JP2011037236A - 露光ヘッド、画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】露光ヘッドで用いられる封止部材および発光素子基板の撓みの抑制を可能とする技術を提供する。
【解決手段】発光素子が配設されたガラス製の発光素子基板と、発光素子基板の発光素子が配設された第1の面で発光素子を封止するガラス製の封止部材と、発光素子基板の逆側から封止部材を支持する剛性部材と、発光素子基板の第1の面に対して逆側の第2の面に配設された支持部材と、支持部材により発光素子基板の第2の面側に支持されるとともに、発光素子から光素子基板を透過した光が入射するレンズを有するレンズアレイと、を備え、支持部材は、発光素子基板および封止部材を剛性部材とで挟むようにして配設されている。
【選択図】図9
【解決手段】発光素子が配設されたガラス製の発光素子基板と、発光素子基板の発光素子が配設された第1の面で発光素子を封止するガラス製の封止部材と、発光素子基板の逆側から封止部材を支持する剛性部材と、発光素子基板の第1の面に対して逆側の第2の面に配設された支持部材と、支持部材により発光素子基板の第2の面側に支持されるとともに、発光素子から光素子基板を透過した光が入射するレンズを有するレンズアレイと、を備え、支持部材は、発光素子基板および封止部材を剛性部材とで挟むようにして配設されている。
【選択図】図9
Description
この発明は、発光素子を用いて露光を行なう露光ヘッドおよび該露光ヘッドを備えた画像形成装置に関する。
特許文献1には、光透過性の発光素子基板(同文献の「ヘッド基板」)に発光素子を配設し、当該発光素子からの光をレンズを用いて被露光面に照射する露光ヘッド(同文献の「ラインヘッド」)が提案されている。また、同文献には、発光素子として有機EL(Electro-Luminescence)素子を用いることができる点が記載されている。このような発光素子(有機EL素子)としては、種々のものが提案されているが、その一例として特許文献2に記載の発光素子が挙げられる。この発光素子は、陽極、正孔輸送層、発光層および陰極をこの順番で積層した構成を有しており、陽極から正孔輸送層を経て注入された正孔と、陰極から注入された電子とを、発光層で結合させることで、光を射出する。
ちなみに、このように構成された発光素子は水分(湿気)によって劣化する。そこで、かかる発光素子を用いた特許文献1の露光ヘッドでは、封止部材が設けられている。この封止部材は、発光素子を覆うようにして当該発光素子が配設された発光素子基板の面に被さって、発光素子を外部の水分から遮断するものである。こうして、封止部材により発光素子の劣化が抑制されている。
ところで、上記封止部材および発光素子基板は、ガラスにより構成することができる。つまり、ガラスは比較的加工が容易であるため、これら封止部材および発光素子基板を高い形状精度で形成することが可能となる。ただし、封止部材および発光素子基板をガラスで形成することには、このような利点がある一方で、封止部材および発光素子基板の支持態様が適切でないと、封止部材および発光素子基板が自重あるいは外力により撓んでしまう場合があった。そして、これらの撓みが生じると、露光ヘッドの内部で発光素子の位置がずれてしまい、露光ヘッドが被露光面の所望の位置に光を照射できないおそれがあった。
この発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、露光ヘッドで用いられる封止部材および発光素子基板の撓みの抑制を可能とする技術の提供を目的とする。
この発明にかかる露光ヘッドは、上記目的を達成するために、発光素子が配設されたガラス製の発光素子基板と、発光素子基板の発光素子が配設された第1の面で発光素子を封止するガラス製の封止部材と、発光素子基板の逆側から封止部材を支持する剛性部材と、発光素子基板の第1の面に対して逆側の第2の面に配設された支持部材と、支持部材により発光素子基板の第2の面側に支持されるとともに、発光素子から光素子基板を透過した光が入射するレンズを有するレンズアレイと、を備え、支持部材は、発光素子基板および封止部材を剛性部材とで挟むようにして配設されていることを特徴としている。
この発明にかかる画像形成装置は、上記目的を達成するために、発光素子が配設されたガラス製の発光素子基板、発光素子基板の発光素子が配設された第1の面で発光素子を封止するガラス製の封止部材、発光素子基板の逆側から封止部材を支持する剛性部材、発光素子基板の第1の面に対して逆側の第2の面に配設された支持部材、および支持部材により発光素子基板の第2の面側に支持されるとともに発光素子から光素子基板を透過した光が入射するレンズを有するレンズアレイを有する露光ヘッドと、露光ヘッドの発光素子からの光により露光される潜像担持体と、を備え、支持部材は、発光素子基板および封止部材を剛性部材とで挟むようにして配設されていることを特徴としている。
このように構成された発明(露光ヘッド、画像形成装置)では、発光素子が配設されたガラス製の発光素子基板と、発光素子基板の発光素子が配設された面で当該発光素子を封止するガラス製の封止部材とを備えている。つまり、本発明では、発光素子基板および封止部材がいずれもガラス製であるため、これらの支持態様が適切でないと撓んでしまう場合があった。これに対して、本発明では、発光素子基板の逆側から封止部材を支持する剛性部材が備えられている。したがって、発光素子基板および封止部材の撓みを剛性部材により矯正することができ、発光素子基板および封止部材の撓みが抑制されている。
ところで、本発明では、レンズアレイが発光素子基板の第2の面側に設けられており、発光素子からの光は発光素子基板(の第1の面から第2の面)を透過した後にレンズアレイのレンズに入射する。そして、このレンズアレイを支持するための支持部材が、発光素子基板(の第2の面)に配設されている。つまり、本発明では、発光素子基板および封止部材のうち、発光素子基板に支持部材が配設される一方、上述のとおり封止部材は剛性部材により支持されている。しかしながら、このような構成では、支持部材と剛性部材との位置関係が適切でないと、発光素子基板および封止部材の一部に応力が集中して、発光素子基板から封止部材が剥がれて、封止が破けてしまう場合が想定される。これに対して、本発明では、支持部材は、発光素子基板および封止部材を剛性部材とで挟むようにして配設されている。そのため、上述のような一部に集中する応力の発生を抑制して、封止の破れを抑制することが可能となっている。
また、封止部材は、発光素子基板に接着剤で取り付けられているように構成しても良い。このような構成は、上述のような応力を接着剤の変形によって吸収することができるため、上述の封止の破れをより確実に抑制することができる。
