JP2011037843A - 食後血中インスリン濃度上昇抑制剤 - Google Patents

食後血中インスリン濃度上昇抑制剤 Download PDF

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Abstract

【課題】糖質及び脂質を共に摂取した場合に起こる、過剰な血中インスリン濃度上昇を抑制する食後血中インスリン濃度上昇抑制剤の提供。
【解決手段】構造式(−NH−CH(COOH)−CH2−CH2−CO−)nで表されるポリグルタミン酸を有効成分として含有する食後血中インスリン濃度上昇抑制剤。該インスリン濃度上昇抑制剤は、過剰な血中インスリン濃度上昇の結果引き起こされる肥満や糖尿病を予防・改善するのに有用である。
【選択図】なし

Description

本発明は、食後血中インスリン濃度上昇抑制剤に関する。
インスリンは、すい臓の膵β細胞から分泌されるペプチドホルモンの一種で、上昇した血糖値を下げ正常な値に保つ働きしている。主な生理的作用としては、筋肉組織における糖、アミノ酸等の取込み促進、タンパク質の合成促進、脂肪組織における糖の取込みと利用促進、脂肪合成の促進と分解・燃焼の抑制、タンパク質の合成促進などが挙げられる。
インスリンの分泌は、主にグルコースにより促進される。食事等により体内に糖が取込まれ血糖値(血中グルコース濃度)が上昇すると、上昇した血糖値を下げるためにインスリンが分泌されて血中インスリン濃度が上昇する。このようにインスリンの分泌は、血糖値を一定の値に保ち、糖尿病を防ぐために非常に重要であるといえる。
しかし一方で、高血糖状態によるインスリンの分泌が続くと、インスリンの標的臓器である骨格筋、肝臓、脂肪組織においてインスリンの感受性の低下(インスリン抵抗性)が生じることが知られている。インスリン抵抗性が生じると、血糖降下作用の不足を補おうと膵臓からインスリンがさらに多く分泌されるようになる。このようなインスリンの過剰分泌が繰り返されると、最終的は膵臓が疲弊し、膵β細胞からのインスリンの分泌能そのものが低下する。その一方で各標的臓器のインスリン抵抗性は増大したままの状態となる。こうして、生体内での一連のインスリン作用機構がうまく機能しなくなると、糖尿病等の生活習慣病になりやすい体質を招き、高じて肥満やII型糖尿病(高血圧症)等を発症することが知られている(非特許文献1参照)。
また、これまでは、血中インスリン分泌量は血糖値、すなわち糖質の摂取量に依存して変化すると考えられてきた。しかし、近年、血中インスリン濃度の上昇が、糖質の摂取のみならず脂質の摂取とも相関関係が認められることが報告されている(特許文献1参照)。特許文献1によれば、糖質及び脂質を共に摂取した場合、糖質を単独で摂取した場合におけるインスリン分泌量を超えた、過剰なインスリン分泌が起こることが確かめられている。さらに、このような糖と脂質の同時摂取による過剰なインスリン分泌が、肥満と相関性の高い因子であることも確認されている。
近年、日本人の食生活は欧米化し、従来の糖質中心の食事から、脂質の占める割合の高い食事へと変化している。このような食生活の変化に伴う生活習慣病やメタボリック症候群の増加も懸念されている。そのため、高脂肪食による健康への悪影響を予防改善することは、今後重要になってくると考えられる。
従来から、血糖値上昇については、糖尿病の予防の観点からこれを抑制する試みが種々なされてきている。例えば、特許文献2には、血糖値上昇を抑制するために、ポリグルタミン酸を用いた血糖値改善剤が提案されている。ポリグルタミン酸は、その保水力の高さから保湿剤、吸収剤等として広く使用されており、生分解性ポリマーとして注目されている。また、小腸からのカルシウム吸収促進作用や血圧上昇抑制作用、唾液分泌促進作用があることが報告されている(例えば、特許文献3〜5参照)。
しかしながら、血中インスリン濃度の上昇を抑制することについては、積極的な取り組みがなされていないのが現状である。
特開2008−145136号公報 特開2005−200330号公報 特開平5−95767号公報 特開2008−255063号公報 再公表WO2005/049050号公報
Modan Mら、J Ckin Invest.1985 Mar;75(3):809-17
