み方向の位相差値Rth、およびNz係数は、それぞれ下式(I)、(II)および(III)で定義される。
0=(nx−ny)×d (I)
th=〔(nx+ny)/2−nz〕×d (II)
z=(nx−nz)/(nx−ny) (III)
さらに、これらの式(I)、(II)および(III)から、Nz係数と面内位相差値R0および厚み方向の位相差値Rthとの関係は、次の式(IV)で表すことができる。
z=Rth/R0+0.5 (IV)
本発明では、TNモード液晶セルの位相差を補償し、特に画面横方向の視野角を拡大する観点から、位相差フィルム4として二軸性のものを用いる。ここで、二軸性とは、上で定義した三軸方向の屈折率nx、nyおよびnzが、nx>ny>nzの関係を満たすことをいう。位相差フィルム4の面内位相差値R0は、40〜150nmの範囲にあることが好ましく、60〜130nmの範囲がより好ましい。また厚み方向の位相差値Rthは、50〜250nmの範囲にあることが好ましく、100〜200nmの範囲がより好ましい。さらにNz係数は、このフィルムが二軸性であることから1を超える値をとるが、一般には7程度までであり、とりわけ、1.5〜4の範囲にあることが好ましい。
オレフィン系樹脂からなる位相差フィルム4の厚みは、得られる延伸フィルムの使用目的などに応じて適宜決定されるものであり、特に制限されないが、通常、10〜100μm程度であり、20〜80μmの範囲が好ましい。厚みを10μm未満にしようとすると、安定した延伸処理による均質な延伸が得られにくくなる傾向にあり、またハンドリング性の低下などを生じるおそれもある。
またこの位相差フィルムは、その残留揮発性成分量を1000重量ppm以下とすることが好ましく、500重量ppm以下、さらには200重量ppm以下とすることがより好ましい。残留揮発性成分量が1000重量ppmを超えると、使用時にその揮発性成分が外部に放出されて位相差フィルムに寸法変化が生じ、内部応力を発生する。そのため、このような残留揮発性成分が多く残っている位相差フィルムから複合偏光板を作製し、液晶表示装置に適用した場合には、黒表示が部分的に薄くなる(白っぽく見える)などの表示ムラを生じることがある。揮発性成分含有量が前記範囲にある位相差フィルムを用いれば、液晶表示装置を長期間使用しても表示ムラが発生しないなど、光学特性の安定性に優れる。
この位相差フィルムはまた、その飽和吸水率が0.01重量%以下であることが好ましい。飽和吸水率が0.01重量%を超えると、使用環境によっては位相差フィルムに寸法変化が生じ、内部応力を発生することがある。そのため、このような飽和給水率の高い位相差フィルムから複合偏光板を作製し、液晶表示装置に適用した場合には、黒表示が部分的に薄くなる(白っぽく見える)などの表示ムラを生じることがある。飽和吸水率が前記範囲にある位相差フィルムを用いれば、液晶表示装置を長期間使用しても表示ムラが発生しないなど、光学特性の安定性に優れる。
オレフィン系樹脂フィルムからなる位相差フィルム4を偏光子2に接着するにあたり、両者の軸関係は、目的とする液晶表示装置の視野角特性や色変化特性を考慮したうえで最適なものを選べばよい。TNモードの液晶セルに対しては、位相差フィルム4の遅相軸と偏光子2の吸収軸とが、ほぼ平行またはほぼ直交の関係となるように配置することが多い。ここで、ほぼ平行またはほぼ直交というときの「ほぼ」は、そこに記載の関係(この場合、平行または直交)が最も好ましいが、それを中心に±10°程度までのずれは許容されることを意味する。この角度のずれは、好ましくは±5°以内、さらに好ましくは±2°以内である。
(偏光子と透明保護層および位相差フィルムとの接着)
偏光子2と透明保護層3との接着、また偏光子2とオレフィン系樹脂からなる位相差フィルム4との接着には、たとえば、エポキシ系樹脂、ウレタン系樹脂、シアノアクリレート系樹脂、アクリルアミド系樹脂などを成分とする接着剤を用いることができ、これらいずれを用いても良好な接着力が得られる。接着剤層を薄くする観点から好ましい接着剤として、無溶剤型の接着剤、具体的には、接着作用を示すモノマーまたはオリゴマーがそれ自身液体であり、加熱や活性エネルギー線の照射により当該モノマーまたはオリゴマーが反応硬化して接着剤層を形成するものが挙げられる。
無溶剤型の接着剤について説明する。無溶剤型の接着剤とは、有意量の溶剤を含まず、一般には、加熱や活性エネルギー線の照射により重合する硬化性の化合物と、重合開始剤とを含んで構成される。反応性の観点からは、カチオン重合で硬化するものが好ましく、特にエポキシ系の接着剤が好ましく用いられる。
そこで、偏光子2と透明保護層3、また偏光子2とオレフィン系樹脂からなる位相差フィルム4とが、無溶剤型のエポキシ系接着剤で接着されている形態が、好ましいものとして挙げられる。この接着剤は、加熱または活性エネルギー線の照射によるカチオン重合で硬化するものであることがより好ましい。特に耐候性や屈折率などの観点から、分子内に芳香環を含まないエポキシ化合物が、硬化性の化合物として好適に用いられる。分子内に芳香環を含まないエポキシ化合物を用いた接着剤は、たとえば、特開2004−245925号公報や特開2008−257199号公報に記載されている。このような芳香環を含まないエポキシ化合物として、芳香族エポキシ化合物の水素化物、脂環式エポキシ化合物、脂肪族エポキシ化合物などが例示できる。接着剤に用いる硬化性のエポキシ化合物は、通常、分子中にエポキシ基を2個以上有している。
芳香族エポキシ化合物の水素化物は、芳香族エポキシ化合物の原料である芳香族ポリヒドロキシ化合物を、触媒の存在下、加圧下で芳香環に選択的に水素化反応を行うことにより得られる核水添ポリヒドロキシ化合物をグリシジルエーテル化したものであることができる。芳香族エポキシ化合物の原料である芳香族ポリヒドロキシ化合物としては、たとえば、ビスフェノールA、ビスフェールF、ビスフェノールSのようなビスフェノール類;フェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、ヒドロキシベンズアルデヒドフェノールノボラック樹脂のようなノボラック型の樹脂;テトラヒドロキシジフェニルメタン、テトラヒドロキシベンゾフェノン、ポリビニルフェノールのような多官能型の化合物などが挙げられる。このような芳香族ポリヒドロキシ化合物の水素化物にエピクロロヒドリンを反応させることにより、グリシジルエーテル化することができる。芳香族エポキシ化合物の水素化物の中でも好ましいものとして、水素化されたビスフェノールAのジグリシジルエーテルが挙げられる。
脂環式エポキシ化合物は、以下の式に示すとおり、脂環式環に直接結合したエポキシ基(−O−)を分子内に少なくとも1個有する化合物であり、ここにmは2〜5の整数を表す。