また、発光素子基板の幅は封止部材の幅よりも広く、発光素子基板の第1の面の端部は封止部材から突出しているように構成しても良い。このように構成することで、第1面の端部に種々の機能部材を配設することが可能となる。
そこで、発光素子基板の第1の面の端部に配設されたフレキシブルプリント基板と、発光素子基板と封止部材との間を抜けて、発光素子と前記フレキシブルプリント基板とを繋ぐ配線と、を備えるように構成しても良い。
また、剛性部材の基材と、支持部材の基材とが同じであるように構成しても良い。このように構成した場合、上述したような発光素子基板および封止部材に発生する応力の発生を、より確実に抑制させることができ、封止の破れをより確実に抑制することが可能となる。
また、発光素子は有機EL素子である構成に対しては、本発明を適用することが好適である。なぜなら、上述のとおり、有機EL素子は水分(湿気)により劣化するため、本発明によって封止の破れを抑制することが好適となるからである。
図1は本発明を適用可能な画像形成装置の一例を示す図である。また、図2は図1の画像形成装置が備える電気的構成を示すブロック図である。この装置は、ブラック(K)、シアン(C)、マゼンダ(M)、イエロー(Y)の4色のトナーを重ね合わせてカラー画像を形成するカラーモードと、ブラック(K)のトナーのみを用いてモノクロ画像を形成するモノクロモードとを選択的に実行可能な画像形成装置である。なお図1は、カラーモード実行時に対応する図である。この画像形成装置では、ホストコンピューターなどの外部装置から画像形成指令がCPUやメモリーなどを有するメインコントローラーMCに与えられると、このメインコントローラーMCはエンジンコントローラーECに制御信号などを与えるとともに画像形成指令に対応するビデオデータVDをヘッドコントローラーHCに与える。このとき、メインコントローラーMCは、ヘッドコントローラーHCから水平リクエスト信号HREQを受け取る毎に、主走査方向MDに1ライン分のビデオデータVDをヘッドコントローラーHCに与える。また、このヘッドコントローラーHCは、メインコントローラーMCからのビデオデータVDとエンジンコントローラーECからの垂直同期信号Vsyncおよびパラメータ値とに基づき各色のラインヘッド29を制御する。これによって、エンジン部ENGが所定の画像形成動作を実行し、複写紙、転写紙、用紙およびOHP用透明シートなどのシートに画像形成指令に対応する画像を形成する。
画像形成装置が有するハウジング本体3内には、電源回路基板、メインコントローラーMC、エンジンコントローラーECおよびヘッドコントローラーHCを内蔵する電装品ボックス5が設けられている。また、画像形成ユニット7、転写ベルトユニット8および給紙ユニット11もハウジング本体3内に配設されている。また、図1においてハウジング本体3内右側には、2次転写ユニット12、定着ユニット13、シート案内部材15が配設されている。なお、給紙ユニット11は、装置本体1に対して着脱自在に構成されている。そして、該給紙ユニット11および転写ベルトユニット8については、それぞれ取り外して修理または交換を行うことが可能な構成になっている。
画像形成ユニット7は、複数の異なる色の画像を形成する4個の画像形成ステーションY(イエロー用)、M(マゼンダ用)、C(シアン用)、K(ブラック用)を備えている。また、各画像形成ステーションY,M,C,Kは、主走査方向MDに所定長さの表面を有する円筒形の感光体ドラム21を設けている。そして、各画像形成ステーションY,M,C,Kそれぞれは、対応する色のトナー像を、感光体ドラム21の表面に形成する。感光体ドラム21は、軸方向が主走査方向MDに平行もしくは略平行となるように配置されている。また、各感光体ドラム21はそれぞれ専用の駆動モーターに接続され図中矢印D21の方向に所定速度で回転駆動される。これにより感光体ドラム21の表面が、主走査方向MDに直交もしくは略直交する副走査方向SDに搬送されることとなる。また、感光体ドラム21の周囲には、回転方向に沿って帯電部23、ラインヘッド29、現像部25および感光体クリーナー27が配設されている。そして、これらの機能部によって帯電動作、潜像形成動作及びトナー現像動作が実行される。したがって、カラーモード実行時は、全ての画像形成ステーションY,M,C,Kで形成されたトナー像を転写ベルトユニット8が有する転写ベルト81に重ね合わせてカラー画像を形成するとともに、モノクロモード実行時は、画像形成ステーションKで形成されたトナー像のみを用いてモノクロ画像を形成する。なお、図1において、画像形成ユニット7の各画像形成ステーションは構成が互いに同一のため、図示の便宜上一部の画像形成ステーションのみに符号をつけて、他の画像形成ステーションについては符号を省略する。
帯電部23は、その表面が弾性ゴムで構成された帯電ローラーを備えている。この帯電ローラーは帯電位置で感光体ドラム21の表面と当接して従動回転するように構成されており、感光体ドラム21の回転動作に伴って感光体ドラム21に対して従動方向に周速で従動回転する。また、この帯電ローラーは帯電バイアス発生部(図示省略)に接続されており、帯電バイアス発生部からの帯電バイアスの給電を受けて帯電部23と感光体ドラム21が当接する帯電位置で感光体ドラム21の表面を帯電させる。
ラインヘッド29は感光体ドラム21に対して離間して配置されており、ラインヘッド29の長手方向は主走査方向MDに平行もしくは略平行であるとともに、ラインヘッド29の幅方向は副走査方向SDに平行もしくは略平行である。このラインヘッド29は複数の発光素子を備えており、各発光素子はヘッドコントローラーHCからのビデオデータVDに応じて発光する。そして、帯電した感光体ドラム21表面に発光素子からの光が照射されることで、感光体ドラム21表面に静電潜像が形成される。
現像部25は、その表面にトナーを担持する現像ローラー251を有する。そして、現像ローラー251と電気的に接続された現像バイアス発生部(図示省略)から現像ローラー251に印加される現像バイアスによって、現像ローラー251と感光体ドラム21とが当接する現像位置において、帯電トナーが現像ローラー251から感光体ドラム21に移動してラインヘッド29により形成された静電潜像が顕在化される。
このように上記現像位置において顕在化されたトナー像は、感光体ドラム21の回転方向D21に搬送された後、転写ベルト81と各感光体ドラム21が当接する1次転写位置TR1において転写ベルト81に1次転写される。
