JP2011035967A - 電動機械の制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 検出出力にリップル成分が含まれていてもその影響を受けることなく適応ノッチフィルタ手段のノッチ中心周波数修正をより高精度に行うことのできる制御装置を提供する。
【解決手段】 本発明の制御装置においては、電動機械を構成している電動機1の速度を制御する速度制御手段4と電動機1との間に適応ノッチフィルタ手段が挿入される。適応ノッチフィルタ手段は、電動機1に設置された速度検出手段3の出力からリップル成分を除去した信号を生成し、生成した信号に基づいてノッチ中心周波数推定動作を行なう。
【選択図】 図1

Description

本発明は、電動機を駆動源として含む電動機械の制御装置に関する。
従来技術の第1の例として、特許文献1には電動機械に生じている振動周波数成分をトルク指令から除去することで電動機械の共振による振動を抑制する技術が記載されている。
図6を参照して上記第1の例を説明する。電動機101に負荷102が繋がれており、速度検出手段103から電動機101の検出速度ωが出力される。速度制御手段104は、減算手段100で算出された速度指令ω*と検出速度ωの偏差を零に制御するためのトルク指令τ*を出力する。速度制御手段104の具体的動作としては、例えば差分(ω*−ω)を比例積分制御した結果をトルク指令τ*として出力する。トルク指令τ*は第1のノッチフィルタ105を通され新たなトルク指令τ*としてトルク制御手段106に出力される。トルク制御手段106の出力によって電動機101は速度制御される。上記第1のノッチフィルタ105のノッチ中心周波数fは以下のように求められる。
検出速度ωが、所定のカットオフ周波数を持つハイパスフィルタ107に入力されカットオフ周波数以上の振動成分yが出力される。この振動成分yが第2のノッチフィルタ108に入力されフィルタリングの結果eが出力される。ノッチ中心周波数修正手段109は第2のノッチフィルタ108の出力eの振幅が減少するよう第2のノッチフィルタ108のノッチ中心周波数fを逐次修正していく。この第2のノッチフィルタ108のノッチ中心周波数fを第1のノッチフィルタ105のノッチ中心周波数とする。振動が非常に小さい場合、ノッチ中心周波数の修正は十分できていると判断できる。そこで、ノッチ中心周波数修正手段109は出力eの振幅が所定値以上の時のみ第2のノッチフィルタ108のノッチ中心周波数fを修正する。
また、ノッチ中心周波数修正手段109は第2のノッチフィルタ108の出力eの振幅が減少するよう第2のノッチフィルタ108のノッチ中心周波数fを逐次修正していくが、毎回の変化量が大きすぎると最適なノッチ中心周波数付近で振動的になり収束しない、いわゆるリミットサイクルが発生する可能性がある。そこでノッチ中心周波数修正手段109において毎回のノッチ中心周波数fの変化量に上限値を設ける。
次にハイパスフィルタ107について説明する。検出速度ωから振動成分を取り出すためのハイパスフィルタ107の次数を2次以上としており、カットオフ周波数ω以上に含まれる振動成分のみを取り出すことが可能となる。
加速度の変化点ではハイパスフィルタ107の出力yにインパルス的な値が表れる。これを振動と認識してしまうと第2のノッチフィルタ108のノッチ中心周波数の修正を妨げるのでこのような値は無視するのが望ましい。そこで既知である速度指令ω*の2階差分から加速度の変化を計算し、その値が所定値以下の場合のみノッチ中心周波数の修正を行う。なお、上記説明では振動を検出するためにハイパスフィルタを用いたが、振動を検出できればよいから、低域側カットオフ特性がハイパスフィルタと同じで高域側カットオフ周波数がノッチフィルタ適用周波数範囲の最高周波数より高く設定されたバンドパスフィルタとしてもよい、と説明されている。
従来技術の第2の例として、特許文献2には減速機のトルクムラによって生じるトルクリップルをトルク指令への補正値の加算によって抑制し、電動機械の振動を低減する技術が記載されている。
図7は上記第2の例の実施形態として開示されている構成から位置制御ループを省略した構成を示す。これは、上記第2の例を実施する上で、位置制御ループを省略しても本質は失われないからであり、この図7によって第2の例を説明する。
