JP2011034372A - 警報器及び警報システム - Google Patents

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Abstract

【課題】ローバッテリー障害が検出された後も連動機能を縮退することで可能な限り火災などの異常監視を有効に継続可能とする。
【解決手段】警報処理部62は、イベント検出部54で異常を検出した時に、報知部26から連動元を示す異常警報を出力させると共に、異常を示すイベント信号を他の警報器に送信させ、一方、他の警報器から異常を示すイベント信号を受信した時に、報知部26からの連動先を示す異常警報を出力させる。連動禁止部64は、イベント検出部54で電池切れを示すローバッテリー障害を検出した場合に、他の警報器へのイベント信号の送信を禁止し、更に、中継処理部60によるイベント信号の中継を禁止し、電池電源30の消耗を抑制する。
【選択図】図2

Description

本発明は、火災やガス漏れなどの異常を検出して警報すると共に他の警報器に信号を送信して警報を連動出力させる警報器及び警報システムに関する。
従来、住宅における火災を検出して警報する住宅用警報器(以下「住警器」という)が普及しており、近年にあっては、複数の住警器を相互に通信させ、1つの住警器の異常情報を他の警報器でも警報できる連動型警報システム向けの無線式住警器が実用化されており、これらの中には電池電源によって動作するものがある。電池電源で動作する住警器にあっては、例えば10年といった電池寿命を保証している。
無線通信を行う連動型の警報システムにあっては、ある住警器で火災を検出した場合、火災を検出した連動元の住警器は、例えば「ウーウー火災警報器が作動しました 確認してください」との音声メッセージを出力し、一方、連動先の住警器では「ウーウー別の火災警報器が作動しました 確認してください」という音声メッセージを出力するようにしている。また、連動元の住警器の表示灯は点灯とし、連動先の住警器の表示灯は点滅とし、表示灯の表示からも連動元か連動先かが区別できるようにしている。
このような連動警報を行うため、火災を検出した連動元の住警器は火災を示すイベント信号を他の住警器に送信しており、更に、住警器には中継機能が設けられており、イベント信号を受信して中継送信している。このようなイベント信号の送信および中継は、火災検出の他、火災復旧、警報停止、障害検出といった各種のイベントを検出したときに同様に行われる。
また無線通信を行う連動型の警報システムにあっては、住警器に設けた電池電源の状態を所定の時間間隔毎にチェックする自動試験機能が設けられており、障害を検出すると障害警報を出力するようにしている。この自動試験機能は、電池電源の電源電圧を例えば4時間間隔で検出して所定の閾値レベルと比較し、閾値レベルを下回った場合にローバッテリー障害と判定し、このローバッテリー障害が例えば5回連続した場合にローバッテリー障害を確定して、電池切れを知らせて電池交換を促すローバッテリー警報を出すようにしている。
特開2007−094719号公報
しかしながら、このような従来の連動警報を行う無線式の住警器にあっては、電池電圧が低下してローバッテリー障害が検出された場合であっても、火災検出その他各種のイベント検出に対しイベント内容を示すイベント信号を他の住警器に送信し、また他の住警器からイベント信号を受信すると、イベント内容に対応して連動先としての処理を実行すると共に、必要に応じて受信したイベント信号を中継送信しており、そのためローバッテリー障害が検出される前と同じ電力消費状態が継続し、電池電圧が短い時間で例えばCPUの動作電圧以下に低下し、住警器の監視機能が失われてしまう問題がある。
本発明は、ローバッテリー障害が検出された後も、連動機能を縮退することで可能な限り火災などの異常監視を有効に継続可能とする警報器及び警報システムを提供することを目的とする。
(警報器)
本発明は、
電源を供給する電池電源と、
監視エリアの物理的現象を検出して出力するセンサ部と、
異常警報を出力する報知部と、
警報停止操作手段を備えた操作部と、
センサ部の検出出力による異常の有無及び電池電源の電圧が所定値以下に低下するローバッテリー障害を含むイベントを検出するイベント検出部と、
イベント検出部で検出したイベントを示すイベント信号を他の警報器へ送信する送信処理部と、
他の警報器からのイベント信号を受信する受信処理部と、
受信処理部で受信したイベント信号を他の警報器に中継する中継処理部と、
イベント検出部で異常を検出した時に、報知部からの警報音と警報表示により連動元を示す異常警報を出力させると共に、異常を示すイベント信号を他の警報器に送信させ、一方、他の警報器から異常を示すイベント信号を受信した時に、前記報知部からの警報音と警報表示により連動先を示す異常警報を出力させる警報処理部と、
を設けた警報器に於いて、
