JP2011037967A - 太陽電池モジュール向け反射防止用活性エネルギー線硬化型樹脂組成物及びその硬化物 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、特定構造の多環式炭化水素基を有するエポキシ樹脂(a)に、分子中に重合可能なエチレン性不飽和基とカルボキシ基を併せ持つ化合物(b)を反応させて得られるエポキシカルボキシレート化合物(A)、フッ素含有(メタ)アクリレート系化合物及び光重合開始剤を含む太陽電池モジュール向け反射防止用活性エネルギー線硬化型樹脂組成物、並びにその硬化物に関する。
太陽電池モジュールは、資源の有効活用や環境問題意識の高まりの中、従来の石油エネルギーに代わるエネルギー源として注目を集めている。これは近年、結晶シリコン太陽電池が高効率化したことが大きい。しかし、現状では太陽光発電のコストは、一般の商用電力のコストと比較して割高であり、今後太陽光発電の底コスト化をいかに推進していくかが重要な課題となっている。コスト低減化のための研究は、これまでにもいくつか行なわれてきたが、その1つが太陽光をいかに効率よく集光するかにある。この集光効率の向上を目指して、最表面のオーバーコートに関して様々の検討がなされてきた。
例えば、特許文献1には最表面のオーバーコートであるハードコート層が超親水性を有し、防汚効果を示すことで長期間光透過率を損なわないと記載されている。しかし、使用されているTiO2は高屈折材料であるため、コートすることでベースの透明材に比べると透過率は低下してしまう。
又、特許文献2では組成物中に特定構造のフッ素原子含有(メタ)アクリレート及び中空シリカを添加して、低屈折率、耐擦傷性、耐薬品性を向上させている。しかし、耐熱性が十分であるとは言えず、特に屋外での使用が前提となる太陽電池モジュールでは信頼性の面で課題がある。
特許文献3にはジシクロペンタジエン変性エポキシ樹脂等について記載がある。
特許文献3にはジシクロペンタジエン変性エポキシ樹脂等について記載がある。
本発明は、太陽電池モジュールの最表面にあるハードコート層として、低反射性、低屈折率、表面硬度、耐熱性に優れた硬化物を与える樹脂組成物及びその硬化物を提供することを目的とする。
このような状況を鑑み、本発明者等は、低屈折率で低反射性を担うフッ素原子含有(メタ)アクリレート系化合物に耐熱性、表面硬度に優れた性能を示す特定のエポキシカルボキシレート化合物(A)を加えるというシンプルな組成とすることで、エポキシカルボキシレート化合物(A)の性能を最大限に引き出して太陽電池モジュールの反射防止用ハードコートとして必要な性能を達成した硬化物を与える樹脂組成物を見出した。
即ち、本発明は下記式(1)で表される特定構造を有した多環式炭化水素基を有するエポキシ樹脂(a)に、分子中に重合可能なエチレン性不飽和基とカルボキシ基を併せ持つ化合物(b)を反応させて得られるエポキシカルボキシレート化合物(A)、フッ素含有(メタ)アクリレート系化合物及び光重合開始剤を含む反射防止用活性エネルギー線硬化型樹脂組成物に関する。
[式中、Rは同一でも異なっていてもよく、水素原子又は炭素数1〜4の炭化水素基を示し、nは平均値で1〜10の正数を示す。]
更に、前記活性エネルギー線硬化型樹脂組成物に活性エネルギー線を照射して得られる硬化物に関する。
更に、前記硬化物を用いた太陽電池モジュールのハードコートに関する。
更に、前記硬化物を用いた太陽電池モジュールのハードコートに関する。
本発明の樹脂組成物とその硬化物により、太陽電池モジュールの最表面の使用に適する、低反射性、低屈折率、透明性、表面硬度、耐熱性等に優れたハードコート層を得ることが出来る。
本発明の反射防止用活性エネルギー線硬化型樹脂組成物は、前記式(1)[式中、Rは同一でも異なっていてもよく、水素原子又は炭素数1〜4の炭化水素基を示し、nは平均値で1〜10の正数を示す。]で表わされるエポキシ樹脂(a)に、分子中に重合可能なエチレン性不飽和基とカルボキシ基を併せ持つ化合物(b)を反応させて得られるエポキシカルボキシレート化合物(A)、フッ素原子含有(メタ)アクリレート系化合物及び光重合開始剤を含む。