電動機101に減速機110を介して負荷102が繋がれており、速度検出手段103から電動機101の検出速度ωが出力される。速度制御手段104は、減算手段100で算出された速度指令ω*と検出速度ωの偏差を零に制御するためのトルク指令τ*を出力する。減算手段114によりトルク指令τ*から演算器113の出力τ*を減算して新たなトルク指令τ*をトルク制御手段106に入力する。そしてトルク制御手段106の出力によって電動機101は速度制御される。上記演算器113の出力τ*は以下のように求められる。
まず、検出速度ωを、バンドパスフィルタ111を通過させる。バンドパスフィルタ111は減速機110の内部で発生するトルクリップルの周波数帯域を通過帯域とするので、出力される信号ωm3には減速機110の内部で発生するトルクリップルの周波数帯域の信号のみが含まれる。信号ωm3を、微分器112を通過させて信号ωm3の微分値(d/dt)ωm3を得て演算器113への入力とする。微分を行なうのはバンドパスフィルタ111の出力ωm3が速度の次元を持っており、これを加速度の次元に変換するためである。演算器113は加速度の次元に変換された信号(d/dt)ωm3に適当なゲインをかけて減速機110において生じるトルクリップルを補償するための信号τ*を出力する。
上記第2の例は減速機110をハーモニックドライブ(登録商標)とし、ハーモニックドライブ(登録商標)のトルクムラを数式化することで演算器113においては電動機101の速度指令ω*の関数であるゲインF(ω*)を乗じてτ*=F(ω*)(d/dt)ωm3を出力すればよいとしている。ここでF(ω*)は、以下の数1による式(1)で表される。
Figure 2011035967
ただし、Kは電動機101の軸のねじりばね定数、Jは電動機101の慣性モーメントである。
特開2003−52188号公報 特開昭63−1389号公報
「共振機械系制御のための適応ノッチフィルタの設計」(松井義弘、H15電気学会産業応用部門大会2-10)
次に、上記第1の例と第2の例を比較する。
上記第1の例は電動機械に生じる振動を、検出速度にもとづいて振動周波数にノッチ周波数が追従するよう工夫されたノッチフィルタによってトルク指令から除去している。他方、上記第2の例は電動機械に生じる振動成分を、検出速度からバンドパスフィルタと微分器と演算器によって推定し、加算手段によりトルク指令に加算している。つまり第1の例と第2の例は相反する動作をしている。
上記第1の例は電動機械の共振による振動を抑制しようとしており、上記第2の例で述べられているような減速機のトルクリップルに起因する振動を想定していない。したがって、上記第1の例を減速機付電動機械に適用しようとすると、トルクリップルに起因する振動周波数成分がノッチ中心周波数の修正の妨げとなる。
以上の説明で理解できるように、電動機械の回転体を回転制御(速度あるいは位置制御)する場合、回転体の固有振動数を推定して適応ノッチフィルタに使いたいが、減速機付電動機械のように、電動機械の構成によっては回転体の検出出力にリップル成分がのってしまうためにノッチ中心周波数の修正の妨げとなる。
本発明の課題は、適応ノッチフィルタ手段を用いて、駆動源として電動機を含む電動機械の制御を行うに際し、検出出力にリップル成分が含まれていてもその影響を受けることなく適応ノッチフィルタ手段のノッチ中心周波数修正をより高精度に行うことのできる制御装置を提供することにある。
本発明による電動機械の制御装置の態様においては、前記電動機械の駆動源の速度又は位置を制御する速度又は位置制御手段と前記駆動源との間に適応ノッチフィルタ手段が挿入され、該適応ノッチフィルタ手段は、前記電動機械に設置された検出手段の出力からリップル成分を除去した信号を生成し、生成した信号に基づいてノッチ中心周波数推定動作を行なう。
上記の態様による制御装置においては、前記速度又は位置制御手段は、速度又は位置指令と前記検出手段の出力との偏差を受けてこれを0にするためのトルク指令を出力する。この場合、前記適応ノッチフィルタ手段は、前記トルク指令から共振成分を除去して新たなトルク指令を出力する第1のノッチフィルタと、前記検出手段の出力から前記リップル成分を除去した信号を生成する第2のノッチフィルタと、前記ノッチフィルタの出力信号を受け、あらかじめ定められた低域側、高域側の周波数のうち、少なくとも低域側の周波数成分をカットオフする機能を有するフィルタと、前記フィルタの出力を受けて、前記ノッチ中心周波数を推定し前記第1のノッチフィルタのフィルタ係数の調整、更新を行なう第3のノッチフィルタと、を含む。
上記の態様による制御装置においては、前記電動機械は、前記駆動源としての電動機と負荷とを減速機を介して連結したものであり、前記検出手段は、前記電動機又は負荷の位置、速度、加速度、前記電動機から前記減速機を介して前記負荷に伝達される伝達トルクのいずれかを検出するものを用いることができる。