イベント検出部でローバッテリー障害を検出した場合に、送信処理部による他の警報器へのイベント信号の送信を禁止する連動禁止部を設けたことを特徴とする。
連動禁止部は、更に、中継処理部によるイベント信号の中継を禁止することを特徴とする。
連動禁止部は、イベントの種別毎に連動禁止フラグを設定し、火災イベントを含む緊急イベントについては連動禁止フラグをオフして他の警報器へのイベント信号の送信を許容し、ローバッテリー障害を含む不急イベントについては連動禁止フラグをオンして他の警報器へのイベント信号の送信を禁止する。
(システム)
本発明は、警戒エリアに、電池電源で動作し、異常を検出して警報音と警報表示により異常警報を出力する警報器を複数配置した警報システムに於いて、
警報器の各々に、
異常を検出して警報音と警報表示により連動元を示す異常警報を出力すると共に、他の警報器に異常信号を送信して警報音と警報表示により連動先を示す異常警報を出力し、他の警報器から異常信号を受信した時は警報音と警報表示による連動先を示す異常警報を出力する警報処理部と、
電池電源の電圧が所定値以下に低下するローバッテリー障害を検出した場合に、警報処理部による他の警報器へのイベント信号の送信を禁止する連動禁止部と、
を設けたことを特徴とする。
また、警報処理部で他の警報器から受信した異常信号を中継する中継処理部を備え、連動禁止部は、中継処理部によるイベント信号の中継を禁止する。
更に、連動禁止部は、イベントの種別毎に連動禁止フラグを設定し、火災イベントを含む緊急イベントについては連動禁止フラグをオフして他の警報器へのイベント信号の送信を許容し、ローバッテリー障害を含む不急イベントについては連動禁止フラグをオンして他の警報器へのイベント信号の送信を禁止する。
本発明によれば、連動型の警報システムを構築している警報器において、電池電圧(電池容量)が所定値以下に低下するローバッテリー障害が検出された場合、他の警報器に対する火災検出その他各種イベントを検出しても、イベント内容を示すイベント信号の送信が禁止され、また、他の警報器からイベント信号を受信しても、イベント内容に対応した連動先としての処理が禁止され、更に、イベント信号を中継する処理も禁止され、これによってローバッテリー障害が検出された警報器は連動型システムから分離されてスタンドアローンの住警器として動作することとなり、連動型としての警報器動作に伴う消費電力が節減され、ローバッテリー障害が検出されても、消費電力を必要最小限に抑え、電池切れとなって完全に停止するまでの時間を充分に延ばすことができる。その結果、旅行などの不在中にローバッテリー障害となっても、帰宅するまでに電池切れで警報器が停止して監視機能が失われてしまう事態を極力回避することができる。
また、火災等緊急性の高い異常検出の場合だけは連動型として機能し、その他の不急のイベント検出時には連動させないようにすることで、ローバッテリー検出後の電池消耗を抑制しつつ、緊急時には連動型システムとして警報することが出来、高い防災機能を維持することが出来る。
住宅に対する本発明の警報システムの設置状態を示した説明図 図1の警報システムに設けた火災を検出して警報する住警器の実施形態を示したブロック図 本実施形態で使用するイベント信号のフォーマットを示した説明図 図2の実施形態における基本的な処理を示したフローチャート 図4のステップS3における検出イベント対応処理の詳細を示したフローチャート 図5に続く検出イベント対応処理の詳細を示したフローチャート 図4のステップS5における受信イベント対応処理の詳細を示したフローチャート 図7に続く受信イベント対応処理の詳細を示したフローチャート
図1は住宅に対する本実施形態の警報システムの設置状態を示した説明図である。図1の例にあっては、住宅12に設けられている台所、居間、主寝室、子供部屋のそれぞれに本実施形態の、火災を検出して警報する住警器10−1〜10−4が設置され、更に屋外に建てられたガレージ14にも住警器10−5が設置されている。
住警器10−1〜10−5は、イベント信号を相互に無線により送受信する機能を備え、更に受信したイベント信号を中継する機能を備え、ガレージを含む住宅全体の火災監視を行っている。
いま住宅12の子供部屋で万一、火災が発生したとすると、住警器10−4が火災を検出して警報を開始する。この火災を検出して警報を開始することを、住警器における「発報」という。住警器10−4が発報すると、住警器10−4は連動元として機能し、連動先となる他の住警器10−1〜10−3,10−5に対し、火災を示すイベント信号を無線により送信する。他の住警器10−1〜10−3,10−5において、連動元の住警器10−4からの火災を示すイベント信号を受信した場合に、警報音と表示により連動先としての警報動作を行う。
ここで連動元となった住警器10−4の警報音としては、例えば音声メッセージにより「ウーウー 火災警報器が作動しました 確認してください」を出力する。一方、連動先の住警器10−1〜10−3,10−5にあっては、「ウーウー 別の火災警報器が作動しました 確認してください」といった音声メッセージを出力する。