また、この実施形態では、感光体ドラム21の回転方向D21の1次転写位置TR1の下流側で且つ帯電部23の上流側に、感光体ドラム21の表面に当接して感光体クリーナー27が設けられている。この感光体クリーナー27は、感光体ドラムの表面に当接することで1次転写後に感光体ドラム21の表面に残留するトナーをクリーニング除去する。
転写ベルトユニット8は、駆動ローラー82と、図1において駆動ローラー82の左側に配設される従動ローラー83(ブレード対向ローラー)と、これらのローラーに張架され図示矢印D81の方向(搬送方向)へ循環駆動される転写ベルト81とを備えている。また、転写ベルトユニット8は、転写ベルト81の内側に、感光体カートリッジ装着時において各画像形成ステーションY,M,C,Kが有する感光体ドラム21各々に対して一対一で対向配置される、4個の1次転写ローラー85Y,85M,85C,85Kを備えている。これらの1次転写ローラー85は、それぞれ1次転写バイアス発生部(図示省略)と電気的に接続される。そして、カラーモード実行時は、図1に示すように全ての1次転写ローラー85Y,85M,85C,85Kを画像形成ステーションY,M,C,K側に位置決めすることで、転写ベルト81を画像形成ステーションY,M,C,Kそれぞれが有する感光体ドラム21に押し遣り当接させて、各感光体ドラム21と転写ベルト81との間に1次転写位置TR1を形成する。そして、適当なタイミングで上記1次転写バイアス発生部から1次転写ローラー85に1次転写バイアスを印加することで、各感光体ドラム21の表面上に形成されたトナー像を、それぞれに対応する1次転写位置TR1において転写ベルト81表面に転写してカラー画像を形成する。
一方、モノクロモード実行時は、4個の1次転写ローラー85のうち、カラー1次転写ローラー85Y,85M,85Cをそれぞれが対向する画像形成ステーションY,M,Cから離間させるとともにモノクロ1次転写ローラー85Kのみを画像形成ステーションKに当接させることで、モノクロ画像形成ステーションKのみを転写ベルト81に当接させる。その結果、モノクロ1次転写ローラー85Kと画像形成ステーションKとの間にのみ1次転写位置TR1が形成される。そして、適当なタイミングで前記1次転写バイアス発生部からモノクロ1次転写ローラー85Kに1次転写バイアスを印加することで、各感光体ドラム21の表面上に形成されたトナー像を、1次転写位置TR1において転写ベルト81表面に転写してモノクロ画像を形成する。
さらに、転写ベルトユニット8は、モノクロ1次転写ローラー85Kの下流側で且つ駆動ローラー82の上流側に配設された下流ガイドローラー86を備える。また、この下流ガイドローラー86は、モノクロ1次転写ローラー85Kが画像形成ステーションKの感光体ドラム21に当接して形成する1次転写位置TR1での1次転写ローラー85Kと感光体ドラム21との共通内接線上において、転写ベルト81に当接するように構成されている。
駆動ローラー82は、転写ベルト81を図示矢印D81の方向に循環駆動するとともに、2次転写ローラー121のバックアップローラーを兼ねている。駆動ローラー82の周面には、厚さ3mm程度、体積抵抗率が1000kΩ・cm以下のゴム層が形成されており、金属製の軸を介して接地することにより、図示を省略する2次転写バイアス発生部から2次転写ローラー121を介して供給される2次転写バイアスの導電経路としている。このように駆動ローラー82に高摩擦かつ衝撃吸収性を有するゴム層を設けることにより、駆動ローラー82と2次転写ローラー121との当接部分(2次転写位置TR2)へのシートが進入する際の衝撃が転写ベルト81に伝達しにくく、画質の劣化を防止することができる。
給紙ユニット11は、シートを積層保持可能である給紙カセット77と、給紙カセット77からシートを一枚ずつ給紙するピックアップローラー79とを有する給紙部を備えている。ピックアップローラー79により給紙部から給紙されたシートは、レジストローラー対80において給紙タイミングが調整された後、シート案内部材15に沿って2次転写位置TR2に給紙される。
2次転写ローラー121は、転写ベルト81に対して離当接自在に設けられ、2次転写ローラー駆動機構(図示省略)により離当接駆動される。定着ユニット13は、ハロゲンヒータ等の発熱体を内蔵して回転自在な加熱ローラー131と、この加熱ローラー131を押圧付勢する加圧部132とを有している。そして、その表面に画像が2次転写されたシートは、シート案内部材15により、加熱ローラー131と加圧部132の加圧ベルト1323とで形成するニップ部に案内され、該ニップ部において所定の温度で画像が熱定着される。加圧部132は、2つのローラー1321,1322と、これらに張架される加圧ベルト1323とで構成されている。そして、加圧ベルト1323の表面のうち、2つのローラー1321,1322により張られたベルト張面を加熱ローラー131の周面に押し付けることで、加熱ローラー131と加圧ベルト1323とで形成するニップ部が広くとれるように構成されている。また、こうして定着処理を受けたシートはハウジング本体3の上面部に設けられた排紙トレイ4に搬送される。
また、この装置では、ブレード対向ローラー83に対向してクリーナー部71が配設されている。クリーナー部71は、クリーナーブレード711と廃トナーボックス713とを有する。クリーナーブレード711は、その先端部を転写ベルト81を介してブレード対向ローラー83に当接することで、2次転写後に転写ベルトに残留するトナーや紙粉等の異物を除去する。そして、このように除去された異物は、廃トナーボックス713に回収される。
図3は、ラインヘッドの概略を示す部分斜視図である。同図では、ラインヘッド29の厚さ方向TKDの構成を理解しやすくするために、ラインヘッド29の長手方向LGDの端部(図3の左下端部)が断面で示されている。ここで、厚さ方向TKDは、長手方向LGDおよび幅方向LTDに垂直もしくは略垂直な方向であり、後述する発光素子Eが光を射出する側(つまり、ラインヘッド29から感光体ドラム21に向う側)を向いた方向とする。また、以後の実施形態の説明において、厚さ方向TKDの下流側(図3の上側)を「(厚さ方向TKDの)一方側」と称し、厚さ方向TKDの上流側(図3の下側)を「(厚さ方向TKDの)他方側」と称する。また、基板あるいは平板の一方側の面を表面と称し、基板あるいは平板の他方側の面を裏面と称することとする。
