JP2011034703A - フラットケーブル - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明のフラットケーブルは、互いに平行に配列した複数本の導体と、前記導体にポリブチレンテレフタレートを主成分とする樹脂組成物を押出被覆してなる絶縁層と、を備えるフラットケーブルであって、前記絶縁層が、臭素系難燃剤、リン系難燃剤及びアンチモン系難燃剤を含み、前記絶縁層における臭素含有率が6.0〜12.0質量%であり、前記絶縁層におけるリン含有率が0.2〜1.3質量%であり、前記絶縁層におけるアンチモン含有率が1.0〜10.0質量%である。
【選択図】図1
Description
図1に示される導体2は、所謂、平角導体と呼ばれるものであり、断面(短手方向における断面)が偏平な矩形状となっている。なお、導体2としては、平角導体に限られるものではなく、公知のフラットケーブル用の導体を使用できる。導体2は、1本の所謂、導線であっても良いし、複数本の導線を組み合わせてなるもの(例えば、撚り線)であっても良い。
前記ポリブチレンテレフタレートは、ブチレングリコールとテレフタル酸(その誘導体を含む)との共重合体のみならず、少なくとも80モル%以上のブチレンテレフタレート繰り返し単位を含む共重合体等が挙げられる。共重合成分としては、公知の酸性分及び/又はグリコール成分を使用できる。前記共重合成分としては、例えば イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、アジピン酸、セバシン酸、ドデカンジ酸、シュウ酸等の酸性分、エチレングリコール、プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコール、シクロヘキサンジメタノール等のグリコール成分が挙げられる。
上市されている前記ポリブチレンテレフタレートとしては、例えば、バイロペットEMC700(東洋紡株式会社製)、トレコン1401 X04(東レ株式会社製)等が挙げられる。
本実施例及び比較例において使用した材料の製造元、商品名は以下の通りである。
・ポリブチレンテレフタレート[東洋紡績株式会社製、バイロペットEMC700]
・ポリエチレンテレフタレート[帝人化成株式会社製、TR−4550BH]
・臭素系難燃剤[アルベマール日本株式会社製、Saytex8010]
・リン系難燃剤(縮合リン酸エステル)[大八化学工業株式会社製、PX−200]
・アンチモン系難燃剤(三酸化アンチモン)[和光純薬工業株式会社製、酸化アンチモン(III)]
・酸化防止剤[チバ・ジャパン株式会社製、イルガノックス1010]
・金属不活性化剤(銅害防止剤)[チバ・ジャパン株式会社製、イルガノックスMD1024]
短手方向における断面が、縦0.15mm×横1.5mmの矩形状である導体(平角導体)を3本用意した。これらの導体を平行に配列し、押出機(単軸押出機)を用いてこれらの導体の周囲に、表1に示される樹脂組成物を押出被覆して絶縁層を形成した。フラットケーブル(絶縁層)の厚みが約0.15mm、絶縁層の幅(短手方向)が約7.9mmとなるように、前記樹脂組成物を導体に押出被覆した。表1に示される樹脂組成物の各成分配合量の単位は質量部である。
なお、前記樹脂組成物としては、あらかじめ前記押出機(単軸押出機)とは別の押出機(二軸押出機)を用いて混合し、その混合物をペレタイザーでペレット化したものを使用した。具体的には、前記樹脂組成物の各成分を前記二軸押出機内に投入し、その機内で260℃〜280℃の温度条件で各成分を混合し、混合物をストランド状に押し出した。次いで、その押し出された混合物を水冷し、その後、ペレタイザーで前記混合物を切断して、ペレット状の樹脂組成物を調製した。
以上のようにして、実施例1及び2のフラットケーブルを作製した。
各実施例における樹脂組成物の混合加工性の評価を目視で行った。混合加工性の評価基準は、以下の通りである。
○:樹脂組成物が均一に混ざり合い、並びにペレット化のためのストランド状の連続押出及びペレタイザーによるカットが可能な場合。
×:樹脂組成物の混合が不均一の場合、又はペレット化のためのストランド状の連続押出及びペレタイザーによるカットが不可能な場合。
各実施例のフラットケーブルから絶縁層を分離し、絶縁層(500g)を燃焼して、絶縁層から発生したガスを、NaOH水溶液で捕集した。
ガスを捕集した水溶液を、イオンクロマトグラフ(ICA−2000、東亜デーケーケー社製)を用いて分析して、絶縁層中に含まれる臭素及びリンの含有量を求めた。得られた臭素含有量及びリン含有量から、それぞれ絶縁層における臭素含有率及びリン含有率を更に求めた。結果は、表1に示した。