また連動元となった住警器10−4の警報に伴う表示(以下、警報表示という)としては、後に説明するLED50を例えば点灯させる。一方、連動先の住警器10−1〜10−3,10−5にあっては、LED50を例えば点滅させる。これによって、連動元警報と連動先警報におけるLED50による警報表示を区別できるようにしている。
なお、連動元のLED50を点滅とし、連動先のLED50を点灯としても良いし、連動元警報と連動先警報のいずれについても、同じLED50の明滅または点滅、点灯表示であっても良い。
図2は本発明による住警器の実施形態を示したブロック図であり、図1に示した5台の住警器10−1〜10−5につき、その内の住警器10−1について回路構成を詳細に示している。
住警器10−1と他の住警器10−2〜10−5を結ぶ矢印はそれぞれが相互に通信することを示しているが、たとえば住警器10−2と住警器10−3なども相互に通信させるようにしている。もちろん、住警器10−1をシステムの親機として、図6の矢印の経路でのみ通信するようにしたシステムでも、本発明を適用することが出来る。
住警器10−1はワンチップCPUとして知られたプロセッサ18を備え、プロセッサ18に対してはアンテナ21を備えた無線通信部20、記録回路部(メモリ)22、センサ部24、報知部26、操作部28及び電池電源30を設けている。
無線通信部20には送信回路32と受信回路34が設けられ、他の住警器10−2〜10−5との間でイベント信号を無線により送受信し、またイベント信号を中継できるようにしている。無線通信部20としては、日本国内の場合には、例えば400MHz帯の特定小電力無線局の標準規格として知られたSTD−30(小電力セキュリティシステム無線局の無線設備標準規格)またはSTD−T67(特定小電力無線局テレメータ用、テレコントロール用及びデータ伝送用無線設備の標準規格)に準拠した構成を備える。
もちろん無線通信部20としては、日本国内以外の場所については、その地域の割当無線局の標準規格に準拠した内容を持つことになる。
記憶部としてのメモリ22には、イベント信号の順番を示す連続番号である連番38、住警器を特定するID(識別子)となる送信元符号40及び図2のように住宅の設置した住警器10−1〜10−5で連動警報を行う連動グループを構成するためのグループ符号42、及びローバッテリー障害の検出により連動及び中継を禁止するためにセットされる連動禁止フラグ45が格納されている。
連番38は送信毎に順次増加する連続番号であり、警報器間の通信に於いてイベント信号の中継処理等を管理するために使用する。
送信元符号40としては、国内に提供される住警器の数を予測し、例えば同一符号として重複しないように、シリアル番号等を利用した26ビットの符号コードが使用される。
グループ符号42は連動グループを構成する複数の住警器に共通に設定される符号であり、無線通信部20で受信した他の住警器からのイベント信号に含まれるグループ符号がメモリ22に登録しているグループ符号42に一致したときに、このイベント信号を有効な信号として処理することになるので、近隣の住宅等に設置された、連動を要しない他グループの警報器との混信を回避出来る。
センサ部24には検煙部46が設けられ、火災による煙が所定濃度に達したときに火災を検出するようにしている。検煙部46以外に、火災による温度を検出するサーミスタ等の温度検出素子や、火災に伴うその他の物理現象変化を検出する各種素子を設けてもよい。
報知部26には警報音を出力するスピーカ48と警報表示を行うLED50が設けられている。スピーカ48は、図示しない音声合成回路部からの音声メッセージや警報音を出力する。LED50は点滅や明滅、点灯などにより、火災などの異常を警報表示する。スピーカ48に代えて、ブザー等を用いても良い。
操作部28には警報停止スイッチ52が設けられている。警報停止スイッチ52は、報知部26からスピーカ48により警報音により警報を行っているときにのみ有効となる。住警器10−1〜10−5が警報音を出している状態で、警報停止スイッチ52を操作すると、警報音の停止処理が行われる。ここで、本実施形態の警報音の停止処理としては次のいずれかの停止処理を行う。
(1)住警器10−1〜10−5の内、連動元以外の任意の警報停止スイッチ52を操作すると、連動元のみが引き続き警報音を流し、連動先は警報音を停止する。一方、連動元の警報停止スイッチ52を操作すると、連動元および連動先の全ての警報音を停止する。
(2)警報中の住警器10−1〜10−52の内の任意の警報停止スイッチ52を操作すると、連動先、連動元に関わらず、全ての警報音を停止する。
(3)前記(1)の停止処理を第1モード、前記(2)の停止処理を第2モードとし、いずれか一方のモードを選択して停止処理を行う。
電池電源30は、例えば所定セル数のリチウム電池やアルカリ乾電池を使用しており、電池容量としては住警器10−1における無線通信部30を含む回路部全体の低消費電力化により、例えば10年の電池寿命を保証している。
