JP2011036100A - 同一負荷パターンを有する装置の省電力駆動装置及び方法 - Google Patents

同一負荷パターンを有する装置の省電力駆動装置及び方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2011036100A
JP2011036100A JP2009182434A JP2009182434A JP2011036100A JP 2011036100 A JP2011036100 A JP 2011036100A JP 2009182434 A JP2009182434 A JP 2009182434A JP 2009182434 A JP2009182434 A JP 2009182434A JP 2011036100 A JP2011036100 A JP 2011036100A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
power
inverter
parameter
load pattern
motor
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2009182434A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5397760B2 (ja
Inventor
Sunao Niitsuma
素直 新妻
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
IHI Corp
Original Assignee
IHI Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by IHI Corp filed Critical IHI Corp
Priority to JP2009182434A priority Critical patent/JP5397760B2/ja
Priority to CN201080013363.9A priority patent/CN102362427B/zh
Priority to US13/259,215 priority patent/US8866429B2/en
Priority to PCT/JP2010/053202 priority patent/WO2010110013A1/ja
Priority to EP10755814.0A priority patent/EP2413497B1/en
Publication of JP2011036100A publication Critical patent/JP2011036100A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5397760B2 publication Critical patent/JP5397760B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Abstract

【課題】配線の電気的特性、電磁ノイズ除去用素子の有無、モータごとの損失特性及び温度変化、等を予め実験して損失特性のデータを取得することなく、すべての構成要素の損失特性を考慮して損失量を最小化することができる同一負荷パターン装置の省電力駆動装置及び方法を提供する。
【解決手段】インバータ19から電力供給されるモータ21で駆動され、同一負荷パターンで繰り返し運転される同一負荷パターン装置23の省電力駆動装置。同一負荷パターン内の複数の区間毎におけるインバータの受電電力量を計算する電力量演算器81と、インバータのパラメタを複数の値に変化させ、各パラメタにおける受電電力量を比較し、受電電力量を最小にするパラメタを選択して、インバータに指令するパラメタ選択・指令器83とを備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、同一負荷パターンを有する装置の省電力駆動装置及び方法に関する。
本発明は、インバータから電力供給されるモータで駆動され、同一負荷パターンで繰り返し運転される装置を対象とする。以下、かかる装置を「同一負荷パターン装置」と呼ぶ。
なお、同一負荷パターン装置は、サーボプレス、プレス用ダイクッション、搬送装置、物流装置などの産業用装置を主に想定するが、それらには限定されない。
上述した同一負荷パターン装置における損失量は、電力変換回路のパラメタ、例えば搬送波周波数やスイッチング波形の電圧変化率dv/dtなどにより変化する。
ここで「損失量」とは、インバータの受電電力とモータ出力との差、すなわち、インバータからモータに到る電気回路(インバータとモータを含む)およびモータ内部の磁気回路において発熱や電磁放射の形で失われる仕事量を意味する。
この損失量を低減する手段として、例えば特許文献1が既に提案されている。また、本発明に関連する技術が、特許文献2と非特許文献1,2に開示されている。
特許文献1は、装置の運転条件が変化したとき、電力変換のパラメタ(DC/DCコンバータの搬送波周波数)を変化させて損失量を小さくするものである。
非特許文献2には、低速域・中速域・高速域に応じて運転中にスイッチング周波数を切り替えることにより損失を低減することが開示されている。
特開2003−116280号公報、「駆動装置および動力出力装置」 特開平5−184182号公報、「インバータ制御装置」
電気学会・半導体電力変換システム調査専門委員会編 「パワーエレクトロニクス回路」 オーム社 2000年 大久保光一、他、「EVモータ用低損失インバータの開発」、三菱重工技報 VOL.45 NO.3:2008
特許文献1では、損失量を小さくする搬送波(キャリアと称する)周波数を、(A)エネルギ蓄積手段、スイッチング素子、電動機各相コイルの損失特性を損失特性として用い、或いは(B)予め実験などにより求める手段が提案されている。
しかし、特許文献1の手段を各種装置、特にサーボプレス、プレス用ダイクッション、搬送装置、物流装置などの産業用装置に適用しようとすると以下の問題がある。
(A)に対しては、「他の構成要素の損失特性が考慮されていない」という問題がある。
例えば、インバータとモータ間の配線、電磁ノイズ除去用素子(フェライトコアやフィルタ)、モータのロータにおける損失(ロータ内に誘導される電流による損失など)が考慮されていない。
また、産業用装置ではインバータとモータ間の配線が長かったり、電磁ノイズ除去用素子やモータが大型であったりするため、これらの構成要素からの損失量も無視できないことが多い。
(B)に対しては、「搬送波周波数を決めるためのデータ(総合的な損失特性)を予め求めておくことが困難である」という問題がある。
この理由は、例えば、次の理由による。
(a)配線作業が現物合わせのため、配線の電気的特性が事前に予測できない。
(b)電磁ノイズ除去用素子が装置設置後に追加されることがある、
(c)モータが故障して交換されることがあるが、モータは一台ごとに特性が異なる。
(d)モータの温度は、装置の起動直後は低く、装置を連続運転していると上昇するが、モータの損失特性は温度によって変化する。
更に、従来の方法では、負荷パターンの1サイクル中に、運転条件(典型的にはモータの回転速度やトルク)が大きく異なる複数の動作が含まれている場合に、損失量の低減効果が十分に得られない可能性がある。
たとえば、サーボプレスやプレス用ダイクッションでは、1サイクル中に、金型が加工対象物と接触しプレス成型を行っている区間と、加工対象物の出し入れのため金型を加工対象物から離して移動させている区間がある。プレス成型を行っている区間では低速だが大トルクが必要であり、金型を移動している区間では低トルクだが高速が必要とされる。このような場合、それぞれの区間でインバータのパラメタを変えることにより、従来の方法よりもさらに損失量を小さくするパラメタを選択できる可能性がある。
