JP2011033997A - 像加熱装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】ヒータの長手方向端部の温度が長手方向中央部の温度よりも過度に上昇してしまうことを回避しつつ、ヒータ全体の温度を目標温度に可及的に速やかに上昇させることを目的とする。
【解決手段】摺動するスリーブと直接接触するヒータと、ヒータに電力を供給する電力制御回路と、ヒータの長手方向の中央部の温度を検知するメインサーミスタと、ヒータの長手方向の第1端部の温度を検知するサブサーミスタと、ヒータの第1端部とは長手方向反対側の第2端部の温度を検知するサブサーミスタと、ヒータに電力供給を開始してからヒータが目標温度に達するまでの間に、2つのサブサーミスタで検知された温度のどちらか高い方の温度が、メインサーミスタで検知した温度を、10℃以上超える場合には、電力制御回路から供給される電力を低減するCPUと、を備えた。
【選択図】図10
【解決手段】摺動するスリーブと直接接触するヒータと、ヒータに電力を供給する電力制御回路と、ヒータの長手方向の中央部の温度を検知するメインサーミスタと、ヒータの長手方向の第1端部の温度を検知するサブサーミスタと、ヒータの第1端部とは長手方向反対側の第2端部の温度を検知するサブサーミスタと、ヒータに電力供給を開始してからヒータが目標温度に達するまでの間に、2つのサブサーミスタで検知された温度のどちらか高い方の温度が、メインサーミスタで検知した温度を、10℃以上超える場合には、電力制御回路から供給される電力を低減するCPUと、を備えた。
【選択図】図10
Description
本発明は、複写機、レーザビームプリンタ、ファクシミリ等の画像形成装置に用いられるトナー画像を定着する定着装置等の像加熱装置に関する。定着装置は、電子写真方式、静電記録方式、磁気記録方式等の適時の画像形成プロセスに用いられる。すなわち、定着装置は、加熱溶融性の樹脂等よりなるトナーを用いて、記録材の面に転写方式若しくは直接方式で目的の画像情報に対応して形成された未定着トナー画像を、記録材面上に永久固着画像として加熱定着処理する方式の装置である。なお、記録材としては、紙、印刷紙、転写材シート、OHTシート、光沢紙、光沢フィルム、エレクトロファックス紙、静電記録紙等が挙げられる。ここで、本発明の像加熱装置には、上記定着装置ばかりでなく、未定着画像を記録材上に仮定着させる像加熱装置や、画像を担時した記録材を再加熱してつや等の画像表面性を改質する像加熱装置等も包含される。
近年、像加熱装置としての定着装置は、ウォームアップタイムが短く、安価なものとして、サーフ方式の定着装置が良く知られている。このようなサーフ方式の定着装置の一例を図14に示す。図14は定着装置の断面模式図である。この定着装置では、支持部材915に固定支持させたヒータ912と弾性加圧ローラ914との間に薄肉の可撓性スリーブ911を挟ませて定着ニップ部Nを形成する。そして、スリーブ911をヒータ912の面に摺動移動させ、定着ニップ部Nのスリーブ911と加圧ローラ914の間でトナー画像tを担持した記録材Pを挟持搬送してスリーブ911を介したヒータ912からの熱により記録材P上のトナー画像を加熱する。記録材P上の未定着トナー画像tは、定着ニップ部Nを通過する際に、熱と圧力を受け、記録材P上に完成定着画像(永久固着画像)として定着される。
ここで、ヒータ912はセラミック基板上に抵抗発熱体を形成したものである。ヒータ912にはサーミスタ913が当接しており、サーミスタ913が検知するヒータ912の温度に基いて不図示の制御手段によりヒータ912の温度が所望の温度になるように温度制御される。このような構成の定着装置では、スリーブ911の熱容量が非常に小さくなっているので、ヒータ912に電力を投入した後、短時間で定着ニップ部Nをトナー画像の定着可能温度まで昇温させることが可能である。
ところで、上記定着装置において、幅(長手方向)の狭い記録材Pを定着させると、幅方向中央付近ではスリーブ911の熱が記録材Pに奪われ、非通紙領域(幅方向端部付近)ではスリーブ911の熱が奪われない。このようなときには、幅方向中央付近に配置されたサーミスタ913で温度制御しているため、奪われた熱を補うためにヒータ912へ電力を供給してしまう。その結果、非通紙領域では過剰に発熱し、非通紙領域にあるスリーブ911や支持部材915等の構成部品が耐熱温度を超えてしまう、ホットオフセットを生じてしまうおそれがある。なお、ホットオフセットとは、溶融しすぎたトナーが加圧ローラ914の表面に付着するために生じるオフセットである。
その対策として、ヒータの端部に端部サーミスタを備えた定着装置が特許文献1,2に開示されている。これらの定着装置では、幅の狭い記録材を定着させると、幅方向中央付近ではスリーブの熱が記録材に奪われ、非通紙領域ではスリーブの熱が奪われない。このようなときには、幅方向中央付近に配置されたサーミスタで温度制御しているため、奪われた熱を補うためにヒータへ電力を供給してしまう。そうすると、非通紙領域の温度が上昇してしまうが、端部サーミスタで非通紙領域の温度が上限温度になったことを検知すると、ヒータへの電力供給を停止するためにプリント動作を一時停止させ冷却動作を行う。
その後、端部サーミスタで検知する温度が一定値以下になると、ヒータへ電力を供給してプリント動作を再開させていた。
その後、端部サーミスタで検知する温度が一定値以下になると、ヒータへ電力を供給してプリント動作を再開させていた。
しかしながら、上記従来技術では、冷却動作して端部サーミスタで検知する温度が一定値以下になるまでは時間がかかり、プリント動作が遅くなっていた。