本発明の反射防止用活性エネルギー線硬化型樹脂組成物に含有されるエポキシカルボキシレート化合物(A)の製造に用いられる下記式(1)で表されるエポキシ樹脂(a)は、特許文献3に記載の方法又はその方法を応用して製造することが出来、市販されている化合物を使用することも出来る。
[式中、Rは同一でも異なっていてもよく、水素原子又は炭素数1〜4の炭化水素基を示し、nは平均値で1〜10の正数を示す。]
ここで、炭素数1〜4の炭化水素基とは、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert-ブチル基等が挙げられる。
式(1)のRとしては水素原子が好ましい。
ここで、炭素数1〜4の炭化水素基とは、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert-ブチル基等が挙げられる。
式(1)のRとしては水素原子が好ましい。
本発明の反射防止用活性エネルギー線硬化型樹脂組成物に含有されるエポキシカルボキシレート化合物(A)の製造に用いられる分子中にエチレン性不飽和基とカルボキシ基を併せ持つ化合物(b)とは、該樹脂組成物の硬化の際に活性エネルギー線への反応性を付与する化合物であり、モノカルボン酸化合物やポリカルボン酸化合物が挙げられ、水酸基を有さない化合物が好ましい。
一分子中にカルボキシ基をひとつ含むモノカルボン酸化合物としては、例えば、(メタ)アクリル酸類やクロトン酸、α−シアノ桂皮酸、桂皮酸、或いは飽和又は不飽和二塩基酸と不飽和基含有モノグリシジル化合物との反応物等が挙げられる。
該(メタ)アクリル酸類としては、例えば、(メタ)アクリル酸、β−スチリルアクリル酸、β−フルフリルアクリル酸、(メタ)アクリル酸二量体、(メタ)アクリル酸とε−カプロラクトンとの反応生成物、飽和又は不飽和二塩基酸無水物と一分子中に一個の水酸基を有する(メタ)アクリレート誘導体との当モル反応物である半エステル類、飽和又は不飽和二塩基酸とモノグリシジル(メタ)アクリレート誘導体類との当モル反応物である半エステル類等が挙げられる。
該(メタ)アクリル酸類としては、例えば、(メタ)アクリル酸、β−スチリルアクリル酸、β−フルフリルアクリル酸、(メタ)アクリル酸二量体、(メタ)アクリル酸とε−カプロラクトンとの反応生成物、飽和又は不飽和二塩基酸無水物と一分子中に一個の水酸基を有する(メタ)アクリレート誘導体との当モル反応物である半エステル類、飽和又は不飽和二塩基酸とモノグリシジル(メタ)アクリレート誘導体類との当モル反応物である半エステル類等が挙げられる。
一分子中にカルボキシ基を複数有するポリカルボン酸化合物としては、例えば、一分子中に複数の水酸基を有する(メタ)アクリレート誘導体と二塩基酸無水物との反応物である半エステル類等が挙げられる。
エチレン性不飽和基とカルボキシ基を併せ持つ化合物(b)としては、これらの化合物を単独で使用しても、又、2種類以上を混合して使用しても良い。
これらのうち最も好ましくは、活性エネルギー線硬化型樹脂組成物としたときの活性エネルギー線に対する感度の点から(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸とε−カプロラクトンとの反応生成物又は桂皮酸が挙げられる。
エポキシカルボキシレート化反応は無溶剤若しくは溶剤で希釈して反応させることが出来る。溶剤としてはエポキシカルボキシレート化反応に影響しない溶剤であれば特に限定されない。溶剤の使用量は得られる樹脂の粘度や使途により適宜調整すればよく、好ましくはエポキシカルボキシレート化合物(A)が固形分90〜30重量%、より好ましくは80〜50重量%となるように用いる。
該溶剤としては、例えば、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、テトラメチルベンゼン等の芳香族系炭化水素溶剤、ヘキサン、オクタン、デカン等の脂肪族系炭化水素溶剤、それらの混合物である石油エーテル、ホワイトガソリン、ソルベントナフサ等が挙げられる。
エポキシカルボキシレート化反応時には、反応を促進させるために触媒を使用することが好ましく、該触媒を使用する場合、その使用量は反応物の総量に対して0.1〜10重量%程度である。その際の反応温度は60〜150℃であり、反応時間は好ましくは5〜60時間である。