本発明は、上述した問題点を解決するために創案されたものである。すなわち、本発明の目的は、配線の電気的特性、電磁ノイズ除去用素子の有無、モータごとの損失特性及び温度変化、等を予め実験して損失特性のデータを取得することなく、すべての構成要素の損失特性を考慮して損失量を最小化することができる同一負荷パターンを有する装置の省電力駆動装置及び方法を提供することにある。
本発明によれば、インバータから電力供給されるモータで駆動され、同一負荷パターンを有する装置の省電力駆動装置であって、
前記同一負荷パターン内の複数の区間毎におけるインバータの受電電力量を計算する電力量演算器と、
インバータのパラメタを複数の値に変化させ、各パラメタにおける前記受電電力量を比較し、該受電電力量を最小にするパラメタを選択して、インバータに指令するパラメタ選択・指令器と、を備える、ことを特徴とする同一負荷パターンを有する装置の省電力駆動装置が提供される。
本発明の好ましい実施形態によれば、前記負荷パターンのサイクル開始信号とサイクル終了信号、及び負荷パターン内の前記各区間を示す区間番号を出力する指令値生成器を備える。
前記インバータのパラメタは、搬送波周波数及び/又はスイッチング波形の電圧変化率である。
また本発明によれば、インバータから電力供給されるモータで駆動され、同一負荷パターンを有する装置の省電力駆動方法であって、
インバータのパラメタを複数の値に変化させ、
前記各パラメタにおける前記同一負荷パターン内の複数の区間毎にインバータの受電電力量を計算し、
各パラメタにおける前記受電電力量を比較し、該受電電力量を最小にするパラメタを選択して、インバータに指令する、ことを特徴とする同一負荷パターンを有する装置の省電力駆動方法が提供される。
本発明の好ましい実施形態によれば、前記複数の区間は、負荷パターンにおけるモータの速度、可速度、又はトルクが異なるように設定する。
上記本発明の装置及び方法によれば、電力量演算器とパラメタ選択・指令器とを備え、インバータのパラメタを複数の値に変化させ、各パラメタにおける同一負荷パターン内の複数の区間毎にインバータの受電電力量を計算して比較し、該受電電力量を最小にするパラメタを選択して、インバータに指令するので、配線の電気的特性、電磁ノイズ除去用素子の有無、モータごとの損失特性及び温度変化、等を予め実験して損失特性のデータを取得することなく、すべての構成要素の損失特性を考慮して損失量を最小化することができる。
サーボプレス、プレス用ダイクッション、搬送装置、物流装置などの産業用装置が同一負荷パターンで繰り返し運転される場合、それぞれのサイクルにおいてモータの出力は同じである。
そのため、インバータのパラメタが例えば搬送波周波数である場合、あるサイクルでは搬送波周波数f1で、別のサイクルでは搬送波周波数f2で運転し、それぞれのサイクルにおけるインバータの受電電力量の測定値をE1およびE2とすると、損失量はインバータの受電電力量とモータ出力の積算値の差であるから、もしE1<E2であれば搬送波周波数f1のほうが損失量が小さく、もしE1>E2であれば搬送波周波数f2のほうが損失量が小さい。
従って、インバータのパラメタ(例えば搬送波周波数)を変えてサイクルにおけるインバータの受電電力量を測定し比較することにより、損失量をもっとも小さくするパラメタを探しだすことができるので、そのパラメタで装置を運転することにより、損失量を最小化することができる。
また、インバータは、1サイクルの途中であっても、パラメタ(搬送周波数、スイッチング波形の電圧変化率dv/dt)を切り替えることができる機能を有する。
本発明では、1サイクルの中を複数の区間に分割し、電力量演算器において、それぞれの区間ごとに分けて電力量を演算し、それぞれの区間に対して、パラメタの異なる複数のサイクル間で電力量を比較し、電力量が最小となるパラメタを選択するので、損失量をさらに削減可能である。
従って、上記本発明の装置及び方法によれば、以下の効果が得られる。
(1)予め実験して損失特性のデータを取得する手間・時間なしに、損失の小さくなる搬送波周波数を探し出して損失の小さい運転が可能である。
(2)装置の運転においてモータが力行のみでなく回生も行う場合、さらには回生のみ行うような場合にも適用可能である。
(3)配線の変更やモータの交換や温度変化などの外部状況の変化に対して、装置の運転を継続した状態のまま、自動的に、損失の小さくなる搬送波周波数を探し出して損失の小さい運転を行う構成も可能である。
(4)損失に影響する搬送波周波数以外のパラメタ、たとえばスイッチング波形の電圧変化率dv/dtを自動調整して損失の小さい運転を行うことも可能である。
(5)1サイクルの中を複数の区間毎に電力量が最小となるパラメタを選択するので、損失量をさらに削減できる。
本発明による省電力駆動装置の第1実施形態を示す図である。 本発明が対象としている同一負荷パターン装置の作動説明図である。 図2に示す信号を指令値生成器で生成する方法の例を示す図である。 電力量演算器81の内部構成の模式図である。 パラメタ選択・指令器83の作動説明図である。 本発明による省電力駆動装置の第2実施形態を示す図である。 複数のパラメタを探索・決定する方法の説明図である。 本発明による省電力駆動装置の第3実施形態を示す図である。 本発明による省電力駆動装置の第4実施形態を示す図である。 電圧測定器と電流測定器の別の構成図である。 区間の分割例を示す図である。
以下、本発明の好ましい実施形態を図面を参照して説明する。なお各図において、共通する部分には同一の符号を付し、重複した説明は省略する。
図1は、本発明による省電力駆動装置の第1実施形態を示す図である。
この図において、11は外部電源であり、電力会社から供給される電源や、自家発電装置である。外部電源11は、この実施形態では3相交流を供給すると仮定するが、単相交流など他の形態の電源でもよい。
13はコンバータであり、外部電源11から供給される電力を直流に変換して直流バス15に供給する。コンバータ13は、この実施形態ではダイオードブリッジを仮定するが、位相制御により電圧可変なサイリスタブリッジや、パワーMOSFETやIGBTなどの電力制御素子を用いた回生可能なブリッジでもよい。
15は直流バスであり、コンバータ13とインバータ19を電気的に接続する。図中で、上方に示されているのが直流バス15のプラス側(+)、下方に示されているのが直流バス15のマイナス側(−)である。
17はキャパシタであり、直流バス15の電圧を平滑化する。キャパシタ17は、アルミ電解コンデンサが使用されることが多いが、他の種類のコンデンサや電気二重層キャパシタを用いてもよい。
19はインバータであり、直流バス15からモータ21へ流れる電流・電圧を制御し、モータ21が所望のトルクを発生するようにする。インバータ19は、この実施形態では電圧型インバータを仮定するが、電流型インバータでもよい。電流型インバータの場合、キャパシタ17の代わりにリアクトルを用いる。
また、インバータ19は、この実施形態では、モータ21の正逆回転、力行・回生が可能な4象限駆動のインバータを仮定するが、機械負荷23(同一負荷パターン装置)の特性および動作によっては、回転方向が一方向のみ、もしくは力行のみが可能なインバータでもよい。
さらに本出願において、インバータ19は、1サイクルの途中であっても、パラメタ(搬送周波数、スイッチング波形の電圧変化率dv/dt)を切り替えることができる機能を有する。
21はモータであり、インバータ19とモータ21の組み合わせにより、制御器27から入力されるトルク指令値に追従してモータ21がトルクを発生する。