また、ヒータのセラミック基板上の抵抗発熱体の抵抗値分布は一定ではなく、抵抗値分布の高い箇所ほど発熱が大きくなる。そのため、長手方向中央に対して長手方向端部の抵抗発熱体の抵抗値が高い場合、より一層ヒータの長手方向端部の昇温が著しくなる。特に、ヒータが冷えた状態から立ち上げを行う場合、早く目標温度に到達させるために電力を最大限に投入することが望ましい。しかしながらこのとき、ヒータの長手方向端部の昇温が著しい場合には、端部サーミスタの検知温度がプリント動作モードを変更する必要のある温度に到達しないように投入可能な最大電力を抑える必要があった。これにより、実力的にはもっと電力を投入しても良いヒータであっても、一律最大投入電力を制限する必要があり、装置の最大パフォーマンスを引き出すことができず、ファーストプリントタイムを早めることができなかった。特に、長手方向端部の定着性を良くするため、ヒータの抵抗発熱体の長手方向端部に断面積を小さくした絞りを入れた抵抗発熱体パターンでは、その影響は大きなものとなっていた。
本発明は、ヒータの長手方向端部の温度が長手方向中央部の温度よりも過度に上昇してしまうことを回避しつつ、ヒータ全体の温度を目標温度に可及的に速やかに上昇させることを目的とする。
上記課題を解決するために本発明に係る像加熱装置は、
摺動する可撓性のスリーブと直接接触するヒータと、
前記ヒータに電力を供給する電力供給手段と、
前記ヒータの長手方向の中央部の温度を検知する第1温度検知手段と、
前記ヒータの長手方向の第1端部の温度を検知する第2温度検知手段と、
前記ヒータの前記第1端部とは長手方向反対側の第2端部の温度を検知する第3温度検知手段と、
前記ヒータに電力供給を開始してから前記ヒータが目標温度に達するまでの間に、前記第2温度検知手段及び前記第3温度検知手段で検知された温度のどちらか高い方の温度が、前記第1温度検知手段で検知した温度を、所定温度以上超える場合には、前記電力供給手段から供給される電力を低減する温度制御部と、
を備えたことを特徴とする。
摺動する可撓性のスリーブと直接接触するヒータと、
前記ヒータに電力を供給する電力供給手段と、
前記ヒータの長手方向の中央部の温度を検知する第1温度検知手段と、
前記ヒータの長手方向の第1端部の温度を検知する第2温度検知手段と、
前記ヒータの前記第1端部とは長手方向反対側の第2端部の温度を検知する第3温度検知手段と、
前記ヒータに電力供給を開始してから前記ヒータが目標温度に達するまでの間に、前記第2温度検知手段及び前記第3温度検知手段で検知された温度のどちらか高い方の温度が、前記第1温度検知手段で検知した温度を、所定温度以上超える場合には、前記電力供給手段から供給される電力を低減する温度制御部と、
を備えたことを特徴とする。
また、上記課題を解決するために本発明に係る像加熱装置は、
摺動する可撓性のスリーブと直接接触するヒータと、
前記ヒータに電力を供給する電力供給手段と、
前記ヒータの長手方向の中央部の温度を検知する第1温度検知手段と、
前記ヒータの長手方向の第1端部の温度を検知する第2温度検知手段と、
前記ヒータの前記第1端部とは長手方向反対側の第2端部の温度を検知する第3温度検
知手段と、
前記ヒータに電力供給を開始してから前記ヒータが目標温度に達するまでの間に、前記第2温度検知手段及び前記第3温度検知手段で検知された温度のどちらか高い方の温度が、前記第1温度検知手段で検知した温度を、所定温度以上超えると予測される場合には、前記電力供給手段から供給される電力を低減する温度制御部と、
を備えたことを特徴とする。
摺動する可撓性のスリーブと直接接触するヒータと、
前記ヒータに電力を供給する電力供給手段と、
前記ヒータの長手方向の中央部の温度を検知する第1温度検知手段と、
前記ヒータの長手方向の第1端部の温度を検知する第2温度検知手段と、
前記ヒータの前記第1端部とは長手方向反対側の第2端部の温度を検知する第3温度検
知手段と、
前記ヒータに電力供給を開始してから前記ヒータが目標温度に達するまでの間に、前記第2温度検知手段及び前記第3温度検知手段で検知された温度のどちらか高い方の温度が、前記第1温度検知手段で検知した温度を、所定温度以上超えると予測される場合には、前記電力供給手段から供給される電力を低減する温度制御部と、
を備えたことを特徴とする。
本発明によれば、ヒータの長手方向端部の温度が長手方向中央部の温度よりも過度に上昇してしまうことを回避しつつ、ヒータ全体の温度を目標温度に可及的に速やかに上昇させることができる。
以下に図面を参照して、この発明を実施するための形態を、実施例に基づいて例示的に詳しく説明する。ただし、この実施例に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置などは、特に特定的な記載がない限りは、この発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
<実施例1>
(1)画像形成装置
図1は本実施例に係る画像形成装置の概略構成を示している。本実施例の画像形成装置は、電子写真方式を用いて、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の4色のトナー像を重ね合わせることでフルカラー画像を得るカラー画像形成装置である。画像形成装置100は、給紙部121a,121b、オールインワンカートリッジ101(Y、M、C、K各々)、中間転写体127、転写ローラ128、定着装置130等を備えている。オールインワンカートリッジ101(Y、M、C、K各々)は、感光体122、一次帯電手段としての帯電スリーブ123、トナー容器125、現像スリーブ126、がひとつの容器にまとめられている。Y、M、C、K各色において、帯電スリーブ123により帯電された感光体122上に、画像処理部(不図示)が変換した露光時間に基づいてスキャナ部124から露光光を照射し、感光体122上に静電潜像を形成する。この静電潜像を、トナー容器125からのトナーを使って、現像スリーブ126にて感光体122上に単色トナー像を形成する。この単色トナー像を中間転写体127上に4色重ね合わせることで多色トナー像を形成する。この中間転写体127に形成された多色トナー像を転写ローラ128とで挟み込み、加圧することで、記録材としての記録紙111
