JP2011032755A - 木造建築物の屋根構造及びその施工方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】屋根骨格1を基礎に構築される屋根構造Sに関する。
屋根骨格1は、母屋12bを少なくとも備え、この母屋12bの屋外側面には、少なくとも一個の断熱パネル2が配設されており、この断熱パネル2は、少なくとも一本の垂木121,221と、この垂木121,221と連結される少なくとも一本のころび止め122,222と、垂木121,221ところび止め122,222とで形成される空間に配設される少なくとも一個の断熱材123,223と、を少なくとも有して構成され、垂木122,222が、屋外側より母屋12bに取付けられている。
【選択図】図11
Description
このような工法において、木造建築物の屋根断熱の構造及び施工方法として、様々な構造及び施工方法が提案されている(例えば、特許文献1及び特許文献2参照)。
本技術における屋根構造では、屋根構造体を構成する野地垂木の上面側に断熱材を配置し、その断熱材の上面に屋根仕上材を配設して屋根を完成させる。
本技術における屋根構造では、屋根構造体を構成するトラス上弦材の上面に樹脂発泡体(断熱材)を配置し、その樹脂発泡体(断熱材)の上面に屋根下地面材を配設する。
また、断熱材を設置するという現場での施工手順が増え、作業効率が低下し、工数が多くなるという問題点もあった。
しかし、この場合、吹抜け天井部を仕上げる工程の一例として、下地桟木設置→下方から断熱材を下地桟木の上に乗せ掛ける→石膏ボードを張って塞ぐ→その後に表面仕上材を貼付、という施工手順を取るが、この作業は、全て下方から上を向きながらの作業である。
このため、特に断熱材の乗せ掛け設置作業においては、非常に非効率的であり労苦を伴う作業であった。
更に、火打ち梁を使用すると、小屋裏空間の使用が制限されるとともに、意匠性においても好ましくないという問題点があった。
また、本発明の他の目的は、広い小屋裏空間を確保するとともに、断熱性が格段に向上した木造建築物の屋根構造及びその施工方法を提供することにある。
そして、本発明に係る断熱パネルは、この断熱パネルを構成する垂木及びころび止めと、屋根骨格形成部材(母屋、棟、桁等)との交差点を、垂木の屋外側より留め付けることにより、屋根骨格に取付けられる。
よって、従来のように、下方から上方を向きながらの作業が不要であり、母屋設置後に、屋根の屋外側から載せ掛け作業を行うことができる。
このため、従来よりも簡易に作業を行うことができ、作業性が格段に向上する。
また、母屋が室内空間に露出して住宅内から視認できるようになり、木質の母屋材の質感により、室内空間の意匠性が向上する。
更に、本発明に係る断熱パネルは、断熱材を備えているため、室内空間への熱伝導を遮断し、快適な室内環境を提供することができる。
前記断熱パネルは、前記構造面材が配設されている側を前記母屋側に向けて配設されるとともに、前記構造面材は、前記母屋に留め付けられていると好適である。
を行うことにより解決される。
この構造面材が備えられた断熱パネルは、特に、小屋裏吹抜け部屋根に好適に使用することができる。
一般的に、木造建築の棟部は、耐力上の問題から軒桁と妻梁との直交部を火打ち梁(斜め材)で補強しなければならない。
しかし、火打ち梁があると、小屋裏空間の利用に制約が生じる。
また、吹抜け天井等を形成する場合、火打ち梁が見えると、室内の意匠性が低下する。
このため、火打ち梁の代わりに、構造面材を断熱パネルに組み込むことにより、十分な耐力を持たせるとともに意匠性をもまた向上させることができる。
つまり、構造面材が備えられているため、広い小屋裏空間を形成できるとともに、高い意匠性をもまた確保することができる。
よって、この構造面材として仕上げ用の面材を使用すれば、仕上げ作業が不要となる。
つまり、断熱パネルを設置するのみで仕上げ作業も終了することとなり、作業性が大きく向上する。
また、仕上げを行うために設置する下地桟木は、母屋材の下に配置されるため、小屋裏の天井レベルが低くなり、室内空間が狭くなるという問題点があるが、構造面材を使用することにより、下地桟木が不要となり、この問題もまた同時に解消される。
このため、構造面材は、この留め付け空間の底部において、屋外側より母屋に留め付けることができる。
よって、本発明に係る断熱パネルにおける構造面材は、屋外側より簡易に留め付けることができる。
このように、高い作業性を確保することもまた可能となる。
更に、前記端部留め付け工程に次いで、前記留め付け空間に後入れ断熱材を屋外側より挿入して、前記留め付け空間を閉塞する後入れ断熱材設置工程を行うよう構成されていると好適である。
また、この後入れ断熱材は、屋外側より設置することが可能であるため、高い作業性もまた確保することができる。
本発明においては、屋根断熱機能を実現するために、屋根材の下に通気空間を備えた。
本発明において、空気は、通気空間を通って流れる。
このため、この通気空間を通過する空気が熱を排出する。
このように、本発明においては、屋根断熱機能を備え、快適な住空間を提供することができる。
更に、前記端部留め付け工程が終了した後、前記断熱材の天面側を、遮熱断熱材で被覆する遮熱断熱材設置工程を行うよう構成されていると好適である。
よって、快適な小屋裏空間を実現することができる。
また、遮熱断熱材は、屋外より設置することが可能であるため、高い作業性もまた確保することができる。
なお、この遮熱断熱材の形状は特に限定されないが、例えば、シート状若しくはボード状等の遮熱断熱材が使用される。
よって、従来のように、母屋設置後に、屋根の屋外側から載せ掛け作業を行うことができ、このため、従来よりも簡易に作業を行うことが可能となり、屋根構造を構築する際の作業性が格段に向上する。
また、母屋が室内空間に露出して住宅内から視認できるようになり、木質の母屋材の質感により、室内空間の意匠性が向上する。
更に、垂木、ころび止め、断熱材が一体となりパネル化されているため、設置作業が大きく効率化されることとなる。
つまり、耐力上設置される火打ち梁が不要となり、小屋裏空間の利用に制約が生じることがなくなり、その分広い小屋裏空間を確保することができる。
また、吹抜け天井等を形成する場合、火打ち梁の代わりに、構造面材を断熱パネルに組み込むことにより、十分な耐力を持たせることができ、意匠性をもまた向上させることができる。
よって、本発明に係る断熱パネルにおける構造面材は、屋外側より簡易に留め付けることができる。
つまり、断熱パネルを設置するのみで仕上げ作業も終了することとなり、作業性が大きく向上する。
更に、仕上げを行うために設置する下地桟木が不要となり、小屋裏の天井レベルが低くなり、室内空間が狭くなるという問題もまた同時に解消される。
更に、構造面材が母屋に留め付けられた状態で、留め付け空間は、後入れ断熱材が挿入されて閉塞されるよう構成されている。
このように構成されているため、断熱材が配設されない部分がなくなり、高い断熱性を確保することができる。
なお、この後入れ断熱材は、屋外側より設置することが可能であるため、高い作業性もまた確保することができる。
このように構成されているため、遮熱断熱材が太陽の日射熱を反射し、太陽の日射熱が小屋裏に伝導することを防止することができる。なお、遮熱断熱材は、屋外より設置することが可能であるため、高い作業性もまた確保することができる。
このように、確実な断熱機能を発揮することができ、快適な小屋裏空間を実現することができる。
本発明において、空気は通気空間を通って流れることとなり、この通気空間を通過する空気が熱を排出する。
このように、本発明においては、屋根断熱機能を備え、快適な住空間を提供することができる。
また、広い小屋裏空間を確保するとともに、断熱性が格段に向上する。
更に、意匠性もまた向上する。
なお、以下に説明する構成は本発明を限定するものでなく、本発明の趣旨の範囲内で種々改変することができるものである。
本実施形態は、母屋設置後に、上から乗せ掛けすることができ、作業性が格段に向上した木造建築物の屋根構造及びその施工方法に関するものである。
本実施形態に係る屋根構造Sは、屋根骨格1、断熱パネル2を有して構成されている。
本実施形態に係る屋根骨格1は、トラス骨格11と、屋根支持骨格12とを有して構成されている。
トラス骨格11は、棟束11aと、この棟束11aを中心にこれに平行に立設する複数の小屋束11b(棟束11aと離隔するにつれて短くなり、棟束11aを中心にシンメトリーに配設される)と、これら小屋束11bの上端部を架橋するように配設されるけらばパネル受木11cと、棟束11a及び複数の小屋束11bの下端部を受けて固定する梁11dにより略二等辺三角形状に形成されている。
このように、棟束11a、小屋束11b、けらばパネル受木11c、梁11dにより構成された2枚のトラス骨格11と、棟12a、母屋12b、桁12cとで構成された屋根支持骨格12を組合わせることによって、屋根骨格1が形成されている。
なお、
本実施形態においては、2種類の断熱パネル2を説明する。
つまり、構造面材124を備える第1断熱パネル21と、構造面材124が備えられない第2断熱パネル22とを説明する。
構造面材124を備える第1断熱パネル21は、主として、小屋裏吹抜け部屋根に使用され、構造面材124を備えない第2断熱パネル22は、主として下屋部屋根に使用される。
しかし、火打ち梁があると、小屋裏空間の利用に制約が生じる。
また、吹抜け天井等を形成する場合、火打ち梁が見えると、室内の意匠性が低下する。
このため、火打ち梁の代わりに、構造面材124を第1断熱パネル21に組み込むことにより、十分な耐力を持たせるとともに意匠性をもまた向上させることとした。
どちらの形態であっても、屋根組み上げ作業に先立って断熱パネル2を作成することができ、作業性が大きく向上することは同様である。
図3は、屋根部分の分解凡例図である。
図3のA部分は棟部、図3のB部分は中間部、図3のC部分は軒先部を示す。
なお、本実施形態における例は、発明を実施するための一例であり、本発明を限定するものではない。例えば、屋根の骨格や仕様・デザイン等は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、適宜変更することができる。
本実施形態に係る棟部第1断熱パネル21Aは、3本の垂木121、4個のころび止め122、2個の断熱材123、構造面材124を有して構成されている。
そして、隣接する垂木121,121間の両端部には、これらを架橋するようにころび止め122が、垂木121,121に対して略垂直となるように配設されている。
なお、この枠体W1には、2個の垂木121,121及び2個のころび止め122,122とで構成される空間が2個形成されるが、以下、この空間を「断熱材配設空間K1」と記す。
本実施形態においては、断熱材123は、公知のポリスチレンフォームが使用されている。
ただし、これに限られることはなく、ウレタン樹脂等、どのような形態のものが使用されていてもよい。
この断熱材123の長手方向の長さは、相対向するころび止め122,122間の距離(つまり、断熱材配設空間K1の長手方向の長さ)よりも若干小さくなるように構成されている。
この空間を以下「留め付け空間K1a」と記す。
なお、ここに言う「厚さ」とは、第1断熱パネル21Aの表裏面方向の距離を指す。
よって、垂木121,121天面に野地合板等の屋根材を配設した時に、この野地合板等の屋根材下面と断熱材123天面との間に空間が生じ、この空間が「通気空間M」となる。
留め付け空間K1aは、断熱材123が配設されている側から、後述する構造面材124を留め付けるために使用され、留め付け後には、後入れ断熱材125で閉塞される。
なお、上記、棟部第1断熱パネル21Aと同様の構成は同符号を付し、説明を簡略化する。
図5は、図3のB部分(中間部)に使用される中間部第1断熱パネル21Bの4面図を示す。
垂木121は、長尺の木質板状部材であり、本実施形態においては、等間隔及び略平行に配設される。
このように、3本の垂木121及び2個のころび止め122によって、フレーム状の枠体W1(一辺が欠けた枠状体として形成される)が構成される。
なお、この枠体W1には、2個の垂木121、121及び1個のころび止め122とで構成される空間が2個形成されるが、以下、この空間を「断熱材配設空間K1」と記す。
本実施形態においては、断熱材123は、公知のポリスチレンフォームが使用されている。
ただし、これに限られることはなく、ウレタン樹脂等、どのような形態のものが使用されていてもよい。
この断熱材123の幅は、隣接する垂木121,121間の距離とほぼ同一となるように構成されており、断熱材123の長手方向の長さの2倍は、枠体W1の長手方向の長さよりも小さくなるように構成されている。
これらの空間を以下「留め付け空間K1a」と記す。本実施形態においては、この留め付け空間K1aは4個形成される。
この留め付け空間K1aの機能は、上記棟部第1断熱パネル21Aと同様である。
また、通気空間Mに関しても、上記棟部第1断熱パネル21Aと同様である。
このとき、ころび止め122は、構造面材124に被覆されないよう構成されている。
なお、上記、棟部第1断熱パネル21A及び中間部第1断熱パネル23Bと同様の構成は同符号を付し、説明を簡略化する。
図6は、図3のC部分(軒先部)に使用される軒先部第1断熱パネル21Cの4面図を示す。
垂木121は、長尺の木質板状部材であり、本実施形態においては、等間隔及び略平行に配設される。
そして、隣接する垂木121,121間の一端部側には、これらを架橋するようにころび止め122が、垂木121,121に対して略垂直となるように配設されている。
この延出部分121aは、家屋の軒部分を構成する骨格となる。
なお、この枠体W1には、2個の垂木121、121及び1個のころび止め122とで構成される空間が2個形成されるが、以下、この空間を「断熱材配設空間K1」と記す。
この断熱材配設空間K1,K1には、4個の断熱材123が各々配設される。
本実施形態においては、断熱材123は、公知のポリスチレンフォームが使用されている。
ただし、これに限られることはなく、ウレタン樹脂等、どのような形態のものが使用されていてもよい。
これらの空間を以下「留め付け空間K1a」と記す。本実施形態においては、この留め付け空間K1aは4個形成される。
この留め付け空間K1aの機能は、上記棟部第1断熱パネル21A及び中間部第1断熱パネル21Bと同様である。
また、通気空間Mに関しても、上記棟部第1断熱パネル21A及び中間部第1断熱パネル21Bと同様である。
このとき、ころび止め122は、構造面材124に被覆されないよう構成されている。
また、垂木121の延出部分121aは、構造面材124に被覆されることなく突出している。
図7は、屋根部分の分解凡例図である。
図7のD部分は棟部、図7のE部分は軒先部を示す。
なお、前述の通り、本実施形態における例は、発明を実施するための一例であり、本発明を限定するものではない。例えば、屋根の骨格や仕様・デザイン等は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、適宜変更することができる。
本実施形態に係る棟部第2断熱パネル22Aは、1本の垂木221、2個のころび止め222、1個の断熱材223を有して構成されている。
そして、垂木221間の両端部には、ころび止め222が、垂木221に対して同方向略垂直となるように配設されている。
なお、この枠体W2には、1個の垂木221及び2個のころび止め222,222とで構成される空間が1個形成されるが、以下、この空間を「断熱材配設空間K2」と記す。
本実施形態においては、断熱材223は、公知のポリスチレンフォームが使用されている。
ただし、これに限られることはなく、ウレタン樹脂等、どのような形態のものが使用されていてもよい。
この断熱材223は、枠体W2の内径サイズとほぼ同サイズとなるように構成されており、この断熱材配設空間K2に納められる。
なお、通気空間Mに関しては、上記第1断熱パネル21の棟部第1断熱パネル21Aに関する説明と同様である。
本実施形態に係る軒先部第2断熱パネル22Bは、1本の垂木221、2個のころび止め222、1個の断熱材223を有して構成されている。
そして、垂木221間の両端部には、ころび止め222が、垂木221に対して同方向略垂直となるように配設されている。
この延出部分221aは、家屋の軒部分を構成する骨格となる。
なお、この枠体W2には、1個の垂木221及び2個のころび止め222,222とで構成される空間が1個形成されるが、以下、この空間を「断熱材配設空間K2」と記す。
本実施形態においては、断熱材223は、公知のポリスチレンフォームが使用されている。
ただし、これに限られることはなく、ウレタン樹脂等、どのような形態のものが使用されていてもよい。
この断熱材223は、枠体W2の内径サイズとほぼ同サイズとなるように構成されており、この断熱材配設空間K2に納められる。
なお、通気空間Mに関しては、上記第1断熱パネル21の軒先部第1断熱パネル21Cに関する説明と同様である。
まず、工程1で、軒桁調整合板Gを桁12cの屋外側端部に留め付けて調整を行う。
この際、けらばパネルFを取付けておく。
次いで、工程2で第1断熱パネル21を屋根骨格1の母屋12b上面(屋外側面)に載置する。
このとき、第1断熱パネル21は、構造面材124側が母屋12bに載置されるように(つまり、断熱材123が露出する面を上面(屋外側)に向けて)配設される。
また、第1断熱パネル21は、軒側から順に一枚ずつ施工するとよい。
これは、断熱材123,123間及び一方の断熱材123の長手方向一端部ところび止め122との間形成される留め付け空間K1aから釘を打ち込み、構造面材124を母屋12bに留め付ける。
このように、本実施形態においては、第1断熱パネル21を、屋外側より留め付けることが可能である。
よって、屋内側より、下方から上を向きながらの作業を行う必要がなく、このため、特に断熱材123の乗せ掛け設置作業における作業性を向上させることができる。
この工程では、垂木121を母屋12bに釘留めする。
次いで、工程5で、ころび止め122を螺子留めする。
これは、桁12c上に交差している垂木121部分を、桁12cに留め付ける作業である。
このように、第1断熱パネル21が屋根骨格1上面(屋外側)に取付けられたら、工程7で後入れ断熱材125を設置する。
これは、留め付け空間K1a部分に、後入れ断熱材125を配設して、この留め付け空間K1a部分を閉塞する作業である。
この作業により、隙間なく屋根部分の断熱を行うことができる。
本実施形態においては、遮熱断熱材Hは、プレカットされた一面がアルミニウムコーティングされた遮熱シートを使用した。
しかし、この遮熱断熱材Hは、シート状に限られることはなく、ボード状等、どのような形状のものが使用されてもよい。
遮熱断熱材Hは、断熱材123の天面(屋外側)部分を全て被覆するように枠体W1に囲まれた部分に配設される。
そして、最後に、工程9で、野地合板を貼付するとともに、ルーフィング施工を行い、屋根を完成させる。
よって、この構造面材124として仕上げ用の面材を使用すれば、室内側の仕上げ作業が不要となる。
つまり、第1断熱パネル21を設置するのみで仕上げ作業も終了することとなり、作業性が大きく向上する。
まず、工程1で、けらばパネルFを取付ける。
次いで、工程2で、先行垂木Jを留め付ける。
この先行垂木Jは、けらばパネルF側に母屋12bと直交するように、母屋12b上面(屋外側)に留め付けられる。
このとき、枠体W2の欠けた一辺側(つまり、断熱材223の垂木221が配設される側の長辺と対向する長辺側)が、先行垂木Jに接するように第2断熱パネル22を配置する。
よって、断熱材223は、先行垂木Jと第2断熱パネル22を構成する垂木221とに挟持された状態となる。
なお、次に配置される第2断熱パネル22は、先行垂木Jの代わりに、先に設置されている第2断熱パネル22の垂木221と、自己の垂木221とにより断熱材223を挟持する。
このように、垂木221を共有させながら、第2断熱パネル22を並列させて取付けることとなる。
また、第2断熱パネル22は、軒側から順に一枚ずつ施工するとよい。
この工程では、垂木221を母屋12bに釘留めする。
次いで、工程5で、ころび止め222を螺子留めする。
これは、桁12c上に交差している垂木221部分を、桁12cに留め付ける作業である。
このように、第2断熱パネル22が屋根骨格1上面(屋外側)に取付けられたら、工程7で遮熱断熱材Hを設置する。
本実施形態においては、遮熱断熱材Hは、プレカットされた一面がアルミニウムコーティングされた遮熱シートを使用した。
しかし、この遮熱断熱材Hは、シート状に限られることはなく、ボード状等、どのような形状のものが使用されてもよい。
遮熱断熱材Hは、断熱材223の天面(屋外側)部分を全て被覆するように枠体W2に囲まれた部分に配設される。
なお、本実施形態に係る第2断熱パネル22は、垂木221、ころび止め222、断熱材223が一体となりパネル化されているため、設置作業が大きく効率化されることとなる。
本実施形態に係る屋根断熱機能は、熱の伝導と放射を抑えることにより実現される。
本実施形態に係る屋根断熱機能を実現するために、屋根材の下には通気層がを備えられる。
つまり、上記通気空間Mが形成されている。
矢印Xに示すように、空気は、通気空間Mを通って流れる。
このため、この通気空間Mを通過する空気が熱を排出する。
また、矢印Yに示すように遮熱断熱材Hが太陽の日射熱を反射するとともに、断熱材123,223により、太陽の日射熱が小屋裏に伝導することを防止する。
よって、快適な小屋裏空間を実現することができる。
また、構造面材124の採用により、火打ち梁が不要となり、広い小屋裏空間を確保するとともに、断熱性が格段に向上する。
更に、火打ち梁が不要となるため、小屋裏空間の意匠性もまた向上する。
また、屋根断熱機能を備え、快適な住空間を提供することができる。
11 トラス骨格
11a 棟束
11b 小屋束
11c けらばパネル受木
11d 梁
12 屋根支持骨格
12a 棟
12b 母屋
12c 桁
2 断熱パネル
21 第1断熱パネル
21A 棟部第1断熱パネル
21B 中間部第1断熱パネル
21C 軒先部第1断熱パネル
121,221 垂木
121a,221a 延出部分
122,222 ころび止め
123,223 断熱材
124 構造面材
125 後入れ断熱材
22 第2断熱パネル
22A 棟部第2断熱パネル
22B 軒先部第2断熱パネル
F けらばパネル
G 軒桁調整合板
H 遮熱断熱材
J 先行垂木
K1,K2 断熱材配設空間
K1a 留め付け空間
M 通気空間
S 屋根構造
W1,W2 枠体
Claims (10)
- 屋根骨格を基礎に構築される屋根構造であって、
前記屋根骨格は、母屋を少なくとも備え、
前記母屋の屋外側面には、少なくとも一個の断熱パネルが配設されており、
該断熱パネルは、少なくとも一本の垂木と、該垂木と連結される少なくとも一本のころび止めと、前記垂木と前記ころび止めとで形成される空間に配設される少なくとも一個の断熱材と、を少なくとも有して構成され、
前記垂木が、屋外側より前記母屋に取付けられていることを特徴とする木造建築物の屋根構造。 - 前記断熱パネルの一面側には、平板状の構造面材が配設されており、
前記断熱パネルは、前記構造面材が配設されている側を前記母屋側に向けて配設されるとともに、前記構造面材は、屋外側より前記母屋に留め付けられていることを特徴とする木造建築物の屋根構造。 - 前記断熱パネルは、少なくとも一本の垂木と、該垂木と連結される少なくとも一本のころび止めと、前記垂木と前記ころび止めとで形成される空間に配設される少なくとも一個の断熱材と、を少なくとも有して構成されており、
前記断熱材の一端部と前記ころび止めとの間、若しくは隣り合う2個の前記断熱材の間は当接しておらず、留め付け空間が形成されており、
該留め付け空間底部には、前記構造面材が露出しており、
前記構造面材は、前記留め付け空間の底部において、屋外側より前記母屋に留め付けられていることを特徴とする請求項2に記載の木造建築物の屋根構造。 - 前記構造面材が前記母屋に留め付けられた状態で、前記留め付け空間は、後入れ断熱材が挿入されて閉塞されていることを特徴とする請求項3に記載の木造建築物の屋根構造。
- 前記垂木の表裏面方向の距離は前記断熱材の厚さよりも大きくなるよう構成されるとともに、前記ころび止めの表裏面方向の距離は前記断熱材の厚さよりも小さくなるように構成されており、
前記断熱パネルを構成する各部材は、裏面側に面一に揃えられており、
前記垂木の天面にルーフィング部材を配設した際、前記断熱材の天面側と、前記垂木の屋外側の突出部分とで囲まれた空間が、通気空間となることを特徴とする請求項1に記載の木造建築物の屋根構造。 - 前記断熱材の天面には、遮熱断熱材が配設されていることを特徴とする請求項1に記載の木造建築物の屋根構造。
- 屋根骨格を基礎に構築される屋根構造の施工方法であって、
少なくとも一本の垂木と、該垂木と連結される少なくとも一本のころび止めと、前記垂木と前記ころび止めとで形成される空間に配設される少なくとも一個の断熱材と、を少なくとも有して構成される断熱パネルを、屋根構造を構成する屋根骨格に備えられる母屋の屋外側に載置するパネル設置工程と、
前記垂木と前記母屋との交差点を、前記垂木屋外側より留め付ける垂木留め付け工程と、
前記ころび止めと、前記屋根骨格を構成する棟若しくは桁、前記母屋のいずれかとの交差点を、前記ころび止め屋外側より留め付けるころび止め留め付け工程と、
前記垂木と前記桁との交差点を、前記垂木屋外側より留め付ける端部留め付け工程と、
を行うことを特徴とする木造建築物の屋根構造施工方法。 - 屋根骨格を基礎に構築される屋根構造の施工方法であって、
少なくとも一本の垂木と、該垂木と連結される少なくとも一本のころび止めと、前記垂木と前記ころび止めとで形成される空間に配設される少なくとも一個の断熱材と、該断熱材の一面側に配設される平板状の構造面材と、を少なくとも有して構成される断熱パネルを、屋根構造を構成する屋根骨格に備えられる母屋の屋外側に、前記構造面材側を前記母屋上に載置するように配設するパネル設置工程と、
前記断熱材の一端部と前記ころび止めとの間、若しくは隣り合う2個の前記断熱材の間は当接しておらず留め付け空間が形成されるとともに、該留め付け空間底部には前記構造面材が露出しており、前記留め付け空間底部と前記母屋との交差点を、前記留め付け空間底部屋外側より留め付ける構造面材留め付け工程と、
前記垂木と前記母屋との交差点を、前記垂木屋外側より留め付ける垂木留め付け工程と、
前記ころび止めと、前記屋根骨格を構成する棟若しくは桁、前記母屋のいずれかとの交差点を、前記ころび止め屋外側より留め付けるころび止め留め付け工程と、
前記垂木と前記桁との交差点を、前記垂木屋外側より留め付ける端部留め付け工程と、
を行うことを特徴とする木造建築物の屋根構造施工方法。 - 前記端部留め付け工程に次いで、前記留め付け空間に後入れ断熱材を屋外側より挿入して、前記留め付け空間を閉塞する後入れ断熱材設置工程を行うことを特徴とする請求項8に記載の木造建築物の屋根構造施工方法。
- 前記端部留め付け工程が終了した後、前記断熱材の天面側を、遮熱断熱材で被覆する遮熱断熱材設置工程を行うことを特徴とする請求項7又は請求項8に記載の木造建築物の屋根構造施工方法。
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