モータ21は、この実施形態では、3相誘導モータないし3相永久磁石同期モータを仮定するが、インバータとの組み合わせでトルク・回転速度が可変であれば、他の形式のモータでもよい。
23は機械負荷、すなわち同一負荷パターン装置であり、モータ21により駆動される。
25はモータエンコーダであり、モータ21の回転位置(角度)を測定する。モータエンコーダ25として、光学式や磁気式のロータリーエンコーダやレゾルバが用いられる。なお、制御器27が速度制御を行う場合には、モータ21の回転速度(角速度)を測定すればよい。この場合、ロータリーエンコーダやレゾルバで測定した回転位置を時間微分してもよいし、タコメータのように回転速度を直接測定してもよい。
27は制御器であり、インバータ19、モータ21、モータエンコーダ25、制御器27でフィードバックループを構成し、モータ21が指令値生成器29からの指令値に追随するよう制御する。
制御器27は、この実施形態では、位置制御を仮定するが、速度制御でもよい。制御器内部の演算手法としては、PID制御やI−PD制御などが多く用いられるが、その他の制御手法を用いてもよい。制御性を改善するためのフィードフォワード演算を組み合わせてもよい。制御器27は、DSPやマイコンを用いたプログラマブル装置もしくはアナログ回路もしくはそれらの組み合わせにより実現可能である。
29は指令値生成器であり、それぞれの時刻において、モータ21が追随すべきモータ回転角度指令値Acを制御器27へ出力する。モータ回転角度指令値Acの伝送には、90度位相がずれた2相パルス列による伝送や、各種通信ネットワークによる伝送が用いられる。モータ21の回転角と機械負荷23は機械的に連動しているので、モータ21の回転角度を指令することは、機械負荷23の位置を指令することと同じ意味である。
図2は、本発明が対象としている同一負荷パターン装置の作動説明図である。
本発明は同一負荷パターンで繰り返し運転される装置(同一負荷パターン装置)を対象としているので、この実施形態において、図2に示すように、モータ回転角度指令値Acはサイクル(繰り返される同一パターン)を有し、サイクルの開始時点と終了時点において、指令値生成器29はサイクル開始信号Csとサイクル終了信号Ceをそれぞれ出力するものとする。図2において、Cは1サイクルを示している。
また、本願において、指令値生成器29は、ある時刻において1サイクル中のどの区間であるかを示す区間番号Kを生成し、電力量演算器81、パラメタ選択・指令器83へ出力する。この例で、区間番号1,2,3はそれぞれ低速域、中速域、高速域に対応しているが、本願はこの例に限定されず、複数の区間は、運転条件、すなわち負荷パターンにおけるモータの速度、可速度、又はトルクが大きく異なるように設定するのがよい。
サイクルとサイクルの間における指令値生成器29の出力は本発明の動作には関係しないが、サイクルとサイクルの間では装置は停止ないし手動で低速運転するケースが多いことを考慮し、単純化のため、以下の説明においてはサイクルとサイクルの間は区間番号として一番低い速度に対応する区間番号(実施例では区間1)を出力するものとする。
なお、図2ではサイクル開始信号Cs、サイクル終了信号Ceはパルス信号としたが、サイクル開始を信号の立上がりエッジで、サイクル終了を信号の立下りエッジで示すようにするなど、他の信号波形でもよい。
なお、制御器27が速度制御を行う場合には、指令値生成器29はモータ回転速度指令値を出力するようにすればよい。
指令値生成器29は、半導体メモリのような記憶装置を有するDSPやマイコンを用いたプログラマブル装置により実現可能である。
図3は、モータ回転角度指令値と区間番号を指令値生成器で生成する方法の例を示す図である。
モータ回転角度指令値と区間番号を指令値生成器29で生成する1つの方法として、図3(A)に示すように時刻とモータ回転角度指令値・区間番号との関係をテーブル方式で記憶し、モータ回転角度指令値としては図3(B)に示すようにテーブルで指定された点の間を直線補間し、区間番号としては図3(C)に示すようにテーブルで指定された時刻の間、テーブルで指定された区間番号を出力するように構成することが可能である。
インバータ19は、以下の要素から構成され、パラメタ選択・指令器83が出力する搬送波周波数指令値Fにしたがった周波数の搬送波Cwを用いてPWM変調が行われる。
インバータの構成・動作例の詳細は例えば、非特許文献1に示されている。また、可変な搬送波周波数によりPWM変調を行う方法の例は、特許文献2に示されている。なお特許文献2では、搬送波はキャリアと呼ばれている。
41は電力制御部であり、ゲート信号により導通状態が変化する電力制御素子により、直流バス15からモータ21への電圧・電流を制御する。電力制御部41は、この実施形態ではパワーMOSFETやIGBTなどのゲート信号をオフすることにより消弧可能な電力制御素子を用いることを仮定するが、GTOなど他の種類の電力制御素子を電力制御素子に応じた適当なゲート駆動回路と組み合わせて用いてもよい。
43はモータ電流測定器であり、電力制御部41からモータ21へのUVW各相の電流を測定する。モータ電流測定器43は、電流にともなって電線の周囲に発生する磁場を測定する非接触方式の装置や、回路に抵抗を挿入し電流にともなって抵抗の両端に発生する電位差を測定する装置などである。電流測定器63の実現方法も同様である。
45は指令演算器であり、制御器27からのトルク指令値Tcに追随してモータ21がトルクを発生するよう、PWM変調器47へUVWの各相に対する変調波Mwを出力する。指令演算器45として、ベクトル演算により計算した各相への電流指令をモータ電流測定器43の測定値と比較して各相の変調波を求める装置が可能であるが、他の装置でもよい。指令演算器45は、DSPやマイコンを用いたプログラマブル装置もしくは電子回路もしくはそれらの組み合わせにより実現可能である。なお、状態推定等の手法を用いて、必要なモータ電流測定器43の個数を減らす構成も可能である。
47はPWM変調器であり、変調波Mwを搬送波Cwで変調し、電力制御素子の導通・非導通を決めるノッチ波Nwを出力する。PWM変調器47は、この実施形態では三角搬送波を用い、変調波Mwと搬送波Cwの大小比較でノッチ波Nwのオンオフを決める手段を想定する。PWM変調器47は、アナログ電子回路(コンパレータ)もしくはDSPやマイコンのプログラムで実現可能である。
49は搬送波発振器であり、PWM変調のための搬送波Cwを発振する。搬送波発振器49は、搬送波周波数指令値Fにしたがって発振周波数が可変となるよう構成する。
搬送波発振器49は、2つの値M1,M2の間でカウントアップ・ダウンを繰り返すアップダウンカウンタを電子回路やDSPやマイコンのプログラムで構成して三角搬送波を発振し、搬送波周波数指令値Fに応じてM1,M2の値を適切に変えることにより発振周波数を変える構成が可能であるが、アナログ電子回路による発振回路など他の方法で構成してもよい。
51はゲート駆動回路であり、ノッチ波Nwを絶縁、レベル変換又は増幅して、電力制御素子のゲートを駆動するゲート信号を出力する。ゲート駆動回路51は、絶縁型電源・フォトカプラ等を用いた電子回路により実現できる。
61は電圧測定器であり、63は電流測定器である。電圧測定器61と電流測定器63は、直流バス15(キャパシタ17を含む)からインバータ19へ流入する電力量を計算するため、それぞれ電圧と電流を測定し、電圧測定値V(t)と電流測定値I(t)を電力量演算器81へ出力する。電圧測定値V(t)、電流測定値I(t)の伝送には、電圧振幅や電流振幅としてアナログ伝送する手段や、各種通信ネットワークを用いてデジタル伝送することが可能である。