へ多色トナー像を転写する。記録紙111は、給紙部121a,121bから搬送ローラ112a、112b、112cによって搬送されてくる。そして最後に、記録紙111上の多色トナー像が定着装置130にて定着され、記録紙111は排出トレイ(不図示)に排出される。中間転写体127上に残ったトナーはクリーナ129にてクリーニングされ、クリーニングされた廃トナーはクリーナ容器(不図示)に蓄えられる。
(1)画像形成装置
図1は本実施例に係る画像形成装置の概略構成を示している。本実施例の画像形成装置は、電子写真方式を用いて、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の4色のトナー像を重ね合わせることでフルカラー画像を得るカラー画像形成装置である。画像形成装置100は、給紙部121a,121b、オールインワンカートリッジ101(Y、M、C、K各々)、中間転写体127、転写ローラ128、定着装置130等を備えている。オールインワンカートリッジ101(Y、M、C、K各々)は、感光体122、一次帯電手段としての帯電スリーブ123、トナー容器125、現像スリーブ126、がひとつの容器にまとめられている。Y、M、C、K各色において、帯電スリーブ123により帯電された感光体122上に、画像処理部(不図示)が変換した露光時間に基づいてスキャナ部124から露光光を照射し、感光体122上に静電潜像を形成する。この静電潜像を、トナー容器125からのトナーを使って、現像スリーブ126にて感光体122上に単色トナー像を形成する。この単色トナー像を中間転写体127上に4色重ね合わせることで多色トナー像を形成する。この中間転写体127に形成された多色トナー像を転写ローラ128とで挟み込み、加圧することで、記録材としての記録紙111
へ多色トナー像を転写する。記録紙111は、給紙部121a,121bから搬送ローラ112a、112b、112cによって搬送されてくる。そして最後に、記録紙111上の多色トナー像が定着装置130にて定着され、記録紙111は排出トレイ(不図示)に排出される。中間転写体127上に残ったトナーはクリーナ129にてクリーニングされ、クリーニングされた廃トナーはクリーナ容器(不図示)に蓄えられる。
(2)定着装置
本実施例の像加熱装置の一例である定着装置130は、サーフ方式を利用した定着装置である。図2は本実施例に係る定着装置の概略構成を示している。セラミックヒータ205(以下、ヒータ205と称する)はセラミックを基材としおり、詳しくは後述する。ステー204はヒータ205を固定支持するための耐熱性、断熱性材質の支持部材である。可撓性のスリーブ201は円筒状の耐熱性材で構成されており、ヒータ205及びステー204を覆っており、ヒータ205と直接接触して摺動する。スリーブ201には単層フィルムや、PI(ポリイミド)+PFA(パーフルオロアルコ−キシアルカン)コーティング、SUS(ステンレス鋼)+ゴムコーティング等の複合材等が使われる。加圧ローラ202は芯金若しくは金属パイプ203の外周にシリコーンゴム等の耐熱性弾性層208をローラ状に設けた弾性ローラである。この加圧ローラ202とヒータ205とをスリーブ201を挟んで圧接させる。Nで示した範囲が圧接により形成される定着ニップ部である。加圧ローラ202は定着駆動モータ(不図示)により矢印Bの方向に所定の周速度で回転駆動される。この加圧ローラ202の回転駆動による、定着ニップ部Nにおける加圧ローラ202とスリーブ201の外面との摩擦力でスリーブ201に直接的に回転力が作用しスリーブ201がヒータ205に圧接摺動しつつ矢印Cの方向に従動回転する。このとき、ステー204は、フィルム内面ガイド部材としても機能してスリーブ201の回転を容易にする役割も果たしている。なお、ヒータ205には図2に示すように上面にメインサーミスタ207a及びサブサーミスタ207b、207cが配置される。加圧ローラ202の回転によるスリーブ201の従動回転が定常化し、ヒータ205の温度が所定に立ち上がった状態において、定着ニップ部Nのスリーブ201と加圧ローラ202との間に画像定着すべき記録紙209が矢印A方向に導入される。導入された記録紙209がスリーブ201と一緒に定着ニップ部Nを加圧されながら搬送されることにより、ヒータ205の熱がスリーブ201を介して記録紙209に付与され、記録紙209上の未定着画像が加熱定着される。
本実施例の像加熱装置の一例である定着装置130は、サーフ方式を利用した定着装置である。図2は本実施例に係る定着装置の概略構成を示している。セラミックヒータ205(以下、ヒータ205と称する)はセラミックを基材としおり、詳しくは後述する。ステー204はヒータ205を固定支持するための耐熱性、断熱性材質の支持部材である。可撓性のスリーブ201は円筒状の耐熱性材で構成されており、ヒータ205及びステー204を覆っており、ヒータ205と直接接触して摺動する。スリーブ201には単層フィルムや、PI(ポリイミド)+PFA(パーフルオロアルコ−キシアルカン)コーティング、SUS(ステンレス鋼)+ゴムコーティング等の複合材等が使われる。加圧ローラ202は芯金若しくは金属パイプ203の外周にシリコーンゴム等の耐熱性弾性層208をローラ状に設けた弾性ローラである。この加圧ローラ202とヒータ205とをスリーブ201を挟んで圧接させる。Nで示した範囲が圧接により形成される定着ニップ部である。加圧ローラ202は定着駆動モータ(不図示)により矢印Bの方向に所定の周速度で回転駆動される。この加圧ローラ202の回転駆動による、定着ニップ部Nにおける加圧ローラ202とスリーブ201の外面との摩擦力でスリーブ201に直接的に回転力が作用しスリーブ201がヒータ205に圧接摺動しつつ矢印Cの方向に従動回転する。このとき、ステー204は、フィルム内面ガイド部材としても機能してスリーブ201の回転を容易にする役割も果たしている。なお、ヒータ205には図2に示すように上面にメインサーミスタ207a及びサブサーミスタ207b、207cが配置される。加圧ローラ202の回転によるスリーブ201の従動回転が定常化し、ヒータ205の温度が所定に立ち上がった状態において、定着ニップ部Nのスリーブ201と加圧ローラ202との間に画像定着すべき記録紙209が矢印A方向に導入される。導入された記録紙209がスリーブ201と一緒に定着ニップ部Nを加圧されながら搬送されることにより、ヒータ205の熱がスリーブ201を介して記録紙209に付与され、記録紙209上の未定着画像が加熱定着される。