該触媒としては、例えば、トリエチルアミン、ベンジルジメチルアミン、トリエチルアンモニウムクロリド、ベンジルトリメチルアンモニウムブロミド、ベンジルトリメチルアンモニウムイオジド、トリフェニルホスフィン、トリフェニルスチビン、オクタン酸クロム、オクタン酸ジルコニウム等の塩基性触媒等が挙げられる。
該触媒としては、例えば、トリエチルアミン、ベンジルジメチルアミン、トリエチルアンモニウムクロリド、ベンジルトリメチルアンモニウムブロミド、ベンジルトリメチルアンモニウムイオジド、トリフェニルホスフィン、トリフェニルスチビン、オクタン酸クロム、オクタン酸ジルコニウム等の塩基性触媒等が挙げられる。
又、熱重合禁止剤の使用が好ましく、該熱重合禁止剤としては、例えば、ハイドロキノンモノメチルエーテル、2−メチルハイドロキノン、ハイドロキノン、ジフェニルピクリルヒドラジン、ジフェニルアミン、3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシトルエン等が挙げられる。
本エポキシカルボキシレート化反応は、適宜サンプリングしながら反応物の酸価が5mgKOH/g以下、好ましくは2mgKOH/g以下となった時点を終点とする。
こうして得られたエポキシカルボキシレート化合物(A)の好ましい分子量範囲としては、GPC(ゲルろ過クロマトグラフィー)におけるポリスチレン換算重量平均分子量が800から30,000の範囲であり、より好ましくは1,500から20,000である。この分子量よりも小さい場合には硬化物の強靭性が充分に発揮されず、又、これよりも大きい場合には粘度が高くなり塗工等が困難となる。
本発明の反射防止用活性エネルギー線硬化型樹脂組成物に含有されるフッ素原子含有(メタ)アクリレート系化合物としては、例えば、下記の化合物が挙げられる(ただし、m1〜m6はそれぞれ独立に0〜10の整数を、j5及びj6はそれぞれ独立に1〜10の整数を、n1、n2、n5及びn6はそれぞれ独立に1〜20の整数を示す。)。
CH2=CHCOO(CH2)m1(CF2)n1F、
CH2=C(CH3)COO(CH2)m2(CF2)n2F、
CH2=CHCOO(CH2)m3CF(CF3)2、
CH2=C(CH3)COO(CH2)m4CF(CF3)2、
CH2=CHCOO(CH2)m5N(CH2)j5SO2(CF2)n5F、
CH2=C(CH3)COO(CH2)m6N(CH2)j6SO2(CF2)n6F。
上記フッ素原子含有(メタ)アクリレート系化合物は単独で使用しても、又、2種類以上を混合して使用しても良い。
CH2=CHCOO(CH2)m1(CF2)n1F、
CH2=C(CH3)COO(CH2)m2(CF2)n2F、
CH2=CHCOO(CH2)m3CF(CF3)2、
CH2=C(CH3)COO(CH2)m4CF(CF3)2、
CH2=CHCOO(CH2)m5N(CH2)j5SO2(CF2)n5F、
CH2=C(CH3)COO(CH2)m6N(CH2)j6SO2(CF2)n6F。
上記フッ素原子含有(メタ)アクリレート系化合物は単独で使用しても、又、2種類以上を混合して使用しても良い。
本発明の反射防止用活性エネルギー線硬化型樹脂組成物に含有される光重合開始剤としては、例えば、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル等のベンゾイン類;アセトフェノン、2,2−ジエトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2,2−ジエトキシ−2−フェニルアセトフェノン、1,1−ジクロロアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチルフェニルプロパン−1−オン、ジエトキシアセトフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノ−プロパン−1−オン等のアセトフェノン類;2−エチルアントラキノン、2−tert−ブチルアントラキノン、2−クロロアントラキノン、2−アミルアントラキノン等のアントラキノン類;2,4−ジエチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、2−クロロチオキサントン等のチオキサントン類;アセトフエノンジメチルケタール、ベンジルジメチルケタール等のケタール類;ベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4'−メチルジフェニルスルフィド、4,4'−ビスメチルアミノベンゾフェノン等のベンゾフェノン類;2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキシド等のホスフィンオキシド類等の一般のラジカル型光反応開始剤が挙げられる。