本発明者は、糖質及び脂質を共に摂取した場合に起こる、過剰な血中インスリン濃度上昇を抑制する食後血中インスリン濃度上昇抑制剤を提供することを課題とする。また、過剰な血中インスリン濃度上昇の結果引き起こされる肥満や糖尿病を予防・改善するのに有用な食後血中インスリン濃度上昇抑制剤を提供することを課題とする。
すなわち本発明は、医薬又は食品用途として有用な食後血中インスリン濃度上昇抑制剤を提供することを課題とする。具体的には、本発明は、食後の過剰なインスリン濃度上昇を抑えることで、肥満や糖尿病の発症リスクの低下・予防・改善・緩和・処理のための医薬又は非医薬用途である食品用途として有用な食後血中インスリン濃度上昇抑制剤を提供することを課題とする。
本発明者等は上記課題に鑑み、鋭意検討を行った。その結果、ポリグルタミン酸に食後血中インスリン濃度上昇を抑制する効果があることを見い出した。本発明はこれらの知見に基づいて完成するに至ったものである。
本発明は、ポリグルタミン酸を有効成分として含有する食後血中インスリン濃度上昇抑制剤に関する。
本発明の食後血中インスリン濃度上昇抑制剤によれば、インスリン濃度上昇、特に食後における(具体的には、糖質と脂質を共に摂取する場合に生じる)過剰なインスリン濃度上昇を減少させることができる。さらに、本発明の食後血中インスリン濃度上昇抑制剤は、過度のインスリンの濃度上昇を抑制することで食後の体内のインスリン作用機構を正常な範囲に調節することができ、肥満や糖尿病の発症リスクの低下・予防・改善・緩和・処理に有用である。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の食後血中インスリン濃度上昇抑制剤は、ポリグルタミン酸を有効成分として含有する。本発明で用いられるポリグルタミン酸の構造式は、(-NH-CH(COOH)-CH2-CH2-CO-)nで表される。
後述の実施例で示すように、ポリグルタミン酸は、血中のインスリン濃度上昇を有意に抑制する作用を有する。そのため、当該ポリグルタミン酸は、血中のインスリン濃度上昇抑制剤として使用することができ、また、インスリン濃度上昇抑制剤を製造するために使用することができる。ポリグルタミン酸が食後の血中インスリン濃度上昇を抑制する作用があることは今まで知られていなかった。また、ポリグルタミン酸に肥満の予防・改善効果があることも知られていない。
本発明のポリグルタミン酸は、後述の実施例で示すように、インスリンの濃度上昇、特に食後の過剰なインスリン濃度上昇を抑制する効果を有する。
本発明において「血中インスリン濃度上昇抑制作用」とは、すい臓からのインスリン分泌を抑制することで血中インスリン濃度上昇を抑制するインスリン分泌抑制作用、及び血中インスリン濃度を低下させることにより血中インスリン濃度上昇を抑制するインスリン低下作用のいずれをも含む概念である。
また、本発明において、「食後の血中インスリン濃度上昇を抑制する」とは、脂質及び糖質を共に摂取することに伴う血中インスリン濃度の過剰な上昇を抑制することを意味する。ここで、「インスリン濃度の過剰な上昇」とは、糖質のみを摂取した場合のインスリン濃度を指標としたときに、それ以上に食後インスリン濃度が上昇する場合を言う。本発明において、「脂質及び糖質を共に摂取する」とは、血中インスリン濃度の過剰な上昇を引き起こす条件で脂質及び糖質を摂取することを意味し、糖質及び脂質を同時に摂取することはもちろん、4時間程度の差を設けて別々に摂取する場合も含む。
本発明における脂質とは、一般的な食事中に含まれる脂質成分であり、インスリン分泌を高めるものであれば特に制限はなく、具体的には、バター、ラード、魚油、コーン油、なたね油、オリーブ油、ごま油などが挙げられる。
本発明における糖質とは、一般的な食事中に含まれる糖質成分であり、インスリン分泌を促すものであれば特に制限はなく、具体的には、米飯、澱粉、小麦粉、砂糖、果糖、ぶどう糖、グリコーゲンなどが挙げられる。
また、上記脂質及び糖質の、血中インスリン濃度の過剰な上昇を引き起こす摂取量としては、食事組成、個人差等により変動があるが、食事1回の摂取量として一般に脂質5g/60kg体重以上及び糖質10g/60kg体重以上である。
後述の実施例に示すように、本発明のポリグルタミン酸の食後血中インスリン濃度上昇抑制効果は、ポリグルタミン酸の分子量に関わらず全般的に認められるが、ポリグルタミン酸の分子量がある程度大きいほうがより食後血中インスリン濃度上昇抑制効果に優れている。