(3)セラミックヒータ
ヒータ205は、長く配置される長手方向が、記録紙の搬送方向に対して直交する方向(幅方向)となっている。図3はヒータ205の構成を示している。ヒータ205の基板301の材料には酸化アルミ(Al2O3)を用いており、表面には抵抗発熱体としての発熱パターン302が形成されている。発熱パターン302は電気絶縁層としてのガラス膜によって被覆されている。また、発熱パターン302へ電圧を印加するために、電極303a、303bが形成されている。電極303a、303bと発熱パターン302とは配線パターン304で導通されており、配線パターン304はほぼ抵抗値ゼロである。発熱パターン302の長手方向両端部には、発熱量を上昇させて長手方向端部の定着性を維持するために断面積を小さくした絞り302aが入っていて抵抗値が高くなっており、長手方向中央部よりも温度が上昇し易くなっている。
ヒータ205は、長く配置される長手方向が、記録紙の搬送方向に対して直交する方向(幅方向)となっている。図3はヒータ205の構成を示している。ヒータ205の基板301の材料には酸化アルミ(Al2O3)を用いており、表面には抵抗発熱体としての発熱パターン302が形成されている。発熱パターン302は電気絶縁層としてのガラス膜によって被覆されている。また、発熱パターン302へ電圧を印加するために、電極303a、303bが形成されている。電極303a、303bと発熱パターン302とは配線パターン304で導通されており、配線パターン304はほぼ抵抗値ゼロである。発熱パターン302の長手方向両端部には、発熱量を上昇させて長手方向端部の定着性を維持するために断面積を小さくした絞り302aが入っていて抵抗値が高くなっており、長手方向中央部よりも温度が上昇し易くなっている。
(4)サーミスタ及びサーモスイッチ
図3にはサーミスタ及びサーモスイッチの配置も示されている。本実施例では温度制御及び異常過熱検知手段として、メインサーミスタ207a及びサブサーミスタ207b、207cの、計3つのサーミスタを有する。メインサーミスタ207aが第1温度検知手段に相当し、サブサーミスタ207b、207cが第2温度検知手段及び第3温度検知手段に相当する。メインサーミスタ207aはヒータ205上に形成された発熱パターン3
02の長手方向中央部の位置に配置される。サブサーミスタ207b,207cはヒータ205上に形成された発熱パターン302の長手方向両端部の位置に配置される。サブサーミスタ207bが配置された位置をヒータ205の発熱パターン302の一方の第1端部とすると、サブサーミスタ207cが配置された位置はヒータ205の発熱パターン302の第1端部とは長手方向反対側の第2端部となる。メインサーミスタ207a及びサブサーミスタ207b、207cは、ヒータ205の基板301の発熱パターン302が形成された面の裏面に所定の圧で押し当てられており、基板301の裏面の温度を検出する。また、本実施例ではヒータ205の異常過熱時の電流遮断手段として、サーモスイッチ403を1つ有する。サーモスイッチ403はヒータ205上に形成された発熱パターン302の長手方向中央部の裏面に所定の圧で押し当てられている。
図3にはサーミスタ及びサーモスイッチの配置も示されている。本実施例では温度制御及び異常過熱検知手段として、メインサーミスタ207a及びサブサーミスタ207b、207cの、計3つのサーミスタを有する。メインサーミスタ207aが第1温度検知手段に相当し、サブサーミスタ207b、207cが第2温度検知手段及び第3温度検知手段に相当する。メインサーミスタ207aはヒータ205上に形成された発熱パターン3
02の長手方向中央部の位置に配置される。サブサーミスタ207b,207cはヒータ205上に形成された発熱パターン302の長手方向両端部の位置に配置される。サブサーミスタ207bが配置された位置をヒータ205の発熱パターン302の一方の第1端部とすると、サブサーミスタ207cが配置された位置はヒータ205の発熱パターン302の第1端部とは長手方向反対側の第2端部となる。メインサーミスタ207a及びサブサーミスタ207b、207cは、ヒータ205の基板301の発熱パターン302が形成された面の裏面に所定の圧で押し当てられており、基板301の裏面の温度を検出する。また、本実施例ではヒータ205の異常過熱時の電流遮断手段として、サーモスイッチ403を1つ有する。サーモスイッチ403はヒータ205上に形成された発熱パターン302の長手方向中央部の裏面に所定の圧で押し当てられている。
(5)電力制御
次にヒータ205への電力供給を制御する電力制御について説明する。図4はヒータ205へ電力を供給する電力供給手段としての電力制御回路を示している。ゲート制御式半導体スイッチ502(以下スイッチ502と称する)が発熱パターン302と直列に接続されている。温度制御部としてのCPU501はメインサーミスタ207a及びサブサーミスタ207b、207cの温度検知結果によって信号Dを出力し、スイッチ502をON/OFF制御する。本回路に供給される電力はAC商用電源504から供給される。また、AC商用電源504の片極にリレー505を配置し、ACライン上にサーモスイッチ403を配置しており、発熱パターン302への通電を遮断できる構成になっている。リレー505のON/OFFは、CPU501及び不図示の安全回路(サーミスタ207a