電圧測定器61で測定される時刻tにおける直流バス15のマイナス側に対するプラス側の電圧をV(t)と記す。また電流測定器63で測定される時刻tにおける直流バスのプラス側を図中で左から右へ流れる電流をI(t)と記す。電流測定値が負の値の場合、電流が図中で右から左へ流れることを示す。
81は電力量演算器であり、1サイクル内の複数の区間毎の電力量を演算する。すなわち、電圧測定値V(t)と電流測定値I(t)を乗算した値を、サイクル開始信号Csが入力された時点から、複数の区間毎に、サイクル終了信号Ceが入力される時間までそれぞれ別個に時間積分して出力する。
すなわち、本実施例において電力演算器は、各サイクルにおける1サイクル中の区間1、区間2、区間3に対する電力量W1、W2、W3を演算する。なおこの実施例では、区間数が3であるが、区間数がNの場合、区間1、…、区間Nに対する電力量W1、…、WNを演算する。
1サイクル中の区間1、区間2、区間3に対する電力量W1、W2、W3の伝送には、電圧振幅や電流振幅としてアナログ伝送する手段や、各種通信ネットワークを用いてデジタル伝送することが可能である。
電力量演算器81は、DSPやマイコンを用いたプログラマブル装置もしくはアナログ電子回路もしくはそれらの組み合わせにより実現可能である。
電力量演算器81は、以下のような演算を行う。
時刻tにおける電力P(t)は電圧と電流の積であり、式(1)であらわされる。ここで、P(t)が正の値であれば電力が図中の左から右へ、P(t)が負の値であれば電力が図中の右から左へ流れることを示す。
P(t)=V(t)×I(t)・・・(1)
電力量は電力の時間積分なので、1サイクル中の区間1に対する電力量W1、1サイクル中の区間2に対する電力量W2、1サイクル中の区間3に対する電力量W3は、それぞれ数1の式(2)、式(3)、式(4)であらわされる。ただし、T1、T2はそれぞれ、そのサイクルに対するサイクル開始信号の時刻、およびサイクル終了信号の時刻である。また、A1(t),A2(t), A3(t)はそれぞれ、以下のような信号である。
A1(t): 区間1で1、それ以外で0
A2(t): 区間2で1、それ以外で0
A3(t): 区間3で1、それ以外で0
たとえば、区間番号が図4(B)の一番上のグラフに示すように変化する場合、A1(t)、A2(t)、A3(t)はそれぞれ図4(B)の上から2番目、3番目、4番目のグラフに示すように変化する信号である。
なお、実施例では区間数が3であるが、区間数がNの場合、それぞれの区間に対する電力量はW1,…,WN、信号はA1(t),…,AN(t)とする。
Figure 2011036100
図4は、電力量演算器81の内部構成の模式図である。
この図において、82aは区間判別、82bは乗算、82cは積分をしめしている。82cはサイクル開始信号Csが入力されると積分を開始し、サイクル終了信号Ceが入力されると積分を終了する。
電力量演算器81の内部を、たとえば図4に示すように構成することにより、W1、W2、W3を演算することができる。
電力量演算器81での演算が時間ΔT周期で行われるとすれば、式(2)〜(4)を差分化し、時刻T1から時刻T2まで複数の区間毎に独立にV(t)×I(t)×ΔTを積算すれば、1サイクル内の複数の区間毎の電力量W1、W2、W3となる。すなわち、サイクル終了時点において、そのサイクル内の複数の区間のそれぞれに対する電力量を出力可能である。
以上の説明のように、電流測定値と電力に負の値も許容することにより、1サイクル中で力行と回生が混在している場合にも本発明は適用可能となる。すなわち、電力の正、負が、それぞれ力行、回生に相当する。
83はパラメタ選択・指令器であり、損失量に影響するパラメタの値を指令するとともに、各サイクルにおける1サイクル内の複数の区間毎の電力量にもとづいて、適切なパラメタの値を選択する。この実施形態では、パラメタは搬送波Cwの周波数であり、パラメタ選択・指令器83は、搬送波周波数指令値Fを搬送波発信器49へ出力する。パラメタ選択・指令器83は、DSPやマイコンをもちいたプログラマブル装置により実現可能である。
図5は、パラメタ選択・指令器83の作動説明図である。
パラメタ選択・指令器83により、損失を小さくするパラメタを探索・決定するための手順は以下のようになる。
パラメタ選択・指令器83は、1サイクル毎に異なる搬送波周波数指令値Fを出力する。サイクル終了時点において、電力量演算器81から各サイクル内の複数の区間毎の電力量が出力されるので、パラメタ選択・指令器83の内部に記憶しておく。パラメタ選択・指令器83は、記憶した1サイクル内の複数の区間毎の電力量について、同じ区間に対する異なるサイクルどうしの電力量を比較し、もっとも電力量が小さくなる搬送波周波数指令値Fを、その区間に対する以降の搬送波周波数指令値Fとして出力する。
例として、図5に示すように、4サイクル(図中、C1、C2、C3、C4)のそれぞれに対して搬送波周波数指令値FをF1、F2、F3、F4に変化させ、それぞれのサイクルにおける1サイクル内の複数の区間毎の電力量がW1−1,2,3、W2−1,2,3、W3−1,2,3、W4−1,2,3であったとする。W1−1,2,3、W2−1,2,3、W3−1,2,3、W4−1,2,3を記憶しておき、サイクル4(図中、C4)が終了した時点で図5に示すように、区間1、区間2、区間3、それぞれ独立に異なるサイクル間で電力量を比較する。
(1)サイクル1(C1)における区間1、サイクル2(C2)における区間1、サイクル3(C3)における区間1、…の電力量を比較する。
(2)サイクル1(C1)における区間2、サイクル2(C2)における区間2、サイクル3(C3)における区間2、…の電力量を比較する。
(3)サイクル1(C1)における区間3、サイクル2(C2)における区間3、サイクル3(C3)における区間3、…の電力量を比較する。
すなわち、以下のように電力量を比較し、パラメタを選択する。
(1)区間1に対しては、W1−1、W2−1、W3−1、W4−1を比較する。W1−1がもっとも小さかったとすると、区間1に対してはW1−1に対応する搬送波周波数指令値F1がもっとも損失を小さくする搬送波周波数指令値ということがわかる。そこで、パラメタ選択・指令器83は、以降、区間1においては搬送波周波数指令値としてF1を出力し続ける。
(2)区間2に対しては、W1−2、W2−2、W3−2、W4−2を比較する。W3−2がもっとも小さかったとすると、区間2に対してはW3−2に対応する搬送波周波数指令値F3がもっとも損失を小さくする搬送波周波数指令値ということがわかる。そこで、パラメタ選択・指令器83は、以降、区間2においては搬送波周波数指令値としてF3を出力し続ける。
(3)区間3に対しては、W1−3、W2−3、W3−3、W4−3を比較する。W4−3がもっとも小さかったとすると、区間3に対してはW4−3に対応する搬送波周波数指令値F4がもっとも損失を小さくする搬送波周波数指令値ということがわかる。そこで、パラメタ選択・指令器83は、以降、区間3においては搬送波周波数指令値としてF4を出力し続ける。
なお、図5に示す例では、搬送波周波数指令値FをF1〜F4の4通りに変化させ、パラメタ(搬送波周波数指令値)の探索・決定にC1〜C4の4サイクルを要するものとしたが、搬送波周波数指令値Fを変化させる数は4に限らず、2以上の数Qでよい。この場合、パラメタ(搬送波周波数指令値)の探索・決定にQサイクル要することになる。
パラメタの探索・決定を行うタイミングとしては、たとえば以下の(1)〜(3)が考えられる。