そのため、より効果的に食後血中インスリン濃度上昇を抑制するためには、本発明において用いられるポリグルタミン酸の分子量として、重量平均分子量が約9,000以上であることが好ましく、28,000以上であることがより好ましい。
一方で、本発明の食後血中インスリン濃度上昇抑制剤を経口用液体製剤の形態で用いる場合には、製造面、及び飲用時の喉ごし、ぬるつき、嚥下のしやすさなどから、その粘度が比較的低い方が好ましい。そのため、ポリグルタミン酸の重量平均分子量の上限は約5,000,000であるのが好ましく、約800,000であるのがより好ましい。従って、食後血中インスリン濃度上昇抑制効果の面からは、ポリグルタミン酸の重量平均分子量は9,000〜5,000,000であるのが好ましく、28,000〜5,000,000であるのがより好ましい。粘度の面からは、ポリグルタミン酸の重量平均分子量は9,000〜5,000,000であるのが好ましく、9,000〜800,000であるのがより好ましい。食後血中インスリン濃度上昇抑制効果と粘度の両面からは、ポリグルタミン酸の重量平均分子量は9,000〜5,000,000であるのが好ましく、28,000〜800,000であるのがより好ましい。なお、重量平均分子量の測定は、例えば、ゲルろ過カラムを用いた高速液体クロマトグラフィーにより行うことができる。
本発明において使用されるポリグルタミン酸は、化学的合成によって製造することも、微生物によって生産することも可能であり、市販品を使用することもできる。また、ポリグルタミン酸を構成するグルタミン酸の光学活性はD体でもL体どちらでもよく、その混合物でもよい。天然のポリグルタミン酸は、グルタミン酸がγ位で結合した重合体であり、野生型でポリグルタミン酸を生産する微生物や遺伝子組換えによりポリグルタミン酸生産能を付与した微生物などを培養することによって得ることができる。野生型でポリグルタミン酸を生産する微生物としては、例えば、納豆菌を含む一部のバチルス(Bacillus)属細菌とその近縁種(Bacillus subtilis var.chungkookjangBacillus licheniformisBacillus megateriumBacillus anthracisBacillus halodurans)や、Natrialba aegyptiacaHydra等を挙げることができる(Ashiuchi,M.,et al.:Appl.Microbiol.Biotechnol.,59,pp.9-14(2002))。また、遺伝子組換え技術を用いたポリグルタミン酸の生産例としては、プラスミドにて遺伝子導入された組換え枯草菌(Bacillus subtilis ISW1214株)において約9g/L/5日(Ashiuchi,M.,et al.:Biosci.Biotechnol.Biochem.,70,pp.1794-1797(2006))、プラスミドにて遺伝子導入された組換え大腸菌において約4g/L/1.5日(Jiang,H.,et al.:Biotechnol.Lett.,28,pp.1241-1246(2006))の生産性が得られることが知られている。或いは、ポリグルタミン酸は、食品添加物、化粧品素材及び増粘剤等として商業的に生産されており、国内及び海外のポリグルタミン酸メーカーが供給するポリグルタミン酸を購入することもできる(例えば、国内メーカー:日本ポリグル、一丸ファルコス、明治フードマテリア等、海外メーカー:バイオリーダース等)。
また、本発明においてポリグルタミン酸は、その塩であってもよい。この場合、塩としては、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属、マグネシウム塩、カルシウム塩等のアルカリ土類金属塩、アンモニウム塩、エタノールアミン塩、塩基性アミノ酸塩などが挙げられ、医薬又は食品用途として使用できるものならば特に制限はない。
本発明において、前記ポリグルタミン酸はそのまま食後血中インスリン濃度上昇抑制剤として用いてもよい。または、ポリグルタミン酸に、例えば酸化チタン、炭酸カルシウム、蒸留水、乳糖、デンプン等の適当な液体または固体の賦形剤または増量剤を加えて用いてもよい。この場合、ポリグルタミン酸の配合量は特に制限されないが、食後血中インスリン濃度上昇抑制剤中0.01〜100質量%含まれるのが好ましく、0.1〜80質量%含まれるのが特に好ましい。