,207b,207cの出力信号等を用いて構成される)により行われる。本実施例では、発熱パターン302に対して1半波内の位相角で通電のON/OFFを行うことでヒータ205への電力供給量を制御する位相制御を行う。
次にヒータ205への電力供給を制御する電力制御について説明する。図4はヒータ205へ電力を供給する電力供給手段としての電力制御回路を示している。ゲート制御式半導体スイッチ502(以下スイッチ502と称する)が発熱パターン302と直列に接続されている。温度制御部としてのCPU501はメインサーミスタ207a及びサブサーミスタ207b、207cの温度検知結果によって信号Dを出力し、スイッチ502をON/OFF制御する。本回路に供給される電力はAC商用電源504から供給される。また、AC商用電源504の片極にリレー505を配置し、ACライン上にサーモスイッチ403を配置しており、発熱パターン302への通電を遮断できる構成になっている。リレー505のON/OFFは、CPU501及び不図示の安全回路(サーミスタ207a
,207b,207cの出力信号等を用いて構成される)により行われる。本実施例では、発熱パターン302に対して1半波内の位相角で通電のON/OFFを行うことでヒータ205への電力供給量を制御する位相制御を行う。
ところで、記録紙が搬送される領域(通紙領域;長手方向中央部)と、記録紙が搬送されない領域(非通紙領域;長手方向端部)とでは、定着装置130が記録紙に奪われる熱量が異なり、長手方向端部の温度上昇(以下、端部昇温という)が発生する。端部昇温抑制対策として、上記従来技術に説明した通り、サブサーミスタ207b、207cの温度が上限温度を超えたときには、ヒータ205への通電を遮断する。このため、プリント動作を一時停止させる、又は、プリント間隔を広げる等でヒータ205への通電を遮断してヒータ205の温度を低下させる制御を行う。しかしながら、発熱パターン302の抵抗値分布ばらつきによっては、幅広(長手方向に長い)の記録紙においても同じ状況になり得る。
図5は発熱パターン302における、長手方向中央部に対して、サブサーミスタ207b部の抵抗値が低く、サブサーミスタ207c部の抵抗値が高い場合の立ち上げ温度特性を示したものである。発熱パターン302は同じ電流が供給されるため、発熱量としては、サブサーミスタ207c部が一番大きくなり、温度上昇も一番早くなる。メインサーミスタ207a部がプリント可能温度に到達してプリントを開始すると、その後サブサーミスタ207c部の温度が上限温度に達してしまい、その結果、プリント動作停止又はプリント間隔を広げる制御が開始されてしまう。
このようなことにならないように、発熱パターン302の抵抗値分布ばらつきを考慮して、最大投入電力Pmaxが設定される。つまり、Pmaxとは、発熱パターンの抵抗値ばらつきを考慮しても、サブサーミスタ部の温度が上限温度に達しないようなヒータ立ち上げ時に供給可能な最大電力である。図6は、先述の図5に対して最大投入電力Pmax(電流)を低く設定している。図6によると、サブサーミスタ207c部の温度は上限を超えなくなる。しかし、最大投入電力Pmaxを低く設定した分、プリント開始までの立ち上り時間が遅くなる。一方、発熱パターン302の抵抗値分布ばらつきの少ないヒータ
205における立ち上げ温度特性を図7に示す。図7に示す特性においては、サブサーミスタ207c部の温度が上限を超えることはないため、このままの最大投入電力Pmaxでも問題無い。しかし、最大投入電力Pmaxを低減すると、図8に示すように立ち上り時間が遅くなる。
205における立ち上げ温度特性を図7に示す。図7に示す特性においては、サブサーミスタ207c部の温度が上限を超えることはないため、このままの最大投入電力Pmaxでも問題無い。しかし、最大投入電力Pmaxを低減すると、図8に示すように立ち上り時間が遅くなる。
このように、幅広の記録紙の通紙時における端部昇温によるプリント速度低下等を避けるためには、最大投入電力Pmaxをうまく設定する必要がある。最大投入電力Pmaxによっては、ヒータ205の立ち上げ時間が不要に長くなることもある。以降に述べる本実施例では、これを解決する制御を行う。
(本実施例の温度制御)
図10は本実施例に係るCPU501の行う温度制御ルーチン1を示している。電源投入やプリントが指示されると、CPU501はヒータ205の立ち上げを開始する。まずは、メインサーミスタ207aの温度が定着温度に到達しているか否かを判別する(S101)。定着温度に到達していれば(S101−Yes)、立ち上げ完了と判定し、ヒータ立ち上げ処理を終了する。定着温度に到達していなければ(S101−No)、次に投入電力を最大投入電力Pmaxの120%(Pmaxの100%=Pmax)でヒータ205に電力を供給する(S102)。ここで、電力供給量を最大投入電力Pmaxの120%としている理由は、通常の発熱パターン302のような抵抗分布を有する製品では、この電力を投入しても端部昇温が上限温度に達することはないからである。また、その比率は120%に限定されるものではない。
図10は本実施例に係るCPU501の行う温度制御ルーチン1を示している。電源投入やプリントが指示されると、CPU501はヒータ205の立ち上げを開始する。まずは、メインサーミスタ207aの温度が定着温度に到達しているか否かを判別する(S101)。定着温度に到達していれば(S101−Yes)、立ち上げ完了と判定し、ヒータ立ち上げ処理を終了する。定着温度に到達していなければ(S101−No)、次に投入電力を最大投入電力Pmaxの120%(Pmaxの100%=Pmax)でヒータ205に電力を供給する(S102)。ここで、電力供給量を最大投入電力Pmaxの120%としている理由は、通常の発熱パターン302のような抵抗分布を有する製品では、この電力を投入しても端部昇温が上限温度に達することはないからである。また、その比率は120%に限定されるものではない。