ラインヘッド29は、ヘッド基板29と遮光部材297とをこの順番で厚さ方向TKDに配置するとともに、厚さ方向TKDの一方側からこれらの部材を覆い被さるようにして光学ユニットOUを配置した概略構成を備えている。また、ヘッド基板293の裏面293−t(図5)には、複数の発光素子Eをグループ化した発光素子グループEGが、離散的かつ2次元的に配置されており(図4)、さらに、封止部材294(図5)がこれらの発光素子グループEGを封止している。また、封止部材294(図5)の裏面は、鉄等の金属製の剛性部材299で支持されている。この剛性部材299は、長手方向LGDにおいて、封止部材294と同程度あるいは長い略直方体形状を有しており、その四隅は斜めにカットされている(図5)。ラインヘッド29が備える光学ユニットOUは、厚さ方向TKDに並ぶ2枚のレンズアレイLA1、LA2で構成され、これらレンズアレイLA1、LA2それぞれのレンズLS1、LS2(図5)が厚さ方向TKDに並んで1個の結像光学系として機能する。また、この光学ユニットOUは、レンズアレイLA1、LA2を支持するためにスペーサーSP1、SP2および支持ガラスSSを備えているが、これらについては後に詳述する。また、ラインヘッド29が備えるこれらの構成(29、297、OU)は、厚さ方向TKDが開口したカバー部材290により覆われている。このカバー部材290は、所定の位置(図示せず)で、剛性部材299に対してネジ止めされている。
こうしてラインヘッド29では、ヘッド基板293、遮光部材297およびレンズアレイLA1、LA2がこの順番で並んでいる。そして、ヘッド基板293の発光素子Eからの光が、遮光部材297の導光孔2971を通過した後に、レンズアレイLA1、LA2のレンズLS1、LS2(図5)を透過して、さらに、カバー部材290の開口部を介して、感光体ドラム21表面に結像される。
図4は、厚さ方向TKDからヘッド基板293を平面視した部分平面図であり、厚さ方向TKDの一方側(図3の上側)からヘッド基板293の裏面293−tを透視した場合に相当する。図5は、ラインヘッドのA−A線における部分断面図であり、該断面を長手方向LGD(主走査方向MD)から見た場合に相当する。このA−A線断面は、長手方向LGDに距離Dgを空けるとともに幅方向LTDに距離Dtを空けて、一列に並ぶ3個の発光素子グループEG(あるいは、3枚のレンズLS1等)の各幾何重心(あるいは、各レンズ中心)を通る。また、図4に示す方向Dlscは、A−A線に平行な方向である。さらに、図4では、ヘッド基板293に形成された発光素子グループEG、レンズアレイLA1に形成されたレンズLS1およびレンズアレイLA2に形成されたレンズLS2の位置関係を示すために、レンズLS1およびレンズLS2がそれぞれ一点鎖線で併記されている。ちなみに、レンズLS1およびレンズLS2についての図中記載は、これらの位置関係を示すためのものであり、レンズLS1およびレンズLS2がヘッド基板裏面293−t(図5)に形成されていることを示すものではない。
ヘッド基板293は、長手方向LGDに長尺なガラス製のガラス基板(光透過性基板)であり、光を透過する。ヘッド基板裏面293−tでは、ボトムエミッション型の有機EL(Electro-Luminescence)素子である発光素子Eが複数形成されており、封止部材294が全発光素子Eを封止している(図3、図5)。この封止部材294は、長手方向LGDにおいてヘッド基板293よりやや短く、厚さ方向TKD(の上流側)に開口した箱形状を有しており、ガラスで形成されている。そして、その開口部2941で全発光素子Eを覆うようにして封止部材294はヘッド基板裏面293−tに配置されるとともに、封止部材294の開口部2941の周縁部が接着剤によりヘッド基板裏面293−tに固定されている。
ヘッド基板裏面293−tに設けられた各発光素子Eは、互いに同一の発光スペクトルを有しており、光ビームを感光体ドラム21表面へ向けて射出する。また、図4に示すように、ヘッド基板裏面293−tに形成された複数の発光素子Eの配置態様は、グループ構造を有している。つまり、15個の発光素子Eが長手方向LGDに2行千鳥で配置されて1個の発光素子グループEGが構成されており、さらに複数の発光素子グループEGが長手方向LGDに3行千鳥で離散的に配置されている。
より詳しくは、この配置態様は次のように説明することができる。つまり、各発光素子グループEG内では、15個の発光素子Eが長手方向LGDの互いに異なる位置に配置されており、しかも長手方向LGDにおける位置が隣り合う2つの発光素子E、Eの長手方向LGDへの距離は素子間距離Pelとなっている(言い換えれば、各発光素子グループEG内では、15個の発光素子EがピッチPelで長手方向LGDに配置されている)。そして、素子間距離Pelよりも長いグループ間距離Pegを空けて複数の発光素子グループEGが長手方向LGDに沿って離散的に並んで、1行の発光素子グループ行GRa等が構成されている。さらに、3行の発光素子グループ行GRa、GRb、GRcが距離Dtだけ空けて幅方向LTDの異なる位置に離散的に配置されており、しかも、発光素子グループ行GRa、GRb、GRcのそれぞれは、長手方向LGDに距離Dgだけ相互にシフトされている。こうして、3個の発光素子グループEGが、長手方向LGDに距離Dgを空けるとともに幅方向LTDに距離Dtを空けて、方向Dlscに一列に並ぶ。
ここで、素子間距離Pelは、対象となる2個の発光素子Eの幾何重心間の長手方向LGDにおける距離として求めることができる。また、グループ間距離Pegは、対象となる2個の発光素子グループEGのうち、長手方向LGDの一方側の発光素子グループEGの他方側端部にある発光素子Eの幾何重心と、長手方向LGDの他方側の発光素子グループEGの一方側端部にある発光素子Eの幾何重心との長手方向LGDにおける距離として求めることができる。また、距離Dgは、長手方向LGDにおける位置が隣り合う2個の発光素子グループEGそれぞれの幾何重心間の長手方向LGDにおける距離として求めることができる。また、距離Dtは、幅方向LTDにおける位置が隣り合う2個の発光素子グループEGそれぞれの幾何重心間の幅方向LTDにおける距離として求めることができる。
このようにヘッド基板293の裏面293−tには、発光素子グループEGが配置されている。一方、ヘッド基板293の表面293−hには、遮光部材297が配置されている。遮光部材297には厚さ方向TKDに貫通する導光孔2971が複数形成されている。各導光孔2971は厚さ方向TKDからの平面視において円形状を有しており、その内壁には黒色メッキが施されている。この導光孔2971は、発光素子グループEG毎に1個づつ形成されており、すなわち、1個の発光素子グループEGに対して1個の導光孔2971が開口している。こうして、遮光部材297は、導光孔2971を発光素子グループEGに開口させた状態でヘッド基板表面293−hに当接して固定されている。