(1)インバータからモータへ到る配線へのノイズフィルタの追加、モータの交換、機械負荷の改造など、損失に影響を与えるハードウェア的な変更が行われた直後にパラメタの探索・決定を行う。たとえば、パラメタ選択・指令器83に押しボタン(図示せず)を接続し、ハードウェア的な変更が行われたら人間が押しボタンを押す。パラメタ選択・指令器は押しボタンが押された後、最初に行われるサイクル(本例では最初の4サイクル)においてパラメタ(本例では搬送波周波数指令値)の探索・決定を行い、以降、それぞれの区間に対して決定された搬送波周波数指令値を出力し続ける。
(2)装置を運転して一定のサイクル数もしくは一定時間が経過したら、パラメタの探索・決定をやり直す。たとえば、サイクル開始信号もしくはサイクル終了信号の発生回数をカウントするカウンタもしくは経過時間を計測するタイマをパラメタ選択・指令器内に設け、カウンタの値もしくはタイマの値が一定値に達したらパラメタの探索・決定をやり直す。同時にカウンタもしくはタイマをリセットしてサイクル数のカウントもしくは経過時間の計測を再スタートする。
装置の運転を継続していると、電気部品(モータ、インバータ、配線、フィルタなど)や機械部品(ベアリングなど)の温度が上昇し、パラメタと損失の関係が変化する可能性があるが、そのような場合に常に損失を最小とするパラメタで運転することができる。
(3)複数の動作パターンを有する装置(たとえば、複数の金型を取り付けられるサーボプレスで、それぞれの金型ごとに動きが異なる場合)に本発明を適用する場合には、動作パターンが切り替えられた直後にパラメタの探索・決定を行う。たとえば、動作パターンの切り替えを指示する制御器(図示せず)からパラメタ選択・指令器へ動作パターンの切り替えを通知するように構成し、動作パターンの切り替えが通知されたらパラメタの探索・決定を行う。
なお以上のタイミングの組み合わせでパラメタの探索・決定を行うタイミングを決めてもよい。また以上は例であり、パラメタの探索・決定のタイミングはこれらに限定されるものではない。
図6は、本発明による省電力駆動装置の第2実施形態を示す図である。
この第2実施形態は、パラメタとして、搬送波周波数に加えスイッチング波形の電圧変化率dv/dtを用いる例である。
以下、図1の第1実施形態との相違のみ示す。
51aはゲート駆動回路であり、第1実施形態のゲート駆動回路51に加え、電圧変化率の指令値Gに応じてゲート電圧とゲート電流を制御し、スイッチング波形の電圧変化率dv/dtを電圧変化率の指令値Gに抑制するソフトゲート駆動機能を有する。ソフトゲート駆動方式の例は、非特許文献1に示されている。
83aはパラメタ選択・指令器であり、第1実施形態のパラメタ選択・指令器83に加え電圧変化率の指令値Gをゲート駆動回路51aへ出力する機能を有する。
第1実施形態と同様に、パラメタ選択・指令器83aが出力する搬送波周波数指令値Fと電圧変化率の指令値Gを変化させて1サイクル内の複数の区間毎の電力量を記憶し、同じ区間に対する電力量を異なるサイクル間で比較し、もっとも電力量が小さくなる搬送波周波数指令値Fと電圧変化率の指令値Gを、その区間に対する以降の搬送波周波数指令値Fと電圧変化率の指令値Gとして出力する。
この実施形態では、電圧変化率の指令値Gも変化させることにより、第1実施形態よりもさらに損失を小さくすることが可能となる。
図7は、複数のパラメタを探索・決定する方法の説明図である。
損失を小さくする複数のパラメタ(搬送波周波数指令値Fと電圧変化率の指令値G)を探索・決定する方法としてはたとえば以下の方法がある。
搬送波周波数指令値Fと電圧変化率の指令値Gのすべての組み合わせに対して1サイクル内の複数の区間毎の電力量を記憶・比較する。たとえば、搬送波周波数指令値FがF1,F2,F3,F4の4通り、電圧変化率の指令値GがG1,G2,G3の3通りの場合、図7に示すように4×3=12サイクル(図中、C1〜C12)に対し、1サイクルの電力量(図中、W1−1、W1−2、W1−3、...、W12−1、W12−2、W12−3)を記憶し、区間1、区間2、区間3、それぞれ独立に異なるサイクル間で電力量を比較して、搬送波周波数指令値F・電圧変化率の指令値Gを選択する。
図7の例では、
(1)区間1に対して:W1−1〜W12−1を比較し、最も値が小さいW4−1に対応する搬送波周波数指令値F2、電圧変化率G1を選択する。
(2)区間2に対して:W1−2〜W12−2を比較し、最も値が小さいW8−2に対応する搬送波周波数指令値F3、電圧変化率G2を選択する。
(3)区間3に対して:W1−3〜W12−3を比較し、最も値が小さいW11−3に対応する搬送波周波数指令値F4、電圧変化率G2を選択する。
以降、パラメタ選択・指令器83aは、サイクル12終了以降(すなわち、図中のサイクルC13以降)、区間1、区間2、区間3のそれぞれに対し、選択した搬送波周波数指令値と、選択した電圧変化率を出力し続ける。すなわち、区間1においては搬送波周波数指令値としてF2、電圧変化率としてG1を出力する。区間2においては搬送波周波数指令値としてF3、電圧変化率としてG2を出力する。区間3においては搬送波周波数指令値としてF4、電圧変化率としてG2を出力する。
なお、図7に示す例では、搬送波周波数指令値FをF1〜F4の4通り、電圧変化率の指令値GをG1〜G3の3通りに変化させ、パラメタ(搬送波周波数指令値と電圧変化率の指令値)の探索・決定に4×3=12サイクル(図中、C1〜C12)を要するものとしたが、搬送波周波数指令値Fを変化させる数、電圧変化率の指令値Gを変化させる数はそれぞれ4、3に限らず、2以上の数Q、Rでよい。この場合、パラメタ(搬送波周波数指令値と電圧変化率の指令値)の探索・決定にQ×Rサイクル要することになる。
以上の方法ではパラメタの値の組み合わせ数(以上の例では12通り)が多くなりすぎ、パラメタの探索・決定に要するサイクル数が多数となりすぎる場合には、パラメタの組み合わせの中から乱数や遺伝的アルゴリズムにより選択した組み合わせのみ用いてもよい。実験計画法にもとづく他の方法を用いてもよい。
図8は、本発明による省電力駆動装置の第3実施形態を示す図である。
この例は、インバータとモータが複数台で、それぞれが独立の動きをする場合である。たとえば、搬送装置でx軸、y軸、z軸を有しており、それぞれを独立の軌跡で動かして3次元空間内の任意の位置へ移動させるような場合である。
第2実施形態でインバータとモータを複数台とした場合の例を示すが、電圧変化率の指令値Gを省略すれば第1実施形態でインバータとモータを複数台とした場合に相当する。図はインバータとモータが3台の場合を示すが、2台もしくは4台以上の場合も同様である。図において、インバータ19A、19B、19Cの内部の構成は第2実施形態と同じなので、インバータ内部の構成は図示を省略する。
以下の構成要素が各インバータとモータごとにあるので、末尾にA、B、Cをつけて識別する。各要素の構成は第2実施形態と同じである。
19A、19B、19C インバータ
21A、21B、21C モータ
23A、23B、23C 機械負荷
25A、25B、25C モータエンコーダ
27A、27B、27C 制御器
29A、29B、29C 指令値生成器
61A、61B、61C 電圧測定器
63A、63B、63C 電流測定器
81A、81B、81C 電力量演算器
83aA、83aB、83aC パラメタ選択・指令器
末尾にA、B、Cを付した3組が完全に独立に動作するので、それぞれの組が第2実施形態と同じ動作をすることにより、それぞれの組に対するパラメタ(搬送波周波数指令値Fと電圧変化率の指令値G)が探索・決定され、それぞれの組の損失を小さくすることができる。
図9は、本発明による省電力駆動装置の第4実施形態を示す図である。
この例は、インバータとモータが複数台で、すべてが同じ動きをする場合である。たとえば、モータのサイズが制限されるため、一体の機械負荷を複数台のモータで分担して駆動するような場合である。