本発明によれば、適応ノッチフィルタ手段の中心周波数推定動作に際し、電動機械内部で発生する固有振動成分(例えばトルクリップル成分)の影響を受けることの無いようにして、適応ノッチフィルタ手段の中心周波数推定動作の精度を高めることができる。適応ノッチフィルタ手段の中心周波数推定動作の精度が高まると、適応ノッチフィルタ手段による電動機械の振動低減効果を高めることができる。
本発明を減速機付電動機械に適用した実施形態による速度制御装置の構成例を示したブロック図である。 サイクロ(登録商標)減速機内部で発生する加振力による負荷偏差の振動について説明するために、速度指令毎の負荷偏差の振幅スペクトルを縦軸方向にならべて描いた図である。 本発明が適用される減速機付電動機械における減速機の例としてサイクロ(登録商標)減速機についてその概略を説明するための図である。 本発明が適用される減速機付電動機械における減速機の例としてRV減速機についてその概略を説明するための図である。 本発明が適用される減速機付電動機械における減速機の例としてハーモニックドライブ(登録商標)についてその概略を説明するための図である。 電動機が負荷を駆動する電動機械に適用される、速度制御装置の第1の従来例を示したブロック図である。 減速機を介して電動機が負荷を駆動する減速機付電動機械に適用される、速度制御装置の第2の従来例を示したブロック図である。
図1を参照して本発明による制御装置の実施形態の構成及び動作について説明する。
図1は、減速機10を介して電動機1が負荷2を駆動する減速機付電動機械の速度制御装置の構成例を示す。図示しない速度指令生成手段(あるいは位置制御手段)が出力した速度指令ω*と速度検出手段3で検出した電動機1の検出速度ωの差を減算手段12により算出して速度制御手段4に入力する。速度制御手段4は電動機1の速度が速度指令ω*に一致するようなトルク指令τ*を出力する。第1のノッチフィルタ5はノッチ中心周波数が電動機械の共振周波数(あるいは電動機械の固有振動成分)に設定されており、トルク指令τ*から電動機械の固有振動成分を除去することによって電動機械の共振がトルク制御手段6によって励起されることを回避する。
速度検出手段3は、電動機1に設けられた位置検出器(図示せず)の検出した位置情報を微分するか、あるいは電動機1の速度を直接検出することによって電動機1の検出速度ωを出力する。本実施形態のような減速機付電動機械の場合、検出速度ωには減速機10の内部で生じたトルクリップルによる振動成分(以下、速度リップルと呼ぶことがある)が含まれる。このトルクリップルによる振動成分は、電動機械内部の固有振動成分あるいは電動機械内部で生じる、回転速度に比例した周波数の振動成分であると言える。
第2のノッチフィルタ11は、検出速度ωから速度リップルの周波数成分を除去する。速度リップルの周波数は減速機10の出力側速度ω=ω/R(Rは減速比)に比例する。このために第2のノッチフィルタ11は電動機1の速度指令(角速度指令)ω*(rad/sec)に応じてノッチ中心周波数(角周波数)ω(rad/sec)を以下のように設定する。
(A)減速機10として図3に示すようなサイクロ(登録商標)減速機、あるいは図4に示すようなRV減速機を用いる場合、
ω=[ω*/R]×[nC/(nP−nC)] (2)
から
ω=[ω*/R]×[nP/(nP−nC)] (3)
の間に設定する。
(B)減速機10として図5に示すようなハーモニックドライブ(登録商標)を用いる場合、
ω=[ω*/R]×[nHC/2] (4)
から
ω=[ω*/R]×[nHP/2] (5)
の間に設定する。
上記式(2)〜(5)において、Rは減速比であり、nCはサイクロ(登録商標)減速機においては曲線板(図3の31)の歯数、RV減速機においてはRVギヤ(図4の41)の歯数である。nPはサイクロ(登録商標)においては外ピン(図3の32)の本数、RV減速機においてはピン(図4の42)の本数である。また、nHCはハーモニックドライブ(登録商標)におけるフレクスプライン(図5の51)の歯数、nHPはサーキュラスプライン(図5の52)の歯数である。図3において、33は偏心体、34は内ピンであり、eは偏心量を示す。図4において、43はケース、44はシャフト、45はクランク軸である。
上記式(2)〜(5)において、速度指令ω*のかわりに電動機の検出速度ω(rad/sec)を用いても良いし、ω*/Rのかわりに負荷の検出速度ω=ω(rad/sec)を用いても良い。