本発明の反射防止用活性エネルギー線硬化型樹脂組成物に含有しても良いモノマーとしては、多官能(メタ)アクリレートモノマー類が好ましく、トリシクロデカンジメチロールジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバルアルデヒド変性トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、グリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレンジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリス(メタ)アクリロイルオキシエチルイソシアヌレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、アジピン酸エポキシジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールエチレンオキサイドジ(メタ)アクリレート、水素化ビスフェノールエチレンオキサイド(メタ)アクリレート、ビスフェノールジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシビバリン酸ネオペンチルグリコールのε−カプロラクトン付加物のジ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールとε−カプロラクトンの反応物のポリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールポリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリエチロールプロパントリ(メタ)アクリレート若しくはそのエチレンオキサイド付加物、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート若しくはそのエチレンオキサイド付加物、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート若しくはそのエチレンオキサイド付加物、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート若しくはそのエチレンオキサイド付加物、前記式(2)であらわされるアクリレートモノマー(M1)、前記式(3)であらわされるアクリレートモノマー(M2)等が挙げられる。
中でも、太陽電池モジュールのハードコートという用途から、耐熱性、耐光性、低硬化収縮、耐水性、光透過性に優れるアクリレートモノマー(M1)、アクリレートモノマー(M2)が特に好ましい。これらのモノマーは、例えば、KAYARAD R−604(日本化薬(株)製)、KAYARAD R−684(日本化薬(株)製)として市販されている。
本発明の反射防止用活性エネルギー線硬化型樹脂組成物には中空シリカ微粒子、フッ素原子含有(メタ)アクリレートの重合物、各種界面活性剤等を含有してもよい。
該中空シリカ微粒子としては、例えば、特開2001−233611号公報に記載の製造方法による中空シリカ微粒子が挙げられ、この方法で製造された市販品を入手し使用しても良い。中空シリカ微粒子はバルーン構造となっており低屈折率である。
該中空シリカ微粒子としては、例えば、特開2001−233611号公報に記載の製造方法による中空シリカ微粒子が挙げられ、この方法で製造された市販品を入手し使用しても良い。中空シリカ微粒子はバルーン構造となっており低屈折率である。
該中空シリカ微粒子の平均粒径は、好ましくは5nm〜2μm、より好ましくは5nm〜100nmである。5nmよりも小さい場合、バルーン構造によって低屈折率になる効果が小さくなり、2μmより大きい場合、透明性が低下する。