プロセッサ18にはプログラムの実行により実現される機能として、イベント検出部54、送信処理部56、受信処理部58、中継処理部60、警報処理部62及び連動禁止部64が設けられている。
イベント検出部54は、センサ部24による異常(火災)検出、操作部28による警報停止または点検指示、センサ部24の異常検出がなくなる異常復旧、センサ障害、及びローバッテリー障害等のイベントを検出する。
ここで、イベント検出部54はセンサ障害のイベント検出として、所定の測定時間間隔T1、例えばT1=1秒間隔でセンサ部24の検煙部46から出力される煙濃度検出信号をA/D変換により読み込んでメモリ22のバッファ領域(図示せず)に保持し、所定の時間間隔T2毎に、例えばT2=10分毎に、10分間ぶんの検出データの平均値を求め、この平均値が所定の基準レベルを下回った時にセンサ部24の障害と判定し、試験結果としてメモリ22の試験結果記憶領域(図示せず)に記憶する。
なお、センサ部24にサーミスタなどの温度検出素子を設けた場合には、その断線により検出信号の10分間平均値が所定の断線レベルを下回ることでセンサ障害が試験結果として判定される。
また、イベント検出部54はローバッテリー障害のイベント検出として、所定の測定時間間隔T3、例えばT3=4時間間隔で電池電源30の電源電圧をA/D変換により読み込んで所定の閾値電圧と比較し、この閾値電圧以下の時にローバッテリー障害を判定し、更にローバッテリー障害の判定結果が連続して所定回数続いたときにローバッテリー障害を確定して試験結果としてメモリ22の試験結果記憶領域に記憶する。
送信処理部56は、イベント検出部54によりセンサ部24による異常検出、操作部28による警報停止または点検指示、センサ部24の異常検出がなくなる異常復旧、センサ障害又はローバッテリー障害等自己のイベントを検出した時に、検出イベントを示すイベント信号を連動先の住警器に送信させる。受信処理部58は、受信回路34で受信した住警器10−2〜10−5からのイベント信号を解読する。
中継処理部60は、連動元又は中継元の警報器からイベント信号を受信した時に、イベント信号を中継する。また、送信処理部56は、イベント信号に送信毎に順次増加する連番38と送信元符号40を含めて送信しており、これを受けて中継処理部60は、連動元又は中継元の住警器からイベント信号を受信した時に、イベント信号に含まれる連番と送信元符号の組を、メモリ22に記憶している既に受信済みの連続番号と送信元符号の組と比較し、一致した場合は同じイベント信号は既に中継済みであることから、イベント信号の中継を終了させ、同じイベント信号を繰り返し中継しないようにしている。
また、中継処理部60の機能は設定スイッチの操作やコマンドにより必要に応じて有効と無効を選択することができ、これによってイベント信号を中継する住警器と中継しない住警器を任意に決めることができる。
警報処理部62は、イベント検出部54で自己の異常として火災を検出した時にスピーカ48から連動元を示す警報音を出力すると共に、LED50を駆動して連動元を示す警報表示を行い、更に、火災を示すイベント信号を他の住警器に送信する。3
具体的に説明すると、警報処理部62は、センサ部24に設けた検煙部46の煙検出信号からイベント検出部54で火災を検出したときに、報知部26のスピーカ48から連動元を示す警報音例えば「ウーウー 火災警報器が作動しました 確認してください」を繰り返し出力させると共に、LED50をたとえば点灯して連動元を示す警報表示を行い、更に、火災を示すイベント信号を無線通信部20の送信回路32によりアンテナ21から他の住警器10−2〜10−5に向けて送信させる。
また警報処理部62は、他の住警器10−2〜10−5のいずれかから火災を示すイベント信号を無線通信部20の受信回路34により受信し、受信処理部58で有効となったときに、報知部26のスピーカ48から連動先を示す警報音例えば「ウーウー 別の火災警報器が作動しました 確認してください」となる警報音を繰り返し出力させ、同時にLED50をたとえば点滅して連動先を示す警報表示を行う。
また、警報処理部62は、火災警報の出力中に操作部28に設けた警報停止スイッチ52の警報停止操作を検出した場合、スピーカ48からの警報音を停止すると共にLED50の警報表示を停止させる。この場合、LED50による警報表示については所定時間継続させても良い(消灯遅延)。
また警報処理部62は、イベント検出部54でセンサ障害を検出した場合、報知部26のスピーカ48からセンサ障害を示すたとえば「ピッ 故障です」を複数回連続出力し、その後は、一定時間毎に「ピッ 故障です」を複数回出力する処理を繰り返す。なお、火災警報のない状態で手警報停止スイッチ52の操作による点検イベントを検出した場合は、「ピッ 故障です 販売店に連絡して下さい」を1回出力する。