Figure 2011039169
この式における(CH2m中の水素原子を1個または複数個取り除いた形の基が他の化学構造に結合した化合物が、脂環式エポキシ化合物となりうる。また、脂環式環を形成する水素がメチル基やエチル基などの直鎖状アルキル基で適宜置換されていてもよい。中でも、エポキシシクロペンタン環(上式においてm=3のもの)や、エポキシシクロヘキサン環(上式においてm=4のもの)を有する化合物を用いることが好ましい。脂環式エポキシ化合物の具体例として、次のようなものを挙げることができる。
・3,4−エポキシシクロヘキシルメチル 3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート
・3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチル 3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキサンカルボキシレート
・エチレンビス(3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート)
・ビス(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル) アジペート
・ビス(3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチル) アジペート
・ジエチレングリコールビス(3,4−エポキシシクロヘキシルメチルエーテル)
・エチレングリコールビス(3,4−エポキシシクロヘキシルメチルエーテル)
・2,3,14,15−ジエポキシ−7,11,18,21−テトラオキサトリスピロ−[5.2.2.5.2.2]ヘンイコサン(3,4−エポキシシクロヘキサンスピロ−2',6'−ジオキサンスピロ−3’',5’'−ジオキサンスピロ−3’’’,4’’’−エポキシシクロヘキサンとも命名できる化合物)
・4−(3,4−エポキシシクロヘキシル)−2,6−ジオキサ−8,9−エポキシスピロ[5.5]ウンデカン
・4−ビニルシクロヘキセンジオキサイド
・1,2:8,9−ジエポキシリモネン
・ビス−2,3−エポキシシクロペンチルエーテル
・ジシクロペンタジエンジオキサイド
脂肪族エポキシ化合物は、脂肪族多価アルコールまたはそのアルキレンオキサイド付加物のポリグリシジルエーテルであることができる。たとえば、1,4−ブタンジオールのジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールのジグリシジルエーテル、グリセリンのトリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンのトリグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールのジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールのジグリシジルエーテル、エチレングリコールやポリプロピレングリコール、グリセリンのような脂肪族多価アルコールに、アルキレンオキサイド(エチレンオキサイドやプロピレンオキサイド)を付加することにより得られるポリエーテルポリオールのポリグリシジルエーテルなどが挙げられる。
ここに例示したエポキシ化合物は、それぞれ単独で用いられてもよいし、異なる複数種が併用されてもよい。
無溶剤型の接着剤に用いるエポキシ化合物は、エポキシ当量が通常30〜3000g/当量であり、とりわけ50〜1500g/当量の範囲のエポキシ当量を有することが好ましい。エポキシ当量が30g/当量未満であると、硬化後の複合偏光板の可撓性が低下したり、接着強度が低下したりする可能性がある。一方、エポキシ当量が3000g/当量を超えると、他の成分との相溶性が低下する可能性がある。
エポキシ化合物をカチオン重合で硬化させるためには、カチオン重合開始剤が配合される。カチオン重合開始剤は、可視光線、紫外線、X線、電子線のような活性エネルギー線の照射または加熱により、カチオン種またはルイス酸を発生し、エポキシ基の重合反応を開始する。
以下、光カチオン重合開始剤について説明する。光カチオン重合開始剤を使用すると、常温での硬化が可能となり、偏光子の耐熱性あるいは膨張による歪を考慮する必要が減少し、偏光子と透明保護層および位相差フィルムとを良好に接着することができる。また、光カチオン重合開始剤は光で触媒的に作用するため、エポキシ化合物に混合しても保存安定性や作業性に優れる。活性エネルギー線の照射によりカチオン種やルイス酸を生じる化合物としては、たとえば、芳香族ジアゾニウム塩;芳香族ヨードニウム塩や芳香族スルホニウム塩のようなオニウム塩;鉄−アレン錯体などを挙げることができる。中でも芳香族スルホニウム塩は、300nm付近の波長領域で紫外線吸収特性を示すことから、硬化性に優れ、良好な機械強度や接着強度を有する硬化物を与えることができるため、好ましく用いられる。
これらの光カチオン重合開始剤は、市販品を容易に入手でき、たとえば、それぞれ商品名で、カヤラッドPCI−220(日本化薬(株)製)、カヤラッドPCI−620(日本化薬(株)製)、UVI−6990(ユニオンカーバイド社製)、アデカオプトマーSP−150((株)ADEKA製)、アデカオプトマーSP−170((株)ADEKA製)、CI−5102(日本曹達(株)製)、CIT−1370(日本曹達(株)製)、CIT−1682(日本曹達(株)製)、CIP−1866S(日本曹達(株)製)、CIP−2048S(日本曹達(株)製)、CIP−2064S(日本曹達(株)製)、DPI−101(みどり化学(株)製)、DPI−102(みどり化学(株)製)、DPI−103(みどり化学(株)製)、DPI−105(みどり化学(株)製)、MPI−103(みどり化学(株)製)、MPI−105(みどり化学(株)製)、BBI−101(みどり化学(株)製)、BBI−102(みどり化学(株)製)、BBI−103(みどり化学(株)製)、BBI−105(みどり化学(株)製)、TPS−101(みどり化学(株)製)、TPS−102(みどり化学(株)製)、TPS−103(みどり化学(株)製)、TPS−105(みどり化学(株)製)、MDS−103(みどり化学(株)製)、MDS−105(みどり化学(株)製)、DTS−102(みどり化学(株)製)、DTS−103(みどり化学(株)製)、PI−2074(ローディア社製)などが挙げられる。
光カチオン重合開始剤の配合量は、エポキシ化合物100重量部に対して、通常0.5〜20重量部であり、好ましくは1重量部以上、また好ましくは15重量部以下である。