このような遮光部材297を設ける目的は、いわゆる迷光がレンズLS1、LS2に入射するのを抑制するためである。つまり、各発光素子グループEGには、レンズ対LS1、LS2の対からなる結像光学系がそれぞれ専用に設けられている。このような構成では、光ビームは、それ自身の射出源である発光素子グループEGに設けられた結像光学系LS1、LS2にのみ入射して結像されることが望ましい。しかしながら、光ビームの一部には、その射出源である発光素子グループEGに設けられた結像光学系LS1、LS2に向わずに迷光となってしまうものもある。そして、このような迷光が、それ自身の射出源でない発光素子グループEGに設けられた結像光学系LS1、LS2に入射してしまうと、いわゆるゴーストが発生してしまうおそれがある。これに対して、この実施形態では、発光素子グループEGと結像光学系LS1、LS2との間に遮光部材297が設けられている。この遮光部材297には、内壁に黒色メッキが施された導光孔2971が発光素子グループEGに開口して設けられているため、迷光の多くは導光孔2971の内壁で吸収されることとなる。その結果、先ほどのゴーストを抑制して、良好な露光動作の実現が図られる。
そして、上述のとおり、これらヘッド基板293および遮光部材297に厚さ方向TKDの一方側から覆い被さるように光学ユニットOUが配設されている。この光学ユニットOUは、遮光部材297の厚さ方向TKDの一方側でレンズアレイLA1を支持し、さらに、このレンズアレイLA1の厚さ方向TKDの一方側でレンズアレイLA2を支持する。そして、このようにレンズアレイLA1、LA2を支持するための積層構造を、光学ユニットOUは備えている。この光学ユニットOUの積層構造について、図3〜図5に加えて図6、図7、図8を用いて説明する。
図6は、ラインヘッドの部分側面図であり、幅方向LTDからラインヘッド29を平面視した場合に相当する。図7は、レンズアレイLA1の支持態様を示す部分平面図であり、厚さ方向TKDから平面視した場合に相当する。図8は、レンズアレイLA2の支持態様を示す部分平面図であり、厚さ方向TKDから平面視した場合に相当する。
光学ユニットOUでは、互いに同一の形状・大きさを有する複数のスペーサーSP1が長手方向LGDに間隔CL1を空けて一列に並んでいる。また、このスペーサーSP1の列は、幅方向LTDの両側に設けられている(図3、図5、図7)。こうして、厚さ方向TKDからの平面視において、スペーサーSP1の列が、複数のレンズLS1(が配列されている領域)を幅方向LTDから挟んで2列配置されることとなる(換言すれば、遮光部材297を幅方向LTDから挟んで2列配置されることとなる)。このように、レンズLS1から幅方向LTDに外れてスペーサーSP1を配設することで、レンズLS1に入射する光ビームとスペーサーSP1との干渉が防止されて、光学ユニットOUは所望の光学特性を確実に発揮できる。なお、光学ユニットOUが備えるこれらのスペーサーSP1は、剛性部材299と同じ基材(鉄等の金属)で構成されており、ヘッド基板293の表面293−hに接着剤等により固定されている。
このようにして、2列に配置された第1スペーサSP1に対して、レンズアレイLA1が幅方向LTDに架設されており、これにより、レンズアレイLA1が遮光部材297の厚さ方向TKDの一方側で位置決めされる。このレンズアレイLA1は、長手方向LGDの両端が斜めに(方向Dlscと平行に)カットされた菱形形状のガラス基板SBを有している。このガラス基板SBの幅方向LTDの端辺は、長手方向LGDに長さLla1を有している(図7)。そして、このガラス基板SBの裏面には、光硬化性樹脂で形成された複数のレンズLS1がアレイ配置されている。これら複数のレンズLS1は、対向する発光素子グループEGの配置に対応して3行千鳥で配置されている(図4)。
そして、図3、図6、図7に示すように、複数のレンズアレイLA1が長手方向LGDに並んで配設されている。つまり、この実施形態では、長手方向LGDに並ぶ複数のレンズアレイLA1をスペーサーSP1が支持して、1つの長尺レンズアレイL−LA1が構成されている。ちなみに、直方形状を有するスペーサーSP1の長さLsp1は、レンズアレイLA1の幅方向LTDの端辺の長手方向LGDの長さLla1より短く、1枚のレンズアレイLA1は、長手方向LGDに並ぶ複数のスペーサーSP1で支持される。具体的には、これらスペーサーSP1のうち、中央スペーサーSP1−bはレンズアレイLA1の長手方向LGDの略中央を支持し、端部スペーサーSP1−aは長手方向LGDに隣り合う2枚のレンズアレイLA1、LA1の隙間BD1を跨いで、該レンズアレイLA1、LA1を支持する。なお、スペーサーSP1とレンズアレイLA1とは接着剤等により固定されている。
また、長尺レンズアレイL−LA1を構成するこれら複数のレンズアレイLA1のそれぞれに対しては、レンズアレイLA2が厚さ方向TKDの一方側から対向して配設されている。こうして、長手方向LGDに並ぶ複数のレンズアレイLA2から長尺レンズアレイL−LA2が構成される。各レンズアレイLA2は、長手方向LGDの両端が斜めに(方向Dlscと平行に)カットされた菱形形状のガラス基板SBを有している。このガラス基板SBの幅方向LTDの端辺の長さLla2は、レンズアレイLA1の端辺の長さLla1と等しい。そして、このガラス基板SBの裏面には、光硬化性樹脂で形成された複数のレンズLS1がアレイは位置されている。これら複数のレンズLS2は、対向する発光素子グループEGの配置に対応して3行千鳥で配置されている(図4)。
レンズアレイLA1の複数のレンズLS1とレンズアレイLA2の複数のレンズLS2とは一対一の対応関係で対向しており、互いに対向するレンズLS1とレンズLS2とは厚さ方向TKDからの平面視において重なり合うように、互いに対向するレンズアレイLA1、LA2は位置調整がされている。そして、レンズアレイLA1とレンズアレイLA2との間隔を規定するために、レンズアレイLA1とレンズアレイLA2との間にはスペーサーSP2が配設されており、このスペーサーSP2がレンズアレイLA1とレンズアレイLA2とを支持する。
つまり、長尺レンズアレイL−LA1の一方面(レンズLS1が形成されていない面)には、互いに同一形状・大きさを有する複数のスペーサーSP2が長手方向LGDに間隔CL2を空けて一列に並んでいる。また、このスペーサーSP2の列は、幅方向LTDの両側に設けられている(図3、図5、図8)。こうして、厚さ方向TKDからの平面視において、スペーサーSP2の列が、複数のレンズLS1および複数のレンズLS2(が配列されている領域)を幅方向LTDから挟んで2列配置されることとなる。このように、レンズLS1、LS2から幅方向LTDに外れてスペーサーSP2を配設することで、レンズLS1からレンズLS2に向かう光ビームとスペーサーSP2との干渉が防止されて、光学ユニットOUは所望の光学特性を確実に発揮できる。