更に警報処理部62は、イベント検出部54でローバッテリー障害を検出した場合、報知部26のスピーカ48からローバッテリー障害を示すたとえば「ピッ 電池切れです」を複数回連続出力し、その後は、一定時間毎に「ピッ 電池切れです」を複数回出力する処理を繰り返す。なお、火災警報のない状態で手警報停止スイッチ52の操作による点検イベントを検出した場合は、「ピッ 電池切れです 電池を交換して下さい」を1回出力する。
連動禁止部64は、イベント検出部54でローバッテリー障害を検出した場合に、送信処理部58による他の警報器へのイベント信号の送信を禁止するためメモリ22の連動禁止フラグ45をセットする。連動禁止フラグ45がセットされると、イベント検出部54でイベントを検出した時の送信処理部56によるイベント信号の送信が禁止され、イベント信号の送信による無線通信部20の電力消費を不要とし、ローバッテリー障害が検出されている電池電源30の消耗を必要最小限に抑制し、プロセッサ18の動作停止電圧に低下するまでの時間を可能な限り長くする。
また連動禁止部64により連動禁止フラグ45がセットされると、中継処理部60による中継動作も禁止され、イベント信号の中継による無線通信部20の電力消費を不要とし、ローバッテリー障害が検出されている電池電源30の消耗を必要最小限に抑制し住警器の基本機能を維持不能となる電圧に低下するまでの時間を可能な限り長くする。
なお、中継処理部60については、ローバッテリー障害を起こした住警器が場所的に離れた住警器間の信号中継を行う中継器(その住警器の中継機能が動作しなければシステム全体の連動に欠落が生じる位置づけにある住警器)として設置されている場合があり、このような場合には、中継動作が禁止されると、ローバッテリー障害を起こしていない住警器への連動が解除されることから、必要に応じて、中継器として設置している住警器の場合には、ローバッテリー障害の検出により連動禁止フラグ45がセットされて自己のイベント検出に基づくイベント信号の送信を禁止しても、他の住警器から受信したイベント信号の中継は動作させるようにしても良い。
図3は本実施形態で使用するイベント信号のフォーマットを示した説明図である。図3において、イベント信号36は連番38、送信元符号40、グループ符号42及びイベント符号44で構成されている。
連番38はイベント信号の順番を示す連続番号であり、イベント信号を送信する毎に1つずつ増加させる。また、連番38は住警器10−1〜10−5の各々で非同期に生成している。連番38は警報器間の通信において図2の中継処理部60が前述したようにイベント信号の重複した中継を回避するために使用する。
送信元符号40は例えば26ビットの符号である。グループ符号42は例えば8ビットの符号であり、同一グループを構成する例えば図1の住警器10−1〜10−5につき同じグループ符号が設定されている。
なおグループ符号42としては、同一グループの住警器に同一のグループ符号を設定する以外に、予め定めたグループを構成する住警器に共通な基準符号と、各住警器に固有な送信元符号との演算から求めた住警器ごとに異なるグループ符号であってもよい。
イベント符号44は、火災、ガス漏れなどのイベント内容を表す符号であり、本実施形態にあっては3ビット符号を使用しており、例えば「001」で火災、「010」でガス漏れ、「011」で復旧、「100」で警報停止、「101」でセンサ障害、「110」でローバッテリー障害、残りをリザーブとしている。なおイベント符号44のビット数は、イベントの種類が増加したときには更に4ビット、5ビットと増加させることで、さらに多くのイベント内容を表すことができる。
図4は図2の実施形態における住警器の基本的な処理を例示したフローチャートである。図4において、住警器10−1の電池電源30から電源供給が開始されると、ステップS1で初期化及び自己診断を実行し、異常がなければステップS2に進み、イベント検出部54によるイベント検出の有無をチェックし、イベント検出を判別するとステップS3に進み、検出イベントに対応した処理を実行する。
続いてステップS4で他の住警器からのイベント信号受信の有無をチェックしており、イベント信号受信を判別するとステップS5に進み、受信イベントに対応した処理を実行する。
図5及び図6は、図4のステップS3における検出イベント対応処理の詳細を示したフローチャートであり、プロセッサ18のプログラムの実行による処理となる。
図5において、検出イベント対応処理は、ステップS11で火災発生を監視しており、センサ部24から出力された煙検出信号が所定の火災レベルを超えると火災発生を判別してステップS12に進み、ステップS12でスピーカ48からの警報音とLED50の点灯による警報表示とにより連動元を示す火災警報を出力する。
続いてステップS13でメモリ22の連動禁止フラグ45がセットされているか否か判別し、電池電源30が正常で連動禁止フラグ45がリセット状態にあればステップS14に進み、連番、送信元符号、グループ符号、火災を示すイベント符号を含むイベント信号を他の住警器に送信する。