さらに、必要に応じて光増感剤を併用することができる。光増感剤を用いることで、反応性が向上し、硬化物の機械強度や接着強度を向上させることができる。光増感剤としてはたとえば、カルボニル化合物、有機硫黄化合物、過硫化物、レドックス系化合物、アゾおよびジアゾ化合物、ハロゲン化合物、光還元性色素などが挙げられる。光増感剤を配合する場合、その量は、光カチオン重合性エポキシ樹脂組成物全体を100重量部として、通常0.1〜20重量部程度である。
次に、熱カチオン重合開始剤について説明する。加熱によりカチオン種またはルイス酸を発生する化合物としては、ベンジルスルホニウム塩、チオフェニウム塩、チオラニウム塩、ベンジルアンモニウム、ピリジニウム塩、ヒドラジニウム塩、カルボン酸エステル、スルホン酸エステル、アミンイミドなどが挙げられる。熱カチオン重合開始剤も市販品を容易に入手でき、たとえばいずれも商品名で、アデカオプトンCP77((株)ADEKA製)、アデカオプトンCP66((株)ADEKA製)、CI−2639(日本曹達(株)製)、CI−2624(日本曹達(株)製)、サンエイドSI−60L(三新化学工業(株)製)、サンエイドSI−80L(三新化学工業(株)製)、サンエイドSI−100L(三新化学工業(株)製)などが挙げられる。
エポキシ化合物を硬化させて接着剤層を形成するにあたり、光カチオン重合と熱カチオン重合を併用することもできる。
エポキシ系接着剤は、さらにオキセタン類やポリオール類など、カチオン重合を促進する化合物を含有してもよい。
以上のようなエポキシ系を包含する硬化型の接着剤を用いて、偏光子と透明保護層、また偏光子と位相差フィルムを接着する場合、通常は、被接着面の少なくとも一方に、この接着剤を塗工し、その接着剤塗工層を介して、接着される2枚のフィルムを貼合し、接着剤を硬化させる方法が採用される。偏光子の両面から透明保護層および位相差フィルムを同時に貼合し、同時に硬化させることもできる。被接着面に接着剤を塗工するには、たとえば、ドクターブレード、ワイヤーバー、ダイコーター、カンマコーター、グラビアコーターなど、種々の塗工方式が採用できる。また、各塗工方式には最適な粘度範囲があるため、少量の溶剤を用いて粘度調整を行ってもよい。このための溶剤は、偏光子の光学性能を低下させずに、エポキシ系接着剤を良好に溶解するものであればよく、たとえば、トルエンに代表される炭化水素類、酢酸エチルに代表されるエステル類などの有機溶剤が用いられる。無溶剤型のエポキシ系接着剤を用いる場合、接着剤層の厚さは、通常50μm以下、好ましくは20μm以下、さらに好ましくは10μm以下であり、また通常は1μm以上である。
未硬化の接着剤層を介して偏光子に透明保護層および/または位相差フィルムを貼合した後は、活性エネルギー線を照射するか、または加熱することにより、エポキシ系接着剤層を硬化させ、透明保護層および/または位相差フィルムを偏光子上に固着させる。偏光子への透明保護層の接着と位相差フィルムの接着とを別々に行う場合は、これらの操作が繰り返される。活性エネルギー線の照射により硬化させる場合、好ましくは紫外線が用いられる。具体的な紫外線光源としては、低圧水銀灯、中圧水銀灯、高圧水銀灯、ブラックライトランプ、メタルハライドランプなどを挙げることができる。活性エネルギー線、特に紫外線の照射強度や照射量は、重合開始剤を十分に活性化させ、かつ硬化後の接着剤層や、偏光子、透明保護層および位相差フィルムに悪影響を与えないように適宜選択すればよい。また加熱により硬化させる場合は、一般的に知られた方法で加熱することができ、そのときの温度や時間も、重合開始剤を十分に活性化させ、かつ硬化後の接着剤層や、偏光子、透明保護層および位相差フィルムに悪影響を与えないように適宜選択すればよい。
本発明において用いることができる別の好ましい接着剤として、水系の接着剤、すなわち、接着剤成分を水に溶解したもの、または接着剤成分を水に分散させたものを挙げることができる。水系の接着剤を用いると、接着剤層の厚みをより小さくすることができる。水系の接着剤としては、たとえば、水溶性の架橋性エポキシ樹脂、あるいは水溶性のウレタン系樹脂などを接着剤成分とするものを挙げることができる。
水溶性の架橋性エポキシ樹脂としては、たとえば、ジエチレントリアミンやトリエチレンテトラミンのようなポリアルキレンポリアミンと、アジピン酸のようなジカルボン酸との反応で得られるポリアミドポリアミンに、エピクロロヒドリンを反応させて得られるポリアミドエポキシ樹脂を挙げることができる。このようなポリアミドエポキシ樹脂の市販品としては、スミレーズレジン650(住化ケムテックス(株)から販売)、スミレーズレジン675(住化ケムテックス(株)から販売)などがある。
接着剤成分として水溶性の架橋性エポキシ樹脂を用いる場合は、さらに塗工性と接着性を向上させるために、ポリビニルアルコール系樹脂などの他の水溶性樹脂を混合するのが好ましい。ポリビニルアルコール系樹脂は、部分ケン化ポリビニルアルコールや完全ケン化ポリビニルアルコールのほか、カルボキシル基変性ポリビニルアルコール、アセトアセチル基変性ポリビニルアルコール、メチロール基変性ポリビニルアルコール、アミノ基変性ポリビニルアルコールのような、変性されたポリビニルアルコール系樹脂であってもよい。中でも、酢酸ビニルと不飽和カルボン酸またはその塩との共重合体のケン化物、すなわち、カルボキシル基変性ポリビニルアルコールが好ましく用いられる。なお、ここでいう「カルボキシル基」とは、−COOHおよびその塩を含む概念である。
市販されている好適なカルボキシル基変性ポリビニルアルコールとして、たとえば、クラレポバール KL−506((株)クラレから販売)、クラレポバール KL−318((株)クラレから販売)、クラレポバール KL−118((株)クラレから販売)、ゴーセナール T−330(日本合成化学工業(株)から販売)、ゴーセナール T−350(日本合成化学工業(株)から販売)、DR−0415(電気化学工業(株)から販売)、AF−17(日本酢ビ・ポバール(株)から販売)、AT−17(日本酢ビ・ポバール(株)から販売)、AP−17(日本酢ビ・ポバール(株)から販売)などが挙げられる。
水溶性の架橋性エポキシ樹脂を含む接着剤は、上記エポキシ樹脂および必要に応じて加えられるポリビニルアルコール系樹脂などの他の水溶性樹脂を水に溶解し、接着剤溶液として調製することができる。この場合、水溶性の架橋性エポキシ樹脂は、水100重量部に対して、0.2〜2重量部程度の範囲の濃度とするのが好ましい。また、ポリビニルアルコール系樹脂を配合する場合、その量は、水100重量部に対して、1〜10重量部程度、さらには1〜5重量部程度とするのが好ましい。