本発明の食後血中インスリン濃度上昇抑制剤を食品や医薬品等の用途に用いる場合、ポリグルタミン酸を単体でヒト及び動物に、消化管内投与、腹腔内投与、血管内投与、皮内投与、皮下投与等により投与できる他、各種食品、医薬品、ペットフード等に配合して摂取することができる。食品としては、一般食品のほか、血中のインスリン濃度の上昇抑制、肥満や糖尿病の発症リスクの低下・予防・改善・緩和・処理をコンセプトとし、必要に応じてその旨を表示した美容食品、病者用食品、特定保健用食品等の食品に応用できる。医薬品として使用する場合は、例えば、錠剤、顆粒剤等の経口用固形製剤や、内服液剤、シロップ剤等の経口用液体製剤とすることができる。
なお、経口用固形製剤を調製する場合には、ポリグルタミン酸に、賦形剤、必要に応じて結合剤、崩壊剤、滑沢剤、着色剤、矯味剤、矯臭剤等を加えた後、常法により錠剤、被覆錠剤、顆粒剤、散剤、カプセル剤等を製造することができる。また、経口用液体製剤を調製する場合は、矯味剤、緩衝剤、安定化剤、矯味剤等を加えて常法により内服液剤、シロップ剤、エリキシル剤等を製造することができる。
上記各剤中のポリグルタミン酸の配合量は特に制限されないが、0.01〜100質量%含まれるのが好ましく、0.1〜80質量%含まれるのが特に好ましい。
上記各剤中の有効投与(摂取)量は、ポリグルタミン酸として、1日当たり0.01g/kg体重〜1.0g/kg体重とするのが好ましい。また、本発明の食後血中インスリン分泌抑制剤は、食前・食中・食後に用いると効果的であり、特に食前又は食中に用いることが好ましい。
投与又は摂取対象者としては、それを必要としている者であれば特に限定されないが、空腹時血糖値が100mg/dL以上、あるいは、又は、空腹時血中トリグリセリド値が100mg/dL以上の人が好ましい。
以下、本発明を実施例に基づきさらに詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
製造例1 重量平均分子量190,000のポリグルタミン酸の調製
重量平均分子量800,000の市販のポリグルタミン酸(明治フードマテリア製)を初発材料として3(w/w)%水溶液を500mL作製し、塩酸にてpH2に調整後、70℃で恒温した。恒温開始から3時間後に水酸化ナトリウム水溶液にてpH7に中和し、続いて、排除限界300kの限外濾過膜(型番:PBMK、ミリポア製)を用いて濃縮した。この際、濃縮前試料の3倍量の蒸留水にて適宜加水洗浄を行ない、10倍濃縮したものを凍結乾燥に供した。凍結乾燥後の試料は後述の測定例に示すHPLC法にて分子量を求めた。その結果、重量平均分子量190,000のポリグルタミン酸が1.7g得られた。
製造例2 重量平均分子量70,000のポリグルタミン酸の調製
重量平均分子量800,000の市販のポリグルタミン酸(明治フードマテリア製)を初発材料として3(w/w)%水溶液を500mL作製し、塩酸にてpH2に調整後、70℃で恒温した。恒温開始から6時間後に水酸化ナトリウム水溶液にてpH7に中和し、続いて、排除限界100kの限外濾過膜(型番:PBHK、ミリポア製)を用いて濃縮した。この際、濃縮前試料の3倍量の蒸留水にて適宜加水洗浄を行ない、10倍濃縮したものを凍結乾燥に供した。凍結乾燥後の試料は後述の測定例に示すHPLC法にて分子量を求めた。その結果、重量平均分子量70,000のポリグルタミン酸が8.3g得られた。
製造例3 重量平均分子量28,000のポリグルタミン酸の調製
重量平均分子量800,000の市販のポリグルタミン酸(明治フードマテリア製)を初発材料として3(w/w)%水溶液を500mL作製し、塩酸にてpH2に調整後、70℃で恒温し、その後、開始8時間以降は90℃に変更した。恒温開始から11時間後に水酸化ナトリウム水溶液にてpH7に中和し、続いて、排除限界50kの限外濾過膜(型番:PBQK、ミリポア製)を用いて濃縮した。この際、濃縮前試料の3倍量の蒸留水にて適宜加水洗浄を行ない、10倍濃縮したものを凍結乾燥に供した。凍結乾燥後の試料は後述の測定例に示すHPLC法にて分子量を求めた。その結果、重量平均分子量28,000のポリグルタミン酸が6.3g得られた。
ポリグルタミン酸の定量及び分子量測定