これに対しローバッテリー障害が検出されて連動禁止フラグ45がセット状態にあればステップS14をスキップし、火災を示すイベント信号の他の住警器への送信を行わない。
続いて、ステップS15でセンサ部24からの煙検出信号が低下して火災状態が解消する火災復旧の有無を判別しており、火災復旧を判別するとステップS16で連動元を示す火災警報を停止する。
続いてステップS17でメモリ22の連動禁止フラグ45がセットされているか否か判別し、電池電源30が正常で連動禁止フラグ45がリセット状態にあればステップS18に進み、連番、送信元符号、グループ符号、火災復旧を示すイベント符号を含むイベント信号を他の住警器に無線により送信する。
これに対しローバッテリー障害が検出されて連動禁止フラグ45がセット状態にあればステップS18をスキップし、火災復旧を示すイベント信号を他の住警器に送信しない。
続いてステップS19で警報停止スイッチ52の操作の有無を判別し、スイッチ操作が判別されるとステップS20で警報中の有無を判別する。ステップS20で警報中が判別されると、ステップS21に進んで火災警報音出力を停止する。ステップS20で警報中でないことが判別された場合はステップS22に進み、所定の点検処理を行って、結果を示す点検メッセージを報知部26のスピーカ48から出力する。
続いてステップS23でメモリ22の連動禁止フラグ45がセットされているか否か判別し、電池電源30が正常で連動禁止フラグ45がリセット状態にあればステップS24に進み、連番、送信元符号、グループ符号、警報停止を示すイベント符号を含むイベント信号を他の住警器に送信する。
これに対しローバッテリー障害が検出されて連動禁止フラグ45がセット状態にあればステップS24をスキップし、警報停止を示すイベント信号の他の住警器への送信を行わない。
続いて、図6のステップS25に進んでセンサ障害の有無を判別しており、センサ障害を判別するとステップS26に進み、スピーカ48からセンサ障害を示す警報音を出力する。
続いてステップS27でメモリ22の連動禁止フラグ45がセットされているか否か判別し、電池電源30が正常で連動禁止フラグ45がリセット状態にあればステップS28に進み、連番、送信元符号、グループ符号、センサ障害を示すイベント符号を含むイベント信号を他の住警器に送信する。
これに対しローバッテリー障害が検出されて連動禁止フラグ45がセット状態にあればステップS28をスキップし、センサ障害を示すイベント信号を他の住警器へ送信しない。
続いて、ステップS29に進んでローバッテリー障害の有無を判別しており、ローバッテリー障害を判別するとステップS30に進み、連番、送信元符号、グループ符号、ローバッテリー障害を示すイベント符号を含むイベント信号を他の住警器に送信する。
続いてステップS31でメモリ22の連動禁止フラグ45がセットされているか否か判別し、この段階では連動禁止フラグ45はリセット状態にあるため、ステップS32に進み、連番、送信元符号、グループ符号、センサ障害を示すイベント符号を含むイベント信号を他の住警器に送信し、続いてステップS33でメモリ22の連動禁止フラグ45をセットする。
このようにステップS32でローバッテリー障害を示すイベント信号を送信した後にステップS33で連動禁止フラグ45をセットしているため、最初のローバッテリー障害の検出時について、他の住警器10−2〜10−5でローバッテリー警報を連動出力させることができ、その後のイベント検出に対し、イベント信号の送信が禁止されることになる。
なお、ステップS29でローバッテリー障害を判別した時に連動禁止フラグ45をセットすることで、ローバッテリー障害は連動警報としないようにすることもできる。
ステップS13、S17、S23、S27、S31の連動禁止フラグは、それぞれ別にしても良く、そのようにすれば、イベント毎の連動禁止管理および制御が可能になる。フラグの設定はスイッチ等でユーザーが選択できるようにしても良いし、出荷時に設定しておくようにしても良い。
また、連動禁止フラグを緊急イベントと不急のイベントで分けて設定するようにしても良い。たとえば火災イベントに対しては連動禁止フラグをオフとし、その他比較的緊急性の低い障害等のイベントについては連動禁止フラグをオンとすることが出来る。
図7及び図8は図4のステップS5における受信イベント対応処理の詳細例を示したフローチャートであり、プロセッサ18のプログラムの実行による処理となる。
図7において、ステップS41で他の住警器からの火災を示すイベント信号受信の有無を判別している。他の住警器からの火災を示すイベント信号受信を判別すると、ステップS42に進んで連動先を示す火災警報としてスピーカ48からの警報音とLED50の点滅による警報表示を行う。
続いてステップS43でメモリ22の連動禁止フラグ45がセットされているか否か判別し、電池電源30が正常で連動禁止フラグ45がリセット状態にあればステップS44に進み、連番、送信元符号、グループ符号、火災を示すイベント符号を含むイベント信号を他の住警器に中継送信する。