式(2)及び(3)はサイクロ(登録商標)減速機を一定回転数で駆動させたときの指令位置と負荷位置の差(以下、負荷偏差と呼ぶ)の振幅スペクトルから実験的に検証した式である。
図2は速度指令毎の負荷偏差の振幅スペクトルを縦軸方向にならべて描いたものである。各速度指令における振幅スペクトルに2つずつ存在する基本波の周波数のうち低い方の周波数は式(2)、高い方の周波数は式(3)によってそれぞれ表すことができている。
RV減速機の出力段はサイクロ(登録商標)減速機と同じ内接式遊星歯車機構を用いているため、サイクロ(登録商標)減速機と同じく式(2)及び式(3)を適用することが可能である。
ハーモニックドライブ(登録商標)もまた内接式遊星歯車機構を用いているが、内歯車と遊星歯車の歯数差は常に2であるから式(2)から式(4)、式(3)から式(5)を導出し、これを適用することが可能である。
図1に戻って、フィルタ7はバンドパスフィルタあるいはハイパスフィルタとする。フィルタ7は、第2のノッチフィルタ11から出力された信号xからノッチ中心周波数としてふさわしくない低周波数成分と高周波数成分を除去して信号yを出力する。ノッチ中心周波数としてふさわしくない低周波数成分の上限は速度指令ω*に追従させたい電動機速度の周波数の上限であり、これは通常、速度制御ループ帯域として定められている。したがってフィルタ7の低域側のカットオフ周波数ωcLは速度制御ループ帯域とすればよい。またノッチ中心周波数としてふさわしくない高周波数成分の下限は、すべてのノッチフィルタをアナログ回路で実装する場合は素子の周波数特性を考慮して決められ、ディジタルフィルタで実装する場合はナイキスト周波数近傍での周波数特性のひずみを考慮して決められるので、これをフィルタ7の高域側のカットオフ周波数ωcHとすればよい。ただし、高域側の阻止は必須ではないので不要であればフィルタ7をカットオフ周波数ωcLで規定されるハイパスフィルタとしてもよい。
第3のノッチフィルタ8は適応ノッチフィルタになっており、連続時間において下記の数2による式(6)で表されるノッチフィルタを離散化した下記の数3による式(7)の係数a及びaをノッチ中心周波数が入力yのピーク周波数に追従するように逐次更新する。係数の修正方法については、非特許文献1に記載されているので、ここでは説明を省略する。
Figure 2011035967
Figure 2011035967
式(6)、(7)において、ωはノッチ中心周波数(角周波数)(rad/sec)、ζはノッチ幅を決めるパラメータである。ノッチ中心周波数におけるゲインは−∞dBである。さらにT(sec)をサンプリング時間とすると係数a及びaはそれぞれ、以下の数4による式(8)、(9)で表される。
Figure 2011035967
なお、上記説明において、図1中、一点鎖線で示した第1、第2、第3のノッチフィルタ5、8、11とフィルタ7を含む構成は、まとめてパラメータ可変の適応ノッチフィルタ手段として定義付けることができ、この適応ノッチフィルタ手段は、減速機付き電動機械の共振周波数を推定する機能を持つ。
また、上記説明において、第2のノッチフィルタ11で除去する成分はリップル成分であり、電動機械内部の固有振動成分あるいは電動機械内部で生じる、回転速度に比例した周波数の振動成分であると言い換えることができる。一方、第3のノッチフィルタ8で推定し、第1のノッチフィルタ5で除去する成分は共振成分であり、電動機械の固有振動成分あるいは電動機械の共振周波数であると言い換えることができる。
上記説明ではトルクリップルの基本波を対象としたが、第2のノッチフィルタ11を直列に複数接続して検出速度ωから図2にある2倍波あるいはそれ以上の高調波を除去してもよい。
更に、第2のノッチフィルタ11のノッチ中心周波数は第1のノッチフィルタ5の現在のノッチ中心周波数に最も近くなるように、式(2)−(5)のいずれかで得られるノッチ中心周波数ωに2以上の整数を乗じて決定しても良い。
また、図1は、速度制御装置の構成を示すが、検出速度ωに代えて検出位置を用い、速度指令ω*に代えて位置指令を用いることで位置制御装置として構成しても良いことは言うまでも無い。
[実施形態の効果]
以上のように、減速機付電動機械に適応ノッチフィルタを使用する場合において、電動機の速度指令(電動機の検出速度でも負荷の検出速度でもよい)に中心周波数が比例するノッチフィルタを備えることで、適応ノッチフィルタの中心周波数推定動作が減速機内部で発生するトルクリップルの影響を受けることの無いようにして、適応ノッチフィルタの中心周波数推定動作の精度を高める。