一方、ウレタン系樹脂を含む水系の接着剤を用いる場合、適当なウレタン樹脂の例として、アイオノマー型のウレタン樹脂、特にポリエステル系アイオノマー型ウレタン樹脂を挙げることができる。ここで、アイオノマー型とは、骨格を構成するウレタン樹脂中に、少量のイオン性成分(親水成分)が導入されたものである。また、ポリエステル系アイオノマー型ウレタン樹脂とは、ポリエステル骨格を有するウレタン樹脂であって、その中に少量のイオン性成分(親水成分)が導入されたものである。かかるアイオノマー型ウレタン樹脂は、乳化剤を使用せずに直接、水中で乳化してエマルジョンとなるため、水系の接着剤として好適である。ポリエステル系アイオノマー型ウレタン樹脂の市販品として、たとえば、ハイドラン AP−20(DIC(株)から販売)、ハイドラン APX−101H(DIC(株)から販売)などがあり、それぞれエマルジョンの形で入手できる。
アイオノマー型のウレタン樹脂を接着剤成分とする場合、さらにイソシアネート系などの架橋剤を配合することが好ましい。イソシアネート系架橋剤は、分子内にイソシアナト基(−NCO)を少なくとも2個有する化合物であり、その例としては、2,4−トリレンジイソシアネート、フェニレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネートのようなポリイソシアネート単量体のほか、それらの複数分子がトリメチロールプロパンのような多価アルコールに付加したアダクト体、ジイソシアネート3分子がそれぞれの片末端イソシアナト基の部分でイソシアヌレート環を形成した3官能のイソシアヌレート体、ジイソシアネート3分子がそれぞれの片末端イソシアナト基の部分で水和・脱炭酸して形成されるビュレット体のようなポリイソシアネート変性体などがある。好適に使用し得る市販のイソシアネート系架橋剤として、たとえば、ハイドランアシスター C−1(DIC(株)から販売)などが挙げられる。
アイオノマー型のウレタン樹脂を含む水系接着剤を用いる場合は、粘度と接着性の観点から、そのウレタン樹脂の濃度が10〜70重量%程度、さらには20重量%以上、また50重量%以下となるように、水中に溶解または分散させたものが好ましい。イソシアネート系架橋剤を配合する場合、その配合量は、ウレタン系樹脂100重量部に対してイソシアネート系架橋剤が5〜100重量部程度となるように適宜選択される。
上記水系の接着剤を用いる場合において、偏光子と透明保護層との接着、また偏光子と位相差フィルムとの接着は、その接着剤を被接着物の接着面の少なくとも一方に塗布し、両者を貼り合わせることにより行うことができる。より具体的には、接着面に水系の接着剤を、たとえば、ドクターブレード、ワイヤーバー、ダイコーター、カンマコーター、グラビアコーターなどの塗工方式で均一に塗布した後、その塗布面にもう一方のフィルムを重ねてロールなどにより貼合し、乾燥する方法などが挙げられる。乾燥は、たとえば、60〜100℃程度の温度で行うことができる。接着性をより高めるために、乾燥後、室温よりやや高い温度、たとえば30〜50℃程度の温度で1〜10日間程度養生することが好ましい。
なお、偏光子2と透明保護層3との接着、ならびに、偏光子2と位相差フィルム4との接着には、同じ接着剤を用いてもよいし、それぞれ異なる接着剤を用いてもよいが、両者に同じ接着剤を用いることが、工程および材料を少なくできることから好ましい。
こうして得られる複合偏光板は、その位相差フィルム4側の面で、粘着剤(感圧接着剤とも呼ばれる)を介して液晶セルに貼合される。粘着剤としては、アクリル酸エステル系、メタクリル酸エステル系、ブチルゴム系、シリコーン系などのベースポリマーを用いたものが使用できる。中でも、アクリル酸ブチル、アクリル酸エチル、アクリル酸イソオクチル、アクリル酸2−エチルヘキシルのようなアクリル酸エステルをベースとするポリマー、またはこれらのアクリル酸エステルを2種類以上用いるか、もしくはアクリル酸エステルを1種以上とメタクリル酸エステルを1種以上用いた共重合体をベースとするポリマーを用いたアクリル系粘着剤が好適である。アクリル系粘着剤においては、通常、これらのベースポリマー中に極性モノマーが共重合されており、かかる極性モノマーとしては、たとえば、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレートのような、カルボキシル基、水酸基、アミノ基、エポキシ基などから選ばれる官能基を有するモノマーが挙げられる。また粘着剤には架橋剤が配合されており、かかる架橋剤としては、カルボキシル基との間でカルボン酸金属塩を形成する2価または多価金属塩、カルボキシル基との間でアミド結合を形成するポリイソシアネート化合物などが挙げられ、これらの化合物が架橋剤として1種または2種以上ベースポリマーに混合して用いられる。一般的な粘着剤層の厚みは5〜50μm程度である。粘着剤層を複合偏光板に付与する場合、状況によってはコロナ処理などの表面処理を複合偏光板の位相差フィルム表面に施してもよい。
[TNモード液晶表示装置]
本発明のTNモード液晶表示装置では、図1を参照して以上説明した複合偏光板1を、先に説明したTNモード液晶セルの両面に配置する。この際、図1における位相差フィルム4側が液晶セルに向き合うように配置される。
図2に、本発明の好ましい一例のTNモード液晶表示装置11における基本的な層構成および好ましい軸角度の関係を模式的に示す分解斜視図である。なお図2では、各層を離間した状態で示しているが、実際には隣り合う各層が密着している。図2に示すように、TNモード液晶セル12の両面に一対の複合偏光板1,1が配置されており、それぞれの複合偏光板1,1は、図1に示した層構成を有し、その位相差フィルム4側がTNモード液晶セル12に向き合うように配置されている。また、一方(図では下側)の複合偏光板1の外側、すなわち透明保護層3の外側には、バックライトユニット13が配置されている。
それぞれの複合偏光板1,1において、偏光子2の吸収軸2Aと位相差フィルム4の遅相軸4Aとが直交関係になっている。TNモード液晶セル12の長辺方向12Aの右側を0°とし、画面を視認側、すなわちバックライトユニット13とは反対側から見たときに半時計回りの角度を正として、下側の偏光子2は、その吸収軸22が135°となるように配置され、上側の偏光子2は、その吸収軸2Aが45°となるように配置されている。本明細書において、液晶表示画面上の角度を表すときはこれと同様に、TNモード液晶セル12の長辺方向12Aの右側を0°とし、画面の上下関係をそのままにして、視認側、すなわちバックライトユニット13とは反対側から見たときに半時計回りの角度を正として表示する。