ポリグルタミン酸の定量及び分子量は、TSKGel G4000PWXL及びTSKGel G6000PWXLゲルろ過カラム(商品名、東ソー製)を用いたHPLC分析を用いて実施した。分析条件は溶離液に0.1M硫酸ナトリウムを使用し、流速1.0mL/分、カラム温度50℃、UV検出波長を210nmとした。また、濃度検定には分子量80万のポリグルタミン酸(明治フードマテリア)を用いて検量線を作成した。さらに、分子量検定にはプルラン(Shodex STANDRD P-82、商品名、昭和電工製)を用いて予め重量平均分子量を求めた各種分子量の異なるポリグルタミン酸(和光純薬工業製(162-21411、162-21401)、SIGMA-ALDRICH(P-4886、P-4761)、明治フードマテリア製(分子量88万))を用いた。
試験例1 ポリグルタミン酸のインスリン上昇抑制作用
ポリグルタミン酸(PGA)として、重量平均分子量9,000、350,000、800,000(明治フードマテリア製)及び重量平均分子量28,000、70,000、190,000(製造例1〜3で調製)の6種類の試料を用いた。
また、8週齢の雄性マウス(C57BL/6J Jcl:日本クレア製)を各群8匹ずつ用いて下記の実験を行った。
1.経口投与サンプルの調製
グルコース(関東化学製)とトリオレイン(Glyceryl trioleate:Sigma製)をレシチン(卵製、和光純薬製)とアルブミン(ウシ血清由来、Sigma製)を用いて乳化し、乳液を調製した。この乳液に、ポリグルタミン酸試料を添加し、最終濃度がポリグルタミン酸試料5(w/w)%、グルコース5(w/w)%、トリオレイン5(w/w)%、乳化剤(レシチン0.2(w/w)%、アルブミン1.0(w/w)%)となるよう、経口投与サンプルを調製した。なお、コントロールサンプルとして、ポリグルタミン酸の代わりに水を添加したサンプルを調製した。
2.経口投与試験
一晩絶食させたマウスをエ−テル麻酔下、眼窩静脈よりヘパリン処理ヘマトクリット毛細管(VITREX製)を用い、初期採血を行った。その後、経口投与サンプルを経口ゾンデ針にて経口投与し、10分、30分、1時間、2時間後にエーテル麻酔下、眼窩静脈より採血を行った。マウスに対する経口投与量を下記の表1に示す。
Figure 2011037843
ヘパリン処理ヘマトクリット毛細管で採取した血液は血漿分離まで氷冷下で保存後、11000rpmにて5分間遠心し、血漿を得た。得られた血漿から、インスリン測定キット(森永生化学研究所製、ELISA法)を用いて血中インスリン濃度を測定した。
サンプル経口投与後の2時間後までの血中インスリン濃度を測定した結果、血中インスリンの濃度が最大となるのは投与後10分後であることがわかった。そこで、血中インスリン濃度の最大値(投与10分後)と初期値(初期採血時)の差(Δ値)を最大インスリン濃度上昇と定義し、表2に示した。
得られた最大インスリン濃度上昇の値をもとに、群間の統計学的有意差についても検討し、表2に示した。各群間の有意差は、分散分析によって有意性(P<0.05)が認められた場合、多重比較検定(Bonferroni/Dunn法)により、コントロール群に対するポリグルタミン酸(重量平均分子量:9,000及び28,000、70,000、190,000、350,000、800,000)投与群の間での検定を行った。得られた結果から、P<0.05を有意な差として、有意性を判断した。
Figure 2011037843
表2に示す結果から明らかなように、ポリグルタミン酸(重量平均分子量:9,000、28,000、70,000、190,000、350,000、800,000)の最大インスリン濃度上昇は、いずれもコントロール投与群に比べて有意に低かった。特に、重量平均分子量28,000、70,000、190,000、350,000、800,000のポリグルタミン酸の最大インスリン濃度上昇は有意に低く、分子量が大きいポリグルタミン酸のほうが、より食後血中インスリン濃度上昇抑制効果にすぐれることがわかった。
また、前述のように、過度のインスリン濃度上昇はインスリン抵抗性を生じ、ひいては肥満や糖尿病を引き起こすことが知られている。そのため、前記ポリグルタミン酸は、過剰なインスリンの分泌を効果的に抑制することで、肥満や糖尿病の予防・改善に好適に用いることができる。

Claims (1)

  1. ポリグルタミン酸を有効成分として含有する食後血中インスリン濃度上昇抑制剤。
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