次に、サブサーミスタ207b、207cの温度を比較し(S103)、サブサーミスタ207b、207cの温度のうち、高い方の温度をTsthに代入する(S104、S105)。このTsthの温度がメインサーミスタ207aの温度に対して所定温度である10℃以上を超えている(所定温度以上超える)かを判別する(S106)。ここで、所定温度を10℃としているが、この所定温度はメインサーミスタ207aの目標温度と端部昇温の上限との差よりも小さい値であれば他の値としてもよい。S106の判定結果がNoであればS108に遷移する。一方、S106の判定結果がYesであれば、投入電力を最大投入電力Pmaxの100%に低下させる(S107)。この状況を表したのが図9である。サブサーミスタ207cの温度がメインサーミスタ207aの温度を10℃上回った時点で、投入電力を低減するため、ヒータ205の温度上昇カーブが緩やかになると共にサブサーミスタ207c部の端部昇温が抑制される。これにより、サブサーミスタ207c部の端部昇温が上限温度に達することなくヒータ205の立ち上げを行うことができる。なお、S108では、再度メインサーミスタ207aの温度が目標温度に到達したか否かを判別し、目標温度に到達していなければ(S108−No)、S103に戻り本制御を繰り返し、目標温度に到達していたら(S108−Yes)、立ち上げ処理を終了する。
以上説明したように本実施例によれば、ヒータ205の端部昇温が過度に生じることを回避しつつ、ヒータ205全体の温度を目標温度に可及的に速やかに上昇させることができる。これにより、ヒータ205が過度に端部昇温してしまうためにプリント動作を一時停止させ冷却動作を行いプリント動作が不要に遅くなり、スループットが低下することを回避できる。
<実施例2>
先述の実施例では、メインサーミスタ207aの検知温度と、サブサーミスタ207b、207cの高い方の検知温度とが、10℃以上の差になったこと判別して、投入電力を制御することでヒータ立ち上げ時に端部昇温が上限温度を超えないようにしていた。これに対し、本実施例では、各サーミスタの温度上昇カーブにより、投入電力を制御してヒー
タ立ち上げ時に端部昇温が上限温度を超えないようにするものである。なお、上記実施例で説明した事項については説明を省略する。
先述の実施例では、メインサーミスタ207aの検知温度と、サブサーミスタ207b、207cの高い方の検知温度とが、10℃以上の差になったこと判別して、投入電力を制御することでヒータ立ち上げ時に端部昇温が上限温度を超えないようにしていた。これに対し、本実施例では、各サーミスタの温度上昇カーブにより、投入電力を制御してヒー
タ立ち上げ時に端部昇温が上限温度を超えないようにするものである。なお、上記実施例で説明した事項については説明を省略する。
(本実施例の温度制御)
図12は本実施例に係るCPU501の行う温度制御ルーチン2を示している。電源投入やプリントが指示されると、CPU501はヒータ205の立ち上げを開始する。まずは、メインサーミスタ207aの温度が定着温度に到達しているか否かを判別する(S201)。定着温度に到達していれば(S201−Yes)、立ち上げ完了と判定し、ヒータ立ち上げ処理を終了する。定着温度に到達していなければ(S201−No)、次に各サーミスタの温度を記憶する(S202)。例えば、メインサーミスタ207a:ta、サブサーミスタ207b、207c:tb、tcとする。次に投入電力を最大投入電力Pmaxの100%でヒータ205に電力を供給する(S203)。次にタイマをスタートさせる(S204)。次に再度メインサーミスタ207aの温度が定着温度に到達しているか否かを判別する(S205)。定着温度に到達していれば(S205−Yes)、立ち上げ完了と判定し、ヒータ立ち上げ処理を終了する。定着温度に到達していなければ(S205−No)、タイマが所定時間を計時したか否かを判別する(S206)。ここでの所定時間は、各サーミスタの温度が適度に変化する程度の微小時間が良く、通常は数百msecとなる。所定時間を経過していなければ(S206−No)、再びS205に戻る。一方、所定時間が経過していれば(S206−Yes)、各サーミスタの温度上昇傾き(温度変化量)を算出する(S207)。図11にこの状況を示している。
図12は本実施例に係るCPU501の行う温度制御ルーチン2を示している。電源投入やプリントが指示されると、CPU501はヒータ205の立ち上げを開始する。まずは、メインサーミスタ207aの温度が定着温度に到達しているか否かを判別する(S201)。定着温度に到達していれば(S201−Yes)、立ち上げ完了と判定し、ヒータ立ち上げ処理を終了する。定着温度に到達していなければ(S201−No)、次に各サーミスタの温度を記憶する(S202)。例えば、メインサーミスタ207a:ta、サブサーミスタ207b、207c:tb、tcとする。次に投入電力を最大投入電力Pmaxの100%でヒータ205に電力を供給する(S203)。次にタイマをスタートさせる(S204)。次に再度メインサーミスタ207aの温度が定着温度に到達しているか否かを判別する(S205)。定着温度に到達していれば(S205−Yes)、立ち上げ完了と判定し、ヒータ立ち上げ処理を終了する。定着温度に到達していなければ(S205−No)、タイマが所定時間を計時したか否かを判別する(S206)。ここでの所定時間は、各サーミスタの温度が適度に変化する程度の微小時間が良く、通常は数百msecとなる。所定時間を経過していなければ(S206−No)、再びS205に戻る。一方、所定時間が経過していれば(S206−Yes)、各サーミスタの温度上昇傾き(温度変化量)を算出する(S207)。図11にこの状況を示している。