これに対しローバッテリー障害が検出されて連動禁止フラグ45がセット状態にあればステップS44をスキップし、火災発報を示すイベント信号の他の住警器への中継送信を行わない。
続いて、ステップS45で火災復旧のイベント信号受信の有無を判別しており、火災復旧を示すイベント信号の受信を判別するとステップS46で火災警報を停止する。
続いてステップS47でメモリ22の連動禁止フラグ45がセットされているか否か判別し、連動禁止フラグ45がリセット状態にあればステップS48に進み、連番、送信元符号、グループ符号、火災復旧を示すイベント符号を含むイベント信号を他の住警器に無線により中継送信する。
これに対しローバッテリー障害が検出されて連動禁止フラグ45がセット状態にあればステップS48をスキップし、火災復旧を示すイベント信号を他の住警器に中継送信しない。
続いてステップS49で警報停止を示すイベント信号受信の有無を判別し、警報停止を示すイベント信号受信を判別するとステップS50で警報中の有無を判別する。ステップS50で警報中が判別されると、ステップS51に進んで火災警報を停止する。ステップS50で警報中でないことが判別された場合はステップS52に進み、所定の点検処理を実施して、結果を示す点検メッセージを報知部26のスピーカ48から出力する。
続いてステップS53でメモリ22の連動禁止フラグ45がセットされているか否か判別し、連動禁止フラグ45がリセット状態にあればステップS54に進み、連番、送信元符号、グループ符号、警報停止を示すイベント符号を含むイベント信号を他の住警器に中継送信する。
これに対しローバッテリー障害が検出されて連動禁止フラグ45がセット状態にあればステップS54をスキップし、警報停止を示すイベント信号の他の住警器への送信を行わない。
続いて、図8のステップS55に進んでセンサ障害を示すイベント信号受信の有無を判別しており、センサ障害を示すイベント信号受信を判別するとステップS56に進み、スピーカ48からのセンサ障害を示す警報音を出力し、併せてLED50で障害警報を表示する。
続いてステップS57でメモリ22の連動禁止フラグ45がセットされているか否か判別し、連動禁止フラグ45がリセット状態にあればステップS58に進み、連番、送信元符号、グループ符号、センサ障害を示すイベント符号を含むイベント信号を他の住警器に中継送信する。
これに対しローバッテリー障害が検出されて連動禁止フラグ45がセット状態にあればステップS58をスキップし、センサ障害を示すイベント信号を他の住警器へ送信しない。
続いて、ステップS59に進んでローバッテリー障害を示すイベント信号受信の有無を判別しており、ローバッテリー障害を示すイベント信号受信を判別するとステップS60に進み、スピーカ48からローバッテリー障害を示す警報音を出力する。
続いてステップS61でメモリ22の連動禁止フラグ45がセットされているか否か判別し、連動禁止フラグ45のセットを判別するとステップS62に進み、連番、送信元符号、グループ符号、ローバッテリー障害を示すイベント符号を含むイベント信号を他の住警器に中継送信する。
このようにステップS62でローバッテリー障害を示すイベント信号を中継送信した後にステップS33で連動禁止フラグ45をセットしているため、最初のローバッテリー障害の検出時について、他の住警器10−2〜10−5でローバッテリー警報を連動出力させることができ、その後のイベント検出に対し、イベント信号の送信が禁止されることになる。
なお、ステップS59でローバッテリー障害受信を判別した時に連動禁止フラグ45をセットすることで、ローバッテリー障害は連動警報としないようにすることもできる。これに対しステップS61連動禁止フラグ45がセット状態にあればステップS62をスキップし、ローバッテリー障害を示すイベント信号を他の住警器へ送信しない。
ステップS43、S47、S53、S57、S61の連動禁止フラグは、それぞれ別にしても良く、そのようにすれば、イベント毎の中継禁止管理および制御が可能になる。フラグの設定はスイッチ等でユーザーが選択できるようにしても良いし、出荷時に設定しておくようにしても良い。
また、連動禁止フラグを緊急イベントと不急のイベントで分けて設定するようにしても良い。たとえば火災イベントに対しては連動禁止フラグをオフとし、その他比較的緊急性の低い障害等のイベントについては連動禁止フラグをオンとすることが出来る。
なお、上記実施形態では障害イベントの例としてセンサ障害とローバッテリー障害を挙げているが、その他各種の障害イベントについて本実施形態を適用することが出来る。
また上記の実施形態は火災を検出して警報する住警器を例にとるものであったが、ガス漏れ警報器、CO警報器、各種の防犯用警報器を配置した警報システムについても同様に適用できる。
また上記の実施形態におけるフローチャートは処理の概略例を説明したもので、処理の順番等はこれに限定されない。また各処理や処理と処理の間に必要に応じて遅延時間を設けたり、他の判定を挿入する等が出来る。