[バックライトユニット]
バックライトユニット13は、TNモード液晶セル12に向き合う側を光出射面とする面光源と、その面光源の光出射面上に配置された2枚のプリズムシートとを備える。
(プリズムシート)
ここでプリズムシートとは、一般に液晶表示装置において、バックライトを構成する面光源からの光を前方、すなわち液晶セル側に集光させる効果を持たせるために使われるシートであって、片面にプリズムが一定方向に並んで形成された構造を有している。プリズムの形状は、その稜線(山の峰を結ぶ線)に垂直な断面において、部分円形状をとるものや三角形状をとるものが知られているが、本発明においてはこの断面が三角形になっているものが好ましい。三角プリズムは、その頂角(山の頂に向かう角度)がほぼ90°となっているものが一般的である。このようなプリズムシートは、通常、透明性に優れた樹脂基材の表面に、上記のような頂角を持つ三角プリズムパターンが、熱成形または紫外線硬化型樹脂によって形成される。
図3は、本発明に好適に用いられ得る、三角プリズムが形成されたプリズムシート21の一例を模式的に示す斜視図である。図3に示す例では、稜線に垂直な断面が三角形のプリズムが、片面に規則的に形成されている。その他、稜線に垂直な断面がやはり三角形であるが、その高さを含む形状やピッチがランダムになっているものもある。プリズムパターンがほぼ均一に形成されているプリズムシートの例としては、米国3M社から販売されている「ビキュイティ(Vikuiti)BEF II」シリーズがあり、方向は一定であるがプリズムパターンがランダムに形成されているプリズムシートの例としては、同じく3M社から販売されている「ビキュイティ(Vikuiti)BEF III」シリーズがあり、いずれも日本では住友スリーエム(株)から入手できる。図3ではプリズムパターンを強調して表示しているが、山の高さは20μm前後、山のピッチは50μm前後となっているものが多い。本明細書においては、図3に示すように、プリズムパターンの稜線に沿う方向を「プリズム方向」21Aと呼称する。
本発明においては、このようなプリズムシートを2枚使用し、かつ、それら2枚のプリズムシートは、それぞれのプリズム方向が交差するように配置する。プリズム方向の交差角度は、90°、すなわちほぼ直交させるのが好ましいが、実用的には30〜90°の範囲から、液晶表示装置に求められる表示品位に応じて定めればよい。ここでの角度は、2枚のプリズム方向がなす角度であって狭いほうをいい、最大値が90°である。プリズムシートを1枚だけ使用した場合には、充分な集光効果を得ることができない。一方で、プリズムシートを3枚以上使用すると、バックライトユニットの厚みの増加やコストの増加を招くおそれがある。また、プリズムシートを2枚使用しても、それぞれのプリズム方向を平行にした場合には、1枚使用のときと同程度の効果しか得られない。
図4は、本発明においてバックライトユニットに用いられる2枚のプリズムシート22,23の好ましいプリズム方向22A,23Aの交差関係の一例を模式的に示す斜視図である。図4(a)は、2枚のプリズムシート22,23と面光源24の関係を、各層を離間して模式的に示す斜視図であり、図4(b)は、2枚のプリズムシート22,23の好ましいプリズム方向の関係を表す、バックライトユニットとは反対側(視認者側)から見た正面図である。図4(b)では、画面を視認側から見たときの上下左右の関係をそのままの状態で表示している。
図4(a)において、面光源24から遠い側、すなわち液晶セルに近い側を第1のプリズムシート22とし、そのプリズム方向を22Aで表しており、面光源24に近い側を第2のプリズムシート23とし、そのプリズム方向を23Aで表している。この例では、液晶セルをバックライトユニットとは反対側、すなわち視認者側から見たときの長辺右側を0°として、第1のプリズムシート22のプリズム方向22Aが45°、第2のプリズムシート23のプリズム方向23Aが135°となっている。第1のプリズムシート22のプリズム方向22Aと第2のプリズムシート23のプリズム方向23Aとは、角度が逆、すなわち、第1のプリズムシート22のプリズム方向22Aが135°、第2のプリズムシート23のプリズム方向23Aが45°となっていてもよい。
このように、液晶セルをバックライトユニットとは反対側、すなわち視認者側から見たときの長辺右側を0°として、一方のプリズムシートのプリズム方向がほぼ45°、そして他方のプリズムシートのプリズム方向がほぼ135°となるように配置されていることが好ましい。ここでいう「ほぼ」も、そこに記載の角度から±10゜程度のずれが許容されることを意味するが、そのずれは±5゜以内が好ましく、さらには±2゜以内が一層好ましい。
面光源24から出射された光は、プリズムシート22,23を通過する際にプリズムで屈折することにより、正面方向に集光される。プリズムシートには、そのプリズム形成面が液晶セル側を向くように、すなわち上向きで使用されるように設計されたタイプと、そのプリズム形成面が面光源側を向くように、すなわち下向きで使用されるように設計されたタイプとがあるが、いずれも使用可能である。先に例示した米国3M社の「ビキュイティ(Vikuiti)BEF II」シリーズや「ビキュイティ(Vikuiti)BEF III」シリーズは、上向きで使用されるように設計されている。
プリズムシートを構成する基材は、光学用途に適した透明性を有し、光を制御するようにプリズムパターンを形成できる材料であればよい。たとえば、セルロースアセテートブチレート、セルロースアセテートプロピオネート、トリアセチルセルロース、ポリエーテルスルホン、ポリスルホン、ポリメチルメタクリレート、ポリウレタン、ポリカーボネート、ポリビニルクロライド、ポリスチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、環状ポリオレフィン系樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、ガラスなどが挙げられる。中でも、耐光性や耐熱性などに優れることから、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート、トリアセチルセルロースまたはポリプロピレンが好ましい。
(面光源)
バックライトユニットを構成する面光源24は、液晶セルに向き合う側を光出射面とするものである。典型的な面光源として、エッジライト型(サイドライト型)と呼ばれるものと、直下型と呼ばれるものがある。図5は、エッジライト型面光源32を用いたバックライトユニットを備える例のTNモード液晶表示装置31を模式的に示す断面図であり、図6は、直下型面光源42を用いたバックライトユニットを備える例のTNモード液晶表示装置41を模式的に示す断面図である。