適応ノッチフィルタの中心周波数推定動作の精度が高まると、適応ノッチフィルタによる電動機械の振動低減効果が高まる。
前述した従来技術の第1の例は、ノッチフィルタの除去すべき周波数が機械系の共振周波数であると規定した上で、負荷変動による共振周波数の変化にノッチフィルタの中心周波数が追従する適応ノッチフィルタを備えた電動機の制御装置である。
前述した従来技術の第2の例は、ハーモニックドライブ(登録商標)を主要な対象としてトルクリップルに起因する電動機械の振動成分をバンドパスフィルタで検出し、これに演算器で適当なゲインを掛けることでトルク指令の補正を行う減速機付電動機の制御装置である。
本発明の上記実施形態は、上記第2の例とは逆に、減速機のトルクリップルに起因する電動機械の振動成分をノッチフィルタで除去することで適応ノッチフィルタのノッチ中心周波数修正動作が減速機のトルクリップルの影響を受けないようにすることができる。
本発明による制御装置は、NC工作機械や産業用ロボットに適している。
サイクロ(登録商標)減速機、RV減速機、ハーモニックドライブ(登録商標)は減速機出力側の速度に遊星歯車の歯数(サイクロ(登録商標)減速機であれば曲線板の歯数、ハーモニックドライブ(登録商標)であればフレクスプラインの歯数)あるいは内歯車の歯数(サイクロ(登録商標)減速機であれば外ピン数、ハーモニックドライブ(登録商標)であればサーキュラスプラインの歯数)を乗じた周波数が減速機内で生じる振動の基本波であることが知られている。
他の減速機においても速度と歯数を掛けることでその減速機で生じる振動の基本波が得られる例は多いと考えられる。例えばピニオンギヤの回転速度とピニオンギヤの歯数を掛ければピニオンラック機構で生じる振動の基本波となる。
本発明による制御装置は直動機構にも適用可能である。
上記実施形態の説明では回転体による電動機械を対象としたが、アクチュエータあるいは負荷のいずれか一方あるいは両方が直動であっても減速機を介して駆動力の伝達が行われている限り、本発明を適用することが可能である。
本発明による制御装置は更に、ピニオンラックやボールねじ機構にも適用可能である。
更に、ピニオンラック機構においてはピニオンギヤの回転数に比例して、ラックの噛合いによる加振力が生じる。ボールねじ機構であってもボールねじの回転数に比例して加振力が発生する。したがって第3のノッチフィルタの中心周波数をこれらの機構の回転数に比例した周波数に設定することにより、実施形態で説明したのと同様の効果が得られる。
1、101 電動機
2、102 負荷
3、103 速度検出手段
4、104 速度制御手段
5 第1のノッチフィルタ
6、106 トルク制御手段
7 フィルタ
8 第2のノッチフィルタ
11 第3のノッチフィルタ

Claims (3)

  1. 電動機械の制御装置において、
    前記電動機械の駆動源の速度又は位置を制御する速度又は位置制御手段と前記駆動源との間に適応ノッチフィルタ手段が挿入され、
    該適応ノッチフィルタ手段は、前記電動機械に設置された検出手段の出力からリップル成分を除去した信号を生成し、生成した信号に基づいてノッチ中心周波数推定動作を行なうことを特徴とする電動機械の制御装置。
  2. 前記速度又は位置制御手段は、速度又は位置指令と前記検出手段の出力との偏差を受けてこれを0にするためのトルク指令を出力し、
    前記適応ノッチフィルタ手段は、
    前記トルク指令から共振成分を除去して新たなトルク指令を出力する第1のノッチフィルタと、
    前記検出手段の出力から前記リップル成分を除去した信号を生成する第2のノッチフィルタと、
    前記ノッチフィルタの出力信号を受け、あらかじめ定められた低域側、高域側の周波数のうち、少なくとも低域側の周波数成分をカットオフする機能を有するフィルタと、
    前記フィルタの出力を受けて、前記ノッチ中心周波数を推定し前記第1のノッチフィルタのフィルタ係数の調整、更新を行なう第3のノッチフィルタと、
    を含むことを特徴とする請求項1に記載の電動機械の制御装置。
  3. 前記電動機械は、前記駆動源としての電動機と負荷とを減速機を介して連結したものであり、前記検出手段は、前記電動機又は負荷の位置、速度、加速度、前記電動機から前記減速機を介して前記負荷に伝達される伝達トルクのいずれかを検出することを特徴とする請求項1に記載の電動機械の制御装置。
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