該中空シリカ微粒子は、分散安定性を向上させるためにシランカップリング剤を用いて表面処理することが好ましい。該シランカップリング剤としては、例えば、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、ブチルトリメトキシシラン、ブチルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、メチルトリメトキシエトキシシラン等の3官能性アルコキシシラン;テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラプロポキシシラン等の4官能性アルコキシラン;メチルトリス(メトキシエトキシ)シラン、メチルトリプロペノキシシラン、メチルトリアセトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、メチルトリ(ブタノキシム)シラン、ビニルトリ(ブタノキシム)シラン、フェニルトリ(ブタノキシム)シラン、プロピルトリ(ブタノキシム)シラン、フェニルトリ(ブタノキシム)シラン、テトラ(ブタノキシム)シラン、3,3,3−トリフルオロプロピル(ブタノキシム)シラン、3−クロロプロピル(ブタノキシム)シラン、メチルトリ(プロパノキシム)シラン、メチルトリ(ペンタノキシム)シラン、メチルトリ(イソペンタノキシム)シラン、ビニル(シクロペンタノキシム)シラン、メチルトリ(シクロヘキサノキシム)シラン等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
該フッ素原子含有(メタ)アクリレートの重合物としては、例えば、前記の本発明の反射防止用活性エネルギー線硬化型樹脂組成物に含有されるフッ素原子含有(メタ)アクリレート系化合物の重合物が挙げられる。
又、フッ素原子含有(メタ)アクリレートの重合物は、前記モノマーのみから構成されるものに限らず、必要に応じて公知のラジカル重合性モノマーを混合して使用することが出来る。
該界面活性剤とは、コート時の平坦性、組成物としての相溶性等を改善する目的で使用され、例えば、フッ素系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、シリコン系界面活性剤等が好ましい。
本発明には、本発明の反射防止用活性エネルギー線硬化型樹脂組成物に活性エネルギー線を照射して得られる該樹脂組成物の硬化物も含まれる。活性エネルギー線の光源としては、例えば、キセノンランプ、カーボンアーク、殺菌灯、紫外線用蛍光ランプ、中圧水銀ランプ、高圧水銀ランプ、超高圧水銀ランプ、無電極ランプ、メタルハライドランプ、あるいは走査型、カーテン型電子線加速器による電子線等を使用することが出来る。該活性エネルギー線としては紫外線が好ましい。
本発明の反射防止用活性エネルギー線硬化型樹脂組成物を太陽電池モジュールの表面の基材に塗工し皮膜形成させる方法としては特に制限はないが、グラビア等の凹版印刷方式、フレキソ等の凸版印刷方式、シルクスクリーン等の孔版印刷方式、オフセット等の平版印刷方式、ロールコーター、ナイフコーター、ダイコーター、カーテンコーター、スピンコーター等の各種方式が任意に採用出来る。その膜厚としては凡そ0.01〜100μmである。該塗工膜に活性エネルギー線を照射して得られる太陽電池モジュールのハードコートも本発明に含まれる。
以下、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。又、実施例中特に断りがない限り、部は重量部を示す。
実施例1
エポキシ樹脂(a)(日本化薬(株)製、エポキシ樹脂XD−1000)にアクリル酸を反応させて得られるエポキシカルボキシレート化合物(A1)溶液10g(固形分80%、PGMEA(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート)溶液)、KAYARAD R−604(日本化薬(株)製)2g、2,2,2−トリフルオロエチルメタクリレート65重量%とエチルメタクリレート35重量%からなる樹脂5g、光重合開始剤としてイルガキュア184(チバスペシャリティ・ケミカルズ社製)、2,2,2−トリフルオロエチルメタクリレート12gを混合し、樹脂組成物1を得た。