図5に示す例では、エッジライト型面光源32は、光源33、導光板34、および導光板34の背面に配置された反射板35を備えており、導光板34の側面に配置された光源33からの光は、光源33の導光板34に面しない側を覆うリフレクター36で反射されて、まず導光板34内に取り込まれ、その中を進むとともに、反射板35での反射と相まって、導光板34の前面側から均一に光が放出されるようになっている。この例では、導光板34の向かい合う二つの側面に、光源33がそれぞれ配置されているが、小型の液晶表示装置では、導光板34の一つの側面にのみ光源33を配置することもある。導光板34の前面には、図4を参照して上述したような、第1のプリズムシート22および第2のプリズムシート23が配置される。また、これら2枚のプリズムシートを挟む形で、第1の拡散フィルム37および第2の拡散フィルム38が配置されることが多い。エッジライト型面光源32から遠い第1の拡散フィルム37側が、光出射面39となっており、そこから光が均一に出射され、図2に示した下側複合偏光板1を通って、TNモード液晶セル12に入射することになる。一般的にエッジライト型面光源は、アクリル樹脂などからなる透明の導光板34の側面に光源33を配置しており、薄型製品に適した構造である。
一方、図6を参照すると、直下型面光源42は、複数の光源43、その背面に配置された反射板45、およびその前面に配置された光拡散板44で構成され、複数の光源43からの直接出射光と反射板45による反射光とが、それぞれ光拡散板44を通ってその前面側へ均一に放出されるようになっている。光拡散板44の前面には、図5に示した例と同様、第1のプリズムシート22および第2のプリズムシート23が配置される。また、これら2枚のプリズムシートを挟む形で、第1の拡散フィルム38および第2の拡散フィルム39が配置されることが多い。直下型面光源42から遠い第1の拡散フィルム38側が、光出射面39となっており、そこから光が均一に出射され、図2に示した下側複合偏光板1を通って、TNモード液晶セル12に入射することになる。直下型面光源は、光源を液晶セルの真下に並べて配置したものであり、高輝度製品に適した構造である。
(光源)
バックライトユニットを構成する光源33,43は、図5に示すようなエッジライト型面光源32の場合も、図6に示すような直下型面光源42の場合も、一般に線光源であるが、点光源の集まりであってもよい。線光源の例として具体的には、冷陰極管(CCFL:Cold Cathode Fluorescent Lamp)を挙げることができ、点光源の集まりの例として具体的には、LED(発光ダイオード:Light Emitting Diode)を挙げることができる。冷陰極管は、放電により水銀から発生する紫外線の作用で蛍光体物質を励起し、発光するものであり、従来から市場の中心となって多くの液晶表示装置に用いられている。一方LEDは、電流を流すことで発光する半導体素子であり、小型、長寿命、省電力などの点で、冷陰極管よりも優れた特徴を有していることから、近年、主に携帯情報端末(PDA:Personal Digital Assistant)や携帯電話などの携帯端末向けに用いられている。
(反射板)
バックライトユニットを構成する反射板35,45は、図5に示したエッジライト型面光源32においては、導光板34から漏れ出た光を反射して前面側へ送り出す機能を有し、また図6に示した直下型面光源42においては、光源43からの光を効率よく反射させる機能を有するものである。これにより、バックライトユニットの輝度向上および輝度均一化、また液晶表示装置の色再現性向上などの役割を果たす。
(導光板)
図5に示したエッジライト型面光源32に用いられる導光板34は、冷陰極管などの線光源またはLEDなどの点光源からの光を、内部全反射の原理に基づき、その内部へ均一に導いて、その前面から出射する平面光へ変換する光学部材である。
(光拡散板)
図6に示した直下型面光源42に用いられる光拡散板44は、その背面に配置される光源43から発する光および反射板45で反射された光を拡散させ、輝度ムラを低減したり、光源43のランプイメージを消したりするなどの機能を有するシートである。通常は、アクリル樹脂やスチレン系樹脂などからなる透明樹脂中に、それとは異なる屈折率を有し、光拡散剤となる粒子を配合した樹脂板が用いられる。
(拡散フィルム)
バックライトユニットにおいてはさらに、図5および図6に示したように、第1の拡散フィルム37および第2の拡散フィルム38を配置することがある。これら拡散フィルム37,38は、光を拡散させることにより出射光をより一層均一化して輝度ムラを低減することなどを目的に、用いられることがある。図5および図6には、2枚のプリズムシート22,23を挟む形で、2枚の拡散フィルム37,38が配置された例を示したが、どちらか一方にだけ拡散フィルムを配置することもある。拡散フィルム37,38も、透明樹脂中に、それとは異なる屈折率を有し、光拡散剤となる粒子を配合してフィルム状に成形したものであることができる。
[液晶表示装置のその他の説明]
TNモード液晶セル12に対し、偏光板の透過軸と液晶セル基板のラビング方向が直交するように配置される(偏光板の吸収軸と液晶セル基板のラビング方向とは平行になる)形態は、Oモード(Ordinary mode)と、また、偏光板の透過軸と液晶セル基板のラビング方向が重なるように配置される(偏光板の吸収軸と液晶セル基板のラビング方向とは直交する)形態は、Eモード(Extra ordinary mode)と定義される。ここでいう液晶セル基板のラビング方向とは、液晶セルを視認側から見て長辺方向右側を0°として、反時計回りに45°または135°の角度を意味する。TNモード液晶セルにおいては、2枚の基板の間でネマチック液晶を90°ねじれて配向させるため、2枚の液晶セル基板のラビング方向を90°ずらすことになる。
本発明の液晶表示装置において、複合偏光板1を構成する偏光子2の透過軸と、TNモード液晶セル12のその複合偏光板が貼合される基板のラビング方向を直交させて配置するOモード、また、複合偏光板1を構成する偏光子2の透過軸とTNモード液晶セル12のラビング方向を重ねて配置するEモードのいずれを採用しても、高い表示品位を得ることができる。より優れた視野角特性を得るためには、Oモードを用いることが好ましい。
また、本発明の液晶表示装置において、複合偏光板1を構成する二軸性の位相差フィルム4の面内位相差値をR0、厚み方向位相差値をRth、そしてTNモード液晶セル12の面内位相差値をRcとしたときに、次式(1)および(2)を満たすことが、画面横方向の視野角を拡大する観点から好ましい。