図11におけるTが所定時間、Δta、Δtb、Δtcが所定時間T経過後の各サーミスタの温度である。したがって、温度変化量Ka(℃/秒)としての温度上昇傾きKa(℃/秒)、温度変化量Kb(℃/秒)としての温度上昇傾きKb(℃/秒)、及び温度変化量Kc(℃/秒)としての温度上昇傾きKc(℃/秒)は次のように求まる。
メインサーミスタ207aの温度上昇傾きKa=(Δta−ta)÷(所定時間T)
サブサーミスタ207bの温度上昇傾きKb=(Δtb−tb)÷(所定時間T)
サブサーミスタ207cの温度上昇傾きKc=(Δtc−tc)÷(所定時間T)
メインサーミスタ207aの温度上昇傾きKa=(Δta−ta)÷(所定時間T)
サブサーミスタ207bの温度上昇傾きKb=(Δtb−tb)÷(所定時間T)
サブサーミスタ207cの温度上昇傾きKc=(Δtc−tc)÷(所定時間T)
次に求めた傾きの値を比較する。Ka値に所定値αとして5を加算した加算値が、Kb値、Kc値のうちの大きい方の値よりも大きいか否か判別する(S208)。大きくない場合には(S208−No)、投入電力を最大投入電力Pmaxの90%に低減する(S209)。逆に大きい場合には(S208−Yes)、投入電力を最大投入電力Pmaxの110%に増大する(S210)。
ここでKa値に加算する5という所定値αは、例えば通常の立ち上げ時間が約2秒とすれば、2×5=10℃の差がでると推測できるため、通常の立ち上り時間等から決定されることが好ましい。つまり、S208の判定によって、通常の立ち上げ時間である2秒後に、サブサーミスタ207b、207cのどちらか高い方の検知温度が、メインサーミスタ207aの検知温度を、所定温度(10℃)以上超えるか否かを予測している。そして、当該予測が肯定判定される場合には、投入電力を90%に低減している。
以上説明したように本実施例によれば、ヒータ205の端部昇温が過度に生じることを回避しつつ、ヒータ205全体の温度を目標温度に可及的に速やかに上昇させることができる。特に、立ち上げ初期から制御を行うので、端部昇温の生じ難いときには投入電力を増大させて、立ち上げを更に早くすることもできる。
<実施例3>
実施例1では、メインサーミスタ207aの温度と、サブサーミスタ207b、207cの高い方の温度とが、所定温度である10℃以上の差になったこと判別して、投入電力
を制御することでヒータ立ち上げ時に端部昇温が上限温度を超えないようにしていた。これに対し、本実施例では、各サーミスタが検知する初期温度により、この所定温度を変更させて制御するものである。なお、上記実施例で説明した事項については説明を省略する。
実施例1では、メインサーミスタ207aの温度と、サブサーミスタ207b、207cの高い方の温度とが、所定温度である10℃以上の差になったこと判別して、投入電力
を制御することでヒータ立ち上げ時に端部昇温が上限温度を超えないようにしていた。これに対し、本実施例では、各サーミスタが検知する初期温度により、この所定温度を変更させて制御するものである。なお、上記実施例で説明した事項については説明を省略する。
(本実施例の温度制御)
図13は本実施例に係るCPU501の行う温度制御ルーチン3を示している。電源投入やプリントが指示されると、CPU501はヒータ205の立ち上げを開始する。まずは、メインサーミスタ207aの温度が定着温度に到達しているか否かを判別する(S301)。定着温度に到達していれば(S301−Yes)、立ち上げ完了と判定し、ヒータ立ち上げ処理を終了する。定着温度に到達していなければ(S301−No)、次にメインサーミスタ207aの温度が100℃以上かどうかを判別する(S302)。このメインサーミスタ207aの温度はヒータ205に電力を供給する直前の温度であるが、これに限られず、ヒータ205に電力を供給する時点或いは直後の温度であってもよい。これらは、ヒータ205に電力を供給するときとして包含される。ヒータ205に電力を供給するときのメインサーミスタ207aの温度が100℃以上であるときには(S302−Yes)、変数tαに5を入れる。100℃未満のときには(S302−No)、変数tαには10を入れる。次に投入電力を最大投入電力Pmaxの120%でヒータ205に電力を供給する(S305)。
図13は本実施例に係るCPU501の行う温度制御ルーチン3を示している。電源投入やプリントが指示されると、CPU501はヒータ205の立ち上げを開始する。まずは、メインサーミスタ207aの温度が定着温度に到達しているか否かを判別する(S301)。定着温度に到達していれば(S301−Yes)、立ち上げ完了と判定し、ヒータ立ち上げ処理を終了する。定着温度に到達していなければ(S301−No)、次にメインサーミスタ207aの温度が100℃以上かどうかを判別する(S302)。このメインサーミスタ207aの温度はヒータ205に電力を供給する直前の温度であるが、これに限られず、ヒータ205に電力を供給する時点或いは直後の温度であってもよい。これらは、ヒータ205に電力を供給するときとして包含される。ヒータ205に電力を供給するときのメインサーミスタ207aの温度が100℃以上であるときには(S302−Yes)、変数tαに5を入れる。100℃未満のときには(S302−No)、変数tαには10を入れる。次に投入電力を最大投入電力Pmaxの120%でヒータ205に電力を供給する(S305)。
次に、サブサーミスタ207b、207cの温度を比較し(S306)、サブサーミスタ207b、207cの温度のうち、高い方の温度をTsthに代入する(S307、S308)。このTsthの温度が、メインサーミスタ207aの温度に対して、所定温度である変数tα℃以上を超えているかを判定する(S309)。変数tαはS303、S304で決められており、初期のメインサーミスタ温度が高いほど低い値に変更される。変数tαについて今回は2通りの分け方をしているが、より細かく変更することも可能である。S309の判定結果がNoであればS311に遷移する。一方、S309の判定結果がYesであれば、投入電力を最大投入電力Pmaxの100%に低下させる(S310)。なお、S311では、再度メインサーミスタ207aの温度が目標温度に到達したか否かを判別し、目標温度に到達していなければ(S311−No)、S306に戻り本制御を繰り返し、目標温度に到達していたら(S311−Yes)、立ち上げ処理を終了する。
以上説明したように本実施例によれば、ヒータ205の端部昇温が過度に生じることを回避しつつ、ヒータ205全体の温度を目標温度に可及的に速やかに上昇させることができる。特に、メインサーミスタ207aの初期温度に応じて投入電力を判断するための変数tαを変更することで、オーバシュート等による影響がなく、安定した、状況に応じたヒータ立ち上げ制御を行うことができる。
201…スリーブ、205…ヒータ、207a…メインサーミスタ、207b、207c…サブサーミスタ、501…CPU
Claims (5)
- 摺動する可撓性のスリーブと直接接触するヒータと、
前記ヒータに電力を供給する電力供給手段と、
前記ヒータの長手方向の中央部の温度を検知する第1温度検知手段と、
前記ヒータの長手方向の第1端部の温度を検知する第2温度検知手段と、
前記ヒータの前記第1端部とは長手方向反対側の第2端部の温度を検知する第3温度検知手段と、
前記ヒータに電力供給を開始してから前記ヒータが目標温度に達するまでの間に、前記第2温度検知手段及び前記第3温度検知手段で検知された温度のどちらか高い方の温度が、前記第1温度検知手段で検知した温度を、所定温度以上超える場合には、前記電力供給手段から供給される電力を低減する温度制御部と、
を備えたことを特徴とする像加熱装置。 - 前記温度制御部は、前記ヒータに電力供給を開始するときの前記第1温度検知手段で検知した温度に応じて、前記所定温度を変更することを特徴とする請求項1に記載の像加熱装置。
- 摺動する可撓性のスリーブと直接接触するヒータと、
前記ヒータに電力を供給する電力供給手段と、
前記ヒータの長手方向の中央部の温度を検知する第1温度検知手段と、
前記ヒータの長手方向の第1端部の温度を検知する第2温度検知手段と、
前記ヒータの前記第1端部とは長手方向反対側の第2端部の温度を検知する第3温度検知手段と、
前記ヒータに電力供給を開始してから前記ヒータが目標温度に達するまでの間に、前記第2温度検知手段及び前記第3温度検知手段で検知された温度のどちらか高い方の温度が、前記第1温度検知手段で検知した温度を、所定温度以上超えると予測される場合には、前記電力供給手段から供給される電力を低減する温度制御部と、
を備えたことを特徴とする像加熱装置。 - 前記温度制御部は、前記ヒータに電力供給を開始してから所定時間の間の、微小時間に対する前記第1温度検知手段の温度変化量と、前記微小時間に対する前記第2温度検知手段の温度変化量及び前記第3温度検知手段の温度変化量のうちの大きい方の温度変化量と、に応じて、前記ヒータに電力供給を開始してから前記ヒータが目標温度に達するまでの間に、前記第2温度検知手段及び前記第3温度検知手段で検知された温度のどちらか高い方の温度が、前記第1温度検知手段で検知した温度を、所定温度以上超えると予測される場合には、前記電力供給手段から供給される電力を低減することを特徴とする請求項3に記載の像加熱装置。
- 前記温度制御部は、前記ヒータに電力供給を開始してから所定時間の間の、微小時間に対する前記第1温度検知手段の温度変化量Ka(℃/秒)のKa値に所定値αを加算した加算値が、前記微小時間に対する前記第2温度検知手段の温度変化量Kb(℃/秒)のKb値及び前記第3温度検知手段の温度変化量Kc(℃/秒)のKc値のうちの大きい方の値よりも大きくない場合には、前記電力供給手段から供給される電力を低減し、前記加算値が、Kb値及びKc値のうちの大きい方の値よりも大きい場合には、前記電力供給手段から供給される電力を増大することを特徴とする請求項4に記載の像加熱装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2009182765A JP2011033997A (ja) | 2009-08-05 | 2009-08-05 | 像加熱装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2009182765A JP2011033997A (ja) | 2009-08-05 | 2009-08-05 | 像加熱装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2009182765A Withdrawn JP2011033997A (ja) | 2009-08-05 | 2009-08-05 | 像加熱装置 |
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JP (1) | JP2011033997A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2017102163A (ja) * | 2015-11-30 | 2017-06-08 | キヤノン株式会社 | ヒータおよび定着装置 |
JP2018097265A (ja) * | 2016-12-15 | 2018-06-21 | 京セラドキュメントソリューションズ株式会社 | 定着装置及び画像形成装置 |
-
2009
- 2009-08-05 JP JP2009182765A patent/JP2011033997A/ja not_active Withdrawn
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2018097265A (ja) * | 2016-12-15 | 2018-06-21 | 京セラドキュメントソリューションズ株式会社 | 定着装置及び画像形成装置 |
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