エポキシ樹脂(a)(日本化薬(株)製、エポキシ樹脂XD−1000)にアクリル酸を反応させて得られるエポキシカルボキシレート化合物(A1)溶液10g(固形分80%、PGMEA(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート)溶液)、KAYARAD R−604(日本化薬(株)製)2g、2,2,2−トリフルオロエチルメタクリレート65重量%とエチルメタクリレート35重量%からなる樹脂5g、光重合開始剤としてイルガキュア184(チバスペシャリティ・ケミカルズ社製)、2,2,2−トリフルオロエチルメタクリレート12gを混合し、樹脂組成物1を得た。
比較例1
エポキシ樹脂(日本化薬(株)製、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂EOCN−1020)にアクリル酸を反応させて得られるエポキシカルボキシレート化合物溶液10g(固形分80%、PGMEA溶液)、KAYARAD R−604(日本化薬(株)製)2g、2,2,2−トリフルオロエチルメタクリレート65重量%とエチルメタクリレート35重量%からなる樹脂5g、光重合開始剤としてイルガキュア184(チバスペシャリティ・ケミカルズ社製)、2,2,2−トリフルオロエチルメタクリレート12gを混合し、樹脂組成物2を得た。
エポキシ樹脂(日本化薬(株)製、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂EOCN−1020)にアクリル酸を反応させて得られるエポキシカルボキシレート化合物溶液10g(固形分80%、PGMEA溶液)、KAYARAD R−604(日本化薬(株)製)2g、2,2,2−トリフルオロエチルメタクリレート65重量%とエチルメタクリレート35重量%からなる樹脂5g、光重合開始剤としてイルガキュア184(チバスペシャリティ・ケミカルズ社製)、2,2,2−トリフルオロエチルメタクリレート12gを混合し、樹脂組成物2を得た。
樹脂組成物1又は2をそれぞれアプリケーターでPETフィルム上に膜厚が100nmになるように塗布し、80℃にて1分間乾燥させた。その後、紫外線照射機にて1000mJのエネルギーで紫外線を照射し、次いで、硬化物をPETフィルムから剥がし硬化膜を得た。
こうして得られた硬化膜の鉛筆硬度、Tg、屈折率を測定し、結果を表1に示す。
こうして得られた硬化膜の鉛筆硬度、Tg、屈折率を測定し、結果を表1に示す。
(鉛筆硬度)
JIS K 5400に従い、鉛筆引っ掻き試験機を用いて硬化膜の鉛筆硬度を測定した。
JIS K 5400に従い、鉛筆引っ掻き試験機を用いて硬化膜の鉛筆硬度を測定した。
(Tg)
JIS C 6481に従い、DMA(Seiko instruments製粘弾性測定装置DMS6100)を用いてTgを測定した。
JIS C 6481に従い、DMA(Seiko instruments製粘弾性測定装置DMS6100)を用いてTgを測定した。
(屈折率)
硬化膜の膜厚を測定後、エリプソメーターで屈折率を算出した。
硬化膜の膜厚を測定後、エリプソメーターで屈折率を算出した。
[表1]
鉛筆硬度 Tg 屈折率
樹脂組成物1(実施例1) 3H 155℃ 1.45
樹脂組成物2(比較例1) 2H 102℃ 1.46
鉛筆硬度 Tg 屈折率
樹脂組成物1(実施例1) 3H 155℃ 1.45
樹脂組成物2(比較例1) 2H 102℃ 1.46
表1の結果から明らかなように、本発明のエポキシカルボキシレート化合物(A)を用いた樹脂組成物1の硬化物は、樹脂組成物2(比較例)の硬化物と比較して、鉛筆硬度、Tg、屈折率といった項目で、いずれも太陽電池モジュール向け反射防止用ハードコートとして優れていることが確認された。本発明の樹脂組成物の硬化物は、低屈折率であることから低反射性に優れ、反射防止用ハードコートに適することが示された。
Claims (4)
- 請求項1又は2に記載の反射防止用活性エネルギー線硬化型樹脂組成物に活性エネルギー線を照射して得られる硬化物。
- 請求項3記載の硬化物を用いた太陽電池モジュールのハードコート。
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