詳細には、スペーサーSP2とレンズアレイLA1、LA2は次のような配置関係を有する。直方形状を有するスペーサーSP2の長さLsp2は、レンズアレイLA1の幅方向LTDの端辺の長手方向LGDの長さLla1より短く、1枚のレンズアレイLA1には、長手方向LGDに並ぶ複数のスペーサーSP2が配設されている。具体的には、これらスペーサーSP2のうち、中央スペーサーSP2−bはレンズアレイLA1の長手方向LGDの略中央に配設され、端部スペーサーSP2−aは長手方向LGDに隣り合う2枚のレンズアレイLA1、LA1の隙間BD1を跨いで、該レンズアレイLA1、LA1に配設される。なお、スペーサーSP2とレンズアレイLA1とは接着剤等により固定されている。
また、スペーサーSP2の長さLsp2は、レンズアレイLA2の幅方向LTDの端辺の長手方向LGDの長さLla2より短く、1枚のレンズアレイLA2は、長手方向LGDに並ぶ複数のスペーサーSP2により支持されている。具体的には、これらスペーサーSP2のうち、中央スペーサーSP2−bはレンズアレイLA2の長手方向LGDの略中央を支持し、端部スペーサーSP2−aは長手方向LGDに隣り合う2枚のレンズアレイLA2、LA2の隙間BD2を跨いで、該レンズアレイLA2、LA2を支持する。なお、スペーサーSP2とレンズアレイLA2とは接着剤等により固定されている。
このように、端部スペーサーSP−aは、レンズアレイLA1、LA2との間に配設されている。しかも、長手方向LGDに隣接するレンズアレイLA2、LA2の両方向を1つの端部スペーサーSP−aの一方面で支持し、また、長手方向LGDに隣接するレンズアレイLA1、LA1の両方向を1つの端部スペーサーSP−aの他方面で支持している。つまり、長手方向LGDに隣接するレンズアレイLA2、LA2は互いに同じ面で支持され、また、長手方向LGDに隣接するレンズアレイLA1、LA1は互いに同じ面で支持される。言い換えれば、端部スペーサーSP−aは、長手方向LGDに隣接する2枚のレンズアレイLA1、LA1と、長手方向LGDに隣接する2枚のレンズアレイLA2、LA2との間で、隙間BD1、BD2を跨いで配設され、これら4枚のレンズアレイLA1、LA1、LA2、LA2を支持している。
さらに、この実施形態では、長手方向LGDに長尺な支持ガラスSSが設けられている。詳述すると、長手方向LGDにおいて、この支持ガラスSSはレンズアレイLA2よりも長く形成されて、長尺レンズアレイL−LA2と略同じ長さを備えている。そして、この支持ガラスSSが長尺レンズアレイL−LA2の一方面に取り付けられており、言わば、支持ガラスSSが複数のレンズアレイLA2をスペーサーSP2の逆側から支持している。そして、この支持ガラスSSの表面SS−h(一方平面)が、感光体ドラム21にクリアランスを空けて対向する。
このように、光学ユニットOUは上述してきた積層構造を備えており、レンズアレイLA1のレンズLS1とレンズアレイLA2のレンズLS2とは厚さ方向TKDに並んで、1つの結像光学系を構成する。この結像光学系は、反転した縮小像を形成するものであり、その倍率は負であるとともに1未満の絶対値を有している。したがって、発光素子Eから射出された光ビームは、レンズLS1、LS2を透過した後に支持ガラスSSの表面SS−hから射出されてスポットとして感光体ドラム21表面に収束される。そして、特開2008−036937号公報の図11等に記載のように、感光体ドラム21表面の副走査方向SDへの移動に応じて各発光素子Eの発光を制御することで、主走査方向MDに伸びるライン潜像を形成することができる。
続いて、図9を用いてヘッド基板周りの構成の詳細について説明する。ここで、図9は、ヘッド基板周りの詳細を示す図であり、長手方向LGDからみた場合に相当する。上述したとおり、ヘッド基板293の裏面293−tには、発光素子E(EG)を封止するガラス製の封止部材294が設けられている。この封止部材294はその開口部2941で全発光素子Eを覆うように配置されており、当該開口部2941の周縁部2942が接着剤によりヘッド基板裏面293−tに固定されている。
また、幅方向LTDにおいて、ヘッド基板293の幅W293は、封止部材294の幅W294よりも広く、ヘッド基板293の幅方向LTDの両端部2931、2931は、封止部材294よりも突出している。そして、ヘッド基板裏面293−tの両端部2931には、フレキシブルプリント基板FPCが取り付けられている(図5)。そして、このフレキシブルプリント基板FPCは、剛性部材299とカバー部材290との隙間を抜けて、その一端がカバー部材290の外部へと引き出されている(図5)。また、封止部材294により封止されている各発光素子Eには配線(図示せず)の一端が接続されており、しかも、この配線の他端は、ヘッド基板裏面293−tと封止部材294の開口部周縁部2942との間を抜けて、ヘッド基板293−tの両端部2931にまで延設されている。そして、こうして延設された配線の他端とフレキシブルプリント基板FPCとが接続されている。このように、各発光素子Eとフレキシブルプリント基板FPCとが配線により繋がっているため、ヘッドコントローラーHCは、フレキシブルプリント基板FPCを介して信号を発光素子Eに供給することができる。
封止部材294の裏面294−t(ヘッド基板293の逆側の平面)は所定の平面度を有するように仕上げられており、さらに、剛性部材299により支持されている。また、封止部材裏面294−tに当接するこの剛性部材299の当接面299−hも、上記所定の平面度と同程度の平面度を有するように仕上げられている。そして、ラインヘッド29の組立時においては、封止部材294の裏面294−tに剛性部材299の当接面299−hを押し当てることで、封止部材294およびこれに接着されたヘッド基板293の平面性を出している。また、剛性部材299の当接面299−hは、接着剤により封止部材294に接着固定されている。
また、上述のとおり、ヘッド基板293の表面293−h(裏面293−tの逆側の平面)には、スペーサーSP1が配設されている。このスペーサーSP1は、幅方向LTDにおいて(換言すれば、厚さ方向TKDから見て)、封止部材294の開口部2941の外側両端それぞれに配置されている。また、ヘッド基板表面293−hに当接する各スペーサーSP1の当接面SP1−tは、接着剤によりヘッド基板表面293−hに接着固定されている。そして、このスペーサーSP1が、レンズアレイLA1をヘッド基板293の表面293−t側に支持することで、レンズアレイLA1のレンズLS1が発光素子E(EG)に対向する。そして、発光素子E(EG)からの光が、ヘッド基板293を透過した後にレンズLS1に入射する。
そして、本実施形態では、剛性部材299とスペーサーSP1との配置関係が次のようになっている。つまり、幅方向LTDにおいて(換言すれば、厚さ方向TKDから見て)、剛性部材299(の当接面299−h)と、スペーサーSP1(の当接面SP1−t)とが重複領域OLで重複(オーバーラップ)している。言い換えれば、スペーサーSP1と剛性部材299とは、ヘッド基板293および封止部材294を重複領域OLで挟んでいる。
以上のように、この実施形態では、発光素子Eが配設されたガラス製のヘッド基板293と、ヘッド基板293の発光素子Eが配設された面で当該発光素子を封止するガラス製の封止部材294とを備えている。このように、ヘッド基板293および封止部材294をガラスで構成した場合、これらの支持態様が適切でないと撓んでしまう場合があった。これに対して、この実施形態では、ヘッド基板293の逆側から封止部材294を支持する剛性部材299が備えられている。したがって、ヘッド基板293および封止部材294の撓みを剛性部材299により矯正することができ、ヘッド基板293および封止部材294の撓みが抑制されている。
ところで、この実施形態では、レンズアレイLA1がヘッド基板293の表面293−h側に設けられており、発光素子Eからの光はヘッド基板293(の裏面293−tから表面293-h)を透過した後にレンズアレイLA1のレンズLS1に入射する。そして、このレンズアレイLA1を支持するためのスペーサーSP1が、ヘッド基板293(の表面293−h)に配設されている。つまり、この実施形態では、ヘッド基板293および封止部材294のうち、ヘッド基板293にスペーサーSP1が配設される一方、上述のとおり封止部材294は剛性部材299により支持されている。しかしながら、このような構成では、スペーサーSP1と剛性部材299との位置関係が適切でないと(例えば、幅方向LTDにおいて、各スペーサーSP1が剛性部材299の両外側に完全に外れた位置に配置されたような場合)、ヘッド基板293と封止部材294との接着部に応力が集中して、ヘッド基板293から封止部材294が剥がれて、封止が破けてしまう場合が想定される。これに対して、この実施形態では、スペーサーSP1は、ヘッド基板293および封止部材294を剛性部材299とで挟むようにして配設されている。そのため、上述のようなヘッド基板293と封止部材294との接着部に集中する応力の発生を抑制して、封止の破れを抑制することが可能となっている。
また、上記実施形態では、封止部材294は、ヘッド基板293に接着剤で取り付けられている。したがって、上述のような応力を接着剤の変形によって吸収することができるため、上述の封止の破れをより確実に抑制することが可能となっている。
また、上記実施形態では、ヘッド基板293の幅は封止部材294の幅よりも広く、ヘッド基板293の裏面293−tの端部2931、2931は封止部材294から突出している。したがって、ヘッド基板裏面293−tの端部に種々の機能部材を配設することが可能となっている。そこで、上記実施形態では、ヘッド基板裏面293−tの端部2931、2931にフレキシブルプリント基板FPCを配設している。
また、上記実施形態では、剛性部材299の基材とスペーサーSP1の基材とが同じであるように構成しても良い。このように構成した場合、上述したようなヘッド基板293および封止部材294に発生する応力の発生を、より確実に抑制させることができ、封止の破れをより確実に抑制することが可能となる。
また、上記実施形態のように発光素子Eが有機EL素子である構成に対しては、本発明を適用することが好適である。なぜなら、有機EL素子は水分(湿気)により劣化するため、本発明によって封止の破れを抑制することが好適となるからである。
その他
以上のように、上記実施形態では、ラインヘッド29が本発明の「露光ヘッド」に相当し、ヘッド基板293が本発明の「発光素子基板」に相当し、ヘッド基板裏面293−tが本発明の「第1の面」に相当し、ヘッド基板表面293−hが本発明の「第2の面」に相当し、スペーサーSP1が本発明の「支持部材」に相当している。また、感光体ドラム21が本発明の「潜像担時体」に相当している。
以上のように、上記実施形態では、ラインヘッド29が本発明の「露光ヘッド」に相当し、ヘッド基板293が本発明の「発光素子基板」に相当し、ヘッド基板裏面293−tが本発明の「第1の面」に相当し、ヘッド基板表面293−hが本発明の「第2の面」に相当し、スペーサーSP1が本発明の「支持部材」に相当している。また、感光体ドラム21が本発明の「潜像担時体」に相当している。
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて上述したものに対して種々の変更を加えることが可能である。例えば、図10、図11に示すようにラインヘッド29を構成することもできる。以下に図10、図11の構成について説明するが、図10、図11の構成と上記実施形態との差異点は、主としてレンズアレイLA1、LA2の支持態様のみであるので、以下ではこの差異点を中心に説明する一方で、共通部分については相当符号を付して説明を省略する。
図10は、ラインヘッドの変形例を示す斜視図であり、図11は、ラインヘッドの変形例のA−A線における部分断面図であり、該断面を長手方向LGD(主走査方向MD)から見た場合に相当する。このラインヘッド29では、厚さ方向TKDの上流側および下流側の両方に開口したフレーム2901がヘッド基板293の表面293−hに配設されている。このフレーム2901の幅方向LTD両端における周縁は、二段の階段形状に仕上げられており、両周縁部の一段目にレンズアレイLA1が架設されるとともに、両周縁部の二段目にレンズアレイLA2が架設されている。
そして、この実施形態においても、ヘッド基板293の逆側から封止部材294を支持する剛性部材299が備えられている。したがって、ヘッド基板293および封止部材294の撓みを剛性部材299により矯正することができ、ヘッド基板293および封止部材294の撓みが抑制されている。
また、この実施形態では、ヘッド基板293および封止部材294のうち、ヘッド基板293にフレーム2901が配設される一方、封止部材294は剛性部材299により支持されている。しかしながら、このような構成では、フレーム2901と剛性部材299との位置関係が適切でないと、ヘッド基板293と封止部材294との接着部に応力が集中して、ヘッド基板293から封止部材294が剥がれて、封止が破けてしまう場合が想定される。これに対して、この実施形態では、ヘッド基板293および封止部材294をフレーム2901と剛性部材299とが重複領域OLで挟むように、ラインヘッド29が構成されている。そのため、上述のようなヘッド基板293と封止部材294との接着部に集中する応力の発生を抑制して、封止の破れを抑制することが可能となっている。
また、上記実施形態では、ヘッド基板293の幅W293は、封止部材294の幅W294よりも広く構成されているが、ヘッド基板293および封止部材294の幅関係はこれに限られない。
また、上記実施形態では、剛性部材299とスペーサーSP1とが同じ基材で形成されているが、これら剛性部材299とスペーサーSP1とは互いに異なる基材で形成されても良い。
また、上記実施形態では、2枚の長尺レンズアレイL−LA1、L−LA2を厚さ方向TKDに並べているが、厚さ方向TKDに並ぶ長尺レンズアレイの枚数はこれに限られず、3枚以上であっても良い。
また、上記実施形態では、複数のレンズアレイLA1は、同一の形状および大きさを備えていたが、これらについても種々の変更が可能である。さらに、複数のレンズアレイLA2についても同様の変更が可能である。
また、上記実施形態では、複数のスペーサーSP1は、同一の形状および大きさを備えていたが、これらについても種々の変更が可能である。さらに、複数のスペーサーSP2についても同様の変更が可能である。
また、上記実施形態の結像光学系は、反転した縮小像を形成するものであり、その倍率は負であるとともに1未満の絶対値を有していたが、結像光学系の倍率はこれに限られず、正であっても良く、1以上の絶対値を有していても良い。
また、上記実施形態では、レンズアレイLA1の裏面(厚さ方向TKDの他方面)にレンズLS1が形成されていたが、レンズLS1の形成位置はこれに限られない。レンズアレイLA2についても同様である。
また、上記実施形態では、各レンズアレイLA1、LA2において3行千鳥でレンズが並んでいたが、レンズの配置態様はこれに限られない。
また、上記実施形態では、レンズアレイLA1、LA2は、ガラス製の光透過性基板SBに樹脂製のレンズLS1、LS2を形成したものであった。しかしながら、レンズアレイLA1、LA2を1つの材料で一体的に構成することもできる。
また、上記実施形態では、複数の発光素子グループEGは3行千鳥で配置されていたが、複数の発光素子グループEGの配置態様はこれに限られない。
また、上記実施形態では、15個の発光素子Eから発光素子グループEGが構成されている。しかしながら、発光素子グループEGを構成する発光素子Eの個数はこれに限られない。
また、上記実施形態では、発光素子グループEG内において、複数の発光素子Eが2行千鳥で配置されていたが、発光素子グループEG内での複数の発光素子Eの配置態様はこれに限られない。
21…感光体ドラム(像担持体)、 29…ラインヘッド、 OU…光学ユニット、 293…ヘッド基板、 E…発光素子、 EG…発光素子グループ、 294…封止部材、 299…剛性部材、 SP1…スペーサー、 LA1、LA2…レンズアレイ、 FPC…フレキシブルプリント基板、 LGD…長手方向、 LTD…幅方向、 TKD…厚さ方向
Claims (7)
- 発光素子が配設されたガラス製の発光素子基板と、
前記発光素子基板の前記発光素子が配設された第1の面で前記発光素子を封止するガラス製の封止部材と、
前記発光素子基板の逆側から前記封止部材を支持する剛性部材と、
前記発光素子基板の前記第1の面に対して逆側の第2の面に配設された支持部材と、
前記支持部材により前記発光素子基板の前記第2の面側に支持されるとともに、前記発光素子から前記光素子基板を透過した光が入射するレンズを有するレンズアレイと、
を備え、
前記支持部材は、前記発光素子基板および前記封止部材を前記剛性部材とで挟むようにして配設されていることを特徴とする露光ヘッド。 - 前記封止部材は、前記発光素子基板に接着剤で取り付けられている請求項1に記載の露光ヘッド。
- 前記発光素子基板の幅は前記封止部材の幅よりも広く、前記発光素子基板の前記第1の面の端部は前記封止部材から突出している請求項1または2に記載の露光ヘッド。
- 前記発光素子基板の前記第1の面の前記端部に配設されたフレキシブルプリント基板と、
前記発光素子基板と前記封止部材との間を抜けて、前記発光素子と前記フレキシブルプリント基板とを繋ぐ配線と、
を備えた請求項3に記載の露光ヘッド。 - 前記剛性部材の基材と、前記支持部材の基材とが同じである請求項1ないし4のいずれか一項に記載の露光ヘッド。
- 前記発光素子は有機EL素子である請求項1ないし5のいずれか一項に記載の露光ヘッド。
- 発光素子が配設されたガラス製の発光素子基板、前記発光素子基板の前記発光素子が配設された第1の面で前記発光素子を封止するガラス製の封止部材、前記発光素子基板の逆側から前記封止部材を支持する剛性部材、前記発光素子基板の前記第1の面に対して逆側の第2の面に配設された支持部材、および前記支持部材により前記発光素子基板の前記第2の面側に支持されるとともに前記発光素子から前記光素子基板を透過した光が入射するレンズを有するレンズアレイを有する露光ヘッドと、
前記露光ヘッドの前記発光素子からの光により露光される潜像担持体と、
を備え、
前記支持部材は、前記発光素子基板および前記封止部材を前記剛性部材とで挟むようにして配設されていることを特徴とする画像形成装置。
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2018049158A (ja) * | 2016-09-21 | 2018-03-29 | 株式会社沖データ | レンズユニット、ledヘッド、露光装置、画像形成装置および読取装置 |
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2009
- 2009-08-18 JP JP2009189326A patent/JP2011037236A/ja not_active Withdrawn
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2018049158A (ja) * | 2016-09-21 | 2018-03-29 | 株式会社沖データ | レンズユニット、ledヘッド、露光装置、画像形成装置および読取装置 |
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