第2実施形態でインバータとモータを複数台とした場合の例を示すが、電圧変化率の指令値Gを省略すれば第1実施形態でインバータとモータを複数台とした場合に相当する。図はインバータとモータが3台の場合を示すが、2台もしくは4台以上の場合も同様である。図において、インバータ内部の構成は第2実施形態と同じなので、インバータ内部の構成は図示を省略する。
以下の構成要素が各インバータとモータごとにあるので、末尾にA、B、Cをつけて識別する。各要素の構成は第2実施形態と同じである。
19A、19B、19C インバータ
21A、21B、21C モータ
23A、23B、23C 機械負荷
25A、25B、25C モータエンコーダ
27A、27B、27C 制御器
末尾にA、B、Cを付した3組が完全に同一の動作をするので、パラメタ選択・指令器は1台のみであり、それぞれの組に対するパラメタ(搬送波周波数指令値Fと電圧変化率の指令値G)は常に同一になるようにする。3組の総計の電力量を計測するように電圧・電流測定器が接続されているので、第2実施形態と同じ電力量演算、パラメタ探索・決定動作をすることにより、3組の総計の損失を小さくするようにパラメタ(搬送波周波数指令値、電圧変化率の指令値G)が探索・決定される。
上述した本発明のサイクルは装置が同一の動きをする区間であればよく、本発明が適用される装置の運転サイクルと厳密に一致する必要はない。たとえば、装置の動きが激しくモータに大きい電流が流れる区間のみを本発明でのサイクルとして扱ってもよい。
電圧測定器61と電流測定器63を入れ替えて、図中で、電流測定器を左側に持ってきてもよい。
上述した各実施形態に示す構成は機能で分割したものであり、物理的な構成は異なっていてもよい。たとえば、インバータ内部にあるDSP(デジタルシグナルプロセッサ)やマイコンを用いたプログラマブル装置により、指令演算器だけでなく、電力量演算器、パラメタ選択・指令器を実現するようにしてもよい。また、電圧測定器、電流測定器(ただし、第1、2、3実施形態のみ)の一方もしくは双方がインバータ内部に構成されていてもよい。
図10は、電圧測定器と電流測定器の別の構成図である。
上述した第1、2、4実施形態において、電圧測定器と電流測定器で直流バスの電圧と電流を測定する代わりに、図10に示すように、外部電源11とコンバータ13の間で3相交流の各相の電圧(中性点に対し)と電流を測定して電力量演算器への入力とし、各相の電圧と電流の積を3相にわたって加算して電力を求め時間積分して1サイクルの電力量としてもよい。すなわち、各相に対する電圧測定値をV1(t)、V2(t)、V3(t)とし、電流測定値をI1(t)、I2(t)、I3(t)とすれば、P(t)は式(1)のかわりに式(5)で表現される。
P(t)=V1(t)×I1(t)+V2(t)×I2(t)+V3(t)×I3(t)・・・(5)
この式(5)を式(2)、式(3)、式(4)のそれぞれに代入した式を電力量演算器で計算すればよい。
測定誤差を低減するため、パラメタの探索・決定において、1サイクルごとにパラメタの値を変えるのではなく、Nサイクル(Nは2以上)ごとにパラメタの値を変えるようにし、Nサイクルのそれぞれに対して測定した1サイクルの電力量をNサイクルにわたって平均化してもよい。
(区間の分けかた)
図11は、区間の分割例を示す図である。
本願において、1サイクル内を運転条件が大きく異なる複数の区間に分ける手段として、たとえば以下の手段がある。
A.負荷パターン(モータ回転角度指令値やモータ回転速度指令値)が与えられた場合、人間が判断して1サイクル内を区間に分割しそれぞれの区間における区間番号を決める。特に、負荷パターンそのものも人間が決める場合、負荷パターンを決めると同時に区間分割も決めることが合理的である。
B.負荷パターン(モータ回転角度指令値やモータ回転速度指令値)が与えられた場合、速度や加速度の値にもとづいて自動的に区間に分ける。
たとえば、図11(A)に示すような負荷パターン(この例ではモータ回転角度指令値)が与えられたとき、負荷パターンの時間微分を計算することにより図11(B)のように速度を求める。速度を、あらかじめ定めておいた低速度域、中速度域、高速度域に分別し、図11(C)に示すように低速度域を区間1、中速度域を区間2、高速度域を区間3とすることにより、1サイクル内を区間に分割しそれぞれの区間における区間番号を決める。低速度域、中速度域、高速度域をあらかじめ定める方法としては、たとえば、モータの定格最大速度をVmaxとして、Vmaxの30%未満を低速度域、Vmaxの30%以上60%未満を中速度域、それ以上を高速度域とする、というように決めることができる。
上述した実施形態では電圧型インバータを用いているが、電力制御素子のスイッチングによりモータへ供給する電圧もしくは電流を制御する方式であれば本発明が適用可能である。たとえば、電流型インバータ、電圧型ないし電流型のマルチレベルインバータ、コンバータとインバータを一体化したマトリクスコンバータ、マルチレベルマトリクスコンバータなどに適用可能である。マトリクスコンバータを用いる場合には直流バスが無いので、電圧・電流測定は図10に示すように外部電源11の直後の3相交流に対して行えばよい。
モータ21は、回転モータのかわりにリニアモータでもよい。
モータエンコーダのかわりに、機械負荷の位置・速度を直接検知するロータリーエンコーダやリニアエンコーダを用いてもよい。
外部電源とコンバータの組み合わせの代わりに、直流電源(直流発電機、燃料電池、バッテリーなど)から直接直流バスに電力供給してもよい。
三相誘導ないし同期モータでセンサレスベクトル制御する例を示したが、三相誘導モータで回転速度検出センサを用いるベクトル制御もしくは三相同期モータで回転角度検出センサを用いるベクトル制御でもよい。
外部電源は非接触給電装置でもよい。非接触給電装置がコンバータを含んでいてもよい。
上述した実施形態では、PWM変調器において変調波と搬送波の大小比較でノッチ波のオンオフを決める方法を仮定したが、非特許文献1に例示されている瞬時空間ベクトルの概念を用いた変調法を採用する場合には、例えば、搬送波を方形波とし搬送波の立ち上がりエッジのタイミングにおいてPWM変調器を構成するDSPやマイコンに割り込みをかけることにより、搬送波の1周期あたり1回のベクトル演算が行われるように構成すればよい。
上述した本発明の装置及び方法によれば、電力量演算器81とパラメタ選択・指令器83とを備え、インバータ19のパラメタを複数の値に変化させ、各パラメタにおける同一負荷パターン内の複数の区間毎にインバータの受電電力量を計算して比較し、該受電電力量を最小にするパラメタを選択して、インバータに指令するので、配線の電気的特性、電磁ノイズ除去用素子の有無、モータごとの損失特性及び温度変化、等を予め実験して損失特性のデータを取得することなく、すべての構成要素の損失特性を考慮して損失量を最小化することができる。
なお、本発明は上述した実施形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々に変更することができることは勿論である。
11 外部電源、13 コンバータ、15 直流バス、
17 キャパシタ、19、19A、19B、19C インバータ、
21、21A、21B、21C モータ、
23、23A、23B、23C 機械負荷(同一負荷パターン装置)、
25、25A、25B、25C モータエンコーダ、
27、27A、27B、27C 制御器、
29、29A、29B、29C 指令値生成器、
41 電力制御部、43 モータ電流測定器、
45 指令演算器、47 PWM変調器、49 搬送波発振器、
51、51a ゲート駆動回路、
61、61A、61B、61C 電圧測定器、
63、63A、63B、63C 電流測定器、
81、81A、81B、81C 電力量演算器、
83、83a、83aA、83aB、83aC パラメタ選択・指令器