また上記の実施形態で述べた「受信がある」、「受信が無い」、「受信した場合」、「受信を判別」等は、受信した信号が有効なものとして認識されたか否かの判定も含んでいる。
また、上記の実施形態は、ローバッテリー障害を検出して連動禁止フラグをセットすることでイベント信号の送信と中継による連動を禁止して電池電源の消耗を抑制しているが、連動禁止フラグを使用せずに同じ処理を行っても良い。
また、上記の実施形態は住宅用に限らずビルやオフィス用など各種用途の警報器にも適用できる。
また、上記の実施形態は警報器にセンサ部と警報出力処理部を一体に設けた場合を例にとるが、他の実施形態として、センサ部と警報出力処理部を別体とした警報器であっても良い。
また本発明は上記の実施形態に限定されず、その目的と利点を損なうことのない適宜の変形を含み、更に上記の実施形態に示した数値による限定は受けない。
10,10−1〜10−5:住警器
12::住宅
14:ガレージ
18:CPU
20:無線通信部
21:アンテナ
22:メモリ
24:センサ部
26:報知部
28:操作部
30:電池電源
32:送信回路
34:受信回路
36:イベント信号
38:連番
40:送信元符号
42:グループ符号
44:イベント符号
45:連動禁止フラグ
46:検煙部
48:スピーカ
50:LED
52:警報停止スイッチ
54:イベント検出部
56:送信処理部
58:受信処理部
60:中継処理部
62:警報処理部
64:連動禁止部

Claims (6)

  1. 電源を供給する電池電源と、
    監視エリアの物理的現象を検出して出力するセンサ部と、
    異常警報を出力する報知部と、
    警報停止操作手段を備えた操作部と、
    前記センサ部の検出出力による異常の有無及び前記電池電源の電圧が所定値以下に低下するローバッテリー障害を含むイベントを検出するイベント検出部と、
    前記イベント検出部で検出したイベントを示すイベント信号を他の警報器へ送信する送信処理部と、
    他の警報器からのイベント信号を受信する受信処理部と、
    前記受信処理部で受信したイベント信号を他の警報器に中継する中継処理部と、
    前記イベント検出部で異常を検出した時に、前記報知部からの警報音と警報表示により連動元を示す異常警報を出力させると共に、異常を示すイベント信号を他の警報器に送信させ、一方、他の警報器から異常を示すイベント信号を受信した時に、前記報知部からの警報音と警報表示により連動先を示す異常警報を出力させる警報処理部と、
    を設けた警報器に於いて、
    前記イベント検出部でローバッテリー障害を検出した場合に、前記送信処理部による他の警報器へのイベント信号の送信を禁止する連動禁止部を設けたことを特徴とする警報器。
  2. 請求項1記載の警報器に於いて、前記連動禁止部は、更に、前記中継処理部によるイベント信号の中継を禁止することを特徴とする警報器。
  3. 請求項1記載の警報器に於いて、前記連動禁止部は、イベントの種別毎に連動禁止フラグを設定し、火災イベントを含む緊急イベントについては連動禁止フラグをオフして他の警報器へのイベント信号の送信を許容し、ローバッテリー障害を含む不急イベントについては連動禁止フラグをオンして他の警報器へのイベント信号の送信を禁止することを特徴とする警報器。
  4. 警戒エリアに、電池電源で動作し、異常を検出して警報音と警報表示により異常警報を出力する警報器を複数配置した警報システムに於いて、
    前記警報器の各々に、
    異常を検出して警報音と警報表示により連動元を示す異常警報を出力すると共に、他の警報器に異常信号を送信して警報音と警報表示により連動先を示す異常警報を出力し、他の警報器から異常信号を受信した時は警報音と警報表示による連動先を示す異常警報を出力する警報処理部と、
    前記電池電源の電圧が所定値以下に低下するローバッテリー障害を検出した場合に、前記警報処理部による他の警報器へのイベント信号の送信を禁止する連動禁止部と、
    を設けたことを特徴とする警報システム。
  5. 請求項4記載の警報システムに於いて、
    更に、前記警報処理部で他の警報器から受信した異常信号を中継する中継処理部を備え、
    前記連動禁止部は、前記中継処理部によるイベント信号の中継を禁止することを特徴とする警報システム。
  6. 請求項4記載の警報システムに於いて、前記連動禁止部は、イベントの種別毎に連動禁止フラグを設定し、火災イベントを含む緊急イベントについては前記連動禁止フラグをオフして他の警報器へのイベント信号の送信を許容し、ローバッテリー障害を含む不急イベントについては連動禁止フラグをオンして他の警報器へのイベント信号の送信を禁止することを特徴とする警報システム。
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