各実施例のフラットケーブルから、長さ600mmの試験用ケーブルを調製し、その試験用ケーブルを、40℃の試験液(ISO1817に規定された液体3)に24時間浸漬した。その後、試験用ケーブルを試験液から取り出して、−40℃の低温槽において4時間放置した。
その後、低温槽内において1回/秒の巻き付け速度で、マンドレル(直径6mm)に500g重の負荷をかけて、試験用ケーブルを3回巻き付けた。
その後、試験用ケーブルを低温槽から取り出し、常温雰囲気下の室内において試験用ケーブルの外観を目視で確認した。試験用ケーブルの絶縁層から導体が露出していない場合は、更に以下の耐電圧試験を行った。
試験用ケーブルを、10分間塩水に浸した。その後、塩水から試験用ケーブルを取り出し、1kVの電圧を1分間加えた。その後、試験用ケーブルの絶縁層に破壊(絶縁破壊)が生じたか否かを目視で確認した。
○:巻き付け後の試験用ケーブルの絶縁層から導体が露出せず、かつ、耐電圧試験で絶縁破壊が無い場合。
×:巻き付け後の試験用ケーブルの絶縁層から導体が露出し、又は耐電圧試験で絶縁破壊が生じた場合。
UL1581−1080 VW−1に準じて、難燃性試験(垂直燃焼試験)を行った。評価基準は、UL1581−1080 VW−1に準ずるものであり、以下の通りである。この難燃性試験の結果は、表1に示した。
○:試料(試験用ケーブル)の燃焼時間が60秒以内であること、試料に取り付けられた表示旗(クラフト紙)が25%以上燃えないこと、及び試料から落下した燃焼物により、試料の下方に配置させた脱脂綿が燃焼しないこと。
×:試料の燃焼時間が60秒を超えた場合、試料に取り付けられた表示旗(クラフト紙)が25%以上燃えた場合、又は試料から落下した燃焼物により、試料の下方に配置させた脱脂綿が燃焼した場合。
表2に示される樹脂組成物を用いたこと以外は、上記実施例と同様にして、比較例1〜9のフラットケーブルを作製した。表2に示される樹脂組成物の各成分配合量の単位は質量部である。
上記実施例と同様に、各比較例のフラットケーブルの絶縁層における各難燃剤の含有率を求めた。結果は、表2に示した。
なお、比較例3及び8では、絶縁層を押出成形することが出来なかったため、これらについては、配合から算出した推定値を各含有率とした。
また、各比較例のフラットケーブルについても、上記実施例と同様にして、混合加工性試験、耐液性試験及び難燃性試験を行った。結果は、表2に示した。
なお、比較例3及び8では、絶縁層を押出形成することが出来なかったため、これらについては、耐液性試験及び難燃性試験は行わなかった。
比較例3は、フラットケーブルの絶縁層を形成するための樹脂組成物が、難燃剤としてリン系難燃剤のみを含む場合である。比較例3は、比較例2と比べて、リン含有率が高い場合である。比較例3においては、リン系難燃剤が樹脂成分と混ざりきらず、二軸押出機内でリン系難燃剤が分離した状態で液状化し、ペレット化のためのストランド状の連続押出が不可能であった。そのため、比較例3の混合加工性は、×と判断した。
比較例5は、フラットケーブルの絶縁層を形成するための樹脂組成物が、難燃剤として臭素系難燃剤及びアンチモン系難燃剤を含む場合である。比較例5は、比較例4と比べて、アンチモン含有率が高い場合である。
比較例5においては、樹脂組成物のペレット化、及びそのペレットを用いた押出被覆は可能であった。しかしながら、押し出された絶縁層中にアンチモン系難燃剤の塊(所謂、ブツ)が見られ、混合不良(分散不良)が発生した。そのため、比較例5の混合加工性は、×と判断した。
比較例8においては、リン系難燃剤が樹脂成分と混ざりきらず、二軸押出機内でリン系難燃剤が分離した状態で液状化し、ペレット化のためのストランド状の連続押出が不可能であった。そのため、比較例3の混合加工性は、×と判断した。
2 導体
3 絶縁層
Claims (1)
- 互いに平行に配列した複数本の導体と、
前記導体にポリエステル樹脂を主成分とする樹脂組成物を押出被覆してなる絶縁層と、を備えるフラットケーブルであって、
前記絶縁層が、臭素系難燃剤、リン系難燃剤及びアンチモン系難燃剤を含み、
前記絶縁層における臭素含有率が6.0〜12.0質量%であり、
前記絶縁層におけるリン含有率が0.2〜1.3質量%であり、
前記絶縁層におけるアンチモン含有率が1.0〜10.0質量%であることを特徴とするフラットケーブル。
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