Claims (5)

  1. インバータから電力供給されるモータで駆動され、同一負荷パターンを有する装置の省電力駆動装置であって、
    前記同一負荷パターン内の複数の区間毎におけるインバータの受電電力量を計算する電力量演算器と、
    インバータのパラメタを複数の値に変化させ、各パラメタにおける前記受電電力量を比較し、該受電電力量を最小にするパラメタを選択して、インバータに指令するパラメタ選択・指令器と、を備える、ことを特徴とする同一負荷パターンを有する装置の省電力駆動装置。
  2. 前記負荷パターンのサイクル開始信号とサイクル終了信号、及び負荷パターン内の前記各区間を示す区間番号を出力する指令値生成器を備える、ことを特徴とする請求項1に記載の省電力駆動装置。
  3. 前記インバータのパラメタは、搬送波周波数及び/又はスイッチング波形の電圧変化率である、ことを特徴とする請求項1又は2に記載の省電力駆動装置。
  4. インバータから電力供給されるモータで駆動され、同一負荷パターンを有する装置の省電力駆動方法であって、
    インバータのパラメタを複数の値に変化させ、
    前記各パラメタにおける前記同一負荷パターン内の複数の区間毎にインバータの受電電力量を計算し、
    各パラメタにおける前記受電電力量を比較し、該受電電力量を最小にするパラメタを選択して、インバータに指令する、ことを特徴とする同一負荷パターンを有する装置の省電力駆動方法。
  5. 前記複数の区間は、負荷パターンにおけるモータの速度、可速度、又はトルクが異なるように設定する、ことを特徴とする請求項4に記載の省電力駆動方法。