0.13<R0/Rc≦0.34 (1)
0.17≦Rth/Rc<0.54 (2)
式(1)および(2)において、R0、RthおよびRcの単位を同じにしておけば、どの単位を用いても同じ計算結果が得られるが、一般には「nm」単位が使われる。式(1)は、R0/Rcが0.13より大きく0.34以下であることを意味し、この値は、0.2〜0.27の範囲にあることがより好ましい。式(2)は、Rth/Rcが0.17以上で0.54より小さいことを意味し、この値は、0.27〜0.3の範囲にあることがより好ましい。これらの式は実験により求められたものであって、式(1)および(2)を同時に満たすことが、画面横方向の視野拡大の観点から好ましく、これらの範囲から外れると、画面横方向の視野角が狭くなる傾向にある。
以下、実施例を示して本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの例によって限定されるものではない。以下の例において、位相差フィルムの位相差値および液晶セルの位相差値は、以下の方法で測定した。
[位相差フィルムの位相差値の測定]
位相差測定装置KOBRA−WR(王子計測機器(株)製)を用いて、波長590nmで測定した。
[液晶セルの位相差値の測定]
電圧無印加状態の液晶セルの面内位相差値を、透過・吸収スペクトル測定装置MCPD−1000(大塚電子(株)製)を用いて測定した。
また以下の例では、プリズムシートとして、住友スリーエム(株)から入手した「ビキュイティ(Vikuiti)BEF III 90/50T」(3M社製)を、プリズム面が液晶セル側となるようにして用いた。このプリズムシートは、厚さ125μmのポリエチレンテレフタレートフィルムの片面に、アクリル系樹脂からなり、頂角が90°で断面三角形のプリズムが一定方向にランダムな大きさで形成されたものであり、最大ピッチ(稜線の最大間隔)は50μm、公称厚さ(プリズムの頂点からポリエチレンテレフタレートフィルム外面までの距離)は155μmである〔住友スリーエム(株)オプティカルシステム事業部ホームページ<http://www.mmm.co.jp/display/bef3/index.html> 参照〕。
[対照例]
TNモード液晶セルを備える市販の22型(対角寸法22インチ≒56cmの意)液晶テレビを分解し、その層構成を確認したところ、バックライトユニットは、エッジライト型面光源(導光板)の光出射面側に、導光板側から、拡散シート/プリズムシート/拡散シートの順で配置されており、プリズムシートは1枚であった。プリズムシートは、そのプリズム形成面が液晶セル側となるように配置され、そのプリズム方向が画面の長辺方向(0°)と一致していた。また液晶パネルは、液晶セルの両面に、透明保護フィルム/偏光子/光学補償フィルムの層構成からなる偏光板が貼合され、この光学補償フィルムは、透明樹脂フィルムの片面に、ディスコティック液晶の塗布層がハイブリッド配向したものであり、両面ともそのディスコティック液晶層が外側となり、液晶セルに向き合うように配置されていた。液晶セルの視認側偏光板は、透過軸が液晶セル視認側基板のラビング方向と直交し、画面を視認側から見て長辺方向右側を0°として135°方向であり、液晶セルへ貼合するための粘着剤層を含めて、合計厚さは226μmであった。また、バックライト側偏光板は、透過軸が液晶セルバックライト側基板のラビング方向と直交し、画面を視認側から見て長辺方向右側を0°として45°方向であった。液晶セルの電圧無印加時の面内位相差は468nmであった。
この液晶テレビをそのまま作動させ、液晶視野角測定装置「EZ Contrast 88XL」(ELDIM社製)を用いて、以下の項目を評価した。
(1)画面中央の正面コントラスト(白表示時の輝度/黒表示時の輝度の比)、
(2)画面縦方向を2分する線に沿う横方向で傾斜させたときに、コントラストが100以上となる角度(「横方向CR100以上の視野角」とする)、および
(3)黒表示時に、画面横方向中央で法線から上へ60°傾斜した方向の光漏れ(輝度)(「上斜め方向光漏れ」とする)。
ここで、(2)の横方向CR100以上の視野角とは、図7に示す液晶パネルの縦断面模式図において、液晶パネル51の表示面52に対する法線方向53を中心に、左右方向に傾けてコントラストを測定し、右に傾けたときにコントラストが100になる方向54と、左に傾けたときにコントラストが100になる方向55とのなす角度αである。これら(1)〜(3)の結果を表1に示した。
[実施例1]
(a)複合偏光板の作製
ポリビニルアルコールにヨウ素が吸着配向している偏光子の片面に、厚さ80μmのトリアセチルセルロースフィルムKC8UX2MW(コニカミノルタオプト(株)製)を、そして偏光子の他面には、環状オレフィン系樹脂からなる厚さ40μmの位相差フィルムであるゼオノアフィルム(日本ゼオン(株)製、R0=90nm、Rth=130nm)を偏光子の吸収軸と位相差フィルムの遅相軸が直交するように配置し、それぞれ接着剤を用いて貼合した。貼合にあたっては、位相差フィルムの接着面側に積算照射量1680Jの条件でコロナ放電処理を施した後、そのコロナ放電処理面にエポキシ系紫外線硬化型接着剤を塗工し、トリアセチルセルロースフィルムの接着面にはそのまま同じエポキシ系紫外線硬化型接着剤を塗工し、それぞれの塗工面を偏光子に貼合した。次に、紫外線照射システム(Fusion UV Systems社製)を用いて、出力300mW、照射量300mJの条件で位相差フィルム側から紫外線を照射し、接着剤を硬化させた。さらに、その位相差フィルム側に厚さ15μmの粘着剤層を設けて、粘着剤付き複合偏光板を作製した。粘着剤層の外側にはセパレートフィルムが貼合された状態で粘着剤付き複合偏光板を作製したが、そのセパレートフィルムを除く粘着剤付き複合偏光板の厚さは171μmであった。
(b)液晶パネルの作製
対照例に示した液晶テレビを分解して液晶パネルを取り外し、その液晶セルの両面に貼合された偏光板を粘着剤とともに剥がし、代わりに上記(a)で作製した粘着剤着き複合偏光板の透過軸が両面とも液晶セル基板のラビング方向と直交するように貼合した(この配置はOモードである)。このときの層構成および軸関係は、図2と同じである。また、液晶セル側に配置される位相差フィルムの面内位相差値R0および厚み方向位相差値Rthと、TNモード液晶セルの電圧無印加時の面内位相差値Rcとの関係は次のとおりである。
0/Rc=90/468=0.19
th/Rc=130/468=0.28
(c)バックライトユニットの作製
上記(b)で分解したバックライトユニットからプリズムシートを取り除き、代わりに2枚のプリズムシート(先に示した「ビキュイティ(Vikuiti)BEF III 90/50T」を、それぞれプリズム面が液晶セル側に向き、プリズム方向が、液晶セルの長辺右側を0°として、液晶セル側となる第1のプリズムシートでは45°、導光板側となる第2のプリズムシートでは135°となるように配置した。プリズムシートの両面に配置されている拡散フィルムはそのまま用いた。ここで作製したバックライトユニットの層構成は、図5に示したものと同じである。
(d)液晶表示装置の組立てと評価
上記(b)で作製した液晶パネルと上記(c)で作製したバックライトユニットを元どおりに組み立てて、液晶表示装置を作製した。この液晶表示装置を作動させ、対照例と同様にして、正面コントラスト、横方向CR100以上の視野角、および黒表示時の上斜め方向光漏れを測定した。結果を表1に示した。
[実施例2]
バックライトユニットに配置するプリズムシートのプリズム方向が、液晶セルの長辺右側を0°として、液晶セル側となる第一のプリズムシートでは0°、導光板側となる第二のプリズムシートでは90°となるように配置し、その他は実施例1と同様にして複合偏光板およびバックライトユニットを作製し、液晶表示装置を組み立てて評価した。結果を表1に示した。
[比較例1]
バックライトユニットにプリズムシートを配置しない構成とし、その他は実施例1と同様にして複合偏光板およびバックライトユニットを作製し、液晶表示装置を組み立てて評価した。結果を表1に示した。
[比較例2]
バックライトユニットに配置するプリズムシートを1枚とし、そのプリズム方向が、液晶セルの長辺と同じ(0°)となるように配置し、その他は実施例1と同様にして複合偏光板およびバックライトユニットを作製し、液晶表示装置を組み立てて評価した。結果を表1に示した。
[比較例3]
バックライトユニットに配置するプリズムシートのプリズム方向が、2枚とも液晶セルの長辺と同じ(0°)となるように配置し、その他は実施例1と同様にして複合偏光板およびバックライトユニットを作製し、液晶表示装置を組み立てて評価した。結果を表1に示した。
Figure 2011039169
表1からわかるように、偏光子の片面にトリアセチルセルロースからなる保護フィルムを積層し、偏光子の他面には環状オレフィン系樹脂からなる厚さ40μmの位相差フィルムを積層した複合偏光板を用いた実施例1、2および比較例1〜3は、対照例(市販の液晶テレビ)に比べ、視認側偏光板(すなわち、液晶セルの片側複合偏光板)が55μm薄くなっており(液晶セルの両面では約2倍薄くなる)、薄型軽量化されるとともに、画面横方向の視野角も拡大されている。
これら実施例および比較例のうち、バックライトユニットにプリズムシートを配置しない比較例1は、正面コントラストがあまり大きくならず、プリズムシートを1枚配置した比較例1およびプリズムシートを同一方向で2枚配置した比較例2は、正面コントラストがある程度改善されるものの、比較例1も含めて、画面の上斜め方向光漏れがやや大きい状態であった。これに対し、バックライトユニットにプリズムシートを2枚直交配置した実施例1および2は、比較例1〜3に比べて、正面コントラストが一層改善されるとともに、画面の上斜め方向光漏れも大きく改善されていた。
今回開示された実施の形態および実施例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 複合偏光板、2 偏光子、2A 偏光子の吸収軸、3 透明保護層、4 位相差フィルム、4A 位相差フィルムの遅相軸、11 TNモード液晶表示装置、12 TNモード液晶セル、12A TNモード液晶セルの長辺方向、13 バックライトユニット、21,22,23 プリズムシート、21A,22A,23A プリズム方向、24 面光源、31 TNモード液晶表示装置、32 エッジライト型面光源、33 光源、34 導光板、35 反射板、36 リフレクター、37 第1の拡散フィルム、38 第2の拡散フィルム、39 光出射面、41 TNモード液晶表示装置、42 直下型面光源、43 光源、44 光拡散板、45 反射板、51 液晶パネル、52 液晶パネルの表示面、53 液晶パネルの法線方向、54 画面を右斜め方向から見たときにコントラストが100になる方向、55 画面を左斜め方向から見たときにコントラストが100になる方向、α 画面横方向CR100以上の視野角。

Claims (4)

  1. TNモード液晶セルと、その両面に配置された一対の複合偏光板と、一方の複合偏光板の外側に配置されたバックライトユニットとを備え、
    前記一対の複合偏光板はそれぞれ、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムに二色性色素が吸着配向している偏光子の片面に透明保護層が積層され、他面にオレフィン系樹脂からなる二軸性の位相差フィルムが積層されたものであり、その位相差フィルム側が前記液晶セルに向き合うように配置されており、
    前記バックライトユニットは、前記液晶セルに向き合う側を光出射面とする面光源と、その面光源の前記光出射面上に配置された2枚のプリズムシートとを備え、それら2枚のプリズムシートは、それぞれのプリズム方向が交差するように配置されている、TNモード液晶表示装置。
  2. 前記2枚のプリズムシートは、それぞれのプリズム方向がほぼ直交するように配置されている、請求項1に記載のTNモード液晶表示装置。
  3. 前記2枚のプリズムシートは、前記液晶セルをバックライトユニットとは反対側から見たときの長辺右側を0°として、一方のプリズムシートのプリズム方向がほぼ45°、そして他方のプリズムシートのプリズム方向がほぼ135°となるように配置されている、請求項2に記載のTNモード液晶表示装置。
  4. 前記複合偏光板を構成するオレフィン系樹脂からなる二軸性の位相差フィルムの面内位相差値をR0、厚み方向位相差値をRth、そして前記液晶セルの面内位相差値をRcとしたときに、次式(1)および(2):
    0.13<R0/Rc≦0.34 (1)
    0.17≦Rth/Rc<0.54 (2)
    を満たす、請求項1〜3のいずれかに記載のTNモード液晶表示装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN113654997A (zh) * 2021-08-31 2021-11-16 北京理工大学 高分辨-高精度Stokes-Mueller成像仪及其校准方法

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