JP2009182434A 2009-03-24 2009-08-05 同一負荷パターンを有する装置の省電力駆動装置及び方法 Expired - Fee Related JP5397760B2 (ja)

Priority Applications (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009182434A JP5397760B2 (ja) 2009-08-05 2009-08-05 同一負荷パターンを有する装置の省電力駆動装置及び方法
CN201080013363.9A CN102362427B (zh) 2009-03-24 2010-03-01 具有同一负载模式的装置的省电驱动装置以及方法
US13/259,215 US8866429B2 (en) 2009-03-24 2010-03-01 Device and method for power-saving driving of device having same load pattern
PCT/JP2010/053202 WO2010110013A1 (ja) 2009-03-24 2010-03-01 同一負荷パターンを有する装置の省電力駆動装置及び方法
EP10755814.0A EP2413497B1 (en) 2009-03-24 2010-03-01 Device and method for power-saving driving of device having same load pattern

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009182434A JP5397760B2 (ja) 2009-08-05 2009-08-05 同一負荷パターンを有する装置の省電力駆動装置及び方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2011036100A true JP2011036100A (ja) 2011-02-17
JP5397760B2 JP5397760B2 (ja) 2014-01-22

Family

ID=43764595

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009182434A Expired - Fee Related JP5397760B2 (ja) 2009-03-24 2009-08-05 同一負荷パターンを有する装置の省電力駆動装置及び方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5397760B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2019083624A (ja) * 2017-10-30 2019-05-30 東芝三菱電機産業システム株式会社 電動機駆動装置

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH05184182A (ja) * 1992-01-08 1993-07-23 Hitachi Ltd インバータ制御装置
JP2003116280A (ja) * 2001-10-04 2003-04-18 Toyota Motor Corp 駆動装置および動力出力装置
JP2007043783A (ja) * 2005-08-01 2007-02-15 Fuji Electric Fa Components & Systems Co Ltd インバータ装置
JP2009033920A (ja) * 2007-07-30 2009-02-12 Hitachi Industrial Equipment Systems Co Ltd インバータ装置

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH05184182A (ja) * 1992-01-08 1993-07-23 Hitachi Ltd インバータ制御装置
JP2003116280A (ja) * 2001-10-04 2003-04-18 Toyota Motor Corp 駆動装置および動力出力装置
JP2007043783A (ja) * 2005-08-01 2007-02-15 Fuji Electric Fa Components & Systems Co Ltd インバータ装置
JP2009033920A (ja) * 2007-07-30 2009-02-12 Hitachi Industrial Equipment Systems Co Ltd インバータ装置

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2019083624A (ja) * 2017-10-30 2019-05-30 東芝三菱電機産業システム株式会社 電動機駆動装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP5397760B2 (ja) 2014-01-22

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Vijayagopal et al. Control of a direct matrix converter with modulated model-predictive control
US9007002B2 (en) Device and method for power-saving driving of device having same load pattern
Nasr et al. Torque-performance improvement for direct torque-controlled PMSM drives based on duty-ratio regulation
WO2010110013A1 (ja) 同一負荷パターンを有する装置の省電力駆動装置及び方法
Moon et al. A discrete-time predictive current control for PMSM
Kadjoudj et al. A robust hybrid current control for permanent-magnet synchronous motor drive
US8278865B2 (en) Control device
Edpuganti et al. Fundamental switching frequency optimal pulsewidth modulation of medium-voltage cascaded seven-level inverter
JP5846151B2 (ja) 電力変換装置
Kocalmis et al. Simulation of a space vector PWM controller for a three-level voltage-fed inverter motor drive
Mubarok et al. Implementation of predictive controllers for matrix-converter-based interior permanent magnet synchronous motor position control systems
JPWO2013057853A1 (ja) モータ駆動システムおよびその制御方法
JP6354773B2 (ja) インバータ制御装置
JP2009131021A (ja) モータ駆動システム
JP2015220840A (ja) 電力変換装置およびその制御方法
Wang et al. Modified MPC algorithm for NPC inverter fed disc coreless permanent magnet synchronous motor
US6459601B1 (en) Control circuit of power converter
Karamanakos et al. Model predictive control in power electronics: Strategies to reduce the computational complexity
JP5397760B2 (ja) 同一負荷パターンを有する装置の省電力駆動装置及び方法
JP5531428B2 (ja) 同一負荷パターンを有する装置の省電力駆動装置及び方法
Mei et al. A model predictive control strategy for dual induction motor drive system fed by five-leg inverter
JP6316269B2 (ja) 電力変換装置
JP5549864B2 (ja) 同一負荷パターンを有する装置の省電力駆動装置及び方法
JP2010207040A (ja) 電力変換装置
Mohseni et al. A novel current controller for three-phase voltage-source inverters

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20120625

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20130927

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20131010

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 5397760

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees